JPH05307229A - ハロゲン化銀カラー感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー感光材料

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JPH05307229A
JPH05307229A JP11196992A JP11196992A JPH05307229A JP H05307229 A JPH05307229 A JP H05307229A JP 11196992 A JP11196992 A JP 11196992A JP 11196992 A JP11196992 A JP 11196992A JP H05307229 A JPH05307229 A JP H05307229A
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silver halide
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JP11196992A
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Masaru Iwagaki
賢 岩垣
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C5/00Apparatus in which liquid or other fluent material is projected, poured or allowed to flow on to the surface of the work
    • B05C5/007Slide-hopper coaters, i.e. apparatus in which the liquid or other fluent material flows freely on an inclined surface before contacting the work

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗布ムラの発生を低減し、かつ生産効率の高
いハロゲン化銀カラー感光材料を提供すること 【構成】 厚さ120μm以下の透明支持体上に、それ
ぞれ少なくとも一層の赤感性層、緑感性層、青感性層及
び非感光性層を有する10層以上の写真構成層を有し、
かつこの写真構成層の10層以上が同時に塗布されてな
り、前記透明支持体が、金属スルホネート基を有する芳
香族ジカルボン酸を共重合成分とする共重合ポリエステ
ルであることを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はハロゲン化銀カラー感
光材料に関し、更に詳しくは塗布ムラを改良し、かつ生
産効率を向上させたハロゲン化銀カラー感光材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決使用とする課題】ハロゲン化
銀カラー感光材料は通常、支持体上に、それぞれ少なく
とも一層の赤感性層、緑感性層、青感性層を有してお
り、色の三原色の理論に従って人間が知覚することので
きる色を擬似的に再現することができるようになってい
る。画質や色再現性を向上させるために感色性層を二層
以上に分割することが近年広く行われており、また感色
性層に近接して写真性能を補助する非感光性層もその役
割に応じて複数層設けられることも一般的になって来て
いる。
【0003】特に撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料
は、感光性層と非感光性層との合計が10層以上になる
ことが一般的である。
【0004】ハロゲン化銀カラー感光材料の生産効率向
上やコストの低減については、現在まで多くの努力がな
されてきている。特に同時多層塗布方法の進歩はその寄
与が大きく、ユーザーに対して大量かつ安価にアロゲン
化銀カラー感光材料を供給することが可能になり、写真
撮影の機会の増大をもたらした。
【0005】前述のように、近年、カメラの小型化、簡
便化が進み、携帯性が向上して写真撮影の機会が大幅に
増大してきている。しかしながら、更なる小型化がユー
ザーから望まれており、高画質を維持したままでの小型
化が広く検討されてきている。一般用のいわゆる135
サイズのロールフィルムは、定型規格パトローネに装填
されているために、カメラの薄型化の障害となっている
のが現状である。該パトローネを小型化するためには、
フィルム即ち感光材料を薄くすることが最も有効かつ簡
便であり、感光材料の支持体の厚さを従来よりも薄くす
ることによってその達成が可能である。
【0006】一方、135サイズの定型規格パトローネ
は、現在36枚撮りが限界である。1本のパトローネ
に、より多くの画像情報を入れたいという要望があり、
これについても感光材料の支持体の厚さを従来よりも薄
くすることによってその達成が可能である。
【0007】しかしながら、支持体を薄くすることによ
って支持体と写真構成層との物理的特性のバランスが崩
れ易いという欠点がある。
【0008】特に、厚さ120μm以下の透明支持体上
に、それぞれ少なくとも一層の赤感性層、緑感性層、青
感性層および非感光性層からなる10層以上の写真構成
層を有し、かつ該写真構成層の10層以上が同時に塗布
されて製造されたハロゲン化銀カラー感光材料は、現像
処理して得られた写真画像に濃度ムラの発生が見られ、
製造品質が劣るという問題がある。
【0009】これに対して、特開平1−244446
号、同3−54551号、同3−84542号には、ハ
ロゲン化銀カラー感光材料に有用な薄手の支持体の開示
がある。しかしながらこれらの提案では前記問題点の解
決には不充分である。
【0010】この発明の目的は、前記問題点を解決し、
薄手の支持体であっても濃度ムラの発生がなく、かつ生
産効率の高いハロゲン化銀カラー感光材料を提供するこ
とにある。
【0011】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ためのこの発明は、厚さ120μm以下の透明支持体上
に、それぞれ少なくとも一層の赤感性層、緑感性層、青
感性層及び非感光性層を有する10層以上の写真構成層
を有し、かつこの写真構成層の10層以上が同時に塗布
されてなり、前記透明支持体が、金属スルホネート基を
有する芳香族ジカルボン酸を共重合成分とする共重合ポ
リエステルであると共に前記共重合ポリエステルはジエ
チレングリコールの含有量が5mol%以下であること
を特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料である。
