JPH05320112A - α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの製造法 - Google Patents

α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの製造法

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JPH05320112A
JPH05320112A JP4324178A JP32417892A JPH05320112A JP H05320112 A JPH05320112 A JP H05320112A JP 4324178 A JP4324178 A JP 4324178A JP 32417892 A JP32417892 A JP 32417892A JP H05320112 A JPH05320112 A JP H05320112A
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acid
catalyst
manganese dioxide
manganese
ach
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JP4324178A
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English (en)
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Minahito Karasawa
皆人 唐澤
Masasane Inomata
将実 猪俣
Hiroharu Kageyama
弘春 景山
Kanemitsu Miyama
兼光 深山
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 二酸化マンガン触媒を用いるアセトンシアン
ヒドリン(略称名ACH)の水和反応によって、α−ヒ
ドロキシイソ酪酸アミド(略称名HAM)を連続的に製
造する。この際に、酸化物の水溶解物、オキソ酸、ヘテ
ロポリ酸、その酸のアルカリ金属塩及び又はアルカリ土
類金属塩を反応液に共存させる。化合物として、ホウ
酸、ケイ酸、モリブデン酸、タングステン酸、ケイタン
グステン酸、リンモリブデン酸、ホウ砂等を選ぶ。この
添加量は、ACH1モルに対し0.0001〜0.50モル、反応
液基準で10〜20000 ppm である。更に、失活状態の酸化
水酸化マンガンを過酸化水素と硫酸により硫酸マンガン
に還元し、硫酸酸性下、これを過マンガン酸塩により酸
化還元し、再生二酸化マンガンを得る。 【効果】 触媒寿命が大幅に延長され、工業的に有利に
HAMを製造できる。また、酸化水酸化マンガンが未利
用のまま廃棄されることを防止できるとともに、得られ
る二酸化マンガンは再度価値の高い触媒として使用でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−ヒドロキシイソ酪
酸アミドの製造法、更に詳しくは、アセトンシアンヒド
リン(以下、ACHと略する。)と水とを液相で連続的
に反応させてα−ヒドロキシイソ酪酸アミド(以下、H
AMと略する。)を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】一般にアミド化合物は、相
応するニトリル化合物と水との反応でできることが公知
であり、この反応に有効な触媒が種々知られている。米
国特許第3,366,639号に記載されている二酸化マンガン
もその一つである。ニトリル化合物の水和反応に多用さ
れる銅含有触媒がACHなどのα−ヒドロキシニトリル
化合物の水和に全く不十分な成績しか与えないのに反
し、二酸化マンガンは西ドイツ公開特許第2,131,813号
に開示されているように、ACHの水和に対してもかな
りの成績を与えるという特徴がある。
【0003】また、特開昭52-222号公報(米国特許第4,
018,829 号)には、触媒として褐石の存在でACHの水
和を 60 〜90℃の温度範囲で行なうことによりHAMを
製造するに際し、原料液にアセトンを加えることによ
り、HAMの収率を高め得ることが記載されている。更
に、7価マンガン酸塩とハロゲン化水素酸から得られる
二酸化マンガンを用いると、触媒活性のばらつきがなく
なり、また、触媒の性能も向上することが特開昭63-575
35号公報に開示されている。
【0004】しかし、特開昭52-222号公報(米国特許第
4,018,829 号)に開示されたアセトン水溶液の溶媒下、
触媒懸濁型反応器を用いACHの水和によるHAMの工
業的連続製造方法を検討した結果、触媒活性は経日とと
もに急速に低下することが判明した。このような問題の
解決法として、特開平2-196763号公報が開示されてい
る。これは、反応器に供給される原料液の水素イオン濃
度(pH)を4〜8の範囲にすることにより、触媒の活
性低下を抑制する方法である。しかし、この方法でも1
週間を越える長期間にわたって、触媒活性の低下を抑制
するかどうかについての実施例による説明はなされてい
ない。
【0005】また、二酸化マンガン触媒の寿命を延長さ
せるため、二酸化マンガン触媒の調製法の改良が特開平
3-68447 号公報に、また、第二成分を添加した二酸化マ
ンガンが米国特許第 4,987,256号、ヨーロッパ公開特許
第461,850 号に記載されている。しかし、これらの方法
ではいずれでも一応その効果は見られるものの、二酸化
マンガン触媒の寿命としては、未だ十分とは言えない。
以上のように、工業的にACHの水和によりHAMを連
続製造する上では、二酸化マンガン触媒の劣化又は失活
による触媒交換が頻繁になることと、それによる触媒費
用が増加することのため、二酸化マンガン触媒の活性を
長期間維持することが最大の課題である。
【0006】更に、一方では、第二の課題として、失活
した二酸化マンガン触媒を容易に再生させ、再利用する
