JPH05313359A - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

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JPH05313359A
JPH05313359A JP4112844A JP11284492A JPH05313359A JP H05313359 A JPH05313359 A JP H05313359A JP 4112844 A JP4112844 A JP 4112844A JP 11284492 A JP11284492 A JP 11284492A JP H05313359 A JPH05313359 A JP H05313359A
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彰 永島
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 粗面化処理し、しかる後に陽極酸化を施し、
該陽極酸化皮膜層が0.5g/m2以上であるアルミニウム
板上に、染料を含有するポジ型感光層を設けてなる感光
性平版印刷版において、該染料が塩基性染料カチオンと
対アニオンとの塩であって、該対アニオンはスルホン酸
基を唯一の交換基として有し、かつ1〜3個の水酸基を
有する炭素数10以上の有機アニオンであることを特徴
とする感光性平版印刷版。 【効果】 現像後の非画像部の残色が少なく、検版性に
すぐれ、得られた平版印刷版は非画像部が印刷時汚れに
くい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性平版印刷版に関
するものであり、特に改良された染料を含むポジ型感光
層を有する感光性平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来技術】o−キノンジアジド化合物とノボラック樹
脂からなる光可溶化組成物中に露光されると分解して酸
性物質を発生する化合物と、その光分解生成物と相互作
用をすることによってその色調を変える有機染料を含有
させて焼き出し性を付与することは公知である。例えば
光分解して酸性物質を発生する物質としては、特開昭5
0−36209号にo−ナフトキノンジアジド−4−ス
ルホン酸ハロゲニド、特開昭53−36223号にはト
リハロメチル−2−ピロンやトリハロメチルトリアジ
ン、特開昭55−62444号には種々のo−ナフトキ
ノンジアジド化合物、特開昭55−77742号には2
−トリハロメチル−5−アリール−1,3,4−オキサ
ジアゾール化合物などが提案されている。またこれらの
光分解物質と相互作用を行うことによってその色調を変
える有機染料としては、ジフェニルメタン系、トリアリ
ールメタン系、チアジン系、オキサジン系、フエナジン
系、キサンテン系、アントラキノン系、イミノナフトキ
ノン系、アゾメチン系の色素が示されており、具体的に
は次のようなものである。
【0003】ブリリアントグリーン、エオシン、エチル
バイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリ
スタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノール
フタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリ
ンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット
2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイ
エロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブル
ー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチオカル
バゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチル
レッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−
ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、
フエナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリ
ーン、パラフクシン、オイルブルー#603〔オリエン
ト化学工業(株)製〕、オイルピンク#312〔オリエ
ント化学工業(株)製〕、オイルレッド5B〔オリエン
ト化学工業(株)製〕、オイルスカーレット#308
〔オリエント化学工業(株)製〕、オイルレッドOG
〔オリエント化学工業(株)製〕、オイルレッドRR
〔オリエント化学工業(株)製〕、オイルグリーン#5
02〔オリエント化学工業(株)製〕、スピロンレッド
BEHスペシャル〔保土谷化学工業(株)製〕、ビクト
リアピュアーブルーBOH〔保土谷化学工業(株)
製〕、パテントピュアーブルー〔住友三国化学工業
(株)製〕、スーダンブルーII〔BASF社製〕、m−
クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミン
B、ローダミン6G、フアーストアッシドバイオレット
R、スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチ
ルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシ
アニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフ
トキノン、2−カルボステアリルアミノ−4−p−ジヒ
ドロオキシエチル−アミノ−フェニルイミノナフトキノ
ン、p−メトキシベンゾイル−p′−ジエチルアミノ−
o′−メチルフェニルイミノアセトアニリド、シアノ−
p−ジエチルアミノフェニルイミノアセトアニリド、1
−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェ
ニルイミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−
p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン
等。
【0004】一般に水溶性塩基性染料は、感光層塗膜に
