JPH05296354A - 血圧計の定速排気弁装置 - Google Patents

血圧計の定速排気弁装置

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JPH05296354A
JPH05296354A JP4103375A JP10337592A JPH05296354A JP H05296354 A JPH05296354 A JP H05296354A JP 4103375 A JP4103375 A JP 4103375A JP 10337592 A JP10337592 A JP 10337592A JP H05296354 A JPH05296354 A JP H05296354A
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screw
case
adjusting screw
valve
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Mitsuo Nakatani
光男 中谷
Satoshi Nakayama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排気弁体1を押圧することにより排気弁体1
に設けたスリット2の開口量を調節して排気速度を調節
できるように形成した血圧計の定速排気弁装置におい
て、所定の排気速度への調節を容易におこうなうことが
できるようにする。 【構成】 ケース3内に排気弁体1及び排気弁体1を押
圧するための弁押圧体4を配設する。弁押圧体4を押し
引き操作するための調節ねじ体5をケース3に設ける。
調節ねじ体5に同じ回転方向で且つねじピッチが異なる
二つのねじ部6,7を設ける。一方のねじ部6をケース
3に螺合させると共に他方のねじ部7を弁押圧体4に螺
合させる。弁押圧体4の移動量はケース3に対する調節
ねじ体5の移動量と調節ねじ体5に対する弁押圧体4の
移動量の差になり、ねじ部6,7のねじピッチの差を小
さくすることによって、調節ねじ体5を回す角度に対す
る弁押圧体4の移動量を小さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血圧測定時に一定の速
度で減圧させるために血圧計に用いられる定速排気弁装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オシロメトリック血圧計は、上腕に巻い
たカフをエアポンプで所定圧力に加圧し、動脈を圧迫し
て血流を一旦阻血した後、カフ内の圧力を定速排気弁装
置によって徐々に降下させ、動脈拍動に伴うカフ内圧及
び振動振幅のパターンをマイクロコンピュータで処理
し、最高血圧及び最低血圧を測定するように形成されて
いる。この血圧計に用いられる定速排気弁装置の特性
は、カフ内圧力を3〜4mmHg/sec程度の一定の
速度で時間と共に直線的に降下させるものが好ましい。
【0003】このような定速排気弁装置として、実公昭
63−14809号公報において提供されているものが
ある。実公昭63−14809号公報で提供される定速
排気弁装置は図5に示すように、ケース3内に長手方向
に沿ってスリット2を設けた弾性材料からなる有底筒状
あるいはカップ状の排気弁体1を取り付けると共に、こ
の排気弁体1の開口側の端面に先端を当接させた調節ね
じ体5をケース3内に螺合させることによって形成され
ているものであり、調節ねじ体5を回すことによって排
気弁体1側に螺進させて、調節ねじ体5で排気弁体1を
押圧して変形させることで図6(a)のようにスリット
2が閉じた状態から図6(b)のようにスリット2を開
口させるようにし、このスリット2の開口を通してカフ
内の空気を排気することができるようにしてある。そし
てこのものでは調節ねじ体5を回す量を調節して排気弁
体1を押圧する力を調節することによって図6(c)の
ようにスリット3の開口量を調節し、排気速度を調節し
