JPH05317098A - 黄色ブドウ球菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法 - Google Patents

黄色ブドウ球菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法

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JPH05317098A
JPH05317098A JP4184893A JP18489392A JPH05317098A JP H05317098 A JPH05317098 A JP H05317098A JP 4184893 A JP4184893 A JP 4184893A JP 18489392 A JP18489392 A JP 18489392A JP H05317098 A JPH05317098 A JP H05317098A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】黄色ブドウ球菌の特定遺伝子を検出することを
目的とする。 【構成】黄色ブドウ球菌の産生するent A,B,C,D,E 遺伝
子と選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド
(配列番号1〜32)を作製し、このオリゴヌクレオチ
ドをプライマーとして遺伝子増幅に用い、食中毒症状を
起こす黄色ブドウ球菌のみを選択的に検出することを特
徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臨床検査、とりわけ食
中毒にかかる検査、あるいは、食品検査での黄色ブドウ
球菌の検出に関するものである。
【0002】
【従来技術】食中毒にかかる検査では、検査材料は患者
の嘔吐物、糞便、患者が食した食品または患者の周辺環
境からの拭き取り材料の場合である。これらの材料から
黄色ブドウ球菌が検出・同定されるまでには、まず、増
菌培養、分離培養を経て純培養、および確認培養を行う
必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各培養
段階で要する時間は、18〜24時間であり、その後の
検査のかかる時間を合計すると約4日間となり、非常に
長時間である。確認培養における生化学試験では、好気
的発育性、VP反応性、硝酸塩の還元性、Tween8
0の水解性、ヒアルロニダーゼ活性、糖分解性等の諸性
状を調べる必要があり、操作的にも煩雑で時間や費用も
かかる。
【0004】また、黄色ブドウ球菌の場合、分離菌株の
エントテロトキシン産生性を試験することが食中毒、お
よび下痢症の最も確実な起病菌決定法であると見なされ
ているが、市販の簡便試薬キットを使用しても、結果を
得るまでに18〜20時間を要し、迅速性に欠ける。
【0005】一方、最近では、オリゴヌクレオチドを用
いたDNAプローブ法、あるいはハイブリダイゼーショ
ン法が試みられるようになってきた。しかし、オリゴヌ
クレオチドを標識修飾したプローブにより、膜上、ある
いは他の支持体上でハイブリダイゼーションを行い、こ
れを検出する場合、細菌検査において十分な検出感度と
選択性を得るのが難しい。
【0006】そこで、本発明は、オリゴヌクレオチドを
核酸合成反応のプライマーとして機能させた遺伝子増幅
技術により、黄色ブドウ球菌由来のent A,B,C,D,E 遺伝
子を検出するもので、簡便、迅速、かつ高感度な検査法
を食中毒検査、または下痢症検査に提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、黄色ブドウ球
菌のent A,B,C,D,E 遺伝子と選択的にハイブリダイズす
るオリゴヌクレオチドを作製し、このオリゴヌクレオチ
ドをプライマーとして遺伝子増幅に用い、食中毒症状を
起こす黄色ブドウ球菌のうちent A,B,C,D,E を産生する
黄色ブドウ球菌のみを選択的に検出することを特徴とし
ている。
【0008】プライマーとして用いるオリゴヌクレオチ
ドは、ent A 遺伝子をコードするヌクレオチド配列を標
的とする場合は、そのヌクレオチド配列と相補的となる
ように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、合
成ヌクレオチドが以下の配列群、 (5’)d−GTCTGAATTGCAGGGAACAG−(3’) ・・・・(a) (5’)d−CTTTTTTACAGATCATTCGTG−(3’) ・・・・(b) (5’)d−TAGATTTTGATTCAAAGGATATTG−(3’) ・・・・(c) (5’)d−CTTATTCGTTTTAACCGTTTCC−(3’) ・・・・(d) (5’)d−AACACGATTAATCCCCTCTG−(3’) ・・・・(e) (5’)d−TCGTAATTAACCGAAGGTTCTG−(3’) ・・・・(f) または対応する相補的配列からなることを特徴とする。
【0009】また、ent B 遺伝子をコードするヌクレオ
チド配列を標的とするときは、そのヌクレオチド配列と
相補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオチド
であって、合成ヌクレオチドが以下の配列群、 (5’)d−AAATCTATAGATCAATTTCTATAC−(3’) ・・・・(g) (5’)d−AATTATGATAATGTTCGAGTCG−(3’) ・・・・(h) (5’)d−TTCGCATCAAACTGACAAACG−(3’) ・・・・(i) (5’)d−CATCTTCAAATACCCGAACAG−(3’) ・・・・(j) (5’)d−CCAAATAGTGACGAGTTAGG−(3’) ・・・・(k) (5’)d−TCATACCAAAAGCTATTCTCAT−(3’) ・・・・(l) または対応する相補的配列からなることを特徴とする。
【0010】更に、ent C 遺伝子をコードするヌクレオ
チド配列を標的とするときは、そのヌクレオチド配列と
相補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオチド
であって、合成ヌクレオチドが以下の配列群、 (5’)d−TCTGTAGATAAATTTTTGGCA−(3’) ・・・・(m) (5’)d−AAAATTATGACAAAGTGAAAACAG−(3’) ・・・・(n) (5’)d−ATGGATCAAATTACTATGTAAAC−(3’) ・・・・(o) (5’)d−GTAGGTAAAGTTACAGGTGG−(3’) ・・・・(p) (5’)d−TATAAGTACATTTTGTAAGTTCC−(3’) ・・・・(q) (5’)d−CATACCAAAAAGTATTGCCGTT−(3’) ・・・・(r) または対応する相補的配列からなることを特徴とし、en
