JPH05310992A - 抗菌性透明樹脂、抗菌性接着剤、抗菌性樹脂成形物 - Google Patents

抗菌性透明樹脂、抗菌性接着剤、抗菌性樹脂成形物

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JPH05310992A
JPH05310992A JP4116155A JP11615592A JPH05310992A JP H05310992 A JPH05310992 A JP H05310992A JP 4116155 A JP4116155 A JP 4116155A JP 11615592 A JP11615592 A JP 11615592A JP H05310992 A JPH05310992 A JP H05310992A
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冨田  勝己
Toshiichi Tomioka
冨岡  敏一
Kenji Hoshino
賢二 星野
Atsushi Nishino
西野  敦
Masaaki Yonemura
正明 米村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微生物汚染を防止でき、人体および環境に対
する安全性が高い抗菌性透明樹脂を提供すること。 【構成】 透明性樹脂材料に、透明性樹脂材料の屈折率
に同じ又は近い屈折率を有するシリカゲルにチオスルフ
ァト銀錯塩を担持させた後、少なくともその表面の一部
が透明性樹脂材料の屈折率に同じ又は近い屈折率を有す
るコーティング材料で被覆された無機系抗菌剤が混練さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家庭用品あるいは建築
材料に用いられる抗菌性透明樹脂、抗菌性接着剤、抗菌
性樹脂成形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年ほとんどの家庭用品は樹脂製のもの
が主流となっており、中でも透明性の樹脂は中のものが
透視できることからその利用用途が広がっている。一
方、ほとんどの樹脂はその表面が微生物の生息場所とな
っており、その清潔性の向上が要望されている。
【0003】また、多くの家庭用品や建築材料の表面に
は樹脂を主剤とする塗料が用いられている。中でも透明
性樹脂を主剤とする塗料は、下地の風合いを損なうこと
なく表面の保護・つや出しをおこなえる。
【0004】しかし、ほとんどの塗装表面は微生物の生
息場所となっており、塗装面の黒ずみ等の汚濁防止や清
潔性の向上が要望されている。そこで、フェノール等の
有機系抗菌剤が塗料中に混合されて使用されている。
【0005】また、食品包装用の透明樹脂フィルムは、
家庭用や業務用として広く利用されている。一方ほとん
どの食品包装用の透明樹脂フィルムは、細菌の生息場所
となっており、その清潔性の向上が要望されている。
【0006】また、多くの家庭用品や建築材料には接着
剤が用いられている。接着剤の主剤成分は天然および人
工の高分子であり、ほとんどの場合これらの使用部位に
は細菌の繁殖がみられ、黒ずみ等の汚濁や不衛生等の問
題が起こっている。そこで、フェノール等の有機系抗菌
剤が接着剤に混合されて使用されている。
【0007】また、熱可塑性樹脂等の樹脂成型物に、抗
菌性粒子を混入して抗菌作用を発揮させることは、台所
や浴室などで用いられる容器や洗い桶、トレーなどに用
いられてきている。これらはおもに熱可塑性樹脂のペレ
ットに抗菌性粒子をあらかじめ混練しておき、射出成型
などによって成型したものである。従来、樹脂に混入す
る抗菌性粒子の粒径は0.5〜10μm程度としてい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に、樹脂表面の微
生物汚染は、樹脂上に栄養源を含んだ水分と微生物が接
触するところから始まり、さらにほこり等も付着し、最
終的にはぬめりの発生、細菌の増殖につながる。特に、
透明性樹脂では、表面に黒ずみ等の変色が発生すること
は樹脂の持つ特徴を著しく劣化させることになる。又、
食品包装用の透明樹脂フィルムでは、人体に対する安全
性が極めて重要である。
【0009】しかしながら、微生物の繁殖を抑制するた
めに従来より使用されている有機系の抗菌剤は、人体お
よび環境に対する安全性に課題がある。
【0010】また、従来、成型後の樹脂成型物表面近傍
にある抗菌性粒子は樹脂の内部に埋没しやすく、特に粒
径が小さいほどこの傾向が著しいため抗菌能力が発揮さ
れない、あるいは抗菌能力の制御が困難であるなどの課
題があった。一方、抗菌性粒子の熱硬化性樹脂への適用
を図ろうとした場合に、従来の抗菌性粒子は、熱硬化性
樹脂を硬化させるために添加する硫化物によって容易に
化学変化を受け、樹脂を着色してしまうものであった。
また、一般的に圧縮成型によって成型される熱硬化性樹
