JPH05305606A - 透水性セラミック舗装板の製造方法 - Google Patents

透水性セラミック舗装板の製造方法

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JPH05305606A
JPH05305606A JP3270227A JP27022791A JPH05305606A JP H05305606 A JPH05305606 A JP H05305606A JP 3270227 A JP3270227 A JP 3270227A JP 27022791 A JP27022791 A JP 27022791A JP H05305606 A JPH05305606 A JP H05305606A
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Shigeharu Moriwaki
卯治 森脇
Masao Fushida
正夫 伏田
Yoshinori Horii
義則 堀井
Akira Adachi
曉 足立
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄肉・軽量で耐破壊荷重が大きく、しかも、
表面が美麗で長期にわたり透水性が保持できる透水性セ
ラミック舗装板の製造方法を提供すること。 【構成】 無機質原料からなる粗粒と、無機質の熱融着
性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第1混合物質と
する第1工程と、無機質原料からなる細粒と、無機質の
熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第2混合
物質とする第2工程と、成形型内に複数の突起を持つ型
板を突起を上にして配置する第3工程と、その後に第2
混合物質を充填する第4工程と、その後に第1混合物質
を充填する第5工程と、これを成形して成形品を得る第
6工程と、型板を除去する第7工程と、成形品を焼成す
る第8工程とを含むこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、舗装板の製造方法に関
し、特に、歩道、公園、駐車場、建物アプローチなどに
使用される、表面の硬質美麗なセラミック製舗装板で、
降雨時に表面に水溜まりが生じないため歩行性が良好で
あり、かつ水分の浸透により付近の植物成育が良好であ
り、さらに降雨時の下水処理負荷量が低減される透水性
舗装板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陶磁器質を用いて透水性舗装板を製造す
る試みとしては、例えば特公昭62−20321号の舗
装板がある。この舗装板は多数の陶磁器質の破片、ガラ
スの破片および珪酸ナトリウムを混合してプレス成形
し、珪酸ナトリウムの粘着性により形状を保持しつつ7
00℃以上の温度で焼成することにより、ガラス破片お
よび珪酸ナトリウムの熱溶解により陶磁器質破片を相互
に固着させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この方法によりかなり
の透水性を有する舗道板を得ることは可能であるとみら
れるが、ガラスの破片は舗装材の原料としては高価であ
る。従って、破壊荷重および表面剥離に対する長期の耐
用性を得るには、陶磁器質破片に対し、ガラス破片の比
率を増加させる必要があり、高価な製品となるばかりで
なく、ガラス破片の比率増により製品の空隙率が減少す
るので十分な透水性が得難くなる。
【0004】また、このような陶磁器質舗装板の表面を
顔料で着色する場合、表面のみに顔料を塗布して焼成し
た場合には、路面に施工のあと数カ月で顔料が摩滅す
る。また、顔料の価格は陶磁器質破片に比してはるかに
高価であるので、陶磁器質原料全体に顔料を混入させる
ことは経済的ではない。
【0005】本発明は上記課題を解決し、薄肉・軽量で
耐破壊荷重が大きく、しかも、表面が美麗で長期にわた
り透水性が保持できる透水性セラミック舗装板の製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】直径0.1mm以下の無
機質粉末を60重量%以上含有する原料より製造する緻
密質セラミック素地はJIS歩道用コンクリート平板よ
り薄肉でも耐破壊強度が大きいので、これに破壊荷重の
大部分を負担させ、直径2mm〜7mmの無機質粗粒を
50重量%以上含有する原料より製造した多孔質セラミ
ック素地で長期間安定した透水性を得、この2素地を一
体成形することによりJIS歩道用コンクリート平板よ