おける発色効率(未露光時における画像部の濃度)が高
く、少量の添加で充分であり、さらに露光後の焼き出し
性(未露光部と露光部の濃度差で表現され、大きい程良
い)も良好であるなどの長所を有するものが多い。塩基
性染料の中でも、特にトリアリールメタン系染料は有効
である。しかし、これまでに知られている染料は、その
殆どが、対アニオンとしてクロルイオンを用いたもので
あるため、塗布時に使用される有機溶剤に対する溶解性
が十分でなく、この溶剤に溶解させるのに長時間かかる
上、溶解しない染料が生じるといった問題があった。ま
た、クロルイオン以外の対アニオンとして蓚酸又は硫酸
を使用した染料も知られているが、これらの染料を含む
ポジ型感光層を砂目立て及び陽極酸化したアルミニウム
支持体上に設けた感光性平版印刷版からは、現像後も非
画像部に染料が残留する、いわゆる「残色」の多い平版
印刷版しか得られないという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
溶剤への溶解性に優れ、従って、塗布液の調液時に均一
溶解が短時間で可能な塩基性染料を含有するポジ型感光
層を有する感光性平版印刷版を提供することである。本
発明の別の目的は、非画像部に残色の少ない平版印刷版
が得られるポジ型感光性平版印刷版を提供することであ
る。本発明の更に別の目的は、以下の説明で明らかにな
るであろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成すべく種々研究を重ねた結果本発明をなすに至った
ものであって、その要旨は、粗面化処理し、しかる後に
陽極酸化を施し、該陽極酸化皮膜層が0.5g/m2以上で
あるアルミニウム板上に、染料を含有するポジ型感光層
を設けてなる感光性平版印刷版において、該染料が塩基
性染料カチオンと対アニオンとの塩であって、該対アニ
オンはスルホン酸基を唯一の交換基として有し、かつ1
〜3個の水酸基を有する、炭素数10以上の有機アニオ
ンであることを特徴とする感光性平版印刷版である。
【0007】以下、本発明について順を追って詳しく説
明する。本発明において用いられるアルミニウム板は、
純アルミニウム又は、アルミニウムを主成分とし、微量
の異原子を含むアルミニウム合金等の板状体である。こ
の異原子には、硅素、鉄、マンガン、銅、マグネシウ
ム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどが
ある。合金中の異原子の含有量は高々10重量%以下で
ある。本発明に好適なアルミニウムは純アルミニウムで
あるが、完全に純粋なアルミニウムは、精練技術上製造
が困難であるので、できるだけ異原子の含有量の低いも
のがよい。又、上述した程度の含有率のアルミニウム合
金であれば、本発明に適用しうる素材ということができ
る。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、
その組成が特定されるものではなく従来公知、公用の素
材のものを適宜利用することができる。本発明に用いら
れるアルミニウム板の厚さは、およそ0.1mm〜0.5mm程
度である。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、
所望により、表面の圧延油を除去するための、例えば界
面活性剤又はアルカリ性水溶液による脱脂処理が行なわ
れる。なお本発明の感光性平版印刷版は、片面のみ使用
できるものであっても、両面とも同様な処理によって使
用できるものであってもよい。両面でも同様なため、以
下は、片面の場合について説明する。粗面化処理方法と
しては、機械的に表面を粗面化する方法、電気化学的に
表面を溶解する方法及び化学的に表面を選択溶解させる
方法がある。機械的に表面を粗面化する方法としては、
ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研
磨法等と称せられる公知の方法を用いることができる。
また電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液
中で交流又は直流により行なう方法がある。また、特開
昭54−63902号公報に開示されているように両者
を組合せた方法も利用することができる。このように粗
面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエ
ッチング処理及び中和処理される。
【0008】アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられ
る電解質としては多孔質酸化皮膜を形成するものならば
いかなるものでも使用することができ、一般には硫酸、
燐酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いら
れ、それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜
決められる。陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解
質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電
流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜50分の範囲にあれば適当である。陽極酸化皮
膜の量は0.5g/m2以上が好適であるが、より好ましく
は1.0〜6.0g/m2の範囲である。陽極酸化皮膜が0.5
g/m2 より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版
印刷版の非画像部に傷がつき易くなって、印刷時に、傷
の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易
くなる。
【0009】上記のように粗面化され、さらに陽極酸化
されたアルミニウム板は、必要に応じて親水化処理して
も良く、その好ましい例としては米国特許第2,714,066
号及び同第3,181,461 号に開示されているようなアルカ
リ金属シリケート(例えば珪酸ナトリウム)の水溶液、
特公昭36−22063号(=米国特許第2,946,683号
明細書)に開示されている弗化ジルコニウム酸カリウム
水溶液または米国特許第4,153,461 号明細書に開示され
ているようなポリビニルホスホン酸水溶液で処理する方