【0012】この発明のハロゲン化銀カラー感光材料に
おける透明支持体は、金属スルホネート基を有する芳香
族ジカルボン酸を共重合成分とする共重合ポリエステル
であり、好ましくは、金属スルホネート基を有する芳香
族ジカルボン酸及び少量のジエチレングリコールを共重
合成分とし、芳香族二塩基酸とグリコールとを主構成成
分とする共重合ポリエステルを挙げることができる。
【0013】この芳香族二塩基酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等
を挙げることができ、前記グリコールとしてはプロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリ
レングリコール等を挙げることができる。これらの中で
も芳香族二塩基酸としてテレフタル酸が好ましい。
【0014】前記金属スルホネート基を有する芳香族ジ
カルボン酸としては、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、2−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6
−ナフタレンジカルボン酸、もしくは、下記(化1)で
示されるエステル形成性誘導体、およびこれらのナトリ
ウムを他の金属例えばカリウム、リチウムなどで置換し
た化合物を挙げることができる。
【0015】
【化1】
【0016】金属スルホネート基を有する芳香族ジカル
ボン酸を有する共重合ポリエステルは、これを加水分解
することにより検出されるところの、金属スルホネート
基を有する芳香族ジカルボン酸の量は、全酸成分に対し
て2〜7モル%であるのが好ましい。金属スルホネート
基を有する芳香族ジカルボン酸の量が2モル%未満であ
ると写真フィルムの巻き癖を十分に回復することができ
ないことがあり、7モル%を越えると耐熱性の劣る透明
支持体となることがある。
【0017】この発明における共重合ポリエステルは、
ジエチレングリコールを5mol%以下、好ましくは4
mol%以下、特に好ましくは3mol%以下の割合で
含有する。このジエチレングリコールの含有量が5mo
l%を越えると、写真支持体の耐熱性が著しく劣化する
傾向がある。この場合何故に劣化するのかの理由は明ら
かではないが、透明支持体としての共重合ポリエステル
のフィルムを熱固定する工程において十分に共重合ポリ
エステルを結晶化させることができないことによるもの
と推定される。
【0018】なお、このジエチレングリコールの量は、
共重量ポリエステルを加水分解することにより検出され
る値である。このエチレングリコールを5モル%以下の
割合で含有することにより、この発明の透明支持体は、
巻き癖回復性に優れ、しかも、この透明支持体の表面に
各種の水系塗工液を塗布しこれを高温で熱処理しても透
明支持体の平面性の低下が防止される。
【0019】この発明における共重合ポリエステルは、
モノマーユニットとして金属スルホネート基を有する芳
香族ジカルボン酸とジエチレングリコールとを有する限
り、またこの発明の目的を阻害しない限りにおいて、ポ
リアルキレングリコールおよび/または炭素数4〜20
の脂肪族ジカルボン酸を、共重合成分として含有してい
ても良い。
【0020】前記ポリアルキレングリコールとしては、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル等を挙げることができる。この発明において重要なこ
とは、ポリアルキレングリコールの中でも、この内ポリ
エチレングリコールが好ましい。また、その分子量とし
ては、通常600〜20,000であり、1,000〜
5,000であるのが望ましい。
【0021】炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸とし
ては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等を挙げるこ
とができ、このうちアジピン酸が好ましい。
【0022】また、この発明におけるモノマーユニット
として金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸
とジエチレングリコールとを有する共重合ポリエステル
が脂肪族ジカルボン酸をモノマーユニットとして含有す
る場合に、この共重合ポリエステルを加水分解すること
により検出される脂肪族ジカルボン酸の量は、通常、全
エステル結合に対して3〜25モル%である。脂肪族ジ
カルボン酸の量が前記範囲内にあるように共重合ポリエ
ステル中にモノマーユニットとしての脂肪族ジカルボン
酸が含まれていると、写真フィルムの巻き癖を容易に解
消することができると共に、透明支持体は実用上の耐熱
性を備えることができるようになる。
【0023】この発明に使用される共重合ポリエステル
は、この発明の目的を阻害しない限り、他の種類のモノ
マーユニットを有していても良い。
【0024】モノマーユニットとして金属スルホネート
基を有する芳香族ジカルボン酸を有する共重合ポリエス
テルは、その製造方法につき特に限定があるわけではな
いが、例えばジカルボン酸成分とグリコール成分とをエ
ステル交換した後に、高温および減圧下にて重縮合する
方法により好適に製造される。
【0025】このエステル交換時に用いる触媒として
は、マンガン、カルシウム、亜鉛、コバルト等の金属の
酢酸塩、脂肪酸塩、炭酸塩等を挙げることができる。こ
れらの中でも、酢酸マンガン、酢酸カルシウムの水和物
が好ましく、さらにはこれらを混合したものが好まし
い。
【0026】前記エステル交換時および/または重縮合
時に反応を阻害したりポリマーを着色したりしない範囲
で水酸化物や脂肪族カルボン酸の金属塩、第四級アンモ
ニウムなどを添加することも有効であり、中でも水酸化
ナトリウム、酢酸ナトリウム、テトラエチルヒドロキシ
アンモニウムが好ましく、特に酢酸ナトリウムが好まし
い。これらの添加量は全酸成分に対して1×10-2〜2
0×10-2モル%が好ましい。
【0027】この発明に用いられる共重合ポリエステル
は、重合段階で適宜に添加される、リン酸、亜リン酸、
およびそれらのエステルならびに無機粒子(例えばシリ
カ、カオリン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二
酸化チタンなど)を含有していても良いし、また重合後
に適宜に添加される前記無機粒子を含有していても良
い。
【0028】また、この共重合ポリエステルは、重合段
階および重合後のいずれかの段階で適宜に添加された染
料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を含有していても差し
支えない。
【0029】この発明における透明支持体は、特定の共
