JPH05311513A - 高強度低収縮率ポリエステル繊維 - Google Patents
高強度低収縮率ポリエステル繊維Info
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- JPH05311513A JPH05311513A JP11288892A JP11288892A JPH05311513A JP H05311513 A JPH05311513 A JP H05311513A JP 11288892 A JP11288892 A JP 11288892A JP 11288892 A JP11288892 A JP 11288892A JP H05311513 A JPH05311513 A JP H05311513A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】極限粘度0.9以上のボリエステル繊維におい
て、繊維の単糸横断面の中心から外側にかけ、連続的に
極限粘度及び複屈折率が低下している単糸より構成され
る繊維であり、IVc/IVs≧1.05(IVc;r
/R=0.0の極限粘度:IVs;r/R=0.9の極
限粘度:r;単糸横断面での中心からの距離:R;単糸
横断面の半径)、1≦△nc/△ns≦1.15(△n
c;r/R=0.0の複屈折率:△ns;r/R=0.
9の複屈折率)を満足するポリエステル繊維 【効果】従来達成し得なかった高強度9g/d以上かつ
低収縮率3%以下を達成し、各種産業資材用途に有用な
ものである。
て、繊維の単糸横断面の中心から外側にかけ、連続的に
極限粘度及び複屈折率が低下している単糸より構成され
る繊維であり、IVc/IVs≧1.05(IVc;r
/R=0.0の極限粘度:IVs;r/R=0.9の極
限粘度:r;単糸横断面での中心からの距離:R;単糸
横断面の半径)、1≦△nc/△ns≦1.15(△n
c;r/R=0.0の複屈折率:△ns;r/R=0.
9の複屈折率)を満足するポリエステル繊維 【効果】従来達成し得なかった高強度9g/d以上かつ
低収縮率3%以下を達成し、各種産業資材用途に有用な
ものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業資材分野において
要求の高い、高強度と低熱収縮率を同時に達成した高強
度低収縮率ポリエステル繊維に関するものであり、コン
ベアベルト補強材、熱可塑性コンポジット、原動機用ベ
ルト補強材、タイヤ補強材等の各種産業資材用途に有用
な高強度低収縮率ポリエステル繊維に関する。
要求の高い、高強度と低熱収縮率を同時に達成した高強
度低収縮率ポリエステル繊維に関するものであり、コン
ベアベルト補強材、熱可塑性コンポジット、原動機用ベ
ルト補強材、タイヤ補強材等の各種産業資材用途に有用
な高強度低収縮率ポリエステル繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、汎用繊維の中で比
較的安価であり、高強度、高弾性率、高熱安定性という
物性的特徴を有しているため、産業資材用途で幅広く使
用されている。しかし、近年、産業資材用途に用いられ
るポリエステル繊維に要求される物性は、ポリエステル
繊維の特徴をさらに高度に高めたものである。特に、タ
イヤ補強材に用いるポリエステル繊維には、タイヤの軽
量化、タイヤのコストを改善するため高強度の物性が要
求され、また、タイヤ成型性、高速走行時の安定性を改
善するため、低熱収縮率の物性が要求されている。した
がって、タイヤ補強材としては、高強度及び低熱収縮率
が高度に同時達成される必要があり、種々の技術が開示
されている。
較的安価であり、高強度、高弾性率、高熱安定性という
物性的特徴を有しているため、産業資材用途で幅広く使
用されている。しかし、近年、産業資材用途に用いられ
るポリエステル繊維に要求される物性は、ポリエステル
繊維の特徴をさらに高度に高めたものである。特に、タ
イヤ補強材に用いるポリエステル繊維には、タイヤの軽
量化、タイヤのコストを改善するため高強度の物性が要
求され、また、タイヤ成型性、高速走行時の安定性を改
善するため、低熱収縮率の物性が要求されている。した
がって、タイヤ補強材としては、高強度及び低熱収縮率
が高度に同時達成される必要があり、種々の技術が開示
されている。
【0003】ポリエステル繊維の強度及び熱収縮率を同
時に改善させる技術には、ネッキング変形を伴わない速
度で引き取られた未延伸糸(以下POYという)を延伸
する技術がある。POYを延伸する技術としては、特開
昭53−58031号公報、特開昭57−154410
号公報、特開昭57−154411号公報、特開昭59
−116414号公報がある。これらの技術による繊維
物性は、繊維強度は8〜9g/d程度で、熱収縮率も5
%程度であり、現在の産業資材用途では、強度、熱収縮
率共に十分な性能とは言えない。
時に改善させる技術には、ネッキング変形を伴わない速
度で引き取られた未延伸糸(以下POYという)を延伸
する技術がある。POYを延伸する技術としては、特開
昭53−58031号公報、特開昭57−154410
号公報、特開昭57−154411号公報、特開昭59
−116414号公報がある。これらの技術による繊維
物性は、繊維強度は8〜9g/d程度で、熱収縮率も5
%程度であり、現在の産業資材用途では、強度、熱収縮
率共に十分な性能とは言えない。
【0004】特公昭64−8086号公報、特開昭57
−161121号公報、特開昭58−208415号公
報では、ネックキング変形が発現する速度以上で引き取
られた、POYより高配向の未延伸糸(以下FOYとい
う)において熱収縮率は1.1%と改善されているが、
強度は4g/dと低く、また染色性を改善する技術であ
るので高強度且つ低熱収縮率を発現するものではない。
−161121号公報、特開昭58−208415号公
報では、ネックキング変形が発現する速度以上で引き取
られた、POYより高配向の未延伸糸(以下FOYとい
う)において熱収縮率は1.1%と改善されているが、
強度は4g/dと低く、また染色性を改善する技術であ
るので高強度且つ低熱収縮率を発現するものではない。
【0005】FOYを延伸する技術としては、特開昭6
1−289115号公報、特開昭62−69819号公
報、特開平3−137217号公報、特開平3−137
218号公報がある。特開昭61−289115号公
報、特開昭62−69819号公報では、比較的高い極
限粘度域のFOYを延伸し、前者においては極限粘度、
熱応力曲線での熱応力ピーク、乾熱収縮率、結晶体積、
切断強度を限定し、後者においては、極限粘度、非晶配
向度、結晶融点を限定することにより、210℃で3%
以下と極めて低熱収縮率の繊維が得られることを開示し
ている。しかし、これらの繊維は、強度が8.2g/d
でありPOYを延伸した繊維より改善されておらず、高
強度かつ低熱収縮率が十分達成されているとは言えな
い。
1−289115号公報、特開昭62−69819号公
報、特開平3−137217号公報、特開平3−137
218号公報がある。特開昭61−289115号公
報、特開昭62−69819号公報では、比較的高い極
限粘度域のFOYを延伸し、前者においては極限粘度、
熱応力曲線での熱応力ピーク、乾熱収縮率、結晶体積、
切断強度を限定し、後者においては、極限粘度、非晶配
向度、結晶融点を限定することにより、210℃で3%
以下と極めて低熱収縮率の繊維が得られることを開示し
ている。しかし、これらの繊維は、強度が8.2g/d
でありPOYを延伸した繊維より改善されておらず、高
強度かつ低熱収縮率が十分達成されているとは言えな
い。
【0006】通常、FOYを延伸した場合、繊維の単糸
横断面において極限粘度はほぼ均一であり、複屈折率は
外側から中心に向け低下した構造を形成し、単糸側面部
分の結晶化度は単糸中心部分の結晶化度より高い構造を
形成するものと考えられ、低熱収縮率ではあるが、強度
が低くなる。この原理は明らかではないが、延伸時に配
向度及び結晶化度の高い単糸の側面に応力が集中し、単
糸の中心部分が十分延伸されないまま延伸が終了してし
まうためであると考えられる。
横断面において極限粘度はほぼ均一であり、複屈折率は
外側から中心に向け低下した構造を形成し、単糸側面部
分の結晶化度は単糸中心部分の結晶化度より高い構造を
形成するものと考えられ、低熱収縮率ではあるが、強度
が低くなる。この原理は明らかではないが、延伸時に配
向度及び結晶化度の高い単糸の側面に応力が集中し、単
糸の中心部分が十分延伸されないまま延伸が終了してし
まうためであると考えられる。
【0007】このような単糸の外側への応力集中を繊維
構造から抑制する技術として、特開昭59−1714号
公報、特開昭60−94619号公報、特開平2−28
9115号公報では延伸時に繊維側面を局部的に加熱す
る方法、特開昭62−97921号公報の様に紡糸時に
低分子量のポリマーを鞘とする鞘芯構造を形成させる方
法、特開平3−137217号公報、特開平3−137
218号公報の様にプラズマ雰囲気中で延伸する方法が
開示されている。
構造から抑制する技術として、特開昭59−1714号
公報、特開昭60−94619号公報、特開平2−28
9115号公報では延伸時に繊維側面を局部的に加熱す
る方法、特開昭62−97921号公報の様に紡糸時に
低分子量のポリマーを鞘とする鞘芯構造を形成させる方
法、特開平3−137217号公報、特開平3−137
218号公報の様にプラズマ雰囲気中で延伸する方法が
開示されている。
【0008】上記特開昭59−1714号公報、特開昭
60−94619号公報、特開平2−289115号公
報の延伸時に単糸表面を局部的に加熱する方法では、単
糸側面部分の配向度が単糸中心部分より低い単糸の構造
を形成することにより10g/d以上の高強度を達成し
ている。しかし、複屈折率が0.001〜0.006と
極めて低配向度のPOYを延伸しているため、熱収縮率
も8%と高く低熱収縮率が達成されていない。
60−94619号公報、特開平2−289115号公
報の延伸時に単糸表面を局部的に加熱する方法では、単
糸側面部分の配向度が単糸中心部分より低い単糸の構造
を形成することにより10g/d以上の高強度を達成し
ている。しかし、複屈折率が0.001〜0.006と
極めて低配向度のPOYを延伸しているため、熱収縮率
も8%と高く低熱収縮率が達成されていない。
【0009】特開昭61−207619号公報、また上
記特開昭62−97921号公報では、鞘芯構造を持つ
FOYにおいて、前者は鞘(スキン)が芯(コア)より
低配向及びまたは低結晶であり、鞘(スキン)の重量%
を5〜20である単糸に限定し、後者は、鞘より芯の相
対粘度が高く、鞘芯の相対粘度差を0.100より小く
限定することで、高強度且つ低熱収縮率の繊維が得られ
ることを開示している。
記特開昭62−97921号公報では、鞘芯構造を持つ
FOYにおいて、前者は鞘(スキン)が芯(コア)より
低配向及びまたは低結晶であり、鞘(スキン)の重量%
を5〜20である単糸に限定し、後者は、鞘より芯の相