てカフ内圧力を所定の降下速度に調節することができ
る。
【0004】このように調節ねじ体5を回して締めたり
緩めたりすることによって調節ねじ体5の先端が排気弁
体1を押圧する力を変え、スリット2の開口量を増減さ
せることによってP−Q特性を調節することができるも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし図5の定速排気
弁装置では調節ねじ体5を回した際に調節ねじ体5が螺
進あるいは螺退する変位の変化量がそのまま排気弁体1
に加わる力の変化となる。従って、調節ねじ体5をわず
かに回しただけでも排気弁体1に加わる力が大きく変化
してスリット2の開口量が大きく変化してしまうことに
なり、調節ねじ体5を回す角度範囲が狭くなって調節作
業が難しいという問題があった。
【0006】このために、排気弁体1を大きく変形させ
ることによってスリット2の所定の開口量が得られるよ
うに形成したものがあるが、この場合には逆に調節ねじ
体5を何回も回転させないとスリット2の開口量を調節
することができなくなるために、調節に時間を要すると
いう問題があった。また、カフ内圧力の降下速度を速く
するために、調節ねじ体5を締めて排気弁体1のスリッ
ト2の開口量を大きくする場合には、排気弁体1は調節
ねじ体5から押圧力を受けるために強制的に変形させら
れることになって所定の開口量に調節することができる
が、逆にカフ内圧力の降下速度を遅くするために、調節
ねじ体5を緩める場合には、調節ねじ体5は排気弁体1
から離れるだけで排気弁体1を変形させる力を与えない
ので、排気弁体1の変形はそれ自身の弾性力のみでおこ
なわれることになる。従って排気弁体1の弾性力が弱く
なっていると、排気弁体1の変形が不十分になってスリ
ット2の開口量を所定量に調節することができなかった
り、開口量が調節の度に変化したり、調節した後開口量
が変化したりして、排気速度の調節の精度が悪くなると
いう問題があった。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、所定の排気速度への調節を容易におこうなうこと
ができる血圧計の定速排気弁装置を提供することを第一
の目的とし、所定の排気速度への調節を迅速におこなう
ことができる血圧計の定速排気弁装置を提供することを
第二の目的とし、所定の排気速度への調節を精度良くお
こなうことができる血圧計の定速排気弁装置を提供する
ことを第三の目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、排気弁体1を
押圧することにより排気弁体1に設けたスリット2の開
口量を調節して排気速度を調節できるようにした血圧計
の定速排気弁装置において、ケース3内に排気弁体1及
び排気弁体1を押圧するための弁押圧体4を配設すると
共に弁押圧体4を押し引き操作するための調節ねじ体5
をケース3に設け、調節ねじ体5に同じ回転方向で且つ
ねじピッチが異なる二つのねじ部6,7を設け、一方の
ねじ部6をケース3に螺合させると共に他方のねじ部7
を弁押圧体4に螺合させて成ることを特徴とするもので
ある。
【0009】また本発明は、かかる血圧計の定速排気弁
装置において、調節ねじ体5に逆の回転方向で二つのね
じ部6,7を設け、一方のねじ部6をケース3に螺合さ
せると共に他方のねじ部7を弁押圧体4に螺合させるよ
うにしてもよい。さらに本発明は、かかる血圧計の定速
排気弁装置において、弁押圧体4と排気弁体1の一方の
作用端1aを結合させると共にケース3と排気弁体4の
他方の作用端1bを結合させて成ることを特徴とするも
のである。
【0010】
【作用】調節ねじ体5を回して螺進あるいは螺退させて
弁押圧体4を押し引き操作し、弁押圧体4による排気弁
体1への押圧力を調節するにあたって、調節ねじ体5に
同じ回転方向で且つねじピッチが異なる二つのねじ部
6,7を設け、一方のねじ部6をケース3に螺合させる
と共に他方のねじ部7を弁押圧体4に螺合させるように