重合ポリエステルと酸化防止剤とを含有するのが好まし
い。
【0030】この酸化防止剤はその種類につき特に限定
されるものではなく、具体的には、ヒンダードフェノー
ル系化合物、アリルアミン系化合物、ホスファイト系化
合物、チオエステル系酸化防止剤等を挙げることができ
る。これらの中でもヒンダードフェノール系化合物が好
ましい。
【0031】透明支持体における酸化防止剤の含有量
は、通常、共重合ポリエステルに対して0.01〜2重
量%、好ましくは0.1〜0.5重量%である。酸化防
止剤の含有量が0.01重量%未満であると写真性能の
効果が劣り、2重量%を越えると共重合ポリエステルの
濁度が増大し透明支持体としては好ましくないことがあ
る。なお、酸化防止剤はその一種単独で使用することも
できるし、またその二種以上を組み合わせて使用するこ
ともできる。
【0032】また、この発明における透明支持体は、写
真乳剤層を塗設した透明支持体に光がエッジから入射し
たときに起こるライトパイピング現象(ふちかぶり)を
防止する目的で、この写真支持体中に染料を含有させる
ことが好ましい。このような目的で配合される染料とし
ては、その種類に特に限定があるわけではないが、フィ
ルムの製膜工程上、耐熱性に優れた染料が好ましく、例
えばアンスラキノン系化学染料などを挙げることができ
る。また、透明支持体の色調としては、一般の感光材料
に見られるようにグレー染色が好ましく、一種類もしく
は二種類以上の染料を混合して用いることもできる。こ
れらの染料として、住友化学株式会社製のSUMIPL
AST、三菱化成株式会社製のDiaresin、Ba
yer社製のMACROLEX等の染料を単独で、ある
いは適宜に混合して用いることができる。
【0033】この発明における透明支持体は、例えば前
記共重合ポリエステル、あるいはこの共重合ポリエステ
ルと必要に応じて配合された酸化防止剤、あるいは酢酸
ナトリウム、水酸化ナトリウムおよびテトラエチルヒド
ロキシアンモニウムよりなる群から選択される少なくと
も一種とを含有する共重合ポリエステル組成物を十分に
乾燥した後に、260〜320℃の温度範囲に制御され
た押出機、フィルターおよび口金などを通じてシート状
に溶融押出し、溶融ポリマーを回転する冷却ドラム上で
冷却固化し、未延伸フィルムを得る。その後に、その未
延伸フィルムを縦方向および横方向に二軸延伸し、熱固
定することにより製造することができる。
【0034】フィルムの延伸条件は共重合ポリエステル
の共重合組成により変化するので一律に規定することが
できないが、縦方向に共重合ポリエステルのガラス転移
温度(Tg)からTg+100℃の温度範囲で延伸倍率
2.5〜6.0倍、横方向にTg+5℃からTg+50
℃の温度範囲で延伸倍率2.5〜4.0倍の範囲であ
る。以上のようにして得られた二軸延伸フィルムは、通
常150℃〜240℃で熱固定し冷却される。この場合
に、必要であれば縦方向および/または横方向に緩和し
ても良い。
【0035】この発明における透明支持体は、前記のよ
うな手法により形成された単層のフィルムないしシート
であっても良く、また、共押出法ないしラミネート法に
より他の材質のフィルムないしシートと前記手法により
形成されたフィルムないしシートとの積層された重層構
造であっても良い。
【0036】かくして得られたこの発明における透明支
持体の厚みは、特に限定されるものではないが、通常1
20μm以下、好ましくは40〜120μmであり、更
に好ましくは50〜110μmである。フィルムベース
の厚さの局所的バラツキは5μm以内であることが好ま
しく、より好ましくは4μm以内、特に好ましくは3μ
m以下である。
【0037】フィルムベースの厚さを上記範囲内にして
おくと、写真構成層を塗布した後のフィルムの強度、カ
ール特性に問題を生じず、しかも前記フィルムの総厚の
範囲内に納めることができる。また、フィルムベースの
厚さの局所的なバラつきが5μm以内であることによっ
て、写真構成層を塗布するときに塗布ムラの発生や乾燥
ムラの発生を防止することができる。
【0038】この発明における写真フィルムは前記透明
支持体の一方の表面にはハロゲン化乳剤層が形成され、
他方の表面にはバック層が形成される。本発明において
は、10層以上が同時に塗布された写真構成層を有する
ハロゲン化銀カラー感光材料において発生する問題点を
改良することができる。
【0039】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、10層以上が同時に塗布された写真構成層を有すれ
ばよく、10層以上のすべての写真構成層が1回の塗布
によって形成されていても、また、2回以上の塗布によ
り写真構成層が形成されるのであれば、その内の1回は
10層以上が同時に塗布されてなる写真構成層を有して
いても良い。
【0040】本発明において、生産性の向上の上から、
1回の多層同時重層塗布によって必要なハロゲン化銀乳
剤層等を含むすべての層を塗設することにより製品を完
成するのが好ましい。このような場合、あるいは最初の
10層以上を多層同時重層塗布する場合等において、支
持体に隣接する最下層を形成する塗布液の粘度は15c
p〜100cpであることが好ましい。15cp未満で
は塗布ムラが発生し易く、100cpを超えると塗り付
きが不良で、両端の液切れが発生し易い。更に好ましい
粘度は20〜70cpであり、20〜60cpであるこ
とが特に好ましい。
【0041】本発明において、1回の多層同時重層塗布
によって製品を完成する場合、あるいは最初の10層以
上を多層同時重層塗布する場合、前記最下層の上に順次
隣接して施される9層以上の塗布液の粘度をいづれも2
0cp以上とし、かつ9層以上の塗布液の粘度の算術平
均が20〜300cpになるように調整することが好ま
しい。
【0042】各塗布液の粘度は、所定に値になるよう
に、周知の増粘剤の水溶液を添加することにより調整す
ることができる。増粘剤としては、ポリ(p−スチレン
スルホン酸ナトリウム)等が典型的であり、その他特開
昭63−11934号公報記載の、側鎖にスルホン酸
基、硫酸エステル又はカルボキシル基またはこれらの塩
を有するビニルポリマーも使用することができる。
【0043】粘度の測定はB型粘度計(東京計器(株)
製:形式BL)を用いて、ずり速度29.8mm/se
c(ロータNo.1、30rpm、温度40℃)で測定
する。
【0044】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
の各層の塗布量は3cc/m2 以上であることが好まし
い。それ以下の塗布量では、塗布ムラが発生し、支持体
上に均一な多層塗布ができなくなるためである。更に好
ましくは、各層の塗布量は4〜30cc/m2 である。
