JPH0530547B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は連続鋳造におけるモールド内に供給す
る溶鋼の偏流を防止する為不活性ガスを供給し、
該不活性ガスの量を調整し、溶鋼の偏流をなくし
溶融金属を均一に供給する方法及びこれに用いる
浸漬ノズルであつて、連続鋳造用モールド内偏流
防止方法及び浸漬ノズルに関するものである （従来の技術） 従来連続鋳造において、浸漬ノズルより不活性
ガスをノズルに供給しノズル内孔及び吐出口のア
ルミナの付着を防止する浸漬ノズルは下記の公報
等に示されている。例えば実開昭58−134246号公
報における浸漬ノズルは中央部にあけた溶鋼の注
入孔の内側で溶湯吐出口の上部に不活性ガス吹き
こみ用スリツトの下端にポーラス材料を設けてあ
るが、このスリツト下端のポーラス材料から吹き
こまれる不活性ガスは吐出口の上部にあり、不活
性ガスは溶鋼の注入孔の内側に吹きこまれるのみ
で、吐出口を左右何れかに選択して吹きこめない
ため、不活性ガスにより注入溶鋼の偏流を防止す
ることができない。

又、実公昭63−40292号公報における連続鋳造
用ノズルは、複数の不活性ガス導入孔に連通する
中空室を設けてあるが、中空室には図面上、不活
性ガスの吐出口が示されておらず、仮に中空室の
不活性ガスが溶鋼注入孔に吹きこまれる孔があつ
たとしても、不活性ガスは溶鋼注入孔内にある溶
鋼にのみ吹きこまれ溶鋼吐出口において溶鋼の偏
流を調整することができない。

更に特開昭62−203663号公報におけるガス吹き
こみ用網状細孔を備えた溶融金属注入用ノズル
は、内壁部材と外壁部材との間に円周方向の中空
室を設け、この部分に網状細孔をあけたもので、
不活性ガスの吹きこみは１個所のガス吹きこみ用
ソケツトのみで、不活性ガスの吹きこみを左右の
吐出口に選択的に吹きこんで偏流することを防止
するために調整することができない。

前記の各公報に説明されている技術ではアルミ
ナ等付着により偏流が始まると吐出口を清掃する
必要が生ずるし、又アルミナ等が付着しなくても
溶鋼が吐出口より均一に流れなくなると共に、長
時間使用すると溶損等により偏流が発生し、均一
な溶鋼による鋳造ができなくなる等の欠陥があ
る。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は連続鋳造においてモールド内に浸漬ノ
ズルより流入する溶鋼の偏流を防止し、均一な鋳
造品を得ることを目的とした連続鋳造用にモール
ド内偏流防止方法及びその方法に用いる浸漬ノズ
ルを提供せんとするものである （課題を解決するための手段） 本発明は連続鋳造におけるタンデイツシユの下
方に配置されたノズルでモード内に溶融金属を供
給する際、中央に縦方向の溶鋼注入孔をあけてあ
る浸漬ノズル本体の上方にあけた独立した複数の
不活性ガス供給口より不活性ガスを供給し、該不
活性ガス供給口の内端に連通する独立した縦方向
のスリツトより前記不活性ガスを送給せしめ、浸
漬ノズル本体の下方に設けた複数の溶鋼の吐出口
の上面と、スリツトの下端面とにわたつて設けた
ポーラス部を通過した不活性ガスを左右又は前後
にある吐出口を選択的に不活性ガス量を調整して
溶鋼を調整可能にモールド内に流出せしめること
を特徴とする連続鋳造用モールド内偏流防止方法
である。

又、前記連続鋳造用モールド内偏流防止方法に
用いるタンデイツシユの下方に配置される浸漬ノ
ズル本体１の中央に縦方向の溶鋼注入孔２をあ
け、該浸漬ノズル本体１の上方に独立した２個以
上複数の不活性ガス供給口３をあけ、該不活性ガ
ス供給口３の内端で不活性ガス供給口３と連通す
る独立した縦方向のスリツト４を浸漬ノズル本体
１にあけ、該スリツト４の下端と、溶鋼注入孔２
の下端に設けた溶鋼の吐出口５とにわたつてポー
ラス部６を設けたことを特徴とする連続鋳造用モ
ールド内偏流防止用の浸漬ノズルである。