することによって、弁押圧体4の移動量はケース3に対
する調節ねじ体5の移動量と調節ねじ体5に対する弁押
圧体4の移動量の差になり、調節ねじ体5に設けた二つ
のねじ部6,7のねじピッチの差を小さくすることによ
って、調節ねじ体5を回す角度に対する弁押圧体4の移
動量を小さくすることができる。
【0011】また逆に、調節ねじ体5に逆の回転方向で
二つのねじ部6,7を設け、一方のねじ部6をケース3
に螺合させると共に他方のねじ部7を弁押圧体4に螺合
させるようにすれば、弁押圧体4の移動量はケース3に
対する調節ねじ体5の移動量と調節ねじ体5に対する弁
押圧体4の移動量の和になり、調節ねじ体5を回す角度
に対する弁押圧体4の移動量を大きくすることができ
る。
【0012】さらに、弁押圧体4と排気弁体1の一方の
作用端1aを結合させると共にケース3と排気弁体4の
他方の作用端1bを結合させるようにすれば、弁押圧体
4とケース3とに作用端1a,1bが結合された排気弁
体1は弁押圧体4を排気弁体1と反対方向に移動させる
際に弁押圧体4とケース3との間で引っ張られることに
なり、スリット2を閉じるように排気弁体4を強制的に
変形させることができる。
【0013】
【実施例】以下本発明を実施例によって詳述する。図1
は本発明の一実施例を示すものである。ケース3は有底
円筒状に形成されるものであり、底部の側部寄り位置に
は血圧計のカフからの空気をケース3内に導入する配管
11を接続するための導入口12が設けてある。このケ
ース3の底面の中央には貫通孔13が設けてあり、貫通
孔13は周囲に4個の放射の凹部13aを設けて略十字
型に形成してある。またケース3の上端部の開口縁の内
面には雌ねじ部14が形成してある。
【0014】弁押圧体4は円柱状に形成されるものであ
って、下部の外周の溝部15にはOリング16が取着し
てあり、下面の中央に円柱状の弁保持片17を突出する
と共に弁保持片17の下面にはさらに弁保持片17より
径の小さい通気用片18が突出してある。弁保持片17
の外径は排気弁体1の上端部の内径とほぼ等しい寸法に
形成してあり、通気用片18の下端の外周には180°
の角度で背向するように一対の係合片19が突設してあ
る。また弁押圧体4の外周には雄ねじ部20が設けてあ
る。
【0015】排気弁体1はゴム等の弾性体によって両端
が開口した略円形パイプ状に形成してあり、その壁面の
中央部には長手方向(両端開口方向)に沿って切り込ん
でスリット2が形成してある。この排気弁体1は一端部
を弁押圧体4の弁保持片17に嵌合して弁押圧体4に取
着するようにしてあり、弁押圧体4をケース3内に取着
することによってケース3内に取り付けられるようにし
てある。弁押圧体4はケース3内に上端の開口から差し
込んで取着されるものであり、このとき、弁押圧体4の
通気用片18の下端部は貫通孔13に差し込まれるよう
にしてあり、通気用片18の下端に設けた一対の係合片
19が貫通孔13の4個の凹部13aのうち2個の凹部
13aに係合されるようにしてある。残りの2個の凹部
13aは排気口23として開口している。
【0016】調節ねじ体5は下面が開口する略カップ形
状に形成してあって、その外周には雄ねじとしてねじ部
6が、またその内周には雌ねじとしてねじ部7がそれぞ
れ設けてあり、調節ねじ体5の上面には調節ねじ体5を
回すための治具を差し込む操作溝25が設けてある。こ
の調節ねじ体5は、外周のねじ部6をケース3の雌ねじ
部14に螺合すると共に内周のねじ部7を弁押圧体4の
雄ねじ部20に螺合した状態で、ケース3に取り付けて
ある。ここで、調節ねじ体5に設けた二つのねじ部6,
7はそれぞれ同じ回転方向で且つ異なるねじピッチで形
成してある。例えばねじ部6をピッチP1 の右ねじで形
成し、ねじ部7をピッチP2 の右ねじで形成するもので
あり、この場合、ケース3の雌ねじ部14はピッチP1
の右ねじで、弁押圧体4の雄ねじ部20はピッチP2
右ねじでそれぞれ形成されることになる。
【0017】上記のようにして形成される定速排気弁装
