JP2815947B2 - 血圧計の定速排気弁 - Google Patents

血圧計の定速排気弁

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JP2815947B2
JP2815947B2 JP1335463A JP33546389A JP2815947B2 JP 2815947 B2 JP2815947 B2 JP 2815947B2 JP 1335463 A JP1335463 A JP 1335463A JP 33546389 A JP33546389 A JP 33546389A JP 2815947 B2 JP2815947 B2 JP 2815947B2
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博信 坂上
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、血圧計の定速排気弁に関するものである。
[従来の技術] 血圧計は第1図の斜視図に示すようなもので、第2図
の機能ブロック図に示すようにポンプ15、カフ16、定速
排気弁6、急速排気弁(電磁弁)17、回路部18、表示部
19により構成してあり、血圧を測定するために止血の目
的でポンプ15によりカフ16が加圧されるようになってい
る。第3図には血圧計の定速排気弁6の特性が示してあ
る。すなわち、まず、第3図のグラフの右上がりの線に
示されるようにポンプ15によりカフ16を加圧する。この
加圧上昇値は、被測定者の最高血圧値(及び最低血圧
値)によりマイコンにて自動的に設定されるが、例えば
150〜240mmHg程度である。ポンプ15によりカフ16が加圧
された後、血圧計を測定するためにその加圧空気を定速
で排気するようになっている。第3図のグラフにおいて
右下がりの線によりその特性を示している。この場合の
降圧速度としては3〜8mmHg/secが望ましい。このよう
にカフ16内空気を徐々に排気することにより最高血圧値
及び最低血圧値を測定するものであり、その後は、急速
排気弁によりカフ16内空気を急速排気するものである。
そして、上記のような血圧計において従来の定速排気
弁6は第7図に示すような構造となっていた。すなわ
ち、オリフィス弁と一般に呼ばれている弁は金属の塊に
小さな孔があいていることによりカフ内の加圧空気を徐
々に排気することができる。しかしながら、オリフィス
弁では加圧−時間特性が第6図に示す特性となり、高圧
側では排気速度が速く、低圧側では遅くなる欠点があ
る。そこで、第7図に示す従来例ではゴムスリーブ(弾
性体)2に設けたスリット1をゴム押え4を介して調整
ねじ5を締め込むことによりスリット1を開かせて第3
図に示すような定速排気特性を得ている。ここで、第7
図に示す構成のものにおいて、第3図のような定排気特
性が得られる理由につき第8図に基づいて説明する。例
えば、中圧(100〜200mmHg)にて目標の流量(定排速
度)が得られるようにスリット1の開口量を調整ねじ5
の締め込み量により調整する。第8図(a)は低圧時の
スリット1の開き状態を示し、第8図(b)は中圧時の
スリット1の開き状態を示し、第8図(c)は高圧時の
スリット1の開き状態を示している。このように、高圧
になった時は、カフ内の加圧空気によりゴムスリーブ2
が中圧に比べて大きな力で押圧されるため、スリット1
の開口量が小さくなる。その結果、第6図に示すオリフ
ィス弁(孔が開いているだけの弁)の高圧側で速く漏れ
るという欠点が改善される。逆に低圧になった時は、ゴ
ムスリーブ2が中圧に比して小さな力で押圧されるた
め、スリット1の開口量が大きくなる。その結果、第6
図に示すオリフィス弁の低圧側では排気速度が遅いとい
う欠点が改善される。これらの結果、第3図に示すよう
な定速排気特性が得られる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、血圧を測定しようとする時、周囲温度が低
い(10〜15℃)と血管の収縮等により脈波が小さくなる
ため、血圧測定が難しくなる。すなわち、脈波の大小あ
るいは脈波の変化により最高血圧値及び最低血圧値を判
断しているからである。これを改善するため定速排気速
度を低温では室温に比して遅くする必要があり、逆に高
温時には定速排気速度を速くする必要があるが、従来に
あっては、第9図に示すように定速排気弁6の温度特性
は周囲温度(室温)が変化しても一定であり、このた
め、従来にあっては温度変化に応じた正確な血圧測定が
難しくなるという問題があった。
本発明は上記した従来例の問題点に鑑みて発明したも
のであって、その目的とするところは、周囲温度の温度
変化に応じた正確な血圧測定ができる血圧計の定速排気
弁を提供するにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の血圧計の定速排気弁は、スリット1が設けら
れたゴムスリーブ2の鍔部3をゴム押え4を介して調整
ねじ5を締め込むことによりスリット1の開口量を調整
するようにした定速排気弁6において、ゴムスリーブ2
の鍔部3部分にかかる圧力による歪が温度変化に対応し
て変化するようにするための歪み変化手段を設けたもの
であって、ゴム押えの材質をゴムスリーブ、排気管、調
整ねじよりも線膨張係数を大にして歪み変化手段を構成
