JPH05311238A - 超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents
超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法Info
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- JPH05311238A JPH05311238A JP11932892A JP11932892A JPH05311238A JP H05311238 A JPH05311238 A JP H05311238A JP 11932892 A JP11932892 A JP 11932892A JP 11932892 A JP11932892 A JP 11932892A JP H05311238 A JPH05311238 A JP H05311238A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Abstract
た、板厚の薄い材料(例えば0.13mm)において
も、二次再結晶による結晶方位制御と鋼板表面の平滑化
を達成することにより、超低鉄損の一方向性電磁鋼板を
低コストで製造する方法を提供する。 【構成】 仕上焼鈍前に脱炭焼鈍板を積層する際に、焼
鈍分離剤を静電塗布法等により水分を持ち込まないよう
にし、かつ仕上焼鈍時に、1000〜1100℃の温度
域まで50℃/hr以上の昇温速度で昇温して二次再結
晶させ、その後、1100℃以上の温度で含H2 雰囲気
中で焼鈍することにより、鋼板表面の平滑化を達成す
る。
Description
電気機器等の鉄心として利用される一方向性珪素鋼板の
製造方法に関するものである。特に、その表面を効果的
に仕上げることにより、鉄損特性の向上を図ろうとする
ものである。
くの電気機器に用いられている。一方向性珪素鋼板は、
製品の結晶粒の方位を{110}<001>方位に高度
に集積させたものであり、磁気特性として磁束密度が高
く(B8 値で代表される)、鉄損が低い(W17/50 値で
代表される)ことが要求される。特に、最近では省エネ
ルギーの見地から電力損失の低減に対する要求が高まっ
ている。
損を低減させる手段として、磁区を細分化する技術が開
発された。仕上焼鈍後の鋼板にレーザービームを照射し
て局部的な微少歪を与えることにより磁区を細分化して
鉄損を低減させる方法が、例えば特開昭58−2640
5号公報に開示されている。また、巻き鉄心の場合、鉄
心に加工した後、歪取焼鈍(応力除去焼鈍)を施しても
磁区細分化効果の消失しない方法も、例えば特開昭62
−8617号公報に開示されている。これらの技術的手
段を用いて磁区を細分化することにより鉄損は大きく低
減されるようになってきている。
すると動かない磁区も存在していることが分かり、一方
向性珪素鋼板の鉄損値をさらに低減させるためには、磁
区細分化と合わせて磁区の動きを阻害する鋼板表面のグ
ラス被膜からのピン止め効果をなくすことが重要である
ことが分かった。そのための手段として、仕上焼鈍後の
材料の表面を化学研磨あるいは電解研磨により平滑化す
る方法が、例えば特開昭64−83620号公報に開示
されている。
方法は、研究室レベルでの少試料の材料を加工すること
は可能であるが、工業的規模で行うには薬液の濃度管
理、温度管理、公害設備の付与等の点で大きな問題があ
る。本発明者等の一部は、この問題を解決すべく特願平
2−409378号において、製品のグラス被膜を除去
し、地鉄を露出させた鋼板を水素を含有するガスを含む
雰囲気ガス中で1000℃以上の温度で焼鈍することに
より、表面を平滑化させる方法を提案している。
一旦仕上焼鈍で生成させたグラス被膜を仕上焼鈍後に除
去する工程と、平滑化処理する工程を新たに設ける必要
がある。従って、工程的にコストアップとなり、工業的
に採用するには問題がある。本発明の目的とするところ
は、仕上焼鈍中に、(1)二次再結晶による方位の制御
と、(2)表面の平滑化を同時に達成し、低コストで従
来にない鉄損の低い一方向性珪素鋼板を製造する方法を
提供するにある。
題を解決するために種々の検討を行い、上記の問題を共
に解決する方法を見出した。本発明者等はまず界面に関
する種々の検討の結果、表面の平滑化を阻害するもの
は、一次再結晶板のシリカを主成分とする表面酸化層お
よび仕上焼鈍時の表面直上の水分であることを解明し
た。そこで表面平滑化の達成手段を検討した結果、一次
再結晶板を積層する際、焼鈍分離剤を従来のように水ス
ラリーで塗布せずにドライのまま塗布することや一次再
結晶板の表面酸化層を除去することが表面の平滑化に有
効であることを見出した。
膜(フォルステライト)が形成されないので界面を介し
て脱窒素を抑制することができず、インヒビターが早く
弱まってしまい、特に磁気特性を向上させるために板厚
を薄くした材料において、二次再結晶による方位制御が
充分に行われにくいことが分かった。この問題を解決す
る手段として仕上焼鈍時に温度勾配を付与して二次再結
晶させることが有効であり、高い磁束密度の製品が安定
して得られることを見出した。
ろな方法が考えられ、本発明者等も例えば特公昭62−
7252号公報において提案している。ところが、この
