JPH0531462A - 籾摺選別機の粃米供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］この発明は、籾摺選別機において、上方に位置
している摺落米風選部Ｂの粃米受樋１１に選別された粃
米を、下方に位置している揺動選別装置型の混合米選別
部Ｃにおける屑米回収板２６に供給するにあたり、機体
の一側に設けられていて、且つ、摺落米風選部Ｂの伝動
装置を被覆するカバ−３２内に一体的に設けられている
粃米流下路３３を経由して供給する構成とし、カバ−部
材を強固なものとしながら部品点数の減少をも図ろうと
するものである。 ［構成］機体の一側上部に設けられている落米風選部Ｂ
における粃米受樋１１の搬送終端部と機体の一側下部に
設けられている混合米選別部Ｃにおける屑米回収板２６
の供給部とを、摺落米風選部Ｂ及び混合米選別部Ｃの一
側に位置して該摺落米風選部Ｂの伝動装置を被覆するカ
バ−３２内に一体的に設けられていて補強機能も果たす
粃米流下路３３により連通した構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、籾摺をする籾摺部，
籾摺部からの摺落米を風選する摺落米風選部，籾・玄米
の混合米を選別する混合米選別部及び揚穀搬送部から構
成されている籾摺選別機の粃米供給装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】籾摺をする籾摺部，籾摺部からの摺落米
を風選する摺落米風選部，籾・玄米の混合米を選別する
混合米選別部及び揚穀搬送部から構成されている籾摺選
別機がある。そして、この籾摺選別機の摺落米風選部に
は、摺落米受樋及び粃米受樋が設けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように構成されて
いる籾摺選別機において、上方に位置している摺落米風
選部で選別された粃米を、下方に位置している混合米選
別部へ供給するにあたり、これらの摺落米風選部及び混
合米選別部の一側に位置していて、該摺落米風選部の伝
動装置を被覆するカバ−部材を有効に利用して、該カバ
−部材に粃米の流下路を特殊に構成することにより、カ
バ−部材を強固なものとしながら部品点数の減少をも図
ろうとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、このような
従来技術のもつ問題点を解決するために、次の技術的手
段を講じた。即ち、この発明は、籾摺をする籾摺部Ａ，
籾摺部Ａからの摺落米を風選する摺落米風選部Ｂ，籾・
玄米の混合米を選別する混合米選別部Ｃ，揚穀搬送部Ｄ
から構成されている籾摺選別機であつて、機体の一側上
部に設けられている摺落米風選部Ｂにおける粃米受樋１
１の搬送終端部と機体の一側下部に設けられている混合
米選別部Ｂにおける屑米回収板２６の供給部とを、摺落
米風選路Ｂ及び混合米選別部Ｃの一側に位置して該摺落
米風選路Ｂの伝動装置を被覆するカバー３２内に一体的
に設けられていて補強機能も果たす粃米流下路３３によ
り連通したことを特徴とする籾摺選別機の粃米供給装置
の構成としたものである。

【０００５】

【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例について
説明する。まず、図１乃至図３に示す実施例の構成につ
いて説明する。この籾摺選別機は、籾摺をする籾摺部
Ａ，籾摺部Ａからの摺落米を風選する摺落米風選部Ｂ，
摺落米風選部Ｂでの風選後の混合米を籾・玄米に選別す
る混合米選別部Ｃ，穀粒を揚穀する揚穀搬送部Ｄによ
り、ブロック構成されていて、籾摺部Ａを前下部に配置
し、籾摺部Ａの一側部に揚穀搬送部Ｄの混合米揚穀機１
を配置し、後下部には混合米選別部Ｃを、また、後上部
には摺落米風選部Ｂを夫れ夫れ配置し、機体の最後部に
は揚穀搬送部Ｄの玄米揚穀機２を配置する構成である。

【０００６】籾摺部Ａは、籾ホッパ３，籾摺ロール４，
４，拡散板（図示省略）の内装されている籾摺室５，摺
落米流下板６等で構成されていて、この摺落米流下板６
から流下した籾・玄米・籾殻の混合した摺落米は、揚穀
搬送部Ｄのバケット型の混合米揚穀機１の下部に流入す
る構成である。次に、摺落米風選部Ｂについて説明す
る。摺落米風選部Ｂを構成する摺落米風選箱体７の前側
上部には、混合米ホッパ８を配置して、揚穀搬送部Ｄの
混合米揚穀機１からの摺落米が供給される構成であり、
この混合米ホッパ８の下方を選別始端側とし、後部上方
に斜設されている摺落米風選路９を配置し、摺落米風選
路９の下方の摺落米流下板１０には、粃米を受ける粃米
受樋１１，選別された摺落米を受ける摺落米受樋１２が
構成されている。この混合米ホッパ８の流下口は、摺落
米風選路９の幅と略々同幅に構成に構成されていて、摺
落米風選路９の全幅に摺落米が落下供給される構成であ
る。１３は選別風の流入する吸気口であり、１４は吸引
フアンであり、１５は排塵筒である。１６は粃米受樋１
１から流下した粃米を機体の一側に搬送する粃米ラセン
であり、１７は摺落米受樋１２の底部に設けられている
摺落米ラセンである。摺落米風選箱体７に設けられてい
る混合米ホッパ８は、バネ（図示省略）により上下動自
在に支持されていて、この混合米ホッパ８はロッドやア
ーム等の連動部材（図示省略）を介して籾摺部Ａの籾供
給調節弁（図示省略）と連動連結されていて、混合米ホ
ッパ８の穀粒量により籾供給調節弁（図示省略）が関連
的に調節される構成である。