脂は硫化剤混入直後は粘性が小さいことから、抗菌性樹
脂成型物の成型仕上がりそのままの面は表面がすべて樹
脂で覆われており、添加している抗菌性粒子が露頭を現
す形とはなっていないという課題がある。
【0011】本発明は、従来のこのような課題を考慮
し、微生物汚染を防止でき、人体および環境に対する安
全性が高い透明性樹脂、透明性樹脂を主剤とする塗料、
あるいは透明性樹脂フィルム等の抗菌性透明樹脂を提供
することを目的とするものである。
【0012】また、人体及び環境に対する安全性が高い
抗菌性接着剤を提供することを目的とするものである。
【0013】また、抗菌性の付与が可能で抗菌効果を高
めることができる抗菌性樹脂成形物を提供することを目
的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、透
明性樹脂材料に無機系抗菌剤が混練されている抗菌性透
明樹脂である。
【0015】請求項5の本発明は、接着剤に無機系抗菌
剤が混練されている抗菌性接着剤である。
【0016】請求項7の本発明は、母材樹脂に、粒径3
0μm以上の抗菌性粒子が混入されている抗菌性樹脂成
形物である。
【0017】
【作用】請求項1の本発明は、無機系抗菌剤が、透明性
樹脂材料の透明性を損なうことなく抗菌性能を持続さ
せ、更に無機系抗菌剤であるので人体及び環境に対する
安全性が高い。
【0018】請求項5の本発明は、無機系抗菌剤が、抗
菌性能を持続させ、更に無機系抗菌剤であるので人体及
び環境に対する安全性が高い。
【0019】請求項7の本発明は、抗菌性粒子の粒径が
30μm以上であるので、樹脂成形物表面における抗菌
性粒子の露頭出現を増大させ、抗菌効果を高める。
【0020】
【実施例】以下に、本発明をその実施例に基づいて説明
する。
【0021】(実施例1)実施例1では抗菌性透明樹脂
について説明する。
【0022】まず、本発明に用いる抗菌剤の製法を説明
する。
【0023】酢酸銀などの水溶性銀塩100重量部、亜
硫酸ナトリウムおよび亜硫酸水素ナトリウムの混合物4
50重量部、およびチオ硫酸ナトリウムの水溶性塩30
0重量部を塩素を含まない水に加えて溶解させ、充分撹
拌しながら混合しチオスルファト銀錯塩水溶液を得た。
【0024】本実施例に用いる抗菌剤用担体は、「JI
S Z 0701包装用シリカゲル乾燥剤」に記載のB
型のシリカゲル粉末である。このB型シリカゲル粉末
は、低湿度では吸湿率が低く、高湿度では吸湿率が高
く、かつ高湿度における総吸湿量の高いシリカゲル粉末
であり、その平均粒径は3μm程度である。
【0025】このシリカゲル粉末を180℃で2時間以
上乾燥させた。シリカゲル100重量部に対し、銀成分
として2重量部になるように上記チオスルファト銀錯塩
水溶液を混合した。次いで、速やかに溶媒および担体中
に吸収された水分を除去した。次いで、これを所定の粒
径に粉砕して、抗菌性材料が担持したシリカゲルを得
た。
【0026】反応性有機珪素化合物としてテトラエトキ
シシラン100重量部をエチルアルコールに希釈混合さ
せた溶液に、上記シリカゲル100重量部を分散させた
後、これに純水を加えてテトラエトキシシランを加水分
解させ、シリカゲルの表面の少なくとも1部をコーティ
ングした。次いでこれを乾燥させて銀シリカゲル系抗菌
剤を得た。
【0027】次に、メラミン樹脂100重量部に上記銀
シリカゲル系抗菌剤3重量部、ステアリン酸カルシウム
3重量部を混合、約150℃でプレス成型して後100
℃で2時間焼成キュアリングし抗菌性透明樹脂を得る。
この抗菌性透明樹脂について下記の方法で抗菌試験を行
った。その結果を表1に示す。
【0028】抗菌試験は、大腸菌(Escherichia col
i), 黄色ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus)を用
い、菌液滴下法に準じた。評価は3日後に行った。
【0029】また、抗菌性透明樹脂について、抗菌剤の
添加されていない樹脂と比較し、成型時の加熱による変
色試験の結果、紫外線暴露による変色試験の結果、塩素
系洗剤浸漬による変色試験を行った。
【0030】なお、成型品の透明性については成型後の
色状態、成型時の加熱変色については150℃での成型
後の樹脂表面色変化、紫外線暴露試験についてはサンシ
ャインウエザロメーター2000時間暴露後の樹脂表面
色変化、塩素系洗剤浸漬試験については次亜塩素酸ナト
リウム5%水溶液100時間浸漬後の樹脂表面色変化を
調べ、その結果を表2に示す。
【0031】表1より、本実施例の抗菌性透明樹脂は実
用的な抗菌性能を有することがわかる。
【0032】表2より、本実施例の抗菌性透明樹脂は実
用的な耐変色性能を有することがわかる。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】(実施例2)実施例2では、担体としてシ
リカゲルの代わりにゼオライトを用いて同様の方法で銀