り薄肉軽量でかつ長期間安定した透水性を有する舗装板
を得ることができる。
【0007】即ち、本発明製法の第1構成は、無機質原
料からなる粗粒と、無機質の熱融着性細粒と、常温粘着
性物質とを混合して第1混合物質とする第1工程と、無
機質原料からなる細粒と、無機質の熱融着性細粒と、常
温粘着性物質とを混合して第2混合物質とする第2工程
と、成形型内に複数の突起を持つ型板を突起を上にして
配置する第3工程と、その後に前記第2混合物質を充填
する第4工程と、その後に前記第1混合物質を充填する
第5工程と、これを成形して成形品を得る第6工程と、
前記型板を除去する第7工程と、前記成形品を焼成する
第8工程とを含むことである。
【0008】第2構成は、無機質原料からなる粗粒と、
無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して
第1混合物質とする第1工程と、無機質原料からなる細
粒と、無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混
合して第2混合物質とする第2工程と、成形型内に前記
第2混合物質を充填する第3工程と、その後に前記第1
混合物質を充填する第4工程と、複数の突起を持つ型板
を突起を下にしてプレス成形金型の上型に取付けてプレ
ス成形して成形品を得る第5工程と、前記成形品を焼成
する第8工程とを含むことである。
【0009】第3構成は、無機質原料からなる粗粒と、
無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して
第1混合物質とする第1工程と、無機質原料からなる細
粒と、無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混
合して第2混合物質とする第2工程と、成形型内に直柱
体邪魔部材をその軸線を鉛直にして成形型側壁から間隙
を存して配置する第3工程と、その後に前記第2混合物
質を前記成形型と前記邪魔部材との間に該部材の高さま
で充填する第4工程と、前記邪魔部材を抜き取る第5工
程と、その後に前記第2混合物質を覆い、かつ、前記邪
魔部材のあった空間内に前記第1混合物質を充填する第
6工程と、これを成形して成形品を得る第7工程と、前
記成形品を焼成する第8工程とを含むことである。
【0010】第4構成は、無機質原料からなる粗粒と、
無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して
第1混合物質とする第1工程と、無機質原料からなる細
粒と、無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混
合して第2混合物質とする第2工程と、成形型内に上下
に貫通した型孔を持つ板体邪魔部材を成形型側壁に接し
て配置する第3工程と、その後に前記第1混合物質を前
記型孔内にその上端まで充填する第4工程と、前記邪魔
部材を抜き取る第5工程と、その後に前記第1混合物質
を覆い、かつ、前記邪魔部材のあった空間内に前記第2
混合物質を充填する第6工程と、これを成形して成形品
を得る第7工程と、前記成形品を焼成する第8工程とを
含むことである。
【0011】第5構成は、無機質原料からなる粗粒と、
無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して
第1混合物質とする第1工程と、無機質原料からなる細
粒と、無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混
合して第2混合物質とする第2工程と、成形型内にその
側壁の全域にわたって接する1個の直筒体邪魔部材をそ
の軸線を鉛直にして配置する第3工程と、前記第1混合
物質を前記筒体内に充填する第4工程と、前記邪魔部材
を抜き取る第5工程と、前記第2混合物質を前記邪魔部
材のあった空間内に充填する第6工程と、これを成形し
て成形品を得る第7工程と、前記成形品を焼成する第8
工程とを含むことである。
【0012】第6構成は、無機質原料からなる粗粒と、
無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して
第1混合物質とする第1工程と、無機質原料からなる細
粒と、無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混
合して第2混合物質とする第2工程と、成形型内にその
側壁の全域にわたって間隔を存して1個の直柱体邪魔部
材をその軸線を鉛直にして配置する第3工程と、前記第
2混合物質を前記間隔内に充填する第4工程と、前記邪