ことができないかということである。従来の文献中、こ
の二酸化マンガン触媒の失活した状態に関して、その形
態や物性等を記載したものは、全く見当たらない。本発
明者らは、HAMの製造に用いて失活した二酸化マンガ
ンを元の二酸化マンガンに再生することを検討したが、
固体のままでは元の二酸化マンガンにすることは困難で
あることが判った。そのため、大量に触媒として使用さ
れ、失活する二酸化マンガンは未利用のまま廃棄するほ
かなく、環境問題になることが懸念される。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、原料の
ACH中に含有する遊離の青酸が二酸化マンガン触媒の
寿命に悪影響を及ぼしていると想定し、これを中和する
目的で、特開平2-196763号公報に開示されている方法を
試みた。すなわち、触媒固定床型反応器に供給する、p
Hが 2.0〜3.5 である原料液に対し、原料液を塩基性
イオン交換樹脂塔に通すこと、及び、原料液に水酸化
ナトリウムや水酸化カリウムを添加することなどを試み
た。しかし、逆にこれらの処理をした瞬間からACHが
分解することにより、原料液が反応器に供給されるまで
の間に着色し、触媒寿命はほとんど延びなかった。ま
た、同様の操作を触媒懸濁型反応器でも行なったが、原
料液には同様の傾向が見られるとともに、更に、反応器
より流出するHAM生成液は褐色に一層着色し、この場
合には触媒寿命をむしろ短くした。
【0008】本発明者らは、工業的にACHの水和反応
によりHAMを連続製造するため、二酸化マンガン触媒
の上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、従来、特
開平2-196763号公報に開示されている硫酸のような鉱酸
に属する酸は、二酸化マンガン触媒の寿命を短くすると
考えられていたが、驚くべきことに酸の範躊に入るホウ
酸等のオキソ酸やその塩を単独に反応器に供給するこ
と、又は、それらを原料液に添加することにより、二酸
化マンガン触媒の寿命が大幅に延長することを見出し、
本発明に至った。
【0009】更に、本発明者らは、上記の第二の課題を
解決するために、まずHAMの製造に用いて失活した二
酸化マンガンの状態を機器分析により調べた結果、その
大部分が酸化水酸化マンガンの形態であることを突き止
めた。そこで、この知見を基に鋭意検討した結果、この
酸化水酸化マンガンを硫酸マンガンに変換でき、再びこ
れと過マンガン酸塩との反応により、硫酸マンガンの全
量を二酸化マンガンにして循環使用できることを見出し
た。
【0010】すなわち、本発明は、液相下、二酸化マン
ガン触媒を用いアセトンシアンヒドリンを水和反応させ
てα−ヒドロキシイソ酪酸アミドを連続的に製造するに
際して、ホウ素、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウ
ム、スズ、鉛、リン、ヒ素、アンチモン、バナジウム、
ニオブ、モリブデン及びタングステンの群から選ばれる
元素の酸化物の水溶解物、当該群から選ばれる元素と酸
素と水素からなるオキソ酸、当該群から選ばれる元素と
酸素と水素からなるヘテロポリ酸、それらの酸のアルカ
リ金属塩及びそれらの酸のアルカリ土類金属塩から選ば
れる1種以上のものを、反応液に共存させることを特徴
とするα−ヒドロキシイソ酪酸アミドの製造法である。
また、本発明は、上記の二酸化マンガン触媒が、その失
活した状態の酸化水酸化マンガンを過酸化水素と硫酸に
より硫酸マンガンに還元し、硫酸酸性下、これと過マン
ガン酸塩との酸化還元反応により調製する再生二酸化マ
ンガンである上記の製造法でもある。
【0011】本発明において、二酸化マンガン触媒を用
いるACHの水和反応の前提条件としては、原料のAC
Hの安定性を良好に保持することである。これなくして
は、ACHの分解とそれにより副生する青酸の重合のた
めに、ACHの水和反応を安定的に続けることは不可能
であり、ましてや、二酸化マンガン触媒の寿命を如何に
延ばすかは二の次になる。したがって、従来技術、例え
ば、特開平2-196763号公報に開示されているような原料
液のpH上昇を伴う操作は、基本的に好ましくない。本
発明者らは、硫酸等によって安定化されたACHを含む
原料液のpHを4未満にし、ACHの安定性を保持した
状態を基にして、従来の二酸化マンガン触媒の寿命を延
長する方法とは作用機構が全く異なる新規な方法を提供
する。すなわち、作用機構としては、原料液中に含まれ
る微量な鉱酸や青酸のアルカリ中和等によりそれらを無
毒化させるのではなく、反応液にオキソ酸、そのアルカ
リ金属塩及び又はそのアルカリ土類金属塩を微量添加す
ることにより、触媒毒、主に青酸の二酸化マンガン触媒
への吸着を遮断することによって、触媒寿命の延長を計
った。
【0012】本発明に使用される二酸化マンガン触媒
は、無水又は水和された物のどちらでもよい。二酸化マ
ンガン触媒は、公知の方法、例えば、中性乃至アルカリ
性の領域で7価マンガン化合物を 20 〜100 ℃で還元す
る方法( Zeit. Anorg. Allg.Chem.,309, p. 1〜32及
びp.121 〜150 ,(1961) )、酸性で過マンガン酸カリウ
ムと硫酸マンガンを処理する方法(Biochem. J.,50,
p.43,(1951) 、及び、J. Chem.Soc.,1953 ,p.2189,
(1953) )、7価マンガン塩をハロゲン化水素酸で還元
する方法(特開昭63-57535号公報)、及び、硫酸マンガ
ン水溶液を電解酸化する方法などによって得られる二酸
化マンガンが用いられる。特に、酸性下、過マンガン酸
塩と硫酸マンガンとの反応によって得られる二酸化マン
ガンが好ましい。この触媒は、通常適当な粒度の粉末と
して使用される。
【0013】本発明において使用される水は、ACHの
1モルに対し、通常1モル以上、好ましくは 2〜20モ
ル、特に好ましくは 4〜10モルである。反応溶媒とし
て水のほかに、新たに反応に不活性な溶媒を用いること
ができる。例えば、特開昭52-222号公報(米国特許第4,
