JPH05318699A - カード印刷方法およびカード印刷用原稿位置決めホルダおよびカード印刷用紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カード印刷に於いて見当合わせを容易に的確
に行え、また複製式の製版時の原稿の位置決めも容易に
的確に行えるようにすること。 【構成】 原稿セット位置指定マーク３４と見当合わせ
用マーク３６とを有するカード印刷用原稿位置決めホル
ダ３０に、これの原稿セット位置指定マーク３４に従っ
てカード状原稿Ｃを位置決めセットして当該カード印刷
用原稿位置決めホルダ３０ごと複製式に製版を行う。こ
の製版による印刷原版を用いて見当合わせ用マーク５２
を有する試し刷りシート５０に自動給紙によって前記原
紙による見当合わせ用マークを印刷し、これに於ける二
つの見当合わせ用マークの相対位置より印刷位置ずれを
検出し、自動給紙位置調整により印刷位置ずれを解消し
てカード状被印刷シート６４を剥離可能に貼着保持した
台紙６２を自動給紙してカード状被印刷シート６４の所
定位置に印刷を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カード印刷方法および
カード印刷用原稿位置決めホルダに関し、特にカット紙
を自動給紙される印刷装置により名刺等のカードに対す
る印刷を行うカード印刷方法およびカード印刷用原稿位
置決めホルダおよびカード印刷用紙に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】カット紙（単票紙、裁断紙）を一枚ずつ
捌いてこれを印刷部に自動給紙し、この複数枚のカット
紙の各々に印刷を行うカット紙印刷装置は従来より種々
の態様にて知られている。

【０００３】カット紙印刷装置に於いては、カット紙に
対する印刷画像の位置調整は、給紙縦方向については印
刷部に対する給紙タイミングによる天地調整により行わ
れ、給紙横方向については給紙台に於けるカット紙の幅
方向の載置位置調整により行われる。この種の調整機構
は、たとえば特開平２−２２０８８０号、特開昭６３−
２１８４３５号の各公報に示されている。

【０００４】上述の如きカット紙印刷装置に於いては、
一般に印刷可能なカット紙にサイズに下限が存在し、名
刺、ラベル、タッグ等の小サイズのカード状被印刷シー
トは、単体では自動給紙が不可能で、印刷不可能になっ
ている。

【０００５】このため、上述の如き小サイズのカード状
被印刷シートの印刷は、カード状被印刷シートを印刷可
能なサイズのカット紙と同等のサイズの台紙に剥離可能
に貼り付け、カード状被印刷シートを台紙ごと印刷部に
自動給紙することにより行われている。

【０００６】この場合、製版は台紙に於けるカード状被
印刷シートの配置位置に応じて行われる必要があり、台
紙上のカード状被印刷シートに於ける印刷位置の調整は
上述の如き給紙タイミングによる天地調整と給紙台に於
ける台紙の幅方向の載置位置調整により行われ得る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】台紙上のカード状被印
刷シートの適正位置に印刷画像が形成されるように印刷
位置を調整すること、即ち見当合わせは、カット紙に於
ける場合と同様に試し刷りによって人為的に行われ、こ
の見当合わせは、難しく、何度もの試し刷りのもとに試
行錯誤により行われることになる。

【０００８】特に、名刺等の印刷に於いては、その性格
上、カード（名刺用紙）に於ける印刷位置を厳格に正し
く設定されることを要求され、このため名刺印刷に於け
る見当合わせは非常に難しいものになり、一般ユーザで
はこの種の名刺印刷は手軽には行えない。

【０００９】また複写により、或いはイメージスキャナ
等により原稿画像を読み取って複製式に孔版等の印刷原
版を作成する場合、原稿画像読み取り時に於ける原稿の
位置決めも台紙に於けるカード状被印刷シートの配置位
置に応じて適切に行われる必要があり、特に一枚の台紙
にカード状被印刷シートが複数枚貼り付けられ、その各
カード状被印刷シートに印刷を行う場合は、その各カー
ド状被印刷シートの配置位置に応じて各原稿の位置決め
が適切に行われる必要があり、これは非常な器用さが必
要で、一般ユーザでは実際上、不可能である。