ような方法では、設備的にコストがかかってしまい、実
際に製造するだけのメリットがなくなってしまう。本発
明者等は種々の検討を行った結果、本発明のように焼鈍
分離剤としてMgO等を静電塗布することにより、コイ
ルに水分を持ち込まない場合、急速加熱しても二次再結
晶が不安定にならず、かつ温度勾配を確保できることを
見出した。
として用いた場合、急速加熱するとスラリー中の水和水
分がコイルの外に抜けずに、コイルの一部においては酸
素ポテンシャルの非常に高い状態で二次再結晶温度域に
到達してしまう。このような場合、鋼板中のインヒビタ
ー構成元素であるアルミニウムが酸素と反応して急激に
減少してしまい、二次再結晶は不安定になり、磁束密度
を高めることができなくなってしまう。ところが、本発
明のように水分を持ち込まない場合にはこのような不安
定性が解消されるものと推測される。
上焼鈍時間は短くなり、変動費も安く、生産性も向上
し、コストが安くなるという利点もある。以下に本発明
を詳細に説明する。図1に板幅1mのコイルを焼鈍した
場合の二次再結晶温度域950〜1100℃での最低の
温度勾配と昇温速度の影響を示す。磁束密度を高めるた
めには、少なくとも2℃/cmの温度勾配を確保する必
要がある。従って、図1を参照すると昇温速度は、50
℃/hr以上で行う必要があることが分かる。
%、C:0.05%、S:0.007%、酸可溶性A
l:0.028%、N:0.008%を含み、残部はF
eおよび不可避的不純物からなる珪素鋼スラブを115
0℃で加熱した後、板厚1.6mmに熱延した。この熱
延板を1100℃で2分間焼鈍した後、最終板厚0.1
5mmに冷延した。この冷延板を湿潤ガス中で、脱炭を
兼ねて850℃で70秒間焼鈍し、一次再結晶させた。
のようにマグネシアを主成分とする焼鈍分離剤を水スラ
リーで塗布し、一部は(2)静電塗布を行い、コイル状
試料とした。その内周部および外周部の側面に断熱材を
巻き、仕上焼鈍はN2 :100%の雰囲気ガス中で、5
0℃/hrの速度で1100℃まで昇温し、1100℃
で50時間保持して、コイル全域が1100℃になるこ
とを確認した後、1200℃まで昇温し、H2 :100
%に切りかえ、20時間純化焼鈍を行った。
処理とレーザー照射による磁区細分化処理を行った後の
磁気特性を表1に示す。
次再結晶が不完全になることが分かる。また、温度勾配
下で焼鈍することにより、磁束密度が高く、従来にない
低鉄損値が得られることが分かる。このように温度勾配
下で焼鈍することにより二次再結晶が安定するのは、本
発明のように焼鈍分離剤としてAl2 O3 のパウダー等
を使用した場合、従来のように表面にフォルステライト
被膜が形成されないので、図1に示すように温度勾配下
で焼鈍すると二次再結晶が発現する温度が低下して、実
質的にインヒビターの強い状態で二次再結晶が行われる
からであると考えられる。
再結晶温度を低下させ、インヒビターの強い状態で二次
再結晶を行わせることができるため、従来にない板厚の
薄い材料の場合にも、二次再結晶が安定化するわけであ
る。このように、仕上焼鈍中の酸素ポテンシャルを下げ
るために用いる焼鈍分離剤として、Al2 O3 、SiO
2 、ZrO2 、BaO、CaO、SrO等を用いること
もできる。またこれらの粉末を混合して用いることもで
きる。
防止の板を用いることもできる。例えば、フォルステラ
イト被膜のついた鋼板や、Al2 O3 、SiO2 、Zr
O2、BaO、CaO、SrO等の酸化物もしくはその
混合物を付着させたシートをスペーサーとして用いる方
法も有効である。このように焼付き防止の板を用いた場
合は、板厚の薄い材料を焼鈍する際に座屈等による形状
の劣化を防止する上でも有効である。
成分としては、重量でSi:0.8〜4.8%、酸可溶
性Al:0.012〜0.050%、N≦0.01%、
残部Feおよび不可避的不純物であり、これらを必須成
分として、それ以外は特に限定しない。Siは電気抵抗
を高め、鉄損を下げる上で重要な元素である。含有量が
4.8%を超えると、冷間圧延時に材料が割れ易くな
り、圧延不可能となる。一方、Si量を下げると仕上焼
鈍時にα→γ変態を生じ、結晶の方向性が損なわれるの
で、実質的に結晶の方向性に影響を及ぼさない0.8%
を下限とする。
(Al、Si)Nとしてインヒビターとして機能するた
めに必須の元素である。磁束密度が高くなる0.012
〜0.050%を限定範囲とする。Nは製鋼時に0.0
1%を超えて添加するとブリスターとよばれる鋼板中の
空孔を生じるので0.01%を上限とする。
S、Se、B、Bi、Pb、Sn、Ti等を添加するこ
ともできる。上記成分の溶鋼は、通常の工程により熱延
板とされるか、もしくは溶鋼を連続鋳造して薄帯とす
る。前記熱延板または連続鋳造薄帯は直ちに、もしくは
短時間焼鈍を経て冷間圧延される。
30秒〜30分間行われ、この焼鈍は製品の磁気特性を
高めるために有効である。望む製品の特性レベルとコス
トを勘案して採否を決めるとよい。冷間圧延は、基本的
には特公昭40−15644号公報に開示されているよ
うに、最終冷延圧化率80%以上とすれば良い。
炭素を除去するために、必要に応じて湿水素雰囲気中
で、750〜900℃の温度域で一次再結晶焼鈍させ
る。この一次再結晶板を仕上焼鈍するために積層するた
