JPH05318641A - フェノール樹脂積層板 - Google Patents

フェノール樹脂積層板

Info

Publication number
JPH05318641A
JPH05318641A JP13389892A JP13389892A JPH05318641A JP H05318641 A JPH05318641 A JP H05318641A JP 13389892 A JP13389892 A JP 13389892A JP 13389892 A JP13389892 A JP 13389892A JP H05318641 A JPH05318641 A JP H05318641A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
phenols
phenol
tung oil
aromatic hydrocarbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13389892A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Kojima
正之 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP13389892A priority Critical patent/JPH05318641A/ja
Publication of JPH05318641A publication Critical patent/JPH05318641A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 樹脂成分を基材に含浸・乾燥させ、所定量積
層し、加熱加圧してなる積層板において、樹脂成分が、
反応可能な二重結合にフェノール類が十分に結合した桐
油、反応可能な含酸素官能基にフェノール類が十分に結
合したフェノール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド
樹脂、フェノール類と桐油と芳香族炭化水素ホルムアル
デヒド樹脂とが十分に結合した樹脂、フェノール類およ
びホルムアルデヒド類が塩基性触媒存在下で反応せしめ
られた変性フェノール樹脂組成物であるフェノール樹脂
積層板。 【効果】 桐油と芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂
とフェノール類とが十分に結合した高い変性率の樹脂に
よるフェノール樹脂積層板を得ることができ、打抜き加
工性、耐水性、電気的特性、機械的特性、高い強靭性を
有し、印刷配線板に好適に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂成分と基材とから
なる積層板において、樹脂成分が、フェノール類が十分
に結合した桐油(K)と、フェノール類と芳香族炭化水
素ホルムアルデヒド樹脂とが十分に結合した樹脂(L)
と、フェノール類と桐油と芳香族炭化水素ホルムアルデ
ヒド樹脂とが十分に結合した樹脂(M)と、フェノール
類と、ホルムアルデヒド類とを塩基性触媒存在下で反応
せしめた変性フェノール樹脂組成物であるフェノール樹
脂積層板およびその製造方法に関するものであり、さら
に打抜き加工性、機械的特性、耐湿性、電気的特性に優
れた印刷配線板に好適なフェノール樹脂積層板およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂は耐熱性、電気的特性、
機械的特性が優れており、印刷配線板用積層板に用いら
れている。しかし、一般にフェノール樹脂は固くて脆い
欠点を有しているため、積層板に用いた場合、打抜き加
工性が劣る欠点がある。この欠点を改良する方法として
桐油、脱水ひまし油、カシューナット核油、ウルシオー
ル類などの植物油やアルキルフェノールなどで変性され
た可撓性を有するフェノール樹脂を用いる方法が知られ
ている。しかし最近、印刷配線板が益々高密度化される
に伴って、打抜き加工性、強靱性の一層優れた積層板が
必要となっており、従来の方法ではこれらの特性が不足
する欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の方法で
は得られない打抜き加工性と強靱性とを有するフェノー
ル樹脂積層板を得んとして研究した結果、従来知られて