いずれかの塗布量を30cc/m2 以上にして、10層
以上を同時塗布すると、塗布された写真構成層が塗布ズ
レを生じやすくなる傾向がある。
【0045】1回の多層同時重層塗布によって製品を完
成する場合、あるいは最初の10層以上を多層同時重層
塗布する場合、最下層およびこれに隣接して施される9
層以上の全層の塗布量の合計は250cc/m2 以下で
あり、最下層の、例えばハレーション防止層と中間層と
の2層を分離塗布する場合、この最下層を含め10層以
上の全層の塗布量の合計は250cc/m2 以下である
ことが好ましい。この上限を越えると、塗布される写真
構成層が塗布ズレを生じやすくなるためである。さらに
乾燥条件を低減することを勘考すると、より好ましい塗
布量の合計は200cc/m2 である。
【0046】多層同時塗布は、特公昭33−8977号
公報等に記載されている多層同時塗布装置を用いて行な
うことができる。例えば特公昭33−8977号公報等
に記載の図1に示すようなn層同時塗布のスライドホッ
パー型と同様な型で、11層以上同時塗布出来るように
したスライドホッパー型塗布装置を用い、10以上のス
リットに所定の塗布液を送液し、スライド面を流下する
時に互いに重なり合うようにして塗布する。
【0047】図1によって、スライドホッパー型塗布装
置について説明すると、バックアップローラ1に支えら
れて走行する支持体3の上に、スライドホッパー型塗布
機7の先端9を支持体3より間隔を取って近接させ、そ
の部分に塗布液架橋(ビード部という)11を形成させ
て、支持体3上に塗布を行う。この支持体3と先端9と
の間隔を「ビード間隔」という。そしてこの際、ビード
部11の安定のためにビードの背部を減圧するための減
圧室5を設け、減圧ポンプ13で減圧するが、その時の
減圧度を「ビード背圧」という。
【0048】多層同時塗布装置におけるスライドホッパ
ー型塗布機について説明すると、n層(多層をn層とす
る)の各塗布液S1 〜Sn は計量ポンプP1 〜Pn によ
って塗布機に送り込まれ、それぞれのスリットN1 〜N
n で支持体3の巾一杯にわたって薄い塗布液膜をそれぞ
れのスライド面に流出する。流出した薄い各塗布液膜は
上部から順に重畳してビード部においてはn層の重畳し
た塗布液膜となって支持体上に塗布されることになる。
【0049】スライドホッパー型とは前記スライド面で
重畳されることによって名付けられた。
【0050】このスライドホッパー型塗布装置による
と、10〜20層を同時塗布することができるが、、1
1〜18層の多層同時塗布が好ましい。
【0051】一般には、塗布速度は30〜500m/m
inであるが、好ましくは60〜300m/min、更
に好ましくは80〜250m/minである。
【0052】塗布された写真構成層は、通常の方法によ
り乾燥される。すなわち、塗布された写真構成層は、塗
布後直ちに冷却して凝固し、乾燥される。
【0053】凝固は通常乾球温度が−10℃ないし20
℃の低温空気と接触させて行われる。塗を冷却し凝固
した後、従来から慣用されている気体の吹きつけになる
乾燥が行われる。この風による乾燥は通常乾球温度15
〜45℃、相対湿度10〜50%RHの空気を10〜4
0m2 /m2 ・minの風量で吹きつけることによって
なされている。この方法は、乾燥によるかぶりの増加を
防止することができて好ましい。
【0054】必要な乾燥時間は含水量、塗布量及び乾燥
条件により異なるが、0.5〜5分の乾燥時間が通常で
ある。こうして乾燥された塗膜は更に乾球温度20〜4
0℃、相対湿度50〜70%RHの空気により湿潤する
のが好ましい。
【0055】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
種々のハロゲン化銀乳剤を用いることが出来る。ハロゲ
ン化銀乳剤の製造方法及び製造において使用される添加
剤は、リサーチ・ディスクロージャーNo.1764
3、同No.18716及び同No.308119(そ
れぞれ、以下RD17643、RD18716及びRD
308119と略す)に記載されている。表1にはRD
No.308119についての記載内容と記載箇所を示
す。
【0056】
【表1】
【0057】本発明において用いるハロゲン化銀乳剤
は、物理熟成、化学熟成及び分光増感を行うことができ
る。このような工程で使用される添加剤は、RD176
43、RD18716及びRD308119に記載され
ている。表2にその記載箇所を示す。
【0058】
【表2】
【0059】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
RD17643、RD18716及びRD308119
に記載されている。表3にその関連のある記載箇所を示
す。
【0060】
【表3】
【0061】本発明には他に種々のカプラーを併用する
ことができ、その具体例は下記RD17643及びRD
308119に記載されている。表4にその関連ある記
載箇所を示す。
【0062】
【表4】
【0063】本発明に使用する添加剤は、RD3081
19 1007頁 XIV項に記載されている分散法などに
より、添加することができる。
【0064】本発明においては、前述のRD17643
28頁、RD18716 647〜8頁及びRD30
8119 1009頁 XIX項に記載されている支持体を
使用することができる。
【0065】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料に
は、前述のRD308119 VII−K項に記載されてい
るフィルタ層や中間層等の補助層を設けることができ
る。
【0066】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
RD308119 VII−K項に記載されている順層、逆
層、ユニット構成等の様々な層構成をとることができ
る。
【0067】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
一般用もしくは映画用のカラーネガフィルム、スライド
用もしくはテレビ用のカラー反転フィルム、カラーペー
パー、カラーポジフィルム、カラー反転ペーパーに代表
される種々のカラー感光材料に適用することができる。
【0068】本発明の感光材料を用いて色素画像を得る
には、露光後、通常知られているカラー現像処理を行う
ことができる。
【0069】本発明の感光材料は前述のRD17643
28〜29頁、RD18716647頁及びRD30
8119 XIXに記載された通常の方法によって、現像処
理することができる。
【0070】
【実施例】以下に、本発明の実施例を述べるが、本発明
の実施の態様はこれらに限定されるものではない。