【０００７】次に、揺動選別装置型で構成されている混
合米選別部Ｃについて説明する。多段の揺動選別板１
８，１８，…は、穀粒の流動方向である縦方向及び縦方
向に直交する選別方向である横方向の２面とも傾斜した
構成として、横方向を機体の前後方向（図１の左右方
向）に沿わせた状態で、摺落米風選部Ｂの下方に配置さ
れていて、揺動アーム（図示省略）で横方向に斜上下の
往復動をする構成である。摺落米風選路Ｂの摺落米受樋
１２から混合米が分配ケース１９に供給され、分配ケー
ス１９から揺動選別板１８，１８，…の縦方向の高い供
給側１８ａで、且つ、横方向の揺下側１８ｂに構成され
ている供給口に混合米が供給される。揺動選別板１８，
１８，…の排出側には玄米仕切板２０及び籾仕切板２１
が設けられていて、揺動選別板１８，１８，…の揺上側
の玄米分布流域，中間部の混合米分布流域及び揺下側の
籾分布流域に分布する穀粒が、夫れ夫れ玄米，混合米及
び籾米に仕切られ、玄米仕切板２０で仕切られた玄米は
玄米流路２２に流下し、揚穀搬送部Ｄの玄米揚穀機２で
揚穀されて機体後部から機外に取り出され、また、玄米
仕切板２０と籾仕切板２１とで仕切られた混合米は、混
合米流路２３を流下して揚穀搬送部Ｄの混合米揚穀機１
で揚穀されて、混合米ホッパ８，摺落米風選路９，摺落
米受樋１２，分配ケース１９を経て、摺落米風選路９で
再度風選された後揺動選別板１８，１８，…に供給され
て再選別され、籾仕切板２１で仕切られた籾は籾受樋２
９、籾流路２４から揚穀搬送部Ｄの籾揚穀機２５で揚穀
されて籾摺部Ａに還元され、再度の籾摺がされる構成で
ある。

【０００８】次に、摺落米風選路Ｂで選別された粃米の
処理について説明する。摺落米風選路Ｂの粃米受樋１１
の底部には粃米ラセン１６が支架されていて、粃米が粃
米ラセン１６で機体の横一側方に搬送される構成であ
る。揺動選別装置の揺動選別板１８，１８，…の最下段
には、平滑面で構成されている屑米回収板２６を設けて
揺動選別板１８と一体的に揺動する構成とし、屑米回収
板２６の供給側板に開口されている供給口２７から屑米
が供給され、屑米回収板２６の揺下側板の排出側に開口
している排出口２８から屑米が排出され、籾受樋２９に
流入する構成である。籾受樋２９には穀粒を籾流路２４
側あるいは混合米還元流路３０側に切替る切替弁３１が
設けられていて、切替弁３１により籾流路２４に切替ら
れた穀粒は籾揚穀機２５を介して籾摺部Ａの籾ホッパ３
に還元され、また、混合米還元路３０に切替られた穀粒
は混合米揚穀機１で摺落米風選路Ｂを経て混合米選別部
Ｃに還元される構成である。３２は、機体の一側上部に
設けられている落米風選部Ｂにおける粃米受樋１１の搬
送終端部、及び、機体の一側下部に設けられている混合
米選別部Ｃにおける屑米回収板２６の供給側部分を被覆
するカバ−で、摺落米風選路Ｂの伝動装置を被覆する機
能を有し、このカバー３２の内部には、屑米受樋１１の
搬送終端側に搬送排出された屑米を下方の屑米回収板２
６の供給口２７に供給する縦方向の粃米流下路３３が合
成樹脂材等で一体的に構成されていて、カバー３２の強
度アップを図っている。