いる桐油変性フェノール樹脂では、桐油とフェノール類
との反応が不十分であったために種々の欠点があること
を見出し、フェノール類が十分に結合した桐油(K)
と、フェノール類と芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹
脂とが十分に結合した樹脂(L)と、フェノール類と桐
油と芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂とが十分に結
合した樹脂(M)と、フェノール類と、ホルムアルデヒ
ド類とを塩基性触媒存在下で反応せしめたレゾール型変
性フェノール樹脂組成物と基材とからなる積層板が打抜
き加工性、強靱性に極めて優れるとの知見を得、更にこ
の知見に基づき種々研究を進めて本発明を完成するに至
ったものである。その目的とするところは打抜き加工
性、機械的特性、耐水性、電気的特性の優れた極めて強
靱なフェノール樹脂積層板およびその製造方法を提供す
るにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂成分を基
材に含浸・乾燥させ、所定量積層し、加熱加圧してなる
積層板において、樹脂成分が、反応可能な二重結合にフ
ェノール類が十分に結合した桐油(K)と、反応可能な
含酸素官能基にフェノール類が十分に結合した芳香族炭
化水素ホルムアルデヒド樹脂(L)と、フェノール類と
桐油と芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂とが十分に
結合した樹脂(M)と、フェノール類と、ホルムアルデ
ヒド類とが塩基性触媒存在下で反応せしめられた変性フ
ェノール樹脂組成物であることを特徴とするフェノール
樹脂積層板であり、さらに変性フェノール樹脂組成物が
フェノール類(A)と桐油(B)と芳香族炭化水素樹脂
ホルムアルデヒド樹脂(C)とを重量比 X < A/(B+C) < 10 0.2 < C/B < 0.8 X=(0.004+0.02/(1+C/B))×(fw−1)×
M/fn (fnはフェノール類の数平均官能数、fwはフェノー
ル類の量平均官能数、Mはフェノール類の数平均分子量
である)で酸性触媒存在下で反応させ、フェノール類が
十分に結合した桐油(K)と、フェノール類と芳香族炭
化水素ホルムアルデヒド樹脂とが十分に結合した樹脂
(L)と、フェノール類と桐油と芳香族炭化水素ホルム
アルデヒド樹脂とが十分に結合した樹脂(M)と、フェ
ノール類とからなる反応組成物を得、該反応組成物より
未反応フェノール類の所定量(D)を重量比 (A−D)/(B+C)=0.4〜1.3 となるように除去し、次いで塩基性触媒存在下でホルム
アルデヒド類と反応させさせて得られる変性フェノール
樹脂であるフェノール樹脂積層板である。
【0005】本発明における桐油とは、エレオステアリ
ン酸のグリセリンエステルを主成分とする天然に産する
桐油を言い、エレオステアリン酸基中にある共役した3
個の二重結合がフェノール類との反応性を有しており、
この内2個までフェノール類が通常の反応条件下で付加
し得る性質を有している。
【0006】本発明において、芳香族炭化水素ホルムア
ルデヒド樹脂とは、ベンゼン、トルエン、メタキシレ
ン、混合キシレン、メシチレン、ナフタリン、アルキル
置換芳香族炭化水素などの芳香族炭化水素から選ばれた
1種以上とホルムアルデヒドとの反応によって得られる
エーテル結合、アセタール結合、メチロール基などの含
酸素官能基を有する反応性樹脂であり、たとえばメタキ
シレンを出発原料としたニカノール(三菱瓦斯化学社
製)をあげることができ、これらの1種または2種以上
を用いることができる。
【0007】本発明おいて用いられるフェノール類は、
フェノール、クレゾール、キシレノール、P-t-ブチルフ
ェノール、ビスフェノールA、レゾルシンなどの1価並
びに2価のフェノール類およびそれらの置換体の1種以
上が用いられ、少なくとも3官能以上のフェノール類を
50モル%以上含有するフェノール類が用いられる。好ま
しいフェノール類はフェノールおよびクレゾールであ
る。
【0008】本発明において用いられるホルムアルデヒ
ド類は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドなど
である。
【0009】本発明における塩基性触媒としては、アン