対粘度が高く、鞘芯の相対粘度差を0.100より小く
限定することで、高強度且つ低熱収縮率の繊維が得られ
ることを開示している。
【0010】つまり、FOYの単糸外側部分の分子量を
下げ、単糸外側部分の低配向度化を図り、延伸時の単糸
外側への応力集中を抑制している。しかし、単糸内部に
分子量及び複屈折率の界面が存在し、構造が不連続であ
るため、延伸倍率の増大が図れず、強度が8.6g/d
程度で依然POYを延伸した繊維のレベルから脱してお
らず、熱収縮率は2.7%と低いが、本発明のいう高強
度物性が達成できない。
下げ、単糸外側部分の低配向度化を図り、延伸時の単糸
外側への応力集中を抑制している。しかし、単糸内部に
分子量及び複屈折率の界面が存在し、構造が不連続であ
るため、延伸倍率の増大が図れず、強度が8.6g/d
程度で依然POYを延伸した繊維のレベルから脱してお
らず、熱収縮率は2.7%と低いが、本発明のいう高強
度物性が達成できない。
【0011】また、特開平3−137217号公報、特
開平3−137218号公報では、比較的FOYをプラ
ズマ雰囲気中で結晶化を抑制し、また、FOYのもつ結
晶を破壊しつつ延伸し、極限粘度、複屈折率、密度、結
晶配向度、非晶配向度、動的弾性損失曲線のピーク温
度、動的弾性損失曲線のピークの半価幅で繊維構造を限
定しすることにより、高強度且つ低熱収縮率なポリエス
テル繊維が得られることを開示している。しかし、強度
は9g/d以下であり依然POYの延伸糸のレベルから
脱しておらず、本発明のいう高強度且つ低熱収縮率の特
性を満足するものではない。
開平3−137218号公報では、比較的FOYをプラ
ズマ雰囲気中で結晶化を抑制し、また、FOYのもつ結
晶を破壊しつつ延伸し、極限粘度、複屈折率、密度、結
晶配向度、非晶配向度、動的弾性損失曲線のピーク温
度、動的弾性損失曲線のピークの半価幅で繊維構造を限
定しすることにより、高強度且つ低熱収縮率なポリエス
テル繊維が得られることを開示している。しかし、強度
は9g/d以下であり依然POYの延伸糸のレベルから
脱しておらず、本発明のいう高強度且つ低熱収縮率の特
性を満足するものではない。
【0012】紡糸時に水蒸気を使用する技術としては、
特開平3−90615号公報、特開平3−167307
号公報がある。特開平3−90615号公報では、高粘
度のポリエステルを溶融紡糸する際に水蒸気による可塑
化効果により12g/dという高強度の繊維を得る方法
が開示されているが、紡糸速度が500m/minと低
い紡糸速度であり従来の紡糸技術より高強度化は図れる
ものの低熱収縮率が達成できない。特開平3−1673
07号公報では、高速紡糸時に水蒸気を使用することで
糸切れの減少を果たす方法及び装置が開示されている
が、紡糸に使用されているチップの極限粘度〔η〕が
0.67と現状の衣料分野に用いられているチップと同
レベルの低い極限粘度であり、現状のタイヤコード以上
の高強度が達成できない。
特開平3−90615号公報、特開平3−167307
号公報がある。特開平3−90615号公報では、高粘
度のポリエステルを溶融紡糸する際に水蒸気による可塑
化効果により12g/dという高強度の繊維を得る方法
が開示されているが、紡糸速度が500m/minと低
い紡糸速度であり従来の紡糸技術より高強度化は図れる
ものの低熱収縮率が達成できない。特開平3−1673
07号公報では、高速紡糸時に水蒸気を使用することで
糸切れの減少を果たす方法及び装置が開示されている
が、紡糸に使用されているチップの極限粘度〔η〕が
0.67と現状の衣料分野に用いられているチップと同
レベルの低い極限粘度であり、現状のタイヤコード以上
の高強度が達成できない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来より高強度と低収縮率を同時達成しえ
なかった困難を克服し、高強度且つ低熱収縮率のポリエ
ステル繊維を提供することにある。
する課題は、従来より高強度と低収縮率を同時達成しえ
なかった困難を克服し、高強度且つ低熱収縮率のポリエ
ステル繊維を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高強度か
つ低収縮率のポリエステル繊維を得るべく、その繊維構
造について鋭意研究した結果、高強度、かつ低熱収縮率
の特性を有するポリエステル繊維の構造を発見し、本発
明に至った。すなわち、本発明は、以下のとうりであ
る。
つ低収縮率のポリエステル繊維を得るべく、その繊維構
造について鋭意研究した結果、高強度、かつ低熱収縮率
の特性を有するポリエステル繊維の構造を発見し、本発
明に至った。すなわち、本発明は、以下のとうりであ
る。
【0015】.繊維の単糸横断面において中心から外側
にかけ、極限粘度及び複屈折率が低下している単糸より
構成される繊維であって、下記の特性を同時に満足する
高強度低収縮率ポリエステル繊維。 1). 単糸全体の極限粘度 ≧ 0.9 2). IVc/IVs≧1.05 …(1) 単糸中心(r/R=0.0)の極限粘度 : IVc 単糸外側(r/R=0.9)の極限粘度 : IVs r:単糸横断面での中心からの距離 R:単糸横断面の半径 3). 1≦△nc/△ns≦1.15 単糸中心の複屈折率: △nc 単糸外側の複屈折率: △ns 4). 25℃での繊維破断強度 TS≧9g/d 5). 150℃の空気中での熱収縮率 HS≦3% 6). 繊維破断伸度 TE≧10% 本発明におけるポリエステル繊維とは、ポリマーの主鎖
を構成する結合がエステル結合であるものを言い、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタート等
が上げられる。好ましくは、ポリエチレンテイフタレー
トであり、その中に本発明の技術的課題である高強度か
つ低熱収縮率の物性を損わない程度に他の成分を含んで
もよい。
にかけ、極限粘度及び複屈折率が低下している単糸より
構成される繊維であって、下記の特性を同時に満足する
高強度低収縮率ポリエステル繊維。 1). 単糸全体の極限粘度 ≧ 0.9 2). IVc/IVs≧1.05 …(1) 単糸中心(r/R=0.0)の極限粘度 : IVc 単糸外側(r/R=0.9)の極限粘度 : IVs r:単糸横断面での中心からの距離 R:単糸横断面の半径 3). 1≦△nc/△ns≦1.15 単糸中心の複屈折率: △nc 単糸外側の複屈折率: △ns 4). 25℃での繊維破断強度 TS≧9g/d 5). 150℃の空気中での熱収縮率 HS≦3% 6). 繊維破断伸度 TE≧10% 本発明におけるポリエステル繊維とは、ポリマーの主鎖
を構成する結合がエステル結合であるものを言い、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタート等
が上げられる。好ましくは、ポリエチレンテイフタレー
トであり、その中に本発明の技術的課題である高強度か
つ低熱収縮率の物性を損わない程度に他の成分を含んで
もよい。
【0016】他の成分とは、例えばイソフタル酸、スル
ホイソフタル酸、アジピン 酸、ネオペンチルグリコー
ル、ペンタエリスリトール、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−フェニル)プロパン、グリセリン、ポリエチレン
グリコール、パラヒドロキ安息香酸等であり、その他公
知の成分が使用できる。また、本発明の高強度低収縮率
ポリエステル繊維には、本発明の技術的課題を損わない
程度において各種安定剤等の添加剤が含有されていても
よい。
ホイソフタル酸、アジピン 酸、ネオペンチルグリコー
ル、ペンタエリスリトール、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−フェニル)プロパン、グリセリン、ポリエチレン
グリコール、パラヒドロキ安息香酸等であり、その他公
知の成分が使用できる。また、本発明の高強度低収縮率
ポリエステル繊維には、本発明の技術的課題を損わない
程度において各種安定剤等の添加剤が含有されていても
よい。
【0017】また、本発明の高強度低収縮率ポリエステ
ル繊維は、主に産業資材として用いられるため、耐疲労
性を向上させることが好ましく、そのために繊維全体の
極限粘度は、0.9以上、好ましくは1.1以上、更に
好ましくは、1.3以上である。本発明の繊維構造の特
徴は、単糸横断面において、中心から外側にかけ極限粘
度及び複屈折率が低下した構造を有し、下記関係式を満
足することにより、従来の繊維構造と全く異なった構造
を有することである。
ル繊維は、主に産業資材として用いられるため、耐疲労
性を向上させることが好ましく、そのために繊維全体の
極限粘度は、0.9以上、好ましくは1.1以上、更に
好ましくは、1.3以上である。本発明の繊維構造の特
徴は、単糸横断面において、中心から外側にかけ極限粘
度及び複屈折率が低下した構造を有し、下記関係式を満
足することにより、従来の繊維構造と全く異なった構造
を有することである。
【0018】IVc/IVs≧1.05 …(1) 単糸中心(r/R=0.0)の極限粘度 : IVc 単糸外側(r/R=0.9)の極限粘度 : IVs r:単糸横断面での中心からの距離 R:単糸横断面の半径 1≦△nc/△ns≦1.15 単糸中心(r/R=0.0)の複屈折率: △nc 単糸外側(r/R=0.9)の複屈折率: △ns IVc/IVsが1.05以上でない場合、延伸時に単
糸側面部分への応力が集中しやすく延伸倍率が増大せ
ず、高強度物性が発現しない。また、IVc/IVsの
値に特別上限はないがIVc/IVsが1.50以上で
は、延伸倍率が増大せず、高強度物性が発現しない。
糸側面部分への応力が集中しやすく延伸倍率が増大せ
ず、高強度物性が発現しない。また、IVc/IVsの
値に特別上限はないがIVc/IVsが1.50以上で
は、延伸倍率が増大せず、高強度物性が発現しない。
【0019】また、△nc/△nsが1以上、1.15
以下で高強度物性を発現するが、好ましくは△nc/△
nsが1以上1.10以下、さらに好ましくは△nc/
△nsが1以上1.05以下であることが望ましい。△
nc/△nsが1に近づく程、単糸横断面の複屈折率の
分布が均一になり、外部からの応力に対し単糸横断面全
体に応力を分散することが可能となり最高の高強度物性
が発現する。△nc/△nsが1以上、1.15以下で
ない場合、高強度物性が発現しない。△nc/△nsが
1未満では延伸時に単糸側面部分に応力が集中しやすく
なり、そのため延伸倍率が増大せず、高強度物性が発現
しない。また、△nc/△nsが1.15を越えると、
単糸側面部分の強度への寄与率が著しく低下し、強度物
性が発現しない。
以下で高強度物性を発現するが、好ましくは△nc/△
nsが1以上1.10以下、さらに好ましくは△nc/
△nsが1以上1.05以下であることが望ましい。△
nc/△nsが1に近づく程、単糸横断面の複屈折率の
分布が均一になり、外部からの応力に対し単糸横断面全
体に応力を分散することが可能となり最高の高強度物性
が発現する。△nc/△nsが1以上、1.15以下で