ゼオライト系抗菌剤を作成し、抗菌剤として使用した。
【0036】ユリア樹脂100重量部に銀ゼオライト系
抗菌剤3重量部、ステアリン酸カルシウム3重量部を混
合、約150℃でプレス成型して後100℃で2時間焼
成キュアリングし抗菌性透明樹脂を得る。
【0037】この抗菌性透明樹脂について実施例1と同
様の方法で抗菌試験を行った。その結果は実施例1と同
様で、実用的な抗菌性能を有することがわかる。
【0038】また、抗菌性透明樹脂について、抗菌剤の
添加されていない樹脂と比較し、成型時の加熱による変
色試験の結果、紫外線暴露による変色試験の結果、塩素
系洗剤浸漬による変色試験についても実施例1と同様の
方法で試験を行った。その結果も実施例1と同様で実用
的な耐変色性能を有することがわかる。
【0039】上記実施例の抗菌性透明樹脂は、人体や環
境に対して安全性の高い銀をチオスルファト銀錯塩とし
てシリカゲル等に担持させた後、表面をコーティング材
料によって被覆してあるため、抗菌成分の徐放性があ
り、これにより樹脂表面での抗菌効果を長期間安定にす
る作用がある。樹脂中に混練された抗菌剤は、樹脂表面
近傍に接近してきた細菌に対して抗菌作用をおよぼす。
【0040】次に、主な透明性樹脂材料、シリカゲル、
ゼオライトの屈折率を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3に示される透明性樹脂材料と同程度の
屈折率を有するシリカゲルあるいはゼオライト粉末を担
体として用いた抗菌剤を用いることにより、樹脂表面に
抗菌作用を持たせ、なおかつ透明性を損なわないように
できる。ここで、シリカゲル又はゼオライトの屈折率は
1.3〜1.7の範囲にあるので、透明性樹脂材料の屈
折率も1.3〜1.7の範囲(1.3あるいは1.7に
近い屈折率であればこの範囲外でもよい)であれば、他
の透明性樹脂材料を用いることが可能である。
【0043】また、樹脂表面は、各種洗剤や太陽光の当
たる場所でも使用されるため塩素系薬品や紫外線の暴露
を受けるが、本樹脂中の抗菌剤は、テトラアルコキシシ
ランの加水分解物の被覆により抗菌成分が直接塩素や紫
外線の影響を受け難くなっているため、安定した抗菌作
用および耐変色性を有することが可能となる。
【0044】(実施例3)実施例3では、抗菌性透明樹
脂を主剤とする抗菌性塗料ついて説明する。
【0045】まず、実施例1と同様に銀シリカゲル系抗
菌剤を作成する。
【0046】次に、塩化ビニル樹脂40量部、メタノー
ル25量部、酢酸エチル10量部およびトルオール25
量部に上記銀シリカゲル系抗菌剤1量部を混合撹拌し、
抗菌性塗料を得る。この抗菌性塗料をヘアライン加工し
たSUS304にスプレー塗布し、48時間常温放置で
乾燥硬化させたものについて下記の方法で抗菌試験を行
った。その結果を表4に示す。
【0047】抗菌試験は、大腸菌(Escherichia col
i)、黄色ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus)を用
い、菌液滴下法に準じた。評価は3日後に行った。
【0048】また、抗菌性塗料について、フェノールを
用いた従来の有機系抗菌剤を使用した従来有機系塗料、
抗菌剤の添加されていない塗料と比較し、塗装乾燥後の
透明性、紫外線暴露による変色試験および塩素系洗剤浸
漬による変色試験を行った。
【0049】なお、塗装品の透明性についてはヘアライ
ンの状態および色状態を、紫外線暴露試験についてはサ
ンシャインウエザロメーター2000時間暴露後の塗装
表面色変化を、塩素系洗剤浸漬試験については次亜塩素
酸ナトリウム5%水溶液100時間浸漬後の塗装表面色
変化を調べ、その結果を表5に示す。
【0050】表4より、本実施例の抗菌性塗料は実用的
な抗菌性能を有することがわかる。
【0051】表5より、本実施例の抗菌性塗料は実用的
な耐変色性能を有することがわかる。
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】(実施例4)実施例4では、担体としてシ
リカゲルの代わりにゼオライトを用いて同様の方法で銀
ゼオライト系抗菌剤を作成し、抗菌剤として使用した。
【0055】スチロール樹脂25量部、ロジン5量部、
大豆油5量部、キシロール35量部およびトルオール3
0量部に上記銀ゼオライト系抗菌剤1重量部を混合撹拌
し、抗菌性塗料を得る。この抗菌性塗料をSUS304
にスプレー塗布し、48時間常温放置で乾燥硬化させた
ものについて下記の方法で抗菌試験を行った。
【0056】この抗菌性塗料について実施例3と同様の
方法で抗菌試験を行った。その結果は実施例3と同様
で、実用的な抗菌性能を有することがわかる。
【0057】また、抗菌性塗料について、抗菌剤の添加
されていない塗料、従来の有機系抗菌剤を使用した抗菌
性塗料と比較し、塗装乾燥後の透明性、紫外線暴露によ
る変色試験および塩素系洗剤浸漬による変色試験につい
