JPH05312703A - 振り降ろし式衝撃試験機 - Google Patents

振り降ろし式衝撃試験機

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JPH05312703A
JPH05312703A JP11744092A JP11744092A JPH05312703A JP H05312703 A JPH05312703 A JP H05312703A JP 11744092 A JP11744092 A JP 11744092A JP 11744092 A JP11744092 A JP 11744092A JP H05312703 A JPH05312703 A JP H05312703A
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JP
Japan
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hammer
test piece
swing
angle
rotary encoder
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JP11744092A
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Yoshio Fukushima
義夫 福島
Takashi Hashimoto
隆 橋本
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Idemitsu Fine Composites Co Ltd
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CALP Corp
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  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝突後のハンマー停止時の角度を高精度で読
み取ることができ、かつ試験片破壊中のハンマー挙動の
解析が可能な振り降ろし式衝撃試験機の提供。 【構成】 ハンマー20の回転角度を検出する回転角度検
出器であるロータリーエンコーダ40を設け、制御演算手
段50によりロータリーエンコーダ40からの検出信号に基
づいてハンマー20の移動速度等を演算し、試験片11破壊
中の破壊挙動を把握し、細かな物性データを得るととも
に、ハンマー20停止位置の読み取りを高精度化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振り降ろし式衝撃試験
機に係り、試験片の破壊エネルギー量から試験片の物性
を求めるアイゾット衝撃試験やシャルピー衝撃試験など
に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、高分子材料を初め、多くの材料
が電気機器部品、自動車部品等の工業材料に使用されて
いる。近年、これらの材料は、高強度化、高機能化が求
められており、材料の開発や選定に当たって、より細か
い特性データをより高精度に出すことが要求されてい
る。
【0003】材料の物性データを採取する方法には、材
料をハンマーにより破壊してその破壊に要した破壊エネ
ルギーを測定することにより材料の物性を調べるアイゾ
ット衝撃試験機やシャルピー衝撃試験機などの振り降ろ
し式衝撃試験機を用いる方法がある。従って、これらの
振り降ろし式衝撃試験機においても上述のような高精度
化等の要求に対応させていく必要がある。
【0004】つまり、最近の新物質、特に有機化合物は
その複雑な分子構造上、その物性の強度を単に破壊エネ
ルギーの大小で表すだけでは物性評価上不充分な状況と
なっており、試験片破壊中の極短時間の破壊挙動を解析
し、より細かな物性データを採取する必要がある。ま
た、材料の強度を単に破壊エネルギーの大小で表すだけ
の場合であっても、その測定を高精度化する必要があ
る。
【0005】そこで、細かな物性データを採取するため
に、ハンマーの背面に圧電センサーを設けてエネルギー
変化を測定する方法が提案されている(第一従来例;特
開昭60−97237 号公報参照)。この例では、ハンマーの
背面に設けた圧電センサーにより、ハンマーと試験片と
の衝突から試験片が破壊に至るまでの極短時間のエネル
