JP4429651B2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、ファンデーション等の各種粧料を収納するのに適した携帯用のコンパクト容器に係わり、特に、コンパクト容器内に収納されている白粉やファンデーションその他の粉末状化粧料等を、少しも残さずに最後まで使い切ることができる携帯用コンパクト容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に使用されている粉末状の化粧料を収容した容器は、各種の化粧料が収容される容器本体に密閉蓋体が開閉自在に設けられたもので、前記容器本体には底部が比較的浅くて、口部が広く形成された収容凹部に化粧料が収容される中皿を嵌合可能に形成されており、また、化粧用パフや筆等化粧具が収納可能に形成されている。
そして、前記中皿に化粧料が収容されて、該中皿の開口部には化粧料を覆うように網目体を張設して、内部の粉末化粧料が飛散するのを防止すると共に、前記網目体にパフ等の化粧具を押し当てて網目から浮き出た粉末化粧料を化粧具に付着させて使用する際に、化粧具に粉末化粧料が付着し過ぎるを防止する構造をしている。
【0003】
しかし、単に上記したような構造にした化粧料容器に於いては、パフへの粉末化粧料の付着量を自動的に適当な量に調節することができず、多量に付着した場合には、その都度パフを網目体を叩いて余分な量の化粧料を払い落とさなければならず不便な場合がある。
そこで、このような不便さをなくして、パフへの粉末化粧料の付着量を自動的に調整できるようにした粉末化粧料の容器としては、実公昭62−14973号や実開昭63−177407号公報等に見るように、化粧料が収容された中皿の開口部に張設された網目体が、パフによる押圧によって伸長しながら下方へ沈んで網目から粉末の化粧料が浮きでるようにして、また、パフの押圧が解除された時自己弾性力により元の平坦な状態に復帰可能とし、網目体に擦り付けられるパフへの化粧料の付着量が適当な量に調節できるようにした粉末化粧料容器が知られている。
【0004】
しかしながら、上記した考案のような化粧料容器於いては、粉末状の化粧料は網目体を介してパフにより中皿の底面に押圧されて付着されて、パフが網目体から離れた際に、網目体だけが元に復帰するようにしたものであるから、中皿の底面に押圧される粉末化粧料等は、使用するうちに何度も押圧されると、そのままの状態で押し固められるので、化粧料が網目体を通過できなくなってしまい、パフ等の化粧具に対して化粧料を均一に付着させることができなくなったり、また、容器の底部に固まりとなって残った化粧料は最後使い切ることが困難になる等の問題があった。
【0005】
そこで、上記したような問題点を解決するために、コンパクト容器の外容器の凹所に粉末化粧料等を充填した中皿を嵌合したコンパクト化粧料容器に於いて、前記中皿の開口面には粉末化粧料が通過可能な網目体を設けて、前記凹所内に上下動可能に装着して、パフ等により網目体の上から中皿が押圧された時には下降するように変形して、パフ等が網目体から離れた時には中皿は自己弾性力により元の形状に戻るような構造にして、できるだけ平坦な状態を保ちつつ粉末化粧料等を取り出すことができて、また、固化することもなしに最後まで使用可能にしたものが、実公平7−11694号や特開平9−28456号公報等にして提案されている。
【0006】
上記したようなコンパクト容器は、図4に示すように、熱可塑性合成樹脂等により成形された弾性変形が可能な中皿24に粉末化粧料等pを充填したものを、外容器22の凹所内に設けたコンパクト化粧料容器に於いて、前記中皿24の底壁部24aおよび底壁部から立設する側壁部24bを屈曲変形が可能に形成すると共に、前記中皿の開口部に網目体25を張設した枠体25aを嵌着して一体となした中皿24を外容器22の凹所内に嵌合せしめて上下動可能に形成した構造にしている。
そして、前記中皿24の底壁部24aと外容器22の底板22aとの間に弾性変形可能な押し上げ部材27を設けて、パフ26による押圧力により押し下げられて変形した中皿24の底壁部24aを、前記押し上げ部材27の弾性力で押し上げて元の位置に押し戻すことにより、粉末化粧料等pを固化させないような構造にした化粧料容器である。
