JPH05311891A - 既存梁の補強法 - Google Patents

既存梁の補強法

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JPH05311891A
JPH05311891A JP13986292A JP13986292A JPH05311891A JP H05311891 A JPH05311891 A JP H05311891A JP 13986292 A JP13986292 A JP 13986292A JP 13986292 A JP13986292 A JP 13986292A JP H05311891 A JPH05311891 A JP H05311891A
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reinforcing
opening
gap
plate
adhesive
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JP13986292A
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English (en)
Inventor
Nobuo Nakayama
信雄 中山
Kazuhiro Inoue
一博 井ノ上
Michihiko Ota
道彦 太田
Kiyoshi Shimizu
潔 清水
Kazuo Hanaguma
一男 花熊
Yasuo Higashihata
泰夫 東端
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Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】補強作業の施工性がよく、強度、剛性、変形能
力を損なうことなく大口径の開口をあけ得る既存梁の補
強法を提供すること。 【構成】補強体20の筒状部22を梁10の側方から開
口11内に挿入し、補強体20の板状部21にあけた複
数のボルト通し孔21bに通したボルト15を梁に埋め
込んだ雌ねじ体13にねじ込んで、補強体20を梁10
に取り付け、板状部21の内側面と梁10の側面との間
および梁の開口11の内周面と筒状部22の外周面との
間に隙間30を形成し、この隙間30を接着剤で満た
し、この接着剤の硬化により補強体20を梁10に固着
する。 【効果】補強体の筒状部22が開口11内に固着されて
いて、開口の内周部分に集中した斜張応力が作用して
も、その力を補強体の筒状部で受けるから、開口の内周
部分が破壊することがなく、大口径の開口を梁の強度、
剛性、変形能力を損なうことく形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、既存梁の補強法、特
に、既存のRC梁またはSRC梁にあけた配管等を通す
開口の近傍の部分に金属製の補強体を接着剤等により固
着して既存梁を補強する補強法に関する。
【0002】
【従来の技術】既存の建物の改修工事においては、既存
のRC梁に開口を穿ち、この開口に配管等を通す必要が
しばしば生じる。開口をあけた既存梁の従来の補強法に
は、たとえば、図12および図13に示すものがある。
既存のRC梁1の所定部分に、配管等を通し得る貫通し
た大径の開口2をあけ、この開口1aから離れた4個所
に梁を貫通するボルト通し孔1bをあける。厚い鋼板を
切断して4角形の補強板2を形成し、補強板2の中央に
前記開口1aの径よりも少々大径の開口2aをあけ、前
記ボルト通し孔1bに対応する位置にそれぞれボルト通
し孔2bをあける。それぞれのボルト通し孔1bに両端
にねじ部3aのあるボルト3を通し、ボルト通し孔1b
の内周面とボルト3の外周面との間の隙間を接着剤4で
満たし、所定位置にボルト3を固定する。RC梁1の開
口2のある部分の側面にそれぞれ補強板2を配し、ボル
ト3aの先部分に補強板2のボルト通し孔2bを嵌め、
補強板2の内側面とRC梁1の外側面との間に間隔保持
片を介装して、ボルト3aのねじ部にねじ込んだナット
nを締め付け、補強板2の内側面とRC梁1の側面との
間に隙間を形成し、この隙間を接着剤5で満たして補強
板2を梁に固着する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の補強法において
は、梁1の開口2のある部分の外側面に補強板2を固着
して、開口2をあけた梁の側面部分だけを補強し、開口