ギー変化を測定し、高速デジタル信号記憶装置等を用い
て試験片材料の物性を解析している。この例によれば、
試験片の破壊エネルギーを弾性変形領域、塑性変形領
域、引裂変形領域の三段階に分解して細かく試験片の物
性を把握することができる。
【0006】また、材料の強度を破壊エネルギーの大小
で表すために衝突後のハンマーの停止位置の読み取りが
行われるが、この読み取り方法としては、従来より目視
読み取り型と自動読み取り型とがある。目視読み取り型
の振り降ろし式衝撃試験機では、アナログ形式の角度読
み取り板により測定者が角度を目で読み取り、エネルギ
ーに換算している。ただし、この場合の読み取り角度の
精度は、0.5 度が限界である。自動読み取り型の振り降
ろし式衝撃試験機では、角度読み取り板に磁気テープを
貼り、自動的に角度を読み取っている。ただし、この場
合の読み取り角度の精度は、前記目視読み取り型の場合
と同様に0.5 度が限界である。
【0007】さらに、ハンマーの停止位置の読み取りを
高精度に行うために、ロータリーエンコーダを用いてハ
ンマーの回転角度を検出する方法が提案されている(第
二従来例;実開平 3-55551号公報参照)。この例では、
特にハードコンタクトレンズ等の小さくて軽量な試験片
について硬質プラスチック用シャルピー衝撃試験機を用
いる場合の提案がなされている。この硬質プラスチック
用シャルピー衝撃試験機は、ハンマーが持上角度位置よ
り重力の作用で自然回転して試験片を打撃破壊した後、
慣性により反対側に振り上がった時の振り上がり角(最
大角)を求めてそのときの衝撃力を求めるものである
が、試験片が小さい場合には、回転摩擦抵抗の影響が無
視できないために測定精度を確保できない。
【0008】そこで、この第二従来例では、ロータリー
エンコーダを回転軸に取り付けて回転角に対応した電気
的信号を発生させてその電気的信号を検出することによ
り振り上がり角を求めるようにした。この第二従来例に
よれば、回転摩擦抵抗が一般の回転軸に比べて大きな一
方向のみに回転可能な回転軸を利用してハンマーを振り
降ろす(実開昭63-55149号公報参照)ことがないため、
試験片が小さい場合でも回転摩擦抵抗の影響を受けない
うえ、目視による読み取りではないため、振り上がり角
の読み取り誤差、個人差などもない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
第一従来例では、ハンマーが試験片と衝突後の極短時間
のエネルギー変化、すなわち試験片破壊中のエネルギー
変化は求めることができるが、衝突後のハンマー停止時
の角度は従来精度(0.5 度)でしか読み取ることができ
ないので、破壊エネルギーの絶対量の測定精度が充分に
得られないという問題がある。
【0010】また、第二従来例では、衝突後のハンマー
停止時の角度は精度よく読み取ることができ、回転摩擦
抵抗の影響を受けることもないが、ハンマーと試験片と
の衝突後の極短時間のエネルギー変化、すなわち試験片
破壊中のエネルギー変化は求めることができないので、
詳細な物性データが得られないという問題がある。
【0011】ここで、第一従来例と第二従来例とを組合
わせた場合には、試験片破壊中のエネルギー変化を求め
て詳細な物性データを得ることができ、かつ衝突後のハ
ンマー停止時の角度の読み取りも高精度なものとするこ
とができる。しかし、この場合には、圧電センサーおよ
びロータリーエンコーダで機器が二重化される。このた
め、操作が複雑になるうえ、配線処理等が複雑になって
メンテナンスが容易ではなくなる、あるいはコストアッ
プになるという問題がある。また、この場合には、ロー
タリーエンコーダを使用していても、衝突後のハンマー
停止時以外の時のハンマーの位置、特に試験片破壊中の
ハンマーの位置を連続的に把握することはできないの
で、その間のハンマーの速度、加速度等は解析すること
ができないという問題がある。
【0012】本発明の目的は、衝突後のハンマー停止時
の角度を高精度で読み取ることができ、かつ試験片破壊
中のハンマー挙動の解析が可能な振り降ろし式衝撃試験
機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハンマーを回
転軸を中心にして所定の持上角度位置に持ち上げて当該
持上角度位置より重力の作用で自然回転させ試験片を打
撃することにより試験片の破壊エネルギー等を測定する
振り降ろし式衝撃試験機であって、前記ハンマーの回転