法、熱水や特開昭59−114100号公報に開示され
ているような水蒸気で処理する方法、特開平3−235
950号公報に開示されているような亜硝酸又はその塩
などの水溶液、スルホン酸又はその塩などの水溶液で処
理する方法がある。このように処理されたアルミニウム
板は、感光層を塗布する前に、残色を少なくする目的な
どのために水溶性金属塩を含む親水性セルロースを下塗
りする方法、又は英国特許第2,098,627 号公報に記載さ
れているようなアリールスルホン酸ナトリウムを下塗り
する方法、そのほか、米国特許第3,511,661 号明細書に
開示されているポリアクリルアミド、特公昭46−35
685号公報に開示されているポリビニルホスホン酸、
特開昭60−149491号公報に開示されているアミ
ノ酸およびその塩類(Na塩、K塩等のアルカリ金属塩、
アンモニウム塩、塩酸塩、蓚酸塩、酢酸塩、りん酸塩
等)、特開昭60−232998号公報に開示されてい
る水酸基を有するアミン類およびその塩類(塩酸塩、蓚
酸塩、りん酸塩等)、特開昭63−165183号公報
および特開平3−261542号公報に開示されている
アミノ基及びホスホン酸基を有する化合物又はその塩を
下塗りする方法、特願平3−10604号に示されてい
るホスホン酸類を下塗りする方法およびこれらの下塗り
を組合せる方法などを施こすことが好ましい。
【0010】このようにして得られた親水性化合物で被
覆されたアルミニウム支持体上に、公知のポジ型感光性
組成物よりなる感光層を設けて、感光性平版印刷版を得
る。上記の感光層の組成物としては、露光の前後で現像
液に対する溶解性又は膨潤性が変化するものであればい
ずれも使用できる。以下、その代表的なものについて説
明する。ポジ型感光性組成物の感光性化合物としては、
o−キノンジアジド化合物が挙げられ、その代表として
o−ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。o−ナ
フトキノンジアジド化合物としては、特公昭43−28
403号公報に記載されている1,2−ジアゾナフトキ
ノンスルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹
脂とのエステルであるものが好ましい。その他の好適な
オルトキノンジアジド化合物としては、米国特許第3,04
6,120 号および同第3,188,210 号明細書中に記載されて
いる1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸クロ
リドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル
があり、特開平2−96163号公報、特開平2−96
165号公報、特開平2−96761号公報に記載され
ている1,2−ジアゾナフトキノン−4−スルホン酸ク
ロリドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステ
ルがある。その他の有用なo−ナフトキノンジアジド化
合物としては、数多くの特許に報告され、知られている
ものが挙げられる。たとえば、特開昭47−5303
号、同48−63802号、同48−63803号、同
48−96575号、同49−38701号、同48−
13354号、特公昭37−18015号、同41−1
1222号、同45−9610号、同49−17481
号公報、米国特許第2,797,213 号、同第3,454,400 号、
同第3,544,323 号、同第3,573,917 号、同第3,674,495
号、同第3,785,825 号、英国特許第1,227,602 号、同第
1,251,345 号、同第1,267,005 号、同第1,329,888号、
同第1,330,932 号、ドイツ特許第854,890 号などの各明
細書中に記載されているものをあげることができる。
【0011】本発明において特に好ましいo−ナフトキ
ノンジアジド化合物は、分子量1,000以下のポリヒド
ロキシ化合物と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸
クロリドとの反応により得られる化合物である。このよ
うな化合物の具体例は、特開昭51−139402号、
同58−150948号、同58−203434号、同
59−165053号、同60−121445号、同6
0−134235号、同60−163043号、同61
−118744号、同62−10645号、同62−1
0646号、同62−153950号、同62−178
562号、同64−76047号、米国特許第3,102,80
9 号、同第3,126,281 号、同第3,130,047 号、同第3,14
8,983 号、同第3,184,310 号、同第3,188,210 号、同第
4,639,406 号などの各公報または明細書に記載されてい
るものを挙げることができる。
【0012】これらのo−ナフトキノンジアジド化合物
を合成する際は、ポリヒドロキシ化合物のヒドロキシル
基に対して1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロ
リドを0.2〜1.2当量反応させる事が好ましく、0.3〜
1.0当量反応させる事がさらに好ましい。1,2−ジア
ゾナフトキノンスルホン酸クロリドとしては、1,2−
ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸クロリドまたは
1,2−ジアゾナフトキノン−4−スルホン酸クロリド
を用いることができる。また得られるo−ナフトキノン
ジアジド化合物は、1,2−ジアゾナフトキノンスルホ
ン酸エステル基の位置及び導入量の種々異なるものの混
合物となるが、ヒドロキシル基がすべて1,2−ジアゾ
ナフトキノンスルホン酸エステルで転換された化合物が
この混合物中に占める割合(完全にエステル化された化
合物の含有率)は5モル%以上である事が好ましく、さ
らに好ましくは20〜99モル%である。
【0013】またo−ナフトキノンジアジド化合物を用
いずにポジ型に作用する感光性化合物として、例えば特
公昭56−2696号に記載されているオルトニトロカ
ルビノールエステル基を有するポリマー化合物も本発明
に使用することができる。更に光分解により酸を発生す
る化合物と、酸により解離する−C−O−C基又は−C
−O−Si基を有する化合物との組合せ系も本発明に使用
することができる。例えば光分解により酸を発生する化
