JPH05308511A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH05308511A
JPH05308511A JP4140115A JP14011592A JPH05308511A JP H05308511 A JPH05308511 A JP H05308511A JP 4140115 A JP4140115 A JP 4140115A JP 14011592 A JP14011592 A JP 14011592A JP H05308511 A JPH05308511 A JP H05308511A
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thickening
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Hiroshi Shibazaki
博 柴崎
Masayuki Sasahara
政之 笹原
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 線画の太らせを高速度で実現するとともに、
その太らせ後の線画の角部を美しく仕上げることを目的
とする。 【構成】 線画部分の任意の1画素に対する太らせ領域
の形状を、副走査方向における前記任意の画素からの距
離に応じた主走査方向の長さとして示す太らせ形状テー
ブルを用意し、まず、nライン目の画像データに含まれ
る線画部分Q1に対して、太らせ形状テーブルを参照す
ることにより、線画部分の各画素に対する主走査ライン
毎の太らせ領域R1を求め、さらに、(n+1)ライン
目の画像データに含まれる線画部分Q2に対して、太ら
せ形状テーブルを参照することにより、線画部分の各画
素に対する主走査ライン毎の太らせ領域R2を求め、次
いで、各主走査ライン毎に太らせ領域R1,R2の論理
和を算出して、太らせ領域Kを決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、文字、イラスト等の
線画を含む画像の画像データを処理することにより、線
画部分を太らせる画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像データを処理する画像処理分野にお
いては、文字、イラスト等の線画部分に対して膨張(太
らせ)処理を施すことが有効なことがある。例えば、文
字の輪郭を縁どりした袋文字を作成する場合に有効であ
り、また、カラー印刷版を作成する作業時における版ず
れによる白抜けを防止するために、各画像領域の境界部
に一定幅の付加的な領域を形成するかぶせ処理を施す場
合に有効である。
【0003】従来、こうした太らせ処理の方法として、
4近傍ウインドウを用いた方法、8近傍ウィンドウを用
いた方法あるいは両ウインドウを交互に用いた方法があ
る。4近傍ウインドウでは、図23の(a)に示すよう
に、中心画素Pの上下左右の4つの周辺画素に対して指
示がなされ、8近傍ウインドウでは、図23の(b)に
示すように中心画素Pの周囲にある8つの周辺画素に対
して指示がなされる。即ち、太らせ処理では、線画を示
す各画素毎に4近傍ウインドウ又は8近傍ウインドウを
掛けることにより、そのウィンドウで指示される領域を
付け加える。
【0004】図24に、4近傍ウインドウと8近傍ウィ
ンドウとを用いた太らせ処理を交互に施した場合の画像
の変化を示した。同図に示すように、まず最初に、長方
形状の線画(同図の(a))に対して4近傍ウインドウ
の太らせ処理を施す。その結果、図24の(b)に示す
ように、上下左右の各辺に1画素幅の領域が付加され
る。次いで、その画像に対して8近傍ウインドウの太ら
せ処理を施す。その結果、図24の(c)に示すよう
に、形状はそのままで、全体に1画素分膨張した画像が
形成される。さらに、その画像に対して4近傍ウインド
ウの太らせ処理を施すことで、図24の(d)に示すよ
うに、上下左右に1画素幅の領域が付加される。次い
で、8近傍ウインドウの太らせ処理を施すことで、図2
4の(e)に示すように、形状はそのままで、全体に1
画素分膨張した画像が形成される。こうして、4近傍ウ
インドウと8近傍ウィンドウの太らせ処理を交互に施す
ことで、線画部分が太らせた形状となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の技術では、線画を示す各画素毎に、4近傍ウィンド
ウまたは8近傍ウィンドウの処理を施す必要があること
から、太らせにかなりの処理時間が懸かるといった問題
があった。また、図24からも分かるように、太らせ後
の図形は、角部が直線で切り欠かれた形状(実際は、画
素単位で傾斜された直線形状)となっており、美観的に
劣るといった問題があった。というのは、太らせ処理
は、その太らせの定義から言っても、角部を円弧状にし
たいという要求があるが、これに対して、従来の技術で
は、角部は直線で切り欠かれた形状となっており、美観
的に劣っていた。
【0006】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、線画の太らせを
高速度で実現するとともに、その太らせ後の線画の角部
を美しく仕上げることのできる画像処理方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明は、以下に示す構成を取った。即ち、本発明
の画像処理装置は、文字、イラスト等の線画を含む画像
の画像データを処理することにより、太らせの対象領域
となる線画部分を太らせる画像処理装置であって、前記
画像データを主走査ラインに沿ってランレングス化され
たデータ形式で予め記憶する画像データ記憶手段と、線
画部分の任意の1画素に対する太らせ領域の形状を、副
走査方向における前記任意の画素からの距離に応じた主
走査方向の長さとして示す太らせ形状指示手段と、前記
画像データ記憶手段に記憶されたランレングス化された
画像データを、主走査ライン毎に副走査方向に向かって
順次抽出するラインデータ抽出手段と、該ラインデータ
抽出手段で抽出される任意のラインの画像データに含ま
れる線画部分に対して、前記太らせ形状指示手段を参照
することにより、実質的に、線画部分の各画素に対して