ても実施例3と同様の方法で行った。その結果も実施例
3と同様で実用的な耐変色性能を有することがわかる。
【0058】以上のように本実施例の抗菌性塗料は、人
体や環境に対して安全性の高い銀をチオスルファト銀錯
塩としてシリカゲル等に担持させた後、表面を被覆して
あるため、抗菌成分の徐放性があり、これにより塗料中
で長期間安定して抗菌効果を持続する作用がある。塗料
中に混練された抗菌剤は、塗装表面近傍に接近してきた
細菌に対して抗菌作用をおよぼす。
【0059】ここで、塗料の主材となる透明性樹脂材料
としては前述の表3と同様のものがある。
【0060】表3に示される透明性樹脂材料と同程度の
屈折率を有するシリカゲルあるいはゼオライト粉末を担
体として用いた上記抗菌剤を用いることにより、塗料の
透明性を損なう事がなく、塗面下地の風合いを損なうこ
とがない。この場合も透明性樹脂材料の屈折率は、シリ
カゲル又はゼオライトの屈折率1.3〜1.7の範囲
(1.3あるいは1.7に近い屈折率であればこの範囲
外でもよい)であれば、他の透明性樹脂材料を用いるこ
とができる。
【0061】また、塗装表面は、各種洗剤や太陽光の当
たる場所でも使用されるため塩素系薬品や紫外線の暴露
を受けるが、抗菌性塗料中の抗菌剤は、テトラアルコキ
シシランの加水分解物の被覆により抗菌成分が直接塩素
や紫外線の影響を受け難くなっているため、安定した抗
菌作用および耐変色性を有することが可能となる。
【0062】(実施例5)実施例5では、フィルム状の
抗菌性透明樹脂について説明する。
【0063】まず、実施例1と同様に銀シリカゲル系抗
菌剤を作成する。
【0064】次に、ポリ塩化ビニリデン樹脂100重量
部に上記銀シリカゲル系抗菌剤3重量部、ステアリン酸
カルシウム3重量部を混合し、押し出し機を用いて約1
80℃でマスターバッチを作った。これを成型機にかけ
厚さ0.25mmのフィルムを作成した。この抗菌性
食品包装用の透明樹脂フィルムについて、従来の樹脂フ
ィルムと比較して下記の方法で抗菌試験を行った。その
結果を表6に示す。
【0065】抗菌試験は、大腸菌(Escherichia col
i), 黄色ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus)を用
い、菌液滴下法に準じた。評価は3日後に行った。
【0066】表6より、本実施例の透明樹脂フィルムは
実用的な抗菌性能を有することが確認できた。
【0067】
【表6】
【0068】(実施例6)実施例6では、ポリ塩化ビニ
ル樹脂100重量部に実施例5と同様の方法で作成した
銀シリカゲル系抗菌剤3重量部、ステアリン酸カルシウ
ム3重量部を混合し、押し出し機を用いて約170℃で
マスターバッチを作った。これを成型機にかけ厚さ0.
25mmのフィルムを作成した。この抗菌性食品包装用
の透明樹脂フィルムについて実施例5と同様の方法で抗
菌試験を行った。その結果は実施例5と同様で実用的な
抗菌性能を有することが確認できた。
【0069】(実施例7)実施例7では、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂100重量部に実施例5と同様の方法で作成した
銀シリカゲル系抗菌剤3重量部、ステアリン酸カルシウ
ム3重量部を混合し、押し出し機を用いて約170℃で
マスターバッチを作った。これを成型機にかけ 厚さ
0.25mmのフィルムを作成した。この抗菌性食品包
装用の透明樹脂フィルムについて実施例5と同様の方法
で抗菌試験を行った。その結果は実施例5と同様で実用
的な抗菌性能を有することが確認できた。 (実施例8)実施例8では、担体としてシリカゲルの代
わりにゼオライトを用いて同様の方法で銀ゼオライト系
抗菌剤を作成し、抗菌剤として使用した。
【0070】ポリエチレン樹脂100重量部に上記銀ゼ
オライト系抗菌剤3重量部、ステアリン酸カルシウム3
重量部を混合し、押し出し機を用いて約180℃でマス
ターバッチを作った。これを成型機にかけ 厚さ0.2
5mmのフィルムを作成した。この抗菌性食品包装用の
透明樹脂フィルムについて実施例5と同様の方法で抗菌
試験を行った。その結果は実施例5と同様で実用的な抗
菌性能を有することが確認できた。
【0071】また、上記実施例の抗菌性食品包装用の透
明樹脂フィルムの品質は、JIS Z 1707に準じて試験を行
い、所定の規格が得られた。
【0072】以上のように、上記実施例の抗菌性食品包
装用の透明樹脂フィルムは、人体や環境に対して安全性
の高い抗菌作用を有する銀を、チオスルファト銀錯塩と
してシリカゲル等に担持させた長期間安定した効果が持
続できる抗菌剤を、食品包装用の透明樹脂フィルム中に
分散させた構造を有する。透明樹脂フィルム中に混練さ
れた抗菌剤は、透明樹脂フィルム表面近傍に接近してき
た細菌に対して抗菌作用をおよぼす。
【0073】次に、透明樹脂フィルムに用いる透明性樹
脂材料、シリカゲル、ゼオライトの屈折率を表7に示