ない場合、高強度物性が発現しない。△nc/△nsが
1未満では延伸時に単糸側面部分に応力が集中しやすく
なり、そのため延伸倍率が増大せず、高強度物性が発現
しない。また、△nc/△nsが1.15を越えると、
単糸側面部分の強度への寄与率が著しく低下し、強度物
性が発現しない。
【0020】本発明の高強度低収縮率ポリエステル繊維
は、強度9.0g/d以上、好ましくは9.5g/d以
上、さらに好ましくは10g/d以上であり、繊維破断
伸度10%以上、好ましくは10%以上20%以下であ
り、150℃の空気中での熱収縮率3.0%以下、好ま
しくは2.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下と
いう今までにない高強度且つ低熱収縮率な特性を有す
る。
は、強度9.0g/d以上、好ましくは9.5g/d以
上、さらに好ましくは10g/d以上であり、繊維破断
伸度10%以上、好ましくは10%以上20%以下であ
り、150℃の空気中での熱収縮率3.0%以下、好ま
しくは2.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下と
いう今までにない高強度且つ低熱収縮率な特性を有す
る。
【0021】本発明のポリエステル繊維の高強度を更に
向上させるためには、繊維の単糸全体の複屈折率(以下
△nという)は、0.180以上が好ましく、さらに好
ましくは0.190以上である。△nが0.180未満
では、強度が低く本発明の高強度が達成できない。ま
た、本発明のポリエステル繊維の低収縮率を更に向上さ
せるためには、繊維の動的弾性損失正接曲線のピーク温
度(以下Tmax.という)は、145℃以下が好まし
く、さらに好ましくは135℃以下である。
向上させるためには、繊維の単糸全体の複屈折率(以下
△nという)は、0.180以上が好ましく、さらに好
ましくは0.190以上である。△nが0.180未満
では、強度が低く本発明の高強度が達成できない。ま
た、本発明のポリエステル繊維の低収縮率を更に向上さ
せるためには、繊維の動的弾性損失正接曲線のピーク温
度(以下Tmax.という)は、145℃以下が好まし
く、さらに好ましくは135℃以下である。
【0022】Tmax.が145℃を越えると高強度は
達成するが熱収縮率が高くなり本発明の低収縮率が達成
できない。また、繊維の結晶化度Xcは、55%以上が
好ましく、さらに好ましくは60%以上である。結晶化
度が55%未満では、熱収縮率が高く本発明の低収縮率
が達成できない。また、本発明の高強度低収縮率ポリエ
ステル繊維は、単糸が15デニール以下のフィラメント
からなることが好ましい。単糸デニールが15デニール
を越えると本発明の高強度且つ低熱収縮率が達成できな
い。
達成するが熱収縮率が高くなり本発明の低収縮率が達成
できない。また、繊維の結晶化度Xcは、55%以上が
好ましく、さらに好ましくは60%以上である。結晶化
度が55%未満では、熱収縮率が高く本発明の低収縮率
が達成できない。また、本発明の高強度低収縮率ポリエ
ステル繊維は、単糸が15デニール以下のフィラメント
からなることが好ましい。単糸デニールが15デニール
を越えると本発明の高強度且つ低熱収縮率が達成できな
い。
【0023】次に、上記のような特性を有する本発明の
高強度低収縮率ポリエステル繊維の具体的な製造方法に
ついて下記に示すが本法に限定されるものではない。本
発明の高強度低収縮率ポリエステル繊維は、ポリエステ
ルを常法により固相重合し得た極限粘度1.1以上、好
ましくは1.2以上、更に好ましくは1.4以上のポリ
エステルを常法に従って溶融し、紡糸温度290℃〜3
20℃で口金からから吐出し、吐出した溶融糸条を、ス
チームを加熱気体として用いた加熱筒あるいは保温筒な
どの紡出域を通し、糸条ポリマーの溶融時に水蒸気等で
単糸表面から加水分解、熱分解させ、単糸が固化する前
にネッキング変形を起こす速度以上の速度で引き取る。
高強度低収縮率ポリエステル繊維の具体的な製造方法に
ついて下記に示すが本法に限定されるものではない。本
発明の高強度低収縮率ポリエステル繊維は、ポリエステ
ルを常法により固相重合し得た極限粘度1.1以上、好
ましくは1.2以上、更に好ましくは1.4以上のポリ
エステルを常法に従って溶融し、紡糸温度290℃〜3
20℃で口金からから吐出し、吐出した溶融糸条を、ス
チームを加熱気体として用いた加熱筒あるいは保温筒な
どの紡出域を通し、糸条ポリマーの溶融時に水蒸気等で
単糸表面から加水分解、熱分解させ、単糸が固化する前
にネッキング変形を起こす速度以上の速度で引き取る。
【0024】引き取ったFOYは、加水分解により単糸
中心から単糸表面方向に連続的に極限粘度が低下した構
造を有し、△nは0.060以上、好ましくは0.08
0以上、さらに好ましくは0.100以上であり、15
0℃の空気中の熱収縮率は、15%以下、好ましくは8
%以下、更に好ましくは5%以下である。このFOYを
ガラス転移点からガラス転移点+20℃で延伸し、20
0℃以上で延伸熱処理し、220℃以上で0.9%ない
し0.99%熱リラックスすることにより製造出来る。
中心から単糸表面方向に連続的に極限粘度が低下した構
造を有し、△nは0.060以上、好ましくは0.08
0以上、さらに好ましくは0.100以上であり、15
0℃の空気中の熱収縮率は、15%以下、好ましくは8
%以下、更に好ましくは5%以下である。このFOYを
ガラス転移点からガラス転移点+20℃で延伸し、20
0℃以上で延伸熱処理し、220℃以上で0.9%ない
し0.99%熱リラックスすることにより製造出来る。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (A)極限粘度 35℃においてオルトクロロフェノールに対し1g/d
lの濃度になるよう試料を溶解し、ウベローデ型粘度計
にて測定した還元粘度を下記式により25℃における極
限粘度に換算した値により定義する。
る。 (A)極限粘度 35℃においてオルトクロロフェノールに対し1g/d
lの濃度になるよう試料を溶解し、ウベローデ型粘度計
にて測定した還元粘度を下記式により25℃における極
限粘度に換算した値により定義する。
【0026】オルトクロロフェノール溶媒35℃におけ
る極限粘度(IV35℃) IV35℃=((1+ηsp/c)0.5 −1)/0.5 オルトクロロフェノール溶媒25℃における極限粘度
(IV25℃) IV25℃=0.98×IV35℃+0.045 (B)複屈折率 △n オリンパス光学工業(株)製偏光顕微鏡を用い、Na光
線を光源としてベレックコンペンセーター法により求め
た。 (C)単糸の中心部と側面部の極限粘度比 IVc/I
Vs 水酸化ナトリュウム5wt%水溶液250ml中に試料
5gを入れ、これを沸騰溶解処理し、単糸半径で中心か
ら1/2、及び3/4まで減量処理する。残った試料の
極限粘度を、上記(A)の方法で測定する。
る極限粘度(IV35℃) IV35℃=((1+ηsp/c)0.5 −1)/0.5 オルトクロロフェノール溶媒25℃における極限粘度
(IV25℃) IV25℃=0.98×IV35℃+0.045 (B)複屈折率 △n オリンパス光学工業(株)製偏光顕微鏡を用い、Na光
線を光源としてベレックコンペンセーター法により求め
た。 (C)単糸の中心部と側面部の極限粘度比 IVc/I
Vs 水酸化ナトリュウム5wt%水溶液250ml中に試料
5gを入れ、これを沸騰溶解処理し、単糸半径で中心か
ら1/2、及び3/4まで減量処理する。残った試料の
極限粘度を、上記(A)の方法で測定する。
【0027】単糸半径で中心から1/2(IVc)につ
いては測定値のまま、単糸半径で中心から3/4から表
面までの極限粘度(IVs)は、単糸全体の極限粘度か
ら単糸半径から3/4までの極限粘度を差し引いて算出
した。このIVc/IVsを単糸の中心部と側面部の極
限粘度比とする。 (D)単糸横断面の複屈折率及び単糸中心部と側面部の
複屈折率比△nc/△ns透過定量干渉顕微鏡(カール
ツァイスイエナ社製干渉顕微鏡インターフアコ)を使用
し、干渉縞法によって、単糸の側面から観察した平均屈
折率の分布を測定した。単糸の屈折率は繊維軸に対して
平行な屈折率(△n//)と、垂直な屈折率(△n⊥)に
より測定される。本測定には、波長549nmの緑色光
線を使用した。
いては測定値のまま、単糸半径で中心から3/4から表
面までの極限粘度(IVs)は、単糸全体の極限粘度か
ら単糸半径から3/4までの極限粘度を差し引いて算出
した。このIVc/IVsを単糸の中心部と側面部の極
限粘度比とする。 (D)単糸横断面の複屈折率及び単糸中心部と側面部の
複屈折率比△nc/△ns透過定量干渉顕微鏡(カール
ツァイスイエナ社製干渉顕微鏡インターフアコ)を使用
し、干渉縞法によって、単糸の側面から観察した平均屈
折率の分布を測定した。単糸の屈折率は繊維軸に対して
平行な屈折率(△n//)と、垂直な屈折率(△n⊥)に
より測定される。本測定には、波長549nmの緑色光
線を使用した。
【0028】光学的に均一なスライドガラスおよびカバ
ーガラスの間に、0.2〜2波長の範囲内の干渉縞のず
れを与える屈折率N)を有し、かつ繊維に対し不活性な
浸液を注入し、その浸液に単糸を浸漬する。単糸は、そ
の軸が干渉縞に対して垂直になるように設置する。この
干渉縞のパターンを写真撮影し、約1500倍に拡大し
て解析する。
ーガラスの間に、0.2〜2波長の範囲内の干渉縞のず
れを与える屈折率N)を有し、かつ繊維に対し不活性な
浸液を注入し、その浸液に単糸を浸漬する。単糸は、そ
の軸が干渉縞に対して垂直になるように設置する。この
干渉縞のパターンを写真撮影し、約1500倍に拡大し
て解析する。
【0029】写真上、単糸横断面の各位置における△n
//と、△n⊥を測定し、単糸横断面の各位置における厚
みをt、使用光線の波長λ、バックグランドの平行干渉
縞の間隔(1λに相当)をD、繊維による干渉縞のずれ
をdとすると、光路差Pは、 P=(d/D)λ=(n//(またはn⊥)−N)t で表される。
//と、△n⊥を測定し、単糸横断面の各位置における厚
みをt、使用光線の波長λ、バックグランドの平行干渉
縞の間隔(1λに相当)をD、繊維による干渉縞のずれ
をdとすると、光路差Pは、 P=(d/D)λ=(n//(またはn⊥)−N)t で表される。
【0030】従って、n//(またはn⊥)=P/d+N
が成立する。厚みtは単糸の断面形状が円であれば、座
標xと半径Rより(R2 −x2 )0.5 で 与えられる。
単糸半径をRとすると、単糸の中心から単糸側面までの
各位置での光路差から各位置での屈折率n//及びn⊥の
分布を求めることができ、次式より複屈折率△nを算出
し単糸断面における複屈折率算出した。
が成立する。厚みtは単糸の断面形状が円であれば、座
標xと半径Rより(R2 −x2 )0.5 で 与えられる。
単糸半径をRとすると、単糸の中心から単糸側面までの
各位置での光路差から各位置での屈折率n//及びn⊥の
分布を求めることができ、次式より複屈折率△nを算出