主走査ライン毎の太らせ領域を求めるとともに、各主走
査ライン毎に前記線画部分の各画素に対する太らせ領域
の論理和を算出して、前記線画部分の太らせ領域を決定
する太らせ領域決定手段とを備えることを、要旨として
いる。
【0008】こうした構成の画像処理装置において、太
らせ領域決定手段は、ラインデータ抽出手段で抽出され
る任意のラインの画像データを、基底値に設定された処
理回数と共に順次記憶する補助記憶部と、ラインデータ
抽出手段による次ラインの画像データの抽出毎に、前記
任意のラインの画像データと共に記憶された処理回数を
基底値から順に1ずつ加算する処理回数加算部と、前記
補助記憶部に記憶される任意のラインの画像データに含
まれる線画部分に対して、太らせ形状指示手段を参照す
ることにより、前記処理回数に従う副走査方向の距離に
応じた主走査ライン毎の太らせ領域を求める太らせ領域
算出部とを備える構成としてもよい。また、画像データ
がカラー画像を表わす画像データであり、太らせの対象
領域となる線画部分を、該線画部分の色により特定する
構成としてもよい。
【0009】
【作用】以上のように構成された本発明の画像処理装置
では、画像データ記憶手段に記憶されたランレングス化
された画像データを、ラインデータ抽出手段により、主
走査ライン毎に副走査方向に向かって順次抽出し、その
抽出された任意のラインの画像データに含まれる線画部
分に対して、太らせ形状指示手段を参照することによ
り、実質的に、線画部分の各画素に対して主走査ライン
毎の太らせ領域を求めるとともに、各主走査ライン毎に
前記線画部分の各画素に対する太らせ領域の論理和を算
出して、前記線画部分の太らせ領域を、太らせ領域決定
手段により決定する。
【0010】更に図を用いて説明するならば、太らせ領
域決定手段によれば、図25に示すように、まず、nラ
イン目の画像データに含まれる線画部分Q1に対して、
太らせ形状指示手段を参照することにより、線画部分の
各画素に対する主走査ライン毎の太らせ領域(1点鎖線
で囲った領域)R1を求め、さらに、(n+1)ライン
目の画像データに含まれる線画部分Q2に対して、太ら
せ形状指示手段を参照することにより、線画部分の各画
素に対する主走査ライン毎の太らせ領域(2点鎖線で囲
った領域)R2を求め、次いで、各主走査ライン毎に前
記線画部分の各画素に対する太らせ領域R1,R2の論
理和を算出して、その算出結果である図中破線のハッチ
ングで示した領域KをQ1とQ2とからなる線画部分の
太らせ領域と決定する。
【0011】したがって、太らせ領域R1,R2の算出
の際には、線画部分Q1,Q2を示す画像データがラン
レングス化されたデータであることから、線画部分Q
1,Q2の先頭位置および後尾位置だけに太らせ形状指
示手段の参照を行うだけで、各主走査ライン毎の太らせ
領域を容易に形成することができる。
【0012】
【実施例】A.装置の構成 図1は、本発明の一実施例を適用して画像の太らせ処理
を行なう画像処理装置の概略構成を示すブロック図であ
る。この画像処理装置は、次のような構成要素を有して
いる。
【0013】(a)画像入力装置1:線画が描かれた原
稿の画像を読み取って、その2値画像を得ると共に、そ
の2値画像に対してランレングス圧縮を行ない、そのラ
ンレングスデータを出力する装置であり、例えば平面型
スキャナで構成される。 (b)画像メモリ2:処理対象となる画像の画像データ
を記憶するメモリであり、このメモリ上で、太らせ処理
を始めとする色付け処理,ミラー処理等の各種処理が制
御演算部によって実行される。なお、これらの処理は、
データを2枚のメモリプレーンの間で移し替える、いわ
ゆるソース/ディスティネーション処理と呼ばれる処理
を伴って実行されることから、画像メモリ2の容量は、
画像入力装置1から送られてくるランレングスデータの
容量の2倍以上の容量となっている。 (c)カラーモニタ3:処理対象となっている画像を表
示するための表示部である。太らせ処理後の画像の表示
も行なう。
【0014】(d)マウス5:カラーモニタ3に表示さ
れた画像上の領域を選択する際などに用いられる。 (e)表示制御部6:カラーモニタ3における画像の表
示の制御を行なう。また、カラーモニタ3上の表示カー
ソルの位置をマウス5の動きに対応させるように制御す
る。 (f)制御演算部7:太らせ処理を始めとする色付け処
理,ミラー処理等の各種処理を実行すると共に、画像メ
モリ2内のランレングスデータを間引いてビットマップ
展開し、そのビットマップデータを表示制御部6に送り
カラーモニタ3に表示したり、マウス5による各種オペ
レータ指示情報を得て各種処理の実行を開始する制御演
算を行なう。
【0015】(g)色番号テーブル8:画像データの各
画素の色合いを示す色番号Ncに対するYMCK各版の
網点面積率の関係を記憶する。例えば、色番号Ncがそ
れぞれ10、11、12である場合、これらの色番号N
cの網点面積率が次のように指定されている。 Nc[10]=( 0、 0、 0、 0) Nc[11]=(100、100、 0、 0) Nc[12]=( 0、100、100、 0) この関係をテーブルとして示すのが図2であり、こうし
た関係が予め記憶されている。
【0016】(h)補助メモリ10:各種の処理の過程
で必要となる一時的な情報を記憶するためのメモリで、
特に、太らせ処理で用いられる太らせライン情報(後述
する)を記憶する。 (i)パラメータメモリ11:オペレータにより指示さ
れる太らせに関するパラメータを記憶するメモリであ
り、その他には、画像入力装置1により原稿を読み取っ
たときに画像入力装置1から送られてくる原稿サイズ
(副走査方向のサイズX,主走査方向のサイズY)や後
述する太らせ形状テーブルTBL等を記憶する。 (j)画像出力装置12:画像をフィルムなどの記録媒
体に記録する装置。
【0017】B.処理手順 B−1.画像処理の全体手順 太らせ処理を含む画像処理の全体手順について、以下説
明する。図3は、画像処理の全体手順を示すフローチャ
ートである。同図に示すように、処理が開始されると、
まず、文字,イラスト等の線画で描かれた原稿の画像を
画像入力装置1で読み取る(ステップS100)。その
読み取った画像は2値画像データとして、画像入力装置
1から画像メモリ2に入力される。なお、この2値画像