合物とアセタール又はO,N−アセタール化合物との組
合せ(特開昭48−89003号)、オルトエステル又
はアミドアセタール化合物との組合せ(特開昭51−1
20714号)、主鎖にアセタール又はケタール基を有
するポリマーとの組合せ(特開昭53−133429
号)、エノールエーテル化合物との組合せ(特開昭55
−12995号)、N−アシルイミノ炭素化合物との組
合せ(特開昭55−126236号)、主鎖にオルトエ
ステル基を有するポリマーとの組合せ(特開昭56−1
7345号)、シリルエステル化合物との組合せ(特開
昭60−10247号)及びシリルエーテル化合物との
組合せ(特開昭60−37549号、特開昭60−12
1446号)などが挙げられる。
【0014】本発明の感光性組成物中に占めるこれらの
ポジ型に作用する感光性化合物(上記のような組合せを
含む)の量は10〜50重量%が適当であり、より好ま
しくは15〜40重量%である。o−キノンジアジド化
合物は単独でも感光層を構成するが、アルカリ水に可溶
な樹脂を結合剤(バインダー)としてこの種の樹脂と共
に使用することが好ましい。このようなアルカリ水に可
溶性の樹脂としては、この性質を有するノボラック樹脂
があり、たとえばフェノールホルムアルデヒド樹脂、m
−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホ
ルムアルデヒド樹脂、o−クレゾールホルムアルデヒド
樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹
脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,o−又はm
−/p−,m−/o−混合のいずれでもよい)混合ホル
ムアルデヒド樹脂などのクレゾールホルムアルデヒド樹
脂などが挙げられる。その他、レゾール型のフェノール
樹脂類も好適に用いられ、フェノール/クレゾール(m
−,p−,o−又はm−/p−,m−/o−混合のいず
れでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂が、好ましく、
特に特開昭61−217034号公報に記載されている
フェノール樹脂類が好ましい。
【0015】また、フェノール変性キシレン樹脂、ポリ
ヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレ
ン、特開昭51−34711号公報に開示されているよ
うなフェノール性水酸基を含有するアクリル系樹脂、特
開平2−866号に記載のスルホンアミド基を有するア
クリル系樹脂や、ウレタン系の樹脂、等種々のアルカリ
可溶性の高分子化合物も用いることができる。これらの
アルカリ可溶性高分子化合物は、重量平均分子量が50
0〜20,000で数平均分子量が200〜60,000の
ものが好ましい。かかるアルカリ可溶性の高分子化合物
は1種類あるいは2種類以上を組合せて使用してもよ
く、全組成物の80重量%以下の添加量で用いられる。
更に、米国特許第4,123,279 号明細書に記載されている
ように、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、
オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような、炭
素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノー
ルとホルムアルデヒドとの縮合物を併用することは画像
の感脂性を向上させる上で好ましい。
【0016】本発明における感光性組成物中には、感度
を高めるために環状酸無水物類、フェノール類、有機酸
類を添加することが好ましい。環状酸無水物としては米
国特許第4,115,128 号明細書に記載されているように無
水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−Δ4 −テトラヒ
ドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マ
レイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マ
レイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸等があ
る。フェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニ
トロフェノール、p−エトキシフェノール、2,3,4
−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベン
ゾフェノン、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェ
ノン、4,4,4″−トリヒドロキシ−トリフェニルメ
タン、4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,
5,3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタンなど
が挙げられる。
【0017】有機酸類としては、特開昭60−8894
2号公報、特開平2−96755号公報などに記載され
ている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸
類、ホスホン酸類、ホスフィン酸類、リン酸エステル
類、カルボン酸類などがあり、具体的には、p−トルエ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、
フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェ
ニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トル
イル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレ
フタル酸、1,4−シクロヘキセン−2,2−ジカルボ
ン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アス
コルビン酸などが挙げられる。上記の環状酸無水物類、
フェノール類、有機酸類の感光性組成物中に占める割合
は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは、
0.1〜5重量%である。