角度を検出する回転角度検出器と、当該回転角度検出器
からの検出信号に基づいてハンマーの移動速度等を演算
する制御演算手段とを備えていることを特徴とする。
【0014】
【作用】このような本発明においては、ハンマーの回転
角度を自動検出するための回転角度検出器を設けたの
で、従来の目視による読み取り、あるいは磁気テープを
使用した自動読み取りの場合に比べて、衝突後のハンマ
ー停止時の角度を高精度で読み取ることができるように
なる。また、回転角度検出器から送られてくる検出信号
に基づいてハンマーが試験片に衝突した後の試験片破壊
中のハンマーの移動速度等を演算する制御演算手段を備
えているので、試験片破壊中の極短時間のハンマー挙動
の解析ができるようになり、これらにより前記目的が達
成される。
【0015】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1において、振り降ろし式衝撃試験機10は、
供試材料である試験片11を衝撃破壊するための衝撃装置
30と、ハンマー20の回転角度を自動検出するための回転
角度検出器であるロータリーエンコーダ40と、このロー
タリーエンコーダ40から送られてくる検出信号に基づい
て各種演算を行う制御演算手段50と、制御演算手段50に
よる演算結果等を出力する出力手段60とを含み構成され
ている。
【0016】衝撃装置30は、試験片11を打撃するハンマ
ー20と、このハンマー20を回動可能に支持する基台31
と、試験片11を支持する支持台32とにより構成されてい
る。ハンマー20は、片端が基台31に回転可能に係合され
た支持腕21と、この支持腕21の他端に固定されたウェイ
ト22と、ウェイト22の中央部または振り降ろし方向先端
部に設けられた打撃刃23とにより構成されている。
【0017】衝撃装置30は、ハンマー20を所定の位置
(持ち上げ角度D)に持ち上げて重力の作用により自然
回転させ(図中A方向)、支持台32に支持された試験片
11をハンマー20の打撃により衝撃破壊するように構成さ
れている。
【0018】ロータリーエンコーダ40は、その本体が基
台31に固定されていて、その軸41がハンマー20の支持腕
21に固定されており、ハンマー20の回転角度を把握でき
る構成となっている。これにより、ロータリーエンコー
ダ40は、持ち上げ角度位置から停止位置までのハンマー
20の回転角に応じてパルスを発し、これを検出信号とし
て制御演算手段50に送るように構成されている。
【0019】図2には、制御演算手段50および出力手段
60の詳細構成が示されている。制御演算手段50は、制御
部51および演算部52により構成されている。制御部51
は、ロータリーエンコーダ40から送られてくるパルス状
のアナログ検出信号をカウント可能な信号に変換する信
号変換手段53と、この信号変換手段53から送られてくる
信号をカウントする計数手段54と、計数手段54に一定時
間間隔でクロック信号を与えるクロック発生手段55とを
備えている。
【0020】また、制御部51は、計数手段54でカウント
されたパルス数に相当する計数データを一時的に記憶保
存する一時記憶手段56と、計数手段54をコントロールし
て計数手段54または一時記憶手段56から計数データを読
み込み処理する制御手段57とを備えている。制御部51
は、高速A/D変換器、高速デジタル信号記憶装置、マ
イクロプロセッサー等により実現される。
【0021】クロック発生手段55は、タイマー機能を備
えており、任意のタイマー設定が可能となっている。そ
して、クロック発生手段55は、ハンマー20と試験片11と
の衝突直前にタイマー機能を働かせ、クロック信号の発
生を開始することができるように構成されている。
【0022】演算部52は、演算手段58により構成されて
おり、制御部51の制御手段57から受け取った計数データ
に基づいてハンマー20の移動速度等の演算を行い、その
結果を出力手段60に送る。演算部52は、パーソナルコン
ピューター等により実現される。
【0023】出力手段60は、CRT表示手段61と印字手
段62と補助記憶手段63とにより構成されており、演算部
52の演算手段58から受け取ったハンマー20の移動速度等
の演算結果を人間が認知可能な形態に出力するものであ
り、以下のような機能を有するように構成されている。
すなわち、ハンマー20の停止位置を示す角度を表示す
る、衝撃強度を表示する、ハンマー20の位置と時間との