し単糸断面における複屈折率算出した。
【0031】△n=n//−n⊥ 単糸半径をR、単糸横断面での中心からの距離をrとす
ることで、単糸断の位置を限定した。r/R=0.0の
複屈折率を単糸中心の複屈折率△ncとし、r/R=
0.9の複屈折率を単糸外側の複屈折率 △nsとし、
△nc/△nsを単糸の中心部と側面部の複屈折率比と
した。 (E)動的弾性損失正接 Tmax. 東洋ボールドウィン社製 商品名 DDV−II−EA
型を使用し、110Hz、昇温速度5℃/minの条件
で各温度における損失弾性率、貯蔵弾性率を求め(損失
弾性率/保存弾性率)より動的弾性損失正接を算出し、
その動的弾性損失正接温度曲線からそのピークトップの
温度をTmax.とした。また、動的弾性損失正接温度
曲線のピークよりその曲線の半価幅を求めた。 (F)結晶化度 Xc 繊維の密度dを、重液として四塩化炭素、軽液としてト
ルエンとした密度勾配管を用い、30℃で測定し、下式
より結晶化度Xcを算出した。
ることで、単糸断の位置を限定した。r/R=0.0の
複屈折率を単糸中心の複屈折率△ncとし、r/R=
0.9の複屈折率を単糸外側の複屈折率 △nsとし、
△nc/△nsを単糸の中心部と側面部の複屈折率比と
した。 (E)動的弾性損失正接 Tmax. 東洋ボールドウィン社製 商品名 DDV−II−EA
型を使用し、110Hz、昇温速度5℃/minの条件
で各温度における損失弾性率、貯蔵弾性率を求め(損失
弾性率/保存弾性率)より動的弾性損失正接を算出し、
その動的弾性損失正接温度曲線からそのピークトップの
温度をTmax.とした。また、動的弾性損失正接温度
曲線のピークよりその曲線の半価幅を求めた。 (F)結晶化度 Xc 繊維の密度dを、重液として四塩化炭素、軽液としてト
ルエンとした密度勾配管を用い、30℃で測定し、下式
より結晶化度Xcを算出した。
【0032】Xc(%)=(dk×(d−da))/d
×(dk−da)×100 d:測定した繊維の密度(g/cm3 ) dk:完全結晶相の密度(1.455g/cm3 ) da:完全非晶相の密度(1.335g/cm3 ) (G)結晶サイズ D 理学電機社製X線発生装置(RU−200PL)、繊維
試料測定装置(FS−3)、ゴニオメーター(SG−
9)、計数管にはシンチレーションカウンター、計数部
には波高分析器を用い、ニッケルフィルターで単色化し
たCu−Kα線(波長λ=1.5418A)で測定す
る。
×(dk−da)×100 d:測定した繊維の密度(g/cm3 ) dk:完全結晶相の密度(1.455g/cm3 ) da:完全非晶相の密度(1.335g/cm3 ) (G)結晶サイズ D 理学電機社製X線発生装置(RU−200PL)、繊維
試料測定装置(FS−3)、ゴニオメーター(SG−
9)、計数管にはシンチレーションカウンター、計数部
には波高分析器を用い、ニッケルフィルターで単色化し
たCu−Kα線(波長λ=1.5418A)で測定す
る。
【0033】結晶サイズDは、X線強度30kv・15
0mAの条件広にて広角X線回折を測定し、ブラッグ角
2θ=17.8度付近のピークを(010)面、ブラッ
グ角2θ=22.5度付近のピークを(100)面とし
て各ピークの半価幅を求めシェラーの式より各ピークの
結晶サイズD(010),D(100)を算出した。
0mAの条件広にて広角X線回折を測定し、ブラッグ角
2θ=17.8度付近のピークを(010)面、ブラッ
グ角2θ=22.5度付近のピークを(100)面とし
て各ピークの半価幅を求めシェラーの式より各ピークの
結晶サイズD(010),D(100)を算出した。
【0034】シェラーの式:D=kλ/βcosθ ここで β=(B2 −b2 )0.5 k=1 λ=1.5418A θ=ブラッグ角2θの1/2度 B=ピークの半価幅 ラジアン b=装置補正 完全結晶の半価幅=0.2度 (シリコン単結晶より求めた) (H)繊維の長周期 Lp 繊維の長周期は、小角度X線回折装置を用い、小角度X
線散乱写真フィルムの4点干渉の繊維軸方向の干渉距離
(rmm)とカメラ半径(f=260mm)の条件より
散乱角(2θ)を求めブラッグの式より長周期(Lp)
を求めた。 (I)結晶体積 Vc 結晶体積=a軸方向結晶サイズ×b軸方向結晶サイズ×
繊維の長周期×結晶化度により算出した。
線散乱写真フィルムの4点干渉の繊維軸方向の干渉距離
(rmm)とカメラ半径(f=260mm)の条件より
散乱角(2θ)を求めブラッグの式より長周期(Lp)
を求めた。 (I)結晶体積 Vc 結晶体積=a軸方向結晶サイズ×b軸方向結晶サイズ×
繊維の長周期×結晶化度により算出した。
【0035】 Vc=D(010)面×D(100)面×Lp×Xc (A3 ) (J)結晶配向度 fa 非晶配向度は、下式により算出した。 fa=(△n−Xc×fc×△nc)/(△na×(1
−Xc)) △n :繊維全体の複屈折率 △nc:結晶の固有複屈折率(0.220) △na:非晶の固有複屈折率(0.275) (K)融点 Tm 島津製作所製(DSC−50)を用い、昇温速度20℃
/分で測定し、吸熱ピークトップの値とし求めた。 (L)強度、伸度 島津製作所製オートグラフ 商品名DSS500型を用
いて試長250mm、伸長速度3 00mm/分でS−
S曲線を求め強伸度を算出した。 (M)150℃の空気中での熱収縮率 試料を検尺機(1周1.125m)で10回巻きのかせ
状にし、そのかせに0.7グラムの初荷重をかけて原長
L0を測定する。次に無荷重の状態で150℃の乾熱オ
ーブン中に入れ30分処理する。再び荷重をかけて処理
後の長さL1を測定し、次式により150℃の空気中で
の熱収縮率を求めた。
−Xc)) △n :繊維全体の複屈折率 △nc:結晶の固有複屈折率(0.220) △na:非晶の固有複屈折率(0.275) (K)融点 Tm 島津製作所製(DSC−50)を用い、昇温速度20℃
/分で測定し、吸熱ピークトップの値とし求めた。 (L)強度、伸度 島津製作所製オートグラフ 商品名DSS500型を用
いて試長250mm、伸長速度3 00mm/分でS−
S曲線を求め強伸度を算出した。 (M)150℃の空気中での熱収縮率 試料を検尺機(1周1.125m)で10回巻きのかせ
状にし、そのかせに0.7グラムの初荷重をかけて原長
L0を測定する。次に無荷重の状態で150℃の乾熱オ
ーブン中に入れ30分処理する。再び荷重をかけて処理
後の長さL1を測定し、次式により150℃の空気中で
の熱収縮率を求めた。
【0036】150℃の空気中での熱収縮率(%)=
((L0−L1)/L0)×100 (N)中間伸度 島津製作所製オートグラフ 商品名DSS500型を用
いて試長250mm、伸長速度300mm/分でS−S
曲線を求め4.5g/dの応力での伸度を中間伸度とし
た。 (O)寸法安定性 150℃の空気中での熱収縮率と中間伸度の和を寸法安
定性とした。 (P)破断エネルギー 島津製作所製オートグラフ 商品名DSS500型を用
いて試長250mm、伸長速度300mm/分でS−S
曲線を求め、S−S曲線の面積を強度と伸度の平方根と
の積により近似した値を破断エネルギーとした。 (Q)弾性率 4,5g/d ×100=弾性率(g/d)として算出
した。
((L0−L1)/L0)×100 (N)中間伸度 島津製作所製オートグラフ 商品名DSS500型を用
いて試長250mm、伸長速度300mm/分でS−S
曲線を求め4.5g/dの応力での伸度を中間伸度とし
た。 (O)寸法安定性 150℃の空気中での熱収縮率と中間伸度の和を寸法安
定性とした。 (P)破断エネルギー 島津製作所製オートグラフ 商品名DSS500型を用
いて試長250mm、伸長速度300mm/分でS−S
曲線を求め、S−S曲線の面積を強度と伸度の平方根と
の積により近似した値を破断エネルギーとした。 (Q)弾性率 4,5g/d ×100=弾性率(g/d)として算出
した。
【0037】中間伸度 (R)タイヤ中の弾性率 4.5g/d ×100=タイヤ中の弾性率(g/d)
して算出した。 寸法安定性 (S)弾性率の変化量 1−(タイヤ中の弾性率/弾性率)=弾性率の変化量
(%)とした。
して算出した。 寸法安定性 (S)弾性率の変化量 1−(タイヤ中の弾性率/弾性率)=弾性率の変化量
(%)とした。
【0038】
【実施例1】極限粘度1.5のポリエチレンテレフタレ
ートを、スクリュー押出機で溶融し、紡糸温度310
℃、孔径1mm、孔数24ホールの紡糸口金から吐出し
た。吐出口の下には長さ3mの加熱筒を設置する。この
加熱筒の上部1mを3分割にて加熱し、内部温度を上部
330℃、中部300℃、下部270℃と設定し、下部
2mを2分割にて加熱し内部温度を上部250℃、下部
200℃設定した。加熱筒下部から180℃の過熱水蒸
気を18Nm3 /時間吹き込んだ。
ートを、スクリュー押出機で溶融し、紡糸温度310
℃、孔径1mm、孔数24ホールの紡糸口金から吐出し
た。吐出口の下には長さ3mの加熱筒を設置する。この
加熱筒の上部1mを3分割にて加熱し、内部温度を上部
330℃、中部300℃、下部270℃と設定し、下部
2mを2分割にて加熱し内部温度を上部250℃、下部
200℃設定した。加熱筒下部から180℃の過熱水蒸
気を18Nm3 /時間吹き込んだ。
【0039】過熱水蒸気は加熱筒上部、すなわち紡口口
金直下より一部排出した。吐出口から吐出された単糸
は、上記加熱筒を通過し、その後、冷風により冷却した
後に油剤を付与し、3500m/minで引き取った。
この引き取ったFOYの全体の極限粘度は1.03、全
体の△nは0.064、IVc/IVsは1.11、△
nc/△nsは1.30、切断伸度148%、150℃
の空気中での熱収縮率13%であった。この引き取った
FOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラックス
を行い繊維を得た。延伸温度条件は、1ゴデーロール
(85℃)、ホットプレート(240℃)、3ゴデーロ
ール(室温)、4ゴデーロール(230℃)、5ゴデー
ロール(室温)とした。
金直下より一部排出した。吐出口から吐出された単糸
は、上記加熱筒を通過し、その後、冷風により冷却した
後に油剤を付与し、3500m/minで引き取った。
この引き取ったFOYの全体の極限粘度は1.03、全
体の△nは0.064、IVc/IVsは1.11、△
nc/△nsは1.30、切断伸度148%、150℃
の空気中での熱収縮率13%であった。この引き取った
FOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラックス
を行い繊維を得た。延伸温度条件は、1ゴデーロール
(85℃)、ホットプレート(240℃)、3ゴデーロ
ール(室温)、4ゴデーロール(230℃)、5ゴデー
ロール(室温)とした。
【0040】延伸倍率条件は、1ゴデーロールと2ゴデ
ーロール間1.20倍、2ゴデーロールと3ゴデーロー
ル間1.97倍、3ゴデーロールと4ゴデーロール間
0.939倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間0.