魔部材を抜き取る第5工程と、前記第1混合物質を前記
邪魔部材のあった空間内に充填する第6工程と、これを
成形して成形品を得る第7工程と、前記成形品を焼成す
る第8工程とを含むことである。
【0013】第7構成は、無機質原料からなる粗粒と、
無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して
第1混合物質とする第1工程と、無機質原料からなる細
粒と、無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混
合して第2混合物質とする第2工程と、成形型内に複数
の直筒体邪魔部材をその軸線を鉛直にして、かつ、成形
型側壁の全域および邪魔部材相互に対し接触させて配置
する第3工程と、前記第1混合物質を前記筒体内に充填
する第4工程と、前記邪魔部材を抜き取る第5工程と、
前記第2混合物質を前記邪魔部材のあった空間内に充填
する第6工程と、これを成形して成形品を得る第7工程
と、前記成形品を焼成する第8工程とを含むことであ
る。
【0014】第8構成は、無機質原料からなる粗粒と、
無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して
第1混合物質とする第1工程と、無機質原料からなる細
粒と、無機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混
合して第2混合物質とする第2工程と、成形型内に複数
の型孔を持つ板体邪魔部材を配置する第3工程と、前記
第1混合物質を前記孔内に充填する第4工程と、前記邪
魔部材を抜き取る第5工程と、前記第2混合物質を前記
邪魔部材のあった空間内に充填する第6工程と、これを
成形して成形品を得る第7工程と、前記成形品を焼成す
る第8工程とを含むことである。
【0015】
【作用】第1表の配合Pに例示したように、多孔質セラ
ミック素地として、直径2mm〜7mmの無機質原料粗
粒(配合例Pでは粒度3mm〜5mmのセルベン)を5
0重量%以上含有する素材を使用し、これに少量の熱融
着作用を有する材料(配合例Pでは畑長石)を配合した
ものを板状に成形し、適当な温度で焼成すれば、粗粒の
粒界に多数の貫通した孔が生じるため、板の全面にわた
ってほぼ均一な透水性が得られる。原料粗粒の粒径を大
きくすると透水性が向上するが、製品板表面の平滑性が
減少し、かつ、緻密性セラミック素地と積層する場合
の、多孔質セラミック素地としての必要厚さが増大す
る。透水性舗装板としての用途上、多孔質セラミック素
地用の粗粒の粒径は2mm〜7mmが適当である。また
原料素材中の粗粒が50重量%以下の場合には十分な透
水性が得難い。2種類以上の粗粒を使用した場合は、成
形時に粗粒が自然に形成する表面に美麗な模様を有する
板を得ることができる。
【0016】この多孔質セラミック素地を表層に用い、
下層に緻密質セラミック素地を使用することにより、全
体の厚さがJISコンクリート平板より薄く、かつ、軽
量で、JISコンクリート平板を超える破壊強度を得る
ことができる。緻密質の原料組成としては、第1表配合
Bに例示したように、直径0.1mm以下の無機質粉末
(配合Bの場合は、水砕スラグ、三国陶石および本山木
節粘土)を60重量%以上含有させる必要があり、主成
分の粒径が0.1mmより大きかったり、60重量%よ
り少ない場合には十分な破壊強度が得られない。
【実施例】以下、本発明の実施態様を図面に示す一実施
例にもとづき説明する。
【0017】図1a,図1bは舗装板の第1実施例を示
し、上層に設けられた多孔質セラミック素地1と、下層
に設けられた緻密質セラミック素地2とからなり、該緻
密質セラミック素地を貫通して前記多孔質セラミック素
地の内部に達する多数の排水孔Hが設けられている。
【0018】この舗装板の製造方法(第1製法)は次の
とおりである。
【0019】表1(P欄、B欄は各々多孔質セラミック
素地1および緻密質セラミック素地2の原料を示す)に
示されるような配合によって、素地1に対応した第1混
合物質と素地2に対応した第2混合物質を作る。
【表1】 即ち、第1工程として、無機質原料からなる粗粒と、無
機質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合する。
次に第2工程として、無機質原料からなる細粒と、無機
質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合する。こ
こで、前記熱融着性細粒は、表1のごとく、陶石、長
石、水砕スラグに相当し、常温粘着性物質は粘土および
水ガラスに相当する。その他の無機質原料粗粒はセルベ