す。
【0074】
【表7】
【0075】表7に示される透明性樹脂材料と同程度の
屈折率を有するシリカゲルあるいはゼオライト粉末を担
体として用いた上記抗菌剤を用いることにより、抗菌性
能を付与した状態でフィルムの透明性を維持することが
出来る。この場合も透明性樹脂材料の屈折率は、シリカ
ゲル又はゼオライトの屈折率1.3〜1.7の範囲
(1.3あるいは1.7に近い屈折率であればこの範囲
外でもよい)であれば、他の透明性樹脂材料を用いるこ
とができる。
【0076】なお、上記実施例では、透明樹脂フィルム
を食品包装用として説明したが、その用途はこれに限定
されるものではない。
【0077】(実施例9)実施例9では、抗菌性接着剤
について説明する。
【0078】まず、実施例1と同様に銀シリカゲル系抗
菌剤を作成する。
【0079】次に、尿素60量部、30%ホルマリン2
00量部を混合し、水酸化ナトリウムを適当量加えてp
H7に中和する。これを沸騰させた後10分間還流さ
せ、ギ酸0.26量部加えて3時間沸騰させて尿素接着
剤を得る。これに上記銀シリカゲル系抗菌剤6量部加え
て抗菌性接着剤を得る。この接着剤をラワン材に塗布
し、24時間常温放置で乾燥硬化させたもの、またその
比較対照として従来のフェノールを用いた有機系接着剤
と抗菌剤無添加の接着剤とについて、下記の方法で抗菌
試験を行った。その結果を表8に示す。
【0080】抗菌試験は、大腸菌(Escherichia col
i)、黄色ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus)を用
い、菌液滴下法に準じた。評価は3日後に行った。
【0081】また、抗菌性接着剤について、従来の有機
系接着剤および抗菌剤の添加されていない接着剤と比較
し、塗布乾燥後の紫外線暴露による変色試験および塩素
系洗剤浸漬による変色試験を行なった。その結果を表9
に示す。
【0082】なお、紫外線暴露試験についてはサンシャ
インウエザロメーター2000時間暴露後の塗布面色変
化を、塩素系洗剤浸漬試験については次亜塩素酸ナトリ
ウム5%水溶液100時間浸漬後の塗布面色変化を調べ
た。
【0083】更に、細菌汚染による接着力の劣化を調べ
るために、抗菌性接着剤および抗菌剤無添加接着剤を用
いてラワン剤を接着し、相対湿度95%、気温35℃の
環境下に3週間放置して後の圧縮せん断接着強さを調べ
た。その結果を表10に示す。
【0084】表8より、本実施例の抗菌性接着剤は実用
的な抗菌性能を有することがわかる。
【0085】表9より、本実施例の抗菌性接着剤は実用
的な耐変色性能を有することがわかる。
【0086】表10より、本実施例の抗菌性接着剤は実
用的な接着強さを有することがわかる。
【0087】
【表8】
【0088】
【表9】
【0089】
【表10】
【0090】(実施例10)実施例10では、担体とし
てシリカゲルの代わりにゼオライトを用いて同様の方法
で銀ゼオライト系抗菌剤を作成し、抗菌剤として使用し
た。
【0091】スチロール樹脂25量部、ロジン5量部、
大豆油5量部、キシロール35量部およびトルオール3
0量部に上記銀ゼオライト系抗菌剤1重量部を混合撹拌
し、抗菌性接着剤を得る。この抗菌性接着剤をSUS3
04にスプレー塗布し、48時間常温放置で乾燥硬化さ
せたものについて下記の方法で抗菌試験を行った。
【0092】この抗菌性接着剤について実施例9と同様
の方法で抗菌試験を行った。その結果は実施例9と同様
で、実用的な抗菌性能を有することがわかる。
【0093】また、抗菌性接着剤について、抗菌剤の添
加されていない接着剤と比較し、塗装乾燥後の透明性、
紫外線暴露による変色試験および塩素系洗剤浸漬による
変色試験についても実施例9と同様の方法で行った。そ
の結果も実施例9と同様で実用的な耐変色性能を有する
ことがわかる。
【0094】以上のように、上記実施例の抗菌性接着剤
は、人体や環境に対して安全性の高い銀をチオスルファ
ト銀錯塩としてシリカゲル等に担持させ、長期間安定し
て効果を持続させるように接着剤中に分散させた構造を
有する。接着剤中に混練された抗菌剤は、塗布面上又は
接着面に接触した細菌に対して抗菌作用をおよぼす。ま
た、抗菌性接着剤で接着したものについても、接着物そ
のものあるいは周囲に水等の溶媒が存在すればその溶媒
中を移行した抗菌剤が抗菌作用をおよぼすことが可能と
なる。接着面での抗菌作用は、接着面での細菌の繁殖を
抑制する作用であり、これにより接着剤中への細菌の侵
入による接着面の脆弱化、しいては接着強度の劣化の抑
止が可能となる。
【0095】また、接着面は、各種洗剤や太陽光の当た
る場所でも使用されるため塩素系薬品や紫外線の暴露を
受けるが、抗菌性接着剤中の抗菌剤は、テトラアルコキ
シシランの加水分解物の被覆により抗菌成分が直接塩素
や紫外線の影響を受け難くなっているため、安定した抗
菌作用および耐変色性を有することが可能となる。