【００１０】本発明は、従来のカード状被印刷シートに
対する印刷に於ける上述の如き問題点に着目してなされ
たものであり、見当合わせを容易に的確に行え、また複
製式の製版時の原稿の位置決めも容易に的確に行え、名
刺印刷等も事務所用等の給紙機構付きの孔版印刷装置に
より一般ユーザによっても容易に行われ得るようにする
カード印刷方法、およびこのカード印刷方法にて使用す
るカード印刷用原稿位置決めホルダ、カード印刷用紙を
提供することを目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、カード状原稿の原稿セット領域を指定する
原稿セット位置指定マークと前記原稿セット位置指定マ
ークによる原稿セット領域以外にて前記原稿セット位置
指定マークに対して所定の位置関係を有する位置に設け
られた見当合わせ用マークとを有するカード印刷用原稿
位置決めホルダに、これの原稿セット位置指定マークに
従ってカード状原稿を位置決めセットして当該カード印
刷用原稿位置決めホルダごと複製式に製版を行い、カー
ド状原稿画像版部と見当合わせ用マーク版部とを有する
印刷原版を作成し、所定位置に見当合わせ用マークを有
し印刷部に給紙される試し刷りシートに前記印刷原版を
用いて少なくとも前記見当合わせ用マーク版部による見
当合わせ用マークを印刷し、試し刷りシートに於ける二
つの見当合わせ用マークの相対位置より印刷位置ずれを
検出し、自動給紙位置調整により前記印刷位置ずれを解
消して前記原稿セット位置指定マークによる原稿セット
領域と整合する位置にカード状被印刷シートを剥離可能
に貼着保持した台紙を前記印刷部に給紙し、前記印刷原
版により前記カード状原稿画像版部によるカード状原稿
画像をカード状被印刷シートの所定位置に印刷すること
を特徴とするカード印刷方法によって達成される。

【００１２】また上述の如き目的を達成するため、本発
明によるカード印刷用原稿位置決めホルダは、カード状
原稿の原稿セット領域を指定する原稿セット位置指定マ
ークと前記原稿セット位置指定マークによる原稿セット
領域以外にて前記原稿セット位置指定マークに対して所
定の位置関係を有する位置に設けられた見当合わせ用マ
ークとを有することを特徴としている。

【００１３】またこのカード印刷用原稿位置決めホルダ
に於ける原稿セット位置指定マークは複数個のカード状
原稿の原稿セット領域を指定するようなっていてよい。

【００１４】また上述の如き目的を達成するため、本発
明によるカード印刷用紙は、印刷装置に於いて印刷部に
給紙可能なサイズの台紙の表面に粘着層が形成され、前
記台紙の粘着層にカード状被印刷シートが剥離可能に貼
着されていることを特徴としている。

【００１５】

【作用】上述の如き構成によれば、カード印刷用原稿位
置決めホルダに、これの原稿セット位置指定マークに従
ってカード状原稿が位置決めセットされてカード印刷用
原稿位置決めホルダごと複製式に製版が行われることに
より、台紙上のカード状原稿の配置位置に整合する位置
にカード状原稿画像版部が見当合わせ用マーク版部と共
に製版されることになる。

【００１６】次に試し刷りシートに前記印刷原版を用い
て少なくとも前記見当合わせ用マーク版部による見当合
わせ用マークが印刷されることにより、この試し刷りシ
ートに於ける二つの見当合わせ用マークの相対位置から
印刷位置ずれが検出される。