モニア、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ヘキサ
メチレンテトラミン、トリエタノールアミン、水酸化バ
リウムなどのような触媒をあげることができる。
【0010】本発明で用いられる基材としては、クラフ
ト紙、リンター紙のようなセルロースを主成分とする
紙、ガラス布、ガラス不織布物のようなガラス布、ポリ
エステル布、アラミド繊維布のような合成繊維布、帆布
などをあげることができ、またこれらが処理剤で処理さ
れた基材を用いることができる。処理剤としては、低縮
合のレゾール型フェノール樹脂、メラミン樹脂、シラン
カップリング剤などを例示することができる。
【0011】本発明においては、樹脂成分を基材に含浸
・乾燥させて得られるプリプレグを所定量積層し、必要
によりこれに銅箔、アルミニウム箔などを重ねて加熱加
圧積層成形を行なう。
【0012】本発明におけるフェノール類が十分に結合
した桐油(K)とは、前記エレオステアリン酸基の反応
性を有する2重結合のうちの2個の二重結合の殆どない
し全てがフェノール類のオルトまたはパラ位と化学結合
したものを言う。
【0013】本発明におけるフェノール類と芳香族炭化
水素ホルムアルデヒド樹脂のとが十分に結合した樹脂
(L)とは、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂が有
するフェノール類のベンゼン環上の反応位置と反応しう
るエーテル結合、アセタール結合、メチロール基などの
官能基の殆どないし全てがフェノール類のオルトまたは
パラ位と化学結合したものを言う。
【0014】本発明におけるフェノール類と桐油と芳香
族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂とが十分に結合した樹
脂(M)とは、前記桐油のエレオステアリン酸基の反応
性を有する2重結合のうちの2個の二重結合の殆どない
し全てと、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂が有す
るフェノール類のベンゼン環上の反応位置と反応しうる
エーテル結合、アセタール結合、メチロール基などの官
能基の殆どないし全てがフェノール類のオルトまたはパ
ラ位と化学結合したものであって、桐油と芳香族炭化水
素ホルムアルデヒド樹脂とがフェノール類を介して結合
されているものである。
【0015】本発明において、フェノール類が十分に結
合した桐油(K)と、フェノール類と芳香族炭化水素ホ
ルムアルデヒド樹脂とが十分に結合した樹脂(L)と、
フェノール類と桐油と芳香族炭化水素ホルムアルデヒド
樹脂とが十分に結合した樹脂(M)と、フェノール類
と、ホルムアルデヒド類とを塩基性触媒存在下で反応せ
しめる際に、樹脂に結合したもの、結合していないもの
全てを含めたフェノール類成分重量と、桐油成分と芳香
族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂との合計成分重量の比
は、0.4〜1.3が好ましい。1.3以上では桐油成分と芳香
族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂成の含有量が少なくな
り、フェノール樹脂積層板の打抜き加工性、耐水性が損
なわれ、0.4以下では多くなって、フェノール樹脂積層
板の強度が低下するようになる。
【0016】また、本発明において、桐油成分に対する
芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂成分の重量比は、
フェノール樹脂積層板の打抜き加工性、電気的性能の面
から選択され、0.2〜0.8が好ましい。0.2より少ない
と、打抜き加工性は優れるが、フェノール樹脂積層板の
耐水性、電気的特性が低下し、0.8より多いと電気的性
能は優れるが、打抜き加工性が損なわれるからである。
【0017】このような成分比を有する樹脂を得る場
合、これの成分比と同一の比率でフェノール類と桐油と
芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂とを十分に反応さ
せることは困難である。この範囲の重量比での反応で
は、桐油中のエレオステアリン酸基の二重結合および芳
香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の官能基とがフェノ