データは前述したようにランレングスデータとして構成
されている。
【0018】ランレングスデータがどの様に画像データ
を表わしているかを概念的に示したのが図4である。図
4に示すように、ランレングスによる表現は、主走査方
向における同一値(図中、斜線で示した領域が値1で、
それ以外の領域は値0を示す)の画素の連続を1つのデ
ータで示すもので、矢印の数だけデータが存在する。こ
うしたランレングス表現による1つのデータ,即ち1レ
コードデータは、図5に示すように、色番号Ncを記憶
する色番号フィールドF1と、長さを画素の数で示す長
さ情報Lを記憶する長さ情報フィールドF2とから構成
される。なお、ステップS100の実行後においては、
2値の画像であることから色番号Ncには値0または値
1が記憶されている。このときの網%面積率は、値0に
対しYMCK各版0%が、値1に対しK版のみ100
%,YMC版0%が初期化設定される。
【0019】次いで、表示制御部6により、そのランレ
ングスデータを間引いてビットマップ展開し、そのビッ
トマップデータを表示制御部6に送り、線画をカラーモ
ニタ3に表示する(ステップS110)。なお、この表
示される線画は、色付けされていない白黒表示となって
いるが、続いて、その線画に対して色付けを行なう必要
があるか否かを判定する(ステップS120)。ここ
で、色付けを行なう必要があると判定されると、以下の
処理を実行する。
【0020】まず、ステップS100で読み取った原稿
の線画全体について色付けを行なう色付け処理が行なわ
れる(ステップ130)。色付け処理では、オペレータ
は、カラーモニタ3に表示された画像を見ながら、線画
の任意の部分に色を示す色番号Ncを指定する。この結
果、画像メモリ2に記憶されるランレングスデータのそ
の色指定されたランレングスデータに対して、汎用され
る領域塗りつぶし手法等により塗りつぶしが行なわれる
と共に、色番号フィールドF1にその指定された色番号
Ncが記憶される。
【0021】次いで、その色付けされたランレングスデ
ータをビットマップ展開し、画像ステップ110と同様
に、表示制御部6により線画をカラーモニタ3に表示す
る(ステップS140)。なお、このビットマップデー
タを表示制御部6に送る際には、色番号テーブル8をサ
ーチすることにより、色番号フィールドF1に記憶され
た色番号Ncに対応するYMCK各版の網点面積率を求
め、その網点面積率を同時に表示制御部6に送るように
なされており、そのビットマップデータとYMCK各版
の網点面積率とを受けた表示制御部6によりカラーモニ
タ3にカラー画像が表示される。なお、ステップS11
0でも同様に、白色または黒色を示すYMCK各版の網
点面積率が表示制御部6に送られており、カラーモニタ
3に白黒の表示がなされている。
【0022】ステップS140でカラーモニタ3にカラ
ー画像が表示されると、続いて、その色付けされたカラ
ー画像が希望する色となっているか否かを確認する(ス
テップS150)。この確認は、オペレータが、カラー
モニタ3に表示された画像を見ながら確認するもので、
マウス5による「OK」または「修正要」のオペレータ
指示情報を得て、その判定がなされる。ここで、「O
K」と判定されると、処理はステップS160に進む
が、これに対して、「修正要」と判定されると、処理を
ステップS130に戻し、色付け処理、画像表示を再度
行なう。一方、ステップS120で色付けを行なう必要
がないと判定された場合には、ステップS160に進
む。
【0023】ステップS160では、ステップS100
で読み取った原稿の線画に対して太らせの処理を行なう
必要があるか否かを判定する。ここで、太らせ処理を行
なう必要があると判定されると、以下の処理を実行す
る。まず、ステップS100で読み取った原稿の線画に
ついて太らせ処理が行なわれる(ステップ170)。こ
の太らせ処理は、画像メモリ2に記憶される色付け処理
された後(色付けが不要の場合は色付けされていない)
のランレングスデータに対して施される処理であるが、
その内容については後程詳しく説明する。太らせ処理実
行後、その太らせた線画をカラーモニタ3に表示する
(ステップS180)。ここでは、ステップS140と
同様に、画像メモリ2に記憶される画像データをビット
マップ展開し、そのビットマップデータとYMCK各版
の網点面積率とを表示制御部6に送ることで、線画をカ
ラーモニタ3に表示する。
【0024】ステップS180でカラーモニタ3にカラ
ー画像が表示されると、続いて、その太らせた線画が希
望する形となっているか否かを確認する(ステップS1
90)。この確認は、オペレータが、カラーモニタ3に
表示された画像を見ながら確認するもので、マウス5に
よる「OK」または「修正要」のオペレータ指示情報を
得て、その判定がなされる。ここで、「OK」と判定さ
れると、処理はステップS195に進むが、これに対し
て、「修正要」と判定されると、処理をステップS17
0に戻し、太らせ処理、画像表示を再度行なう。一方、
ステップS160で太らせを行なう必要がないと判定さ
れた場合には、ステップS195に進む。ステップS1
95では、処理済みの画像が画像出力装置12によって
網フィルムや刷版として記録され、一連の処理を終え
る。
【0025】B−2.太らせ処理の手順 次に、ステップS170の太らせ処理の手順について詳
しく説明する。図6は、ステップS170の詳細手順を
示すフローチャートである。同図に示すように、処理が
開始されると、まず、線画の太らせに関するパラメータ
を入力する(ステップS200)。この入力は、オペレ
ータがマウス5を用いてカラーモニタ3の画面上を指示
することによりなされるもので、以下の〜に示すパ
ラメータが入力される。 線画の太らせたい幅を画像の副走査方向と主走査方向
とで示す太らせ幅△x,△y 太らせの対象とする線画を線画の色により特定する対
象色番号NcA 太らせ処理で拡張される部分に対する着色の色を示す
太らせ色番号NcB
【0026】次いで、ステップS200で入力された太
らせ幅△x,△yに応じた太らせ形状を示す太らせ形状
テーブルTBLを作成する。ここでいう太らせ形状と
は、線画部分の任意の一画素をどの様な形状で太らせる
かを表わす形状であり、太らせ形状テーブルTBLは、
