JPH05311501A - パンティストッキング - Google Patents

パンティストッキング

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JPH05311501A
JPH05311501A JP11611592A JP11611592A JPH05311501A JP H05311501 A JPH05311501 A JP H05311501A JP 11611592 A JP11611592 A JP 11611592A JP 11611592 A JP11611592 A JP 11611592A JP H05311501 A JPH05311501 A JP H05311501A
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pantyhose
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和生 梅田
Kazuhiko Nakamura
和彦 中村
Naoto Nagayasu
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 DCY交編による脚部を有するパンティスト
ッキングの透明性を改善する。しかも、フィット性、伸
縮性や風合、耐久性等も良好な製品とする。 【構成】 特定の糸構成を有するDCY(1、2)と、
8〜15デニールの実質的に捲縮を有さないポリアミド
モノフィラメント糸の交編用糸(3)とでもって交編す
る。そのポリアミドモノフィラメント糸(3)は、艶消
剤を含まず、また、特定の酸アミド化合物を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着用機能性とファッシ
ョン性とに優れたパンティストッキングに関するもので
ある。さらに詳しくは、極めて高い透明性と、極めて高
いフィット性及び伸縮性とを有し、しかもソフトな感触
を有するパンティストッキングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性糸を芯糸にしその回りにポリ
アミドやポリエステルのような非弾性の熱可塑性合成フ
ィラメント糸を被覆用糸として巻付けたカバリング弾性
糸と、ポリアミド糸やポリエステル糸のようなマルチフ
ィラメント糸、あるいはその加工糸とを交互に編成して
なるサポートタイプパンティストッキングが伸縮力の高
さ、及びフィット性の良さからパンティストッキングの
主流となってきている。このカバリング弾性糸には被覆
用糸を一重に巻付けてなるシングルカバリング弾性糸
(以下SCYという)と、被覆用糸を二重に巻付けてな
るダブルカバリング弾性糸(以下DCYという)とがあ
り、それぞれ異なった風合いと、感触と機能を有し、サ
ポートタイプパンティストッキングの二大素材として独
立した分野を確立している。
【0003】即ち、SCYは被覆用糸が一重に比較的低
い巻数で巻付けられているため、婦人用ストッキングの
ような粗なメリヤス編地においては、被覆用糸が浮き上
がり、コイル捲縮のような形態をとるため、あたかも仮
撚加工糸等の捲縮加工糸のような嵩高で、ソフトな感触
を有し、ウーリーライクなストッキング編地となる。
【0004】一方、DCYは被覆用糸が異なる方向に下
糸巻付け及び上糸巻付けと比較的高い巻数で被覆されて
いるため、被覆弾性糸はコンパクトに締まった形態とな
り、被覆用糸の編地中での浮き上がりも少なく、あたか
もフラットヤーン(生糸)や、シアーフラットヤーン
(トルク糸)で編成された編地の如きサラリとした生糸
ライクなストッキング編地となる。しかも、コンパクト
で締まった形態をとるため、SCYに比べカバリング糸
ひきつれ等のトラブルの発生も少なく、耐久性にも優れ
ている。また、このDCYはSCYに比べ生産(カバリ
ング)コストが高いため、DCY使いのサポートストッ
キングはサポートタイプパンティストッキングの中でも
高級ゾーンとして位置づけられている。
【0005】しかしながら、高いファッション性と高い
機能性とが要求される婦人用ストッキングという点から
すると、このDCY交編サポートタイプパンティストッ
キングは、透明性がかなり低いという問題があり、さら
に、伸縮性、フィット性、肌触り、風合い、ハリ・腰の
面でも十分に満足できるものは未だに得られていなかっ
た。
【0006】このため、交編用糸に用いるマルチフィラ
メント糸の糸条繊度を低くし、例えば12デニールのよ
うに細繊度にしたり、また、フィラメント数を少なく
し、例えば3フィラメントとしたりするという手段によ
って、透明性を向上させる工夫がなされてきているが、
それでも十分な水準の透明性を得ることは困難であり、
また、耐久性、肌触り、風合い等も満足なものは得られ
ていない。
【0007】さらに、このDCY交編の脚部を有するス
トッキング製品は、その生産工程や着用時に、交編糸で
あるマルチフィラメント糸がヒキツレを生じ易く、生産
