JPH0631248A - 籾摺選別機の粃取出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］この発明は、籾摺選別機の摺出米風選部で選別
された粃を、機体の左右いずれの側へも取り出すように
する。 ［構成］摺出米風選部Ｂの粃を受ける粃受樋１０を左・
右傾斜案内板１０ａ，１０ｂで機体の左右方向の中央部
に集めて中央流下口１０ｃから取り出す構成とし、粃受
樋１０の中央流下口１０ｃには機体の左右排出を切替で
きる粃搬送取出装置３６を接続した構成する。［効果」
摺出米風選部Ｂの粃受樋１０に受けられた粃は、左・右
傾斜案内板１０ａ，１０ｂで機体の左右方向の中央部の
中央流下口１０ｃに集められ、次いで、中央流下口１０
ｃから機体の左右の排出方向を切替ることのできる粃搬
送取出装置３６で取り出されるので、粃を作業者の好み
に応じて機体の左右いずれの側からでも取り出すことが
できて、その後の粃の処理が容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、籾摺選別機の摺出米
風選部で選別された粃を、機体の左右いずれの側へも取
出できる籾摺選別機の粃取出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】籾摺をする籾摺部，籾摺部での摺落米を
風選する摺落米風選部，籾摺風選後の摺落米を籾・玄米
に分離選別する混合米選別部及び穀粒を揚穀搬送する揚
穀搬送部を具備する籾摺選別機があり、摺落米風選部で
風選された粃は粃受樋で受けられて、粃ラセンで機体の
左右のいずれか一側方に取り出される構成である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来装置
にあつては、摺落米風選部で風選された粃が粃受樋に受
けられて、粃ラセンで機体の左右いずれか一側方にだけ
取り出される構成であり、左右いずれの方向からでも粃
を取り出し出来ず、籾摺選別機の設置場所との関係で、
粃の処理が手間取るという問題があつた。そこで、この
発明は、摺出米風選部の特殊構成の粃受樋と粃搬送取出
装置との結合により、粃を機体の左右いずれの側からも
取り出しできる構成として、従来装置の欠点を解消とす
るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、このような
従来技術のもつ問題点を解決するために、次の技術的手
段を講じた。即ち、この発明は、籾摺部Ａ，籾摺部Ａで
の摺落米を風選する摺落米風選部Ｂ，風選後の摺落米を
籾・玄米に分離選別する混合米選別部Ｃを具備する籾摺
選別機であつて、摺出米風選部Ｂの粃を受ける粃受樋１
０を左・右傾斜案内板１０ａ，１０ｂで機体の左右方向
の中央部に集めて中央流下口１０ｃから取り出す構成と
し、粃受樋１０の中央流下口１０ｃには機体の左右排出
を切替できる粃搬送取出装置３６を接続したことを特徴
とする籾摺選別機の粃取出装置の構成としたものであ
る。

【０００５】

【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例について
説明する。まず、図１及び図３に示す実施例の構成につ
いて説明する。この籾摺選別機は、籾摺をする籾摺部
Ａ，籾摺部Ａからの摺落米を風選する摺落米風選部Ｂ，
摺落米風選部Ｂでの風選後の混合米を籾・玄米に分離選
別する揺動選別型の混合米選別部Ｃ，穀粒を揚穀搬送す
る揚穀搬送部Ｄにより構成されていて、籾摺部Ａを機体
の前上部に、また、摺落米風選部Ｂを機体の前下部に配
置すると共に、摺落米風選部Ｂの吸引排塵機１を籾摺部
Ａの前方に配置し、籾摺部Ａ及び摺落米風選部Ｂの一横
側部に揚穀搬送部Ｄの混合米揚穀機２を配置し、後部に
は混合米選別部Ｃを配置し、混合米選別部Ｃの後方に
は、揚穀搬送部Ｄの玄米揚穀機３を配置する構成であ
る。

【０００６】籾摺部Ａは、籾ホッパ４，籾摺ロール５，
５，拡散板の内装されている籾摺室６等で構成されてい
る。次に、摺落米風選部Ｂについて説明すると、摺落米
風選箱体７における摺落米風選路８後部の選別始端側
に、上方の籾摺室６からの摺落米が流下供給され、終端
側ほど高位に斜設された摺落米風選路８で摺落米は風選
される構成である。この摺落米風選路８の始端側下方に
は、選別された籾・玄米の摺落米を受ける摺落米受樋９
が、また、終端側下方には、粃を受ける粃受樋１０が夫
れ夫れ設けられている。摺落米風選路８を始端側から終
端側へ流れる選別風は、吸引排塵機１，排塵筒１１を経
て機外へ排出される構成である。摺落米受樋９に落下選
別された摺落米は、摺落米ラセン１３で横一側方に搬送
されて混合米揚穀機２の下部に流入し、混合米揚穀機２
で揚穀されて混合米ホッパ１４に供給される。