ポーラス部６は実施例では吐出口５上部半分に
設けているが、吐出口全周に設けても良い。

又、ポーラス部背面にスリツト部を設けて、該
スリツト部を介してガスを吹き込むとポーラス部
全面から均一なガス吹き込みが行えるので好まし
い。

（作用） 本発明は、連続鋳造においてタンデイツシユの
下方に配置した浸漬ノズルよりモールド内に溶鋼
を注入し、連続的に鋳造を行う場合、浸漬ノズル
本体１の中央縦方向にあけた溶鋼の注入孔２より
タンデイツシユ内の溶鋼（溶融金属）をモールド
７内に注入する際、浸漬ノズル本体１の上方に独
立して複数設けた不活性ガス供給口３より右又は
左、あるいは前又は後の不活性ガス供給口３を選
択して不活性ガスを吹きこみ、不活性ガス供給口
３の内端に連通させ、独立したスリツト４を介し
てその下端より溶鋼の吐出口５に直接不活性ガス
を吹きこみ、吐出口５から流出する溶鋼に不活性
ガスを吹きこむため、不活性ガスの吹きこみ量に
従つて吐出口５より流出する溶鋼の流出量は調整
され、溶鋼をモールド７内に均一に流入せしめる
ことができ溶鋼の偏流を防止する。

本発明において不活性ガスの吹きこみは、スリ
ツト４の下端と溶鋼の吐出口５とにわたつてポー
ラス部６が設けられているため、選択した吐出口
５から流出する溶鋼に不活性ガスが直接吹きこま
れた不活性ガス量によつて溶鋼の流量を調整する
ことができるので溶鋼の偏流を確実に調整するこ
とができる。

（実施例） 本発明は、浸漬ノズル本体１に不活性ガス供給
口２を２個以上複数設けるものであるが、不活性
ガス供給口２を左右２つの場合につき説明する。

タンデイツシユ８の下方に配置された浸漬ノズ
ル本体１の中央縦方向にあけた溶鋼注入孔２より
タンデイツシユ８内の溶鋼９（溶融金属９）をモ
ールド７内に流入する際、溶鋼の吐出口５の左右
（又は前後、その他の吐出口）から偏流を確認し
た場合、不活性ガス供給口３にて右側に偏流した
ときは右側の不活性ガス供給口３のバルブ１０を
開き、溶鋼９の流量を押えて偏流を調整するか、
又は左側のバルブ１０を絞りながら左右の流れを
調整する。この時、不活性ガスの供給量は溶鋼９
の通鋼量により異なるが、左右トータルで２〜20
／minの範囲で調整し、出来る限り左右のトー
タル範囲が少ない方が望ましい。

又、不活性ガスの供給量の差も出来る限り小さ
い方が好ましく０〜５／minの範囲で管理して
連続鋳造用モールド内偏流を防止するものであ
る。

（発明の効果） 本発明は、上述のように浸漬ノズル本体の中央
縦方向の溶鋼注入孔の下端に複数あけた溶鋼の吐
出口に直接不活性ガスをそのガス量を調整しなが
ら供給し、吐出口における溶鋼の吐出量を各吐出
口における差を極力調整し、モールド内における
溶鋼の偏流を確実に防止することができるから、
鋳造品の品質を均一にすることができるし、溶鋼
偏流の防止作業も容易で効果的に行い得られる。

従つて従来技術におけるような溶鋼偏流のおそ
れは解消せられ、本発明の目的を十分達すること
が出来る等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施の１例を示す縦断説明図、
第２図は同上Ａ−Ａ線の断面図、第３図は第１図
Ｂ−Ｂ線の縦面図である。 １……浸漬ノズル本体、２……溶鋼注入孔、３
……不活性ガス供給口、４……スリツト、５……
吐出口、６……ポーラス部、７……モールド、８
……タンデイツシユ、９……溶鋼、１０……バル
ブ、１１……耐食性部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 連続鋳造におけるタンデイツシユの下方に配
   置された浸漬ノズルでモールド内に溶融金属を供
   給する際、中央に縦方向の溶鋼注入孔を有する浸
   漬ノズル本体の上方にあけた独立した複数の不活
   性ガス供給口より、該不活性ガス供給口の内端に
   連通し、独立した縦方向のスリツトを介して不活
   性ガスを供給し、前記スリツトの下端に設けたポ
   ーラス部を介して溶鋼注入孔から供給された溶鋼
   の複数の吐出口に直接選択的に不活性ガス量を調
   整可能に流出せしめることを特徴とする連続鋳造
   用モールド内偏流防止方法。 ２ 連続鋳造におけるタンデイツシユの下方に配
   置する浸漬ノズル本体の中央に縦方向の溶鋼注入
   孔をあけ、該浸漬ノズル本体の上方に独立した複
   数の不括性ガス供給口をあけ、該不活性ガス供給
   口の内端に独立した縦方向のスリツトを形成し、
   該スリツトの下端と溶鋼注入孔の下端に設けた溶
   鋼の吐出口とにポーラス部を設けたことを特徴と
   する連続鋳造用モールド内偏流防止用の浸漬ノズ
   ル。