性の低下や着用耐久性に劣るという問題もあった。
【0008】また一方、DCYについても芯糸の弾性糸
を細くしたり、被覆用糸の糸条繊度を低くしたり、フィ
ラメント数を少なくしたりする方法によって、透明性を
向上させる工夫がなされてきているが、逆に、伸縮性の
低下、フィット性の低下、コア切れの増加、耐久性の低
下というような問題が生じるし、さらには、風合いのソ
フトさが損なわれ、ザラツキ感が増すという問題も生じ
るので、満足な物は得られていない。
【0009】さらにまた、被覆用糸の糸条繊度を細くし
たり、フィラメント数を少なくした場合、被覆用糸の巻
付け回数を増やして被覆性を向上させ、製品編地の品位
や、耐久性を向上させる必要があるが、巻付け回数をあ
まり増やすとDCYの伸縮性が低下し、製品編地の伸縮
性やフィット性が低下し、風合いが硬くなり、ザラツキ
感が増すという欠点があり、しかもDCYの生産性が大
幅に低下し、生産コストを引き上げるという問題もあ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
のような従来技術の欠点を解消し、DCYを交編してな
るサポートタイプパンティストッキングの伸縮性、及び
フィット性を良好に保持しつつ、透明性を飛躍的に向上
させ、さらに肌触りが滑らかで、つるつる感があり、適
度なハリ・腰を得ることを目的とする。
【0011】さらに、ソフトな着用感を有し、ヒキツレ
が生じ難く、耐久性が高く、編面の綺麗な、これまでに
なかったDCY交編の高級婦人用パンティストッキング
を提供することを別の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、弾性繊維からなる8〜40デニールの芯
糸に熱可塑性合成重合体からなる全繊度が3〜15デニ
ールのフィラメント糸を二重に巻付けてなるダブルカバ
リング弾性糸と、熱可塑性合成重合体からなる8〜15
デニールの実質的に捲縮を有さないモノフィラメント糸
との交互編成編地からなる脚部を有するパンティストッ
キングからなる。
【0013】特に、前記モノフィラメント糸は、実質的
に艶消剤を含まないポリアミドモノフィラメント糸であ
ることが、また、ポリアミドに対して0.01〜3.0
重量%の下記一般式I、IIで表される酸アミド化合物を
含有するポリアミド組成物からなるポリアミドモノフィ
ラメント糸であることが好ましい。
【0014】
【化3】 (ただし、R1 、R4 は炭素原子数10〜20のアルキ
ル基、R2 、R3 は水素原子、メチル基またはエチル
基、nは1〜10の整数を、それぞれ示す。)さらにま
た、前記ダブルカバリング弾性糸の弾性繊維がポリウレ
タン弾性繊維であり、かつ、巻付けのフィラメント糸
が、ポリアミドに対して0.01〜3.0重量%の上記
一般式I、IIで表される酸アミド化合物を含有するポリ
アミド組成物からなる2〜8フィラメントのポリアミド
マルチフィラメント糸であることが好ましい。
【0015】本発明で用いる交編用糸は、熱可塑性合成
重合体からなる8〜15デニールの実質的に捲縮を有さ
ないモノフィラメント糸であることが必要である。
【0016】この熱可塑性重合体としては、ナイロン6
やナイロン66のようなポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレートやポリブチレンテレフタレートのようなポリ
エステル、ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリ
アクリロニトリル等が挙げられるが、なかでも染色特
性、機械的強度、摩擦特性等に優れているポリアミドが
好ましい。
【0017】このモノフィラメント糸は、実質的に酸化
チタンのような艶消剤を含まないことが、透明性をさら
に向上させるために好ましい。
【0018】また、ポリアミドモノフィラメント糸を用
いる場合には、10重量%以下の共重合成分を含ませた
り、あるいは、ポリアミドに対して0.01〜3.0重
量%の前記した一般式I、IIで表される酸アミド化合物
を含有させることにより、結晶化抑制を図り、繊維基質
の透明性を向上させることが好ましいが、繊維物性、例
えば強伸度特性や、収縮特性等の変化を抑制する意味で
は酸アミド化合物を含有させる後者の方がさらに好まし
い。
【0019】この酸アミド化合物は、ポリアミド繊維の
強伸度特性、透明性、表面光沢性あるいは染色鮮明性を
改善するための添加剤として、特公昭44−9825号
公報、特開昭53−437253号公報、特開昭58−
132137号公報等に記載されて知られているもので
ある。この酸アミド化合物は、婦人用ストッキングのよ
うな極めて粗なメリヤス編地の交編用のポリアミド系モ
ノフィラメント糸に配合して用いた場合、従来知られて
いた効果の他に、メリヤス編地全体が極めてソフトな感
触や肌触りとなるという別の効果が得られる。
【0020】酸アミド化合物の配合量は、ポリアミド繊
維に対し0.01〜3.0重量%が好ましく、特に0.