【００１７】次にこの印刷位置ずれ検出結果をもとに、
自動給紙位置調整が行われることにより印刷位置ずれが
解消され、この後にカード状被印刷シートを剥離可能に
貼着保持した台紙が印刷部に自動給紙されることにより
カード状被印刷シートの所定位置にカード状原稿画像版
部による印刷画像が印刷される。

【００１８】また本発明によるカード印刷用紙に於いて
は、カード状被印刷シートには粘着層が設けられておら
ず、カード状被印刷シートは台紙に形成された粘着層に
より台紙の粘着されているから、カード状被印刷シート
が台紙より剥離されると、これは名刺用紙の如き単なる
カードとなる。

【００１９】

【実施例】以下に添付の図を参照して本発明を実施例に
ついて詳細に説明する。

【００２０】図１は本発明によるカード印刷方法の実
施、およびカード印刷用原稿位置決めホルダ、カード印
刷用紙を使用される複製式製版機能付き印刷装置の一例
としての孔版印刷装置の概略構成を示している。

【００２１】孔版印刷装置は全体を符号１により示され
ている。

【００２２】孔版印刷装置１は、イメージスキャナ３に
より構成され印刷すべき原稿の画像を読み取る原稿画像
読み取り部５と、原稿画像読み取り部５が読み取った原
稿画像データに応じて感熱性の孔版原紙Ｓに感熱式に穿
孔画像を複製形成するサーマルヘッド７を含む製版部９
と、製版部９により複製式に製版された孔版原紙Ｓを外
周面に巻き付け装着される円筒状の印刷ドラム１１と、
プレスローラ１３と、給紙台１５の印刷用紙Ｐを紙捌き
ローラ１６により一枚ずつ捌き、これを印刷ドラム１１
とプレスローラ１３との間に給紙タイミングローラ１７
により所定のタイミングにて供給する自動給紙部１９
と、印刷済みの印刷用紙Ｐの排出、集積を行う排紙部２
１と、印刷使用済みの孔版原紙Ｓを印刷ドラム１１より
剥ぎ取って廃棄処理する排版部２３とを有しており、印
刷ドラム１１内にはスキージ装置２５が配置されてい
る。

【００２３】この孔版印刷装置１に於いては、印刷ドラ
ム１１が図示されていない回転駆動手段により自身の中
心軸線の周りに図にて時計廻り方向に回転駆動され、印
刷ドラム１１の回転に同期して所定のタイミングにて印
刷用紙Ｐが給紙タイミングローラ１７により図にて右方
より左方へ移動する状態にて印刷ドラム１１とプレスロ
ーラ１３との間に供給され、印刷用紙Ｐがプレスローラ
１３より印刷ドラム１１の外周面の巻き付け装着されて
いる孔版原紙Ｓに対し押し付けられることにより、印刷
用紙Ｐに対して孔版印刷が行れるようになっている。

【００２４】給紙タイミングローラ１７の給紙タイミン
グは、周知の構造により、天地調整のために印刷ドラム
１１の回転位相に対して可変設定されるようになってい
る。尚、この給紙タイミング可変設定機構についての詳
細は、必要ならば特開平２−２２０８８０号公報を参照
されたい。

【００２５】また給紙台１５に於ける印刷用紙Ｐの載置
位置は幅方向（紙面を貫通する方向）に変更可能になっ
ており、この載置位置可変設定機構についての詳細は、
必要ならば特開昭６３−２１８４３５号公報を参照され
たい。

【００２６】次に図２（ａ）〜（ｃ）を用いて本発明に
よるカード印刷方法の実施要領およびカード印刷用原稿
位置決めホルダについて説明する。

【００２７】図２（ａ）は本発明によるカード印刷用原
稿位置決めホルダの一実施例を示している。カード印刷
用原稿位置決めホルダは全体を符号３０により示されて
おり、カード印刷用原稿位置決めホルダ３０は、紙、プ
ラスチックシート等により構成されて上述の如き孔版印
刷装置１の印刷部に給紙可能な所定サイズの台紙３２上
に、名刺等のカード状原稿Ｃの原稿セット領域Ｒを指定
する原稿セット位置指定マーク３４と、原稿セット位置
指定マーク３４による原稿セット領域Ｒ以外にて原稿セ
ット位置指定マーク３４に対して所定の位置関係を有す
る位置に設けられた見当合わせ用マーク３６とを印刷等
により有している。

