JPH05317470A - グリップ - Google Patents

グリップ

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JPH05317470A
JPH05317470A JP4154484A JP15448492A JPH05317470A JP H05317470 A JPH05317470 A JP H05317470A JP 4154484 A JP4154484 A JP 4154484A JP 15448492 A JP15448492 A JP 15448492A JP H05317470 A JPH05317470 A JP H05317470A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 滑りにくく、手触り感が良好なグリップ、特
にゴルフクラブ用のグリップにおいては、滑りにくく、
手触り感が良好で、かつミスショット時の手応えが良好
なグリップを提供する。 【構成】 ベースゴムをEPDMと天然ゴムとの重量比
80:20〜30:70のブレンド系とし、このベース
ゴム100重量部に対してトランスポリオクテネマーを
2〜40重量部配合し、さらに充填剤の主成分として含
水ケイ酸アルミニウム粉末をゴム成分100重量部に対
して5〜80重量部配合したゴム組成物でグリップを作
製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフクラブ用のグリ
ップをはじめ、テニスラケット用のグリップや、自転
車、耕運機などのハンドルに取り付けるグリップ、ハン
マーなどの工具に取り付けるグリップに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にグリップの重要な要求性能として
は、滑りにくさと手触り感の良さが挙げられる。また、
ゴルフクラブ用のグリップにおいては、ミスショット時
の手応えが悪くないことも重要な要求特性のひとつであ
る。
【0003】ところで、これまでのグリップは、皮革製
のものや、ゴム製のグリップでもそのベースゴム(基材
ゴム)に天然ゴムを単独で用いたものや天然ゴムにスチ
レンブタジエンゴムをブレンド(混合)し、充填剤とし
て酸化ケイ素、カーボン、炭酸マグネシウムなどを配合
したゴム組成物で作製したものなどが使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
グリップは、ただ単にある程度の滑りにくさを有するだ
けで、手触り感の良さやミスショット時の手応えは必ず
しも満足し得るものとはいえなかった。
【0005】たとえば、皮革製のグリップは手触り感が
良好であるが雨天時に使用すると以後は硬化が激しく元
の手触り感の良さを失ってしまい、非常に手触り感の悪
いものになる。また、天然ゴムや天然ゴムにスチレンブ
タジエンゴムをブレンドしたゴム組成物で作製したもの
は経時に伴って劣化し、手触り感が悪くなり、かつミス
ショット時の手応えが悪くなり、また摩耗も早くなる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記事情に
鑑み鋭意研究を重ねた結果、EPDM(エチレンプロピ
レンジエンゴム)と天然ゴムとをブレンドしたものをベ
ースゴムとし、このベースゴム100重量部に対しトラ
ンスポリオクテネマーを2〜40重量部配合し、さらに
充填剤の主成分として含水ケイ酸アルミニウム粉末を配
合したゴム組成物でグリップを作製するときは、グリッ
プとして必要な滑りにくさと手触り感の良さを有し、か
つミスショット時の手応えの良さも有するグリップが得
られることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0007】つぎに、本発明の各構成成分について詳し
く説明する。
【0008】ベースゴムとしてはEPDMと天然ゴムと
のブレンド系を用いるが、このベースゴム中においてE
PDMは、主として滑りにくさを向上させ、かつ耐オゾ
ンクラック性を向上させる働きをする。これに対し、天
然ゴムは適度な硬さと弾性によって手触り感を向上させ
