JP2857344B2 - ゴルフクラブのグリップ - Google Patents
ゴルフクラブのグリップInfo
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Description
プに関し、さらに詳しくは、汗や雨水などが付着した場
合でも、「滑りにくい」という特性を有するゴルフクラ
ブのグリップに関するものである。
性の一つとして、「滑りにくい」ことが挙げられる。そ
のため、ゴルフクラブのグリップには、グリップ面の全
面にわたって滑り止め用の溝が設けられていたり、滑り
にくい材質が使用されている。
エンドに向かって徐々に太くなっており、形状的にもあ
る程度は滑りにくい形状に作製されている。これは、右
ききのゴルファーの場合、左手の指、特に中指、薬指、
小指の握りがゆるまないことがスイングの安定性や、シ
ョットの方向性に重要な係わりを有するからである。
グリップは、グリップエンド近傍の外径が最も大きい点
とそこからチップ側(先端側)に20mm程度離れた点
とのテーパ角が1.5度から4.5度程度であり、溝や
材質に関して種々の工夫を施しても、汗や雨水などが付
着してグリップが濡れた場合には、滑りやすくなり、い
わゆるスッポ抜けそうな感じがするため、グリップを過
剰な力で握ったり、あるいはフルスイングができないと
いった問題があった。
場合でも、滑りにくいグリップを提供することを目的と
する。
の本発明の構成をその実施例に対応する図1〜2を用い
て説明すると、本発明は、グリップエンド2からチップ
3側に25mm離れた点までの間で最も外径が大きい点
aの外径Aと上記点aから20mm離れた点bの外径B
とから求められる点a−b間のテーパ角αを5度から1
5度にすることによって、グリップ1に汗や雨水などが
付着した場合でも、滑りにくくして、上記目的を達成し
たものである。
径Aと点bの外径Bとから求められる点a−b間のテー
パ角αを5度から15度にしたのは、上記テーパ角αが
5度より小さい場合は、既存のものと大差なく、したが
って「滑りにくさ」が充分に向上せず、また上記テーパ
角αが15度より大きくなると、グリップを握った時に
左手の掌から手首にかけて違和感がして、フィーリング
(感触)が悪くなるからである。そして、上記テーパ角
αとしては特に6度から14度が好ましい。
ァーが握り得るものであることが必要であることから、
人の掌の大きさからかけ離れた寸法のものは好ましくな
く、そのような観点から、最も外径が大きい点aの外径
Aは25〜40mm程度が好ましく、また同様に、上記
点aの外径Aと点bの外径Bとの差は3.5mmから1
0.7mmであることが好ましい。そして、最終的に
は、ゴルファーがそれらの中から自分に適したものを選
ぶことになる。
ドからチップ側に25mm離れた点までの間で最も外径
の大きい部分が複数箇所ある場合には、最もチップ側に
近い点を点aとする。
選ぶにあたって、それをグリップエンドからチップ側に
25mm離れた点までとしたのは、ゴルファーがゴルフ
クラブを握る場合、通常グリップエンドから25mm程
度の位置に左手(左ききのゴルファーの場合は右手)の
小指が位置するという理由によるものであり、また、点
bを上記点aから20mm離れたところとしたのは、滑
りにくさに最も寄与する小指の太さを考慮したためであ
る。
される「滑りにくさ」以外の特性の一つとして、手への
なじみ感であるいわゆる「しっとり感」に優れているこ
とが挙げられる。これは、グリップを握った時の手への
なじみやすさ、すなわち、「しっとり感」の良さが、ゴ
ルファーのスイングに直接大きく影響するだけでなく、
心理的にも与える影響が大きいからである。
感」が良いものは滑りやすく、逆に滑りにくいものは
「しっとり感」が良くなく、「しっとり感」と「滑りに
くさ」の両方を兼ね備えたグリップは見あたらない。す
なわち、グリップの基礎材料としては、皮革、樹脂、ゴ