【0018】また、本発明における感光性組成物中に
は、現像のラチチュードを広げるために、特開昭62−
251740号公報や、特願平2−181248号明細
書に記載されているような非イオン性界面活性剤、特開
昭59−121044号公報、特願平2−115992
号明細書に記載されているような両性界面活性剤を添加
することができる。非イオン性界面活性剤の具体例とし
ては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパ
ルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モ
ノグリセリド、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレ
ート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなど
が挙げられ、両性界面活性剤の具体例としては、アルキ
ルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエ
チルグリシン塩酸塩、アモーゲンK(商品名、第一工業
(株)製、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型)、
2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシ
エチルイミダゾリニウムベタイン、レボン15(商品
名、三洋化成(株)製、アルキルイミダゾリン系)など
が挙げられる。上記非イオン性界面活性剤、両性界面活
性剤の感光性組成物中に占める割合は0.05%〜15重
量%が好ましく、より好ましくは、0.1〜5重量%であ
る。
【0019】本発明における感光性組成物中には、露光
後直ちに可視像を得るための焼出し剤、画像着色剤とし
ての染料やその他のフィラーなどを加えることができ
る。本発明に用いられるポジ型感光性組成物には、塩基
性染料骨格を有するカチオンと、スルホン酸基を唯一の
交換基として有し、1〜3個の水酸基を有する炭素数1
0以上の有機アニオンとの塩からなる染料を添加する。
通常塩基性染料とは酸性基を含まない水溶性染料であっ
て水溶液中で色素部分が陽イオンになるものをいう。最
近では特にカチオン染料とも称される。広義のアミノ
基、または複素環窒素を含み、これが酸成分と塩を形成
している。一般に塩酸塩が多いが、一部塩化亜塩複塩あ
るいは硫酸塩および蓚酸塩もある。このような塩は水に
対する溶解性が良いが、有機溶剤に対する溶解性が不十
分である。しかし他種染料に比べ一般に色濃度が高く、
色調が鮮明なことが特徴である。構造上、各種の形のも
のを含むが、下記式(1)〜(7)で表されるトリアリ
ールメタン、キサンテン(ザンセン染料)、アクリジ
ン、アジン、オキサジン、チアジン、シアニンなどの各
染料に属するものが多く、その他にメチン、ポリメチ
ン、アントラキノン、アゾ染料に属するものもあり、本
発明においては、これらの染料骨格を有するものを使用
することができる。このような塩基性染料の骨格につい
ては、従来から公知であり「染料便覧:有機合成化学協
会編」「COLOUR INDEX」などに詳細に記載されている。
その中でもトリアリールメタン系染料が好ましく、特に
下記の一般式(I)、(II)で示される基本骨格を有す
るものが好ましい。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】式中R1 〜R6 は水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基、またはアルキル基、ハロゲン原子、ニト
ロ基などの置換基を有していてもよいアリール基を示
す。水溶性の塩基性染料を使用して、有機溶剤への溶解
性を向上させるためには、親油性の高い有機スルホン酸
を対アニオンとすることにより可能であり、またスルホ
ン酸基を唯一の交換基として有する化合物を対アニオン
とすれば露光後の焼き出し性も良好で、クロル対アニオ
ンと比較して残色が少なくなることが、特開昭62−2
93247号公報に開示されている。ここで交換基と
は、イオン交換反応を行なう能力を与える基のことで、
スルホン酸基(−SO3H) 、ホスホノ基(−PO3H2)、カル
ボキシル基(−COOH) などの基のことである。しかしな
がら、これらの染料においても現像後の印刷版の検版作
業がし易いように画像濃度が高い印刷版を作ろうとして
染料の添加量を増加すると残色が増加し、検版作業がし
にくくなることが判明した。
【0024】本発明者らは、対アニオンとして、スルホ
ン酸基を唯一の交換基として有し、かつ1〜3個の水酸
基を有する炭素数10以上の有機アニオンを持つ塩基性
染料が、有機溶剤への溶解性に優れ、ポジ型感光性印刷
版の感光層に用いた場合、非画像部に残色が少なく、焼
出し性が優れ、かつ経時での画像濃度低下が少ないこと
を見出した。本発明における交換基とは、イオン交換反
応を行なう能力を与える基のことで、具体的にはスルホ
ン酸基(−SO3H) 、ホスホノ基(−PO3H2)、カルボキシ
ル基(−COOH) のことであり、フェノール性水酸基など
の水酸基(−OH)は含まれない。好ましい有機アニオン
としては、ナフタレン環を有する下記一般式(III)で示
されるものが挙げられる。
【0025】
【化4】
【0026】式中R7 は水素原子、シアノ基、ハロゲン
原子、-O-CO-R12 、-CO-O-R12 、-R 13-CO-O-R14 、置換
もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルコ
キシ基を示し、R8 〜R11は水酸基、水素原子、シアノ
基、ハロゲン原子、-O-CO-R1 5 、-CO-O-R15 、-R16-CO-
OR17、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非
置換アルコキシ基を示し、ただしR8 〜R11のうち、1
〜3個は水酸基である。また、R12、R14、R15、R17
は置換もしくは非置換アルキル基であり、R13、R16
置換もしくは非置換アルキレン基である。
【0027】「残色」は現像後の平版印刷版における非
画像部(支持体表面が露出した部分)の反射光学濃度か
ら、感光層を設ける前のアルミニウム支持体表面の反射
光学濃度を差し引いた値で示され、この値が小さいほど
残色が少なく好ましい。特に多量の現像を行なった疲労
現像液で現像した場合に残色が多くなる傾向にある。ま