t D 遺伝子をコードするヌクレオチド配列を標的とする
ときは、そのヌクレオチド配列と相補的となるように化
学合成されたオリゴヌクレオチドであって、合成ヌクレ
オチドが以下の配列群、 (5’)d−AAAATCTGAATTAAGTAGTACCG−(3’) ・・・・(s) (5’)d−ATAGGAGAAAATAAAAGTACAGG−(3’) ・・・・(t) (5’)d−CTTCAATTCAAAAGAAATGGC−(3’) ・・・・(u) (5’)d−TTGTACATATGGAGGTGTCAC−(3’) ・・・・(v) (5’)d−TTTTAGATTTGAAATGTTGAGCC−(3’) ・・・・(w) (5’)d−TGACACCTCCATATGTACAAG−(3’) ・・・・(x) (5’)d−ATTATACAATTTTAAATCCTTTTGC−(3’) ・・・・(y) (5’)d−CTGTATTTTTCCTCCGAGAGT−(3’) ・・・・(z) または対応する相補的配列からなることを特徴とする。
【0011】ent E 遺伝子をコードするヌクレオチド配
列を標的とするときは、そのヌクレオチド配列と相補的
となるように化学合成されたオリゴヌクレオチドであっ
て、合成ヌクレオチドが以下の配列群、 (5’)d−AAAAGTCTGAATTACAAAGAAATG−(3’) ・・・・(イ) (5’)d−GGTTTTTTCACAGGTCATCCA−(3’) ・・・・(ロ) (5’)d−GAACAGTTACTTCTTTTTTGCTT−(3’) ・・・・(ハ) (5’)d−CTGTCTGAGTTATATAAACCAA−(3’) ・・・・(ニ) (5’)d−GCACCTTACCGCCAAAGCTG−(3’) ・・・・(ホ) (5’)d−AAACAAATCATAACTTACCGTG−(3’) ・・・・(ヘ) または対応する相補的配列からなることを特徴とする。
【0012】ここで、遺伝子増幅は、Saiki らが開発し
たPolymerase Chain Reaction 法(以下、略してPCR
法; Science 230 1350(1985))をもとに行っている。こ
の方法は、ある特定のヌクレオチド配列領域(本発明の
場合は黄色ブドウ球菌のent A,B,C,D,E 遺伝子)を検出
する場合、その領域の両端の一方は+鎖を、他方は−鎖
をそれぞれ認識してハイブリダイゼーションするような
オリゴヌクレオチドを用意する。それを熱変性により1
本鎖状態にした試料核酸に対し、鋳型依存性ヌクレオチ
ド重合反応のプライマーとして機能させ、生成した2本
鎖核酸を再び1本鎖に分離し、再び同様な反応を起こさ
せる。この一連の操作を繰り返すことで2つのプライマ
ーに挟まれた領域は検出できるまでにコピー数が増大し
てくる。
【0013】検体としては、臨床検査材料、例えば、糞
便、尿、血液、組織ホモジェネートなど、また、食品材
料でもよい。これら材料をPCRの試料として用いるに
は、材料中に存在する菌体から核酸成分を遊離させる操
作が前処理として必要となる。 しかし、プライマーが
ハイブリダイズできる核酸が数分子から数十分子以上存
在すれば,PCRは進むので、検査材料を溶菌酵素、界
面活性剤、アルカリ等で短時間処理するだけでPCRを
進行させるに十分な核酸量を含む試料液が調製できる。
【0014】本発明でプライマーとして用いられる上記
オリゴヌクレオチドは選択性や検出感度、および再現性
から考えて、10塩基以上、望ましくは15塩基以上の
長さを持ったヌクレオチド断片で、化学合成あるいは天
然のどちらでもよい。また、プライマーは、特に検出用
として標識されていなくてもよい。プライマーが規定し
ている黄色ブドウ球菌のent A,B,C,D,E 遺伝子のヌクレ
オチド配列における増幅領域は、50塩基から2, 00
0塩基、望ましくは100塩基から1, 000塩基とな
ればよい。
【0015】鋳型依存性ヌクレオチド重合反応には、耐
熱性DNAポリメラーゼを用いているが、この酵素の起
源については90〜95℃の温度で活性を保持していれ
ば、どの生物種由来でもよい。熱変性温度は90〜95
℃、プライマーをハイブリダイズさせるアニーリング操
作の温度は37〜65℃、重合反応は50〜75℃で、
この熱変性から重合反応までの操作を1サイクルとした
PCRを20から42サイクル行って、検体中に含まれ
る黄色ブドウ球菌のent A,B,C,D,E 遺伝子を増幅させ
る。
【0016】検出はPCRを終えた反応液をそのままア
ガロースゲル電気泳動にかけることで、増幅されたヌク
レオチド断片の存在、およびその長さが確認できる。
【0017】その結果から、検体中にプライマーが認識
すべき配列を持ったヌクレオチドが存在しているかどう
かを判定できる。この判定は、そのままent A,B,C,D,E
遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌の有無を判定するものとな
る。増幅されたヌクレオチド断片の検出には、その他の
電気泳動やクロマトグラフィーも有効である。
【0018】また、上記の(a)〜(ヘ)の配列の1つ
を有するオリゴヌクレオチドをプローブとして機能さ
せ、膜上あるいはその他支持体上の標的ヌクレオチド配
列を選択的に検出してもよい。この場合、オリゴヌクレ
オチドは標識物で修飾するのが好ましい。
【0019】
【作用】本発明は、オリゴヌクレオチドを核酸合成反応
のプライマーとして機能させた遺伝子増幅技術により黄
色ブドウ球菌の特定遺伝子を検出するもので、簡便、迅
速かつ高感度な検出ができる。
【0020】
【実施例】
[実施例1:黄色ブドウ球菌のent A 遺伝子の検出] (実験例1)検体の調製 黄色ブドウ球菌は表1〜6の縦の見出しに示した総計1
57株を用いた。これらの菌株は、食中毒事例株で、食
中毒患者の下痢便、嘔吐物、原因食品等から分離された
ものである。各菌株をブレインハートインフュージョン
培地(BBL社製)に接種し、37℃の好気的条件下で
終夜振とう培養を行った。各菌株培養液を10mMトリ
スー塩酸緩衝液pH7.5(以下TE緩衝液)で希釈
し、95℃で10分間の加熱処理を行った後、これらを
遠心し、その上清を検体とした。
【0021】プライマーの合成 黄色ブドウ球菌のent A 遺伝子の塩基配列(Betley,M.