その形状をx方向の値とy方向の値とで示す。例えば、
△xが値8で△yが値8である場合、太らせ形状テーブ
ルTBLは図7に示す値をとる。即ち、図8に示すよう
に、任意の一画素の座標を(0,0)としたとき、その
一画素に対する太らせ形状は、(0,8),(1,
8),(2,8),(3,7),(4,7),(5,
6),(6,5),(7,4),(8,2)の各座標点
(図中,○印を付した座標点)に沿った円弧形状とな
る。
【0027】この太らせ形状テーブルTBLを太らせ幅
△x,△yに応じてどの様に作成するかを、次に詳しく
説明する。△x,△yが共に値8の場合、両者は同じ値
であることから、太らせ形状は円弧形状となることが明
らかである。このため、まず、半径r=8の正円を表わ
す次式 x2+y2=82 …(1) に、x=0,1,2,…,8の値を順に代入すること
で、xの値に応じたyの値を算出する。なお、このとき
のyの値は小数点以下が四捨五入されている。
【0028】その算出結果は次のようになり、 x=0,y=8 x=1,y=8 x=
2,y=8 x=3,y=7 x=4,y=7 x=
5,y=6 x=6,y=5 x=7,y=4 x=
8,y=0 図9に示すテーブルで表わされる。こうしたxの値とy
の値とをもつ座標点をプロットしたのが図8中の□印
(x=8のときを示し、x=0〜7については○印の位
置と一致)である。このプロット点を結ぶ形状は、正円
の円弧となるはずであるが、前述したようにyの値を小
数点以下四捨五入して求めていることから、実際は多少
内側にずれた形状となる。この様子は、本例では目立ち
にくいが、半径がもっと大きくなると顕著になる。
【0029】そこで、以下に示すテーブルの逆読みを行
なってテーブルの内容を補正する。まず、図9に示すテ
ーブルをx=0から順に増加方向にサーチして、yの値
より大きくなるxの値をまず求める(図10の(a)参
照)。このxの値は6となるが、ついで、x=6の時の
yの値を次のようにして訂正する。図10の(b)に示
すように、x=6の点から減少方向にyの値が6となる
点をサーチし、最初に見つかった点のxの値,即ち、値
5をx=6の時のyの値とする。
【0030】続いて、図10の(c)に示すように、x
=7の点から減少方向にyの値が7となる点をサーチ
し、最初に見つかった点のxの値,即ち、値4をx=7
の時のyの値とする。さらに、図10の(d)に示すよ
うに、x=8の点から減少方向にyの値が8となる点を
サーチし、最初に見つかった点のxの値,即ち、値2を
x=8の時のyの値とする。こうして作成されるテーブ
ルは図7に示す太らせ形状テーブルTBLそのものであ
る。
【0031】ステップ210で太らせ形状テーブルTB
Lが作成されると、その後、その太らせ形状テーブルT
BLに基づいて、線画を右側方向(xの増加方向)へ太
らせる右側方向太らせ処理を実行する(ステップ22
0)。この右側方向太らせ処理は、ステップS200で
入力された対象色番号NcAに該当する文字等の線画
を、図11の(a)に示すように右側方向に太らせる処
理で、その内容については後程詳しく説明する。なお、
図中、斜線部が太らせ処理により拡張した部分である。
【0032】次いで、ステップS220で右側方向へ太
らせた線画の向きを、図11の(b)に示すように、左
右反転するミラー処理(汎用手法であり詳細を省略す
る)を実行する(ステップS230)。この結果、線画
は、太らせ処理により拡張した部分が左側に位置し、右
側は未だ太らされていない状態となる。そこで、ステッ
プS220と同様にして、図11の(c)に示すよう
に、その反転した線画を右側方向へ太らせる右側方向太
らせ処理を実行する(ステップ230)。こうして、左
右両方向共に太らされた線画が形成されるが、この線画
はステップS230で左右反転されていることから、ス
テップS230と同様にして、図11の(d)に示すよ
うに、再度ミラー処理を実行して(ステップS25
0)、線画の向きを最初の方向に戻す。こうして、対象
とする線画は、その周囲全体に対して太らせた形状とな
る。
【0033】次に、ステップS220またはS240で
実行される右側方向太らせ処理の手順について詳しく説
明する。この右側方向太らせ処理は、画像メモリ2に記
憶されるランレングスデータをライン(画像における主
走査方向の1ライン分)毎に取り出して、その線画部分
に対して拡張処理を施すことにより線画を1ライン毎に
順に太らせるものである。
【0034】B−3.右側方向太らせ処理の詳細手順 図12は、ステップS220(またはS240)の詳細
手順を示すフローチャートである。同図に示すように、
処理が開始されると、まず、この処理にて用いられる変
数nを値0にセットする(ステップS300)。なお、
変数nは、ランレングスデータにおける何ライン目を現
在処理しているかを示す変数として用いられる。次い
で、補助メモリ10に記憶される太らせライン情報を初
期化する処理を行なう(ステップS310)。
【0035】太らせライン情報とは、線画の太らせ結果
を、主走査ラインに沿ってランレングス化されたデータ
形式で示すデータであり、図13に示すように、以後の
処理で太らせる対象領域の先頭位置TXを示す先頭位置
フィールドFaと、その対象領域の長さLXを示す長さ
フィールドFbとを備える1レコードのデータを、複数
備えている。なお、各レコードには、後述するライン毎
の拡張処理が今までに何回施されているかを示す処理回
数NTを記憶する処理回数フィールドFcも備えてい
る。さらに、これらデータの先頭には、各レコードのう
ち有効となるレコードの数を示す有効数Neを記憶する
有効数フィールドFdが付加されている。ステップS3
10では、かかる太らせライン情報の各フィールドF
a,Fb,Fc,Fdをクリアする初期化処理を行な
う。
【0036】続いて、画像メモリ2から変数nで示され
るnライン目の画像データ(実データ)DRを読み込む
処理を行なう(ステップS320)。その後、そのnラ
イン目の実データDRから、ステップS200で入力さ
れた対象色番号NcAに該当する領域の線画を抽出し、
その抽出結果を補助メモリ10上の太らせライン情報に
加算して、太らせライン情報を更新する処理を行なう
(ステップS330)。ステップS330の処理を更に