2の内周面を補強しないから、梁1の開口2のある部分
にせん断力が作用すると、開口2の内周の部分にせん断
斜張応力度が集中して作用し、開口2の内周の部分にひ
び割れが発生する。その変形が外側面の補強板2に伝達
されて効果が発生するため、ひび割れ幅が増大するの
で、大口径の開口をあけることができなかった。この発
明が解決しようとする課題は、従来の補強法のような欠
点をもたない既存梁の補強法を提供すること、換言する
と、補強作業の施工性がよく、強度、剛性、変形能力を
損なうことなく大口径の開口をあけ得る既存梁の補強法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するために、次の構成を採用するものである。この
発明の構成は、既存のRC造またはSRC造の梁に配管
等を通す開口をあけ、該開口の付近の梁の側面に補強体
を配し、補強体を梁の側面に接着剤を介して固着して開
口をあけた梁を補強する補強法において、板状部の中央
の開口の口縁に梁にあけた開口の内径よりも小さい外径
の筒状部を結合して構成した補強体を使い、開口をあけ
た梁の部分の側方から、それぞれ補強体の筒状部を開口
内に挿入し、補強体の板状部にあけた複数のボルト通し
孔に通したボルトを使って補強体を梁に取り付け、補強
体の板状部の内側面と梁の側面との間に隙間を形成する
とともに、梁の開口の内周面と補強体の筒状部の外周面
との間に隙間を形成し、前記隙間を接着剤で満たし、該
接着剤の硬化により補強体を梁に固着することを特徴と
する既存梁の補強法にある。好ましい実施形態において
は、たとえば、補強体の板状部の周縁部とこの部分と対
応する梁の側面との間にコーキング材を詰め、一方の補
強体の筒状部の端縁と他方の補強体の筒状部の端縁との
間または両方の補強体の筒状部の端縁と梁の開口の内周
面との間にコーキング材を詰めて、前記隙間の周囲を塞
いで密閉隙間を形成する。または、梁の開口に挿入した
対の補強体の筒状部の端縁間の隙間を各筒状部の内径に
一致した外径の短い筒体を使って塞いでもよい。この場
合、対の補強体の筒状部を梁の開口内に挿入してから、
対の筒状部の開口内に短い筒体を挿入してもよいし、予
め一方の補強体の筒状部内に短い筒体の一方の側の部分
を嵌め、前記筒体を筒状部に固定しておいてもよい。
【0005】また、板状部の中央の開口の口縁に梁にあ
けた開口の内径よりも小さい外径の筒状部を結合して構
成した補強体と中央に開口のある補強板とを使って補強
することもできる。この場合は、開口をあけた梁の部分
の一方の側から、補強体の筒状部を開口内に挿入し、補
強体の筒状部の先端部を梁の他方の側から突出させ、補
強体の筒状部の先端部に補強板の中央の開口を嵌め、補
強体の板状部および補強板にあけた複数のボルト通し孔
に通したボルトを使って補強体および補強板を梁に取り
付け、板状部および補強板の内側面と梁の側面との間に
隙間を形成し、かつ梁の開口の内周面と補強体の筒状部
の外周面との間に隙間を形成する。そして、補強体の筒
状部の先端部と補強板の中央の開口の口縁とを必要に応
じて固着する。この固着は溶接でも他の機械的な固着手
段でもよい。補強体の板状部の周縁部および補強板の周
縁部とこの部分に対応する梁の側面との間にコーキング
材を詰め、前記隙間の周囲を塞いで密閉隙間とし、該密
閉隙間を接着剤で満たす。前記密閉隙間を接着剤で満た
す手段としては、たとえば、密閉隙間の下部のコーキン
グ材の部分に注入管を差し込み、前記隙間の上部のコー
キング材の部分に空気抜き管を差し込み、注入管から密
閉隙間内に接着剤を注入して、空気抜き管からの接着剤
の一部の吐出を確認して、その注入を止める注入手段を
使う。
【0006】補強体の板状部や補強板にあけた複数のボ
ルト通し孔にボルトを通し、このボルトで補強体や補強
板を梁に取り付ける方法には、たとえば、次の(イ)な
いし(ハ)がある。 (イ)既存梁にあけた開口から離れた複数の個所(たと
えば、4個所)に有底の孔をあけ、この孔内に雌ねじ体
(ナット)を固定し、補強体の板状部分や補強板に雌ね
じ体の雌ねじ部に対応させて複数のボルト通し孔をあ
け、補強体の板状部や補強板の複数のボルト通し孔に通
した頭部のあるボルトのねじ部を梁に固定した雌ねじ体
の雌ねじ部にねじ込んで取り付ける方法、(ロ)既存梁
にあけた開口から離れた複数の個所(たとえば、4個
所)に有底の孔をあけ、各孔内にそれぞれ頭部のないボ
ルトの一端を挿入して固定し、補強体の板状部分や補強