018,829 号)に開示されているアセトンなどが好適に用
いられる。アセトンの量は、ACHの1モルに対し通常
0.1〜6.0 モルの範囲で用いるのがよい。
【0014】本発明に使用される触媒反応器としては、
固定床型及び懸濁型の両方があるが、触媒の単位量及び
単位時間当りのHAM生成量の観点からすれば、触媒懸
濁型反応器の方が有利である。本発明に使用される触媒
懸濁型反応器において、触媒溶液中の触媒濃度は、特に
限定されないが、通常2重量%以上、好ましくは 5〜
50重量%にするのがよい。触媒懸濁型反応器への原料液
の供給速度は、触媒1重量部、1時間当り、ACHを
0.05 〜1.0 重量部の割合にするのがよい。触媒懸濁型
反応器は触媒活性を最大限に発揮するように運転され、
懸濁する触媒の粒度の小さいものが系外に流出しないよ
うに、HAM生成液の反応器からの出口には、金属製や
ガラス製などのフィルターを備えるのがよい。ここで触
媒懸濁型反応器は、1基でACHの最高転化率まで反応
させるようにすることが可能であるが、2,3 基直列に連
結して行なうことも可能である。
【0015】本発明における反応温度は、通常 0〜15
0 ℃、好ましくは 20 〜100 ℃、特に好ましくは 30 〜
80℃の範囲である。0℃未満の温度では、触媒の活性が
低くなり、実用的でない。また、150 ℃を越える温度で
は、触媒活性は高いもののHAMの収率が急速に低くな
るため、好ましくない。本発明においては、二酸化マン
ガン触媒の寿命を延長させるために、特定な元素の酸化
物の水溶解物、オキソ酸、ヘテロポリ酸、これらの酸の
アルカリ金属塩及び又はこれらの酸のアルカリ土類金属
塩が用いられる。酸化物の水溶解物、オキソ酸及びヘテ
ロポリ酸を構成する中心元素としては、ホウ素、アルミ
ニウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、リン、ヒ
素、アンチモン、バナジウム、ニオブ、モリブデン及び
又はタングステンが挙げられる。
【0016】本発明における酸化物の水溶解物は酸化物
の水和物であり、一般式(1)(化4)
【化4】 M1 s t ・aH2
(1) (式中、Oは酸素原子、Hは水素原子、及び、M1 は原
子価mの元素である。また、aは正数、s及びtは、m
×s=2×tの関係を満たす整数である。)で表され
る。
【0017】本発明におけるオキソ酸は水溶液中で微酸
性又は弱酸性を示す化合物であって、一般式(2)(化
5)
【化5】 Hx 1 y z
(2) (式中、Oは酸素原子、Hは水素原子、及び、M1 は原
子価mの元素である。また、x,y及びzは、2×z=
m×y+xの関係を満たす整数である。)で表されるも
のである。上式(2)は、同じ中心元素のオキソ酸が重
合したポリ酸をも含む。
【0018】本発明におけるヘテロポリ酸は、一般式
(3)(化6)
【化6】 Hx 1 s 2 t y
(3) (式中、Oは酸素原子、Hは水素原子、M1 は原子価m
の元素、及び、M2 は原子価nの元素である。また、
s,t,x及びyは、2×y=m×s+n×t+xの関
係を満たす整数である。)で表される。これには、中心
元素のM1 がケイ素、リン、ゲルマニウム及びヒ素、ま
た、配位元素のM2 がバナジウム、モリブデン及びタン
グステンからなるものが挙げられる。
【0019】また、本発明におけるオキソ酸やヘテロポ
リ酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、上記
の一般式(2)や一般式(3)中、水素原子を一部又は
全部アルカリ金属原子及びアルカリ土類金属原子に置換
したものである。これらのアルカリ金属塩及びアルカリ
土類金属塩は、オキソ酸の水への溶解度を高めるため
に、好ましく使用することができる。更に、オキソ酸を
触媒反応器内で生成するような化合物、例えば、オキソ
酸エステル等も十分に本発明の目的に適うので使用でき
る。
【0020】本発明における酸化物の水溶解物は上記の
一般式(1)で表されるが、その水溶液中の存在状態は
通常オキソ酸であり、上記の一般式(2)で表されるも
のである。したがって、本発明はオキソ酸及びヘテロポ
リ酸を触媒反応溶液中に共存させることにより、通常の
二酸化マンガン触媒の寿命を延ばすことができると言え
る。オキソ酸、ヘテロポリ酸及び又はそれらの塩が二酸
化マンガン触媒の寿命を延ばす理由は、主にそのアニオ
ン種に由来するものであり、したがって、水素原子が他
の安定な金属イオンに置換されたものでも十分使用でき
る。
【0021】本発明におけるオキソ酸及び又はその塩と
して、強酸性オキソ酸、ヘテロポリ酸及び又はそれらの
塩と弱酸性オキソ酸が好ましい。強酸性オキソ酸には、
上記の一般式(2)中のM1 がヒ素、アンチモン、バナ
ジウム、ニオブ、モリブデン及びタングステンであるも
の、また、弱酸性オキソ酸には、一般式(2)中のM 1
がホウ素、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ
及び鉛であるものが挙げられる。また、ヘテロポリ酸と
しては、上記の一般式(3)中の中心元素のM 1 がケイ
素、リン、ゲルマニウム及びヒ素で、配位元素のM2
バナジウム、モリブデン及びタングステンからなるもの
が好ましい。
【0022】本発明におけるオキソ酸、ヘテロポリ酸及
び又はそれらの塩の使用量は、原料のACH1モルに対
し通常 0.0001 〜0.50モルの範囲である。また、この量
は、反応液基準では通常 10 〜20000 ppm の範囲、好ま
しくは 20 〜15000 ppm の範囲である。この量が原料の
ACH基準で 0.0001 モル未満又は反応液基準で 10ppm
未満では、触媒寿命を延ばす効果がほとんど現れず、
一方、0.50モル又は 20000 ppm を越える所では、二酸
化マンガン触媒の水和活性を阻害する傾向が現れる。特
に、ホウ酸の使用量は、原料のACH基準でACH1モ
ルに対し通常 0.001〜0.50モル、好ましくは 0.005〜0.