【０００７】次に、揺動選別装置１５で構成されている
混合米選別部Ｃについて説明する。多段の揺動選別板１
６，１６，…は、穀粒の流下方向である縦方向（図１の
紙面に直交する方向）及び縦方向に直交する選別方向で
ある横方向の２面とも傾斜した構成として、横方向を機
体の前後方向（図１の左右方向）に沿わせた状態で、揺
動アーム（図示省略）で横方向に斜上下に往復動する。
混合米ホッパ１４内の混合米は、分配樋１７，分配ケー
ス１８を経て、揺動選別板１６，１６，…の縦方向の高
い供給側で、且つ、横方向の低い揺下側に構成されてい
る供給口から、揺動選別板１６，１６，…に供給される
構成である。揺動選別板１６，１６，…の縦方向の排出
側には、玄米仕切板１９及び籾仕切板２０が設けられて
いて、揺動選別板１６，１６，…の横方向揺上側の玄米
分布流域，横方向中間部の混合米分布流域及び横方向揺
下側の籾分布流域に分布した穀粒が、夫れ夫れ玄米仕切
板１９及び籾仕切板２０で、玄米，混合米及び籾に仕切
られる構成である。

【０００８】このようにして仕切られた玄米は、玄米受
樋２１に流下し、玄米流路２２を経て、玄米揚穀機３の
下部に流入し、玄米揚穀機３で揚穀されて、機体後部か
ら機外に取り出されるものである。また、玄米仕切板１
９と籾仕切板２０とで仕切られた混合米は、混合米受樋
２３，混合米流路２４を経て、ラセン翼３０・ラセン軸
３１・駆動用のモ−タ３２・小米選別網受樋３３ａから
構成されている混合米小米選別搬送装置２９に流入し、
小米選別搬送装置２９で小米・青米を選別除去しながら
摺落米受樋９へ搬送され、次いで、摺落米受樋９の摺落
米移送ラセン１３で搬送されて、混合米揚穀機２の下部
に流入して揚穀され、混合米ホッパ１４，分配樋１７，
分配ケース１８を経て、揺動選別板１６，１６，…に供
給されて再選別されるものである。また、籾仕切板２０
で仕切られた籾は、籾受樋２５から籾流路２６を経て籾
揚穀機２７に流入し、籾揚穀機２７で揚穀されて、籾還
元流路２８を経由して籾摺部Ａに還元され、再度の籾摺
がされる構成である。

【０００９】次に、図４及び図５に基づいて、粃受樋１
０の粃取り出しについて説明する。摺出米風選部Ｂに設
けられる粃受樋１０を、左・右傾斜案内板１０ａ，１０
ｂで機体の左右方向の中央部に粃を集めて、中央流下口
１０ｃから下方に取り出す構成とし、粃ラセン３３，粃
搬送筒３４及び粃ラセン駆動用のモ−タ３５で構成され
ている粃搬送取出装置３６を構成し、粃受樋１０の中央
流下口１０ｃの下方に、粃搬送取出装置３６の搬送始端
側を縦軸回りに回動可能に接続配置し、粃搬送取出装置
３６の始端側を縦軸回りに回動させることにより、機体
の左右いずれの側にも粃搬送取出装置３６の搬送終端側
が位置し、粃を左右いずれの側からも取り出しできる構
成としている。なお、粃受樋１０の中央流下口１０ｃ部
分に、粃搬送取出装置３６の搬送始端側を左右いずれの
側からでも長手方向の移動で抜き差し自在に装着できる
構成として、粃を左右いずれの側からも取り出しできる
構成としてもよい。