993倍であり、全延伸倍率を2.20とした。また、
延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分とし 延伸
した。この繊維全体の極限粘度は1.03で、且つ繊維
横断面における極限粘度比はIVc/IVs=1.13
であった。
ーロール間1.20倍、2ゴデーロールと3ゴデーロー
ル間1.97倍、3ゴデーロールと4ゴデーロール間
0.939倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間0.
993倍であり、全延伸倍率を2.20とした。また、
延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分とし 延伸
した。この繊維全体の極限粘度は1.03で、且つ繊維
横断面における極限粘度比はIVc/IVs=1.13
であった。
【0041】また、繊維全体の複屈折率は0.199
で、且つ繊維横断面における複屈折率の比は△nc/△
ns=1.06であった。この繊維物性は、1004デ
ニール/216フィラメント、150℃の空気中での熱
収縮率2.1%、強度9.6g/d、伸度12.3%で
あり、従来にない高強度且つ低熱収縮率の達成されたポ
リエステル繊維を得た。
で、且つ繊維横断面における複屈折率の比は△nc/△
ns=1.06であった。この繊維物性は、1004デ
ニール/216フィラメント、150℃の空気中での熱
収縮率2.1%、強度9.6g/d、伸度12.3%で
あり、従来にない高強度且つ低熱収縮率の達成されたポ
リエステル繊維を得た。
【0042】本発明の特徴を示すため、図1に繊維の単
糸の極限粘度分布を示すが本発明における単糸断面の極
限粘度分布は単糸表面からの加水分解によるものであり
実質的には連続的な極限粘度分布である。また、図2に
FOYの複屈折率分布を示し、図3に繊維の単糸の複屈
折率分布を示した。また、繊維の構造パラメーターは、
△nは0.199、Tmax.は142℃、力学的損失
正接曲線の半価幅は79℃、Xcは56.3%、Vcは
2.3×105 、fcは0.96、faは0.67、
(010) 面の結晶サイズは63.2A、Lpは14
6A、Tmは260℃であった。
糸の極限粘度分布を示すが本発明における単糸断面の極
限粘度分布は単糸表面からの加水分解によるものであり
実質的には連続的な極限粘度分布である。また、図2に
FOYの複屈折率分布を示し、図3に繊維の単糸の複屈
折率分布を示した。また、繊維の構造パラメーターは、
△nは0.199、Tmax.は142℃、力学的損失
正接曲線の半価幅は79℃、Xcは56.3%、Vcは
2.3×105 、fcは0.96、faは0.67、
(010) 面の結晶サイズは63.2A、Lpは14
6A、Tmは260℃であった。
【0043】
【実施例2】加熱筒上部1mの温度条件を上部340
℃、中部310℃、下部280℃と設定し、加熱筒下部
2mの温度を上部260℃、下部210℃と設定し、引
き取り速度を5500m/分とした以外は、実施例1と
同じ条件で紡糸した。この引き取ったFOYを9本合糸
し、延伸機にて熱延伸、熱リラックスを行い繊維を得
た。延伸温度条件は、実施例1と同一温度で行った。
℃、中部310℃、下部280℃と設定し、加熱筒下部
2mの温度を上部260℃、下部210℃と設定し、引
き取り速度を5500m/分とした以外は、実施例1と
同じ条件で紡糸した。この引き取ったFOYを9本合糸
し、延伸機にて熱延伸、熱リラックスを行い繊維を得
た。延伸温度条件は、実施例1と同一温度で行った。
【0044】また、延伸倍率条件は、1ゴデーロールと
2ゴデーロール間1.10倍、2ゴデーロールと3ゴデ
ーロール間1.35倍、3ゴデーロールと4ゴデーロー
ル間0.949倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間
0.993倍であり、全延伸倍率を1.40とした。ま
た、延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分とし延
伸した。この繊維物性は、強度9.2g/d、伸度1
2.1%、150℃の空気中での熱収縮率0.7%であ
り高強度且つ低収縮ポリエステル繊維を得ることができ
た。その他の条件、物性及び構造パラメーターは表1及
び表2に示した。
2ゴデーロール間1.10倍、2ゴデーロールと3ゴデ
ーロール間1.35倍、3ゴデーロールと4ゴデーロー
ル間0.949倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間
0.993倍であり、全延伸倍率を1.40とした。ま
た、延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分とし延
伸した。この繊維物性は、強度9.2g/d、伸度1
2.1%、150℃の空気中での熱収縮率0.7%であ
り高強度且つ低収縮ポリエステル繊維を得ることができ
た。その他の条件、物性及び構造パラメーターは表1及
び表2に示した。
【0045】
【実施例3】溶融前のポリマーの極限粘度を1.75、
紡糸温度を315℃、引き取り速度を4500m/分と
する以外は、実施例2と同様の紡糸条件で紡糸した。こ
の引き取った未繊維を9本合糸し、延伸機にて熱延伸、
熱リラックスを行い繊維を得た。延伸温度条件は、実施
例1と同一温度で行った。また、延伸倍率条件は、1ゴ
デーロールと2ゴデーロール間1.10倍、2ゴデーロ
ールと3ゴデーロール間1.45倍、3ゴデーロールと
4ゴデーロール間0.949倍、4ゴデーロールと5ゴ
デーロール間0.993倍であり、全延伸倍率を1.5
0とした。
紡糸温度を315℃、引き取り速度を4500m/分と
する以外は、実施例2と同様の紡糸条件で紡糸した。こ
の引き取った未繊維を9本合糸し、延伸機にて熱延伸、
熱リラックスを行い繊維を得た。延伸温度条件は、実施
例1と同一温度で行った。また、延伸倍率条件は、1ゴ
デーロールと2ゴデーロール間1.10倍、2ゴデーロ
ールと3ゴデーロール間1.45倍、3ゴデーロールと
4ゴデーロール間0.949倍、4ゴデーロールと5ゴ
デーロール間0.993倍であり、全延伸倍率を1.5
0とした。
【0046】また、延伸速度は、最終ロールの速度を5
4m/分とし延伸した。この繊維物性は、強度10.9
g/d、伸度11.9%、150℃の空気中での熱収縮
率0.8%であり高強度且つ低収縮ポリエステル繊維を
得ることができた。その他の条件、物性及び構造パラメ
ーターは表1及び表2に示した。
4m/分とし延伸した。この繊維物性は、強度10.9
g/d、伸度11.9%、150℃の空気中での熱収縮
率0.8%であり高強度且つ低収縮ポリエステル繊維を
得ることができた。その他の条件、物性及び構造パラメ
ーターは表1及び表2に示した。
【0047】
【実施例4】溶融前のポリマーの極限粘度を1.90、
紡糸温度を320℃、加熱筒上部1mの温度条件を上部
340℃、中部310℃、下部280℃と設定し、加熱
筒下部2mの温度を上部280℃、下部215℃と設定
し、引き取り速度を3000m/分とした以外は、実施
例1と同じ条件で紡糸した。引き取ったFOYを9本合
糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラックスを行い繊維を得
た。
紡糸温度を320℃、加熱筒上部1mの温度条件を上部
340℃、中部310℃、下部280℃と設定し、加熱
筒下部2mの温度を上部280℃、下部215℃と設定
し、引き取り速度を3000m/分とした以外は、実施
例1と同じ条件で紡糸した。引き取ったFOYを9本合
糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラックスを行い繊維を得
た。
【0048】延伸温度条件は、実施例1と同一温度で行
った。また、延伸倍率条件は、1ゴデーロールと2ゴデ
ーロール間1.20倍、2ゴデーロールと3ゴデーロー
ル間1.52倍、3ゴデ ーロールと4ゴデーロール間
0.939倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間0.
993倍であり、全延伸倍率を1.70とした。また、
延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分とし延伸し
た。
った。また、延伸倍率条件は、1ゴデーロールと2ゴデ
ーロール間1.20倍、2ゴデーロールと3ゴデーロー
ル間1.52倍、3ゴデ ーロールと4ゴデーロール間
0.939倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間0.
993倍であり、全延伸倍率を1.70とした。また、
延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分とし延伸し
た。
【0049】この繊維物性は、強度12.2g/d、伸
度11.4%、150℃の空気中での熱収縮率0.7%
であり高強度且つ低収縮のポリエステル繊維を得ること
ができた。その他の条件、物性及び構造パラメーターは
表3及び表4に示した。
度11.4%、150℃の空気中での熱収縮率0.7%
であり高強度且つ低収縮のポリエステル繊維を得ること
ができた。その他の条件、物性及び構造パラメーターは
表3及び表4に示した。
【0050】
【実施例5】溶融前のポリマーの極限粘度を1.10、
紡糸温度を305℃、引き取り速度を4500m/分と
する以外は、実施例1と同様の紡糸条件で紡糸した。こ
の引き取ったFOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸、
熱リラックスを行い繊維を得た。延伸温度条件は、実施
例1と同一温度で行った。また、延伸倍率条件は、1ゴ
デーロールと2ゴデーロール間1.20倍、2ゴデーロ
ールと3ゴデーロール間1.88倍、3ゴデーロールと
4ゴデーロール間0.939倍、4ゴデーロールと5ゴ
デーロール間0.993倍であり、全延伸倍率を2.1
0とした。また、延伸速度は、最終ロールの速度を54
m/分とし延伸した。
紡糸温度を305℃、引き取り速度を4500m/分と
する以外は、実施例1と同様の紡糸条件で紡糸した。こ
の引き取ったFOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸、
熱リラックスを行い繊維を得た。延伸温度条件は、実施
例1と同一温度で行った。また、延伸倍率条件は、1ゴ
デーロールと2ゴデーロール間1.20倍、2ゴデーロ
ールと3ゴデーロール間1.88倍、3ゴデーロールと
4ゴデーロール間0.939倍、4ゴデーロールと5ゴ
デーロール間0.993倍であり、全延伸倍率を2.1
0とした。また、延伸速度は、最終ロールの速度を54
m/分とし延伸した。
【0051】この繊維物性は、強度9.4g/d、伸度
11.0%、150℃の空気中での熱収縮率1.8%で
あり高強度且つ低収縮のポリエステル繊維を得ることが
できた。その他の条件、物性及び構造パラメーターは表
3及び表4に示した。
11.0%、150℃の空気中での熱収縮率1.8%で
あり高強度且つ低収縮のポリエステル繊維を得ることが
できた。その他の条件、物性及び構造パラメーターは表
3及び表4に示した。
【0052】
【実施例6】引き取り速度を3000m/分とする以外
は、実施例2と同様の紡糸条件で紡糸した。この引き取
ったFOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラッ
クスを行い繊維を得た。延伸温度条件は、実施例1と同
一温度で行った。また、延伸倍率条件は、1ゴデーロー
ルと2ゴデーロール間1.20倍、2ゴデーロールと3
ゴデーロール間2.19倍、3ゴデーロールと4ゴデー
ロール間0.939倍、4ゴデーロールと5ゴデーロー
ル間0.993倍であり、全延伸倍率を2.45とし
た。
は、実施例2と同様の紡糸条件で紡糸した。この引き取
ったFOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラッ
クスを行い繊維を得た。延伸温度条件は、実施例1と同
一温度で行った。また、延伸倍率条件は、1ゴデーロー
ルと2ゴデーロール間1.20倍、2ゴデーロールと3
ゴデーロール間2.19倍、3ゴデーロールと4ゴデー
ロール間0.939倍、4ゴデーロールと5ゴデーロー
ル間0.993倍であり、全延伸倍率を2.45とし
た。
【0053】また、延伸速度は、最終ロールの速度を5
4m/分とし延伸した。この延伸糸物性は、強度10.