1〜2.0重量%が好適である。配合量が少な過ぎると
ザラツキ感の低減や柔軟性の改善の効果が不足する。逆
に、多過ぎると製糸安定性や繊維の均一性が悪化し、し
かも、強伸度特性や伸長応力特性が低下し、繊維製品と
しての特性が低下する。
【0021】また一方、本発明で用いるDCYの芯糸に
は、“スパンデックス”と言われるポリウレタン系弾性
繊維が好適であるが、他の弾性繊維、例えばポリアミド
エラストマ弾性繊維、あるいはポリエステルエラストマ
弾性繊維であってもよい。
【0022】この弾性繊維の全繊度は8〜40デニール
であることが必要であり、透明性、耐久性及びフィット
性をさらに向上させるためには、さらに10〜30デニ
ールであることが好ましい。
【0023】8デニール未満では、透明性は良好である
が、糸強力が不足し、編立時に芯糸切れなどのトラブル
を生じ易くなると同時に製品編地の耐久性が低くなり、
また、製品としてのフィット性や伸縮力が不足する。
【0024】逆に、40デニールを越えると、目的とす
る十分な透明性が得られないし、しかも、ソフトな風合
いが低下し粗硬な製品になる。
【0025】また、被覆用糸には熱可塑性重合体よりな
る、全繊度が3〜15デニールのフィラメント糸を用い
ることが必要である。
【0026】この熱可塑性重合体としては、交編用糸と
して用いられると同様な重合体が挙げられるが、前述し
たと同様な理由によりナイロン6やナイロン66のよう
なポリアミドが好ましい。ポリアミドを用いる場合に
は、実質的に艶消剤を含まないポリマ組成であってもよ
いし、10重量%以下の共重合成分を含む共重合ポリア
ミドを用いてもよいし、また、ポリアミドに対して0.
01〜3.0重量%の前記一般式I、IIで表される酸ア
ミド化合物を含有するポリマ組成で用いてもよい。 特
に、上記酸アミド化合物を含有したポリアミド組成物を
用いることが本発明の目的を達成するために好ましい。
【0027】この被覆用糸の全繊度は、3〜15デニー
ルであることが必要であり、特に5〜13デニールが透
明性を向上させ、優れた耐久性や着用感を得るために好
ましい。3デニール未満では、被覆性が低下し、さらに
は耐久性が悪くなる。逆に、15デニールを超えると、
DCYとして太くなり過ぎ、目的とする高い透明性が得
られないし、さらに、製品としての風合いが損なわれ
る。
【0028】また、このマルチフィラメント糸の単糸数
は、被覆性、透明性及びソフト風合いの向上という点か
ら2〜10本であることが好ましい。1本では被覆性が
悪く、耐久性に問題があり、さらにソフト風合いが損な
われ易い。逆に、11本以上では、被覆性やソフト風合
いは向上するが、透明性の低下やヒキツレの発生を生じ
易くなる。
【0029】
【作用】以上の如く請求項1の本発明では、DCYとフ
ィラメント糸とを交編してなるサポートタイプのパンテ
ィストッキングにおいて、交編用糸として8〜15デニ
ールの実質的に捲縮を有さないモノフィラメント糸を用
い、さらに、このモノフィラメント交編用糸を特定の糸
構成を有するDCYと組合わせて用いて交互編成した脚
部編地とすることにより、DCY交編の特徴である生糸
ライクなサラリとした感触を保持しつつ、極めて高い透
明性と、極めて高いフィット性、及び伸縮性とを有し、
さらに、優れた肌触り、ソフトな風合い、ハリ・腰を有
し、しかも、ヒキツレが生じ難く耐久性の高いパンティ
ストッキングとすることができたものである。
【0030】即ち、DCYとマルチフィラメント糸(あ
るいはその加工糸)とを交互に編成して成る従来の編地
では、DCYそのものが被覆用糸を二重に巻付けている
ため必然的に繊度が太く編地としての透明性を低下さ
せ、さらには婦人用ストッキングが粗なメリヤス編地で
あるために、図2に示すように、交編用糸をなす各単糸
がばらけて編地ループ内に広がり、編地としての透明性
が大きく低下し、さらに編面が不均整なものとなるので
ある。
【0031】さらに、ばらけて編地ループ内に広がった
各単糸が引っかかり易いので、ヒキツレを生じ易く、耐
久性が劣るのである。