30モルの範囲、また、反応液基準で 100〜20000 ppm の
範囲である。ホウ酸塩の使用量は、原料のACH基準で
ACH1モルに対し通常 0.0001 〜0.10モル、好ましく
は 0.001〜0.05モルの範囲である。また、ケイ酸、モリ
ブデン酸、タングステン酸、メタバナジン酸、ケイタン
グステン酸、ケイモリブデン酸、リンモリブデン酸等の
酸性オキソ酸、ヘテロポリ酸及び又はそれらの塩につい
て、この使用量は反応液基準で 10 〜1000 ppmの範囲が
好ましい。
【0023】本発明において使用されるオキソ酸、ヘテ
ロポリ酸、そのアルカリ金属塩及び又はそのアルカリ土
類金属塩を反応液に共存させるため、それらの粉末、好
ましくは水溶液を単独に直接触媒反応器に供給する方法
が通常採用される。この方法は、オキソ酸、ヘテロポリ
酸、そのアルカリ金属塩及び又はそのアルカリ土類金属
塩の水溶液中における酸性度等の液性に関係なく、二酸
化マンガン触媒の寿命を大幅に延ばす。
【0024】一方、別の供給方法として、ACH、アセ
トンと水を混合した原料液にオキソ酸、ヘテロポリ酸、
そのアルカリ金属塩及び又はそのアルカリ土類金属塩を
添加する場合、予めそれらの水溶液でのpHを考慮する
必要がある。これは、それらの水溶液のpH変動により
原料液中のACHの安定性が変化するためである。すな
わち、水溶液中で弱酸性を示すオキソ酸のアルカリ金属
塩やそのアルカリ土類金属塩は、一般にpH緩衝作用を
持っているため、これらを原料液に添加する場合、微量
では原料液のpHを上昇させる効果は少ないが、その量
が増すに伴ない原料液のpHを上昇させ、時にはpHが
中性付近になると、ACHを不安定化させる。このこと
は、前記したように、原料液をアルカリで中和する操作
等と同様であり、その結果、ACHの分解、それにより
副生する青酸の重合を経て、ACHの水和反応を停止せ
ざるをえなくなる。また、水溶液中で強酸性を示すオキ
ソ酸、そのアルカリ金属塩やそのアルカリ土類金属塩、
更に、弱酸性を示すオキソ酸の触媒反応器への供給方法
としては、それらの水溶液を単独に供給することのほ
か、原料液に添加すること等種々の方法が採用できる。
これらを原料液に添加できる理由は、この添加によって
原料液のpHが低下することはあっても上昇することは
なく、ACHを不安定にする液性にならないためであ
る。
【0025】さて、本発明においては、触媒として上記
した公知の方法で調製される二酸化マンガンを用い、液
相下、ACHの水和反応によりHAMを連続的に製造す
るに際して、特定な化合物を特定量反応液に共存させる
ことにより、二酸化マンガンの水和活性を50日以上もの
長期間保持することができる。しかし、如何なる触媒で
も必ず活性低下を経て失活するように、本発明に用いら
れる二酸化マンガンもいずれは失活せざるをえない。本
発明者らは、下記するように、失活した二酸化マンガン
触媒を再生し、再使用することを可能にした。
【0026】本発明における失活した二酸化マンガン触
媒は、ほとんど酸化水酸化マンガンであり、マンガンの
原子価の平均数が 3.5〜3.0 、特に、3.3 〜3.0 の範囲
になったものである。失活した二酸化マンガン中、マン
ガン種の組成については、全マンガンは蛍光X線分析に
より、また、マンガンの原子価が3価である酸化水酸化
マンガンはX線回折により、それぞれ、予め作成してあ
る検量線を用いて定量できる。失活した二酸化マンガン
中、2価マンガン化合物、例えば、一酸化マンガンは全
マンガンの量に比べて無視できるほど少量である。更
に、マンガンの原子価が4価である二酸化マンガンの量
は、次の式(A)(数1)により求めることができる。 二酸化マンガン量(重量%)=1.583 ×全マンガン量(重量%) −0.9875×酸化水酸化マンガン量(重量%) (A)
【0027】本発明において、過酸化水素と硫酸は必須
である。本発明者らは、失活した二酸化マンガンを硫酸
マンガンに変換するために、過酸化水素、及び、溶液を
酸性にする硫酸について、それらの種々の量で検討し
た。まず、過酸化水素の量については、上記のように機
器分析により定量される酸化水酸化マンガンと二酸化マ
ンガンに対して、それぞれ、次の反応式(4)(化7)
と反応式(5)(化8)による化学量論的量を求め、そ
れらの合計量より若干の過剰量を用いればよいというこ
とを見出した。
【化7】 MnO( OH) +1/2 H2 2 +H2 SO4 ─→ MnSO4 +2H2 O+1/2 O2 (4)
【化8】 MnO2 +H2 2 +H2 SO4 ─→ MnSO4 +2H2 O+O2 (5)
【0028】次に、本発明に使用される硫酸の量も上の
反応式(4)と反応式(5)により求められる化学量論
的量の合計量以上であれば充分である。ところで、本発
明における硫酸は2価マンガン塩のアニオン部分を提供
するためのものであるので、硫酸以外の鉱酸を用いるこ
とは少しも構わない。しかし、得られる2価マンガン塩
を一層利用価値の高い二酸化マンガンにすべきであると
いうことを考慮すれば、2価マンガン塩としては、硫酸