0g/d、伸度11.3%、150℃の空気中での熱収
縮率2.9%であり高強度且つ低収縮のポリエステル繊
維を得ることができた。その他の条件、物性及び構造パ
ラメーターは表3及び表4に示した。
4m/分とし延伸した。この延伸糸物性は、強度10.
0g/d、伸度11.3%、150℃の空気中での熱収
縮率2.9%であり高強度且つ低収縮のポリエステル繊
維を得ることができた。その他の条件、物性及び構造パ
ラメーターは表3及び表4に示した。
【0054】
【比較例1】溶融前のポリマーの極限粘度を1.00、
紡糸温度を305℃、引き取り速度を4750m/分と
する以外は、実施例1と同様の紡糸条件で紡糸した。こ
の引き取ったFOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸、
熱リラックスを行い繊維を得た。延伸温度条件、延伸倍
率は、実施例1と同じ条件で行った。
紡糸温度を305℃、引き取り速度を4750m/分と
する以外は、実施例1と同様の紡糸条件で紡糸した。こ
の引き取ったFOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸、
熱リラックスを行い繊維を得た。延伸温度条件、延伸倍
率は、実施例1と同じ条件で行った。
【0055】また、延伸速度は、最終ロールの速度を5
4m/分とし延伸した。この繊維物性は、強度8.7g
/d、伸度10.8%、150℃の空気中での熱収縮率
1.7%であり、本発明の言う高強度の特徴が達成され
ていない。その他の条件、物性及び構造パラメーターは
表5及び表6に示した。
4m/分とし延伸した。この繊維物性は、強度8.7g
/d、伸度10.8%、150℃の空気中での熱収縮率
1.7%であり、本発明の言う高強度の特徴が達成され
ていない。その他の条件、物性及び構造パラメーターは
表5及び表6に示した。
【0056】
【比較例2】溶融前のポリマーの極限粘度を1.20と
し、加熱筒下部より加熱窒素を18Nm3/時間入れる以
外は、実施例1と同様の紡糸条件で紡糸した。この引き
取ったFOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラ
ックスを行い繊維を得た。延伸温度条件、実施例1と同
じ温度条件で行った。また、延伸倍率条件は、1ゴデー
ロールと2ゴデーロール間1.20倍、2ゴデーロール
と3ゴデーロール間1.69倍、3ゴデーロールと4ゴ
デーロール間0.939倍、4ゴデーロールと5ゴデー
ロール間0.993倍であり、全延伸倍率を1.90と
した。
し、加熱筒下部より加熱窒素を18Nm3/時間入れる以
外は、実施例1と同様の紡糸条件で紡糸した。この引き
取ったFOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラ
ックスを行い繊維を得た。延伸温度条件、実施例1と同
じ温度条件で行った。また、延伸倍率条件は、1ゴデー
ロールと2ゴデーロール間1.20倍、2ゴデーロール
と3ゴデーロール間1.69倍、3ゴデーロールと4ゴ
デーロール間0.939倍、4ゴデーロールと5ゴデー
ロール間0.993倍であり、全延伸倍率を1.90と
した。
【0057】また、延伸速度は、最終ロールの速度を5
4m/分とし延伸した。この繊維物性は、強度7.0g
/d、伸度11.8%、150℃の空気中での熱収縮率
2.0%であり、本発明の言う高強度の特徴が達成され
ていない。実施例1と比較するため図1に比較例2で記
載した繊維における単糸の粘度分布を示し、図2にFO
Yの複屈折率分布を示し、図3に繊維における単糸の複
屈折率分布を示した。その他の条件、物性及び構造パラ
メーターは表5及び表6に示した。
4m/分とし延伸した。この繊維物性は、強度7.0g
/d、伸度11.8%、150℃の空気中での熱収縮率
2.0%であり、本発明の言う高強度の特徴が達成され
ていない。実施例1と比較するため図1に比較例2で記
載した繊維における単糸の粘度分布を示し、図2にFO
Yの複屈折率分布を示し、図3に繊維における単糸の複
屈折率分布を示した。その他の条件、物性及び構造パラ
メーターは表5及び表6に示した。
【0058】
【比較例3】溶融前のポリマーの極限粘度を1.20と
し、加熱筒下部より加熱気体を入れず、引き取り速度を
5500m/分とする以外は、実施例1と同様の紡糸条
件で紡糸した。この引き取ったFOYを9本合糸し、延
伸機にて熱延伸、熱リラックスを行い繊維を得た。延伸
温度条件、実施例1と同じ温度条件で行った。
し、加熱筒下部より加熱気体を入れず、引き取り速度を
5500m/分とする以外は、実施例1と同様の紡糸条
件で紡糸した。この引き取ったFOYを9本合糸し、延
伸機にて熱延伸、熱リラックスを行い繊維を得た。延伸
温度条件、実施例1と同じ温度条件で行った。
【0059】また、延伸倍率条件は、1ゴデーロールと
2ゴデーロール間1.05倍、2ゴデーロー ルと3ゴ
デーロール間1.26倍、3ゴデーロールと4ゴデーロ
ール間0.949倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール
間0.993倍であり、全延伸倍率を1.25とした。
また、延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分とし
延伸した。この繊維物性は、強度6.5g/d、伸度1
2.1%、150℃の空気中での熱収縮率0.6%であ
り、本発明の言う高強度の特徴が達成されていない。そ
の他の条件、物性及び構造パラメーターは表5及び表6
に示した。
2ゴデーロール間1.05倍、2ゴデーロー ルと3ゴ
デーロール間1.26倍、3ゴデーロールと4ゴデーロ
ール間0.949倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール
間0.993倍であり、全延伸倍率を1.25とした。
また、延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分とし
延伸した。この繊維物性は、強度6.5g/d、伸度1
2.1%、150℃の空気中での熱収縮率0.6%であ
り、本発明の言う高強度の特徴が達成されていない。そ
の他の条件、物性及び構造パラメーターは表5及び表6
に示した。
【0060】
【比較例4】引き取り速度を3000m/分とする以外
は、比較例2と同様の紡糸条件で紡糸した。この引き取
ったFOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラッ
クスを行い繊維を得た。延伸温度条件、実施例1と同じ
温度条件で行った。また、延伸倍率条件は、1ゴデーロ
ールと2ゴデーロール間1.10倍、2ゴデーロールと
3ゴデーロール間2.01倍、3ゴデーロールと4ゴデ
ーロール間0.949倍、4ゴデーロールと5ゴデーロ
ール間0.993倍であり、全延伸倍率を2.10とし
た。
は、比較例2と同様の紡糸条件で紡糸した。この引き取
ったFOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラッ
クスを行い繊維を得た。延伸温度条件、実施例1と同じ
温度条件で行った。また、延伸倍率条件は、1ゴデーロ
ールと2ゴデーロール間1.10倍、2ゴデーロールと
3ゴデーロール間2.01倍、3ゴデーロールと4ゴデ
ーロール間0.949倍、4ゴデーロールと5ゴデーロ
ール間0.993倍であり、全延伸倍率を2.10とし
た。
【0061】また、延伸速度は、最終ロールの速度を5
4m/分とし延伸した。この繊維物性は、強度7.8g
/d、伸度11.3%、150℃の空気中での熱収縮率
4.5%であり本発明の言う高強度の特徴が達成されて
いない。その他の条件、物性及び構造パラメーターは表
7及び表8に示した。
4m/分とし延伸した。この繊維物性は、強度7.8g
/d、伸度11.3%、150℃の空気中での熱収縮率
4.5%であり本発明の言う高強度の特徴が達成されて
いない。その他の条件、物性及び構造パラメーターは表
7及び表8に示した。
【0062】
【比較例5】溶融前のポリマーの極限粘度を1.90と
し、引き取る速度を3500m/分とする以外は、実施
例6と同一条件で紡糸した。引き取った未延伸糸を9本
合糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラックスを行い繊維を
得た。延伸温度条件は、実施例1と同一温度で行った。
し、引き取る速度を3500m/分とする以外は、実施
例6と同一条件で紡糸した。引き取った未延伸糸を9本
合糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラックスを行い繊維を
得た。延伸温度条件は、実施例1と同一温度で行った。
【0063】また、延伸倍率条件は、1ゴデーロールと
2ゴデーロール間1.20倍、2ゴデーロールと3ゴデ
ーロール間2.09倍、3ゴデーロールと4ゴデーロー
ル間0.939倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間
0.993倍であり、全延伸倍率を2.34とした。ま
た、延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分とし延
伸した。この繊維物性は、強度8.4g/d、伸度8.
4%、150℃の空気中での熱収縮率2.1%であり本
発明の言う高強度の特徴が達成されていない。その他の
条件、物性及び構造パラメーターは表7及び表8に示し
た。
2ゴデーロール間1.20倍、2ゴデーロールと3ゴデ
ーロール間2.09倍、3ゴデーロールと4ゴデーロー
ル間0.939倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間
0.993倍であり、全延伸倍率を2.34とした。ま
た、延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分とし延
伸した。この繊維物性は、強度8.4g/d、伸度8.