置にあって、調節ねじ体5を回して弁押圧体4を排気弁
体1側へ移動させると、排気弁体1のその両端の作用端
1a,1bが弁押圧体4とケース1の内底面との間で圧
縮力を受け、図1(a)にみられるように排気弁体1は
長さ方向の中央部がビール樽のように膨らむ変形を受
け、この変形に伴ってスリット2を開口させることがで
きるものであり、この開口量は弁押圧体4の移動量に応
じた排気弁体1の変形量で調節することができる。
【0018】そしてこのように調節ねじ体5を回すにあ
たって、調節ねじ体5を例えば右に回すと、ねじ部6と
ケース3の雌ねじ部14との螺合によって調節ねじ体5
はピッチP1 で下方(排気弁体1側)に螺進する。また
弁押圧体4は貫通孔13の凹部13aへの係合片19の
係合によって回り止めがなされているために、調節ねじ
体5を回すことによって弁押圧体4の雄ねじ部20はね
じ部7に螺合されることになり、調節ねじ体5はピッチ
2 で上方(排気弁体1と反対側)に螺進することにな
る。従って調節ねじ体5を右に回すと弁押圧体4は(P
1 −P2 )のピッチで移動することになり、P1 >P2
とし且つP1 とP2 の差を小さくすることによって、調
節ねじ体5を回す角度に対する弁押圧体4の移動量を小
さくすることができ、調節ねじ体5の広い回動角度でス
リット2の開口量が少しづつ変化するように弁押圧体4
の移動量を調節することができることになり、所定の排
気速度への調節が容易になるものである。
【0019】尚、調節ねじ体5のねじ部6のピッチP1
とねじ部7のピッチP2 を、P1 <P2 に設定すると、
調節ねじ体5を上方(排気弁体1と反対側)に螺進する
ように回すことによって弁押圧体4を下方(排気弁体1
側)に螺進させるようにすることができる。従ってこの
場合には、定速排気弁装置を組み立てるにあたって、調
節ねじ体5のねじ部7内に弁押圧体4の雄ねじ部20を
完全に螺合させた状態でケース3に挿入して調節ねじ体
5のねじ部6をケース3の雌ねじ部14に螺合させてい
き、弁押圧体4の係合片19が貫通孔13の凹部13a
に係合された時点で雄ねじ部14に対するねじ部6の螺
合を緩める逆向きに調節ねじ体5を回すと、貫通孔13
の凹部13に係合片19が係合されて回り止めされてい
る弁押圧体4は排気弁体1側に螺進されてケース3内に
セットされることになり、定速排気弁装置の組み立て作
業が容易になるものである。
【0020】上記実施例では調節ねじ体5に設けた二つ
のねじ部6,7を同じ回転方向のものとして形成するよ
うにしたが、調節ねじ体5に設けた二つのねじ部6,7
を逆の回転方向に形成することもできる。例えばねじ部
6をピッチP1 の右ねじで形成し、ねじ部7をピッチP
2 の左ねじで形成するものである。この場合、ケース3
の雌ねじ部14はピッチP1 の右ねじで、弁押圧体4の
雄ねじ部20はピッチP2 の左ねじでそれぞれ形成され
ることになる。このものでは、調節ねじ体5を例えば右
に回すと、ねじ部6とケース3の雌ねじ部14との螺合
によって調節ねじ体5はピッチP1 で下方(排気弁体1
側)に螺進し、また調節ねじ体5はピッチP2 で同様に
下方(排気弁体1側)に螺進することになる。このよう
に調節ねじ体5を回すと調節ねじ体5と弁押圧体4は同
じ方向に螺進するものであり、弁押圧体4はP1 +P2
のピッチで移動することになる。従って弁押圧体4の移
動量はケース3に対する調節ねじ体5の移動量と調節ね
じ体5に対する弁押圧体4の移動量の和になり、調節ね
じ体5を回す角度に対する弁押圧体4の移動量を大きく
することができ、調節ねじ体5を少し回すだけで弁押圧
体4の移動量を大きく調節することができるものであ
り、所定の排気速度への調節を迅速におこなうことがで
きるものである。
【0021】また、排気弁体1をケース3内に挿着する
にあたって、排気弁体1の一方の端部である作用端1a
を弁押圧体4の弁保持片17と接着したり、あるいは弁
保持片17に凸部を排気弁体1に凹部を設けて機械的に
凹凸嵌合させたりして、弁押圧体4に排気片体1の作用