た「焼き出し性」は、感光層における未露光部の反射光
学濃度と露光部の反射光学濃度の差で示され、この差の
大きい方が好ましい。本発明に使用される、有機アニオ
ンには、芳香族化合物が望ましく、次のような化合物を
挙げることができる。
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】本発明に使用される塩基性染料は、例えば
市販品として入手できるクロル対アニオン含有塩基性染
料の水溶液と前述の如き1個のスルホン酸基を交換基と
して有し、かつ1〜3個の水酸基を有する炭素数10以
上の有機アニオンのナトリウム塩、カリウム塩のような
アルカリ金属塩又は遊離の酸の水溶液を混合して、対ア
ニオンの交換反応によって水不溶性の染料とし、これを
濾集、水洗することにより得ることができる。これらの
染料は単独または混合して使用することができ、添加量
はポジ型感光性組成物の総重量に対して組成物中0.3〜
15重量%が好ましい。また必要に応じて他の染料、顔
料と併用でき、その使用量は染料及び顔料の総重量に対
して70重量%以下、より好ましくは50重量%以下で
ある。本発明に使用されるポジ型感光性組成物にはこの
染料と相互作用をして色調を変えさせる光分解物を発生
させる化合物、たとえば特開昭50−36209号(米
国特許3,969,118 号)に記載のo−ナフトキノンジアジ
ド−4−スルホン酸ハロゲニド、特開昭53−3622
3号(=米国特許4,160,671 号)に記載のトリハロメチ
ル−2−ピロンやトリハロメチルトリアジン、特開昭5
5−62444号(=英国特許2,038,801 号)に記載の
種々のo−ナフトキノンジアジド化合物、特開昭55−
77742号(=米国特許4,279,982 号)に記載の2−
トリハロメチル−5−アリール−1,3,4−オキサジ
アゾール化合物などを添加することが出来る。これらの
化合物は単独又は混合して使用することが出来、添加量
は0.3〜15重量%が好ましい。
【0034】本発明の感光性平版印刷版は、上記各成分
を溶解する溶媒に溶かして支持体に塗布することによっ
て得られる。ここで使用する溶媒としては、エチレンジ
クロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテ
ート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ
−2−プロピルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳
酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、水、N−メチ
ルピロリドン、テトラヒドロフルフリルアルコール、ア
セトン、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ジエチレングリコールジメチル
エーテルなどがあり、これらの溶媒を単独あるいは混合
して使用する。そして、上記成分中の濃度(固形分)
は、2〜50重量%である。また、塗布量は用途により
異なるが、例えば感光性平版印刷版についていえば一般
的に固形分として0.5〜3.0g/m2が好ましい。塗布量
が薄くなるにつれ感光性は大になるが、感光膜の物性は
低下する。
【0035】本発明における感光性層中には、塗布性を
良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−170
950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性
剤を添加することができる。好ましい添加量は、全感光
性組成物の0.01〜1重量%さらに好ましくは0.05〜
0.5重量%である。上記のようにして設けられた感光層
の表面は、真空焼枠を用いた密着露光の際の真空引きの
時間を短縮し、かつ焼きボケを防ぐ為、マット化するこ
とが好ましい。具体的には、特開昭50−125805
号、特公昭57−6582号、同61−28986号の
各公報に記載されているようなマット層を設ける方法、
特公昭62−62337号公報に記載されているような
固体粉末を熱融着させる方法などがあげられる。
【0036】本発明の感光性平版印刷版に対する現像液
は、実質的に有機溶剤を含まないアルカリ性の水溶液が
好ましく、具体的には珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、
第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リ
ン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタ珪酸
ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、重炭酸カリウム、アンモニア水などのような
水溶液が適当であり、それらの濃度が0.1〜10重量
%、好ましくは0.5〜5重量%になるように添加され
る。これらの中でもケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、
ケイ酸ナトリウム等のケイ酸アルカリを含有する現像液
は、印刷時の汚れが生じにくいため好ましく、ケイ酸ア
ルカリの組成がモル比で〔SiO2〕/〔M〕=0.5〜2.5
(ここに〔SiO2〕、〔M〕はそれぞれ、SiO2のモル濃度
と総アルカリ金属のモル濃度を示す。)であり、かつSi
O2を0.8〜8重量%含有する現像液が好ましく用いられ
る。また該現像液中には、例えば亜硫酸ナトリウム、亜
硫酸カリウム、亜硫酸マグネシウムなどの水溶性亜硫酸
塩や、レゾルシン、メチルレゾルシン、ハイドロキノ
ン、チオサリチル酸などを添加することができる。これ
らの化合物の現像液中における好ましい含有量は0.00
2〜4重量%で、好ましくは、0.01〜1重量%であ
る。
【0037】また該現像液中に、特開昭50−5132
4号公報、同59−84241号公報に記載されている
ようなアニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤、特
開昭59−75255号公報、同60−111246号
公報及び同60−213943号公報等に記載されてい
るような非イオン性界面活性剤のうち少なくとも一種を
含有させることにより、または特開昭55−95946
号公報、同56−142528号公報に記載されている