マンガンが最適である。硫酸マンガンを過マンガン酸塩
と反応させたり、あるいは、その溶液を電解酸化して二
酸化マンガンを得る方法は最も経済的であり、また、そ
の際に活性の高い二酸化マンガンを得ることができるか
らである。
【0029】本発明における硫酸マンガンへの変換反応
を液相下で行わせる際、便宜的に溶媒を用いることがで
きる。溶媒としては反応に不活性なものであればよく、
例えば、水が最も好適である。失活した二酸化マンガン
の溶液中の濃度は、適宜攪拌できる範囲であればよく、
通常2〜50重量%の範囲である。反応温度は溶液が流動
状態を保てるのであればよく、通常0〜100 ℃、好まし
くは 10 〜50℃の範囲である。
【0030】本発明における好ましい実施態様は次のと
おりである。まず、失活した二酸化マンガン中の酸化水
酸化マンガンと二酸化マンガン量に対して、化学量論的
に相当する量より若干過剰量の過酸化水素と硫酸を準備
する。この際、過酸化水素及び硫酸の濃度は、それぞ
れ、5〜60重量%及び5〜50重量%で水溶液として調製
する。次に、失活した二酸化マンガンを水とともに反応
器に仕込み、硫酸水溶液を添加した後、攪拌下、過酸化
水素水溶液を少量ずつ、分割又は連続的に 0.1〜5.0 時
間の範囲で添加する。その後、0.5 〜2.0 時間熟成する
ことで、失活した二酸化マンガンは硫酸マンガン水溶液
に変換される。更に、硫酸酸性下、硫酸マンガンを過マ
ンガン酸塩との酸化還元反応により調製する方法につい
ては、上記した公知の方法によればよい。例えば、55℃
前後、硫酸マンガン1モルに対し過マンガン酸カリウム
等の塩 0.67 モルで酸化還元反応を行わせればよい。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を詳細
に説明する。実施例及び比較例は、本発明の効果をより
迅速に評価するために、触媒に対し供給するACHの量
を多くする触媒高負荷試験で行なった。以下において、
「%」と「ppm 」は特記する以外は重量基準である。な
お、失活した二酸化マンガン触媒中、全マンガンは蛍光
X線分析により、酸化水酸化マンガンはX線回折によ
り、また、水溶液中の2価マンガンイオンは滴定分析に
よりそれぞれ定量した。 ・標準触媒(以下、Std. と称する)の調製 硫酸第一マンガン水溶液(濃度 395g/lit)2 litに硫
酸を添加して、pH=1の硫酸第一マンガン水溶液を調
製した。この溶液に過マンガン酸カリウム 557gを添加
し酸化させた後、温度を 50 ℃前後に保ちながらこのス
ラリー溶液に水1litを添加し、30分間熟成させた。で
きたスラリー溶液をアスピレーターによって吸引濾過
し、乾燥器によって 110℃にて 12 時間乾燥し、二酸化
マンガン触媒680gを得た。この二酸化マンガン触媒を
粉砕し、16〜100 メッシュ粉末触媒(Std. )として 5
20gを得た。
【0032】・ACHの調製 反応器(ガラス製丸底フラスコ、内容量2 lit;還流冷
却器、撹拌機、温度計及び液導入部付き)にアセトン 5
80gと 2%水酸化ナトリウム水溶液 10 gを仕込み、
20℃を維持しながら液体青酸 284gを注入した。反応
後、硫酸を添加し、液のpHを 3.5に調製した。次に、
未反応の青酸とアセトンを減圧留去し、99.8%ACH 8
43gを得た。
【0033】実施例1(連続水和反応、触媒高負荷試
験) 反応器(ガラス製丸底フラスコ、内容量 500 ml ;ガラ
ス製撹拌棒、水銀温度計、原料供給口、及び、ガラスボ
ールフィルター付きの液出口を備える)に、上記で得た
二酸化マンガン粉末触媒(Std. ) 10 gと水 300gを
充填した後、内温を 60 ℃まで上げ、この温度に保持し
た。次に、上記で得たACHを用いて調製した 48.5 %
ACHのアセトン溶液(ACH:アセトン=1:1.6 モ
ル比)と 0.1%ホウ酸水溶液を、各々定量ポンプによっ
て 11.3 g/hr 、21.4g/hr の流量で触媒懸濁型反応器
に連続的に供給した。このとき、ACH:アセトン:
水:ホウ酸のモル比は1:1.6 :18.5:0.0054 であ
り、また、ホウ酸の量は反応液基準で 650 ppmであっ
た。反応器内は 58 〜62℃に維持し、また、反応器内の
液量は 290〜310 mlの範囲に調整し、10日間連続運転し
た。得られるHAM生成液中、HAM収率の経日変化を
表1(表1)に示す。
【0034】比較例1 実施例1において、0.1 %ホウ酸水溶液を水だけに代
え、運転日数を 50 日間にすることを除いては、実施例
1と全く同様に操作した。このとき、ACH:アセト
ン:水のモル比は1:1.6 :18.5 であった。得られる
HAM生成液中、HAM収率の経日変化を表1(表1)
と表3(表3)に示す。
【0035】実施例2 実施例1において、0.1 %ホウ酸水溶液を 2.0%ホウ酸
水溶液に代えることを除いては、実施例1と全く同様に
操作した。このとき、ACH:アセトン:水:ホウ酸の
モル比は1:1.6 :18.1:0.108 であり、また、ホウ酸