【０００９】次に、図４について説明する。粃米受樋１
１の終端部に接続している粃米流下路３３から取出流路
３４を分岐し、この分岐部に設けた粃米切替弁３５を粃
米流路３３側に切替ることにより、粃米を下方の揺動選
別装置に供給して再処理したり、あるいは、取出流路３
４側に切替ることにより、粃米を機外に取り出し、穀粒
袋３６に取り出す構成としてもよい。このように、粃米
の機外取り出しに際しても、摺落米風選路Ｂの粃米受樋
１１が高い位置にあるので、穀粒袋３６への取り出しが
容易となる。

【００１０】次に、図５乃至図７について説明する。揺
動選別装置の玄米仕切板２０を穀粒の選別状態で移動調
節する自動制御型のものにするに際しては、任意の揺動
選別板１８の排出側をカ−リングしたカーリング部３７
として、このカーリング部３７内にリード線３８を内装
し、揺動選別板１８の排出側下面にセンサ取付具３９を
設け、このセンサ取付具３９に籾・玄米を判別できる穀
粒センサ４０を固定状態あるいは移動自在に取り付け、
穀粒センサ４０の検出情報をリード線３８を経由してＣ
ＰＵ内臓の演算制御部（図示省略）に送る構成としてい
る。このように構成しておくと、リード線３８の配線を
簡素化できると共に、このカーリング部３７により揺動
選別板１８で選別される穀粒の層厚を所定厚さに保つこ
とができて、選別能率を高めることができる。また、玄
米仕切板２０の上部の穀粒センサ４０と対応する部分
に、切欠き部４１を構成すると、玄米仕切板２０を揺動
選別板１８の排出側に接近させることができて、選別穀
粒を良好に仕分けることができる。

【００１１】次に、図８について説明する。多段の揺動
選別板１８，１８，…を選別板枠４２，４２のガイド４
３，４３，…に挿入することにより取付ける構成とし、
選別板枠４２の揺動選別板１８の供給側１８ａ部分に対
応する供給側選別板枠４４をヒンジ４５で縦軸周りに開
閉できる構成としている。従って、供給側選別板枠４４
を回動することにより開けることができ、揺動選別板１
８，１８，…の点検整備が容易となる。なお、４６は係
止具である。

【００１２】次に、図９及び図１０について説明する。
摺落米風選路Ｂの粃米受樋１１を摺落流下板１０から下
方に突出して構成し、粃米受樋１１の底部には粃米ラセ
ン１６を設け、この粃米受樋１１の後側面部には、略々
全幅に対応するように広幅の粃米取出樋４８を後方に向
けて延出し、粃米受樋１１には粃米切替弁４９を設け
て、粃米を粃米受樋１１に流下する状態と、粃米取出樋
４８に流下する状態とに切替可能に構成し、粃米取出樋
４８を経て粃米を機体後方から穀粒袋３６に取出できる
構成としている。

【００１３】次に、図１乃至図３に示す実施例の作用に
ついて説明する。籾摺選別機で籾摺選別作業をする場合
には、機体の回転各部を駆動し、籾ホッパ３に籾を供給
し、籾摺部Ａの籾供給調節弁（図示省略）を開けると、
籾が籾摺ロール４，４に供給され、互いに反対方向に回
転している籾摺ロール４，４で籾摺され、拡散板（図示
省略）で拡散された摺落米は摺落米流下板１０上を流下
し、籾・玄米・籾殻の混合している摺落米は、揚穀搬送
部Ｄの混合米揚穀機１の下部に流入し、揚穀されて混合
米ホッパ８に供給される。

【００１４】次いで、混合米ホッパ８の幅広の流下口か
ら下方の摺落米風選路９の幅全体に落下し、摺落米風選
路９を流れている選別風により選別され、軽い籾殻は摺
落米風選路９の終端側に流れ、吸引フアン１４及び排塵
筒１５を経て機外に排出され、また、比較的軽い粃米は
摺落米流下板１０の粃米受樋１１に選別され、また、重
い籾・玄米の摺落米は摺落米流下板１０上を流下して摺
落米受樋１２に流下し、次いで分配ケース１９に流下供
給され、分配ケース１９を経由して、各揺動選別板１
８，１８，…に供給される。

【００１５】このようにして、揺動選別板１８，１８，
…の供給側１８ａで且つ揺下側１８ｂに供給された混合
米は、揺動アーム（図示省略）の横方向斜上下の往復揺
動により、粒形の大小，比重の大小あるいは摩擦抵抗の
差異等により選別されて、横方向の揺上側である玄米分
布流域に偏流分布した玄米は、玄米仕切板２０で仕切ら
れて取り出され、玄米流路２２を経て玄米揚穀機２の下
部に流入し、玄米揚穀機２で揚穀されて機外に取り出さ
れ、また、揺動選別板１８の横方向中間部である混合米
分布流域に偏流分布した混合米は、玄米仕切板２０と籾
仕切板２１とで仕切られて取り出され、混合米は混合米
流路２３を経て混合米揚穀機１の下部に流入し、混合米
揚穀機１で揚穀されて、混合米ホッパ８，摺落米風選路
９，摺落米受樋１２，分配ケース１９を経て、摺落米風
選路９で再度風選された後に揺動選別板１８，１８，…
に供給されて再選別され、また、揺動選別板１８，１
８，…の横方向揺下側の籾米分布流域に偏流分布した籾
米は、籾仕切板２１で仕切られて取り出され、籾揚穀機
２５で籾摺部Ａに揚穀還元されて再度籾摺される。

