JPH05314819A - 架空送電線 - Google Patents

架空送電線

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JPH05314819A
JPH05314819A JP11786992A JP11786992A JPH05314819A JP H05314819 A JPH05314819 A JP H05314819A JP 11786992 A JP11786992 A JP 11786992A JP 11786992 A JP11786992 A JP 11786992A JP H05314819 A JPH05314819 A JP H05314819A
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清志 下嶋
Hiromitsu Kuroda
洋光 黒田
Hiroshi Kubokawa
弘 窪川
Kenji Yamamoto
健次 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】送電線の引張り強度等を劣化させることなく軽
量化及び増容量化を可能にし、曲げ疲労強度及び撚り合
わせ時の遡性変形性を向上させる。 【構成】中心部にアルミ又はアルミ合金(以下「アルミ
12」という)と長尺繊維13Aとを複合した長尺繊維
複合層14を設け、この複合層14の外周に前記アルミ
12と短尺繊維13Bとを複合した短尺繊維複合層16
を設け、さらにこの複合層16の外周にアルミ12単体
の最外層17を設けて複合線11を構成し、それを導体
の一部又は全部として架空送電線を構成する。前記長尺
繊維13Aとしては少なくとも1径間に相当する長さの
繊維を用い、短尺繊維13Bとしては短尺繊維複合層1
6の厚さ以下の長さの繊維を用いることが望ましい。ま
た、最外層17の断面形状はローラーダイスにより成形
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は曲げ疲労強度及び撚り合
わせ時の塑性変形に優れた架空送電線に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の架空送電線としては次のようなも
のがある。
【0003】第1の従来例としては、図2に示すよう
に、Znメッキ鋼心1の外周に短尺繊維で強化したアル
ミ線2を撚り合わせて架空送電線が構成されている。こ
のアルミ線2には、アルミの導電性を変えない程度に短
尺繊維が用いられている。このアルミ線2を高力アルミ
の一種として用いることで、Znメッキ鋼心1を従前の
送電線より細くし、これによって軽量化を図っている。
この例としては、例えば、特開平2−181303号公
報記載の鋼心アルミ撚線がある。
【0004】第2の従来例としては、図3に拡大横断面
図で示すように、アルミまたはアルミ合金5をマトリッ
クスとし、これに炭化ケイ素繊維6を複合させて一体化
して複合線7となし、この複合線7を導体の一部あるい
は全部として架空送電線に構成したものもある。この複
合線7の外周は、アルミテープまたはアルミパイプ8で
被覆する。このような複合線を導体の一部又は全部とし
て使用した架空送電線によれば、鋼心を必要とせず、大
幅な重量軽減、線膨張係数の低減が図れ、耐熱性に優れ
た架空送電線とし、大幅な増容量化や鉄塔高さ及び鉄塔
強度の低下を図ることができ、経済的な線路の構築が可
能となる。この例としては、例えば、特開平3−715
09号公報記載の架空送電線がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した従
来の技術では、次のような問題点がある。
【0006】(1) 第1の従来例の架空送電線はAC
SRの一種であり、Znメッキ鋼心1を細くして軽量化
を図っているが、それでも鋼心1自体は省略することな
く用いているので、重量低減を図るには限度があった。
また、架空送電線の線膨張係数は鋼心に依存しており、
しかも本従来例の線膨張係数は大きいので、強度の点か
ら増容量化は困難である。
【0007】(2) 第2の従来例では上記の問題点は
改善しているが、アルミまたはアルミ合金5に均一な長
尺の炭化ケイ素繊維6を複合させた複合線7の場合は撚
線成形性が悪く、この撚線成形性及び架線工事での安定
性を解消するために、複合線7の外周にアルミテープま
たはアルミパイプ8で被覆する必要があった。さらに、
長手方向に対する特性、例えば一軸引張り等には優れて
いるが、曲げ疲労等に対して破断する恐れがある。即
ち、複合線7の素材に異方性(一軸配向)があり、これ
を等方性(多次元配向)の素材に改善する必要がある。