【0032】ところが本発明では、交編用糸として8〜
15デニールの実質的に捲縮を有さないモノフィラメン
ト糸を用いているので、編地中における単糸のばらけが
なく、図1に示すように編地ループ内の空間が保持され
るので、高い透明性が得られるのである。さらに、交編
用糸の単糸ばらけがないのでひっかかり難くなり、ヒキ
ツレ発生の抑制や耐久性が向上し、さらにまた、単糸繊
度の比較的小さいマルチフィラメント糸交編では得られ
なかった均整な編面、適度なハリ・腰をもったストッキ
ング編地を得ることが可能となる。
【0033】また、交編用糸にマルチフィラメント糸
(あるいはその加工糸)を用いる従来の場合は、ストッ
キング編立工程でフィラメント割れによる糸切れや、編
地の穴あきが発生し易くトラブルが多かったが、本発明
ではモノフィラメント糸を用いるので、この様な編立時
のトラブルを大幅に減少させることができ、編立性の向
上が可能になる。
【0034】さらに、DCYとして8〜40デニールの
弾性繊維の芯糸と、全繊度が3〜15デニールのフィラ
メント糸の被覆用糸とを用いる糸構成の細繊度のDCY
を用いているので、交編用糸に8〜15デニールで実質
的に捲縮を有さないという特定のモノフィラメント糸を
用いることと相俟って、編地の透明性は格段に向上する
のであり、しかも、十分な伸縮性とフィット性とを有す
る編地とすることができるのである。また、透明性の向
上のためにDCYや交編用糸の繊度を極端に下げずにす
み、さらに、DCYのカバリング撚数を必要以上に高く
しなくてすむので、製品編地の耐久性、さらには伸縮性
やフィット性を保持でき、風合いもソフトでザラツキ感
のない編面良好なものとなる。しかも、DCYの生産性
を低下させることがないのでコストも低減できる。
【0035】請求項2の本発明では、さらに交編用糸の
モノフィラメント糸を実質的に艶消剤を含まないポリア
ミドモノフィラメント糸としているので、糸自体の透明
性が向上し、編地の透明性をさらに高めることができ
る。
【0036】請求項3の本発明では、さらにポリアミド
に対して0.01〜3.0重量%の前記一般式I、IIで
表される特定の酸アミド化合物を含有させたポリアミド
組成物からなるポリアミドモノフィラメント糸を用いて
いるので、モノフィラメント糸の結晶化が抑制され、ポ
リマ基質の透明性を向上するばかりでなく、編地の硬さ
が抑制され、編地の凹凸に起因するザラツキ感が減少
し、柔軟性が向上するのである。
【0037】このザラツキ感の抑制や柔軟性の向上によ
り、編地全体が極めてソフトな感触となり、つるつるし
た滑らかな肌触りになるという効果が得られるのであ
り、この結果、請求項3の本発明ではモノフィラメント
糸の交編用糸を用いることにより、高い透明性とフィッ
ト性とが得られることの他に、さらに、特定組成のポリ
アミドを用いることにより、交編用糸にマルチフィラメ
ント糸(あるいはその加工糸)を用いた従来のDCY交
編編地に比べ遜色のないかまたはそれよりも優れた風合
いの編地とすることができるのである。
【0038】さらに、艶消剤を含まず、特定の酸アミド
化合物を配合しているので、強伸度特性が改善され、8
〜15デニールと細繊度のモノフィラメントの交編用糸
でも実用上満足できる耐久性の製品編地とすることがで
きる。
【0039】さらにその上、上記酸アミド化合物の配合
により、透明性や染色鮮明性が改善され、編地の透明性
は一層向上するとともに、染色後の製品パンティストッ
キングは鮮明色に優れたものとなる。
【0040】
【実施例】
・ 実施例1 20デニールのポリウレタン弾性糸を3.0倍に伸長し
つつ通常のカバリング機でダブルカバリングを行なっ
た。この際、被覆用糸には、艶消剤を含まずに酸アミド
化合物(エチレンビスステアリン酸アミド)を1.0重
量%含有するナイロン6組成物からなる10デニール7
フィラメントのマルチフィラメント糸、および、艶消剤
(酸化チタン)を0.02重量%含有したナイロン6か
らなる10デニール7フィラメントのマルチフィラメン