【0096】抗菌性接着剤中の抗菌剤は、テトラアルコ
キシシランの加水分解物の被覆により抗菌成分が直接塩
素や紫外線の影響を受け難くなっているため、変色性を
抑えることが可能となる。
【0097】(実施例11)実施例11では、抗菌性樹
脂成形物について説明する。
【0098】実施例11において用いる抗菌性粒子はシ
リカゲルにチオスルファト銀錯塩を担持させた後、その
表面の一部または全部をコーティング材料で被覆したこ
とを特徴とする。
【0099】次に銀シリカゲル系抗菌性粒子の製法を説
明する。
【0100】まず、酢酸銀などの水溶性銀塩100重量
部を塩素を含まない水に加えて溶解させ、亜硫酸ナトリ
ウムおよび亜硫酸水素ナトリウムの混合物450重量
部、およびチオ硫酸ナトリウムの水溶性塩300重量部
を順次、充分撹拌しながら混合し溶解させ、チオスルフ
ァト銀錯塩水溶液を得た。なお、チオ硫酸ナトリウムの
重量は、その水和物Na223・5H2Oの重量として
示される。
【0101】本実施例銀シリカゲル系抗菌性粒子に用い
る担体は、「JIS Z 0701包装用シリカゲル乾
燥剤」に記載のB型のシリカゲル粉末である。このB型
シリカゲル粉末は、低湿度では吸湿率が低く、高湿度で
は吸湿率が高く、かつ高湿度における総吸湿量の高いシ
リカゲル粉末であり、粒径の制御が可能である。本実施
例ではその平均粒径は30μm程度とする。
【0102】このシリカゲル粉末を180℃で2時間以
上乾燥させた。シリカゲル100重量部に対し、銀成分
として2重量部になるように上記チオスルファト銀錯塩
水溶液を混合した。次いで、速やかに溶媒および担体中
に吸収された水分を除去した。次いで、これを所定の粒
径に粉砕して、抗菌性材料が担持されたシリカゲルを得
た。
【0103】次に、コーティング材料としてテトラエト
キシシラン100重量部をエチルアルコール100重量
部に希釈混合させた溶液に、上記シリカゲル100重量
部を分散させた後、これに純水20重量部を加えてテト
ラエトキシシランを加水分解させ、上記シリカゲルの表
面の少なくとも1部をコーティングした。次いでこれを
乾燥させて銀シリカゲル系抗菌性粒子を得た。
【0104】次に抗菌性樹脂成型物(あるいは成形物)
の母材樹脂には、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを
用いる。本発明の抗菌性樹脂成型物は銀シリカゲル系抗
菌性粒子と樹脂を常法により混合しペレットにした後、
射出成型等により成型したものである。
【0105】配合は表11の通りである。
【0106】
【表11】
【0107】以上の抗菌性樹脂成型物について、以下の
試験方法により抗菌性能を評価した。
【0108】上記実施例に従って幅2cm、長さ3c
m、厚み2mmのテストプレートを成型した。さらに銀
シリカゲル系抗菌性粒子の粒径を3μmとした比較対照
テストプレートを、上記実施例11と同様に製造した。
大腸菌(Escherichia-coli 3301)を4.5×105 (生
菌数/ml)含むリン酸緩衝液0.2mlをテストプレ
ート上に滴下し、37℃で静置する。一定時間後、テス
トプレート上の菌液をシャーレに入れ 、40℃の一般
細菌用普通寒天培地(日水製薬株式会社製)で混釈す
る。寒天が固化したら37℃で18時間培養し、コロニ
ー数を計数する。静置する時間は数通り設定して生菌数
の時間変化を測定する。
【0109】粒径 3μmの抗菌性粒子を熱可塑性樹脂
に添加した場合と、粒径が30μmの場合の抗菌性試験
の結果を表12に示す。
【0110】
【表12】
【0111】(実施例12)実施例11と同じようにし
て銀シリカゲル系抗菌性粒子を作成し、母材樹脂に熱硬
化性樹脂である不飽和ポリエステルを用いて、抗菌性樹
脂成型物を製造する。配合は表13の通りである。
【0112】
【表13】
【0113】以上の抗菌性樹脂成型物について、以下の
試験方法により抗菌性能を評価した。
【0114】上記実施例に従って幅2cm、長さ3c
m、厚さ2mmのテストプレートを成型した。さらに銀
シリカゲル系抗菌性粒子の粒径を3μmとした比較対照
テストプレートを、上記実施例12と同様に製造した。
大腸菌(Escherichia-coli 3301)を45×105 (生菌
数/ml)含むリン酸緩衝液0.2mlをテストプレー
ト上に滴下し、37℃で静置する。一定時間後、テスト
プレート上の菌液をシャーレに入れ 、40℃の一般細
菌用普通寒天培地(日水製薬株式会社製)で混釈する。
寒天が固化したら37℃で18時間培養し、コロニー数
を計数する。静置する時間は数通り設定して生菌数の時
間変化を測定する。
【0115】粒径 3μmの抗菌性粒子を熱硬化性樹脂
に添加した場合と、粒径が30μmの場合の抗菌性試験
の結果を表14に示す。
【0116】
【表14】
【0117】(実施例13)公知の方法で調整したビス
コース液100重量%、実施例11と同じ銀シリカゲル