ール類が十分に結合する前にゲル化して、樹脂組成物を
得ることができないからである。従来の方法では、結合
が不十分の状態で反応を停止、終了させ、これをホルム
アルデヒドと塩基性触媒下で反応させざるを得ず、その
結果、得られる樹脂は結合が不完全であるため、この樹
脂による積層板は打抜き加工性と機械的強度とに限界が
ある。
【0018】本発明のフェノール類の数平均官能数と
は、フェノール類のベンゼン核上の反応性位置(即ち、
フェノール類の官能基)の合計モル数をフェノール類の
合計モル数で除した数を言う。本発明のフェノール類の
量平均官能数とは、フェノール類の官能基数の二乗とフ
ェノール類のモル数との積の合計値を、フェノール類の
官能基の合計モル数で除した数を言う。本発明のフェノ
ール類の数平均分子量とは、フェノール類の合計重量を
フェノール類の合計モル数で除した数を言う。
【0019】本発明において、フェノール類(A)と桐
油(B)と芳香族炭化水素樹脂ホルムアルデヒド樹脂
(C)との反応比は、重量比でA/(B+C)=X〜1
0、C/B=0.2〜0.8である。Xは次式 X=(0.004+0.02/(1+C/B))×(fw−1)×
M/fn で表され、実験値とフローリーゲル化条件式とにより求
めることができる。A/(B+C)がX以下では反応が
十分に完結する前に、反応組成物がゲル化ないしは粘度
が高くなって実用困難な状態になり、フェノール類が十
分に結合した桐油(K)と、フェノール類と芳香族炭化
水素ホルムアルデヒド樹脂とが十分に結合した樹脂
(L)と、フェノール類と桐油と芳香族炭化水素ホルム
アルデヒド樹脂とが十分に結合した樹脂(M)とを得る
ことが困難になる。またA/(B+C)が10以上では、
未反応フェノール類の除去量が増加し、経済的に不利と
なる。好ましい反応比A/(B+C)はX〜5である。
【0020】本発明において、フェノール類(A)と桐
油(B)と芳香族炭化水素樹脂ホルムアルデヒド樹脂
(C)との反応に用いられる酸性触媒としては、パラト
ルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、三弗化ほう素、
塩化第二錫、塩化第二鉄、パーフロロメタンスルホン酸
などのようなフリーデルクラフト形触媒をあげることが
できる。該酸性触媒の使用量は特に制限はないが、反応
物の合計量に対して0.01〜0.5重量%が好ましい。また
該反応は50〜120℃の温度で行なうのが好ましい。120℃
以上では桐油のエステル結合が分解切断されるので好ま
しくない。また必要によりトルエンなどの溶媒中で反応
させてもよい。
【0021】本発明において、塩基性触媒存在下で反応
させるホルムアルデヒド類の量は、所定量の未反応フェ
ノール類除去後の全フェノール類1モルに対して、ホル
ムアルデヒドとして0.6〜1.5モルである。該反応は前記
塩基性触媒下で、60〜100℃の温度で行なうのが好まし
い。必要により、トルエンなどの溶媒中で反応させても
よい。
【0022】本発明のフェノール樹脂積層板は該レゾー
ル型変性フェノール樹脂組成物の溶液をシート状基材に
含浸して乾燥し、3〜10枚積層して、2枚の熱板間で加
熱加圧し、樹脂を硬化させて1〜10mmの厚さの板状体と
することにより得ることができる。含浸させる樹脂の量
としては、樹脂と基材の合計量に対して乾燥基準で30〜
70重量%である。加熱加圧条件としては、120〜180℃の
温度で、50〜150kg/cm2の圧力である。
【0023】本発明において、桐油の内の30重量%まで
を、脱水ひまし油、亜麻仁油などの他の乾性油で適宜置
き換えることができる。また、ロジン、アニリン、カシ
ュナット核油などの他の変性剤で20%以内で適宜変性す
ることができる。また、基材に含浸させる樹脂としては
全樹脂の50重量%まで他のフェノール樹脂を適宜併用す
ることができる。
【0024】
【実施例】以下実施例により本発明を例示する。
【0025】(実施例1)フェノール類として、フェノ
ール(I)を2200g準備した。フェノールの官能数は
3、分子量は94の単独成分であり、したがって、その数
平均および量平均官能数は3であり、数平均分子量は94
である。また、キシレンホルムアルデヒド樹脂(II、三
菱瓦斯化学社製ニカノールH-80)を固形分で100g、桐
油(III)を450g準備した。(I)/{(II)+(II
I)}は4であり、Xは1.276である。5リットルの撹拌