端1aを固着させて結合すると共に、排気弁体1の他方
の端部である作用端1bをケース3の内底面と同様に接
着したり機械的に結合させたりして、ケース3に排気片
体1の作用端1bを固着させて結合するようにすること
ができる。この場合には、弁押圧体4を排気弁体1側へ
移動させて排気弁体1を圧縮させると、排気弁体1の弁
押圧体4に固着された上端も下方へ移動して排気弁体1
を所定の量で変形させてスリット2の所定量に開口させ
ることができると共に、弁押圧体4を排気弁体1と反対
側へ移動させると、排気弁体1の弁押圧体4に固着され
た上端も上方へ引っ張られて移動し、スリット2を閉じ
るように排気弁体4を強制的に変形させることができ
る。従って、排気弁体1の弾性力が不十分であっても弁
押圧体4の移動量に応じた変形量に排気弁体1を変形さ
せることができ、弁押圧体4の移動量とスリット2の開
口量とを一致させて所定の排気速度への調節を精度良く
おこなうことができるものである。
【0022】図2乃至図4は本発明の変形例を示すもの
である。図1の実施例とはケース3と弁押圧体4と調節
ねじ体5のねじ部の構成が相違するのみであり、他の構
成は図1の実施例と同じである。図2の実施例では、調
節ねじ体5を有底の二重円筒形状に形成してあり、外筒
26の内周に雌ねじとしてねじ部6が、内筒27の内周
に雌ねじとしてねじ部7がそれぞれ設けてある。そして
ケース3の外周に設けた雄ねじ部28にねじ部6を螺合
させると共に調節ねじ体5に設けた雄ねじ部20にねじ
部7を螺合させるようにしてある。
【0023】図3の実施例では、調節ねじ体5を二段円
柱形状に形成してあり、径の大きい上部円柱部30にね
じ部6が、径の小さい下部円柱31にねじ部7がそれぞ
れ雄ねじとして設けてある。そしてケース3の内周に設
けた雌ねじ部14にねじ部6を螺合させると共に、弁押
圧体4の上部の有底円筒部32の内周に設けた雌ねじ部
33にねじ部7を螺合させるようにしてある。
【0024】図4の実施例では、調節ねじ体5を芯部3
4を設けた有底円筒形状に形成してあり、外周円筒35
の内周に雌ねじとしてねじ部6が、芯部34の外周に雄
ねじとしてねじ部7がそれぞれ設けてある。そしてケー
ス3の外周に設けた雄ねじ部28にねじ部6を螺合させ
ると共に、弁押圧体4の上部の有底円筒部32の内周に
設けた雌ねじ部33にねじ部7を螺合させるようにして
ある。
【0025】次に、本発明に係る定速排気弁装置の動作
について説明する。まずエアポンプ(図示省略)によっ
てカフを所定圧力まで加圧させた後にエアポンプを停止
させると、カフ内の高圧の空気は配管11を通ってケー
ス3の導入口12に導かれ、排気弁体4の外周とケース
3の内周との間に形成される空気室37内に流入する。
空気室37の上面は弁押圧体4に設けられたOリング1
6によって気密性が保持されており、排気弁体1の上下
両端と空気室37との気密性も弁押圧体4による排気弁
体1が弁押圧体4とケース3に押圧されていることによ
って保持されている。従って、空気室37に至った高圧
空気はスリット2の開口のみを通って排気弁体1の内側
に至り、排気口23から排気されるが、排気弁体1の内
側は排気口23によって外部と連通しているために圧力
は大気圧と等しくなっている。このために高圧空気が流
入する空気室37と排気弁体1の内側との間には圧力差
が生じるが、この圧力差はスリット2の開口を閉じる方
向の力として働き、空気室37に至る空気の圧力が高い
ときにはスリット2の開口は小さくなって開口を通過で
きる空気流が減少するというように定速排気特性を得る
ことができるものである。
【0026】
【発明の効果】上記のように本発明は、ケース内に排気
弁体及び排気弁体を押圧するための弁押圧体を配設する
と共に弁押圧体を押し引き操作するための調節ねじ体を
ケースに設け、調節ねじ体に同じ回転方向で且つねじピ
ッチが異なる二つのねじ部を設け、一方のねじ部をケー
スに螺合させると共に他方のねじ部を弁押圧体に螺合さ