4%、150℃の空気中での熱収縮率2.1%であり本
発明の言う高強度の特徴が達成されていない。その他の
条件、物性及び構造パラメーターは表7及び表8に示し
た。
【0064】
【比較例6】引き取る速度を2000m/分とする以外
は、実施例5と同一条件で紡糸した。引き取った未延伸
糸を9本合糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラックスを行
い繊維を得た。延伸温度条件は、実施例1と同一温度で
行った。
は、実施例5と同一条件で紡糸した。引き取った未延伸
糸を9本合糸し、延伸機にて熱延伸、熱リラックスを行
い繊維を得た。延伸温度条件は、実施例1と同一温度で
行った。
【0065】また、延伸倍率条件は、1ゴデーロールと
2ゴデーロール間1.20倍、2ゴデーロールと3ゴデ
ーロール間3.54倍、3ゴデーロールと4ゴデーロー
ル間0.939倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間
0.993倍であり、全延伸倍率を3.96とした。ま
た、延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分とし延
伸した。この繊維物性は、強度11.3g/d、伸度1
0.8%、150℃の空気中での熱収縮率11.5%で
あり本発明の言う高強度の特徴が達成されていない。そ
の他の条件、物性及び構造パラメーターは表7及び表8
に示した。
2ゴデーロール間1.20倍、2ゴデーロールと3ゴデ
ーロール間3.54倍、3ゴデーロールと4ゴデーロー
ル間0.939倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間
0.993倍であり、全延伸倍率を3.96とした。ま
た、延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分とし延
伸した。この繊維物性は、強度11.3g/d、伸度1
0.8%、150℃の空気中での熱収縮率11.5%で
あり本発明の言う高強度の特徴が達成されていない。そ
の他の条件、物性及び構造パラメーターは表7及び表8
に示した。
【0066】
【比較例7】極限粘度0.67のポリエチレンテレフタ
レートを、スクリュー押出機で溶融し、紡糸温度295
℃、孔径0.3mm、孔数24ホールの紡糸口金から吐
出した。吐出口の下には長さ3mの加熱筒を設置する。
この加熱筒の上部1mを3分割にて加熱し、内部温度を
上部2600℃、中部260℃、下部230℃と設定
し、下部2mを2分割にて加熱し内部温度を上部210
℃、下部160℃設定した。
レートを、スクリュー押出機で溶融し、紡糸温度295
℃、孔径0.3mm、孔数24ホールの紡糸口金から吐
出した。吐出口の下には長さ3mの加熱筒を設置する。
この加熱筒の上部1mを3分割にて加熱し、内部温度を
上部2600℃、中部260℃、下部230℃と設定
し、下部2mを2分割にて加熱し内部温度を上部210
℃、下部160℃設定した。
【0067】加熱筒下部から180℃の過熱水蒸気を1
8Nm3 /時間吹き込んだ。過熱水蒸気は加熱筒上部、
すなわち紡口口金直下より一部排出した。吐出口から吐
出された糸条は、上記加熱筒を通過し、その後、冷風に
より冷却した後に油剤を付与し、7500m/minで
引き取った。この引き取った未延伸糸の全体の極限粘度
は0.65、全体の△nは0.115、IVc/IVs
は1.07、△nc/△nsは1.25、切断伸度50
%、150℃の空気中での熱収縮率3.3%であった。
8Nm3 /時間吹き込んだ。過熱水蒸気は加熱筒上部、
すなわち紡口口金直下より一部排出した。吐出口から吐
出された糸条は、上記加熱筒を通過し、その後、冷風に
より冷却した後に油剤を付与し、7500m/minで
引き取った。この引き取った未延伸糸の全体の極限粘度
は0.65、全体の△nは0.115、IVc/IVs
は1.07、△nc/△nsは1.25、切断伸度50
%、150℃の空気中での熱収縮率3.3%であった。
【0068】この引き取った未延伸糸を9本合糸し、延
伸機にて熱延伸、熱リラックスを行い繊維を得た。延伸
温度条件は、実施例1と同じ条件で延伸した。延伸倍率
条件は、1ゴデーロールと2ゴデーロール間1.05
倍、2ゴデーロールと3ゴデーロール間1.24倍、3
ゴデーロールと4ゴデーロール間0.949倍、4ゴデ
ーロールと5ゴデーロール間0.993倍であり、全延
伸倍率を1.23とした。また、延伸速度は、最終ロー
ルの速度を54m/分とし延伸した。
伸機にて熱延伸、熱リラックスを行い繊維を得た。延伸
温度条件は、実施例1と同じ条件で延伸した。延伸倍率
条件は、1ゴデーロールと2ゴデーロール間1.05
倍、2ゴデーロールと3ゴデーロール間1.24倍、3
ゴデーロールと4ゴデーロール間0.949倍、4ゴデ
ーロールと5ゴデーロール間0.993倍であり、全延
伸倍率を1.23とした。また、延伸速度は、最終ロー
ルの速度を54m/分とし延伸した。
【0069】この繊維物性は、強度6.6g/d、伸度
11.3%、150℃の空気中での熱収縮率1.0%で
あり本発明の言う高強度の特徴が達成されていない。そ
の他の条件、物性及び構造パラメーターは表9及び表1
0に示した。
11.3%、150℃の空気中での熱収縮率1.0%で
あり本発明の言う高強度の特徴が達成されていない。そ
の他の条件、物性及び構造パラメーターは表9及び表1
0に示した。
【0070】
【比較例8】実施例1と同様の条件で紡糸し、引き取っ
た未延伸糸を9本合糸し、1ゴデーロールから3ゴデー
ロールのみを用い延伸機にて熱延伸し繊維を得た。延伸
温度条件は、実施例1と同じ条件で延伸した。延伸倍率
条件は、1ゴデーロールと2ゴデーロール間1.20
倍、2ゴデーロールと3ゴデーロール間1.97倍であ
り、全延伸倍率を2.36とした。とした。また、延伸
速度は、最終ロールの速度を54m/分とし延伸した。
た未延伸糸を9本合糸し、1ゴデーロールから3ゴデー
ロールのみを用い延伸機にて熱延伸し繊維を得た。延伸
温度条件は、実施例1と同じ条件で延伸した。延伸倍率
条件は、1ゴデーロールと2ゴデーロール間1.20
倍、2ゴデーロールと3ゴデーロール間1.97倍であ
り、全延伸倍率を2.36とした。とした。また、延伸
速度は、最終ロールの速度を54m/分とし延伸した。
【0071】この繊維物性は、強度11.0g/d、伸
度9.0%、150℃の空気中での熱収縮率3.1%で
あり本発明の言う低収縮率の特徴が達成されていない。
度9.0%、150℃の空気中での熱収縮率3.1%で
あり本発明の言う低収縮率の特徴が達成されていない。
【0072】
【比較例9】極限粘度1.05のポリエチレンテレフタ
レートを、スクリュー押出機で溶融し、紡糸口金におい
て滞留時間の異なる二つの経路を有することで熱分解に
より2種類極限粘度の違うポリマーを作り、滞留時間の
短いポリマーが孔の中央から吐出し同時に滞留時間の長
いポリマーを孔の外側から吐出することで極限粘度の異
なる鞘芯構造の糸を紡糸した。
レートを、スクリュー押出機で溶融し、紡糸口金におい
て滞留時間の異なる二つの経路を有することで熱分解に
より2種類極限粘度の違うポリマーを作り、滞留時間の
短いポリマーが孔の中央から吐出し同時に滞留時間の長
いポリマーを孔の外側から吐出することで極限粘度の異
なる鞘芯構造の糸を紡糸した。
【0073】また、紡糸温度305℃、孔径0.5m
m、孔数24ホールの紡糸口金とした。吐出口の下には
長さ3mの加熱筒を設置する。 この加熱筒の上部1m
を3分割にて加熱し、内部温度を上部2600℃、中部
260℃、下部230℃と設定し、下部2mを2分割に
て加熱し内部温度を上部210℃、下部160℃設定し
た。
m、孔数24ホールの紡糸口金とした。吐出口の下には
長さ3mの加熱筒を設置する。 この加熱筒の上部1m
を3分割にて加熱し、内部温度を上部2600℃、中部
260℃、下部230℃と設定し、下部2mを2分割に
て加熱し内部温度を上部210℃、下部160℃設定し
た。
【0074】加熱筒下部から180℃の窒素を18Nm
3 /時間吹き込んだ。加熱窒素は加熱筒上部、すなわち
紡口口金直下より一部排出した。吐出口から吐出された
糸条は、上記加熱筒を通過し、その後、冷風により冷却
した後に油剤を付与し、4500m/minで引き取っ
た。この引き取ったFOYの全体の極限粘度は0.9
1、鞘の極限粘度は0.90、芯の極限粘度は0.92
であり、鞘/芯の体積比を60/40とし、鞘芯の境界
で複屈折率が不連続な面が存在する。全体の△nは0.
072、IVc/IVsは1.02、△nc/△nsは
1.06、切断伸度82%、150℃の空気中での熱収
縮率10.5%であった。
3 /時間吹き込んだ。加熱窒素は加熱筒上部、すなわち
紡口口金直下より一部排出した。吐出口から吐出された
糸条は、上記加熱筒を通過し、その後、冷風により冷却
した後に油剤を付与し、4500m/minで引き取っ
た。この引き取ったFOYの全体の極限粘度は0.9
1、鞘の極限粘度は0.90、芯の極限粘度は0.92
であり、鞘/芯の体積比を60/40とし、鞘芯の境界
で複屈折率が不連続な面が存在する。全体の△nは0.
072、IVc/IVsは1.02、△nc/△nsは
1.06、切断伸度82%、150℃の空気中での熱収
縮率10.5%であった。
【0075】この引き取ったFOYを9本合糸し、1ゴ
デーロールから3ゴデーロールのみを用い延伸機にて熱
延伸し繊維を得た。延伸温度条件は、実施例1と同じ条
件で延伸した。延伸倍率条件は、1ゴデーロールと2ゴ
デーロール間1.10倍、2ゴデーロールと3ゴデーロ
ール間1.42倍であり、全延伸倍率を1.56とし
た。また、延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分
とし延伸した。
デーロールから3ゴデーロールのみを用い延伸機にて熱
延伸し繊維を得た。延伸温度条件は、実施例1と同じ条
件で延伸した。延伸倍率条件は、1ゴデーロールと2ゴ
デーロール間1.10倍、2ゴデーロールと3ゴデーロ
ール間1.42倍であり、全延伸倍率を1.56とし
た。また、延伸速度は、最終ロールの速度を54m/分
とし延伸した。
【0076】この繊維物性は、強度8.5g/d、伸度
9.0%、150℃の空気中での熱収縮率2.8%であ
り本発明の言う高強度の特徴が達成されていない上に繊
維の破断エネルギー25.5g/d ×%0.5 と本発明の破
断エネルギーより低い。これは、繊維横断面の複屈折率
分布において、不連続な面を有し延伸時の応力が均一に
伝わらないためであると推定される。その他の条件、物
性及び構造パラメーターは表9及び表10に示した。
9.0%、150℃の空気中での熱収縮率2.8%であ
り本発明の言う高強度の特徴が達成されていない上に繊
維の破断エネルギー25.5g/d ×%0.5 と本発明の破
断エネルギーより低い。これは、繊維横断面の複屈折率
分布において、不連続な面を有し延伸時の応力が均一に
伝わらないためであると推定される。その他の条件、物
性及び構造パラメーターは表9及び表10に示した。
【0077】
【比較例10】比較例9と同じ条件で紡糸し、引き取っ
た未延伸糸を9本合糸し、延伸機にて熱延伸行い繊維を
得た。延伸温度条件は、実施例1と同じ条件で延伸し
た。延伸倍率条件は、1ゴデーロールと2ゴデーロール
間1.20倍、2ゴデーロールと3ゴデーロール間1.