【0071】(実施例1) A.ハロゲン化銀乳剤の調製 主として(111)面を有する八面体沃臭化銀乳剤を特
開昭60−138538号公報に記載の方法に従ってダ
ブルジェット法により調製した。
【0072】得られた乳剤の平均粒径は1.05μm、
分布の広さは9%、コアの沃化銀含有率は30%、シェ
ルの沃化銀含有率は0.1モル%、平均沃化銀含有率は
9モル%、(111)面の比率は98%であった。この
乳剤をEm−101と称する。また、類似の形状および
コア/シェル構造を有し、平均粒子サイズの異なるEm
−102(0.71μm)、Em−103(0.40μ
m)を調製した。Em−102、Em−103は種結晶
に対して添加される硝酸銀水溶液とハロゲン化物水溶液
の量を変化させることによって調製した。
【0073】また、主として(111)面を有する平板
状沃臭化銀乳剤を特開平3−94248号公報に記載の
方法に従ってダブルジェット法によって調製した。
【0074】得られた乳剤の平均粒径は1.32μm、
平均の直径/厚み比は3.3、直径/厚み比が2.0以
上の粒子の投影面積は96%、分布の広さは14%であ
った。コアの沃化銀含有率は30%、シェルの沃化銀含
有率は0.1モル%、平均沃化銀含有率は9.0モル
%、(111)面の比率は94%であった。この乳剤を
Em−201と称する。また、類似の形状およびコア/
シェル構造を有し、平均粒子サイズの異なるEm−20
2(0.86μm)、Em−203(0.51μm)を
調製した。Em−202、Em−203は種結晶に対し
て添加される硝酸銀水溶液とハロゲン化物水溶液の量を
変化させることによって調製した。
【0075】(現像開始点のコントロール)得られた乳
剤の化学増感及び色増感の過程において、増感色素の添
加時期、すなわち化学増感剤の添加に先立って添加する
かあるいは化学増感終了後に添加するかによって現像開
始点の位置をコントロールした。
【0076】<増感剤1>チオ硫酸ナトリウム <増感剤2>塩化金酸(0.3mg)及びチオシアンさ
んアンモニウム(N15mg) <増感色素のメタノール溶液>SD−A(70mg)、
SD−B(70Mg)、SD−C(70Mg)を含むメ
タノール溶液 <安定剤>ST−1(1.0g) ハロゲン化銀乳剤Em−101(ハロゲン化銀1モル含
有)を55℃、pAg8.0に合わせ、撹拌を続けなが
ら増感剤1の水溶液及び増感剤2の水溶液を順次に添加
し、120分間の熟成を行った。熟成終了後、温度を4
0℃に下げ、増感色素のメタノール溶液を添加し、更に
20分間の撹拌を行い、最後にかぶり防止剤AF−1と
安定剤ST−1とを加えた。
【0077】同様にしたハロゲン化銀乳剤Em−10
2、Em−103、Em−201、Em−202、Em
−203も増感した。なお、増感剤1及び増感剤2の使
用量は最高の写真感度が得られるようにハロゲン化銀の
結晶サイズの変化に伴って調整し、又、増感色素の使用
量もハロゲン化銀の結晶サイズの変化に伴って調製し
た。
【0078】この方法によって得られる乳剤は、主とし
てハロゲン化銀結晶の(111)面上に現像開始点を有
するハロゲン化乳剤であった。
【0079】ハロゲン化銀乳剤Em−101(ハロゲン
化銀1モル含有)を55℃、pAg8.0に合わせ、撹
拌を続けながら増感色素のメタノール溶液を添加し、2
0分間熟成し、次いで増感剤1の水溶液及び増感剤2の
水溶液を順次に添加して90分間の熟成を行った。次
に、かぶり防止剤AF−1を加えて温度を40℃に下
げ、最後に安定化剤ST−1を添加した。なお、増感剤
1及び増感剤2の使用量は最高の写真感度が得られるよ
うに調整した。
【0080】同様にしたハロゲン化銀乳剤Em−10
2、Em−103、Em−201、Em−202、Em
−203も増感した。なお、増感剤1及び増感剤2の使
用量は最高の写真感度が得られるようにハロゲン化銀の
結晶サイズの変化に伴って調整し、又、増感色素の使用
量もハロゲン化銀の結晶サイズの変化に伴って調製し
た。
【0081】この方法によって得られる乳剤は、主とし
てハロゲン化銀結晶の頂点近傍に現像開始点を有するハ
ロゲン化乳剤であり、隣り合う頂点を結ぶ辺の長さlに
対し、頂点を中心とした1/3の長さの円の中に含まれ
る現像開始点の分布は82%であった。
【0082】なお、SD−A、SD−B、SD−C、S
T−1及びAF−1の化学構造を(化2)に示した。
【0083】
【化2】
【0084】B.透明支持体の調製 (本発明における透明支持体1)テレフタル酸ジメチル
100重量部、エチレングリコール64重量部に、酢酸
カルシウム水和物0.1重量部を添加し、常法によりエ
ステル交換反応を行った。得られた生成物に5−ナトリ
ウムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸の
エチレングリコール溶液(濃度;35重量%)28重量
部、ポリエチレングリコール(数平均分子量;3,00
0)8重量部、三酸化アンチモン0.05重量部、リン
酸トリメチルエステル0.13重量部および水酸化ナト
リウム0.02重量部を添加した。次いで徐々に昇温、
減圧にし、280℃、0.5mmHgで重合を行いポリ
エステルを得た。
【0085】このポリエステルを用いて150℃で真空
乾燥した後、280℃で溶融押出し、冷却ドラム上で急
冷固化させ未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィ
ルムを用いて、80℃で縦方向に3.3倍延伸し、さら
に90℃で横方向に3.3倍延伸した後220℃で30
秒間熱固定して厚さ80μmの二軸延伸フィルムを得
た。ジエチレングリコール含有量は4モル%であった。
【0086】この二軸延伸フィルムを透明支持体1と
し、この透明支持体1の両面に、下記のようにして下引
き層を設けた。
【0087】すなわち、下記組成物を乳化重合して得ら
れた下引き層用樹脂液100重量部、下記界面活性剤
0.2重量部、ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレ
ンウレア)0.3重量部、水900重量部からなる下引
き層用塗布液を湿潤膜厚20μmとなるように塗布し、
その後乾燥した。なお、以下において下引き層を有する
透明支持体を単に透明支持体と称することがある。
【0088】<組成物> 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 75部 ブチルアクリレート 90部 t−ブチルアクリレート 75部 スチレン 60部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 6部 過硫酸アンモニウム 1部 水 700部 <界面活性剤>
【0089】
【化3】
【0090】次に、ゼラチン10重量部、サポニン0.