ムなどがあり、従来から、それらの基礎材料を用いて種
々のグリップが作製されているが、「しっとり感」と
「滑りにくさ」の両方を兼ね備えたグリップは、得られ
がたい。
も一般的なゴムの場合、オイルを比較的多くし、硫黄を
比較的少なくすれば、「しっとり感」は向上するが、逆
に「滑りにくさ」は減少する。
合量について種々検討を重ねた結果、ゴム100重量部
に対して硫黄とオイルの配合部数を重量部で下記の特定
範囲内にしたゴム組成物からグリップを作製するとき
は、「しっとり感」に優れたグリップが得られることを
見出し、「滑りにくさ」に加えて、「しっとり感」につ
いても解決したのである。
合部数)+0.4
量部に対して1〜2.5重量部にし、オイルの配合部数
をゴム100重量部に対して20〜70重量部にし、か
つ硫黄の配合部数とオイルの配合部数との関係を下記の
ように S(硫黄の配合部数)≦0.03×OIL(オイルの配
合部数)+0.4 とすることによって、グリップに「しっとり感」を付与
し、前記のように点a−b間のテーパ角αを5度から1
5度にすることと併せて、「滑りにくさ」と「しっとり
感」を兼ね備えたグリップを提供することに成功したの
である。
はかるために、硫黄とオイルの配合部数を上記のように
特定した理由は、次の通りである。
が、この硫黄の配合部数がゴム100重量部に対して1
重量部より少ない場合は、加硫が充分に進行せず、得ら
れるグリップが粘着性のあるものになってしまい、「し
っとり感」が悪くなる傾向があり、硫黄の配合部数がゴ
ム100重量部に対して2.5重量部より多くなると、
硬度が高くなり、この場合も「しっとり感」が悪くなる
傾向がある。
するものであるが、このオイルに関しても、オイルの配
合部数がゴム100重量部に対して20重量部より少な
い場合は、得られるグリップがかさかさした感触にな
り、オイルの配合部数がゴム100重量部に対して70
重量部より多くなると、得られるグリップがべたべたし
た感触になり、どちらも「しっとり感」が悪くなる傾向
がある。
0重量部に対して1〜2.5重量部にし、かつオイルの
配合部数をゴム100重量部に対して20〜70重量部
にしても、硫黄の配合部数とオイルの配合部数とが重量
部で次の関係 S(硫黄の配合部数)≦0.03×OIL(オイルの配
合部数)+0.4 を満たさないときは、オイルを配合した効果が硫黄によ
って打ち消されることになり、「しっとり感」が充分に
向上しなくなるおそれがある。
としては、たとえば天然ゴム(NR)、エチレンプロピ
レンジエンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム
(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム
(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリ
ルブタジエンゴム(NBR)など、各種のゴムを用い得
るが、特に天然ゴムまたは天然ゴムに親和性の良いエチ
レンプロピレンジエンゴムもしくはスチレンブタジエン
ゴムなどをブレンド(混合)したものが好ましい。
オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイルなどが
用いられる。
は、上記ゴムと硫黄とオイル以外に、たとえば補強剤、
充填剤、加硫促進剤、加硫助剤などが必要に応じて適宜
配合され、要すれば、さらに老化防止剤、加工助剤など
を適宜配合してもよい。
シリカなどが用いられ、充填剤としては、たとえばハー
ドクレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー
などが用いられ、加硫助剤としては、たとえば酸化亜鉛
とステアリン酸などが用いられる。
するゴムにあわせて、各種の加硫促進剤の中から選択採
用される。
部に対する配合部数としては、一般に補強剤が5〜70
重量部、充填剤が10〜70重量部、加硫促進剤が0.