して成ることを特徴とするものであって、このような構
成を採用することで上記した従来例の問題点を解決して
本発明の目的を達成したものである。
[作用] しかして、ゴムスリーブ2の鍔部3部分にかかる圧力
による歪が温度変化に対応して変化するようにするため
の歪み変化手段を設けてあることで、温度が変化すると
ゴムスリーブ2の鍔部3部分にかかる圧力による歪みが
変化し、定速排気速度を低温(5〜15℃)では室温に比
して遅くし、逆に高温(30〜40℃)時には定速排気速度
を速くすることができるようになった。
[実施例] 以下本発明を添付図面に示す実施例に基づいて詳述す
る。
定速排気弁6は排気管8の内部にスリット1が設けら
れたゴムスリーブ2が内装され、ゴムスリーブ2の鍔部
3の外周部分を排気管8の段部9に当接し、この排気管
8にゴム押え4を介して調整ねじ5を螺合し、調整ねじ
5を締め付けることでゴム押え4を介して鍔部3の内周
部分を押圧させて構成してあり、調整ねじ5による鍔部
3の内周部分の押圧状態を変化させることでスリット1
の開口量を調整するようになっている。そして、本発明
にあっては、ゴムスリーブ2の鍔部3部分にかかる圧力
による歪が温度変化に対応して変化するようにするため
の歪み変化手段を設けてある。この歪み変化手段を設け
ることで、本発明の定速排気弁6の温度特性は第5図に
示すように周囲温度が高くなると定速排気速度は速くな
るようになっている。第4図において矢印イ側がポン
プ、カフ側であり、矢印ロ側が大気側である。
ここで、ゴム押え4の材質をゴムスリーブ2、排気管
8、調整ねじ5よりも線膨張係数を大としてあって、歪
み変化手段を構成してある。このことにより周囲温度が
高い時は低い時に比べて鍔部3部分がより圧縮されてス
リット1の開口量が大きくなるようになっている(逆に
低温の時はスリット1の開口量が小さくなる)。この第
4図において、各部品の材質としては例えば下記の表1
のような線膨張係数をもつ材料の組み合わせのものを実
施する。
ところで、従来例においても説明したようにこの定速
排気弁の構造は調整ねじ5を締め込むことでゴムスリー
ブ2の鍔部3の内周部分を押してスリット1をある量
(定速排気速度を合わせて)に合わせている。したがっ
て、調整ねじ5を締め込む程、すなわちゴムスリーブ2
の鍔部3を押さえる程、定排速度は速くなり、下記の表
2のようになる。
このことにより定速排気弁6の温度特性が第5図に示
すようになる。
[発明の効果] 本発明にあっては、叙述のようにゴムスリーブの鍔部
部分にかかる圧力による歪が温度変化に対応して変化す
るようにするための歪み変化手段を設けたものであっ
て、ゴム押えの材質をゴムスリーブ、排気管、調整ねじ
よりも線膨張係数を大にして歪み変化手段を構成したの
で、低温では遅く、高温では速い定速排気弁を提供する
ことができるものであり、特に、上記のようにゴム押え
の材質をゴムスリーブ、排気管、調整ねじよりも線膨張
係数を大にするだけで簡単に歪み変化手段を構成でき
て、歪み変化手段を構成するにあたって、定速排気弁を
構成するための必須な部材であるゴム押え、ゴムスリー
ブ、排気管、調整ねじ以外の特別な部品を必要とせず、
部材点数が少なくてすみ、また、歪み変化手段を設ける
にもかかわらず定速排気弁が大型化しないものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は血圧計の全体斜視図、第2図は血圧計の機能ブ
ロック図、第3図は血圧計用定速排気弁の特性を示すグ
ラフ、第4図は本発明の一実施例の断面図、第5図は本
発明の定速排気速度と周囲温度との関係を示すグラフ、
第6図は従来例を説明するためのオリフィス弁の圧力−
時間特性を示すグラフ、第7図は従来例の断面図、第8
図(a)(b)(c)は同上の低圧時、中圧時、高圧時
におけるスリットの開口量の変化を示す説明図、第9図
は従来例における定速排気速度と周囲温度との関係を示
すグラフであって、1はスリット、2はゴムスリーブ、
3は鍔部、4はゴム押え、5は調整ねじ、6は定速排気
弁である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61B 5/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スリットが設けられたゴムスリーブの鍔部
    をゴム押えを介して調整ねじを締め込むことによりスリ
    ットの開口量を調整するように定速排気弁において、ゴ
    ムスリーブの鍔部部分にかかる圧力による歪が温度変化
    に対応して変化するようにするための歪み変化手段を設
    けたものであって、ゴム押えの材質をゴムスリーブ、排
    気管、調整ねじよりも線膨張係数を大にして歪み変化手
    段を構成して成ることを特徴とする血圧計の定速排気
    弁。
JP1335463A 1989-12-25 1989-12-25 血圧計の定速排気弁 Expired - Lifetime JP2815947B2 (ja)

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JPH03193031A JPH03193031A (ja) 1991-08-22
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