板に前記ボルトに対応させて複数のボルト通し孔をあ
け、補強体の板状部や補強板の複数のボルト通し孔に梁
に固定したボルトを通し、これらのボルトのねじ部にナ
ットをねじ込んで取り付ける方法、(ハ)既存梁にあけ
た開口から離れた複数の個所(たとえば、4個所)に貫
通孔をあけ、この貫通孔内に長い頭部のないボルトを通
し、長いボルトの両端を梁の両側面から突出させて梁に
固定し、補強体の板状部分や補強板に前記ボルトに対応
させて複数のボルト通し孔をあけ、補強体の板状部や補
強板の複数のボルト通し孔に梁に固定したボルトを通
し、これらのボルトのねじ部にナットをねじ込んで取り
付ける方法、等がある。既存梁にあけた有底孔または貫
通孔に雌ねじ体またはボルトを固定するには、接着剤や
セメントを使ってもよいし、あるいは他の機械的手段を
使ってもよい。
【0007】
【実施例】実施例1を図1ないし図6を使って説明す
る。図1および図3に示すように、既存のRC梁10の
所定部分10aに、配管等を通し得る大口径の開口11
をあけ、RC梁10の側面の開口11から略同じ距離は
なれた4個所に略同じ深さの有底の孔12をあける。こ
の孔12内に金属製の雌ねじ体13を固定する。雌ねじ
体13は、たとえば、図3に示すように、筒体13aと
楔体13bとで構成されている。筒体13aにはその一
方の側の内周面に雌ねじ部13a1が形成され、他方の
側の外周面に複数本の周方向の溝13a2が形成され、
かつ長手方向に延びる縦溝13a3が周方向に間隔をお
いて4個形成されている。楔体13bは円錐面13b1
を備えた栓状体で構成されている。楔体13bを嵌めた
筒体13aをそれぞれの孔12内に挿入し、筒体13a
を孔12内に打ち込んで、外周面に溝13a2のある筒
体の部分を拡径して、筒体13aを孔内に強固に固定す
る。なお、雌ねじ体13の代わりに、長いナットを孔1
2内に挿入し、接着剤、セメント等を使って、長いナッ
トを孔12内に固着してもよい。補強体20は、図1お
よび図2に示すように、金属製の板状部21と筒状部2
2とで構成されている。たとえば、厚い鋼板を4角形に
切断して、板状部21を形成し、板状部21の中央に開
口11の径よりも小径の開口21aをあけ、雌ねじ体1
3の雌ねじ部13a1に対応する位置にそれぞれボルト
通し孔21bをあけ、開口11の径よりも小径の外径の
鋼管をRC梁10の幅の半分程度の長さに切断して筒状
部22を形成する。そして、板状部21の中央に開口2
1aの口縁に筒状部22の端を溶接して、補強体20を
製作する。
【0008】図1および図2に示すように、既存の梁1
0の開口11のある部分の一方の側から、補強体20の
筒状部22を開口11内に挿入し、補強体20の板状部
21の各ボルト通し孔21bにそれぞれボルト23を通
し、そのボルト23を梁10に固定した雌ねじ体13の
雌ねじ部13a1にねじ込み、板状部21の内側面と梁
10の側面との間に間隔保持片を介装して、ボルト23
を締め付け、板状部21の内側面と梁10の側面との間
および筒状部22の外周面と梁10にあけた開口11の
内周面との間に所定幅の隙間30を形成する。既存の梁
10の開口11のある部分の他方の側からも、補強体2
0の筒状部22を開口11内に挿入し、補強体20の板
状部21の各ボルト通し孔21bにそれぞれボルト23
を通し、そのボルト23を梁10に固定した雌ねじ体1
3の雌ねじ部13a1にねじ込み、板状部21の内側面
と梁10の側面との間に間隔保持片を介装して、ボルト
23を締め付け、板状部21の内側面と梁10の側面と
の間および筒状部22の外周面と梁10にあけた開口1
1の内周面との間に所定幅の隙間30を形成する。図4
および図5に示すように、補強体20の板状部21の周
縁部とこの部分に対応する梁10の側面との間にコーキ
ング材31を詰め、一方の補強体20の筒状部22の端
縁部22aと他方の補強体20の筒状部22の端縁部2
2aとの間にもコーキング材31を詰めて、隙間の周囲
をコーキングして塞ぎ、隙間30を密閉した隙間30に
する。図4に示すように、密閉隙間30の下部のコーキ
ング材31の部分に注入管32を差し込み、密閉隙間3
0の上部のコーキング材31の部分に空気抜き管33を
差し込む。次に、注入管32から密閉隙間30内に接着
剤、たとえば、エポキシ樹脂接着剤を注入し、空気抜き
管33からの接着剤の一部の吐出を確認してから、接着
剤の注入を止める。隙間30に注入した接着剤の硬化に
より、図6に示すように、隙間30内に接着剤の硬化層