1〜3重量部、加硫助剤が1〜10重量部程度が好まし
い。ただし、それに限定されることはない。
ゴム組成物を金型内に充填し、加圧下で通常130〜2
00℃で3〜15分間加熱することによって行われる。
ただし、それに限定されることはない。
を図面に基づいて説明する。図1は本発明のゴルフクラ
ブのグリップの一例を概略的に示す断面図であり、図2
は図1の点a−b間の要部を拡大して模式的に示す要部
拡大図である。
エンド、3はチップである。4は中空部であり、この中
空部4にゴルフクラブのシャフトの端部を挿入すること
によって、ゴルフクラブへのグリップの装着が行われ
る。また、5はゴルフクラブへのグリップの装着時の空
気抜き用の孔である。
3側に25mm離れた点までの間で最も外径が大きい点
を示し、Aは上記点aの外径であり、bは上記点aから
20mm離れた点を示し、Bは上記点bの外径である。
αは上記点aの外径Aと点bの外径Bとから求められる
点a〜b間のテーパ角であって、本発明では、このテー
パ角αを5度から15度にする。
略的に示す断面図であるが、従来のグリップは、この図
3に示すように、グリップエンド2近傍の外径が最も大
きい点とそこからチップ側に20mm程度離れた点まで
が本発明のグリップに比べてなだらかに形成されてい
て、そのテーパ角が小さく、したがって、汗や雨などが
グリップに付着してグリップが濡れた場合、滑りやすい
という欠点がある。これに対して、本発明のグリップで
は、上記のように、テーパ角αを5度から15度と大き
くすることによって、グリップに汗や雨などが付着した
場合でも、滑りにくくしたのである。
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
DM)とを重量比65:35でブレンドしたもの〕10
0重量部に対して硫黄2.1重量部、オイル〔モービル
石油(株)製の商品名モービルゾール30〕26重量
部、シリカ(SiO2 )10重量部、ハードクレー30
重量部、酸化亜鉛4重量部、ステアリン酸1重量部、ジ
エチレングリコール1重量部、老化防止剤1.5重量部
および加硫促進剤2.4重量部を配合してグリップ用の
ゴム組成物を調製した。
60℃で5分間加硫して、表1に記載のテーパ角αを有
するグリップを作製した。
さ」、「しっとり感」、「握った時の違和感」を調べ
た。その結果を表1に示す。なお、「滑りにくさ」、
「しっとり感」の評価方法は、次に示す通りであり、結
果は指数化して表示した。
同一のウッド1番クラブに装着し、グリップおよび手袋
を水で濡らし、その状態で、30人のテスターに実打さ
せ、「最も滑りにくいもの」を5点とし、順次「滑りに
くさ」が低下するにつれて評価点が下がる5段階評価で
評価させ、評価結果を30人の平均値で示す。
同一のウッド1番クラブに装着し、30人のテスターに
実打させ、その際に、しっとりとして最も手へのなじみ
感の良いものを5点とし、順次「しっとり感」が低下す
るにつれて評価点が下がる5段階評価で評価させ、評価
結果を30人の平均値で示す。
「握った時の違和感」に関する評価結果を表1に示す
が、表1には、それら以外にも、グリップのグリップエ
ンドからチップ側に25mm離れた点までの間で最も外
径が大きい点aの外径A、上記点aからチップ側に20
mm離れた点bの外径B、上記点aの外径Aと点bの外
径Bとから求められる点a−b間のテーパ角α、外径A
と外径Bとの差(A−B)、ゴム100重量部に対する
硫黄の配合部数、ゴム100重量部に対するオイルの配
合部数、Svs.OIL〔0.03×OIL(オイルの
配合部数)+0.4〕などについても示す。
−b間のテーパ角αが5度から15度の範囲内にある実
施例1〜3のグリップは、「滑りにくさ」を示す指数が
3.61〜3.70と高く、また「握った時の違和感」
もなかった。
濡らした状態で評価しているので、「滑りにくさ」を示
す指数が3以上であるということは、非常に滑りにくい
ことを示しているが、表1に記載のように、実施例1〜
3のグリップは、「滑りにくさ」を示す指数が3以上で
あって、非常に「滑りにくい」という特性を有してい
た。
1.72度の比較例1のグリップは、「滑りにくさ」を
示す指数が2.58であって、「滑りにくさ」が充分で
なく、また点a−b間のテーパ角αが18.0度と高す
ぎる比較例2のグリップは、「滑りにくい」ものの、
「握った時の違和感」があった。
DM)とを重量比65:35でブレンドしたもの〕10
0重量部に対して、硫黄とオイル〔モービル石油(株)
製の商品名モービルゾール30〕を表2〜3に記載の配
合部数で配合し、かつ、シリカ(SiO2 )10重量
部、ハードクレー30重量部、酸化亜鉛4重量部、ステ
アリン酸1重量部、ジエチレングリコール1重量部、老
化防止剤1.5重量部および加硫促進剤2.4重量部を
配合してグリップ用のゴム組成物を調製した。
記実施例1と同様に加硫して、表2〜3に記載のテーパ
角αを有するグリップを作製した。
と同様に、「滑りにくさ」、「しっとり感」、「握った
時の違和感」を調べた。その結果を表2〜3に示す。
点a−b間のテーパ角αを5度から15度の範囲内の
8.25度に設定した実施例4〜11のグリップは、
「滑りにくさ」を示す指数が3以上あり、いずれも「滑
りにくく」、また「握った時の違和感」もなかった。特
に硫黄の配合部数をゴム100重量部に対して1〜2.