系抗菌性粒子20重量%濃度の組成を有する銀シリカゲ
ルビスコース溶液を直径0.1mmの孔を2200個有
する紡口より紡糸し、紡糸水を満たした紡糸炉斗中に2
50ml/分の吐出量で押しだし、紡糸炉斗中にて、充
分な凝固を行なわせた。用いた紡糸水の温度と流量は3
0℃、15 l(リットル)/分である。続いて、1.4
重量%の硫酸水溶液中を0.3秒通過させ繊維表面を再
生させる。紡糸された糸は、水洗し、硫化ナトリウムに
より脱硫を行う。水洗、染色、水洗、油処理を行う。こ
れを約0.5mm長に切断し、これを抗菌性粒子(レー
ヨン)とする。
【0118】抗菌性樹脂成型物の母材樹脂は熱可塑性樹
脂としてポリプロピレンを用いる。上記得られたレーヨ
ン抗菌性粒子と樹脂を常法により混合しペレットにした
後、射出成型等により成型したものである。
【0119】以上の抗菌性樹脂成型物について、以下の
試験方法により抗菌性能を評価した。
【0120】上記実施例に従って幅2cm、長さ3c
m、厚み2mmのテストプレートを成型した。さらに銀
シリカゲル系抗菌性粒子を添加しないレーヨン繊維から
得られたレーヨン粒子を用いた比較対照テストプレート
を上記製造方法と同様に製造した。大腸菌(Escherichia
-coli 3301 )を4.5×105 (生菌数/ml)含むリ
ン酸緩衝液0.2mlをテストプレート上に滴下し、3
7℃で静置する。一定時間後、テストプレート上の菌液
をシャーレに入れ 、40℃の一般細菌用普通寒天培地
(日水製薬株式会社製)で混釈する。寒天が固化したら
37℃で18時間培養し、コロニー数を計数する。静置
する時間は数通り設定して生菌数の時間変化を測定す
る。
【0121】熱可塑性樹脂にレーヨン抗菌性粒子を添加
した場合と、レーヨン粒子を添加した場合の抗菌性試験
の結果を表15に示す。
【0122】
【表15】
【0123】以上のように上記実施例の抗菌性樹脂成型
物では、抗菌性粒子の粒径を30μm以上とすることに
よって成型仕上がりそのままの表面で、混入している抗
菌性粒子の露頭の出現数が増大し、露出面積が増大して
母材樹脂に熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれを用
いても、従来より抗菌効果を高くすることができる。
【0124】更に、抗菌性粒子の溶融点を母材樹脂の溶
融点より高い材料とすることにより、抗菌性粒子の露頭
の出現数を増大できる。
【0125】一般に、人体に有害な、あるいは不快さを
呈するような細菌を含む液体が樹脂成型物に接している
ような使用条件のもとで樹脂成型物が抗菌性を有するこ
とが必要である。従って、樹脂に抗菌性粒子を混入して
できる抗菌性樹脂成型物は樹脂成型物の表面に露出して
いる抗菌性粒子が、樹脂に接している液体に銀イオンを
溶出することによって抗菌性が発揮されるという作用機
構に基いている。
【0126】しかしながら、従来から樹脂に混入する抗
菌性粒子の粒径は0.5〜10μm程度としていたの
で、樹脂表面近傍の抗菌性粒子が埋没しやすかった。さ
らに粒径が小さいほどこの傾向が著しい。従って、成型
後の樹脂成型物の表面、及び表面近傍における抗菌性粒
子はほとんど樹脂に覆われ銀溶出に寄与せず、抗菌能力
が低下した。抗菌性粒子が樹脂内部に埋没する理由は、
粒子の頭角の出現(露頭)の有無が、樹脂硬化時におけ
る樹脂の表面張力、粘性と粒子の移動性との相互作用に
よって決定されるためである。一般的に使用される樹脂
の種類は多岐にわたっており、このため樹脂の表面張
力、粘性は各々異なる値を有する。粒径を約30μm以
上とした抗菌性粒子を添加することによって、あらゆる
樹脂に適用可能で、抗菌性粒子の露頭を拡大し、銀イオ
ンの溶出量の増大が可能である。
【0127】一方、熱硬化性樹脂を母材として用いた場
合、上記の粒径を大きくした効果は増大する。この理由
を以下に説明する。一般的に圧縮成型によって成型され
る熱硬化性樹脂は硬化後、収縮する特性があるため、抗
菌性粒子を添加した場合、上記の作用と同じく、表面近
傍の抗菌性粒子の存在によって樹脂成型物の表面にクレ
ーター状の陥没が発生する。次に、硬化時の収縮の作用
により表面近傍粒子を囲む樹脂も収縮し、これによって
粒子露頭の効果はさらに拡大する。
【0128】従って、熱硬化性樹脂に粒径が30μm以
上の抗菌性粒子を入れることによって、樹脂硬化時の収
縮による抗菌性粒子の露頭を大きくすることが可能とな
る。
【0129】さらに抗菌性粒子の溶融点が母材樹脂の溶
融点よりも高く、その粒系が30μm以上であれば、上
記の説明における抗菌性粒子がいかなる物質であっても
上記の作用は適用される。一例として任意の粒径の銀シ
リカゲル系抗菌性粒子を添加したレーヨン繊維を切断し
た粒子を新たに抗菌性粒子とし、これを母材樹脂に添加
して石目模様を呈した抗菌性樹脂成型物を製造する方法
等があげられる。
【0130】なお、上記実施例では、抗菌性樹脂成型物
に用いる熱可塑性樹脂にポリプロピレンを用いたが、こ