【００１６】このようにして籾摺選別される過程で、粃
米受樋１１に選別された粃米は、粃米ラセン１６で機体
の横一側方に搬送されて、カバー３２内に設けられてい
る粃米流下路３３を経て屑米回収板２６に供給され、屑
米回収板２６は揺動選別板１８と一体的に揺動している
ので、屑米は屑米回収板２６上を流動して揺下側板の排
出側に開口している排出口２８から屑米が籾受樋２９に
流下し、次いで、籾受樋２９の切替弁３１を籾流路２４
側に切替えると、粃米は籾揚穀機２５を介して籾摺部Ａ
に還元されて再度籾摺され、また、切替弁３１を混合米
還元流路３０側に切替えると、混合米還元流路３０，混
合米揚穀機１を経て摺落米風選路Ｂに還元され、摺落米
風選路Ｂで軽い屑米は吸引フアン１４で機外に排出さ
れ、重い粃米は摺落米受樋１２に選別され揺動選別板１
８で再選別される。

【００１７】

【発明の効果】このように摺落米風選路Ｂで選別された
粃米を処理する際に、上部に位置している摺落米風選路
Ｂで選別された粃米を、下部に位置している揺動選別装
置型の混合米選別部Ｃへ供給するにあたり、これらの摺
落米風選路Ｂの粃米受樋１１の搬送終端側及び揺動選別
装置型の混合米選別部Ｃにおける屑米回収板２６の供給
側に位置していて、該摺落米風選路Ｂの伝動装置部分を
被覆するカバー３２内に縦方向に一体的に構成されてい
る粃米流下路３３を利用して供給することができ、カバ
ー３２を強固なものとしながら部品点数の減少も図るこ
とができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】切断側面図

【図２】切断背面図

【図３】切断平面図

【図４】切断正面図

【図５】斜視図

【図６】切断側面図

【図７】切断側面図

【図８】斜視図

【図９】切断側面図

【図１０】切断正面図

【符号の説明】

Ａ 籾摺部 Ｂ 摺落米風選部 Ｃ 混合米選別部 Ｄ 揚穀搬送部 １ 混合米揚穀機 ２ 玄米揚穀機 ３ 籾ホッパ ４ 籾摺ロール ５ 籾摺室 ６ 摺落米流下板 ７ 摺落米風選箱体 ８ 混合米ホッパ ９ 摺落米風選路 １０ 摺落米流下板 １１ 粃米受樋 １２ 摺落米受樋 １３ 吸気口 １４ 吸引フアン １５ 排塵筒 １６ 粃米ラセン １７ 摺落米ラセン １８ 揺動選別板 １９ 分配ケース ２０ 玄米仕切板 ２１ 籾仕切板 ２２ 玄米流路 ２３ 混合米流路 ２４ 籾流路 ２５ 籾揚穀機 ２６ 屑米回収板 ２７ 供給口 ２８ 排出口 ２９ 籾受樋 ３０ 混合米還元流路 ３１ 切替弁 ３２ カバー ３３ 粃米流下路 ３４ 取出流路 ３５ 籾米切替弁 ３６ 穀粒袋 ３７ カーリング部 ３８ リード線 ３９ センサ取付具 ４０ 穀粒センサ ４１ 切欠き部 ４２ 選別板枠 ４３ ガイド ４４ 供給側選別板枠 ４５ ヒンジ ４６ 係止具 ４７ 穀粒流下板 ４８ 粃米取出樋 ４９ 粃米切替弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 英二 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 籾摺をする籾摺部Ａ，籾摺部Ａからの摺
   落米を風選する摺落米風選部Ｂ，籾・玄米の混合米を選
   別する混合米選別部Ｃ，揚穀搬送部Ｄから構成されてい
   る籾摺選別機であつて、機体の一側上部に設けられてい
   る摺落米風選部Ｂにおける粃米受樋１１の搬送終端部と
   機体の一側下部に設けられている混合米選別部Ｂにおけ
   る屑米回収板２６の供給部とを、摺落米風選路Ｂ及び混
   合米選別部Ｃの一側に位置して該摺落米風選路Ｂの伝動
   装置を被覆するカバー３２内に一体的に設けられていて
   補強機能も果たす粃米流下路３３により連通したことを
   特徴とする籾摺選別機の粃米供給装置。