詳しく説明する。図14は、この処理を概念的に示す説
明図である。図14に示すように、ステップS330の
処理は、補助メモリ10の太らせライン情報で表わされ
る対象領域Eaと、ステップS320で読み込んだ実デ
ータDRで表わされる線画としての対象領域Ebとの論
理和を求めて、その結果を、ランレングス型のデータ形
式で補助メモリ10に記憶するものである。
【0037】例えば、図14の(a)に示すように、補
助メモリ10上の太らせライン情報で表わされる対象領
域Eaと、nライン目の実データDRで表わされる対象
領域Ebとが重なりがなく離れている場合、両対象領域
Ea,Ebはそのままの形で、太らせライン情報として
補助メモリ10に記憶される。なお、図中、対象領域E
a,Ebに記された数字は、処理回数フィールドFcに
記憶される処理回数NTを表わすものであり、対象領域
Eaには1以上の値が記憶され、nライン目の実データ
DRで表わされる対象領域Ebには値0が記憶されてい
る。
【0038】また、図14の(b)に示すように、対象
領域Eaと対象領域Ebとが一部重なっている場合、両
対象領域Ea,Ebの論理和がとられ、その結果が補助
メモリ10に記憶される。なお、対象領域Ea,Ebの
重なり部分については、実データDRである対象領域E
bが生きた形となる。さらに、図14の(c)に示すよ
うに、対象領域Eaが対象領域Ebに包含される場合、
対象領域Eaは消えて対象領域Ebだけがそのまま補助
メモリ10に記憶される。
【0039】更に、図14の(d)に示すように、対象
領域Ebが対象領域Eaに包含される場合、全体の大き
さが対象領域Eaと同じ大きさで、対象領域Ea,Eb
の重なり部分については、実データDRである対象領域
Ebが生き、その他の部分については、対象領域Eaが
生きた形で、補助メモリ10に記憶される。ステップS
330で太らせライン情報を更新後、続いて、パラメー
タメモリ11に記憶された太らせ形状テーブルTBLを
参照して、補助メモリ10に記憶された太らせライン情
報に基づくnライン目の線画部分の太らせ領域の形状を
算出する処理を行なう(ステップS340)。
【0040】ステップS340の処理を更に詳しく説明
する。図15は、この処理を概念的に示す説明図であ
る。図15の(a)に示すように、ステップS330で
更新された補助メモリ10上の太らせライン情報が、処
理回数フィールドFcに記憶される処理回数NTが値1
である対象領域Ecを示すデータと、処理回数NTが値
2である対象領域Edを示すデータと、処理回数NTが
値0である対象領域Eeを示すデータとから構成されて
いるとする。これらデータを、処理回数NTが同じもの
を寄せて(図15の例は同じ処理回数NTのデータが複
数あるものではないが、実際は複数存在する場合もあ
り、この場合、同じ処理回数NTのデータを寄せる)、
処理回数NTに応じた拡張量を、パラメータメモリ11
に記憶された太らせ形状テーブルTBLに基づいて算出
する。
【0041】太らせ形状テーブルTBLは、線画部分の
任意の1画素に対する太らせ領域の形状を、副走査方向
におけるその任意の画素からの距離xに応じた主走査方
向の長さyとして示すものであるが、これに対して、処
理回数NTは、1ライン毎の拡張処理が当該データに対
して何回行なわれたかを示すもので、実データを読み込
んでから副走査方向にどれだけのラインだけ変動してい
るかを示すものである。即ち、処理回数NTの値を太ら
せ形状テーブルTBLのxとして、太らせ形状テーブル
TBLを参照することにより、太らせ領域の形状を示す
主走査方向の長さy、即ち主走査方向の拡張量を算出す
ることができる。
【0042】図15に示す例では、図中(b)に示すよ
うに、処理回数NTが値1である対象領域Ecのデータ
に対して、x=1に該当するyの値,即ち値4だけ、正
負両方向にデータの拡張を行ない、また、処理回数NT
が値2である対象領域Edのデータに対して、x=2に
該当するyの値,即ち値3だけ、正負両方向にデータの
拡張を行ない、更に、処理回数NTが値0である対象領
域Eeのデータに対して、x=0に該当するyの値,即
ち値5だけ、正負両方向にデータの拡張を行なう。その
後、図15の(c)に示すように、拡張した各データを
合成することにより、図15の(d)に示すようなnラ
イン目の太らせ領域の形状が求められる。
【0043】次に、図15に表わした処理を達成するス
テップS340の処理について、詳しいフローチャート
を示して、さらに詳しく説明する。図16は、ステップ
S340の詳細手順を示すフローチャートである。同図
に示すように、処理が開始されると、まず、補助メモリ
10に記憶された太らせライン情報の内、有効数フィー
ルドFdに記憶された有効数Neだけのレコード分のデ
ータに対して以下のデータ補正処理を行なう(ステップ
S341)。
【0044】詳しくは、太らせライン情報を1レコード
毎に順に取り込み、その取り込んだ1レコードデータの
処理回数フィールドFcに記憶される処理回数NTを太
らせ形状テーブルTBL上のxとして太らせ形状テーブ
ルTBLと照らし合わせることにより、そのレコードデ
ータの太らせによる拡張量(太らせ形状テーブルTBL
上のxに対応したyの値)を求める。そして、そのレコ
ードデータの先頭位置フィールドFaに記憶される先頭
位置TXを、その求めたyの値だけ減算した値に書き換
えると共に、長さフィールドFbに記憶される長さLX
を、2倍のyの値だけ加算した値に書き換える。
【0045】こうして、補助メモリ10に記憶された太
らせライン情報の書換えがなされると、次いで、太らせ
ライン情報の各レコードデータを、先頭位置TXの値に
基づき昇順に並べ換えるソート処理を行なう(ステップ
S343)。ステップS343のソート処理により、図
17の(a)に示すように、レコードデータで示される
対象領域が、先頭位置TXが上にきている順に並べ換え
られることになる。なお、この時、先頭位置TXが負の
値をとるときには、先頭位置TXを値0に書き換えるも
のとする。
【0046】次いで、各レコードデータの内で同じ先頭
位置TXをもつレコードデータが存在する場合、長さL
Xが一番大きいレコードデータを1つ残して、その他の
同じ先頭位置TXをもつレコードデータを削除する(ス
テップS345)。ステップS345の処理により、図