ト糸を用い、カバリング撚数は下撚数2400t/m (Z
方向)、上撚数2040t/m (S方向)とした。
【0041】一方、交編用糸として、艶消剤を全く含ま
ずに上記酸アミド化合物を1.0重量%含有したナイロ
ン6組成物からなる7デニール、13デニール、及び2
0デニールのモノフィラメント糸を、溶融紡糸後、延伸
する通常の方法によって製糸した。さらに、艶消剤を全
く含まないナイロン6を用いた以外は上記と同様な方法
により、13デニールのモノフィラメント糸を製糸し
た。
【0042】また、比較として、艶消剤を全く含まずに
上記酸アミド化合物を1.0重量%含有したナイロン6
組成物からなる15デニール2フィラメント、及び艶消
剤を0.02重量%含有したナイロン6ポリマからなる
12デニール3フィラメント、15デニール5フィラメ
ントのマルチフィラメント糸を上記と同様な方法により
製糸した。
【0043】上記得られたDCYと、上記各種のナイロ
ン6フィラメント糸とを用い、永田精機(株)製のスー
パー4II編機(針数440本)で、DCY−ナイロン6
フィラメント糸−DCY−ナイロン6フィラメント糸の
順で交編して脚部を編成してパンティストッキングと
し、通常の方法で肌色に染色し、仕上げセットしてパン
ティストッキング製品とした。
【0044】得られたパンティストッキング製品の脚部
について、透明度、フィット性、触感性、耐久性を次の
方法で評価し、それら結果を表1に示した。
【0045】透明度: ストッキング製品を、大腿部1
5cm幅、150コース/5cmに広げた状態で製品脚部編
地2枚を重ね、カラースタンダード白板(L値88.2
9)上に静置した時の編地のL値(LW )、およびカラ
ースタンダード黒板(L値7.74)上に静置した時の
編地のL値(LB )を、色差計Σ80(日本電色工業
(株)製)により測定した。そして、それらL値から、
次の算式により、透明度を求めた。
【0046】透明度=(LW −LB )/(W−B) (ここで、W=カラースタンダード白板のL値、B=カ
ラースタンダード黒板のL値) ストッキングのフィット性: 被験者が1日8時間の着
用を3日間繰返す着用試験によって相対評価したもので
あり、その結果は、◎:極めて良好、○:良好、△:や
や不良、×:不良、の基準でもって示した。
【0047】ストッキングの触感性: ストッキング製
品を人体足型に覆かせ、検査者(5人)の触感によって
風合いのソフトさ、ザラツキ感、つるつるした滑らか
さ、及び、ハリ・腰を相対評価したものであり、その結
果は、上記同様の基準でもって示した。
【0048】ヒキツレの発生: ヒキツレの発生度合を
調べ、次の基準で示した。◎:ヒキツレ発生なし、○:
殆どなし、△:ややあり、×:かなり多い。
【0049】耐久性: JIS P−8131ミューレ
ン高圧型破裂試験機による破裂強さ試験方法により破裂
強度を測定し、その破裂強度の水準により、次の基準で
表示した。◎:5kg/cm2 以上、○:4kg/cm2 以上5
kg/cm2 未満、△:3kg/cm2 以上4kg/cm2 未満、
×:3kg/cm2 未満。
【0050】
【表1】 表1に示す結果からわかるように、本発明によるパンテ
ィストッキング(No.A、B、C)は透明性に優れてい
た。特に、酸アミド化合物を配合したポリアミドモノフ
ィラメント糸を交編用糸に用いたNo. Aの場合は、極め
て高い透明性と高いフィット性を有し、しかも、ざらつ
きがなくソフトな風合いでつるつるした滑らかな肌触り
と、適度のハリ・腰を有する良好な製品となった。ま
た、製品のヒキツレも殆どみられなかった。
【0051】これに対し、7デニールと細過ぎるモノフ
ィラメント糸を交編用糸に用いた場合(比較例1)、ず
ばぬけた透明性を有し、かつ、ソフトな風合いに優れる
ものの、フィット性に劣り、しかも耐久性が低く、実用
上満足できないものであった。
【0052】また、20デニールと太過ぎるモノフィラ
メント糸を交編用糸に用いた場合(比較例2)、透明性
がやや不十分であり、ソフトさに欠け、ザラツキ感が強
く、風合いの悪いものであった。