J.and Mekalanos, J.J.,J.Bacteriol.170,34-41(198
8))から、請求項第1項に示した配列 (a)から(f)を選
び、それと同じ配列を持つオリゴヌクレオチドを化学合
成した。化学合成はサイクロンプラスDNA合成装置
(ミリジェン/バイオリサーチ社製)を用い、βーシア
ノエチルフォスホアミダイト法により行った。合成した
オリゴヌクレオチドの精製はC18逆相カラムを用いた高
速液体クロマトグラフィーで行った。
【0022】PCR 前記検体液3μl を用い、それに滅菌蒸留水16.05
μl 、10x反応用緩衝液3μl、dNTP溶液4.8
μl、プライマー(1) 1.5μl、プライマー(2) 1.
5μl、および耐熱性DNAポリメラーゼ0.15μl
を加えて、全量30μlの反応液を調製した。この反応
液の入った容器にミネラルオイル(SIGMA 社製)を50
μl加え、反応液上に重層した。
【0023】各使用した溶液の内容、およびプライマー
(1) と(2) の組合せは次のとおりである。 10x反応用緩衝液: 500mM KCl, 100mM Tris-HCl pH8.3,
15mM MgCl2 0.1%(W/V) ゼラチン dNTP溶液: dATP, dCTP, dGTP, dTTPを混合させたも
ので各終濃度が1.25mM プライマー(1) および(2): 前述した化学合成精製品の
各水溶液(濃度5 OD/ml ) プライマーの組合せ: 前述の化学合成精製品を下表に
示した組合せで使用した。
【0024】 プライマー(1) プライマー(1) (a) (e) (a) (f) (b) (d) (b) (e) (b) (f) (c) (d) (c) (e) (c) (f) 耐熱性DNAポリメラーゼ: Taq DNAポリメラー
ゼ(5 unit/ml; Perkin Elmer Cetus社製)。
【0025】反応条件は、次のとおりである。 熱変性: 94℃、1分 アニーリング: 55℃、1分 重合反応: 72℃、1分 熱変性からアニーリングを経て重合反応に至る過程を1
サイクル(所要時間5.7 分)とし、これを35サイクル
(総所要時間約3時間)行った。これらの操作は、DN
Aサーマルサイクラー(Perkin Elmer Cetus社製)に上
記反応条件をプログラムして行った。
【0026】検出 反応液から増幅されたヌクレオチド断片を検出するた
め、アガロースゲル電気泳動を以下のように行った。
【0027】アガロースゲルはゲル濃度3%(W/V )と
し、臭化エチジウム(0.5 μl/ml)を含むものを用い
た。泳動の条件は定電圧100V、30分で行った。操
作方法ならびに他の条件は、Manatis 等著 Molecular C
loning 第2版(1989)に記載されている技法で行った。
反応液の他に分子量マーカーの泳動も同時に行い、相対
移動度の比較によりヌクレオチド断片の長さを算出し
た。
【0028】逆受身ラテックス凝集反応(Reversed Pas
sive Latex Agglutination;RPLA 試験) 市販の黄色ブドウ球菌エンテロトキシン検出用RPLA
キット(SET−RPLA「生研」デンカ生研製)を購
入し、付属の使用説明書に従い検体を調製して、試験を
行った。
【0029】ただし、試験に供する検体については、エ
ンテロトキシンの産生を十分に行わせるために、一部条
件を変更して調製した。すなわち、使用説明書中では
『ブレインハートインフュージョン培地等で、37℃、
18〜20時間振とう培養』のところを、本実施例で
は、BBL社製のブレインハートインフュージョン培地
を使用し、37℃で48時間、100rpmで振とうさ
せながら培養した。この培養上清をRPLA試験に供し
た。
【0030】結果 前述したように、黄色ブドウ球菌のent A 遺伝子は、す
でに塩基配列が決定されており、本発明のオリゴヌクレ
オチド、すなわちプライマーがPCRにより増幅させる
ヌクレオチドの大きさは容易に推定できる。
【0031】それによるとプライマー(a) と(e) の組合
せを用いた場合には、513塩基(または513塩基
対)の長さのヌクレオチドが増幅されてくるはずであ
る。
【0032】次に、本発明のプライマーの全組合せにつ
いて、増幅ヌクレオチドの長さ(推定値)をまとめて記
載した。
【0033】 増幅ヌクレオチドの長さ(推定値)一覧表 プライマー(1) (a) (b) (c) (d) − 274 236 プライマー(2) (e) 513 390 352 (f) 546 423 385 各数字の単位は塩基を示す。
【0034】これらの推定値と増幅されたヌクレオチド
の長さが一致した場合、各プライマーはent A 遺伝子の
標的としている領域を正しく増幅していると判断し、表
1〜6中に”+”と記入した。一方、ヌクレオチドの増
幅がみられなかったものには”−”を記入した。
【0035】表1〜6に黄色ブドウ球菌157株で調べ
た結果を示す。表からわかるように、表中のプライマー
全ての組合せは、RPLA法でエンテロトキシンAを産
生していると確認された菌株に限ってのみ、その遺伝子
を増幅した。すなわちent A遺伝子を正しく増幅し、ent
A 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌を正確に検出している
ことを示している。
【0036】なお、表に掲載されなかった残りの組合せ
についても同様の試験結果が得られた。
【0037】(実験例2)実験例1で得られた結果がen
t A 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌に対して、選択的なも
のかどうかを確かめるため、臨床検査において検査対象
となる黄色ブドウ球菌以外の食中毒菌または下痢症菌等
の遺伝子について本発明のプライマーが反応するかどう
か調べた。方法は検体の調製法を除いて、実験例1で示
したものと同じである。
【0038】検体の調製 表中の各菌株をそれぞれ適当な増菌培地に接種し、37
℃、好気的、または嫌気的条件下で終夜培養を行った
(このうち嫌気的条件下で培養した菌株は、表中のClos
tridium perfringens Campylobacter jejuniBacter