関係を表示する、ハンマー20の速度あるいは加速度と時
間との関係を表示する等である。
【0024】このような本実施例においては、以下のよ
うに試験および試験後の処理を行う。先ず、支持台32に
試験片11を取り付け、次にハンマー20を所定の位置(持
ち上げ角度D)に持ち上げる。そして、ハンマー20を解
放し、重力の作用により自然回転させ(図1中A方
向)、試験片11に衝突させ、これにより試験片11を衝撃
破壊する。
【0025】この際、ロータリーエンコーダ40は、ハン
マー20の位置(回転角度)に応じたパルス状のアナログ
検出信号を随時出力し、この検出信号は制御演算手段50
に送られる。そして、制御演算手段50は、上記検出信号
に基づいてハンマー20と試験片11との衝突後の極短時
間、すなわち試験片11の破壊中およびその前後の僅かな
時間におけるハンマー20の挙動を解析し、この解析結果
を出力手段60に出力する。
【0026】すなわち、ハンマー20の回転に伴いロータ
リーエンコーダ40から随時送られてくるパルス状のアナ
ログ検出信号は、信号変換手段53により高速A/D変換
され、デジタル信号として計数手段54に送られる。
【0027】計数手段54は、制御手段57によりコントロ
ールされながら、信号変換手段53を介して送られてくる
ロータリーエンコーダ40からの検出信号を随時カウント
し、制御手段57はこの計数手段54によりカウントされた
計数データを読み込む。
【0028】ここで、クロック発生手段55は、そのタイ
マー機能により、試験片11とハンマー20とが衝突する直
前に一定時間間隔のクロック信号の発生を開始する。計
数手段54は、クロック発生手段55からのクロック信号受
信毎にカウント値を出力し、各カウント値は一時記憶手
段56に蓄えられる。
【0029】一時記憶手段56に蓄えられた計数データ
は、制御手段57により読み込まれて演算手段58に送られ
る。演算手段58は、クロック信号の発生時間間隔とその
間の計数データ(前後のカウント数の差)とによりハン
マー20の位置(回転角度)および移動速度あるいは加速
度、力等を演算する。
【0030】この演算結果は、演算手段58によりハンマ
ー20の位置と時間との関係、およびハンマー20の速度あ
るいは加速度と時間との関係(図3参照)などとしてグ
ラフ形式、表形式、あるいは意味を持った数値列形式に
まとめられ、出力手段60に送られる。これらのまとめら
れ結果は、出力手段60のCRT表示手段61によりCTR
画面(ディスプレイ)上に表示され、あるいは印字手段
62によりプリンター用紙上に表示され、補助記憶手段63
によりフロッピーデイスク上に出力される。
【0031】一方、ハンマー20は、試験片11を破壊した
後、残ったエネルギで反対側に振り上がり、ある位置
(振り上がりの最大角)で停止する。この停止時の回転
角度は、ロータリーエンコーダ40により自動検出され、
制御演算手段50で処理されて出力手段60により表示され
る。そして、衝撃強度が、ハンマー20の停止時の回転角
度から制御演算手段50の演算手段58により演算され、出
力手段60により表示される。
【0032】すなわち、計数手段54は、ハンマー20が持
ち上げ角度Dから停止位置まで回転する間にロータリー
エンコーダ40から信号変換手段53を介して送られてきた
検出信号を全てカウントする。このため、最終のカウン
ト値がハンマー20の停止位置を示すこととなり、この最
終のカウント値は、制御手段57により読み込まれ、演算
手段58に送られる。演算手段58は、最終のカウント値に
基づいて演算を行い、ハンマー20の停止位置を割り出
す。さらに、演算手段58は、ハンマー20の停止位置から
衝撃強度を求める演算を行い、その結果が出力手段60に
出力される。
【0033】このような本実施例によれば、ハンマー20
の回転角度を自動検出するためにロータリーエンコーダ
40を設けたので、従来の目視による読み取り(最小分解
能が0.5 度)、あるいは磁気テープを使用した自動読み
取り(同0.5 度)の場合に比べて、衝突後のハンマー20
の停止時の角度を高精度(同0.01度)で読み取ることが
できる。
【0034】また、ロータリーエンコーダ40から送られ
てくる検出信号に基づいてハンマー20が試験片11に衝突
した後の試験片11破壊中のハンマー20の移動速度等を演
算する制御演算手段50を備えているので、試験片11破壊
中の極短時間のハンマー20の挙動解析を行うことができ
る。