ン(衛生陶器の粉砕くず)に相当する。そして、これら
の混合物質は粉体または団粒またはこれらの混合状態で
ある。次に、第3工程でプレス成形金型下型A2上に多
数の突起C1を持つ型板C(図3)を突起を上にして配
置する。第4工程で、前記第2混合物質を側型A3内で
型板C上に約40mm厚さに充填する。第5工程で、前
記第2混合物質の上に第1混合物質を約15mm厚さに
充填する。第6工程で、プレス成形機の上金型A1で、
成形圧力250kg/cm2のもとに加圧成形する。第
7工程で、前記成形品を脱型し、型板Cを除去し、30
0L×300B×30mmTの成形品を得た。第7a工
程で、この成形品を150℃で加熱乾燥する。第8工程
で前記成形品を1,100℃のもとで1時間焼成する。
前記第1実施例製品の他の製法(第2製法)として、型
板Cをその突起を下にして上型A1に取り付け、混合物
質の充填順序を逆にする。図2は製品第2実施例を示
す。第1実施例に対し素地1,2を上下逆に配置し、少
なくとも上層の緻密質素地2を貫通した多数の排水孔H
を設けたものである。これの製法は前記第1または第2
製法に準ずる。この第2実施例は振動数1000〜50
00Vpm、無振動時の圧力2.5Tの振動加圧プレス
成形によるものである。図4a,図4bは製品第3実施
例を示す。即ち、前記第1実施例と同様の多孔質セラミ
ックからなる第1素地11と緻密質セラミック素地2と
の他に、この緻密質セラミック素地2を複個所で上下に
貫通して第1素地11に連続した多孔質セラミック第2
素地12からなる。そして、これの製造方法(第3製
法)は、前記第3工程の代わりに、第3工程として、図
5のごとく、金型下型A2の貫通片A4上に直円柱体邪
魔部材D1をその軸線を鉛直にして、側型A3の側壁か
ら間隙を存して複数個(図示5個)を、互いに均等間隔
を存して配置する。第4工程として、金型側型A3と柱
体D1との間にこの柱体の高さ(40mm)まで第2混
合物を充填する。第5工程として、昇降支持部材Eおよ
びピストンシリンダ機構Fを介して、柱体D1を、その
上面が下型A2の上面と面一となるまで、下方へ抜き取
る。第6工程として、前記第2混合物を覆って、かつ、
邪魔部材のあった空間内に第1混合物質を金型底から5
5mm高さまで充填する。第7工程で、圧力250kg
/cm2で加圧成形する。前記第3実施例製品の他の製
法(第4製法)として、前記直柱体邪魔部材に相当した
貫通孔を持つ板体邪魔部材を用い、混合物質の充填順序
を逆にする。次に製品第4実施例を図6に示す。即ち、
平板多孔質セラミック素地1と、その周側面に設けられ
た緻密質セラミック素地2からなる。これの製造方法
(第5製法)は次の通りである。図7のごとく、第3工
程として、金型側型内にその側壁の全域にわたって接す
る1個の矩形断面の直筒体邪魔部材D2を、その軸線を
鉛直にして下型A2を貫通した昇降部材E上に配置す
る。第4工程で直筒体D2内にその上端まで第1混合物
質を充填する。第5工程で、ピストンシリンダ機構Fに
より直筒体D2をその上面が下型A2の上面と面一とな
るまで、下方に抜き取る。第6工程で、直筒体D2のあ
った空間内に第2混合物質を充填する。第7工程で上型
を押し付けて加圧成形する。このとき、下型A2と邪魔
部材D2は下型受台Gにより支持されて荷重に耐える。
前記製品第4実施例の他の製法(第6製法)として、前
記直筒体邪魔部材に相当した隙間を側型A3との間に残
して配置された直柱体邪魔部材を用い、混合物質の充填
順序を逆にする。次に製品第5実施例を図8に示す。即
ち、図6に示すものに加えて、周縁部第1素子21のほ
かに、前記多孔質セラミック素地1を上下に貫通して設
けられた緻密質セラミック第2素地21が設けられる。
これの製造方法(第7製法)は、第3工程で、前記図7
に示した直筒体邪魔部材D2の代わりに、図9,図10
のごとく、複数(図示4個)の型孔を均一分布で持つ板
体邪魔部材D3を配置する。その他は前記第5製法と同
様である。前記製品第5実施例の他の製法(第8製法)
として、邪魔部材D3の型孔と肉厚部に相当する4個の
直筒体を互いに接触配置し、混合物質の充填順序を逆に
する。図1a,図1bに示したように、下層の緻密質セ
ラミック素地を貫通する孔を、例えば30cm×30c
mの正方形の舗道板に18個あけても第2表に示したよ
うに厚さ30mmで、厚さ60mmのJISコンクリー
ト平板を上回る1.313kgfの破壊強度を有する。
実施例1の透水量は270mm/時間の雨量に相当する
ので、我が国都市部での最大降水量を十分上回るもので
ある。振動成形で製造した場合には、プレス成形の場合
より強度はやや劣るが、プレス成形の場合よりも多孔質