oides flagilisBacteroides vulgatus、およびLactob
acillus acidophilus である)。
【0039】各菌株培養液0. 5mlから遠心操作によ
り、菌体を回収し、TE緩衝液で菌体を1回洗浄した。
この菌体に50mMリン酸緩衝液pH7. 5に溶解した
N−アセチルムラミダーゼ溶液、およびアクロモペプチ
ダーゼ溶液を各終濃度が50μg/ml、および1mg
/mlとなるように加え、37℃で10分間処理し、溶
菌した。TE緩衝液で飽和させたフェノールおよびクロ
ロフォルムからなる混合液(混合比1:1)を溶菌液に
加えて、よく撹拌した。
【0040】遠心後、上層液を回収し、エタノール処理
を行って、核酸成分を沈澱させた。この沈澱物を1ml
のTE緩衝液に溶かして検体とした。また、ヒト胎盤由
来DNA(Human placenta DNA)は、1μg/mlの濃
度のものを調製し、これも同様にPCRを行わせた。
【0041】結果 表7に示すように、使用したプライマーは食中毒菌DN
Aをはじめとする種々のDNAの全てについて、それら
のDNAを増幅することはなかった。したがって、本発
明のオリゴヌクレオチド、すなわちプライマーはent A
遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌にのみ、選択的に反応する
ものと断言できる。また、表7に掲載されなかった残り
の各組合せについても同様な試験結果が得られた。
【0042】なお、本発明の実施例で用いているアガロ
ースゲル電気泳動を前述の条件で行えば、100塩基対
以下のヌクレオチドであれば、5から10塩基対、ま
た、100から500塩基対の範囲のヌクレオチドであ
れば、10から20塩基対のヌクレオチドの長さの違い
を区別可能である。
【0043】さらに、アクリルアミドなどをゲル材に用
いることで、ヌクレオチドの長さの測定精度を向上させ
ることができ、ent A 遺伝子の選択的検出における信頼
度は、さらに高まるものと考えられる [実施例2:黄色ブドウ球菌ent B 遺伝子の検出] (実験例1)検体の調製 実施例1と同様の手法で検体を調整した。
【0044】プライマーの合成 黄色ブドウ球菌のent B 遺伝子の塩基配列(Ranelli,D.
M.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.82,5850-5854 (19
85))から、請求項第2項に示した配列(g)から
(l)までを選び、それと同じ配列を持つオリゴヌクレ
オチドを化学合成した。化学合成および合成したオリゴ
ヌクレオチドの精製は実施例1と同様の方法で行った。
【0045】PCR プライマーとして下記の組合わせのものを使用した以外
は、実施例1と同様の手法で行った。
【0046】 プライマー(1) プライマー(2) (g) (j) (g) (k) (h) (j) (h) (k) (h) (l) (i) (k) (i) (l) 検出 実施例1と同様の手法で行った。
【0047】逆受身ラテックス凝集反応(Reversed Pas
sive Latex Agglutination;RPLA試験) 実施例1と同様の手法で行った。
【0048】結果 前述したように、黄色ブドウ球菌のent B 遺伝子は、す
でに塩基配列が決定されており、本発明のオリゴヌクレ
オチド、すなわちプライマーがPCRにより増幅させる
ヌクレオチドの大きさは容易に推定できる。
【0049】それによるとプライマー(g) と(j) の組合
せを用いた場合には、304塩基(または304塩基
対)の長さのヌクレオチドが増幅されてくるはずであ
る。
【0050】次に、本発明のプライマーの全組合せにつ
いて、増幅ヌクレオチドの長さ(推定値)をまとめて記
載した。
【0051】 増幅ヌクレオチドの長さ(推定値)一覧表 プライマー(1) (g) (h) (i) (j) 304 241 − プライマー(2) (h) 391 328 197 (l) − 419 288 各数字の単位は塩基を示す。
【0052】これらの推定値と増幅されたヌクレオチド
の長さが一致した場合、各プライマーはent B 遺伝子の
標的としている領域を正しく増幅していると判断し、表
1〜6中に”+”と記入した。一方、ヌクレオチドの増
幅がみられなかったものには”−”を記入した。
【0053】表1〜6に黄色ブドウ球菌157株で調べ
た結果を示す。表からわかるように、表中のプライマー
全ての組合せは、RPLA法でエンテロトキシンB産生
していると確認された菌株に限ってのみ、その遺伝子を
増幅した。すなわち ent B遺伝子を正しく増幅し、ent
B 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌を正確に検出している
ことを示している。
【0054】なお、表に掲載されなかった残りの組合せ
についても同様の試験結果が得られた。
【0055】(実験例2)実験例1で得られた結果がen
t B 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌に対して、選択的なも
のかどうかを確かめるため、実施例1と同様の手法で臨
床検査において対象となる黄色ブドウ球菌以外の食中毒
菌または下痢症菌等の遺伝子について本発明のプライマ
ーが反応するかどうか調べた。
【0056】表7に示すように、使用したプライマーは
食中毒菌DNAをはじめとする種々のDNAの全てにつ
いて、それらのDNAを増幅することはなかった。した
がって、本発明のオリゴヌクレオチド、すなわちプライ
マーはent B 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌にのみ、選択
的に反応するものと断言できる。また、表に掲載されな
かった残りの各組合せについても同様な試験結果が得ら
れた。
【0057】[実施例3:黄色ブドウ球菌ent C 遺伝子
の検出] (実験例1)検体の調製 実施例1と同様の手法で検体を調整した。
【0058】プライマーの合成 黄色ブドウ球菌のent C 遺伝子の塩基配列(Betley,M.