【００２８】原稿セット位置指定マーク３４は原稿画像
読み取り部５のイメージスキャナ３により読み取られな
い不感色インキ等により印刷されており、この原稿セッ
ト位置指定マーク３４は、一枚のカード印刷用原稿位置
決めホルダ３０に於いて複数個、図示の実施例では４個
互いに隔置して設けられ、各々個別の原稿セット領域Ｒ
を指定している。この原稿セット領域Ｒの配置は、２×
２の縦横対称配列になっている。

【００２９】また原稿セット領域Ｒの各々にはカード状
原稿Ｃを剥離可能に貼着保持する粘着剤３８が層状に、
あるいは点状、帯状に塗布されている。

【００３０】見当合わせ用マーク３６は、所謂「トン
ボ」と称されるものであり、これは原稿画像読み取り部
５のイメージスキャナ３により読み取られる黒色インキ
等により印刷されている。

【００３１】台紙３２上には透明カバーシート４０の一
辺部４２が貼着されている。透明カバーシート４０は、
一辺部４２のみを台紙３２に貼着されて手にて開閉可能
であり、原稿セット位置指定マーク３４による原稿セッ
ト領域Ｒを被覆保護するようになっている。

【００３２】図２（ｂ）は本発明によるカード印刷方法
の実施にて使用する試し刷りシートの一例を示してい
る。試し刷りシートは全体を符号５０により示されてお
り、試し刷りシート５０は、自動給紙可能な紙、プラス
チックシート等により所定規格サイズ、好ましくはカー
ド印刷用原稿位置決めホルダ３０の台紙３２と同一サイ
ズに構成され、所定位置に見当合わせ用マーク５２を印
刷されている。この見当合わせ用マーク５２の所定位置
とは、試し刷りシート５０の自動給紙基準前縁５４と自
動給紙基準側縁５６との交点５８を位置決め座標の原点
とした場合、カード印刷用原稿位置決めホルダ３０に於
ける同等の位置決め座標の原点４４に対する見当合わせ
用マーク３６の座標位置と同一の座標位置を意味してい
る。

【００３３】図２（ｃ）は本発明によるカード印刷方法
の実施にて使用するカード印刷用紙の一例を示してい
る。カード印刷用紙は全体を符号６０により示されてお
り、カード印刷用紙６０は、孔版印刷装置１の印刷部に
給紙可能な所定サイズ、好ましくはカード印刷用原稿位
置決めホルダ３０の台紙３２と同一サイズの台紙６２上
にカード状被印刷シート６４を所定枚数、剥離可能に貼
着保持している。

【００３４】一枚の台紙６２上に貼着保持されているカ
ード状被印刷シート６４の枚数はカード印刷用原稿位置
決めホルダ３０の原稿セット位置指定マーク３４による
原稿セット領域Ｒの個数と同一数であり、このカード状
被印刷シート６４の各々の貼着位置はカード印刷用原稿
位置決めホルダ３０の原稿セット位置指定マーク３４に
よる原稿セット領域Ｒと整合する位置に設定されてい
る。

【００３５】尚、連写により製版が行われる場合は、カ
ード状被印刷シート６４の枚数はカード印刷用原稿位置
決めホルダ３０の原稿セット位置指定マーク３４による
原稿セット領域Ｒの個数の整数倍になる。