セラミック素地の閉塞が少ないので、透水性のよい良好
な舗装板を製造することができる。舗装板表面で均一な
透水性を保持するための表層の厚さは5mm〜10mm
程度が適当である。薄い表層で表層用素材のみに顔料を
混入することにより、主原料に比してはるかに高価な顔
料を少量でも有効に使用することができ、かつ、表面の
みの着色ではないので、舗装板としての長時間の使用に
おいても摩耗による褪色が殆ど生じない。緻密質セラミ
ック素地を表層に使用する場合は、貫通孔の円・楕円な
どの形状・数および配置により、舗装板上に種々の模様
を描くことができる。(この場合に排水孔は下層まで貫
通していてもよい)この場合の孔の幅(短径)はハイヒ
ール、かさ等の突入事故を防ぐため、5mm以下にする
ことが望ましい。また、表層に美麗な釉薬を施した場合
でも孔の数および配置により、歩行者や車の滑りを防止
する効果がある。さらに舗装板の周縁部下層にも緻密質
セラミック素材を使用することにより下層内部はより粗
粒の安価な材料を主原料として用いることができる。製
品実施例4および実施例5に示すような、周縁部に緻密
質セラミック素地を使用し、内側の一部分または大部分
に多孔セラミック素地を使用する場合は、緻密質セラミ
ック素地の比率および配置により、薄肉・軽量で十分な
破壊強度を有し、施工性の良好な透水性舗装板を製造す
ることができる。これらの製品実施例によると多孔質セ
ラミック素地が表層のかなりの部分を占めるので、製品
実施例1の場合と同様、耐摩耗性に優れ、かつ、かなり
の強度を有する多孔質セラミック素地材料を使用する必
要があり、製品実施例1に比して多孔質セラミック素地
材料の使用量が多くなる。従って、多孔質セラミック材
料コストは製品実施例1や実施例2の場合に比して割高
になる。しかし、多孔質セラミック素材が舗装板の表面
から裏面にまで貫通しているので、表2に示すように製
品実施例1および実施例2に比してはるかに透水性の良
好な舗装板を得ることができる。
【表2】 また、緻密質セラミック素地と多孔質セラミック素地の
境界線を種々の直線や曲線とすることにより、舗装板表
面に文字、図形等を描き出すことができる。排水孔の断
面形状は、円、楕円、長方形など種々選択することがで
きるが、孔の幅(径)は水の表面張力に抗して十分な透水
性を得るために2mm以上必要であり、かつ、緻密質セ
ラミック素地が舗装板としての十分な耐破壊強度を有す
るために30mm以下であることが望ましい。図6,図
8のごとく、緻密質セラミック素地と多孔質セラミック
素地を水平方向(舗装板の縦横方向)に複数層(多層)
に配置する場合は、安価な材料を使用し、かつ成型品の
型から取外し、焼成、輸送、舗装などの各取扱い時に、
舗装板の周縁での破損が生じないように、成型品の周縁
部には緻密質セラミック素地を配置することが望まし
い。上記いずれの場合も、多孔質および緻密質の各セラ
ミック素地原料の主成分である無機質原料としては珪
石、長石、陶石、粘土、シラス等の天然原料、あるい
は、タイル、衛生陶器、陶管、棚板、硝子等陶磁器質製
品・セラミック製品の不良品・使用済屑等を破砕したも
の、または、アルミナ、ムライト、コーディエライト等
の合成原料等で通常陶磁器原料として使用されるもの、
ならびに鉱滓、フライアッシュ、赤泥、ごみ焼却灰、下
水・し尿汚泥焼却灰、もみがら焼却灰などの廃棄物が用
いられる。成型品の焼成温度は、主成分の軟化による形
くずれを生じない温度で、かつ、原料中の熱融着成分が
適度に軟化・溶融して主成分を固着させる温度を選択す
る必要があるので、使用する原料の種類および組成によ
り異なるが、舗装板としての十分な耐破壊強度を得るに
は800℃以上の焼成温度が必要である。本発明は前記
した実施例や実施態様に限定されず、特許の範囲の精神
および範囲を逸脱しないで種々の変形を含む。
【発明の効果】本発明製法の第1構成により、突起付型
板で多数の孔を一度にあけることができる。第2構成に
より、型板の配置・抜取りと成形が一度で出来る。第3
構成により、少ない種類の邪魔部材で、それらの配置の
仕方で、種々の分布状態の多孔質セラミック第2素地を
得ることができる。第4構成により、邪魔部材の配置が
一度にできる。第5構成により、邪魔部材を側型に沿っ
て置くだけで成形が可能であり、また、振動成形は勿
論、プレス成形も容易にできる。第6構成により、邪魔
部材の抜取り時に型くずれし難い。第7構成により、第
5構成と同じ効果が発揮される。第8構成により、少な
い種類の邪魔部材で種々の素地配置状態を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1a】舗装板の第1実施例の縦断面図である。