17の(b)に示すように、同一の先頭位置TXを持つ
対象領域は長さLXが一番大きいものだけ残る。続い
て、先頭位置TXの値が小さいレコードデータから順
に、隣合うレコードデータを比較することにより、前の
レコードデータに包括される対象領域を示すレコードデ
ータを削除する(ステップS347)。ステップS34
7の処理により、図17の(c)に示すように、前の対
象領域に包括される対象領域は削除される。
【0047】その後、各レコードデータの内で、そのレ
コードデータで示される対象領域が重なるか、もしくは
連結するものは、1データにまとめる(ステップS34
9)。ステップS349の処理により、図17の(d)
に示すように、重なるか、もしくは連結する2つの対象
領域が1つの対象領域にまとめられる。その後、ステッ
プS340の処理である本ルーチンを一旦終了する。
【0048】こうした構成のステップS340の処理に
より、nライン目の太らせ領域の形状が算出されること
になる。続いて、この太らせ領域の形状をステップS3
20で読み込んだ実データDR上に合成する処理を実行
する(ステップS350)。詳しくは、nライン目の太
らせ領域の形状は、実データDRで示される対象領域を
包括する関係にあるが、ここでは、実データDRで示さ
れる対象領域,即ち、ステップS200で入力された対
象色番号NcAに該当する領域が生きた形になる。図1
8に示すように、全体の大きさが、nライン目の太らせ
領域の形状を示す対象領域Efと同じ大きさで、その対
象領域Efと実データDRで示される対象領域Egとの
重なり部分については、色番号NcAの対象領域Egが
生き、その他の部分については、対象領域Efが生きた
形で合成される。この結果、対象領域Egの上下に対象
領域Ef1,Ef2が付加された形となり、これら対象
領域Ef1,Eg,Ef2は、画像メモリ2上にランレ
ングス化されたデータとして記憶される。なお、対象領
域Ef1,Ef2を画像メモリ2へ書き込む際には、色
番号フィールドF1にステップ200で入力した太らせ
色番号NcBをそれぞれ格納する。
【0049】続いて、その補助メモリ10に記憶された
太らせライン情報を、1世代だけ更新する処理を行なう
(ステップS360)。詳しくは、太らせライン情報を
構成する各レコードデータにおいて、処理回数フィール
ドFcに記憶される処理回数NTを値1だけカウントア
ップする処理を行なう。なお、そのカウントアップした
結果の処理回数NTが、ステップS200で入力した副
走査方向の太らせ幅△xより大きくなった場合には、そ
の該当するレコードデータに関する太らせ処理は終了し
たとして、そのレコードデータを削除する。図19にこ
の更新処理の例を示したが、この図からも分かるよう
に、処理回数NTが値3である領域Ehは、処理回数N
Tが値4となり、処理回数NTが値0である領域Ei
は、処理回数NTが値1となる。なお、処理回数NTが
値5である領域Ejは、太らせ幅△xが値5とすると、
処理回数NTが△xより大きくなることから、その領域
Ejは削除される。
【0050】ステップS360の実行後、変数nを値1
だけインクリメントする処理を実行し(S370)、そ
の後、そのインクリメントされた変数nが副走査方向x
のサイズXを越えているか否かを判定し(ステップS3
80)、越えていないと判定された場合、処理をステッ
プS310に戻し、ステップS310ないしステップS
380の処理を繰り返し実行する。一方、ステップS3
80で変数nが副走査方向Xを越えていると判定される
と、「リターン」に進み、本ルーチンの処理を一旦終了
する。
【0051】こうした構成の右側方向太らせ処理によ
り、線画がどのように太らされるかを具体例を挙げて次
に説明する。図20に示すように、第0番目の主走査ラ
イン上の線画G1が、値3から値6までのy座標値をと
り、第1番目の主走査ライン上の線画G2が、値4と値
5のy座標値をとる例を挙げる。なお、この太らせ処理
の太らせ幅△x,△yは同じ値3で、太らせ形状テーブ
ルTBLは、図21に示すように、x=0のときy=
3,x=1のときy=3,x=2のときy=2,x=3
のときy=0をとるものとする。右側方向太らせ処理が
実行開始されると、まず、変数nが値0となり、ステッ
プS320で読み込まれる第0ライン目の実データDR
は、先頭位置TXが値3で長さLXが値4となる。な
お、図20中には3[4]と記した。
【0052】その後、ステップS330の補助メモリ1
0の更新処理により、先頭位置TXが値3,長さLXが
値4,処理回数NTが値0のランレングスデータが補助
メモリ10に記憶される。なお、この更新した補助メモ
リ10の内容を、図中には、3[4]−0と記した。続
くステップS340の太らせ形状算出処理により、形状
テーブルTBLを参照することにより、処理回数NTの
値0に対応する主走査方向の長さyを求めて、そのyに
応じて補助メモリ10に記憶されるデータの対象領域を
太らせる。詳しくは、先頭位置TXを長さyの値3だけ
減算し、長さLXを2倍のyの値,即ち値6だけ加算し
た値に書き換える。こうした結果、先頭位置TXが値
0,長さLXが値10のデータ(0[10])で示され
る太らせ領域E0が得られる。
【0053】その後、ステップS360の補助メモリ1
0の更新処理により、処理回数NTが値0に代わって値
1となる。こうした結果、補助メモリ10中の太らせラ
イン情報は、3[4]−1となる。続いて、nが値1と
なると、ステップS320で読み込まれる第1ライン目
の実データDRは、先頭位置TXが値4で長さLXが値
2(図中、4[2]と記した)となる。その後、ステッ
プS330の補助メモリ10の更新処理により(図14
の(d)のケースを参照)、先頭位置TX=3,長さL
X=1,処理回数NT=1のデータ(3[1]−1)、
TX=4,LX=2,NT=0のデータ(4[2]−
0)およびTX=6,LX=1,NT=1のデータ(6
[1]−1)が、補助メモリ10に記憶された状態とな
る。
【0054】続くステップS340の太らせ形状算出処
理により、形状テーブルTBLを参照することにより、
補助メモリ10に記憶されるデータの対象領域を太らせ
る。詳しくは、処理回数NTの値1に対応する主走査方
向の長さyを求めて、そのyの値である3に応じて、3