ように高分子電解質を含有させることにより、感光性組
成物への濡れ性を高めたり、現像の安定性(現像ラチチ
ュード)を高めたりすることができ、好ましく用いられ
る。かかる界面活性剤の添加量は0.001〜2重量%が
好ましく、特に0.003〜0.5重量%が好ましい。さら
に該ケイ酸アルカリのアルカリ金属として、全アルカリ
金属中、カリウムを20モル%以上含むことが現像液中
で不溶物発生が少ないため好ましく、より好ましくは9
0モル%以上、最も好ましくはカリウムが100モル%
の場合である。更に本発明に使用される現像液には、若
干のアルコール等の有機溶媒や特開昭58−19095
2号公報に記載されているキレート剤、特公平1−30
139号公報に記載されているような金属塩、有機シラ
ン化合物などの消泡剤を添加することができる。露光に
使用される光源としてはカーボンアーク灯、水銀灯、キ
セノンランプ、タングステンランプ、メタルハライドラ
ンプなどがある。
【0038】本発明の感光性平版印刷版は、特開昭54
−8002号、同55−115045号、特開昭59−
58431号の各公報に記載されている方法で製版処理
してもよいことは言うまでもない。即ち、現像処理後、
水洗してから不感脂化処理、またはそのまま不感脂化処
理、または酸を含む水溶液での処理、または酸を含む水
溶液で処理後不感脂化処理を施してもよい。さらに、こ
の種の感光性平版印刷版の現像工程では、処理量に応じ
てアルカリ水溶液が消費されアルカリ濃度が減少した
り、あるいは、自動現像液の長時間運転により空気によ
ってアルカリ濃度が減少するため処理能力が低下する
が、その際、特開昭54−62004号に記載のように
補充液を用いて処理能力を回復させてもよい。この場
合、米国特許第4,882,246 号に記載されている方法で補
充することが好ましい。また、上記のような製版処理
は、特開平2−7054号、同2−32357号に記載
されているような自動現像機で行うことが好ましい。ま
た、本発明の感光性平版印刷版を画像露光し、現像し、
水洗又はリンスしたのちに、不必要な画像部の消去を行
なう場合には、特公平2−13293号公報に記載され
ているような消去液を用いることが好ましい。更に製版
工程の最終工程で所望により塗布される不感脂化ガムと
しては、特公昭62−16834号、同62−2511
8号、同63−52600号、特開昭62−7595
号、同62−11693号、同62−83194号の各
公報に記載されているものが好ましい。更にまた、本発
明の感光性平版印刷版を画像露光し、現像し、水洗又は
リンスし、所望により消去作業をし、水洗したのちにバ
ーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2
518号、同55−28062号、特開昭62−318
59号、同61−159655号の各公報に記載されて
いるような整面液で処理することが好ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明の感光性平版印刷版は、従来のも
のに比べ現像後の非画像部の残色が少なく、従って検版
性に優れ、また得られた平版印刷版は非画像部が印刷時
汚れにくく、高い耐刷力を有するという顕著な性能を有
する。従来より、残色が少なく、印刷時汚れにくい感光
性平版印刷版は、得られた平版印刷版の耐刷力が低く、
逆に耐刷力が高いものは残色が多く、汚れ易いという性
質をもっており、これらを同時に満足させることはきわ
めて困難であるとされていた。しかしながら本発明によ
る感光性平版印刷版は、残色が少なく、印刷時汚れにく
いという性質を有すると同時に、得られた平版印刷版は
高い耐刷力を有するという従来得られなかった優れた性
質を有している。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて、より具体的
に説明する。なお、実施例中の「%」は、特に指定のな
い限り「重量%」を示すものとする。
【0041】実施例1〜17、比較例1〜9 厚さ0.30mmのアルミニウム板をナイロンブラシと40
0メッシュのパミストンの水懸濁液を用いその表面を砂
目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリ
ウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流
水で水洗後20% HNO3で中和洗浄、水洗した。これを
A =12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用い
て1%硝酸水溶液中で160クーロン/dm2 の陽極時電
気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定し
たところ、0.6μ(Ra 表示)であった。ひきつづいて
30%のH2SO4 水溶液中に浸漬し55℃で2分間デスマ
ットした後、20% H2SO4水溶液中、電流密度2A/dm
2 において厚さが2.7g/m2になるように陽極酸化し、
基板を調製した。このように処理された基板の表面に下
記組成の下塗り液(A)を塗布し80℃、30秒間乾燥
した。乾燥後の被覆量は30mg/m2であった。 下塗り液(A) アミノエチルホスホン酸 0.10g フェニルホスホン酸 0.15g β−アラニン 0.10g メタノール 40g 純 水 60g このようにして基板(I)を作製した。次にこの基板
(I)上に次の感光液を塗布し、100℃で1分間乾燥
してポジ型感光性平版印刷版を得た。乾燥後の塗布量は
1.7gであった。