せるようにしたので、調節ねじ体を回して螺進・螺退さ
せて弁押圧体を押し引き操作し、弁押圧体による排気弁
体への押圧力を調節するにあたって、弁押圧体の移動量
はケースに対する調節ねじ体の移動量と調節ねじ体に対
する弁押圧体の移動量の差になり、調節ねじ体に設けた
二つのねじ部のねじピッチの差を小さくすることによっ
て、調節ねじ体を回す角度に対する弁押圧体の移動量を
小さくすることができるものであり、スリットの開口量
が少しづつ変化するように弁押圧体の移動量を調節する
ことが容易になって、所定の排気速度への調節を容易に
おこうなうことができるものである。
【0027】また、調節ねじ体に逆の回転方向で二つの
ねじ部を設け、一方のねじ部をケースに螺合させると共
に他方のねじ部を弁押圧体に螺合させるようにすること
によって、弁押圧体の移動量はケースに対する調節ねじ
体の移動量と調節ねじ体に対する弁押圧体の移動量の和
になり、調節ねじ体を回す角度に対する弁押圧体の移動
量を大きくすることができるものであり、所定の排気速
度への調節を迅速におこなうことができるものである。
【0028】さらに、弁押圧体と排気弁体の一方の作用
端を結合させると共にケースと排気弁体の他方の作用端
を結合させることによって、弁押圧体とケースとに作用
端が結合された排気弁体は弁押圧体を排気弁体と反対方
向に移動させる際に弁押圧体とケースとの間で引っ張ら
れることになり、スリットを閉じるように排気弁体を強
制的に変形させることができ、所定の排気速度への調節
を精度良くおこなうことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであり、(a)は
断面図、(b)は底面図である。
【図2】本発明の他の実施例の断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施例の断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施例の断面図である。
【図5】従来例の断面図である。
【図6】排気弁の動作を示すものであり、(a),
(b),(c)はそれぞれ正面図である。
【符号の説明】
1 排気弁体 2 スリット 3 ケース 4 弁押圧体 5 調節ねじ体 6 ねじ部 7 ねじ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気弁体を押圧することにより排気弁体
    に設けたスリットの開口量を調節して排気速度を調節で
    きるようにした血圧計の定速排気弁装置において、ケー
    ス内に排気弁体及び排気弁体を押圧するための弁押圧体
    を配設すると共に弁押圧体を押し引き操作するための調
    節ねじ体をケースに設け、調節ねじ体に同じ回転方向で
    且つねじピッチが異なる二つのねじ部を設け、一方のね
    じ部をケースに螺合させると共に他方のねじ部を弁押圧
    体に螺合させて成ることを特徴とする血圧計の定速排気
    弁装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の血圧計の定速排気弁装置にお
    いて、調節ねじ体に逆の回転方向で二つのねじ部を設
    け、一方のねじ部をケースに螺合させると共に他方のね
    じ部を弁押圧体に螺合させて成ることを特徴とする血圧
    計の定速排気弁装置。
  3. 【請求項3】 弁押圧体と排気弁体の一方の作用端を結
    合させると共にケースと排気弁体の他方の作用端を結合
    させて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の血
    圧計の定速排気弁装置。
JP4103375A 1992-03-26 1992-04-23 血圧計の定速排気弁装置 Expired - Lifetime JP3024858B2 (ja)

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