の量は反応液基準で 13100 ppmであった。得られるHA
M生成液中、HAM収率の経日変化を表1(表1)に示
す。
【0036】比較例2 実施例2において、反応器内に二酸化マンガン粉末触媒
を充填しないことを除いては、実施例2と全く同じ仕込
みで同様に操作した。このとき、ACH:アセトン:
水:ホウ酸のモル比は1:1.6 :18.1:0.108 であっ
た。得られるHAM生成液中、HAM収率の経日変化を
表1(表1)に示す。
【0037】実施例3 反応器(ガラス製丸底フラスコ、内容量 500 ml ;ガラ
ス製撹拌棒、水銀温度計、原料供給口、及び、ガラスボ
ールフィルター付きの液出口を備える)に、上記で得た
二酸化マンガン粉末触媒 10 gと水 300gを充填した
後、内温を 60 ℃まで上げ、この温度に保持した。次
に、上記で得たACHを用いて調製した 17.2%ACH
のアセトン水溶液(ACH:アセトン:水=1:3.0 :
13モル比)と 0.1%四ホウ酸ナトリウム十水塩(ホウ
砂)水溶液を、各々定量ポンプによって 34.7 g/hr 、
45.4g/hr の流量で触媒懸濁型反応器に連続的に供給し
た。このとき、ACH:アセトン:水:ホウ砂のモル比
は1:3.0 :48.9:0.0017であり、また、ホウ砂の量は
反応液基準で 570 ppm であった。反応器内は 58 〜62
℃に維持し、また、反応器内の液量は 290〜310 mlの範
囲に調整し、10日間連続運転した。得られるHAM生成
液中、HAM収率の経日変化及び生成液のpHを表2
(表2)に示す。
【0038】比較例3 実施例3において、 0.1%ホウ砂水溶液を水だけに代え
ることを除いては、実施例3と全く同様に操作した。こ
のとき、ACH:アセトン:水のモル比は1:3.0 :4
8.9であった。得られるHAM生成液中、HAM収率の
経日変化及び生成液のpHを表2(表2)に示す。
【0039】比較例4 実施例3において、反応器内に二酸化マンガン粉末触媒
を充填しないことを除いては、実施例3と全く同じ仕込
みで同様に操作した。このとき、ACH:アセトン:
水:ホウ砂のモル比は1:3.0 :48.9:0.0017であり、
また、ホウ砂の量は反応液基準で 570 ppm であった。
得られるHAM生成液中、HAM収率の経日変化及び生
成液のpHを表2(表2)に示す。
【0040】実施例4 実施例2において、運転日数を 50 日間にすることを除
いては、実施例2と全く同様に操作した。得られるHA
M生成液中、HAM収率の経日変化を表3(表3)に示
す。
【0041】実施例5〜27 実施例4において、2.0 %ホウ酸水溶液に変え、表3
(表3)に示す弱酸性オキソ酸の種類、表4(表4)に
示す強酸性オキソ酸又はヘテロポリ酸の種類、表5(表
5)に示す弱酸性オキソ酸塩の種類及び表6(表6)に
示す強酸性オキソ酸塩又はヘテロポリ酸塩の種類、並び
に、反応液基準のそれらの濃度を添加し、実施例4と同
様に操作し、50日間連続運転した。得られるHAM生成
液中、HAM収率の経日変化を表3(表3)〜表6(表
6)に示す。なお、表3(表3)及び表4(表4)のオ
キソ酸又はヘテロポリ酸の欄中、酸化物は水中に懸濁さ
せ加熱溶解させて得られるオキソ酸の原料として用いた
酸化物を意味し、その添加量は、酸化物換算で原料のA
CHに添加した量として表した。その際、溶解したオキ
ソ酸量は高周波プラズマ発光分析装置によって求めた。
また、表3(表3)〜表6(表6)中、オキソ酸、ヘテ
ロポリ酸又はその酸の塩は原料のACHに添加した。
【0042】比較例5〜15 実施例4において、触媒として標準触媒(Std. )に代
えて、表3(表3)〜表6(表6)の触媒の欄に示す触
媒を用い、実施例4と全く同様に操作した。得られるH
AM生成液中、HAM収率の経日変化を表3(表3)〜
表6(表6)に示す。なお、表3(表3)〜表6(表
6)の触媒の欄中、化合物/Mn =数値は、標準触媒
(Std. )の調製法において、該化合物を硫酸第一マン
ガン水溶液に共存させる共沈法によって調製した第二元
素含有の二酸化マンガン触媒を意味する。該数値は2価
マンガンと7価マンガンの総モル数に対する該化合物の
モル数の比である。
【0043】実施例28 実施例5において、運転日数を 50 日間から 70 日間に
延長したところ、得られるHAM生成液中、HAM収率
は6モル%に低下し、標準触媒(Std. )はほぼ完全に
失活した。その後、この触媒を濾別・水洗し、乾燥器に
よって110 ℃で15時間乾燥した。得られた失活触媒を分
析した結果、その形態はγ形の酸化水酸化マンガンであ
り、また、その組成は、酸化水酸化マンガン、二酸化マ
ンガン及び水分がそれぞれ 95.0 %、4.5 %及び 0.5%
であった。次に、ビーカー(容量 100ml)に、上記の失
活触媒 8.0 g(マンガン 90.5ミリモル )を水 35 gと 9
5%硫酸 9.52 g(92.3ミリモル相当)とともに仕込み、室
温で攪拌下の溶液中に 30 %過酸化水素 5.47 g(48.3