J.and Mekalanos, J.J.,J.Bacteriol.170,34-41(198
8))から、請求項第3項に示した配列(m)から(r)
までを選び、それと同じ配列を持つオリゴヌクレオチド
を化学合成した。化学合成および合成したオリゴヌクレ
オチドの精製は実施例1と同様の方法で行った。
【0059】PCR プライマーとして下記の組合わせのものを使用した以外
は、実施例1と同様の手法で行った。
【0060】 プライマー(1) プライマー(2) (m) (q) (m) (r) (n) (q) (n) (r) (o) (q) (o) (r) (p) (q) (p) (r) 検出 実施例1と同様の手法で行った。
【0061】逆受身ラテックス凝集反応(Reversed Pas
sive Latex Agglutination;RPLA試験) 実施例1と同様の手法で行った。
【0062】結果 前述したように、黄色ブドウ球菌のent C 遺伝子は、す
でに塩基配列が決定されており、本発明のオリゴヌクレ
オチド、すなわちプライマーがPCRにより増幅させる
ヌクレオチドの大きさは容易に推定できる。
【0063】それによるとプライマー(m) と(q) の組合
せを用いた場合には、282塩基(または282塩基
対)の長さのヌクレオチドが増幅されてくるはずであ
る。
【0064】次に、本発明のプライマーの全組合せにつ
いて、増幅ヌクレオチドの長さ(推定値)をまとめて記
載した。
【0065】 増幅ヌクレオチドの長さ(推定値)一覧表 プライマー(1) (m) (n) (o) (p) プライマー(2) (q) 282 274 236 99 (r) 478 420 342 295 各数字の単位は塩基を示す。
【0066】これらの推定値と増幅されたヌクレオチド
の長さが一致した場合、各プライマーはent C 遺伝子の
標的としている領域を正しく増幅していると判断し、表
1〜6中に”+”と記入した。一方、ヌクレオチドの増
幅がみられなかったものには”−”を記入した。
【0067】表1〜6に黄色ブドウ球菌157株で調べ
た結果を示す。表からわかるように、表中のプライマー
全ての組合せは、RPLA法でエンテロトキシンC産生
していると確認された菌株に限ってのみ、その遺伝子を
増幅した。すなわちent C 遺伝子を正しく増幅し、ent
C 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌を正確に検出しているこ
とを示している。
【0068】なお、表に掲載されなかった残りの組合せ
についても同様の試験結果が得られた。
【0069】(実験例2)実験例1で得られた結果がen
t C 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌に対して、選択的なも
のかどうかを確かめるため、実施例1と同様の手法で臨
床検査において対象となる黄色ブドウ球菌以外の食中毒
菌または下痢症菌等の遺伝子について本発明のプライマ
ーが反応するかどうか調べた。
【0070】表7に示すように、使用したプライマーは
食中毒菌DNAをはじめとする種々のDNAの全てにつ
いて、それらのDNAを増幅することはなかった。した
がって、本発明のオリゴヌクレオチド、すなわちプライ
マーはent C 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌にのみ、選択
的に反応するものと断言できる。また、表に掲載されな
かった残りの各組合せについても同様な試験結果が得ら
れた。
【0071】[実施例4:黄色ブドウ球菌ent D 遺伝子
の検出] (実験例1)検体の調製 実施例1と同様の手法で検体を調整した。
【0072】プライマーの合成 黄色ブドウ球菌のent D 遺伝子の塩基配列(Betley,M.
J.and Mekalanos, J.J.,J.Bacteriol.170,34-41(198
8))から、請求項第4項に示した配列(s)から(z)
までを選び、それと同じ配列を持つオリゴヌクレオチド
を化学合成した。化学合成および合成したオリゴヌクレ
オチドの精製は実施例1と同様の方法で行った。
【0073】PCR プライマーとして下記の組合わせのものを使用した以外
は、実施例1と同様の手法で行った。
【0074】 プライマー(1) プライマー(2) (s) (w) (s) (y) (s) (z) (t) (w) (t) (x) (t) (z) (u) (x) (u) (y) (v) (y) (v) (z) 検出 実施例1と同様の手法で行った。
【0075】逆受身ラテックス凝集反応(Reversed Pas
sive Latex Agglutination;RPLA試験) 実施例1と同様の手法で行った。
【0076】結果 前述したように、黄色ブドウ球菌のent D 遺伝子は、す
でに塩基配列が決定されており、本発明のオリゴヌクレ
オチド、すなわちプライマーがPCRにより増幅させる
ヌクレオチドの大きさは容易に推定できる。
【0077】それによるとプライマー(s) と(w) の組合
せを用いた場合には、211塩基(または211塩基
対)の長さのヌクレオチドが増幅されてくるはずであ
る。
【0078】次に、本発明のプライマーの全組合せにつ
いて、増幅ヌクレオチドの長さ(推定値)をまとめて記
載した。
【0079】 増幅ヌクレオチドの長さ(推定値)一覧表 プライマー(1) (s) (t) (u) (v) (w) 211 142 − − (x) − 226 125 − プライマー(2) (y) 474 405 304 199 ) 501 432 − 226 各数字の単位は塩基を示す。
【0080】これらの推定値と増幅されたヌクレオチド
の長さが一致した場合、各プライマーはent D 遺伝子の
標的としている領域を正しく増幅していると判断し、表
1〜6中に”+”と記入した。一方、ヌクレオチドの増
幅がみられなかったものには”−”を記入した。
【0081】表1〜6に黄色ブドウ球菌157株で調べ
た結果を示す。表からわかるように、表中のプライマー
全ての組合せは、RPLA法でエンテロトキシンD産生
していると確認された菌株に限ってのみ、その遺伝子を
増幅した。すなわちent D 遺伝子を正しく増幅し、ent
D 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌を正確に検出しているこ
とを示している。
【0082】なお、表に掲載されなかった残りの組合せ
についても同様の試験結果が得られた。
【0083】(実験例2)実験例1で得られた結果がen
t D 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌に対して、選択的なも
のかどうかを確かめるため、実施例1と同様の手法で臨
床検査において対象となる黄色ブドウ球菌以外の食中毒
菌または下痢症菌等の遺伝子について本発明のプライマ
ーが反応するかどうか調べた。
【0084】表7に示すように、使用したプライマーは
食中毒菌DNAをはじめとする種々のDNAの全てにつ
いて、それらのDNAを増幅することはなかった。した
がって、本発明のオリゴヌクレオチド、すなわちプライ
マーはent D 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌にのみ、選択
的に反応するものと断言できる。また、表に掲載されな
かった残りの各組合せについても同様な試験結果が得ら
れた。
【0085】[実施例5:黄色ブドウ球菌ent E(see)
遺伝子の検出]検体の調製 黄色ブドウ球菌は表8に示す17株を用いた。これらの
菌株は、食中毒事例株で、食中毒患者の下痢便、嘔吐
物、原因食品等から分離されたものである。これらの菌