29倍、3ゴデーロールと4ゴデーロール間0.939
倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間0.993倍で
あり、全延伸倍率を1.45とした。また、延伸速度
は、最終ロールの速度を54m/分とし延伸した。
た未延伸糸を9本合糸し、延伸機にて熱延伸行い繊維を
得た。延伸温度条件は、実施例1と同じ条件で延伸し
た。延伸倍率条件は、1ゴデーロールと2ゴデーロール
間1.20倍、2ゴデーロールと3ゴデーロール間1.
29倍、3ゴデーロールと4ゴデーロール間0.939
倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間0.993倍で
あり、全延伸倍率を1.45とした。また、延伸速度
は、最終ロールの速度を54m/分とし延伸した。
【0078】この繊維物性は、強度7.8g/d、伸度
11.0%、150℃の空気中での熱収縮率2.5%で
あり本発明の言う高強度の特徴が達成されていない上に
繊維の破断エネルギー25.8g/d ×%0.5 と本発明の
破断エネルギーより低い。これは、繊維横断面の複屈折
率分布において、不連続な面を有し延伸時の応力が均一
に伝わらないためであると推定される。その他の条件、
物性及び構造パラメーターは表11及び表12に示し
た。
11.0%、150℃の空気中での熱収縮率2.5%で
あり本発明の言う高強度の特徴が達成されていない上に
繊維の破断エネルギー25.8g/d ×%0.5 と本発明の
破断エネルギーより低い。これは、繊維横断面の複屈折
率分布において、不連続な面を有し延伸時の応力が均一
に伝わらないためであると推定される。その他の条件、
物性及び構造パラメーターは表11及び表12に示し
た。
【0079】
【比較例11】溶融前のポリマーの極限粘度を1.20
とし、加熱筒下部より加熱窒素を18Nm3/時間入れ、
引取り速度を250m/minとする以外は、実施例1
と同様の紡糸条件で紡糸した。この引き取ったPOYを
9本合糸し、延伸機にて熱延伸を行い繊維を得た。
とし、加熱筒下部より加熱窒素を18Nm3/時間入れ、
引取り速度を250m/minとする以外は、実施例1
と同様の紡糸条件で紡糸した。この引き取ったPOYを
9本合糸し、延伸機にて熱延伸を行い繊維を得た。
【0080】延伸温度条件は、1ゴデーロール(20
℃)、高圧蒸気処理(400℃、圧力3.5kg/cm
2 )、3ゴデーロール(室温)、非接触ヒーター(10
00mm、245℃)、4ゴデーロール(室温)とし
た。延伸倍率条件は、1ゴデーロールと2ゴデーロール
間1.05倍、2ゴデーロールと3ゴデーロール間3.
50倍、3ゴデーロールと4ゴデーロール間1.85倍
であり、全延伸倍率を6.80とした。また、延伸速度
は、最終ロールの速度を200m/分とし延伸した。
℃)、高圧蒸気処理(400℃、圧力3.5kg/cm
2 )、3ゴデーロール(室温)、非接触ヒーター(10
00mm、245℃)、4ゴデーロール(室温)とし
た。延伸倍率条件は、1ゴデーロールと2ゴデーロール
間1.05倍、2ゴデーロールと3ゴデーロール間3.
50倍、3ゴデーロールと4ゴデーロール間1.85倍
であり、全延伸倍率を6.80とした。また、延伸速度
は、最終ロールの速度を200m/分とし延伸した。
【0081】この繊維物性は、強度12.1g/d、伸
度8.6%、150℃の空気中での熱収縮率9.5%で
あり、本発明の言う低収縮率が達成されておらずタイヤ
中での弾性率が極端に低くなりる。その他の条件、物性
及び構造パラメーターは表11及び表12に示した。
度8.6%、150℃の空気中での熱収縮率9.5%で
あり、本発明の言う低収縮率が達成されておらずタイヤ
中での弾性率が極端に低くなりる。その他の条件、物性
及び構造パラメーターは表11及び表12に示した。
【0082】
【比較例12】溶融前のポリマーの極限粘度を1.20
とし、加熱筒下部より加熱窒素を18Nm3/時間入れる
以外は、実施例1と同様の紡糸条件で紡糸した。この引
き取ったFOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸を行い
繊維を得た。延伸温度条件は、1ゴデーロール(20
℃)、1ゴデーロールと2ゴデーロール間の高圧蒸気処
理(400℃、圧力3.5kg/cm2 )、3ゴデーロ
ール(室温)、3ゴデーロールと4ゴデーロール間の非
接触ヒーター(1000mm、245℃)、4ゴデーロ
ール(室温)、4ゴデーロールと5ゴデーロール間の非
接触ヒーター(500mm、230℃)、5ゴデーロー
ル(室温)とした。延伸倍率条件は、1ゴデーロールと
2ゴデーロール間1.05倍、2ゴデーロールと3ゴデ
ーロール間1.50倍、3ゴデーロールと4ゴデーロー
ル間1.33倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間
0.932倍であり、全延伸倍率を1.95とした。
とし、加熱筒下部より加熱窒素を18Nm3/時間入れる
以外は、実施例1と同様の紡糸条件で紡糸した。この引
き取ったFOYを9本合糸し、延伸機にて熱延伸を行い
繊維を得た。延伸温度条件は、1ゴデーロール(20
℃)、1ゴデーロールと2ゴデーロール間の高圧蒸気処
理(400℃、圧力3.5kg/cm2 )、3ゴデーロ
ール(室温)、3ゴデーロールと4ゴデーロール間の非
接触ヒーター(1000mm、245℃)、4ゴデーロ
ール(室温)、4ゴデーロールと5ゴデーロール間の非
接触ヒーター(500mm、230℃)、5ゴデーロー
ル(室温)とした。延伸倍率条件は、1ゴデーロールと
2ゴデーロール間1.05倍、2ゴデーロールと3ゴデ
ーロール間1.50倍、3ゴデーロールと4ゴデーロー
ル間1.33倍、4ゴデーロールと5ゴデーロール間
0.932倍であり、全延伸倍率を1.95とした。
【0083】また、延伸速度は、最終ロールの速度を2
00m/分とし延伸した。この繊維物性は、強度7.5
g/d、伸度11.5%、150℃の空気中での熱収縮
率2.1%であり、本発明の言う高強度が達成されてい
ない。その他の条件、物性及び構造パラメーターは表1
1及び表12に示した。
00m/分とし延伸した。この繊維物性は、強度7.5
g/d、伸度11.5%、150℃の空気中での熱収縮
率2.1%であり、本発明の言う高強度が達成されてい
ない。その他の条件、物性及び構造パラメーターは表1
1及び表12に示した。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】
【0088】
【表5】
【0089】
【表6】
【0090】
【表7】
【0091】
【表8】
【0092】
【表9】
【0093】
【表10】
【0094】
【表11】
【0095】
【表12】
【0096】
【発明の効果】本発明の高強度低収縮率ポリエステル繊
維は、熱収縮率が3%以下、強度が9g/d以上と従来
にない優れた低熱収縮率と高強度が同時に達成された繊
維であり、産業資材用として極めて有用である。
維は、熱収縮率が3%以下、強度が9g/d以上と従来
にない優れた低熱収縮率と高強度が同時に達成された繊
維であり、産業資材用として極めて有用である。
【図1】実施例1及び比較例2で製造された繊維の単糸
横断面の極限粘度分布を示す図。
横断面の極限粘度分布を示す図。
【図2】実施例1、比較例2で製造されたFOYの単糸
横断面の複屈折率分布を示す図。
横断面の複屈折率分布を示す図。
【図3】実施例1、比較例2で製造された繊維の単糸横
断面の複屈折率分布を示す図。
断面の複屈折率分布を示す図。
1 実施例1で製造された繊維の単糸 2 比較例2で製造された繊維の単糸 3 実施例1で製造されたFOYの単糸 4 比較例2で製造されたFOYの単糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02J 13/00 Q // D02G 3/48
Claims (1)
- 【請求項1】 繊維の単糸横断面において中心から外側
にかけ、極限粘度及び複屈折率が低下している単糸より
構成される繊維であって、下記の特性を同時に満足する
高強度低収縮率ポリエステル繊維。 1). 単糸全体の極限粘度 ≧ 0.9 2). IVc/IVs≧1.05 …(1) 単糸中心の極限粘度 : IVc 単糸外側の極限粘度 : IVs r:単糸横断面での中心からの距離 R:単糸横断面の半径 3). 1≦△nc/△ns≦1.15 単糸中心の複屈折率: △nc 単糸外側の複屈折率: △ns 4). 25℃での繊維破断強度 TS≧9g/d 5). 150℃の空気中での熱収縮率 HS≦3% 6). 繊維破断伸度 TE≧10%
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11288892A JPH05311513A (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | 高強度低収縮率ポリエステル繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11288892A JPH05311513A (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | 高強度低収縮率ポリエステル繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05311513A true JPH05311513A (ja) | 1993-11-22 |
Family
ID=14598032
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11288892A Withdrawn JPH05311513A (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | 高強度低収縮率ポリエステル繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05311513A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011058145A (ja) * | 2009-09-14 | 2011-03-24 | Teijin Fibers Ltd | 抗張力体およびそれを用いてなる高張力電圧ケーブル |
CN111148866A (zh) * | 2017-09-22 | 2020-05-12 | 可隆工业株式会社 | 高强度聚对苯二甲酸乙二醇酯纱线及其制造方法 |
-
1992
- 1992-05-01 JP JP11288892A patent/JPH05311513A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011058145A (ja) * | 2009-09-14 | 2011-03-24 | Teijin Fibers Ltd | 抗張力体およびそれを用いてなる高張力電圧ケーブル |
CN111148866A (zh) * | 2017-09-22 | 2020-05-12 | 可隆工业株式会社 | 高强度聚对苯二甲酸乙二醇酯纱线及其制造方法 |
JP2020531710A (ja) * | 2017-09-22 | 2020-11-05 | コーロン インダストリーズ インク | 高強度ポリエチレンテレフタレート原糸およびその製造方法 |
JP2021120501A (ja) * | 2017-09-22 | 2021-08-19 | コーロン インダストリーズ インク | 高強度ポリエチレンテレフタレート原糸の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990706 |