2重量部、水1,000重量部よりなる下引き上層用塗
布液を湿潤膜厚20μmになるように塗布し、その後乾
燥した。
【0091】(本発明における透明支持体2)前記の本
発明における透明支持体1の欄に記載された透明支持体
の製造例において、水酸化ナトリウムの代わりにテトラ
エチルヒドロキシアンモニウム0.07重量%添加する
以外は同様の方法で厚さ80μの二軸延伸フィルムを得
た。ジエチレングリコール含有量は5モル%であった。
【0092】この透明支持体2の両面には、前記透明支
持体1におけるのと同様にして形成された下引き層が設
けられている。
【0093】(本発明における透明支持体3)前記の本
発明における透明支持体1の欄に記載された透明支持体
の製造例において、水酸化ナトリウムの代わりに酢酸ナ
トリウム0.04重量%をエステル交換反応時に添加す
る以外は同様の方法で厚さ80μの二軸延伸フィルムを
得た。ジエチレングリコール含有量は3モル%であっ
た。
【0094】この透明支持体3の両面には、前記透明支
持体1におけるのと同様にして形成された下引き層が設
けられている。
【0095】(本発明における透明支持体4)テレフタ
ル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール70重
量部、アジピン酸ジメチル10重量部に、酢酸カルシウ
ム水和物0.1重量部を添加し、常法によりエステル交
換反応を行った。得られた生成物に5−ナトリウムスル
ホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエチレン
グリコール溶液(濃度35重量%)32重量部、三酸化
アンチモン0.05重量部、リン酸トリメチルエステル
0.13重量部および酢酸ナトリウム0.04重量部を
添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、280℃、
0.5mmHgで重合を行いポリエステルを得た。
【0096】このポリエステルを用いて150℃で真空
乾燥した後、280℃で溶融押出し、冷却ドラム上で急
冷固化させ未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィ
ルムを用いて、80℃で縦方向に3.3倍延伸し、さら
に90℃で横方向に3.3倍延伸した後200℃で30
秒間熱固定して厚さ80μの二軸延伸フィルムを得た。
ジエチレングリコール含有量は3モル%であった。
【0097】この透明支持体4の両面には、前記透明支
持体1におけるのと同様にして形成された下引き層が設
けられている。
【0098】(本発明の範囲外である比較支持体1)テ
レフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール
70重量部、アジピン酸ジメチル10重量部に、酢酸カ
ルシウム水和物0.1重量部を添加し、常法によりエス
テル交換反応を行った。得られた生成物に5−ナトリウ
ムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエ
チレングリコール溶液(濃度35重量%)32重量部、
三酸化アンチモン0.05重量部、リン酸トリメチルエ
ステル0.13重量部を添加した。次いで徐々に昇温、
減圧にし、280℃、0.5mmHgで重合を行いポリ
エステルを得た。
【0099】このポリエステルを用いて150℃で真空
乾燥した後、280℃で溶融押出し、冷却ドラム上で急
冷固化させ未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィ
ルムを用いて、80℃で縦方向に3.3倍延伸し、さら
に90℃で横方向に3.3倍延伸した後180℃で30
秒間熱固定して厚さ80μの二軸延伸フィルムを得た。
ジエチレングリコール含有量は9モル%であった。
【0100】この比較支持体1の両面には、前記透明支
持体1におけるのと同様にして形成された下引き層が設
けられている。
【0101】(本発明の範囲外である比較支持体2)テ
レフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール
64重量部に、酢酸カルシウム水和物0.1重量部を添
加し、常法によりエステル交換反応を行った。得られた
生成物に5−ナトリウムスルホジ(β−ヒドロキシエチ
ル)イソフタル酸のエチレングリコール溶液(濃度35
重量%)28重量部、ポリエチレングリコール(数平均
分子量3000)8重量部、三酸化アンチモン0.05
重量部、リン酸トリメチルエステル0.13重量部を添
加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、280℃、0.