【0053】また、2フィラメントの交編糸を用いた場
合(比較例3)、ソフトさ、ザラツキ感、つるつる感は
良好なものの、透明感がやや劣り、ハリ・腰、ヒキツレ
の発生もやや劣るものであった。
【0054】さらにまた、マルチフィラメント糸を交編
用糸に用いた場合(比較例4、5)、フィット性や触感
は良好であるものの透明性が著しく劣り、そして、ぬる
りとした触感でハリ・腰の弱い製品となり、しかもスト
ッキング製品のヒキツレ発生も多かった。
【0055】・ 実施例2 DCYの芯糸、被覆用糸、カバリング撚数を次のように
変更した以外は、実施例1と同様にしてDCYを製造し
た。
【0056】DCYのポリウレタン弾性糸に、実施例1
で用いた20デニールの他に、10デニール、30デニ
ール、及び70デニールの糸を用いた。その被覆用糸に
は、実施例1で用いた、艶消剤を含まずにエチレンビス
ステアリン酸アミドを1.0重量%含有するナイロン6
組成物からなる10デニール7フィラメントのマルチフ
ィラメント糸の他に、同じナイロン6組成物からなる、
5デニール5フィラメント、20デニール7フィラメン
トのナイロン6フィラメント糸を用いた。また、カバリ
ング撚数は、下撚数2400t/m (Z方向)、上撚数2
040t/m (S方向)、あるいは下撚数2900t/m
(Z方向)、上撚数2470t/m (S方向)とした。
【0057】一方、交編用糸には、実施例1の No.Aで
用いたと同じ13デニールのモノフィラメント糸を用
い、実施例1と同様な方法で交編を行なって脚部を編成
し、パンティストッキングとした。
【0058】得られたパンティストッキング製品の脚部
の透明度、フィット性、触感性を実施例1と同様に評価
し、それら結果を表2に示した。
【0059】また、脚部について、伸長回復応力特性、
耐摩耗性、編面を次の方法で評価し、それら結果も併せ
て表2に示した。
【0060】伸長回復応力特性: 定伸長型引張試験機
TOM−100E型(新興通信工業(株)製)を用い、
ストッキング試料に2kgの荷重を掛けて伸長した時の試
料長をL1 とし、このストッキング試料を2つ折りにし
て引張り試験機にかけ、このL1 /2の75%まで伸長
させ直ちに回復させた応力歪のヒステリシス曲線を描か
せる。このヒステリシス曲線からL1 /2の75%伸長
した時点の応力値(g)を、また、その回復時曲線から
L1 /2の60%伸長の長さに回復した時点の応力値
(g)とを読取り、それらを1/2にした値を、それぞ
れ、75%伸長応力、60%回復応力の値として表し
た。これらの値は、ストッキングのフィット性を示す指
標であり、高いほどフィット性は優れている。
【0061】耐摩耗性: ピリングテスター(東京精機
製作所(株)製)を使用し、編地に750gの荷重をか
け1000回摩耗した後の編地の破れの発生の有無を判
定した。同一試料について10枚を試験し、次の基準で
もって評価した。
【0062】◎:破れの発生が1枚以下、 ○:破れの
発生が2〜3枚、 △:破れの発生が4〜5枚、 ×:
破れの発生が6枚以上。
【0063】編面の評価: 脚部を机上に広げて静置し
検査者(5人)が目視により、編目の乱れ、編地表面の
フラットさを、次の基準により相対評価した。
【0064】◎:編目が揃っていてフラットである、
○:編目にやや乱れはあるがほぼフラットである、
△:編目にやや乱れがあり、さらに表面に凹凸感があ
る、 ×:編目が乱れ表面に凹凸がみられる。
【0065】
【表2】 表2に示す結果からわかるように、本発明によるパンテ
ィストッキング( No.A、D、E、F、G)に比較し、
本発明以外の糸構成をとるDCYを用いた比較6、7の
場合は、透明性、耐久性(耐摩耗性)、フィット性、触
感性(風合やソフトさ)、編面の良否の点で、不十分な
製品しか得られなかった。
【0066】
【発明の効果】本発明では、弾性繊維からなる8〜40
デニールの芯糸に、熱可塑性合成重合体からなる全繊度
が3〜15デニールのフィラメント糸を二重に巻付けて
なるDCYと、熱可塑性合成重合体からなる8〜15デ