【0035】特に、クロック発生手段55による一定時間
間隔のクロック信号発生毎にカウント値を収集して保存
するため、ハンマー20の挙動解析は、ロータリーエンコ
ーダ40に基づいて時間的あるいはハンマー20の位置的に
連続したものとすることができる。このため、細かく試
験片11の物性を把握することができ、複雑な分子構造の
物質であっても試験効果を上げることができる。
【0036】また、制御演算手段50の演算結果は、演算
手段58によりハンマー20の位置と時間との関係、および
ハンマー20の速度あるいは加速度と時間との関係(図3
参照)などとしてグラフ形式、表形式にまとめられ、C
RT表示手段61等により表示されるので、一見して供試
材料である試験片11の物性を把握することができる。
【0037】さらに、衝撃装置30は、既存の現在使用中
のものを使用することができるので、既存設備を無駄に
することはなく、コストを抑えることができる。また、
ロータリーエンコーダ40、あるいは制御演算手段50や出
力手段60を構成している機器または回路等は、あえて本
発明の実施のために特注する必要はなく、既存の市販さ
れているような一般的な機器または回路等であってもよ
いので、容易に実現できるうえ、これによってもコスト
を抑えることができる。
【0038】また、回転摩擦抵抗が一般の回転軸に比べ
て大きな一方向のみに回転可能な回転軸を利用してハン
マーを振り降ろすようなことがないため、試験片11が小
さい場合でも回転摩擦抵抗の影響を受けない精度のよい
試験を行うことができる。
【0039】さらに、補助記憶手段63で、データを長期
間保存しておくことができるので、あとで演算結果を再
生してCRT表示手段61あるいは印字手段62により出力
することができるうえ、保存方法としても広い保管場所
を必要としないなど管理面での効果もある。
【0040】また、クロック発生手段55は、タイマー機
能を備えており、衝突の直前からデータを採取できるよ
うになっているので、一時記憶手段56および補助記憶手
段63において余分なメモリーを要しないようにできる。
【0041】ところで、本発明の効果を確かめるために
以下のような実験を行った。アイゾット衝撃試験機によ
り持ち上げ角度D=127度から30(kg-cm) のハンマー20を
振り降ろし、厚み3.2(mm) の試験片11を打撃した。そし
て、同じ実験を五回行い、ばらつき(R)や平均を求め
た。
【0042】供試材料は、配合1と配合2の二種類であ
り、配合成分は、出光石油化学製J-750HのPP(ポリプ
ロピレン)、平均粒径 5μm のタルク、および JSR製EP
-07PのEPR(エチレンプロピレンゴム)の三種類であ
る。表1には、配合1および配合2の上記三成分の配合
割合が重量パーセントで示されている。
【0043】
【表1】
【0044】表2および表3には、上記の実験結果が示
されている。表2には、実施例の実験例が示されてお
り、ロータリーエンコーダ40を用いた本発明によるアイ
ゾット衝撃強度の測定結果が示されている。表3には、
比較例が示されており、従来の磁気テープを用いた方式
によるアイゾット衝撃強度の測定結果が示されている。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】また、図3には実施例の実験例による破壊
挙動の解析結果が示されている。同図において、縦軸は
ハンマー20の速度を示し、横軸は時間を示している。同
図(A)に示された結果は、材料の脆性破壊を示してお
り、同図(B)に示された結果は、材料の粘性(延性)
破壊を示している。
【0048】以上の実験によれば、本発明の実施例の実
験例では、比較例に比べて採取したデータのばらつき
(R)が小さい。また、本発明の実施例の実験例では、
図3に示すような破壊挙動の解析を行うことができ、こ
れらにより本発明の効果が顕著に示されている。
【0049】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば以下に示すような変形等も本発明に
含まれるものである。すなわち、前記実施例では、ロー
タリーエンコーダ40の設置位置は、その本体が基台31に
固定されていて、その軸41がハンマー20の支持腕21に固
定されているが、逆の固定関係であってもよく、ハンマ
ー20の回転中心にある必要もなく、要するにハンマー20
の回転と連動し、その回転角度に応じたパルスを発生で
きるように設置されていればよい。