5mmHgで重合を行いポリエステルを得た。
【0102】このポリエステルを用いて150℃で真空
乾燥した後、280℃で溶融押出し、冷却ドラム上で急
冷固化させ未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィ
ルムを用いて、80℃で縦方向に3.3倍延伸し、さら
に90℃で横方向に3.3倍延伸した後200℃で30
秒間熱固定して厚さ80μの二軸延伸フィルムを得た。
ジエチレングリコール含有量は8モル%であった。
【0103】この比較支持体2の両面には、前記透明支
持体1におけるのと同様にして形成された下引き層が設
けられている。
【0104】(本発明の範囲外である比較支持体3)セ
ルロースアセテート(結合酢酸量61.4%)100部
をメチレンクロライド550部、メタノール33部、シ
クロヘキサン65部の混合有機溶媒に溶解し、更にこの
溶液にトリフェニルホスフェイト15部及び少量の染料
を加えて溶解した後に、濾過、脱泡し、セルロースアセ
テート溶液を調製した。
【0105】前記セルロースアセテート溶液を二つのド
ラムに張られた6mのエンドレス帯上に位置した2個の
流延口よりそれぞれ流延させ、ステンレス帯から流延層
を剥離した後に、多数のロールで搬送させながら乾燥を
終了させ、膜厚127μmのセルロースアセテートフィ
ルムを製造した。
【0106】このセルロースアセテートの両面に、ゼラ
チン20g、水40g、サリチル酸20g、メタノール
600g、アセトン1,200g及びメチレンクロライ
ド200gからなる下引き層用塗布液を塗布し、乾燥す
ることにより比較支持体3を得た。
【0107】C.ハロゲン化銀カラー感光材料の作成 前記本発明における透明支持体1上に下記に示すような
組成の各層を後述する塗布方法により塗布形成し、多層
カラー感光材料である試料101を作成した。
【0108】(感光層の組成)塗布量はハロゲン化銀及
びコロイド銀については、金属銀に換算してg/m2
位で表した量を、又カプラー、添加剤及びマゼンタにつ
いてはg/m2 単位で添加した量を、又増感色素につい
ては同一層内のハロゲン化銀1モル当たりのモル数で示
した。
【0109】 <試料101> 第1層;ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.16 UV吸収剤(UV−1) 0.20 高沸点溶媒(Oil−1) 0.20 ゼラチン 1.23。
【0110】 第2層;中間層 化合物(SC−1) 0.15 高沸点溶剤(Oil−2) 0.17 ゼラチン 1.27。
【0111】 第3層;低感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm)(沃化銀含有率8.0モル%) 0.50 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm)(沃化銀含有率2.0モル%) 0.21 増感色素(SD−1) 2.8×10-4 増感色素(SD−2) 1.9×10-4 増感色素(SD−3) 1.9×10-5 増感色素(SD−4) 1.0×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.48 シアンカプラー(C−2) 0.14 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.021 DIR化合物(D−2) 0.020 高沸点溶媒(Oil−1) 0.53 ゼラチン 1.30。
【0112】 第4層;中感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.52μm)(沃化銀含有率8.0モル%) 0.62 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm)(沃化銀含有率8.0モル%) 0.27 増感色素(SD−1) 2.3×10-4 増感色素(SD−2) 1.2×10−4 増感色素(SD−3) 1.6×10−5 増感色素(SD−4) 1.2×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.15 シアンカプラー(C−2) 0.18 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.030 DIR化合物(D−2) 0.013 高沸点溶媒(Oil−1) 0.30 ゼラチン 0.93。
【0113】 第5層;高感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径1.00μm)(沃化銀含有率8.0モル%) 1.27 増感色素(SD−1) 1.3×10-4 増感色素(SD−2) 1.3×10-4 増感色素(SD−3) 1.6×10-5 シアンカプラー(C−2) 0.12 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.013 高沸点溶媒(Oil−1) 0.14 ゼラチン 0.91。
【0114】 第6層;中間層 化合物(SC−1) 0.09 高沸点溶媒(Oil−2) 0.11 ゼラチン 0.80。
【0115】 第7層;低感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm) 0.61 (沃化銀含有率8.0モル%) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm) 0.20 (沃化銀含有率2.0モル%) 増感色素(SD−4) 7.4×10-5 増感色素(SD−5) 6.6×10-4 マゼンタカプラー(M−1) 0.18 マゼンタカプラー(M−2) 0.44 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.12 高沸点溶媒(Oil−2) 0.33 ゼラチン 1.95。
【0116】 第8層;中感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.59μm、沃化銀含有率8.0モル%) 0.87 増感色素(S−6) 2.4×10-4 増感色素(S−7) 2.4×10-4 マゼンタカプラー(M−1) 0.12 マゼンタカプラー(M−2) 0.06 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.070 DIR化合物(D−2) 0.025 DIR化合物(D−3) 0.002 高沸点溶媒(Oil−2) 0.10 ゼラチン 1.00。
【0117】 第9層;中感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径1.00μm、沃化銀含有率8.0モル%) 1.27 増感色素(S−6) 1.4×10-4 増感色素(S−7) 1.4×10-4 マゼンタカプラー(M−1) 0.10 マゼンタカプラー(M−2) 0.05 カラードマゼンタカプラー(CM−2) 0.012 高沸点溶媒(Oil−2) 0.10 ゼラチン 1.00。
【0118】 第10層;イエローフィルター層 黄色コロイド銀 0.08 色汚染防止剤(SC−2) 0.15 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.20 高沸点溶媒(Oil−2) 0.19 ゼラチン 1.10。
【0119】 第11層;中間層 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.20 ゼラチン 0.60。
【0120】 第12層;低感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm) 0.22 (沃化銀含有率8.0モル%) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm) 0.03 (沃化銀含有率2.0モル%) 増感色素(SD−8) 4.2×10-4 増感色素(SD−9) 6.8×10-5 イエローカプラー(Y−1) 0.75 DIR化合物(D−1) 0.010 高沸点溶媒(Oil−2) 0.30 ゼラチン 1.20。
【0121】 第13層;低感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.59μm) 0.30 (沃化銀含有率8.0モル%) 増感色素(SD−8) 1.6×10-4 増感色素(SD−10) 7.2×10-5 イエローカプラー(Y−1) 0.10 DIR化合物(D−1) 0.010 高沸点溶媒(Oil−2) 0.046 ゼラチン 0.47。