【図1b】舗装板の第1実施例の底面図である。
【図2】舗装板第2実施例の縦断面図である。
【図3】製法の第1実施例を示す縦断面図である。
【図4a】舗装板の第2実施例の縦断面図である。
【図4b】舗装板の第2実施例の底面図である。
【図5】製法の第2実施例を示す縦断面図である。
【図6】舗装板の第3実施例の平面図である。
【図7】製法の第3実施例を示す縦断面図である。
【図8】舗装板の第4実施例を示す平面図である。
【図9】製法の第4実施例を示す縦断面図である。
【図10】図10は図9の邪魔板の平面図である。
【符号】
1…多孔質セラミック素地 2…緻密質セラミック素地 H…排水孔 11…多孔質セラミック第1素地 12…多孔質セラミック第2素地 A…金型 A1…上型 A2…下型 A3…側型 C…型板 C1…基板 C2…突起 D1,D2,D3…邪魔部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀井 義則 大阪府豊中市寺内2丁目4番1号 日立造 船産業株式会社内 (72)発明者 足立 曉 大阪府豊中市寺内2丁目4番1号 日立造 船産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質原料からなる粗粒と、無機質の熱
    融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第1混合物
    質とする第1工程と、無機質原料からなる細粒と、無機
    質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第2
    混合物質とする第2工程と、成形型内に複数の突起を持
    つ型板を突起を上にして配置する第3工程と、その後に
    前記第2混合物質を充填する第4工程と、その後に前記
    第1混合物質を充填する第5工程と、これを成形して成
    形品を得る第6工程と、前記型板を除去する第7工程
    と、前記成形品を焼成する第8工程とを含むことを特徴
    とする透水性セラミック舗装板の製造方法。
  2. 【請求項2】 無機質原料からなる粗粒と、無機質の熱
    融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第1混合物
    質とする第1工程と、無機質原料からなる細粒と、無機
    質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第2
    混合物質とする第2工程と、成形型内に前記第2混合物
    質を充填する第3工程と、その後に前記第1混合物質を
    充填する第4工程と、複数の突起を持つ型板を突起を下
    にしてプレス成形金型の上型に取付けてプレス成形して
    成形品を得る第5工程と、前記成形品を焼成する第8工
    程とを含むことを特徴とする透水性セラミック舗装板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 無機質原料からなる粗粒と、無機質の熱
    融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第1混合物
    質とする第1工程と、無機質原料からなる細粒と、無機
    質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第2
    混合物質とする第2工程と、成形型内に直柱体邪魔部材
    をその軸線を鉛直にして成形型側壁から間隙を存して配
    置する第3工程と、その後に前記第2混合物質を前記成
    形型と前記邪魔部材との間に該部材の高さまで充填する
    第4工程と、前記邪魔部材を抜き取る第5工程と、その
    後に前記第2混合物質を覆い、かつ、前記邪魔部材のあ
    った空間内に前記第1混合物質を充填する第6工程と、
    これを成形して成形品を得る第7工程と、前記成形品を
    焼成する第8工程とを含むことを特徴とする透水性セラ
    ミック舗装板の製造方法。
  4. 【請求項4】 無機質原料からなる粗粒と、無機質の熱
    融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第1混合物
    質とする第1工程と、無機質原料からなる細粒と、無機
    質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第2
    混合物質とする第2工程と、成形型内に上下に貫通した
    型孔を持つ板体邪魔部材を成形型側壁に接して配置する