【００１０】次に、図６について、粃受樋１０の粃取り
出しの他の実施例について説明する。摺出米風選部Ｂに
設けられる粃受樋１０には、粃ラセン３３を回転自在に
支架して、粃ラセン３３の搬送終端側の軸部に、粃揚穀
機４１の揚穀羽根４２を取り付けて、粃揚穀機４１で機
体の左右一側から粃を取り出し、また、粃受樋１０の底
板４３を粃ラセン３３の搬送終端側を支点として上下回
動して開閉自在に構成し、底板４３を下方に回動する
と、粃受樋１０に選別された粃は、落下して、底板４
３，案内樋４４を経て機体の他側方に取り出される構成
である。また、図７に示すように、粃受樋１０を機体の
左右方向に沿わせた構成とし、大径の粃ラセン軸３７に
ゴム等の柔軟性材で構成されている柔軟性筒体３８で被
覆し、柔軟性筒体３８の外周に弾性線材を巻き付けて粃
ラセン３３を構成し、この柔軟性筒体３８に軸線方向の
切れ目３９を入れて、切れ目３９を開くことにより、粃
ラセン軸３７に柔軟性筒体３８を嵌合装着し、柔軟性筒
体３８の左右方向を入れ替えることにより、送り方向を
左右に切替る構成とし、粃を左右いずれの方向へ取り出
す構成としてもよい。また、図８に示すように、弾性材
で構成した粃ラセン３３の先端部に、ひれ４０を設けた
構成とすると、粃受樋１０の底部の残粒を防止できる。
次に、図９及び図１０について説明する。籾摺部Ａ，
摺出米風選部Ｂ，混合米選別部Ｃ，揚穀搬送部Ｄを載置
する機台４５には、仕切体４６，４６で仕切られた複数
の区分搬送部分に区分された広幅の搬送ベルト４７が前
・後のロ−ラ４８，４８で支持されていて、駆動用のモ
−タ４９で前方あるいは後方に搬送自在に構成されてい
る。そして、粃受樋１０に受けられた粃を、案内板５０
で一側部の区分搬送部分４７ａに流下する構成とし、ま
た、摺出米風選部Ｂの摺落米受樋９の左右方向中間部に
開閉自在に設けられている摺落米流下口５０ａから、摺
落米が中央の区分搬送部分４７ｂに流下する構成とし、
また、混合米小米選別搬送装置２９における小米選別網
受樋３３ａの小米流下口から流下した小米が、小米案内
筒５１を経て他側部の区分搬送部分４７ｃに案内され
て、搬送ベルト４７が前側あるいは後側に回転すること
により、前後いずれかの側からこれらの穀粒が取り出さ
れ、穀粒処理が容易となる。なお、搬送ベルト４７を機
体の左右方向に回転する構成として、前後複数に区分さ
れた区分搬送部分から左右いずれかから、これらの穀粒
が取り出される構成としてもよい。

【００１１】次に、図１１について説明する。５２は、
搬送ばね５３，柔軟性材からなり搬送始端側部分のみ小
米流入口の構成されている筒５４，搬送ばね駆動用のモ
−タ５５で構成されているばね搬送装置で、混合米小米
選別搬送装置２９における小米選別網受樋３３ａの下方
には、ばね搬送装置５２における筒５４の搬送始端側を
位置させて、小米選別網受樋３３ａから小米流入口を経
由して筒５４に小米が流入する構成とし、筒５４に流入
した小米は搬送ばね５３で終端側に搬送されて、袋５６
に収納され、小米が回収される。

【００１２】次に、図１乃至図５に示す実施例の作用に
ついて説明する。籾摺選別機で籾摺選別作業をする場合
には、機体の回転各部を駆動し、籾ホッパ４に籾を供給
し、籾摺部Ａの籾供給調節弁（図示省略）を開けると、
籾が籾摺ロール５，５に供給され、互いに反対方向に回
転している籾摺ロール５，５で籾摺され、拡散板で拡散
された摺落米は下方の摺落米風選部Ｂの摺落米風選路８
に落下供給され、摺落米風選路８を流れている選別風に
より選別され、軽い籾殻は摺落米風選路８の終端側に流
れて、吸引排塵機１及び排塵筒１１を経て機外に排出さ
れ、また、比較的軽い粃米は粃受樋１０に落下選別さ
れ、また、重い籾・玄米の混合米は摺落米受樋９に流下
選別される。ついで、摺落米受樋９に選別された摺落米
は、摺落米ラセン１３で一横側方に搬送され、混合米揚
穀機２の下部に流入・揚穀されて、混合米ホッパ１４に
供給され、次いで、分配樋１７及び分配ケース１８を経
由して、揺動選別板１６，１６，…に供給される。

【００１３】このようにして、揺動選別板１６，１６，
…に供給された混合米は、揺動アーム（図示省略）の横
方向斜上下の往復揺動により、粒形の大小，比重の大小
あるいは摩擦抵抗の差異等により選別されて、横方向の
揺上側である玄米分布流域に偏流分布した玄米は、玄米
仕切板１９で仕切られて取り出されて、玄米受樋２１，
玄米流路２２を経て玄米揚穀機３の下部に流入し、玄米
揚穀機３で揚穀されて機外に取り出される。また、揺動
選別板１６，１６，…の横方向中間部である混合米分布
流域に偏流分布した混合米は、玄米仕切板１９と籾仕切
板２０とで仕切られて取り出され、混合米受樋２３，混
合米流路２４を経て混合米小米選別搬送装置２９に流入
し、混合米小米選別搬送装置２９で小米・青米が除去さ
れた後に混合米揚穀機２の下部に流入して揚穀され、更
に、混合米ホッパ１４，分配樋１７，分配ケース１８を
経て、揺動選別板１６，１６，…に供給されて再選別さ
れる。また、揺動選別板１６，１６，…の横方向揺下側
の籾分布流域に偏流分布した籾は、籾仕切板２０で仕切
られて取り出され、籾受樋２５，籾流路２６，籾揚穀機
２７を経て籾摺部Ａに揚穀還元されて、再度籾摺され
る。