【００３６】台紙６２上に於ける各カード状被印刷シー
ト６４の貼着保持位置は、カード状被印刷シート貼着保
持シート６０の自動給紙基準前縁６６と自動給紙基準側
縁６８との交点７０を位置決め座標の原点とした場合、
カード印刷用原稿位置決めホルダ３０に於ける同等の位
置決め座標の原点４４に対する原稿セット位置指定マー
ク３４による原稿セット領域と同一の座標位置となる。

【００３７】カード状被印刷シート６４がラベル等であ
れば、これの台紙６２に対する貼着はカード状被印刷シ
ート６４の裏面に形成された粘着層により行われればよ
く、これに対しカード状被印刷シート６４が名刺用紙の
如く、裏面に粘着層が設けられてはならない場合は、カ
ード状被印刷シート６４の台紙６２に対する貼着は図示
されている如く、台紙６２に設けられた粘着層７２によ
り行われればよい。

【００３８】図３はカード状被印刷シート６４の台紙６
２に対する貼着が台紙６２の表面に形成された粘着層７
２により行われるカード印刷用紙６０の詳細例を示して
いる。このカード印刷用紙６０に於いてもカード状被印
刷シート６４の各々の貼着位置はカード印刷用原稿位置
決めホルダ３０の原稿セット位置指定マーク３４による
原稿セット領域Ｒと整合する位置であることについては
変わりはなく、カード印刷用原稿位置決めホルダ３０に
於ける原稿セット領域Ｒの配置位置と同様に２×２の縦
横対称配列で、これのヘッドマージン７４とボトムマー
ジン７６のマージン幅は互いに等しく、また両サイドマ
ージン７８、８０のマージン幅も互いに等しくなってい
る。これによりカード印刷用紙６０はヘッドマージン７
４側よりの給紙とボトムマージン７６側よりの給紙に於
いて特異の方向性をもたず、何れの側よりも給紙されて
もよい。

【００３９】またカード印刷用紙６０に於ける中央マー
ジン８２の幅寸法は紙捌きローラ１６および給紙タイミ
ングローラ１７の幅寸法に等しいか、それ以上とされ、
この中央マージン８２の位置は給紙に於いて紙捌きロー
ラ１６および給紙タイミングローラ１７と整合する位置
とされている。

【００４０】またカード印刷用紙６０の台紙６２の所定
位置に確認用の見当合わせ用マーク８４が印刷されいて
もよい。

【００４１】尚、台紙６２の裏面に見当合わせ用マーク
５２が印刷され、カード印刷用紙６０の裏面が試し刷り
シート５０とされていてもよい。

【００４２】カード印刷に際しては、先ずカード印刷用
原稿位置決めホルダ３０の透明カバーシート４０を開い
て台紙３２の原稿セット位置指定マーク３４に従ってカ
ード状原稿Ｃを台紙３２上に位置決めセットする。これ
によりカード状原稿Ｃは原稿セット位置指定マーク３４
による原稿セット領域Ｒに於いて粘着剤３８により台紙
３２上に貼着保持される。

【００４３】この後にて透明カバーシート４０を元に戻
し、このカード印刷用原稿位置決めホルダ３０を孔版印
刷装置１の原稿読み取り部５に送り込む。この送り込み
によりサーマルヘッド３によってカード印刷用原稿位置
決めホルダ３０が保持しているカード状原稿Ｃの画像と
カード印刷用原稿位置決めホルダ３０の見当合わせ用マ
ーク３６とが読み取られ、この読み取り画像データに従
ってサーマルヘッド７により孔版原紙Ｓに複製式に製版
が行われる。

【００４４】この複製式の製版により孔版原紙Ｓにカー
ド印刷用原稿位置決めホルダ３０に於けるカード状原稿
Ｃの配置位置に整合する位置にカード状原稿画像版部が
見当合わせ用マーク版部と共に製版されることになる。