ニールの実質的に捲縮を有さないモノフィラメント糸と
を交互編成することによってパンティストッキングの脚
部を構成しているので、従来のDCYとマルチフィラメ
ント糸とを交編してなる生糸ライクの透明性の低いサポ
ートタイプパンティストッキングに比較し、透明性が著
しく向上し、かつ極めて高いフィット性と伸縮性を有す
るシアーサポートパンティストッキングが得られる。
【0067】さらに、編地の乱れのない美しい生地面で
ヒキツレが起こり難く、耐久性も十分に高いシアーサポ
ートパンティストッキングが得られる。
【0068】特に、請求項2のように、実質的に艶消剤
を含まないポリアミドモノフィラメント糸を交編用糸に
用いれば、透明性が一段と向上し、鮮明な色調のパンテ
ィストッキング製品が得られる。
【0069】また、請求項3のように、特定の酸アミド
化合物を配合したポリアミドモノフィラメント糸を交編
用糸に用いれば、編地全体が極めてソフトな感触や滑ら
かな肌触りの製品となり、着用時の快適性が著しく改善
される。さらに、透明性や鮮明性が一段と向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパンティストッキングの脚部編地を伸
長した状態を拡大して例示する模式図である。
【図2】従来のパンティストッキングの脚部編地を同様
に示す模式図である。
【符号の説明】
1、2:DCY 3:モノフィラメント糸の交編用糸 4:マルチフィラメント糸の交編用糸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性繊維からなる8〜40デニールの
    芯糸に熱可塑性合成重合体からなる全繊度が3〜15デ
    ニールのフィラメント糸を二重に巻付けてなるダブルカ
    バリング弾性糸と、熱可塑性合成重合体からなる8〜1
    5デニールの実質的に捲縮を有さないモノフィラメント
    糸との交互編成編地からなる脚部を有するパンティスト
    ッキング。
  2. 【請求項2】 前記モノフィラメント糸が、実質的に
    艶消剤を含まないポリアミドモノフィラメント糸である
    請求項1記載のパンティストッキング。
  3. 【請求項3】 前記モノフィラメント糸が、ポリアミ
    ドに対して0.01〜3.0重量%の下記一般式I、II
    で表される酸アミド化合物を含有するポリアミド組成物
    からなるポリアミドモノフィラメント糸である請求項1
    記載のパンティストッキング。 【化1】 (ただし、R1 、R4 は炭素原子数10〜20のアルキ
    ル基、R2 、R3 は水素原子、メチル基またはエチル
    基、nは1〜10の整数を、それぞれ示す。)
  4. 【請求項4】 前記ダブルカバリング弾性糸の弾性繊
    維がポリウレタン弾性繊維であり、かつ、巻付けのフィ
    ラメント糸が、ポリアミドに対して0.01〜3.0重
    量%の下記一般式I、IIで表される酸アミド化合物を含
    有するポリアミド組成物からなる2〜8フィラメントの
    ポリアミドマルチフィラメント糸である請求項1記載の
    パンティストッキング。 【化2】 (ただし、R1 、R4 は炭素原子数10〜20のアルキ
    ル基、R2 、R3 は水素原子、メチル基またはエチル
    基、nは1〜10の整数を、それぞれ示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0648873A1 (en) * 1993-10-15 1995-04-19 Toray Industries, Inc. Hosiery and process for producing the same
CN104532461A (zh) * 2015-01-26 2015-04-22 浙江宝娜斯袜业有限公司 一种丝袜组织机构以及使用该丝袜组织结构的战斗袜

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