る。
【0009】このベースゴムにおけるEPDMと天然ゴ
ムとの比率としては、重量比でEPDM:天然ゴムが1
0:90〜90:10の範囲、特に30:70〜80:
20の範囲が好ましい。
【0010】すなわち、ベースゴム中におけるEPDM
が上記範囲より少ない場合はオゾンクラックなどに対す
る耐老化性が悪くなり、また滑りやすくなる。またEP
DMが上記範囲より多くなると手触り感が悪くなる。
【0011】上記EPDMとしては、天然ゴムと共加硫
のしやすい比較的加硫速度の速いもの(つまり、比較的
ヨウ素価の高いもの)が好ましく、具体的には、たとえ
ばKELTAN514(商品名、DSMエラストマーズ
社製)、エスプレン505、エスプレン505A(いず
れも、商品名で住友化学工業社製)などを用いることが
好ましい。
【0012】トランスポリオクテネマーはEPDMと天
然ゴムとのブレンド時に両者の相溶性を高める働きを
し、グリップとしての物性を安定化させ、かつ手触り感
を向上させる。
【0013】このトランスポリオクテネマーは、シクロ
オクテンを原料とするポリマーであり、このシクロオク
テンは1,3−ブタジエンから1,5−シクロオクテン
ジエンを経由して合成される。
【0014】上記のシクロオクテンはメタセシス重合反
応でポリオクテネマーとなり、ポリオクテネマーは最後
に線状および環状巨大分子の混合物となりトランスポリ
オクテネマーとして得られる。
【0015】上記のようなトランスポリオクテネマーの
具体例としては、たとえばドイツ国のヒュルス(HUL
S)よりベステネマー(VESTENAMER)の商品
名で市販されているものがあり、その代表的なものとし
ては、たとえばベステネマー8012(トランス量:約
80%、融点:約54℃)、ベステネマー6213(ト
ランス量:約60%、融点:約30℃)などが挙げられ
る。
【0016】本発明において、このトランスポリオクテ
ネマーをベースゴム100重量部に対して2〜40重量
部、好ましくは5〜30重量部配合するが、これは次の
理由によるものである。
【0017】すなわち、トランスポリオクテネマーがベ
ースゴム100重量部に対して2重量部より少ない場合
は、効果が充分に発揮されず、またトランスポリオクテ
ネマーがベースゴム100重量部に対して40重量部よ
り多くなると、トランスポリオクテネマーが温度依存性
を有するため夏季高温時などに滑りにくさが低下して使
用感が悪くなるからである。
【0018】本発明において、ゴム成分としてはEPD
Mと天然ゴムとのブレンド物からなるベースゴムを必須
成分とするが、このベースゴム以外にも、たとえばイソ
プレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレ
ンゴム、アクリロニトリルゴムなどを必要に応じて適宜
配合することができる。ただし、これらのゴムの配合量
は全ゴム成分中40重量%以下であることが好ましい。
【0019】本発明においては、充填剤の主成分として
含水ケイ酸アルミニウム粉末を添加するが、これは含水
ケイ酸アルミニウム粉末が適度な補強性を有し、グリッ
プの手触り感を向上させる作用があるからである。
【0020】この含水ケイ酸アルミニウム粉末として
は、粒子の大きさが15μm以下のものが70%以上で
Al2 3 とSiO2 との比率が重量比で15:85〜
60:40のものが好ましい。
【0021】このような含水ケイ酸アルミニウム粉末と
しては、たとえばO.Aクレー、H.Aクレー(いずれ
も丸尾カルシウム社製)、クラウンクレー(サウスイー
スタンクレーカンパニー製)などの市販品がある。
【0022】この含水ケイ酸アルミニウム粉末の配合量
はゴム成分100重量部に対し5〜80重量部、特に1
0〜40重量部が好ましい。含水ケイ酸アルミニウム粉
末の配合量がゴム成分100重量部に対して5重量部よ
り少ない場合は補強効果や手触り感を向上させる効果が
充分でなく、また含水ケイ酸アルミニウム粉末の配合量
がゴム成分100重量部に対して80重量部より多くな
るとグリップの重量が重くなりすぎて好ましくない。な
お、本発明において、ゴム成分とはベースゴムまたはベ
ースゴムに他のゴムを含んだものをいう。