機付きフラスコに(I)、(II)およびパラトルエンス
ルホン酸を適量仕込んで94〜97℃に加熱し、脱水しなが
ら反応させ、最終135℃まで加熱して反応を完結させ
た。反応率は脱水量で判定した。この反応時間は3時間
反応だった。これに(III)を添加し、95℃で桐油の官
能基の反応が完結するまで反応させた。反応に要した時
間は4時間であった。桐油の官能基の反応状態は核磁気
共鳴スペクトルで追跡した。得られた反応組成物は、未
反応フェノールが63.5重量%であった。この反応組成物
をトリエタノールアミンで中和し、反応組成物中の未反
応フェノールが13重量%になるまで、真空下で未反応フ
ェノールを蒸発除去し、仕込み桐油とキシレン樹脂キシ
レンホルムアルデヒド樹脂との合計値に対し、結合フェ
ノールも含めた全フェノール成分の重量比が原料重量基
準(縮合水を含め)で0.82の混合物を得た。この混合物
の蒸気圧平衡法で測定した平均分子量は405であった。
次いで、これに触媒としてアンモニアを適量、パラホル
ムアルデヒドを400g、トルエンを500g添加し、樹脂の
150℃の熱板上でのゲル化時間が6分になるまで80℃で
反応させた後、真空下、脱水、脱溶剤を行い、トルエン
とメタノールの1/1の混合溶剤を添加して冷却し、樹
脂分52重量%のレゾール型変性フェノール樹脂組成物
(樹脂1)を得た。
【0026】また、フェノール1000g、37%ホルマリン
9800g、トリエチルアミン20gを混合して60℃で2時間
反応させ、次いで減圧下で濃縮し、これをメタノール/
水=80/20の混合溶剤で希釈して樹脂分50重量%の水溶
性低分子フェノール樹脂溶液(樹脂2)を得た。次い
で、樹脂2をクラフト紙に含浸して乾燥し、樹脂分10.5
%の処理基材を得た。この処理基材に樹脂2を含浸して
乾燥し、全樹脂分56%のプリプレグを得た。これを8枚
積層し、片側に35μmの銅箔を重ね合わせ、積層板用プ
レスの2枚の熱板間で160℃、80〜90kg/cm2で60分間加
熱加圧し、厚さ1.6mmの銅張りフェノール樹脂積層板を
得た。
【0027】(実施例2)フェノール類として、m-クレ
ゾール60%、p-クレゾール40%からなる混合クレゾール
(IV)を3000g準備した。(IV)の数平均官能数は2.60
0、量平均官能数は2.692、数平均分子量は108である。
また、キシレンホルムアルデヒド樹脂(II)を固形分で
150g、桐油(III)を450g準備した。(IV)/{(II)
+(III)}は5であり、Xは1.335である。5リットル
の撹拌機付きフラスコに(IV)、(II)およびパラトル
エンスルホン酸を適量仕込んで94〜97℃に加熱し、脱水
しながら反応させ、最終135℃まで加熱して反応を完結
させた。反応率は脱水量で判定した。この反応時間は3
時間反応だった。これに(III)を添加し、95℃で桐油
の官能基の反応が完結するまで反応させた。反応に要し
た時間は4時間であった。桐油の官能基の反応状態は核
磁気共鳴スペクトルで追跡した。得られた反応組成物
は、未反応クレゾール分が72.3重量%であった。この反
応組成物をトリエタノールアミンで中和し、反応組成物
中の未反応クレゾールが26重量%になるまで、真空下で
未反応クレゾールを蒸発除去し、仕込み桐油とキシレン
樹脂キシレンホルムアルデヒド樹脂との合計値に対し、
結合クレゾールも含めた全クレゾール成分の重量比が原
料重量基準(縮合水を含め)で0.67の混合物を得た。こ
の混合物の蒸気圧平衡法で測定した平均分子量は295で
あった。次いで、これに触媒としてトリエチルアミンを
適量、パラホルムアルデヒドを400g、トルエンを500g
添加し、樹脂の150℃の熱板上でのゲル化時間が6分に
なるまで80℃で反応させた後、真空下、脱水、脱溶剤を
行いトルエンとメタノールの1/1の混合溶剤を添加し
て冷却し、樹脂分50重量%のレゾール型変性フェノール
樹脂組成物(樹脂3)を得た。次いで、実施例1で得た
処理基材に実施例1と同様にして樹脂3を含浸して乾燥
し、以下同様にして厚さ1.6mmの銅張りフェノール樹脂
積層板を得た。
【0028】(比較例1)フェノール(I)を900g、
キシレンホルムアルデヒド樹脂(II)を固形分で200
g、桐油(III)を900g準備した。(I)/{(II)+
(III)}は0.82であり、Xは1.276である。5リットル
の撹拌機付きフラスコに(I)、(II)およびパラトル
エンスルホン酸を適量仕込んで94〜97℃に加熱し、脱水