【００１４】上述のように籾摺選別作業が行われるので
あるが、摺出米風選部Ｂの粃受樋１０に選別された粃
は、左・右傾斜案内板１０ａ，１０ｂで機体の左右方向
中央部の中央流下口１０ｃに集められて、粃搬送筒３４
の始端側に流入し、次いで、粃ラセン３３で搬送されて
機外に取り出されるものであり、この際に、粃搬送取出
装置３６の機体の左右方向中間部に位置している搬送始
端側を縦軸回りに回動して、粃搬送取出装置３６の終端
側を機体の左右に変更することにより、粃を機体の左右
いずれの側からも取り出すことができて、粃の後処理が
容易となる。

【００１５】

【発明の効果】この発明は、上述のように構成されてい
るので、摺出米風選部Ｂの粃受樋１０に受けられた粃
は、左・右傾斜案内板１０ａ，１０ｂで機体の左右方向
の中央部の中央流下口１０ｃに集められ、次いで、中央
流下口１０ｃから機体の左右の排出方向を切替ることの
できる粃搬送取出装置３６で取り出されるので、粃を作
業者の好みに応じて機体の左右いずれの側からでも取り
出すことができて、その後の粃の処理が容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】切断側面図

【図２】正面図

【図３】平面図

【図４】切断正面図

【図５】切断平面図

【図６】切断正面図

【図７】側面図、切断側面図、切断正面図

【図８】切断側面図、側面図、切断正面図

【図９】切断正面図

【図１０】切断側面図

【図１１】切断側面図

【符号の説明】

Ａ 籾摺部 Ｂ 摺落米風選部 Ｃ 混合米選別部 Ｄ 揚穀搬送部 １ 吸引排塵機 ２ 混合米揚穀機 ３ 玄米揚穀機 ４ 籾ホッパ ５ 籾摺ロール ６ 籾摺室 ７ 摺落米風選箱体 ８ 摺落米風選路 ９ 摺落米受樋 １０ 粃受樋 １１ 排塵筒 １３ 摺落米ラセン １４ 混合米ホッパ １５ 揺動選別装置 １６ 揺動選別板 １７ 分配樋 １８ 分配ケース １９ 玄米仕切板 ２０ 籾仕切板 ２１ 玄米受樋 ２２ 玄米流路 ２３ 混合米受樋 ２４ 混合米流路 ２５ 籾受樋 ２６ 籾流路 ２７ 籾揚穀機 ２８ 籾還元流路 ２９ 混合米小米選別搬送装置 ３０ ラセン翼 ３１ ラセン軸 ３２ モ−タ ３３ 粃ラセン ３３ａ 小米選別網受樋 ３４ 粃搬送筒 ３５ モ−タ ３６ 粃搬送取出装置 ３７ 粃ラセン軸 ３８ 柔軟性筒体 ３９ 切り目 ４０ ひれ ４１ 粃揚穀機 ４２ 揚穀羽根 ４３ 底板 ４４ 案内筒 ４５ 機台 ４６ 仕切体 ４７ 搬送ベルト ４７ａ，４７ｂ，４７ｃ 区分搬送部分 ４８ ロ−ラ ４９ モ−タ ５０ 案内版 ５１ 小米案内筒 ５２ ばね搬送装置 ５３ 搬送ばね ５４ 筒 ５５ モ−タ ５６ 袋

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 籾摺部Ａ，籾摺部Ａでの摺落米を風選す
   る摺落米風選部Ｂ，風選後の摺落米を籾・玄米に分離選
   別する混合米選別部Ｃを具備する籾摺選別機であつて、
   摺出米風選部Ｂの粃を受ける粃受樋１０を左・右傾斜案
   内板１０ａ，１０ｂで機体の左右方向の中央部に粃を集
   めて中央流下口１０ｃから取り出す構成とし、粃受樋１
   ０の中央流下口１０ｃには機体の左右排出を切替できる
   粃搬送取出装置３６を接続したことを特徴とする籾摺選
   別機の粃取出装置。