34が形成され、既存梁10の補強すべき部分に補強体
20が強固に固着され、既成梁10の補強が完了する。
接着剤の硬化後に、必要に応じて、コーキング材31を
除去する。硬化層34の厚さは、たとえば、5mm程度
にする。
【0009】実施例2を図7ないし図9を使って説明す
る。既存のRC梁10の所定部分10aへの開口11お
よび有底の孔12をあけ方は、実施例1と同じである。
実施例2においては、孔12内に金属製のボルト15を
固定する。ボルト15は、たとえば、図8および図9に
示すように、中央以外の部分の周面に雄ねじ15a、1
5bが形成してあり、その一端15cが尖っている。接
着剤を封入したカプセル16を孔12内に挿入してか
ら、ボルト15の尖っている端を孔12内に押し込み、
カプセル16を破って、孔12の内周面とボルト15の
外周面との間の隙間を接着剤16aで満たし、接着剤1
6aの硬化により、ボルト15を所定位置に固定する。
実施例2の補強体20は、基本構成において実施例1と
同じであるが、一対の補強体20の一方の筒状部22に
短い筒体23を取り付けた点で実施例1と相違してい
る。実施例1と同様に、既存の梁10の開口11のある
部分の一方の側から、補強体20の筒状部22を開口1
1内に挿入し、補強体20の板状部21のボルト孔にボ
ルト15に嵌め、そのボルト15にナットnをねじ込
み、板状部21の内側面と梁10の側面との間に間隔保
持片を介装して、ナットnを締め付け、板状部21の内
側面と梁10の側面との間に所定幅の隙間30を形成す
る。また、既存の梁10の開口11のある部分の他方の
側からも、短い筒体23を取り付けた補強体20の筒状
部22を開口11内に挿入し、補強体20の板状部21
のボルト孔をボルト15に嵌め、そのボルト15にナッ
トnをねじ込み、板状部21の内側面と梁10の外側面
との間に間隔保持片を介装して、ナットnを締め付け、
板状部21の内側面と梁10の外側面との間に所定幅の
隙間30を形成する。実施例1と同様に、補強体20の
板状部21の周縁部とこの部分に対応する梁10の側面
との間にコーキング材31を詰める。一方の補強体20
の筒状部22の端縁部22aと他方の補強体20の筒状
部22の端縁部22aとの間の隙間は短い筒体23で塞
がれるから、そこをコーキング材で塞ぐ必要はない。実
施例1の図4と同様に、コーキング材31等にて周囲を
塞いだ密閉隙間30の下部に注入管32を差し込み、密
閉隙間30の上部に空気抜き管33を差し込み、注入管
32から密閉隙間30内に接着剤、たとえば、エポキシ
樹脂接着剤を注入し、空気抜き管33からの接着剤が吐
出を確認して、接着剤の注入を止める。密閉隙間30に
注入した接着剤の硬化により、隙間30内に接着剤の硬
化層を形成し、既存梁10の補強すべき部分に補強体2
0を固着する。実施例2の補強法は、補強体20の筒状
部22の端縁部22aと間の隙間を短い筒体23で塞ぐ
から、コーキング材31の詰め込み作業が簡単になる。
なお、一方の補強体20の筒状部22の端縁部22aと
他方の補強体20の筒状部22の端縁部22aとを溶接
により接合するようにすることもできる。
【0010】実施例3を図10および図11を使って説
明する。既存のRC梁10への開口11および有底の孔
12のあけ方、孔12への雌ねじ体13の固定の仕方等
は実施例1と同じである。実施例3は、板状部26の中
央の開口26aの口縁に梁にあけた開口11の内径より
も小さい外径の筒状部27を結合して構成した補強体2
5と中央に開口28aのある補強板28とを使い、開口
11をあけた梁10の部分の一方の側から、補強体25
の筒状部27を開口11内に挿入し、補強体25の筒状
部27の先端部27aを梁10の他方の側に突出させ、
この先端部27aに補強板28の中央の開口28を嵌
め、補強体の板状部26および補強板28にあけた複数
のボルト通し孔にボルト29を通し、このボルト29を
雌ねじ体13のねじ部にねじ込んで、補強体25および
補強板28を梁10に取り付け、必要に応じて、補強体
の筒状部の先端部27aと補強板28の中央の開口28
aの口縁とを溶接wにより固着する。なお、これらの部
分は溶接以外の機械的手段により固着してもよい。実施
例1と同様に、補強体25の板状部26および補強板2
8の内側面と梁の外側面との間および補強体25の筒状
部26の外周面と梁の開口11の内周面との間に隙間3
0を形成し、実施例1と同様にコーキングして密閉隙間
を形成する。密閉隙間への接着剤の注入の仕方等は実施