    第3工程と、その後に前記第1混合物質を前記型孔内に
    その上端まで充填する第4工程と、前記邪魔部材を抜き
    取る第5工程と、その後に前記邪魔部材のあった空間内
    に前記第2混合物質を充填する第6工程と、その後に前
    記第1,第2混合物質を覆って第1混合物質を充填する
    第7工程と、これを成形して成形品を得る第8工程と、
    前記成形品を焼成する第9工程とを含むことを特徴とす
    る透水性セラミック舗装板の製造方法。
  5. 【請求項5】 無機質原料からなる粗粒と、無機質の熱
    融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第1混合物
    質とする第1工程と、無機質原料からなる細粒と、無機
    質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第2
    混合物質とする第2工程と、成形型内にその側壁の全域
    にわたって接する1個の直筒体邪魔部材をその軸線を鉛
    直にして配置する第3工程と、前記第1混合物質を前記
    筒体内に充填する第4工程と、前記邪魔部材を抜き取る
    第5工程と、前記第2混合物質を前記邪魔部材のあった
    空間内に充填する第6工程と、これを成形して成形品を
    得る第7工程と、前記成形品を焼成する第8工程とを含
    むことを特徴とする透水性セラミック舗装板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 無機質原料からなる粗粒と、無機質の熱
    融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第1混合物
    質とする第1工程と、無機質原料からなる細粒と、無機
    質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第2
    混合物質とする第2工程と、成形型内にその側壁の全域
    にわたって間隔を存して1個の直柱体邪魔部材をその軸
    線を鉛直にして配置する第3工程と、前記第2混合物質
    を前記間隔内に充填する第4工程と、前記邪魔部材を抜
    き取る第5工程と、前記第1混合物質を前記邪魔部材の
    あった空間内に充填する第6工程と、これを成形して成
    形品を得る第7工程と、前記成形品を焼成する第8工程
    とを含むことを特徴とする透水性セラミック舗装板の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 無機質原料からなる粗粒と、無機質の熱
    融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第1混合物
    質とする第1工程と、無機質原料からなる細粒と、無機
    質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第2
    混合物質とする第2工程と、成形型内に複数の型孔を持
    つ板体邪魔部材を成形型側壁の全域に接触させて配置す
    る第3工程と、前記第1混合物質を前記型孔内に充填す
    る第4工程と、前記邪魔部材を抜き取る第5工程と、前
    記第2混合物質を前記邪魔部材のあった空間内に充填す
    る第6工程と、これを成形して成形品を得る第7工程
    と、前記成形品を焼成する第8工程とを含むことを特徴
    とする透水性セラミック舗装板の製造方法。
  8. 【請求項8】 無機質原料からなる粗粒と、無機質の熱
    融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第1混合物
    質とする第1工程と、無機質原料からなる細粒と、無機
    質の熱融着性細粒と、常温粘着性物質とを混合して第2
    混合物質とする第2工程と、成形型内に複数の直筒体邪
    魔部材をそれらの軸線を鉛直にして、かつ、成形型側壁
    の全域および邪魔部材相互に対して接触させて配置する
    第3工程と、前記第1混合物質を前記孔内に充填する第
    4工程と、前記邪魔部材を抜き取る第5工程と、前記第
    2混合物質を前記邪魔部材のあった空間内に充填する第
    6工程と、これを成形して成形品を得る第7工程と、前
    記成形品を焼成する第8工程とを含むことを特徴とする
    透水性セラミック舗装板の製造方法。
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