JPS6324809Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ペースト状フアンデーシヨン、クリ
ーム状クレンジング等其の他のペースト状化粧料
用コンパクトに関する。

従来、ペースト状化粧料の容器形態としては、
キヤツプにより密封した壜体若しくはチユーブ体
がその殆どであつた。それ故、消費者がペースト
状化粧料を使用する場合、いちいちキヤツプを外
さなければならず、しかも外したキヤツプをとも
すれば紛失したりする事があり、この点の改善が
切望されていた。また、外出先等での化粧直しを
目的としてハンドバツクなどに携帯する場合は、
容器が重かつたり、かさばるなど極めて不便であ
つた。。更に、通常の壜体、チユーブ体にあつて
は、形状的に新味に乏しく、消費者の多様な嗜好
に答えるには不充分であつた。

本考案は前記欠点を解消すべく改良されたもの
で、支持部を有する中蓋の下方に伸縮自在の弾性
体を収納して前記中蓋を浮沈させる事を可能なら
しめると共に前記中蓋に通液部を形成して簡便に
前記化粧料を取り出す事を可能ならしめ、且つ、
携帯性に富んだ、使用上便利なコンパクトを提供
するものである。

以下、本考案の構造をその実施例を図面に従つ
て説明すれば、第１図、第２図に示す如く、１は
コンパクトの蓋体、２はその本体である。３は本
体内に収納させる内容器で、前記内容器３の内周
壁には縦溝４を縦設し、前記縦溝４の底部下方に
弾性体収納部５を形成して伸縮自在な弾性体６を
収納させてある。前記弾性体６は、合成ゴム若し
くは合成ゴム発泡体等が利用できるが、スプリン
グを利用する事も可能である。また、前記弾性体
収納部５は前記内容器３内に周設させても良い
が、第３図に示す如く複数個所に分散して形設さ
せても良い。。

７は合成樹脂等で成型した中蓋で、該中蓋７の
下部には係合突部８を側壁に突設した支持部９を
形設させてある。前記支持部９は前記弾性体収納
部５の形成方法と同様に前記中蓋７の下部に周設
させる方法もあるが、第３図に示す如く複数個所
形設させてもよく、その形設方法の如何を問わな
い。

前記支持部９を有する中蓋７は内容器３内へ弾
性体６の上方に位置する様に収納させるが、前記
弾性体６の反撥弾性力によつて押し上げられる為
に前記係合突部８を前記縦溝４に係合させて該縦
溝４の上部で当接抑止させる。一方、ペースト状
化粧料１０は前記支持部９を有する中蓋７と前記
内容器３とにより形成される化粧料収納部１１内
に容入される。

更に、前記支持部９を有する中蓋７には通液部
１２を穿設するが、該通液部１２の形状・大き
さ・個数等は化粧料１０の粘性や一回の使用量等
の条件に応じて適宜選定すれば良い。

尚、化粧料１０の充填方法は、前記中蓋７を前
記内容器３内に収納させる前に充填する方法と、
予め前記中蓋７を前記内容器３内に収納させて充
填時に治具等で前記通液部１２を閉塞し、前記内
容器３の底部に形成した充填口部１３から充填し
た後、底蓋１４を嵌着等の手段により閉蓋する方
法があり、適宜生産条件に合わせて選定すれば良
い。

また、不正使用防止を目的とした合成樹脂フイ
ルム等を前記中蓋７の表面上に密着させる様に構
成すれば、消費者に安心感を与えるのみならず、
粘性の低い化粧料の輸送時に於る漏出や水分の蒸
発等を防止する事も可能となる。

前記内容器３は、第１図に示す如く、蓋体１を
有するコンパクトの本体２に、上部及び底部を開
口して形成した内容器収納部１５へ収納させる
が、この場合、例えば、前記内容器３の外周壁に
嵌合凸部１６を突設し、前記内容器収納部１５の
内周壁に嵌合凹部１７を形設して、前記嵌合凸部
１６と嵌脱可能に固定させるようにしてある。従
つて、上部に蓋体を形設する事により前記内容器
３をカートリツジ体としてコンパクト本体とは別
に消費者に提供する事が可能である。

本考案は以上の如く構成したので、これを使用
する際は、コンパクトの本体２を開蓋し、手指或
いはスポンジ・パフ等の塗布体により中蓋７の表
面を押圧すれば、支持部９の下部に収納されてい
る弾性体６が縮退し前記中蓋７を沈降せしめる
為、容入されていた化粧料１０が通液部１２を通
つて滲出する。ついで、これを手指或いは塗布体
で擦取すれば、直ちに化粧操作に移る事ができ
る。また、中蓋７に加えられている押圧力を解除
すれば、前記弾性体６が伸長し前記中蓋７を浮上
せしめ、且つ、係合突部８を縦溝４の上部に当接
せしめるから、直ちに初期形態を回復する。

更に、内容器収納部１５は上部及び底部を開口
させてあるので、前記内容器３を内容器収納部１
５の上部若しくは底部より容易に取り付け、取り
外す事が可能であり、実用上特に有利である。ま
た、コンパクトの本体２の底面を必要としないの
で、薄型にすることもできる。

以上詳述せる如く、本考案は従来の壜状或いは
チユーブ状の容器に比して携帯性、使用時の簡便
性が遥かに優れ、外出先等での化粧直しが非常に
便利になるという利点がある。しかも、容器の形
状を従来考えられなかつた美麗なコンパクトとし
て提供できるから、便利さのみならず斬新な印象
をも同時に消費者に与えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すコンパクトの
本体及び蓋体のみを切断した右側面図、第２図は
内容器の縦断面図、第３図は内容器の外周壁の一
部を切り欠いた部分拡大図である。 １……蓋体、２……本体、３……内容器、４…
…縦溝、５……弾性体収納部、６……弾性体、７
……中蓋、８……係合突部、９……支持部、１２
……通液部、１５……内容器収納部、１６……嵌
合凸部、１７……嵌合凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (i) 本体２と蓋体１とから成るコンパクトに於
   て、 (ii) 前記本体２内に収納する内容器３の内周壁に
   縦溝４を縦設し、 (iii) 前記縦溝４の底部下方に形設した弾性体収納
   部５へ伸縮自在の弾性体６を収納させ、 (iv) 前記縦溝４に係合する係合突部８を突設した
   支持部９を有する中蓋７を、前記弾性体６の上
   方へ収納させ、 (v) 前記中蓋７に通液部１２を形成させると共
   に、 (vi) 内容器３を収納する本体２は、上部及び底部
   を開口させて内容器収納部１５を形成し、 (vii) 前記内容器収納部１５の内周壁に嵌合凹部１
   ７を形設し、 (viii) 前記内容器３の外周壁に前記嵌合凹部１７に
   嵌合する嵌合凸部１６を形設した事を特徴とす
   るペースト状化粧料用コンパクト。