例1と同じである。
【0011】
【発明の作用効果】この発明は、特許請求の範囲の欄に
記載した構成を備えることにより、次の(イ)ないし
(ホ)の作用効果を奏する。 (イ)請求項1記載の補強法は、板状部の中央の開口の
口縁に既存梁にあけた開口の内径よりも小さい外径の筒
状部を結合して構成した補強体を使い、開口をあけた梁
の部分の側方から、それぞれ補強体の筒状部を開口内に
挿入し、補強体の板状部にあけた複数のボルト通し孔に
通したボルトを使って補強体を梁に取り付け、補強体の
板状部の内側面と梁の側面との間に隙間を形成するとと
もに、梁の開口の内周面と補強体の筒状部の外周面との
間に隙間を形成し、前記隙間を接着剤で満たして補強体
を既存梁に固着するから、設備工事等に必要な配管等を
通す開口を容易に補強することができ、既存のRC造ま
たはSRC造の梁の強度、剛性、変形能力を損なうこと
が全くない。補強体の筒状部が梁にあけた開口内に接着
層を介して固着されてあり、開口の内周部分にこの部分
を開口内に押し出そうする力が作用しても、その力を補
強体の筒状部で受けるから、開口の内周部分が破壊する
ことがない。換言すると、梁の開口のある部分にせん断
力が作用し、開口の内周の部分に斜張応力が集中して作
用しも、その力を補強体の筒状部で受けるから、開口の
内周部分にひび割れ等の破損を生じる恐れがない。その
ため、開口の口径を大きくすることができる。 (ロ)請求項2および3記載のようにすると、補強体の
板状部の内側面と梁の外側面との間の隙間および梁の開
口の内周面と補強体の筒状部の外周面との間の隙間を容
易に密閉隙間にすることができる。 (ハ)請求項4および5記載のようにすると、梁にあけ
た開口を補強体の一つの筒状部で補強でき、補強体の筒
状部の先端部と補強板の中央の開口の口縁とを固着する
ことにより、補強体と補強板とを容易に一体化でき、密
閉隙間の形成等が容易になる。 (ニ)請求項6記載のようにすると、密閉隙間への接着
剤の注入作業が容易になり、密閉隙間を接着剤で確実に
満たすことができる。 (ホ)この発明によると、施工法が簡便で、低コスト
で、工期の短縮が可能になる。そのうえ、補強工事にお
ける構造安全性が従来技術に比べて向上する。その結果
として、天井ふとろ内の設備工事が合理化でき、下がり
天井等がなくなり、建物の改修の工事費を大幅に節減で
き、改修しても、天井が低くならず、快適な室内空間を
容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の既存梁の補強部を図2のA−A線で
断面し矢印方向にみた正面図
【図2】図1のものを図1のB−B線で断面し矢印方向
にみた側面図
【図3】実施例1の雌ねじ体を縦断して示す側面図
【図4】実施例1のコーキング等の処理を施した既存梁
の補強部を図5のA−A線で断面し矢印方向にみた正面
【図5】図4のものをそのB−B線で断面し矢印方向に
みた側面図
【図6】実施例1の補強を完成した補強部を図1のB−
B線と同じ線で断面し矢印方向にみた正面図
【図7】実施例2の既存梁の補強部を図1のB−B線と
同じ線で断面し矢印方向にみた側面図
【図8】実施例2のボルトを固定する工程の一部を示す
側面図
【図9】実施例2のボルトを固定した状態を断面して示
す側面図
【図10】実施例3の既存梁の補強部を図11のC−C
線で断面し矢印方向にみた正面図
【図11】図10のものを図10のB−B線で断面し矢
印方向にみた側面図
【図12】従来の既存梁の補強部を図13のA−A線で
断面し矢印方向にみた正面図
【図13】図12のものを図12のB−B線で断面し矢
印方向にみた側面図
【符号の説明】
10 既存梁 11 開口 12 孔 13 雌ねじ体 13a 筒体 13b 楔体 13a1 雌ねじ部 15 ボルト 20 補強体 21 板状部 21a 開口 21b ボルト通し孔 22 筒状部 23 短い筒体 25 補強体 26 板状部 26b ボルト通し孔 27 筒状部 27a 先端部 28 補強板 28a 開口 29 ボルト 30 隙間 31 コーキング材 32 注入管 33 空気抜き管 34 接着剤の硬化層 n ナット w 溶接
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 潔 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 花熊 一男 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 東端 泰夫 東京都江東区南砂二丁目5番14号 竹中工 務店 技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既存のRC造またはSRC造の梁に配管等