【0008】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は軽量化及び増容量化が容易で、かつ曲げ
疲労強度及び撚り合わせ時の塑性変形の面で優れた架空
送電線を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、アルミ又はアルミ合金と繊維とを複合して
なる複合線を導体の一部又は全部として構成してなる架
空送電線であって、前記複合線が、中心部に設けられア
ルミ又はアルミ合金と長尺の前記繊維とを複合した長尺
繊維複合層と、この長尺繊維複合層の外周に設けられた
アルミ又はアルミ合金単体の最外層とから構成されたこ
とを特徴とする。
【0010】また、前記架空送電線において、長尺繊維
複合層と最外層との間にアルミ又はアルミ合金と短尺の
前記繊維とを複合した短尺繊維複合層を設けてもよい。
【0011】長尺繊維としては少なくとも1径間に相当
する長さの繊維を用い、短尺繊維としては前記短尺繊維
複合層の厚さ以下の長さの繊維を用いる。
【0012】さらに、前記最外層の断面形状は引抜き加
工により所定形状に成形する。
【0013】
【作用】前記構成により、長尺繊維複合層で一軸引張り
強度が向上し、短尺繊維でクラックの発生を抑えること
ができ、送電線の引張り強度等を劣化させることなく軽
量化及び増容量化が容易になる。さらに、曲げ疲労強度
も向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の架空送電線の一実施例を添付
図面を参照しながら説明する。
【0015】図1(A),(B) は本発明に係る架空送電線を
構成している複合線の構造を説明するために、その一本
を拡大して示した拡大横断面図及び拡大縦断面図であ
る。この複合線11は、アルミ又はアルミ合金(以下
「アルミ12」という)と繊維13とを複合してなる複
合線として以下のように構成されている。
【0016】複合線11の中心部には、アルミ12と長
尺の繊維13Aとを複合して構成した長尺繊維複合層1
4が設けられてる。この長尺繊維複合層14の外周に
は、アルミ12と短尺の繊維13Bとを複合した短尺繊
維複合層16が設けられている。さらに、短尺繊維複合
層16の外周には繊維を複合しないアルミ12単体の最
外層17が設けられている。以上の3つの層14,1
6,17で複合線11が構成されている。前記各繊維1
3A,13Bとしては炭化ケイ素や炭素繊維等が用いら
れる。
【0017】また、長尺繊維13Aとしては、少なくと
も1径間に相当する長さの繊維が用いられる。短尺繊維
13Bとしては、短尺繊維複合層16の厚さt1 以下の
長さの繊維が用いられる。なお、加工の限界として最外
層17の厚さt2 は外径の10%以上必要であることが
実務的に確認されている。なお、厚さt1 は短尺繊維複
合層16の厚さ、厚さt2 は最外層17の厚さである。
【0018】繊維を用いて電線の一軸方向を強化する場
合は、繊維が長尺であることが必要である。例えば、強
化用の繊維として直径15μm、長さ50μmの短尺繊
維13Bを用いた場合には図4に示すように16〜20
Kgf/mm2 程度になる。これに対して繊維の直径を
15μm、長さを1径間に相当する長さ(引張試験片の
長さと同じ長さの繊維)とした長尺繊維13Aを用いた
場合には45〜50Kgf/mm2 以上となった。な
お、繊維の体積複合率Vf は共に15%とした。
【0019】複合線を架空送電線用素線として用いるに
は、架設したときの張力を支持するだけの強度が必要で
ある。このため、長尺繊維13Aは少なくとも1径間相
当の長さの繊維とする必要がある。
【0020】また、短尺繊維13Bはアルミ12の送電
率を余り変化させない程度に混在させ、かつクラックの
伝播を十分に阻止できる程度の長さにする必要がある。
さらに、短尺繊維13Bの端部が短尺繊維複合層16を
超えて最外層17に達する程の繊維長であってはならな
い。これらの条件を満たす長さとしては、少なくとも短
尺繊維複合層16の厚さt1 以下でなくてはならない。
また、短尺繊維13Bの直径としては0.2 〜 0.5μm程
に設定する。
【0021】以上の構成の複合線11の製造は次の加工
手段を用いる。炭化ケイ素/アルミを種線としたディッ
プ方式で複合線を製造した場合、アルミが鋳造組織とな
り、表面はややポーラスな状態となる。この状態は架空
送電線用素線としてはあまり好ましいことではなく、強
度の向上と成形とを兼ねてローラーダイス等による引抜
き加工を施す。
【0022】以上により構成した複合線を撚線導体の一
部又は全部として使用した架空送電線は、架空送電線の
引張り強度等の本来の機能を劣化させることなく軽量化
及び増容量化が容易になり、さらに曲げ疲労強度も向上