【0050】また、演算手段58は、パーソナルコンピュ
ータに限らず、ミニコン、大型コンピュータ等いずれの
ものを選択してもよく、要するに試験片11破壊中のハン
マー20の移動速度等の演算ができる程度の機能を備えた
ものであればよい。そして、パーソナルコンピュータを
使用する場合には、コストがかからないという効果があ
り、ミニコン、大型コンピュータなどを使用する場合に
は、他のシステムと合わせた総合システムとすることも
できる。
【0051】さらに、前記実施例では、出力手段60はC
RT表示手段61と印字手段62と補助記憶手段63とにより
構成されているが、プロッター等の作図手段64を備えて
いてもよい。そして、これらの出力手段60は、少なくと
も一手段のみ備わっていれば、他の手段はなくてもよ
く、要するにいずれかの出力手段60で制御演算手段50に
よる演算結果を人間に認識させることができればよい。
【0052】また、制御演算手段50は、前記実施例の構
成あるいは処理手順に限らず、他の構成あるいは処理手
順としてよく、例えば、計数手段54ではカウントがハン
マー20の持ち上げ角度から停止角度まで集積されていく
ようになっているが、クロック信号発生毎にクリアされ
てクロック信号間のパルス数をカウントするようにし、
総合カウント数は演算手段58で合算することにより求め
るようにしてもよく、要するにロータリーエンコーダ40
の検出信号に基づいて試験片11破壊中のハンマー20の移
動速度等の演算ができればよい。
【0053】さらに、前記実施例のクロック発生手段55
は、衝突直前から作動するようなタイマー機能を備えて
いるが、例えば、一時記憶手段56および補助記憶手段63
が充分なメモリーを備えている場合等には必ずしもタイ
マー機能は必要ではない。
【0054】また、本発明の振り降ろし式衝撃試験機10
は、アイゾット衝撃試験機、シャルピー衝撃試験機、引
張衝撃試験機、引裂試験機、フィルムインパクト試験機
等の振り降ろし式の衝撃試験機に広く応用することがで
きる。
【0055】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、ハ
ンマーの回転角度を自動検出するための回転角度検出器
を設けたので、衝突後のハンマー停止時の角度を高精度
で読み取ることができるうえ、ハンマーが試験片に衝突
した後の試験片破壊中のハンマーの移動速度等を演算す
る制御演算手段を備えているので、試験片破壊中の極短
時間のハンマー挙動の解析ができ、材料の物性を細かく
把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図。
【図2】前記実施例の制御演算手段を示す詳細構成図。
【図3】前記実施例による破壊挙動の解析結果の例を示
す出力図。
【符号の説明】
10 振り降ろし式衝撃試験機 11 試験片 20 ハンマー 21 支持腕 22 ウェイト 23 打撃刃 30 衝撃装置 31 基台 32 支持台 40 回転角度検出器であるロータリーエンコーダ 41 軸 50 制御演算手段 51 制御部 52 演算部 53 信号変換手段 54 計数手段 55 クロック発生手段 56 一時記憶手段 57 制御手段 58 演算手段 60 出力手段 61 CRT表示手段 62 印字手段 63 補助記憶手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンマーを回転軸を中心にして所定の持
    上角度位置に持ち上げて当該持上角度位置より重力の作
    用で自然回転させ試験片を打撃することにより試験片の
    破壊エネルギー等を測定する振り降ろし式衝撃試験機で
    あって、前記ハンマーの回転角度を検出する回転角度検
    出器と、当該回転角度検出器からの検出信号に基づいて
    ハンマーの移動速度等を演算する制御演算手段とを備え
    ていることを特徴とする振り降ろし式衝撃試験機。
JP11744092A 1992-05-11 1992-05-11 振り降ろし式衝撃試験機 Withdrawn JPH05312703A (ja)

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Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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