ミリモル相当)を滴下漏斗により10分間で添加した。その
後、液温を 50 ℃に上げ、1時間攪拌し、不溶解物のな
い透明桃色の硫酸マンガン水溶液を得た。この水溶液に
過マンガン酸カリウム 9.65 gを添加し酸化させた後、
液温を 55 ℃前後に保ちながらこのスラリー溶液に水 3
0 g添加し、30分間熟成させた。できたスラリー溶液を
アスピレーターによって吸引濾過し、乾燥器によって11
0 ℃で12時間乾燥し、二酸化マンガン触媒14.7 g(水
分11%含有)を得た。この二酸化マンガン触媒を粉砕
し、16〜100メッシュの粉末にし、再生触媒とした。更
に、実施例5において、標準触媒(Std. )を再生触媒
に代え、運転日数 70日間にすること以外、実施例5と
全く同様に操作した。得られるHAM生成液中、HAM
収率の経日変化を表7(表7)に示す。その結果、再生
触媒は標準触媒(Std. )と同等の性能を示した。
【0044】実施例29 実施例10において、運転日数を 50 日間から 70 日間に
延長したところ、得られるHAM生成液中、HAM収率
は18モル%に低下し、標準触媒(Std. )はほぼ完全に
失活した。この触媒を実施例28と同様に処理し、組成分
析した結果、その組成は、酸化水酸化マンガン、二酸化
マンガン及び水分がそれぞれ 77.0 %、21.0%及び2.0
%であった。次に、この失活触媒 8.0 g(マンガン 8
9.3ミリモル)に対し、95%硫酸 9.40 g(91.1ミリモル相
当)、30%過酸化水素 6.23 g(55.4ミリモル相当)及び過
マンガン酸カリウム 9.65 g(60.3ミリモル)を用い、実施
例28と同様に再生処理し、二酸化マンガン触媒 14.5 g
(水分10%含有)を得た。この二酸化マンガン触媒を粉
砕し、16〜100 メッシュの粉末にし、再生触媒とした。
更に、実施例10において、標準触媒(Std. )を再生触
媒に代え、運転日数 70日間にすること以外、実施例10
と全く同様に操作した。得られるHAM生成液中、HA
M収率の経日変化を表7(表7)に示す。その結果、再
生触媒は標準触媒(Std. )と同等の性能を示した。
【0045】実施例30 実施例12において、運転日数を 50 日間から 70 日間に
延長したところ、得られるHAM生成液中、HAM収率
は10モル%に低下し、標準触媒(Std. )はほぼ完全に
失活した。この触媒を実施例28と同様に処理し、組成分
析した結果、その組成は、酸化水酸化マンガン、二酸化
マンガン及び水分がそれぞれ 89.0 %、10.0%及び1.0
%であった。次に、この失活触媒 8.0 g(マンガン 9
0.1ミリモル)に対し、95%硫酸 9.48 g(91.9ミリモル相
当)、30%過酸化水素 5.74 g(50.6ミリモル相当)及び過
マンガン酸カリウム 9.61 g(60.8ミリモル)を用い、実施
例28と同様に再生処理し、二酸化マンガン触媒 14.6 g
(水分10%含有)を得た。この二酸化マンガン触媒を粉
砕し、16〜100 メッシュの粉末にし、再生触媒とした。
更に、実施例12において、標準触媒(Std. )を再生触
媒に代え、運転日数 70日間にすること以外、実施例12
と全く同様に操作した。得られるHAM生成液中、HA
M収率の経日変化を表7(表7)に示す。その結果、再
生触媒は標準触媒(Std. )と同等の性能を示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】 表4
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、従来の二酸化マンガン
触媒を用いたACHの水和反応によるHAMの工業的連
続製造法における触媒の寿命を、オキソ酸、ヘテロポリ
酸、それらのアルカリ金属塩及び又はそれらのアルカリ
土類金属塩を用いることにより、実施例に見られるよう
に大幅に改善し工業的に有利にHAMの連続製造が可能
になった。また、その際に失活した二酸化マンガンの状
態である酸化水酸化マンガンを、容易に硫酸マンガン経
由で元の二酸化マンガンに再生できることにより、触媒
としての再使用及び環境の汚染防止に役立つ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深山 兼光 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相下、二酸化マンガン触媒を用いアセ
    トンシアンヒドリンを水和反応させてα−ヒドロキシイ
    ソ酪酸アミドを連続的に製造するに際して、ホウ素、ア
    ルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、リン、
    ヒ素、アンチモン、バナジウム、ニオブ、モリブデン及
    びタングステンの群から選ばれる元素の酸化物の水溶解
    物、当該群から選ばれる元素と酸素と水素からなるオキ
    ソ酸、当該群から選ばれる元素と酸素と水素からなるヘ
    テロポリ酸、それらの酸のアルカリ金属塩及びそれらの