【0023】含水ケイ酸アルミニウム粉末以外の充填剤
としては、たとえば炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、
炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、硫酸バリウム、
酸化カルシウム、酸化ケイ素、ホワイトカーボンなどが
挙げられ、これらは1種または2種以上でゴム成分10
0重量部に対して5〜80重量部、特に4〜40重量部
配合するのが好ましい。
【0024】なお、本発明において、含水ケイ酸アルミ
ニウム粉末を充填剤の主成分として配合するとは、含水
ケイ酸アルミニウムを必須成分として配合するという意
味であって、必ずしも量的に含水ケイ酸アルミニウムが
充填剤中で最も多いということを意味するものではな
い。したがって、本発明において、充填剤としては含水
ケイ酸アルミニウムのみを配合してもよいし、また含水
ケイ酸アルミニウムとそれ以外の充填剤とを併用して配
合してもよい。
【0025】加硫剤としては、たとえば有機過酸化物、
硫黄、有機硫黄化合物などのゴムの加硫に際して通常に
使用できるものであれば種類を問わず使用することがで
きる。この加硫剤の配合量としてはゴム成分100重量
部に対して0.1〜15重量部、特に0.3〜5重量部
が好ましい。
【0026】加硫促進剤としては、たとえばアルデヒド
アンモニア類、スルフェンアミド類、ベンゾチアゾール
類、チウラム類、ジチオカルバメート類、グアニジン
類、チオウレア類などのゴムの加硫に際して促進剤とし
て通常に使用できるものであれば種類を問わず使用する
ことができる。この加硫促進剤の配合量としてはゴム成
分100重量部に対し0.2〜10重量部、特に0.2
〜5重量部が好ましい。
【0027】また、必要に応じて、加硫促進助剤として
酸化亜鉛とステアリン酸を用いることが好ましい。この
酸化亜鉛の配合量としてはゴム成分100重量部に対し
て3〜10重量部が好ましく、ステアリン酸の配合量と
してはゴム成分100重量部に対して0.5〜3重量部
が好ましい。
【0028】さらに、必要に応じて、軟化剤や可塑剤を
配合することができる。これらはゴム組成物の調製にあ
たって通常に使用されるものであれば種類を問わず使用
することができるが、その具体例を挙げると、たとえば
パラフィン系、アロマ系、ナフテン系のオイル、ジオク
チルテレフタレートなどの有機酸誘導体、リン酸トリク
レジルなどのリン酸誘導体などが挙げられる。これらの
軟化剤や可塑剤の配合量としてはゴム成分100重量部
に対して50重量部以下の範囲、特に5〜20重量部が
好ましい。
【0029】また、必要に応じてカーボンブラック、老
化防止剤なども適宜配合することができる。
【0030】ゴム組成物の調製のための混練は、ロー
ル、バンバリミキサー、ニーダーなどの適宜の混練手段
によって行うことができる。その際、加硫剤と加硫促進
剤以外の配合材料をあらかじめ混練し、加硫剤と加硫促
進剤をロール上で上記の混練物に添加して混練する方式
を採ってもよい。なお、本発明では、ベースゴムとして
EPDMと天然ゴムとのブレンド系を用いるが、このベ
ースゴムはEPDMと天然ゴムとをあらかじめブレンド
しておくことは要求されず、他の物と一緒に混練しても
よい。すなわち、グリップ用のゴム組成物中においてE
PDMと天然ゴムとがブレンドされた状態にあればよ
い。
【0031】加硫は上記ゴム組成物を金型に充填し、加
圧下、たとえば、155〜175℃で2〜10分間加熱
することによって行われる。
【0032】また、得られたグリップは滑りにくさや手
触り感の良さを向上させるために表面をサンドペーパー
などでバフがけ(研摩)を行ってもよい。
【0033】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0034】実施例1〜4および比較例1〜3 表1〜表2に示す組成のグリップ用ゴム組成物を調製
し、該ゴム組成物を金型に充填し、60kg/cm2
加圧下、170℃で5分間加熱して加硫した後、表面の
不要な成形部分を切削し、さらにその表面を100番の