株のエンテロトキシン産生能については、逆受身ラテッ
クス凝集反応で確認した。ただし、FRI−326株に
ついては、American Type Culture Collectionの資料に
基づいた。なお、検体の調整は実施例1と同様の手法で
行った。
【0086】プライマーの合成 黄色ブドウ球菌のent E(see)遺伝子の塩基配列(Couch,
J.L.et al.,J.Bacteriol.170,2954-2960(1988))から、
請求項第5項に示した配列(イ)から(ヘ)までを選
び、それと同じ配列を持つオリゴヌクレオチドを化学合
成した。化学合成および合成したオリゴヌクレオチドの
精製は実施例1と同様の方法で行った。
【0087】PCR プライマーとして下記の組合わせのものを使用した以外
は、実施例1と同様の手法で行った。
【0088】 プライマー(1) プライマー(2) (イ) (ニ) (イ) (ヘ) (ロ) (ハ) (ロ) (ホ) 検出 実施例1と同様の手法で行った。
【0089】逆受身ラテックス凝集反応(Reversed Pas
sive Latex Agglutination;RPLA試験) 実施例1と同様の手法で行った。
【0090】結果 前述したように、黄色ブドウ球菌のent E(see)遺伝子
は、すでに塩基配列が決定されており、本発明のオリゴ
ヌクレオチド、すなわちプライマーがPCRにより増幅
させるヌクレオチドの大きさは容易に推定できる。
【0091】それによるとプライマー(イ)と(ニ)の
組合せを用いた場合には、481塩基(または481塩
基対)の長さのヌクレオチドが増幅されてくるはずであ
る。次に、本発明のプライマーの全組合せについて、増
幅ヌクレオチドの長さ(推定値)をまとめて記載した。
【0092】 増幅ヌクレオチドの長さ(推定値)一覧表 プライマー(1) (a) (b) (ハ) − 292 (ニ) 481 − プライマー(2) (ホ) − 373 (ヘ) 557 − 各数字の単位は塩基を示す。
【0093】これらの推定値と増幅されたヌクレオチド
の長さが一致した場合、各プライマーはent E(see)
伝子の標的としている領域を正しく増幅していると判断
し、表8中に“+”と記入した。一方、ヌクレオチドの
増幅がみられなかったものには“−”を記入した。
【0094】表8に黄色ブドウ球菌17株で調べた結果
を示す。表からわかるように、表中のプライマー全ての
組合せは、FRI−326株の遺伝子のみを増幅した。
すなわちent E(see) 遺伝子を正しく増幅し、ent E 遺
伝子をもつ黄色ブドウ球菌を正確に検出していることを
示している。
【0095】ent E(see) 遺伝子配列と相補的な配列の
オリゴヌクレオチドプローブを用いて、サザンブロット
ハイブリダイゼーション試験を行ったところ、この増幅
DNAは、ent E(see) 遺伝子由来であると確認でき
た。なお、図1(a)はプライマの組合せ(イ)+
(ヘ)でPCRを行った後のアガロース電気泳動像(な
お、検体DNAとしてFRI−326株のDNAを用い
た)、図1(b)はサザンハイブリダイゼ−ション像を
示す。
【0096】(実験例2)実験例1で得られた結果がen
t E(see) 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌に対して、選択
的なものかどうかを確かめるため、実施例1と同様の手
法で臨床検査において対象となる黄色ブドウ球菌以外の
食中毒菌または下痢症菌等の遺伝子について本発明のプ
ライマーが反応するかどうか調べた。
【0097】表9に示すように、使用したプライマーは
食中毒菌DNAをはじめとする種々のDNAの全てにつ
いて、それらのDNAを増幅することはなかった。した
がって、本発明のオリゴヌクレオチド、すなわちプライ
マーはent E(see) 遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌にの
み、選択的に反応するものと断言できる。
【0098】なお、本発明の実施例で用いているアガロ
ースゲル電気泳動を前述の条件で行えば、100塩基対
以下のヌクレオチドであれば、5から10塩基対、ま
た、100から500塩基対の範囲のヌクレオチドであ
れば、10から20塩基対のヌクレオチドの長さの違い
を区別可能である。
【0099】さらに、アクリルアミドなどをゲル材に用
いることで、ヌクレオチドの長さの測定精度を向上させ
ることができ、ent E(see) 遺伝子の選択的検出におけ
る信頼度は、さらに高まるものと考えられる。
【0100】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【0101】
【効果】本発明ではPCR法を用いたことで、黄色ブド
ウ球菌の検出において、遺伝子増幅作用による高い検出
感度と、2つあるいは、それ以上のプライマーで反応が
規定されることによる高い選択性を得ることができる。
【0102】また、高い検出感度のため多量の検体を必
要とせず、検体の前処理が簡便で済む。しかも、反応時
間が短く、検出も簡単な機材で済み、操作も容易なため
同定までの時間を大幅に短縮できる。例えば、実施例で
は、反応時間が約3時間、検出にかかる操作が30分で
ある。
【0103】また、検出にアガロースゲル電気泳動と臭
化エチジウムによる核酸染色法を用いることで、プライ
マー等を標識せずに検出が行え、しかも、核酸の長さが
確認できるので、結果の信頼性が高いものとなる。
【0104】最近の細菌学の知見では、食中毒事件や、
下痢症の原因菌として黄色ブドウ球菌が検出された場
合、その黄色ブドウ球菌株がエンテロトキシン等の該当
する病原因子の産生能の有無、さらに場合によっては、
その菌株が産生する病原因子の型を調べなければ、原因
菌として正確に判定されたものとは認められなくなりつ
つある。したがって、本発明は黄色ブドウ球菌の病原因
子遺伝子の1つであるエンテロトキシン遺伝子を検出す
るものであるので、食中毒事件、および下痢症等の起病
菌としての黄色ブドウ球菌の検出を正確に行うことがで
きる。
【0105】
【配列表】 配列番号(SEQ ID NO);1 配列の長さ 20塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 GTCTGAATTGCAGGGAACAG
【0106】配列番号(SEQ ID NO);2 配列の長さ 21塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CTTTTTTACAGATCATTCGTG
【0107】配列番号(SEQ ID NO);3 配列の長さ 24塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 TAGATTTTGATTCAAAGGATATTG
【0108】配列番号(SEQ ID NO);4 配列の長さ 22塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CTTATTCGTTTTAACCGTTTCC
【0109】配列番号(SEQ ID NO);5 配列の長さ 20塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 AACACGATTAATCCCCTCTG
【0110】配列番号(SEQ ID NO);6 配列の長さ 22塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 TCGTAATTAACCGAAGGTTCTG
【0111】配列番号(SEQ ID NO);7 配列の長さ 24塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 AAATCTATAGATCAATTTCTATAC