【００４５】次に試し刷りシート５０を、自動給紙部１
９の給紙台１５に、その自動給紙基準前縁５４と自動給
紙基準側縁５６とを給紙台１５の各基準位置に合わせて
載置し、試し刷りシート５０を印刷ドラム１１とプレス
ローラ１３とによる孔版印刷部へ自動給紙し、上述の如
く製版された孔版原紙Ｓにより試し刷りシート５０に試
し刷りを行う。

【００４６】この試し刷りにより、図４に示されている
如く、試し刷りシート５０には見当合わせ用マーク版部
による見当合わせ用マークＭが印刷される。この印刷さ
れた見当合わせ用マークＭと試し刷りシート５０に予め
印刷されている見当合わせ用マーク５２とが一致すれ
ば、見当合わせは適正であり、これに対して見当合わせ
用マークＭと見当合わせ用マーク５２とが相互にずれて
いれば、見当合わせは不適正であり、この場合は見当合
わせ用マークＭと見当合わせ用マーク５２との相対位置
偏倚を観察しつつこれがなくなる方向に孔版印刷装置１
に於ける自動給紙位置調整を行う。

【００４７】この自動給紙位置調整は、給紙縦方向につ
いては天地調整により行われ、給紙横方向については給
紙台１５に於ける被印刷物の幅方向の載置位置調整によ
り行われる。

【００４８】見当合わせ用マークＭと見当合わせ用マー
ク５２とが一致するように自動給紙位置調整が行われた
ならば、次にカード印刷用紙６０を、自動給紙部１９の
給紙台１５に、その自動給紙基準前縁６６と自動給紙基
準側縁６８とを給紙台１５の各基準位置に合わせて載置
し、カード状被印刷シート貼着保持シート６０を印刷ド
ラム１１とプレスローラ１３とによる孔版印刷部へ自動
給紙し、上述の如く製版された孔版原紙Ｓにより本刷り
を行う。

【００４９】この本刷りによりカード状被印刷シート６
４の所定位置にカード状原稿画像版部による印刷画像が
印刷される。

【００５０】印刷済みのカード印刷用紙６０は排紙部２
１の排紙台２２上に積み重ねる。この場合、カード状被
印刷シート６４に印刷画像を形成している印刷インキが
未乾燥であるために、この印刷インキがこれの上に重な
るカード印刷用紙６０に付着しても、即ち裏移りが生じ
ても、この印刷インキ付着面は台紙６２の裏面であり、
これがカード状被印刷シート６４を汚すことはない。

【００５１】尚、本刷りによりカード印刷用紙６０には
見当合わせ用マーク版部による見当合わせ用マークも印
刷されるが、この印刷位置はカード状被印刷シート６４
の配置位置外の余白であり、これがカード印刷の適正性
を阻害することはない。

【００５２】カード印刷用紙６０がヘッドマージン７４
側よりの給紙とボトムマージン７６側よりの給紙に於い
て特異の方向性をもたず、何れの側よりも給紙されても
よい形態のものである場合は、これの後縁側、即ちボト
ムマージン７６側を前側として給紙を行うことも可能で
ある。

【００５３】この場合は、カード状原稿Ｃが一枚しかな
く、この一枚のカード状原稿Ｃだけによる製版がカード
印刷用原稿位置決めホルダ３０を用いて所定の位置に行
われ行われ、一回の印刷では一枚のカード印刷用紙６０
の一つのカード状被印刷シート６４にしか印刷が行われ
ない場合、一回印刷を終えたカード印刷用紙６０を、給
紙方向を前後逆して印刷部に対して再給紙することによ
り、そのカード印刷用紙６０のもう一つのカード状被印
刷シート６４に印刷が行われることになり、印刷用紙の
無駄が少なくなり、またカード状原稿Ｃが二枚あれば、
これをカード印刷用原稿位置決めホルダ３０の片側に配
置して製版を行い、上述と同様にカード印刷用紙６０が
二回給紙されることにより、カード印刷用紙６０のすべ
てカード状被印刷シート６４に印刷が行われるようにな
る。