5重量部の範囲内にし、かつオイルの配合部数をゴム1
00重量部に対して20〜70重量部の範囲内にし、S
vs.OIL〔0.03×OIL(オイルの配合部数)
+0.4〕をS(硫黄の配合部数)以上とした実施例4
〜8のグリップは、「しっとり感」を示す指数が4以上
あり、「しっとり感」も優れていた。
度より小さい比較例3〜4のグリップは、「滑りにく
さ」を示す指数が3に達せず、「滑りにくさ」が充分と
いえなかった。
ップエンドからチップ側に25mm離れた点までの間で
最も外径が大きい点aの外径Aと上記点aからチップ側
に20mm離れた点bの外径Bとから求められる点a−
b間のテーパ角αを5度から15度の範囲内にすること
によって、滑りにくいグリップを提供することができ
た。
に対して硫黄とオイルを重量部で下記の条件 1≦S(硫黄の配合部数)≦2.5 20≦OIL(オイルの配合部数)≦70 S(硫黄の配合部数)≦0.03×OIL(オイルの配
合部数)+0.4 で配合したゴム組成物の加硫成形物で構成することによ
って、「しっとり感」に関しても優れたグリップを提供
することができた。
的に示す断面図である。
す要部拡大図である。
断面図である。
での間で最も外径が大きい点 A 点aの外径 b 点aからチップ側に20mm離れた点 B 点bの外径 α 点a−b間のテーパ角
Claims (3)
- 【請求項1】 グリップエンドからチップ側に25mm
離れた点までの間で最も外径が大きい点aの外径Aと上
記点aからチップ側に20mm離れた点bの外径Bとか
ら求められる点a−b間のテーパ角αが5度から15度
の範囲にあることを特徴とするゴルフクラブのグリッ
プ。 - 【請求項2】 上記点aの外径Aと点bの外径Bとの差
が、3.5mmから10.7mmである請求項1記載の
ゴルフクラブのグリップ。 - 【請求項3】 ゴム100重量部に対して硫黄とオイル
を重量部で下記の条件で配合したゴム組成物の加硫成形
物からなる請求項1または2記載のゴルフクラブのグリ
ップ。 1≦S(硫黄の配合部数)≦2.5 20≦OIL(オイルの配合部数)≦70 S(硫黄の配合部数)≦0.03×OIL(オイルの配
合部数)+0.4
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7108329A JP2857344B2 (ja) | 1995-04-06 | 1995-04-06 | ゴルフクラブのグリップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7108329A JP2857344B2 (ja) | 1995-04-06 | 1995-04-06 | ゴルフクラブのグリップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08276041A JPH08276041A (ja) | 1996-10-22 |
JP2857344B2 true JP2857344B2 (ja) | 1999-02-17 |
Family
ID=14481946
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7108329A Expired - Lifetime JP2857344B2 (ja) | 1995-04-06 | 1995-04-06 | ゴルフクラブのグリップ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2857344B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5209375B2 (ja) | 2008-05-30 | 2013-06-12 | ダンロップスポーツ株式会社 | ゴルフクラブ及びゴルフクラブ用グリップ |
-
1995
- 1995-04-06 JP JP7108329A patent/JP2857344B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08276041A (ja) | 1996-10-22 |
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