[1]−1および6[1]−1で示される両データを補
正し、また、処理回数NTの値0に対応する主走査方向
の長さyを求めて、そのyの値である3に応じて、4
[2]−0で示されるデータを補正する。この結果、先
頭位置TXが値0,長さLXが値10のデータ(0[1
0])で示される太らせ領域E1が得られる。
【0055】その後、ステップS360の補助メモリ1
0の更新処理により、処理回数NTに値1がそれぞれ加
算され、この結果、補助メモリ10中の太らせライン情
報は、3[1]−2,4[2]−1,6[1]−2とな
る。続いて、nが値2となると、ステップS320で読
み込まれる第2ライン目の実データDRはなく、ステッ
プS330の更新処理結果は、更新される前と同じ、3
[1]−2,4[2]−1,6[1]−2となる。
【0056】続くステップS340の太らせ形状算出処
理により、形状テーブルTBLを参照することにより、
補助メモリ10に記憶されるデータの対象領域を太らせ
る。詳しくは、処理回数NTの値2に対応する主走査方
向の長さ2に応じて、3[1]−2および6[1]−2
で示される両データを補正し、また、処理回数NTの値
1に対応する主走査方向の長さ3に応じて、4[2]−
1で示されるデータを補正する。この結果、先頭位置T
Xが値1,長さLXが値8のデータ(1[8])で示さ
れる太らせ領域E2が得られる。
【0057】その後、ステップS360の補助メモリ1
0の更新処理により、処理回数NTに値1がそれぞれ加
算され、この結果、補助メモリ10中の太らせライン情
報は、3[1]−3,4[2]−2,6[1]−3とな
る。続いて、nが値3となると、ステップS320で読
み込まれる第3ライン目の実データDRはなく、ステッ
プS330の更新処理結果は、更新される前と同じ、3
[1]−3,4[2]−2,6[1]−3となる。
【0058】続くステップS340の太らせ形状算出処
理により、形状テーブルTBLを参照することにより、
補助メモリ10に記憶されるデータの対象領域を太らせ
る。詳しくは、処理回数NTの値3に対応する主走査方
向の長さ0に応じて、3[1]−2および6[1]−2
で示される両データを補正し(長さ0であることから実
際はそのまま)、また、処理回数NTの値2に対応する
主走査方向の長さ2に応じて、4[2]−2で示される
データを補正する。この結果、先頭位置TXが値2,長
さLXが値6のデータ(2[6])で示される太らせ領
域E3が得られる。
【0059】その後、ステップS360の補助メモリ1
0の更新処理により、処理回数NTに値1がそれぞれ加
算される。なお、この加算された処理回数NTが、副走
査方向の太らせ幅△x(この例の場合、値3)より大き
くなった場合には、その該当するレコードデータに関す
る太らせ処理は終了したとして、そのレコードデータは
削除されることから、補助メモリ10中の太らせライン
情報は、4[2]−3の1データとなる。続いて、nが
値4となると、ステップS320で読み込まれる第4ラ
イン目の実データDRはなく、ステップS330の更新
処理結果は、更新される前と同じ、4[2]−3とな
る。
【0060】続くステップS340の太らせ形状算出処
理により、形状テーブルTBLを参照することにより、
補助メモリ10に記憶されるデータの対象領域を太らせ
る。詳しくは、処理回数NTの値3に対応する主走査方
向の長さ0に応じて、4[2]−3で示されるデータを
補正する(長さ0であることから実際はそのまま)。こ
の結果、先頭位置TXが値4,長さLXが値2のデータ
(2[6])で示される太らせ領域E4が得られる。こ
うして得られた各主走査ライン毎の太らせ領域E0,E
1,E2,E3,E4の総和が、線画G1,G2を太ら
せた結果の領域となる。
【0061】したがって、本実施例の画像処理装置で
は、文字,イラスト等の線画を含む画像データがランレ
ングス化されたデータであることから、同一色が付され
た主走査ライン方向への画素の連続である一線画に対し
て太らせ形状テーブルTBLを一度参照するだけで、そ
の線画部分の太らせ領域を形成することができる。この
ため、線画の太らせを高速度で実現することができ、さ
らには、その太らせ領域の角部は、太らせ形状テーブル
TBLから定まる円弧上となることから、その角部を美
しく仕上げることもできる。
【0062】C.変形例 なお、前記実施例では、ステップS100で入力する太
らせ幅△x,△yは同じ値となっていたが、これに換え
て、△x,△yを異なる値として入力してもよい。この
場合、ステップS210で作成される太らせ形状テーブ
ルTBLは、図8の破線に示すような楕円形状を実現す
る座標点に従う内容となる。即ち、ステップS210で
は、図22に示すように、 x=0のときy=4 x=1のときy=4 x=2
のときy=4 x=3のときy=4 x=4のときy=4 x=5
のときy=3 x=6のときy=3 x=7のときy=2 x=8
のときy=0 の値をとる太らせ形状テーブルTBLが作成される。こ
うしたことから、副走査方向の太らせ幅△xと主走査方
向の太らせ幅△yとが異なる太らせ領域を用意に形成す
ることができる。
【0063】また、太らせ形状テーブルTBLは、前述
したような内容に限るものではなく、ステップS200
において任意の太らせ形状を指定できるように構成して
もよい。かかる構成によれば、太らせた結果の角部を任
意の形状に変えることができる。さらに、前記実施例で
は、1種の形状テーブルTBLを備える構成であるが、
これに換えて、複数種の形状テーブルを備える構成とし
てもよい。例えば、形状テーブルを4種類備え、線画の
4方の角部を異なる形状テーブルTBLに基づいて形成
する構成とすれば、線画を4方異なる角部の形状で太ら
せを行なうことができる。
【0064】なお、前記実施例では、線画の太らせを右
側方向に行なった後、線画をミラー処理により左右反転
して、再度、右側方向への太らせを行なうことで、線画
全体に対する太らせ領域を形成しているが、これに換え
て、最初に右側方向への太らせを行なった後、左側方向
への太らせを行なうように構成してもよい。左側方向へ
の太らせの処理は、変数nを値0から値1ずつデクリメ
ントし、その変数nの絶対値に基づく太らせ形状テーブ
ルTBLの参照を行なうようにすればよい。こうした構