    を通す開口をあけ、該開口の付近の梁の側面に補強体を
    配し、補強体を梁の側面に接着剤を介して固着して開口
    をあけた梁を補強する補強法において、板状部の中央の
    開口の口縁に梁にあけた開口の内径よりも小さい外径の
    筒状部を結合して構成した補強体を使い、開口をあけた
    梁の部分の側方から、それぞれ補強体の筒状部を開口内
    に挿入し、補強体の板状部にあけた複数のボルト通し孔
    に通したボルトを使って補強体を梁に取り付け、補強体
    の板状部の内側面と梁の側面との間に隙間を形成すると
    ともに、梁の開口の内周面と補強体の筒状部の外周面と
    の間に隙間を形成し、前記隙間を接着剤で満たし、該接
    着剤の硬化により補強体を梁に固着することを特徴とす
    る既存梁の補強法。
  2. 【請求項2】補強体の板状部の周縁部とこの部分に対応
    する梁の側面との間にコーキング材を詰め、一方の補強
    体の筒状部の端縁と他方の補強体の筒状部の端縁との間
    または両方の補強体の筒状部の端縁とこの部分に対応す
    る梁の開口の内周面との間にコーキング材を詰め、前記
    隙間の周囲を塞いで密閉隙間とし、該密閉隙間を接着剤
    で満たすることを特徴とする請求項1記載の既存梁の補
    強法。
  3. 【請求項3】補強体の板状部の周縁部とこの部分に対応
    する梁の側面との間にコーキング材を詰め、一方の補強
    体の筒状部の端縁と他方の補強体の筒状部の端縁との間
    を補強体の筒状部に嵌めた筒体にて覆い、前記隙間の周
    囲を塞いで密閉隙間とし、該密閉隙間を接着剤で満たす
    ることを特徴とする請求項1記載の既存梁の補強法。
  4. 【請求項4】既存のRC造またはSRC造の梁に配管等
    を通す開口をあけ、該開口の近傍の梁の側面に補強体を
    配し、補強体を梁の側面に接着剤を介して固着して開口
    をあけた梁を補強する補強法において、板状部の中央の
    開口の口縁に梁にあけた開口の内径よりも小さい外径の
    筒状部を結合して構成した補強体と中央に開口のある補
    強板とを使い、開口をあけた梁の部分の一方の側面か
    ら、補強体の筒状部を開口内に挿入し、補強体の筒状部
    の先端部を梁の他方の側面から突出させ、補強体の筒状
    部の先端部に補強板の中央の開口を嵌め、補強体の板状
    部および補強板にあけた複数のボルト通し孔に通したボ
    ルトを使って補強体および補強板を梁に取り付け、板状
    部および補強板の内側面と梁の側面との間に隙間を形成
    するとともに、梁の開口の内周面と補強体の筒状部の外
    周面との間に隙間を形成し、前記隙間を接着剤で満た
    し、該接着剤の硬化により補強体を梁に固着することを
    特徴とする既存梁の補強法。
  5. 【請求項5】補強体の筒状部の先端部と補強板の中央の
    開口の口縁部とを固着し、補強体の板状部の周縁部およ
    び補強板の周縁部とこの部分に対応する梁の側面との間
    にコーキング材を詰め、前記隙間の周囲を塞いで密閉隙
    間とし、該密閉隙間を接着剤で満たすることを特徴とす
    る請求項4記載の既存梁の補強法。
  6. 【請求項6】補強体の板状部および補強板の内側面と梁
    の側面との間に形成された隙間および補強体の筒状部の
    外側面と梁の開口の内周面との間に形成された隙間の周
    囲をコーキング材等を使って塞いで、前記隙間を密閉隙
    間とし、該密閉隙間の下部に注入管を差し込み、密閉隙
    間の上部に空気抜き管を差し込み、注入管から密閉隙間
    内に接着剤を注入し、空気抜き管からの接着剤の一部の
    吐出を確認して注入を止め、密閉隙間を接着剤で満た
    し、該接着剤の硬化により補強体を梁に固着することを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つの項記載の
    既存梁の補強法。
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