【0042】 〔感光液〕 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物(米国特 許第3,635,709 号明細書の実施例1に記載されているもの) 0.45g クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂(メタ, パラ比;6対4、重量平均分子量3,000 、数平均分子量 1,100 、未反応のクレゾールを0.7%含有) 1.1g m−クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂(重量 平均分子量1,700 、数平均分子量600 、未反応のクレゾ ールを1%含有) 0.3g ポリ〔N−(P−アミノスルホニルフェニル)アクリル アミド−コ−ノルマルブチルアクリレート−コ−ジエ チレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート〕 (特願平3−311241号に記載されているもので、各モノ マーのモル比は順に40:40:20、重量平均分子量 40,000、数平均分子量20,000) 0.2g P−ノルマルオクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂 (米国特許第4,123,279 号明細書に記載されているもの) 0.02g ナフトキノンジアジド−1,2−ジアジド−4−スルホン酸 クロライド 0.01g テトラヒドロ無水フタル酸 安息香酸 0.02g 4−〔p−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノフ ェニル〕−2,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジ ン 0.01g 4−〔P−N−(P−ヒドロキシベンゾイル)アミノフェニル〕 −2,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン 0.02g 2−トリクロロメチル−5−(4−ヒドロキシスチリル) −1,3,4−オキサジアゾール 0.01g 染料(表1参照) モディパーF−200(日本油脂(株)製フッ素系界面活性剤、 30重量%のメチルエチルケトンとメチルイソブチルケトン 混合溶剤溶液) 0.06g メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製 フッ素系界面活性剤、20重量%のメチルイソブチル ケトン溶液 0.02g メチルエチルケトン 25g なお染料の添加量は、画像濃度が0.98になるような添
加量とした。このようにして作られた感光性平版印刷版
を、真空焼枠中で、透明ポジテイブフィルムを通して1
mの距離から3kwのメタルハライドランプにより、50
秒間露光を行なったのち、SiO2/Na2Oのモル比が1.74
の珪酸ナトリウムの5.26%水溶液(pH=12.7)で現
像し評価した。その結果を表1に示す。
【0043】 表 1 ─────────────────────────────────── 添加量 溶剤 残色 焼き 収率 No. ─────────── (g) 溶解 (ΔD) 出し (%) カチオン アニオン 性 (ΔD) ─────────────────────────────────── 実施例1 (a) (3) 0.029 A 0.02 0.28 92 〃 2 〃 (4) 0.029 A 0.02 0.28 90 〃 3 〃 (5) 0.029 A 0.02 0.28 91 〃 4 〃 (6) 0.029 A 0.02 0.28 90 〃 5 〃 (7) 0.030 A 0.02 0.28 88 〃 6 〃 (21) 0.029 A 0.02 0.28 85 〃 7 〃 (22) 0.030 A 0.02 0.28 91 〃 8 〃 (23) 0.030 A 0.02 0.28 89 〃 9 〃 (24) 0.030 A 0.02 0.28 92 〃 10 〃 (16) 0.030 A 0.02 0.28 93 〃 11 〃 (18) 0.030 A 0.03 0.28 85 ─────────────────────────────────── 比較例1 〃 C1 0.029 A 0.05 0.28 90 〃 2 〃 C2 0.027 A 0.06 0.27 50 〃 3 〃 C3 0.030 A 0.09 0.24 50 〃 4 〃 C4 0.024 C 0.05 0.28 - ─────────────────────────────────── 実施例12 (b) (21) 0.038 A 0.02 0.23 92 〃 13 〃 (25) 0.038 A 0.02 0.23 91 〃 14 〃 (26) 0.038 A 0.02 0.23 93 〃 15 〃 (27) 0.038 A 0.02 0.23 92 〃 16 〃 (28) 0.038 A 0.02 0.23 91 〃 17 〃 (20) 0.038 A 0.02 0.23 90 ─────────────────────────────────── 比較例5 〃 C5 0.038 A 0.04 0.23 92 〃 6 〃 C6 0.038 A 0.04 0.23 90 〃 7 〃 C7 0.038 A 0.04 0.23 90 〃 8 〃 C8 0.036 A 0.09 0.19 60 〃 9 〃 C4 0.030 B 0.06 0.21 - ───────────────────────────────────
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】溶剤溶解性は、有機溶剤(メチルエチルケ
トン)への溶解性を示し、“A”は残渣が完全になくな
るまで約10分の攪拌で充分であり、“B”は約30
分、“C”は約50分以上必要であることを意味する。
残色は、1リットルあたり5m2のプレートを処理した疲
労現像液で現像後の〔現像後の非画像部濃度−未塗布ア
ルミニウム支持体濃度〕で示している。焼き出し性は、
上記露光条件での〔未露光部濃度−露光部濃度〕で示し
ている。収率は、対イオンを交換した時の濾過精製後の
染料モル数/仕込み染料モル数(%)で表わした。表1
から明らかなように、本発明により優れた感光性平版印
刷版を得ることができた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化処理し、しかる後に陽極酸化を施
    し、該陽極酸化皮膜層が0.5g/m2以上であるアルミニ
    ウム板上に、染料を含有するポジ型感光層を設けてなる
    感光性平版印刷版において、該染料が塩基性染料カチオ
    ンと対アニオンとの塩であって、該対アニオンはスルホ
    ン酸基を唯一の交換基として有し、かつ1〜3個の水酸
    基を有する炭素数10以上の有機アニオンであることを
    特徴とする感光性平版印刷版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0713143A2 (en) 1994-11-18 1996-05-22 Fuji Photo Film Co., Ltd. Photosensitive planographic printing plate

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