【0007】
上記のような構造にした粉末化粧料等を収容したコンパクト容器は、化粧料等の内容物が少なくなった場合にも、パフ等で押圧される中皿24は底壁部24aが平坦に近い状態で押し下げられるように変形して、化粧料は最初と同じようにパフ等に付着させることができて、最後まで残さずに使用することができるように形成されていて非常に便利である。
しかし、上記のようなコンパクト容器は、前記中皿24の底壁部24aと外容器22の底板22aとの間に空間部を形成して、該空間部に押し上げ部材27を固定しなければならず、構造が複雑になり生産コストが高くなり、また、前記押し上げ部材27の押し上げレバー27aは、使用する度に押圧による屈曲が繰り返されるので、復元力が弱くなったり、折損したりする恐れもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、開閉可能な蓋体を設けた化粧容器本体の収納凹部に粉末化粧料等を充填した中皿を嵌着すると共に、前記中皿の開口面に網目体を張設してパフ等の化粧具に付着可能に形成した化粧用コンパクト容器に於いて、前記中皿内の化粧料を均一にパフ等に付着させて最後まで使用できるようにするために、前記中皿と網目体を平坦な状態を保ちつつ前記収納凹部内を上下動させることが可能な構造にすると共に、できるだけ簡単な構造に形成して、使い勝手が良くて故障もなくて、且つ、安価に製造できるように形成して、また、内容物の詰め替えが容易にできる化粧料用コンパクト容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本願発明は、開閉可能な蓋体を設けて化粧料等を収容可能に形成した化粧容器本体の外容器に中皿を収容する収容凹部を形成して、粉末化粧料等を充填した中皿を前記収容凹部内に収容して、前記中皿の化粧料等を均一にパフ等の化粧具に付着できるように構成したファンデーションや白粉等の化粧料用容器に於いて、前記中皿の周縁部に前記収容凹部の内周面に密着する摺動部を設けて、前記中皿を上下方向に慴動可能に形成して、また、前記収容凹部の開口端部に網目体を張設して、前記中皿に収容した粉末化粧料等の飛散を防止すると共に、前記網目体の一部にしごき部を設けて、パフ等の化粧具に付着し過ぎた化粧料をしごき落とすように構成する。
【0010】
【発明の実施の態様】
本願の発明は、熱可塑性合成樹脂等により化粧用コンパクト容器本体の外容器を形成して、前記外容器に粉末化粧料等を充填する中皿を収容可能な収容凹部を形成すると共に、該外容器に容器の開口部を密閉する密閉蓋体を開閉自在に嵌合可能に形成して化粧容器本体を形成する。
また、粉末化粧料等を充填する前記中皿の周縁部に摺動部を設けて前記収容凹部の内周面に密着可能に形成すると共に、前記中皿を前記収容凹部内に嵌着せしめて上下方向へ摺動可能に形成して、本願発明の化粧用コンパクトの容器本体を構成する。
【0011】
上記のように構成した容器本体の収容凹部に収容された前記中皿にファンデーションや白粉等の化粧料を充填してから、前記収容凹部の開口部に嵌着可能に形成した網目体を収容凹部の開口端部に嵌合固定して、前記化粧料の飛散を防止すると共に、化粧料をパフ等の化粧具に均一に付着可能に形成する。
そして、前記網目体の上面に密封用のシール密着して、パフ等の化粧具を収納して、容器本体の開口部を密閉可能にした密閉蓋体を開閉自在に設けて化粧用コンパクト容器を構成する。
【0012】
【実施例】
本願発明の化粧用コンパクト容器について、最適な一つの実施例に基づいて、図面を参照しつつ以下に説明する。
本願発明の化粧用コンパクト容器1は、図1に示すように、化粧料を充填する中皿4が収容可能な収容凹部が形成された外容器である容器本体2と、該外容器の開口部に螺合されて密閉する蓋体3とからなり、前記容器本体2の収容凹部に粉末の化粧料等pが充填される中皿4が摺動可能に設けると共に、前記収容凹部の開口部に網目体5を設けて、粉末化粧料等が飛散するのを防止すると共に、化粧料をパフ等の化粧具に均一に塗着できるように構成したものである。