【0112】配列番号(SEQ ID NO);8 配列の長さ 22塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 AATTATGATAATGTTCGAGTCG
【0113】配列番号(SEQ ID NO);9 配列の長さ 21塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 TTCGCATCAAACTGACAAACG
【0114】配列番号(SEQ ID NO);10 配列の長さ 21塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CATCTTCAAATACCCGAACAG
【0115】配列番号(SEQ ID NO);11 配列の長さ 20塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CCAAATAGTGACGAGTTAGG
【0116】配列番号(SEQ ID NO);12 配列の長さ 22塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 TCATACCAAAAGCTATTCTCAT
【0117】配列番号(SEQ ID NO);13 配列の長さ 21塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 TCTGTAGATAAATTTTTGGCA
【0118】配列番号(SEQ ID NO);14 配列の長さ 24塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 AAAATTATGACAAAGTGAAAACAG
【0119】配列番号(SEQ ID NO);15 配列の長さ 23塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 ATGGATCAAATTACTATGTAAAC
【0120】配列番号(SEQ ID NO);16 配列の長さ 20塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 GTAGGTAAAGTTACAGGTGG
【0121】配列番号(SEQ ID NO);17 配列の長さ 23塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 TATAAGTACATTTTGTAAGTTCC
【0122】配列番号(SEQ ID NO);18 配列の長さ 22塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CATACCAAAAAGTATTGCCGTT
【0123】配列番号(SEQ ID NO);19 配列の長さ 23塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 AAAATCTGAATTAAGTAGTACCG
【0124】配列番号(SEQ ID NO);20 配列の長さ 23塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 ATAGGAGAAAATAAAAGTACAGG
【0125】配列番号(SEQ ID NO);21 配列の長さ 21塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CTTCAATTCAAAAGAAATGGC
【0126】配列番号(SEQ ID NO);22 配列の長さ 21塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 TTGTACATATGGAGGTGTCAC
【0127】配列番号(SEQ ID NO);23 配列の長さ 23塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 TTTTAGATTTGAAATGTTGAGCC
【0128】配列番号(SEQ ID NO);24 配列の長さ 21塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 TGACACCTCCATATGTACAAG
【0129】配列番号(SEQ ID NO);25 配列の長さ 25塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 ATTATACAATTTTAAATCCTTTTGC
【0130】配列番号(SEQ ID NO);26 配列の長さ 21塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CTGTATTTTTCCTCCGAGAGT
【0131】配列番号(SEQ ID NO);27 配列の長さ 24塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 AAAAGTCTGAATTACAAAGAAATG
【0132】配列番号(SEQ ID NO);28 配列の長さ 21塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 GGTTTTTTCACAGGTCATCCA
【0133】配列番号(SEQ ID NO);29 配列の長さ 23塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 GAACAGTTACTTCTTTTTTGCTT
【0134】配列番号(SEQ ID NO);30 配列の長さ 22塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CTGTCTGAGTTATATAAACCAA
【0135】配列番号(SEQ ID NO);31 配列の長さ 20塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 GCACCTTACCGCCAAAGCTG
【0136】配列番号(SEQ ID NO);32 配列の長さ 22塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 AAACAAATCATAACTTACCGTG
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はアガロース電気泳動図、(b)はサザ
ンハイブリダイゼーション像を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 博子 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内 (72)発明者 西村 直行 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体中に存在する黄色ブドウ球菌(Stap
    hylococcus aureus)の産生するエンテロトキシンAの
    遺伝子(以下、ent A 遺伝子)をコードするヌクレオチ
    ド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的とな
    るように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、
