JPH0451710Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案は、クリーム状フアンデーシヨンなど
の収納に好適なコンパクト容器に関する。

《従来の技術》 従来のクリーム状フアンデーシヨンなどのクリ
ーム状化粧料は中身を硝子瓶、可撓性チユーブ容
器等に充填し、ネジキヤツプ等で封止した場合が
ほとんどである。従つて、これらのクリーム状化
粧料は携帯に適さないし、携帯しても鏡等がない
場合には化粧をすることができなかつた。

そこで、クリーム状化粧料をコンパクト容器内
に収納して携帯出来るようにすれば、この種の問
題を解決できるし、特に、クリーム状化粧料が頻
繁に使用される傾向にあるため、これをコンパク
ト容器に収納できれば、より一層この種の化粧料
の使い勝手を増すことが出来る。

《考案が解決しようとする問題点》 しかしながら、従来のコンパクト容器自体は固
形又は練り状の化粧料に適合させて作られてお
り、クリーム状化粧料にはそのまま適合すること
はできない。そして、コンパクト容器にクリーム
状化粧料を収納しようとした場合には、クリーム
状化粧料を気密に保存する構造自体は解決困難な
問題とされていた。

この考案は、上述した問題点に鑑みなされたも
のであつて、その目的とするところは、従来から
使用されているコンパクト容器の形態を大幅に変
更することなく、クリーム状化粧料をコンパクト
容器内に気密な状態に収納できるようにしたコン
パクト容器を提供するものである。

《問題点を解決するための手段》 前記目的を達成するため、この考案は、まず、
基本形態として、従来とほぼ同様の形態、すなわ
ち容器本体と蓋体とをそれぞれの後方部で開閉自
在に蝶着し、容器本体に形成された化粧料収納凹
部に化粧料を収納してなるコンパクト容器を用い
た。

そして、前記化粧料収納凹部の前部側に受皿部
材を固定し、その後部側に化粧料収納凹部を上下
に仕切る隔壁板を回動自在に枢着し、該隔壁板上
部に化粧用のパフを収納するとともに、隔壁板の
下部にはクリーム状の化粧料を収納した可撓性乃
至は弾性に富むチユーブ容器を配置し、かつチユ
ーブ容器の先端に突出する首部を前記受皿部材に
形成された化粧料吐出孔に連通させるとともに、
蓋体の閉止時に前記吐出孔を閉鎖するシールキヤ
ツプを蓋体の内面に設けてなり、前記隔壁板の押
圧動作によつて前記可撓性チユーブ容器内のクリ
ーム状化粧料を受皿部材の上面に吐出する構成と
したものである。

《作用》 蓋体を開放した後、化粧料収納凹部の隔壁を下
方に押圧すると、その下方のチユーブ容器が圧迫
されてチユーブ容器内のクリーム状化粧料が受皿
部材の上に押し出され、この化粧料をパフに付け
て化粧することができる。

《実施例》 以下、この考案の好適な一実施例を添付図面を
用いて詳細に説明する。

図において、１は内部に化粧料収納凹部１ａを
形成した合成樹脂製の比較的細長い矩形状の容器
本体を示し、この容器本体１の後端縁部にはピン
２を介して蓋体３が開閉自在に蝶着されている。

蓋体３の内面には鏡４が一体に接着され、ま
た、その前端部には下端を内側に向けて鉤状に折
曲した爪片５が一体に垂下形成されている。

この爪片５に対応して、容器本体１の前端部に
は、係合突起６が突出形成され、第１図に示す状
態では爪片５はこの係合突起６に係合され、蓋体
を閉止状態にロツクしている。

そして、蓋体３の閉止状態からこれを開けるに
は、容器本体１の前端部を手指などによつて押し
上げれば、爪片５が弾撥的に係合突起６から離脱
し、第３図の如く蓋体３を開放できる。

前記化粧料収納凹部１ａの前方側には受皿部材
７が固定され、その後方側は隔壁板８によつて上
下斜めに仕切られている。隔壁板８の後部両端に
はピン８ａが突設され、各ピン８ａを化粧料収納
凹部１ａの後部側両側壁に回動可能に枢支し、隔
壁板８の前方側が上部となるように回動可能に枢
着している。そして、隔壁板８の上面には化粧用
のパフ９が配置されているとともに、隔壁板８に
よつて仕切られたテーパ状の下部空間内には可撓
性乃至は弾性に富むチユーブ容器１０が配置され
ている。

チユーブ容器１０は、プラスチツク製であり、
その胴部１０ａは柔軟性に富み、前記下部空間の
高さ、幅および長さに対応してやや幅広偏平状で
あつて、その断面が後方に向けてテーパ状に形成
されている。このチユーブ容器１０の胴部１０ａ
の前端部には首部１０ｂが突出形成されている。
そして、首部１０ｂの外周にはネジ部が形成さ
れ、ネジ部を前記受皿部材７の後部壁面に形成さ
れたネジ孔１１に螺合することによつて、チユー
ブ容器１０は受皿部材７に結合されている。