【００５４】またカード印刷用紙６０に於ける中央マー
ジン８２の幅寸法は紙捌きローラ１６および給紙タイミ
ングローラ１７の幅寸法に等しいか、それ以上とされ、
この中央マージン８２の位置が給紙に於いて紙捌きロー
ラ１６および給紙タイミングローラ１７と整合する位置
とされていると、カード印刷用紙６０の給紙過程にて紙
捌きローラ１６および給紙タイミングローラ１７は、中
央マージン８２と対接し、カード状被印刷シート６４に
は接しないから、カード状被印刷シート６４が紙捌きロ
ーラ１６、給紙タイミングローラ１７により擦られるこ
とがない。

【００５５】これによりカード状被印刷シート６４が汚
損されることがなく、また多色刷り等のためにカード印
刷用紙６０が再給紙されても、カード状被印刷シート６
４の印刷画像が紙捌きローラ１６、給紙タイミングロー
ラ１７により擦られることがなく、この印刷画像が崩れ
ることがない。

【００５６】また確実な紙捌きのために紙捌きローラ１
６が摩擦係数の高いゴム系材料により構成されていて
も、この紙捌きローラ１６による紙捌き過程にてカード
状被印刷シート６４が台紙６２より誤って剥がれる虞れ
がない。このことからカード状被印刷シート６４の台紙
６２に対する貼着力をあまり高く設定する必要がなくな
る。このことはカード状被印刷シート６４の台紙６２よ
りの剥離性をよくし、この剥離時にカード状被印刷シー
ト６４に損傷が与えられたり、カード状被印刷シート６
４がカールすることが回避されるようになる。

【００５７】図５は本発明によるカード印刷用原稿位置
決めホルダの他の実施例を示している。尚、図５に於い
て図２（ａ）に対応する部分は図２（ａ）に付した符号
と同一の符号により示されている。この実施例に於いて
は、台紙３２上に配置されるカード状原稿Ｃの厚みによ
りカード状原稿Ｃの周縁に対応する位置に影が製版され
ることを回避するために、透明カバーシート４０がセッ
ト位置指定マーク３４による各原稿セット領域Ｒの周縁
に対応する位置に光不透過性塗料等によるマスク４６が
設けられている。

【００５８】このカード印刷用原稿位置決めホルダ３０
によれば、カード状原稿Ｃが名刺の如く、厚みがあるも
のであっても、原稿周縁に影が製版されることがなく、
汚れのない綺麗なカード印刷が行われるようになる。

【００５９】以上に於ては、本発明を特定の実施例につ
いて詳細に説明したが、本発明は、これらに限定される
ものではなく、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能
であることは当業者にとって明らかであろう。

【００６０】

【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明
によるカード印刷方法およびカード印刷用原稿位置決め
ホルダによれば、カード印刷用原稿位置決めホルダに、
これの原稿セット位置指定マークに従ってカード状原稿
が位置決めセットされてカード印刷用原稿位置決めホル
ダごと複製式に製版が行われることにより、台紙上のカ
ード状原稿の配置位置に整合する位置にカード状原稿画
像版部が見当合わせ用マーク版部と共に製版され、試し
刷りシートに前記印刷原版を用いて少なくとも前記見当
合わせ用マーク版部による見当合わせ用マークが印刷さ
れることにより、この試し刷りシートに於ける二つの見
当合わせ用マークの相対位置から印刷位置ずれが検出さ
れ、この印刷位置ずれ検出結果をもとに印刷位置ずれを
解消するための自動給紙位置調整が行われるから、見当
合わせが容易に的確に行われるようになる。

【００６１】またカード印刷用原稿位置決めホルダの使
用により複製式の製版時のカード状原稿の位置決めが、
一回の製版に於けるカード状原稿の枚数に拘らず容易に
的確に行われるようになり、名刺印刷等が事務所用等の
カット自動給紙機構付きの孔版印刷装置により一般ユー
ザによっても容易に行われる得るようになる。