    合成ヌクレオチドが以下の配列群、 (5’)d−GTCTGAATTGCAGGGAACAG−(3’) ・・・・(a;配列番号1) (5’)d−CTTTTTTACAGATCATTCGTG−(3’) ・・・・(b;配列番号2) (5’)d−TAGATTTTGATTCAAAGGATATTG−(3’) ・・・・(c;配列番号3) (5’)d−CTTATTCGTTTTAACCGTTTCC−(3’) ・・・・(d;配列番号4) (5’)d−AACACGATTAATCCCCTCTG−(3’) ・・・・(e;配列番号5) (5’)d−TCGTAATTAACCGAAGGTTCTG−(3’) ・・・・(f;配列番号6) または対応する相補的配列からなることを特徴とするオ
    リゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 検体中に存在する黄色ブドウ球菌(Stap
    hylococcus aureus)の産生するエンテロトキシンBの
    遺伝子(以下、ent B 遺伝子)をコードするヌクレオチ
    ド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的とな
    るように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、
    合成ヌクレオチドが以下の配列群、 (5’)d−AAATCTATAGATCAATTTCTATAC−(3’) ・・・・(g;配列番号7) (5’)d−AATTATGATAATGTTCGAGTCG−(3’) ・・・・(h;配列番号8) (5’)d−TTCGCATCAAACTGACAAACG−(3’) ・・・・(i;配列番号9) (5’)d−CATCTTCAAATACCCGAACAG−(3’) ・・・・(j;配列番号10) (5’)d−CCAAATAGTGACGAGTTAGG−(3’) ・・・・(k;配列番号11) (5’)d−TCATACCAAAAGCTATTCTCAT−(3’) ・・・・(l;配列番号12) または対応する相補的配列からなることを特徴とするオ
    リゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 検体中に存在する黄色ブドウ球菌(Stap
    hylococcus aureus)の産生するエンテロトキシンCの
    遺伝子(以下、ent C 遺伝子)をコードするヌクレオチ
    ド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的とな
    るように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、
    合成ヌクレオチドが以下の配列群、 (5’)d−TCTGTAGATAAATTTTTGGCA−(3’) ・・・・(m;配列番号13) (5’)d−AAAATTATGACAAAGTGAAAACAG−(3’) ・・・・(n;配列番号14) (5’)d−ATGGATCAAATTACTATGTAAAC−(3’) ・・・・(o;配列番号15) (5’)d−GTAGGTAAAGTTACAGGTGG−(3’) ・・・・(p;配列番号16) (5’)d−TATAAGTACATTTTGTAAGTTCC−(3’) ・・・・(q;配列番号17) (5’)d−CATACCAAAAAGTATTGCCGTT−(3’) ・・・・(r;配列番号18) または対応する相補的配列からなることを特徴とするオ
    リゴヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 検体中に存在する黄色ブドウ球菌(Stap
    hylococcus aureus)の産生するエンテロトキシンDの
    遺伝子(以下、ent D 遺伝子)をコードするヌクレオチ
    ド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的とな
    るように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、
    合成ヌクレオチドが以下の配列群、 (5’)d−AAAATCTGAATTAAGTAGTACCG−(3’) ・・・・(s;配列番号19) (5’)d−ATAGGAGAAAATAAAAGTACAGG−(3’) ・・・・(t;配列番号20) (5’)d−CTTCAATTCAAAAGAAATGGC−(3’) ・・・・(u;配列番号21) (5’)d−TTGTACATATGGAGGTGTCAC−(3’) ・・・・(v;配列番号22) (5’)d−TTTTAGATTTGAAATGTTGAGCC−(3’) ・・・・(w;配列番号23) (5’)d−TGACACCTCCATATGTACAAG−(3’) ・・・・(x;配列番号24) (5’)d−ATTATACAATTTTAAATCCTTTTGC−(3’) ・・・・(y; 配列番号25) (5’)d−CTGTATTTTTCCTCCGAGAGT−(3’) ・・・・(z;配列番号26) または対応する相補的配列からなることを特徴とするオ
    リゴヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 検体中に存在する黄色ブドウ球菌(Stap
    hylococcus aureus)の産生するエンテロトキシンEの
    遺伝子(以下、ent E 遺伝子)をコードするヌクレオチ
    ド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的とな
    るように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、
    合成ヌクレオチドが以下の配列群、 (5’)d−AAAAGTCTGAATTACAAAGAAATG−(3’) ・・・・(イ;配列番号27) (5’)d−GGTTTTTTCACAGGTCATCCA−(3’) ・・・・(ロ;配列番号28) (5’)d−GAACAGTTACTTCTTTTTTGCTT−(3’) ・・・・(ハ;配列番号29) (5’)d−CTGTCTGAGTTATATAAACCAA−(3’) ・・・・(ニ;配列番号30) (5’)d−GCACCTTACCGCCAAAGCTG−(3’) ・・・・(ホ;配列番号31) (5’)d−AAACAAATCATAACTTACCGTG−(3’) ・・・・(ヘ;配列番号32) または対応する相補的配列からなることを特徴とするオ
    リゴヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5項に記載された各オリゴヌ
    クレオチドの配列のうち、少なくとも1つを有するオリ
    ゴヌクレオチドを鎖長反応のプライマーとして機能さ
    せ、標的ヌクレオチド配列を選択的に増幅させることを
    特徴とする方法であって、 (a )検体中の1本鎖状態の標的ヌクレオチド配列にプ
    ライマーをハイブリダイズさせ、4種のヌクレオチドの
    重合反応により鎖長反応を行わせ、 (b )得られた2本鎖標的ヌクレオチド配列を1本鎖に
    分離した場合、その相補鎖は他方のプライマーによる同
    時の鎖長反応の鋳型として機能し、 (c )これら2種のプライマーによる同時の鎖長反応、
    プライマー鎖長生成物の鋳型からの分離、そして新たな
    プライマーによるハイブリダイゼーションを繰り返すこ
    とにより、特定のヌクレオチド配列が増幅され、増幅さ
    れたヌクレオチド断片を検出し、 (d )その結果、前記検体中に認識されるべき配列が存
    在しているか否かを判定することで黄色ブドウ球菌の検
    出を行うことを特徴とする黄色ブドウ球菌の検出方法。
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