しながら反応させ、最終135℃まで加熱して反応を完結
させた。反応率は脱水量で判定した。この反応時間は3
時間だった。これに(III)を添加し、95℃で反応させ
ところ、2時間経過すると急に粘度が上昇し、攪拌困難
となって、ゲル化した。この条件では桐油の官能基に十
分にフェノールを付加させることは困難であった。そこ
で、桐油(III)を添加後1時間で、まだゲル化が起こ
る前に反応を停止し、トリエタノールアミンを添加して
中和し、冷却した。この反応混合物の桐油の官能基の反
応率は核磁気共鳴スペクトルで測定したところ、61%で
あった。得られた反応組成物は、未反応フェノールが2
7.4重量%であった。この反応反応組成物の蒸気圧平衡
法で測定した平均分子量は268であった。次いで、これ
に触媒としてアンモニアを適量、パラホルムアルデヒド
を330g、トルエンを400g添加し、樹脂の150℃の熱板
上でのゲル化時間が6分になるまで80℃で反応させた
後、真空下、脱水、脱溶剤を行い、トルエンとメタノー
ルの1/1の混合溶剤を添加して冷却し、樹脂分50重量
%のレゾール型変性フェノール樹脂組成物(樹脂4)を
得た。次いで、実施例1で得た処理基材に実施例1と同
様にして樹脂4を含浸して乾燥し、以下同様にして厚さ
1.6mmの銅張りフェノール樹脂積層板を得た。
【0029】実施例1、2および比較例1で得た、フェ
ノール樹脂積層板の特性を表1に示した。実施例1およ
び2の本発明のフェノール樹脂積層板は比較例1の積層
板に比べて絶縁抵抗、曲げ強度、曲げ弾性率、引張り強
度および打抜き加工性が優れている。とりわけ、従来
は、機械的特性を向上させると、打抜き加工性が低下す
る問題があったが、本発明のフェノール樹脂積層板は機
械的強度と打抜き加工性との両方が向上していることが
わかる。
【0030】
【表1】
【0031】このように、本発明の変性フェノール樹脂
積層板は、従来の同様の変性率の樹脂に比べて、可撓性
と強靭性に優れている。また、本発明のフェノール樹脂
積層板の製造方法により、はじめて優れたフェノール樹
脂積層板を得ることが可能になった。
【0032】
【発明の効果】本発明のフェノール樹脂積層板は、打抜
き加工性、耐水性、電気的特性、機械的特性が極めて優
れ、特に優れた打抜き加工性と高い強靭性とを兼ね備え
た性質を有しており、印刷配線板に好適に用いることが
できる。このように本発明のフェノール樹脂積層板が従
来の方法では得られなかった優れた打抜き加工性、強靭
性、電気的特性および機械的特性を有する理由は充分に
は明らかではないが、本発明の変性フェノール樹脂組成
物中の桐油の官能基および芳香族炭化水素ホルムアルデ
ヒド樹脂の官能基が十分ないし完全にフェノール類と結
合しているため、硬化物の架橋がより十分にでき、さら
に未反応の桐油、結合不十分な桐油が殆どないためと考
えられる。また、このような桐油と芳香族炭化水素ホル
ムアルデヒド樹脂とフェノール類とが十分に結合した高
い変性率の樹脂によるフェノール樹脂積層板は従来、得
ることが困難であったが、本発明によりはじめて可能に
なった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成分を基材に含浸・乾燥させ、所定
    量積層し、加熱加圧してなる積層板において、樹脂成分
    が、反応可能な二重結合にフェノール類が十分に結合し
    た桐油(K)、反応可能な含酸素官能基にフェノール類
    が十分に結合したフェノール変性芳香族炭化水素ホルム
    アルデヒド樹脂(L)、フェノール類と桐油と芳香族炭
    化水素ホルムアルデヒド樹脂とが十分に結合した樹脂
    (M)、フェノール類およびホルムアルデヒド類が塩基
    性触媒存在下で反応せしめられた変性フェノール樹脂組
    成物であることを特徴とするフェノール樹脂積層板。
  2. 【請求項2】 変性フェノール樹脂組成物がフェノール
    類(A)と桐油(B)と芳香族炭化水素樹脂ホルムアル
    デヒド樹脂(C)とを重量比 X < A/(B+C) < 10 0.2 < C/B < 0.8 X=(0.004+0.02/(1+C/B))×(fw−1)×
    M/fn (fnはフェノール類の数平均官能数、fwはフェノー
    ル類の量平均官能数、Mはフェノール類の数平均分子量
    である)で酸性触媒存在下で反応させ、フェノール類が