する。
【0023】また、長尺繊維13Aを用いた長尺繊維複
合層14を中心に配置することで、撚線等の塑性変形が
可能になり、より実用的な素線を供給することができ
る。
【0024】なお、前記実施例では、複合線11として
長尺繊維複合層14の外周に短尺繊維複合層16を設け
た場合を例に説明したが、短尺繊維複合層16は設け
ず、長尺繊維複合層14と最外層17だけで複合線11
を構成してもよい。この場合も前記同様の作用、効果を
奏することができる。さらに、断面に繊維が拡散せず、
長尺繊維複合層14を中心に配置することで、撚線にプ
レフォーム(バラけないための塑性加工)を施すことが
できる。架空送電線は、複合線11を一本用いた単線で
あっても複数本用いた撚線であってもいずれでもよい。
撚線とする場合、複合線11以外のアルミ線、アルミ合
金線、Znメッキ鋼線等の金属線、複合線を含んでいて
もよい。
【0025】また、短尺繊維13Bとしては、ウイスカ
ーであっても良い。
【0026】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の架空送電
線によれば、長尺繊維複合層によって一軸引張り強度が
向上し、短尺繊維でクラックの発生を抑えることができ
るようになる。この結果、架空送電線の電気的特性、線
膨張係数、引張り強度等の機能を損うことなく、送電線
の軽量化及び増容量化が容易になる。さらに、曲げ疲労
強度及び撚り合わせ時の遡性変形性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る架空送電線を構成する複合線を示
す拡大横断面図及び拡大縦断面図である。
【図2】第1の従来例としての架空送電線を示す横断面
図である。
【図3】第2の従来例としての架空送電線を構成する複
合線を示す拡大横断面図である。
【図4】引張り強度の試験結果を示す表である。
【符号の説明】
11 複合線 12 アルミ 13 炭化ケイ素繊維 13A 長尺繊維 13B 短尺繊維 14 長尺繊維複合層 16 短尺繊維複合層 17 最外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 健次 茨城県日立市川尻町4丁目10番1号 日立 電線株式会社豊浦工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミ又はアルミ合金と繊維とを複合して
    なる複合線を導体の一部又は全部として構成してなる架
    空送電線において、前記複合線が、中心部に設けられア
    ルミ又はアルミ合金と長尺の前記繊維とを複合した長尺
    繊維複合層と、この長尺繊維複合層の外周に設けられた
    アルミ又はアルミ合金単体の最外層とから構成されたこ
    とを特徴とする架空送電線。
  2. 【請求項2】アルミ又はアルミ合金と繊維とを複合して
    なる複合線を導体の一部又は全部として構成してなる架
    空送電線において、前記複合線が、中心部に設けられア
    ルミ又はアルミ合金と長尺の前記繊維とを複合した長尺
    繊維複合層と、この長尺繊維複合層の外周に設けられア
    ルミ又はアルミ合金と短尺の前記繊維とを複合した短尺
    繊維複合層と、この短尺繊維複合層の外周に設けられた
    アルミ又はアルミ合金単体の最外層とから構成されたこ
    とを特徴とする架空送電線。
  3. 【請求項3】長尺繊維としては少なくとも1径間に相当
    する長さの繊維を用い、短尺繊維としては前記短尺繊維
    複合層の厚さ以下の長さの繊維を用いる請求項1記載の
    架空送電線。
  4. 【請求項4】前記最外層の断面形状を、引抜き加工によ
    り所定形状に成形する請求項1または2記載の架空送電
    線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001291429A (ja) * 2000-04-07 2001-10-19 Furukawa Electric Co Ltd:The 架空送電線及び光ファイバ複合架空地線
JP2007524977A (ja) * 2004-02-13 2007-08-30 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 金属クラッディングされた金属マトリックス複合体ワイヤ
JP2012129094A (ja) * 2010-12-16 2012-07-05 Railway Technical Research Institute 複合電線

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