サンドペーパーでバフがけしてゴルフクラブ用のグリッ
プを得た。
【0035】なお、表1には実施例1〜4のグリップ用
ゴム組成物の組成を示し、表2には比較例1〜3のグリ
ップ用ゴム組成物の組成を示す。また、表1〜表2中の
各材料の配合量は重量部によるものであり、表1〜表2
中で材料に関して※印を付した部分の補足説明は、表2
の後に(注)として示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】(注) ※1:RSS♯3(天然ゴム3号) ※2:エスプレン505A(商品名、住友化学工業社製
のエチレンプロピレンジエンゴム) ※3:SBR1502(日本合成ゴム社製、スチレンブ
タジエンゴム) ※4:商品名、ヒュルス社製のトランスポリオクテネマ
ー、トランス量:約80% ※5:商品名、ヒュルス社製のトランスポリオクテネマ
ー、トランス量:約60% ※6:クラウンクレー(サウスイースタンクレーカンパ
ニー製、含水ケイ酸アルミニウム粉末) ※7:ホワイトカーボン ※8:ナフテン系オイル ※9:ノクラックNS−6(商品名、大内新興化学工業
社製のアルキルフェノール系老化防止剤) ※10:CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジ
ルスルフェンアミド) ※11:TT(テトラメチルチウラム・ジスルフィド)
【0039】上記のようにして作製した実施例1〜4お
よび比較例1〜3のグリップをそれぞれウッド1番のゴ
ルフクラブの手元側の端部に装着し、その滑りにくさ、
手触り感およびミスショット時の手応えをプロゴルファ
ーを含む200人に評価させた。
【0040】評価は、良い、普通、悪いの3段階で行
い、評価結果を表3にそれぞれの評価者の人数で示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3中の数値は評価をした人数を示してお
り、表3に示すように、本発明の実施例1〜4のグリッ
プは、滑りにくさ、手触り感、ミスショット時の手応え
のいずれにおいても、良いと評価した者が圧倒的に多か
ったが、比較例1〜3のグリップは、滑りにくさ、手触
り感、ミスショット時の手応えのいずれにおいても悪い
と評価した者が圧倒的に多かった。
【0043】すなわち、本発明の実施例1〜4のグリッ
プは、ベースゴムをEPDMと天然ゴムとのブレンド系
にし、このベースゴムに特定割合でトランスポリオクテ
ネマーを配合し、さらに含水ケイ酸アルミニウム粉末を
特定割合で配合したゴム組成物で作製しているので、滑
りにくく、手触り感が良好で、かつミスショット時の手
応えが良好であったが、ベースゴムを天然ゴムとスチレ
ンブタジエンゴムとのブレンド系にし、トランスポリオ
クテネマーや含水ケイ酸アルミニウム粉末を配合してい
ない比較例1のグリップや、ベースゴムを天然ゴム単独
で構成し、トランスポリオクテネマーを配合していない
比較例2のグリップ、トランスポリオクテネマーの配合
量を多くしすぎた比較例3のグリップは、いずれも、滑
りにくさ、手触り感およびミスショット時の手応えの各
項目において悪いという評価しか得られなかった。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、ベー
スゴムをEPDMと天然ゴムとのブレンド系にし、この
ベースゴムにトランスポリオクテネマーを特定割合で配
合し、さらに充填剤の主成分として含水ケイ酸アルミニ
ウム粉末を配合することによって、滑りにくく、手触り
感が良好で、かつミスショット時の手応えの良好なグリ
ップを提供することができた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースゴムがEPDMと天然ゴムとのブ
    レンド系からなり、このベースゴム100重量部に対し
    トランスポリオクテネマーを2〜40重量部配合し、さ
    らに充填剤の主成分として含水ケイ酸アルミニウム粉末
    を配合したゴム組成物で作製されていることを特徴とす
    るグリップ。
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