    酸のアルカリ土類金属塩から選ばれる1種以上のもの
    を、反応液に共存させることを特徴とするα−ヒドロキ
    シイソ酪酸アミドの製造法。
  2. 【請求項2】 酸化物の水溶解物が一般式(1)(化
    1) 【化1】 M1 s t ・aH2
    (1) (式中、Oは酸素原子、Hは水素原子、及び、M1 は原
    子価mの元素である。また、aは正数、s及びtは、m
    ×s=2×tの関係を満たす整数である。)で表される
    酸化物の水和物であって、M1 がアルミニウム、ケイ
    素、ゲルマニウム、アンチモン、バナジウム及びニオブ
    から選ばれる1種である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 オキソ酸が一般式(2)(化2) 【化2】 Hx 1 y z
    (2) (式中、Oは酸素原子、Hは水素原子、及び、M1 は原
    子価mの元素である。また、x,y及びzは、2×z=
    m×y+xの関係を満たす整数である。)で表されるも
    のであって、M1 がホウ素、アルミニウム、ケイ素、ゲ
    ルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、バナジウ
    ム、ニオブ、モリブデン及びタングステンから選ばれる
    1種である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 一般式(3)(化3) 【化3】 Hx 1 s 2 t y
    (3) (式中、Oは酸素原子、Hは水素原子、M1は原子価m
    の元素、及び、M2 は原子価nの元素である。また、
    s,t,x及びyは、2×y=m×s+n×t+xの関
    係を満たす整数である。)で表されるヘテロポリ酸にお
    いて、M1がケイ素、リン、ゲルマニウム及びヒ素、ま
    た、M2 がバナジウム、モリブデン及びタングステンか
    ら選ばれる1種以上である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 反応液へのオキソ酸、ヘテロポリ酸及び
    又はそれらの塩の添加量がアセトンシアンヒドリン1モ
    ルに対し 0.0001 〜0.50モルの範囲である請求項1乃至
    請求項4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 反応液へのオキソ酸、ヘテロポリ酸及び
    又はそれらの塩の添加量が 10 〜20000 ppm の範囲であ
    る請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 ホウ素のオキソ酸がホウ酸であり、反応
    液へのホウ酸の添加量がアセトンシアンヒドリン1モル
    に対し 0.001〜0.50モルの範囲である請求項3に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 反応液へのホウ酸塩の添加量がアセトン
    シアンヒドリン1モルに対し 0.0001 〜0.10モルの範囲
    である請求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】 モリブデンのオキソ酸がモリブデン酸で
    ある請求項3に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ヘテロポリ酸がケイタングステン酸であ
    る請求項4に記載の方法。
  11. 【請求項11】 二酸化マンガン触媒が、それの失活した
    状態の酸化水酸化マンガンを過酸化水素と硫酸により硫
    酸マンガンに還元し、硫酸酸性下、これと過マンガン酸
    塩との酸化還元反応により調製する再生二酸化マンガン
    である請求項1に記載の方法。
JP4324178A 1991-12-03 1992-12-03 α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの製造法 Pending JPH05320112A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010510276A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 二酸化マンガンを含む触媒の存在下でのカルボン酸ニトリルの加水分解によるカルボン酸アミドの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010510276A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 二酸化マンガンを含む触媒の存在下でのカルボン酸ニトリルの加水分解によるカルボン酸アミドの製造方法

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