めの焼鈍分離剤を静電塗布したり、焼付き防止の板を用
いることにより水分を持ち込まないようにして、仕上焼
鈍時の酸素ポテンシャルを下げ、鋼板の平滑化と二次再
結晶の安定化を同時に達成することが本発明の特徴の一
つである。
すると、表面の平滑化を達成する上で有効である。ま
た、仕上焼鈍において昇温速度を50℃/hr以上で昇
温して二次再結晶の発現する900〜1100℃の温度
域でのコイル内の温度勾配を確保して二次再結晶による
方位制御を充分に達成することが本発明のもう一つの特
徴である。
おくことは、熱流を上下面に限定するので、温度勾配を
確保する上で有効である。仕上焼鈍後、張力コーティン
グ処理、レーザー照射等の磁区細分化処理を施す。
05%、S:0.007%、酸可溶性Al:0.028
%、N:0.008%を含み、残部はFeおよび不可避
的不純物からなる珪素鋼スラブを1150℃で加熱した
後、板厚1.6mmに熱延した。この熱延板を1100
℃で2分間焼鈍した後、最終板厚0.125mmに冷延
した。この冷延板を湿潤ガス中で、脱炭を兼ねて850
℃で70秒間焼鈍し、一次再結晶させた。次いで、一部
は(A)Al2 O3 を静電塗布し、一部は(B)フォル
ステライトの付着した鋼板をスペーサーとして積層した
後、仕上焼鈍を施した。
の雰囲気ガス中で100℃/hrの昇温速度で行い、1
100℃から5℃/hrの昇温速度で1200℃まで昇
温し、H2 :100%に切りかえ、10時間純化焼鈍を
行った。これらの試料を張力コーティング処理を施した
後、レーザー照射して磁区細分化した。得られた製品の
磁気特性を表2に示す。
来製造することが困難であった板厚の薄い材料までも安
定して製造することが可能になり、磁束密度が高く、か
つ超低鉄損の磁気特性をもつ一方向性珪素鋼板を製造す
ることができる。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量で、Si:0.8〜4.8%、酸可
溶性Al:0.012〜0.050%、N≦0.01
%、残部Feおよび不可避的不純物からなる珪素鋼帯を
必要に応じて焼鈍した後、一回もしくは中間焼鈍をはさ
む二回以上の冷間圧延により所定の板厚とし、一次再結
晶焼鈍・仕上焼鈍を行う一方向性珪素鋼板の製造方法に
おいて、一次再結晶板を積層する際に焼鈍分離のスペー
サーを水和水分を持ち込まない形態で導入し、仕上焼鈍
において昇温速度を50℃/hr以上で1000〜11
00℃の温度まで昇温することにより温度勾配下で二次
再結晶を発現させ、その後1100〜1200℃の温度
域で少なくともH2 を50%以上含有する雰囲気ガス中
で焼鈍して表面の鏡面化と純化を行うことを特徴とする
超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 コイルの側面に断熱材を巻き、側面から
の熱の流入を抑制する請求項1記載の超低鉄損一方向性
珪素鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 焼鈍分離剤として、MgO、Al
2 O3 、SiO2 、ZrO、BaO、CaO、SrO等
の酸化物もしくはその混合物の粉末を静電塗布する請求
項1または2記載の超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方
法。 - 【請求項4】 焼鈍分離のスペーサーとして、MgO、
Mg2 SiO4 、Al2 O3 、SiO2 、ZrO、Ba
O、CaO、SrO等の酸化物もしくはその混合物を表
面に付着させた鋼板を用いる請求項1または2記載の超
低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11932892A JP3182667B2 (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | 超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05311238A true JPH05311238A (ja) | 1993-11-22 |
JP3182667B2 JP3182667B2 (ja) | 2001-07-03 |
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Family Applications (1)
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JP11932892A Expired - Lifetime JP3182667B2 (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | 超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3182667B2 (ja) |
-
1992
- 1992-05-12 JP JP11932892A patent/JP3182667B2/ja not_active Expired - Lifetime
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