れに限らず、例えばポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、
ポリメタクリルアルコール、ポリブテン、ポリビニルブ
チラール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリアクリロニトリル,アクリロニトリルースチレ
ンーブタジエン(ABS)、アクリロニトリルースチレ
ン、エチレンー酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリクロロテトラフルオロエチレン、アセタール樹
脂、塩化ポリエーテル樹脂、ポリプロピレンオキシド、
ポロエピクロロヒドリン、ポリエステル、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスル
ホン、ポリウレタン、スチレンーブタジエンなどを用い
てもよい。
【0131】また、上記実施例では、熱硬化性樹脂に不
飽和ポリエステルを用いたが、これに限らず、例えばフ
ェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂等を用
いてもよい。
【0132】また、上記実施例では、いずれにおいても
無機系抗菌剤にチオスルファト銀錯塩を用いたが、これ
に限らず、他の銀系抗菌剤でもよい。あるいは又、銅
系、亜鉛系等他の無機系抗菌剤を用いてもよい。
【0133】また、上記実施例では、いずれにおいても
担体のコーティング材料としてテトラエトキシシランの
加水分解物を用いたが、これに限らず、例えばテトラメ
トキシシラン等他のテトラアルコキシシランの加水分解
物を用いてもよい。あるいは又、上述の効果を損なわな
い範囲であれば他のコーティング材料を用いてもよい。
その場合例えば、抗菌性透明樹脂に用いる場合、コーテ
ィング材料の屈折率は透明性樹脂材料の屈折率と同じ又
は近い屈折率であればよい。
【0134】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、微生物汚染を防止でき、人体および環境に対す
る安全性を高くすることができるという長所を有する。
【0135】また、無機系抗菌剤の担体に、透明性樹脂
材料の屈折率と同じ又は近い屈折率を有するものを用い
ているので、透明性を損なわないという利点がある。
【0136】また、接着剤中への微生物侵入による接着
力の劣化を防止できるという利点がある。
【0137】また、抗菌性樹脂成形物の表面における抗
菌性粒子の露頭出現を増大させ、抗菌効果を増大できる
という利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西野 敦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 米村 正明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明性樹脂材料に無機系抗菌剤が混練さ
    れていることを特徴とする抗菌性透明樹脂。
  2. 【請求項2】 透明性樹脂材料は、塗料の主剤に用いら
    れる材料であることを特徴とする請求項1記載の抗菌性
    透明樹脂。
  3. 【請求項3】 透明性樹脂材料は、フィルム状であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の抗菌性透明樹脂。
  4. 【請求項4】 無機系抗菌剤は、前記透明性樹脂材料の
    屈折率に同じ又は近い屈折率を有する担体にチオスルフ
    ァト銀錯塩を担持させた後、少なくともその表面の一部
    が前記透明性樹脂材料の屈折率に同じ又は近い屈折率を
    有するコーティング材料で被覆されたものであることを
    特徴とする請求項1、2又は3記載の抗菌性透明樹脂。
  5. 【請求項5】 接着剤に無機系抗菌剤が混練されている
    ことを特徴とする抗菌性接着剤。
  6. 【請求項6】 無機系抗菌剤は、担体にチオスルファト
    銀錯塩を担持させた後、少なくともその表面の一部がコ
    ーティング材料で被覆されたものであることを特徴とす
    る請求項5記載の抗菌性接着剤。
  7. 【請求項7】 母材樹脂に、粒径30μm以上の抗菌性
    粒子が混入されていることを特徴とする抗菌性樹脂成形
    物。
  8. 【請求項8】 抗菌性粒子の溶融点が前記母材樹脂の溶
    融点より高いことを特徴とする請求項7記載の抗菌性樹
    脂成形物。
  9. 【請求項9】 抗菌性粒子は、担体にチオスルファト銀
    錯塩を担持させた後、少なくともその表面の一部がコー
    ティング材料で被覆されたものであることを特徴とする
    請求項7記載の抗菌性樹脂成形物。
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