    十分に結合した桐油(K)と、フェノール類と芳香族炭
    化水素ホルムアルデヒド樹脂とが十分に結合した樹脂
    (L)と、フェノール類と桐油と芳香族炭化水素ホルム
    アルデヒド樹脂とが十分に結合した樹脂(M)と、フェ
    ノール類とからなる反応組成物を得、該反応組成物より
    未反応フェノール類の所定量(D)を重量比 (A−D)/(B+C)=0.4〜1.3 となるように除去し、次いで塩基性触媒存在下でホルム
    アルデヒド類と反応させて得られる変性フェノール樹脂
    である請求項1記載のフェノール樹脂積層板。
  3. 【請求項3】 少なくとも一方の最表層に銅箔が積層さ
    れている請求項1又は2記載のフェノール樹脂積層板。
JP13389892A 1992-05-26 1992-05-26 フェノール樹脂積層板 Pending JPH05318641A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13389892A JPH05318641A (ja) 1992-05-26 1992-05-26 フェノール樹脂積層板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13389892A JPH05318641A (ja) 1992-05-26 1992-05-26 フェノール樹脂積層板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05318641A true JPH05318641A (ja) 1993-12-03

Family

ID=15115687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13389892A Pending JPH05318641A (ja) 1992-05-26 1992-05-26 フェノール樹脂積層板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05318641A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3947393A (en) Resin composition for laminates and prepared therefrom
JP3975552B2 (ja) フェノール樹脂組成物及びフェノール樹脂の製造方法
JPH04363240A (ja) フェノール樹脂積層板およびその製造方法
JPH05318641A (ja) フェノール樹脂積層板
JP3222689B2 (ja) 積層板の製造方法
JPH05318688A (ja) フェノール樹脂積層板
JP3228003B2 (ja) 積層板の製造方法
JPH05279496A (ja) フェノール樹脂積層板の製造法
JPH04364938A (ja) フェノール樹脂積層板およびその製造方法
KR0162709B1 (ko) 적층판의 제조방법
JPH05320476A (ja) 変性フェノール樹脂組成物およびその製造方法
JPH04364941A (ja) フェノール樹脂積層板
JP3065383B2 (ja) フェノール樹脂積層板の製造法
JPH04364940A (ja) フェノール樹脂積層板およびその製造方法
JPH05230231A (ja) フェノール樹脂積層板の製造法
JPH04351540A (ja) フェノール樹脂積層板およびその製造方法
WO1989005318A1 (en) Ethers of the condensation products of phenoldicyclopentadiene adducts as thermosetting resins
JPH04358826A (ja) フェノール樹脂積層板およびその製造方法
JPH04364939A (ja) フェノール樹脂積層板およびその製造方法
JPH05138793A (ja) フエノール樹脂積層板の製造法
JPH05320294A (ja) 変性フェノール樹脂組成物およびその製造方法
JPH05154955A (ja) フェノール樹脂積層板の製造法
JPH04351549A (ja) フェノール樹脂積層板およびその製造方法
JPS61246220A (ja) オイチシカ油変性フエノ−ル樹脂の製造法
JPH05138792A (ja) フエノール樹脂積層板の製造法