【００６２】また本発明によるカード印刷用紙に於いて
は、カード状被印刷シートには粘着層が設けられておら
ず、カード状被印刷シートは台紙に形成された粘着層に
より台紙の粘着されているから、カード状被印刷シート
が台紙より剥離されると、これは粘着層を有していない
単なるカードとなり、これは名刺印刷等のための印刷用
紙として好適なものになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるカード印刷方法の実施、およびカ
ード印刷用原稿位置決めホルダを使用される複製式製版
機能付きの孔版印刷装置の一例を示す概略構成図。

【図２】（ａ）は本発明によるカード印刷用原稿位置決
めホルダの一実施例を、（ｂ）は本発明によるカード印
刷方法の実施にて使用する試し刷りシートの一例を、
（ｃ）は本発明によるカード印刷方法の実施にて使用す
るカード印刷用紙の一例を各々示す斜視図。

【図３】本発明によるカード印刷用紙の一実施例を示す
平面図。

【図４】本発明によるカード印刷方法の実施に於ける試
し刷りシートに対する試し刷り例を示す平面図。

【図５】本発明によるカード印刷用原稿位置決めホルダ
の他の実施例を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 孔版印刷装置 ５ 原稿画像読み取り部 ９ 製版部 １１ 印刷ドラム １３ プレスローラ １９ 自動給紙部 ２５ スキージ装置 ３０ カード印刷用原稿位置決めホルダ ３４ 原稿セット位置指定マーク ３６ 見当合わせ用マーク ５０ 試し刷りシート ５２ 見当合わせ用マーク ６０ カード印刷用紙 ６４ カード状被印刷シート

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カード状原稿の原稿セット領域を指定す
   る原稿セット位置指定マークと前記原稿セット位置指定
   マークによる原稿セット領域以外にて前記原稿セット位
   置指定マークに対して所定の位置関係を有する位置に設
   けられた見当合わせ用マークとを有するカード印刷用原
   稿位置決めホルダに、これの原稿セット位置指定マーク
   に従ってカード状原稿を位置決めセットして当該カード
   印刷用原稿位置決めホルダごと複製式に製版を行い、 カード状原稿画像版部と見当合わせ用マーク版部とを有
   する印刷原版を作成し、 所定位置に見当合わせ用マークを有し印刷部に給紙され
   る試し刷りシートに前記印刷原版を用いて少なくとも前
   記見当合わせ用マーク版部による見当合わせ用マークを
   印刷し、 試し刷りシートに於ける二つの見当合わせ用マークの相
   対位置より印刷位置ずれを検出し、 自動給紙位置調整により前記印刷位置ずれを解消して前
   記原稿セット位置指定マークによる原稿セット領域と整
   合する位置にカード状被印刷シートを剥離可能に貼着保
   持した台紙を前記印刷部に給紙し、 前記印刷原版により前記カード状原稿画像版部によるカ
   ード状原稿画像をカード状被印刷シートの所定位置に印
   刷することを特徴とするカード印刷方法。
2. 【請求項２】 カード状原稿の原稿セット領域を指定す
   る原稿セット位置指定マークと前記原稿セット位置指定
   マークによる原稿セット領域以外にて前記原稿セット位
   置指定マークに対して所定の位置関係を有する位置に設
   けられた見当合わせ用マークとを有することを特徴とす
   るカード印刷用原稿位置決めホルダ。
3. 【請求項３】 前記原稿セット位置指定マークは複数個
   のカード状原稿の原稿セット領域を指定することを特徴
   する請求項２に記載のカード印刷用原稿位置決めホル
   ダ。
4. 【請求項４】 印刷装置に於いて印刷部に給紙可能なサ
   イズの台紙の表面に粘着層が形成され、前記台紙の粘着
   層にカード状被印刷シートが剥離可能に貼着されている
   ことを特徴とするカード印刷用紙。