【0013】
上記のように構成される化粧用コンパクト容器1の前記容器本体2は、熱可塑性合成樹脂を射出成形して、図1及び図2に示すように、底部2dに開口2eを設け筒状容器状をした内壁部2bを形成すると共に、前記内壁部の外周面にフランジ状の段部2cを介して筒状の外壁部2aを連設して内外二重壁状の外容器に形成して、前記段部の上部の口頸部2fに蓋体3を螺合可能なネジ部2gを形成した容器本体2を形成する。
そして、前記二重壁状の外容器の内壁部2bに化粧料等が充填される中皿4を摺動可能に嵌合する収容凹部が形成されると共に、該収容凹部の開口端部には前記網目体5が嵌合、固定可能に形成されて、前記容器本体2の口頸部に密閉蓋体3を開閉自在に螺合可能に形成される。
【0014】
上記のように構成された化粧用コンパクト容器1に於いて、図1及び図2に示すように、前記外容器である容器本体2は、化粧料等pが充填される中皿4を摺動可能に嵌合する収容凹部が形成されると共に、該収容凹部の開口端部には前記網目体5が嵌合、固定可能に形成されて、また、前記容器本体2の口頸部には密閉蓋体3を開閉自在に螺合可能にするネジ部2gが形成されている。
【0015】
そして、前記容器本体2の収容凹所に収容して化粧料等pが充填される前記中皿4は、平坦な底壁4aと該底壁の周縁部に摺動部4bを形成して、前記収容凹部に嵌合、密着せしめて化粧料等を充填可能に形成すると共に、前記収容凹部に嵌合された中皿4は内壁面に沿って上下方向に摺動可能に形成されている。
また、前記中皿4が嵌合されて、化粧料等pが充填された前記容器本体2の収容凹部の開口端部には、開口端部に嵌合、固定する環状嵌合部5aと、該環状嵌合部に連設した肉薄の柔軟な連結部5bと、該連結部に連設した肉厚のしごき部5cと、該しごき部に連設した網目部5dとからなる網目体5が嵌合、固定されて、容器本体2の口頸部2fに密閉蓋体3が螺合されて、図1に示すような化粧用コンパクト容器1に形成される。
【0016】
上記のように構成された化粧用コンパクト容器1は、使用するに際して、図2に示すように、密閉蓋体3を螺脱せしめてアルミ箔その他の密閉用のシール部材6を剥がしてから、パフ等の化粧具7を手に持って網目体5dに押し当てると、パフ等に化粧料が付着して使用可能になる。
そして、パフ等の化粧具7に化粧料が付着し過ぎたとしても、しごき部5cによりパフ面の化粧料はしごき落とされて均一になるので、化粧料の付け過ぎというようなことがなくなり便利である。
しかし、このようにして化粧料を使用し続けているうちに、中皿内の化粧料が減少すると、中皿の中央部分のみが窪んだ状態になるので、そのまま使用すると化粧料がパフに付着しづらくなる場合がある。
【0017】
そのような場合には、外容器の底部2dに設けられた開口2eに指先を入れて中皿4の底部4aを押し上げてやると、図2に示したように、中皿は摺動部4bが内壁面に密着した状態で上昇して化粧料面が網目体5に密着して平らな状態になるので、網目部5dに押し当てたパフには化粧料が均一に付着するようになり、中皿4の化粧料を最後までは使用することができるようになる。
上記した実施例に於いては、化粧用コンパクト容器1の開口部を密閉するのに、ネジ蓋を螺合して密閉する手段を採用したが、本願発明は、このような密閉手段に限定されるものではない。
【0018】
例えば、図3に示すように、熱可塑性合成樹脂等により成形した容器本体12の外容器の底部12aを開口すると共に、化粧料等pが充填される中皿14を摺動可能に嵌合する収容凹部を形成して、また、容器の開口端部には密閉蓋体13を開閉自在に連結可能にする蝶番などによる連結部12bを形成すると共に、前記収容凹部の開口端部には網目体15が嵌合、固定可能に形成される。
そして、周縁部に摺動部14bを設けた中皿14を前記収容凹部に上下方向に慴動可能に嵌合して、前記中皿に化粧料等を収容してから実施例と同様に形成された網目体15を嵌合、固定した後に、前記網目体の上に密閉シール16を設けた容器本体に開閉自在に密閉蓋13を連結して化粧用コンパクト容器11が構成される。
【0019】