この受皿部材７には、前記ネジ孔１１に連通す
るＬ字形のノズル孔１２が開口形成され、ノズル
孔１２の上部は吐出孔１２ａとして受皿部材７の
上面に開口している。この吐出孔１２ａに対向し
て、前記蓋体３の内面前部側にはシールキヤツプ
１３が突出配置されている。このシールキヤツプ
１３は蓋体３の内面に一体に突設された軸部１３
ａの外周にチユーブ状のシールゴム１３ｂは嵌合
したもので、第１図の蓋体３の閉止状態では、前
記吐出孔１２ａを液密に封止するキヤツプとして
の機能を持つている。

従つて、前記蓋体３を閉止した状態では化粧料
の洩れは一切ないものとなる。また、前記容器本
体１及び蓋体３ともに硬質な材料からなつている
ので、蓋体３の閉止状態ではチユーブ容器１０内
の化粧料は気密にシールされるとともに外部の衝
撃から保護されている。

以上の構成において、チユーブ容器１０内のク
リーム状化粧料を注出させるには、まず、蓋体３
を開き、パフ９を取除いた状態で容器本体１上面
に露出している隔壁板８の前端部を手指などによ
つて押圧すれば、隔壁板８は前記ピン８ａを基点
として下方に回動する。この回動動作によつて、
チユーブ容器１０の胴部１０ａは固定側である収
納凹部１ａの底面と作用側である隔壁板８間にて
挟圧され、内部のクリーム状化粧料が首部１０ｂ
およびノズル孔１２を伝つて、受皿部材７の上面
に開口した吐出孔１２ａから吐出する。従つて、
受皿部材７上に吐出した化粧料をパフ９に付着さ
せ化粧に用いることができるのである。また、隔
壁板８の押圧を止めてこれに加えていた力を取り
除くと、チユーブ容器１０自体の弾性回復力また
は内容物の反発力によつて、弾性復元し、第１図
の状態に復帰する。

第２図は、このような押圧動作を使用毎に繰返
し、チユーブ容器１０が空になつた状態を示す。
つまり、前記隔壁板８の枢着位置は、化粧料収納
凹部１ａ内において、チユーブ容器の材料厚みよ
りやや高い位置に設定されている。従つて、内容
物は使い終る状態まで完全に吐出でき、最後まで
無駄なく使用できるのである。

なお、前記隔壁板８はピン８ａを支点に開くこ
とができるので、第２図に示すようにチユーブ容
器１０の内容物を全て使い終つた状態で隔壁板８
を開き、チユーブ容器１０のみを取り外して交換
できる。

《効果》 以上実施例によつて詳細に説明したように、こ
の考案に係るコンパクト容器は、化粧料収納凹部
の前部側に受皿部材を固定し、その後部側に化粧
料収納凹部を上下に仕切る隔壁板を回動自在に枢
着し、該隔壁板上部に化粧用のパフを収納すると
ともに、該隔壁板の下部にはクリーム状の化粧料
を収納した可撓性乃至は弾性に富むチユーブ容器
を配置し、かつ該チユーブ容器の先端に突出する
首部を前記受皿部材に形成された化粧料吐出孔に
連通させるとともに、前記蓋体の閉止時に該吐出
孔を閉鎖するシールキヤツプを蓋体の内面に設け
てなり、前記隔壁板の押圧動作によつて前記可撓
性チユーブ容器内のクリーム状化粧料を受皿部材
の上面に吐出する構成としたので、コンパクト容
器としての基本形態は従来と殆ど変わらない形態
を保持したまま無理なくチユーブ容器を収納で
き、クリーム状化粧料を気密な状態を保持しつつ
携帯することができ、必要に応じて、鏡のない場
所であつても直ちにクリーム状化粧料を吐出させ
て使用できる。

以上のように、この考案ではフアンデーシヨン
などのクリーム状化粧料を従来の硝子瓶や、可撓
性チユーブ容器に収納して携帯するよりも使い勝
手を大幅に向上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかるコンパクト容器の断
面図、第２図はチユーブ容器内のクリーム状化粧
料を使い終つた状態を示す断面図、第３図は同コ
ンパクト容器の分解斜視図である。 １……容器本体、１ａ……化粧料収納凹部、３
……蓋体、７……受皿部材、８……隔壁板、９…
…パフ、１０……可撓性チユーブ容器、１０ａ…
…胴部、１０ｂ……首部、１２……ノズル孔、１
２ａ……吐出孔、１３……シールキヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体１と蓋体３とをそれぞれの後方部で開
   閉自在に蝶着し、該容器本体に形成された化粧料
   収納凹部１ａに化粧料を収納してなるコンパクト
   容器において、該化粧料収納凹部の前部側に受皿
   部材７を固定し、その後部側に化粧料収納凹部を
   上下に仕切る隔壁板８を回動自在に枢着し、該隔
   壁板上部に化粧用のパフ９を収納するとともに、
   該隔壁板の下部にはクリーム状の化粧料を収納し
   た可撓性乃至は弾性に富むチユーブ容器１０を配
   置し、かつ該チユーブ容器の先端に突出する首部
   １０ｂを該受皿部材に形成された化粧料吐出孔１
   ２ａに連通させるとともに、該蓋体の閉止時に該
   吐出孔を閉鎖するシールキヤツプ１３を該蓋体の
   内面に設けてなり、該隔壁板の押圧動作によつて
   該可撓性チユーブ容器内のクリーム状化粧料を受
   皿部材上面に吐出するようにしたことを特徴とす
   るコンパクト容器。