【0122】 第14層;高感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径1.00μm) 0.85 (沃化銀含有率8.0モル%) 増感色素(SD−8) 7.3×10-5 増感色素(SD−10) 2.8×10-5 イエローカプラー(Y−1) 0.11 高沸点溶媒(Oil−2) 0.046 ゼラチン 0.80。
【0123】 第15層;第1保護層 沃臭化銀(平均粒径0.08μm) 0.40 (沃化銀含有率1.0モル%) 紫外線吸収剤(UV−1) 0.026 紫外線吸収剤(UV−2) 0.013 高沸点溶媒(Oil−1) 0.07 高沸点溶媒(Oil−3) 0.07 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.40 ゼラチン 1.31。
【0124】 第16層;第2保護層 アルカリ可溶性マット剤(平均粒径2μm) 0.15 ポリメチルメタクリレート (平均粒径3μm) 0.04 滑り剤(WAX−1) 0.04 ゼラチン 0.55。
【0125】なお、上述の感光材料は、さらに、化合物
SU−1、Su−2、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H−
2、安定剤ST−1、カブリ防止剤AF−1、AF−2
(重量平均分子量10,000のもの及び1,100,
000のもの)、染料AI−1、AI−2および化合物
DI−1(9.4mg/m2 )を含有する。
【0126】上記のUV−1、Oil−1、SC−1、
Oil−2、SD−1、SD−2、SD−3、SD−
4、C−1、C−2、CC−1、D−1、D−2、M−
A、CM−1、D−3、CM−2、SC−2、HS−
1、SD−5、Y−1、SD−6、UV−2、WAX−
1、SU−1、Su−2、H−1、H−2、ST−1、
AF−2、AI−1、AI−2および化合物DI−1の
構造を下記化3〜12に示す。
【0127】
【化4】
【0128】
【化5】
【0129】
【化6】
【0130】
【化7】
【0131】
【化8】
【0132】
【化9】
【0133】
【化10】
【0134】
【化11】
【0135】
【化12】
【0136】(各感光層の塗布)試料101の作成にお
いて、各感光層は表5に示す手順に従って形成された。
表5においては、例えば塗布方法Aは、第1回目には第
1〜6層を同時塗布し、第2回目には第7〜11層を同
時塗布し、第3回目には第12〜16層を同時塗布した
ものとして理解され、塗布方法B〜Dについても同様に
理解されるべきである。
【0137】
【表5】
【0138】ここで、表5に示される塗布方法B〜D
は、写真構成層を同時に10層以上を塗布する方法であ
り、塗布方法Aは第1〜3回のいずれの塗布においても
10層以下を同時塗布している。
【0139】又、他の支持体についても上記塗布方法を
採用して表6に示されるように試料を作成した。
【0140】
【表6】
【0141】なお、上記10層以上を同時塗布する場合
においては、最下層の粘度が20〜60cpになるよう
にし、残りの9層以上の層の粘度は20cp以上であっ
て、全層の算術平均の粘度は20〜300cpになるよ
うにした。
【0142】D.ハロゲン化銀カラー感光材料の現像 ハロゲン化銀カラー感光材料である各試料を8インチ×
10インチのサイズに裁断して、現像処理後の発色透過
濃度がX−Rite社製モデル310T濃度計における
緑光測光濃度値で0.90〜1.1の範囲になるように
白色光露光を与え、以下の表7に示す処理工程の現像処
理を行った。
【0143】
【表7】
【0144】表7において、補充量は写真感光材料1m
2 当たりの値である。発色現像液、漂白液、定着液、安
定液及びその補充液は、下記のようにして調製されたも
のを使用した。
【0145】 〈発色現像液〉 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1リットルとし、pH10.1(処理1)及
びpH9.9(処理2)にそれぞれ調製した。
【0146】 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム塩 100g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 10ml 水を加えて1リットルとし、アンモニア水を用いてpH
6.0に調製した。
【0147】 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1リットルにし、酢酸を用いてpH6.0に
調整した。
【0148】 〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ株式会社製) 7.5ml 水を加えて1リットルとした。
【0149】〈発色現像補充液〉 水 800ml 炭酸カリウム 35g 炭酸水素ナトリウム 3g 亜硫酸カリウム 5g 臭化ナトリウム 0.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 6.3g 水酸化カリウム 2g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムまたは20
%硫酸を用いてpH10.18に調製した。
【0150】 〈漂白補充液〉 水 700ml 1/3ジアミノプロパン四酢酸鉄 (III)アンモニウム 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 50g 臭化アンモニウム 200g 氷酢酸 56g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.0に調整した
後に水を加えて1リットルにした。
【0151】 〈定着補充液〉 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 150g チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 20g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニウム水又は氷酢酸を用いてpH6.5に調整し
た後水を加えて1リットルにした。
【0152】〈安定補充液〉安定液に同じ。
【0153】E.濃度ムラの評価 現像処理済の各試料をライトテーブル(LT−77H、
写真科学株式会社製)の上に並べ、濃度ムラの発生状況
を目視にて評価した。評価の内容を以下に示す。 A・・・濃度ムラが全く認められない。 B・・・濃度ムラがわずかに認められるが問題にならな
いレベルである。 C・・・濃度ムラが認められる。
【0154】更に各試料のカール発生状況も評価した。
評価の内容を以下に示す。 ○・・・カールが小さくて好ましい。 ×・・・カールが大きくて好ましくない。 上記結果を表8に示した。
【0155】F.生産効率の評価 1台の製造ラインで塗布幅1,540mm、塗布速度1
20m/分で連続生産をする場合、従来の塗布方法Aの
ときには約8あるいは9万m2 /日であるが、10層以
上を同時塗布する本発明における方法B,C,Dでは約
13万m2 /日であった。このように本発明のハロゲン
化銀カラー感光材料は、その生産性が非常に高い。この
ような生産効率の評価を表8に示した。
【0156】
【表8】
【0157】
【発明の効果】この発明によると、実用上問題のない程
度に塗布ムラの発生を低減し、かつ生産効率の高いハロ
ゲン化銀カラー感光材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はスライドホッパー型塗布装置(n層同時
塗布用)を示す断面図である。
【符号の説明】 S1 〜Sn 塗布液 P1 〜Pn 計量ポンプ 2、4、6、20、22 空洞 N1 〜Nn 吐出スリット 1 バックアップローラ 3 支持体 5 減圧室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ120μm以下の透明支持体上に、
    それぞれ少なくとも一層の赤感性層、緑感性層、青感性
    層及び非感光性層を有する10層以上の写真構成層を有
    し、かつこの写真構成層の10層以上が同時に塗布され
    てなり、前記透明支持体が、金属スルホネート基を有す
    る芳香族ジカルボン酸を共重合成分とする共重合ポリエ
    ステルであると共に前記共重合ポリエステルはジエチレ
    ングリコールの含有量が5mol%以下であることを特
    徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
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