このような構成にした化粧用コンパクト容器11は、密閉蓋の係止片13bを押すことにより簡単に開くことができて便利であり、また、使用しているうちに中皿14内の化粧料が減少して、中皿の中央部分のみが窪んだ状態になると、外容器の底部12aに設けられた開口に指先を入れて中皿の底部14aを押し上げると、中皿14は上昇して化粧料面が網目体に密着して平らな状態となり、網目部15dに押し当てるパフには化粧料が均一に付着するようになり、中皿の化粧料を最後までは使用することができるようになる。
【0020】
そこで、外容器の底部に設けられた開口に指先を入れて中皿の底部を押し上げてやると、図2に示したように、中皿は摺動部が内壁面に密着した状態で上昇して化粧料面が網目体に密着して平らな状態になるので、網目体に押し当てたパフには化粧料が均一に付着するようになり、中皿の化粧料を最後までは使用することができるようになる。
【0021】
【発明の効果】
本願発明の化粧料用容器は、中皿内の化粧料が減少して化粧具に均一に付着しづらくなった場合に、化粧料が入った中皿を底部から上方へ押し上げて、しごき部を設けた網目体に化粧料等の表面が接するように形成したので、網目に押圧されたパフ等に付着する化粧料等を均一な量にすることができる。
また、移動する中皿は、従来のように弾性体を設けて昇降させるのではなくて、中皿の周縁部に設けた摺動部が収容凹部の内周面に密着して移動して、摺動部により収容凹部に保持されるようにしたので、化粧料等の表面が網目体に接するように容易に移動することができて、その構造は簡単になり、安価に製造することができて、また、故障することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の化粧用コンパクト容器を示す断面図である。
【図2】図1に示すコンパクト容器の使用状態を示した断面図である。
【図3】本願発明の別な実施例を示す断面図である。
【図4】本願発明の先行例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 化粧用コンパクト容器
2 容器本体
3 蓋体
4 中皿
5 網目体
6 密閉シール
7 化粧具
Claims (4)
- 外容器に粉末化粧料等を充填する中皿を収容可能な収容凹部を設けた容器本体と、
該容器本体に開閉可能に設けた密閉蓋と、からなる化粧用コンパクト容器に於いて、
前記収容凹部に粉末化粧料等を充填した中皿を上下方向に摺動可能に嵌合すると共に、前記収容凹部の開口端部に粉末化粧料等に接する網目体を嵌合、固定し、
前記中皿は、その周縁部に前記収容凹部の内周面に密接して移動可能な摺動部を設けて、前記収容凹部を上下に摺動可能で、且つ、水平に保持可能に形成され、
前記容器本体には、前記中皿を収容する収容凹部の底部に指先等が挿入可能な開口が設けられて、前記中皿を押し上げ可能に形成され、
前記中皿内の粉末化粧料等が減少してその上面が窪んだときに、前記開口を通して前記中皿を押し上げることにより、粉末化粧料等の上面を網目体に密着させて平らにし、且つ、この粉末化粧料等の上面への網目体の接触が維持されるように、前記摺動部により前記中皿を収容凹部内に保持させ、
前記粉末化粧料等は、前記網目体に押し当てた塗布具に付着されて使用される構成とされたことを特徴とする粉末化粧料等を均一に付着可能にした化粧用コンパクト容器。 - 前記網目体は、前記収容凹部の開口端部に嵌合、固定する環状嵌合部に肉薄の連結部を介して網目が張設されてなることを特徴とする請求項1に記載する粉末化粧料等を均一に付着可能にした化粧用コンパクト容器。
- 前記網目体は、前記収容凹部の開口端部に嵌合、固定する環状嵌合部に肉薄の連結部を介して設けたしごき部に網目が張設されてなることを特徴とする請求項1に記載する粉末化粧料等を均一に付着可能にした化粧用コンパクト容器。
- 前記容器本体は、前記中皿を収容する収容凹部の外側に開口部を密閉する密閉蓋が開閉自在に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載する粉末化粧料等を均一に付着可能にした化粧用コンパクト容器。
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