成では、ミラー処理を行なう必要がないことから、線画
の太らせをより高速度で実現することができる。
【0065】以上、本発明の実施例を詳述してきたが、
本発明は、こうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態
様にて実施することができるのは勿論のことである。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の画像処理
装置によれば、線画の太らせを高速度で実現することが
でき、さらに、その太らせ後の線画の角部を直線ではな
い曲線で美しく仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用して画像の太らせ処理
を行なう画像処理装置の概略構成を示すブロック図であ
る。
【図2】色番号テーブル8の内容を示す説明図である。
【図3】太らせ処理の全体手順を示すフローチャートで
ある。
【図4】ランレングスデータがどの様に画像データを表
わしているかを概念的に示す説明図である。
【図5】ランレングス表現による1データのデータ形式
を示す説明図である。
【図6】ステップS170の太らせ処理の手順を示すフ
ローチャートである。
【図7】太らせ形状テーブルTBLの内容を示す説明図
である。
【図8】太らせ形状テーブルTBLの内容から定まる太
らせ領域の形状を示すグラフである。
【図9】半径r=8の正円を表わす式から求まるテーブ
ルを示す説明図である。
【図10】図9に示したグラフから太らせ形状テーブル
TBLを作成する手順を示す説明図である。
【図11】太らせ処理による線画の太らせ領域の移り変
わりを示す説明図である。
【図12】ステップS220,S240の右側方向太ら
せ処理の詳細手順を示すフローチャートである。
【図13】太らせライン情報の内容を示す説明図であ
る。
【図14】ステップS330の処理を概念的に示す説明
図である。
【図15】ステップS340の処理を概念的に示す説明
図である。
【図16】ステップS340の詳細手順を示すフローチ
ャートである。
【図17】ステップS343からステップS349まで
の処理を概念的に示す説明図である。
【図18】ステップS350の処理を概念的に示す説明
図である。
【図19】ステップS360の処理を概念的に示す説明
図である。
【図20】右側方向太らせ処理により線画がどのように
太らされるかを具体例を挙げて説明する説明図である。
【図21】前記具体例を説明する際の太らせ形状テーブ
ルTBLを示す説明図である。
【図22】太らせ幅△x,△yが異なる場合に作成され
る太らせ形状テーブルTBLを示す説明図である。
【図23】従来の太らせ処理に使用する4近傍ウインド
ウおよび8近傍ウィンドウを示す説明図である。
【図24】4近傍ウインドウと8近傍ウィンドウとを用
いた太らせ処理を交互に施した場合の画像の変化を示す
説明図である。
【図25】本発明の作用を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 画像入力装置 2 画像メモリ 3 カラーモニタ 5 マウス 6 表示制御部 7 制御演算部 8 色番号テーブル 10 補助メモリ 11 パラメータメモリ 12 画像出力装置 DR 実データ F1 色番号フィールド F2 長さ情報フィールド Fa 先頭位置フィールド Fb 長さフィールド Fc 処理回数フィールド Fd 有効数フィールド NT 処理回数 NcA 対象色番号 NcB 太らせ色番号 Ne 有効数 TBL 太らせ形状テーブル △x,△y 太らせ幅

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 文字、イラスト等の線画を含む画像の画
    像データを処理することにより、太らせの対象領域とな
    る線画部分を太らせる画像処理装置であって、 前記画像データを主走査ラインに沿ってランレングス化
    されたデータ形式で予め記憶する画像データ記憶手段
    と、 線画部分の任意の1画素に対する太らせ領域の形状を、
    副走査方向における前記任意の画素からの距離に応じた
    主走査方向の長さとして示す太らせ形状指示手段と、 前記画像データ記憶手段に記憶されたランレングス化さ
    れた画像データを、主走査ライン毎に副走査方向に向か
    って順次抽出するラインデータ抽出手段と、 該ラインデータ抽出手段で抽出される任意のラインの画
    像データに含まれる線画部分に対して、前記太らせ形状
    指示手段を参照することにより、実質的に、線画部分の
    各画素に対して主走査ライン毎の太らせ領域を求めると
    ともに、各主走査ライン毎に前記線画部分の各画素に対
    する太らせ領域の論理和を算出して、前記線画部分の太
    らせ領域を決定する太らせ領域決定手段とを備えた画像
    処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像処理装置であって、 太らせ領域決定手段は、 ラインデータ抽出手段で抽出される任意のラインの画像
    データを、基底値に設定された処理回数と共に順次記憶
    する補助記憶部と、 ラインデータ抽出手段による次ラインの画像データの抽
    出毎に、前記任意のラインの画像データと共に記憶され
    た処理回数を基底値から順に1ずつ加算する処理回数加
    算部と、 前記補助記憶部に記憶される任意のラインの画像データ
    に含まれる線画部分に対して、太らせ形状指示手段を参
    照することにより、前記処理回数に従う副走査方向の距
    離に応じた主走査ライン毎の太らせ領域を求める太らせ
    領域算出部とを備えた画像処理装置。
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JPH11328397A (ja) * 1998-05-19 1999-11-30 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 画像処理装置、画像処理プログラムを記録した記録媒体および描画装置
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