JPH0328214B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は動脈阻血により発生するコロトコフ音
により非観血的に血圧を測定する血圧計に用いら
れる血圧測定用阻血装置に関するものである。

［背景技術］ 血圧測定のために動脈の阻血を行なうのに、従
来においては第７図及び第８図に示すように上腕
に巻かれる腕帯１１に空気袋としての阻血カフ１
２を内蔵させたカフ帯１０を用いていたものであ
り、そしてこのカフ帯１０においてはコロトコフ
音センサー１３が上腕動脈の近くに位置するよう
に腕帯１１を上腕に巻き付け、阻血カフ１２にポ
ンプからゴムホース１４を通じて空気を送つてこ
れを膨張させることにより、上腕全体を締め付け
て上腕動脈９の阻血を行なつていた。

ところがこのような上腕全体を加圧して動脈を
阻血するものにおいては、阻血カフに大きなもの
を用いなくてはならず、カフ帯がかさばるものと
なつていると同時に、血圧測定のための操作が繁
雑となつているものであり、また阻血カフが一様
に膨張しないことには正確な血圧測定を行なえな
いのであるが、ゴムホースを通じて送られてくる
空気により阻血カフが一様に膨張するようにする
ことは難しい。

［発明の目的］ 本発明はこのような点に鑑み為されたものであ
り、その目的とするところは、コンクトであつて
血圧の被測定部位を全体的に加圧しなくとも確実
な動脈の阻血を行なえ、また血圧測定を正確に行
え、また、組み立てが簡単にでき、更に、基板と
阻血カフが形成する空間の密閉度を高くすること
ができるとともに空間の圧力が高くなつた時に阻
血カフの開口部が緩まないようにできる血圧測定
用阻血装置を提供するにある。

［発明の開示］ しかして本発明に係る血圧測定用阻血装置は、
基板と、基板の前面側に背部の開口部周縁が取り
付けられる略ドーム状をした内部圧力の上昇で膨
張する阻血カフと、基板の前面側に略ドーム状の
阻血カフの開口部周縁を介して固着具により固着
され且つ阻血カフの側周部を囲んで阻血カフの側
方への膨張を規制するための略リング状をした外
形状規制手段とから成り、阻血カフの開口部周縁
には肉厚部が設けられ、この阻血カフ周縁の肉厚
部が基板と外形規制手段との間で挟持されたもの
であることを特徴とするものであり、阻血カフの
膨張方向を外形状規制手段で規制することによつ
て、阻血カフによるところの動脈の阻血を的確に
行なえるようにしたものであり、またこのような
阻血カフの膨張方向の規制を行なうことで、被測
定部位のみを加圧すれば、動脈の阻血を行なえる
ようにしたものである。この場合、第１図及び第
２図に示すように、阻血カフ１と外形状規制手段
２及びこれらを一面に設けた器体３を、手首８に
巻くベルト５が取り付けられたものとして構成す
ることができ、従来のカフ帯においては阻血を行
なうことができなかつた手首における動脈９で
も、この動脈９の方向に向けてのみ阻血カフ１が
膨張することになるために、的確に阻血すること
ができるものである。

また、阻血カフ１の周縁には厚肉部１６が設け
られ、この阻血カフ１周縁の厚肉部１６が基板５
と外形状規制手段２との間で挟持されるので、基
板５との間に阻血カフ１が形成する空間の密閉度
が高く、またこの空間の圧力が高くなつた時に、
阻血カフ１の周縁の固定が緩んでしまうようなこ
とがないようになつている。

以下本発明を図示の実施例に基づいて詳述する
と、第３図に示すように、器体３はカバー４と基
板５とで構成されており、阻血カフ１は基板５の
一面に配されるドーム状弾性材によつて形成さ
れ、外形状規制手段２は阻血カフ１の外周を囲む
ボス７によつて形成されている。ボス７は第４図
に示すように、円形リング状、動脈９や被測定部
位の形状に合わせた楕円形のような非円形リング
状、あるいはリングの一部を切り欠いた形状をし
ているものであつて、基板５の一面にビスのよう
な固定具１５によつて固着されており、阻血カフ
１はその外周縁が基板５とボス７との間で挟持さ
れることで、固定されているものである。特に阻
血カフ１の外周縁には、基板５及びボス７の接合
面に形成されている溝１７，１８に嵌まる厚肉部
１６が設けられていることから、基板５との間に
阻血カフ１が形成する空間の密閉度が高く、また
この空間の圧力が高くなつた時に阻血カフ１の周
縁の固定が緩んでしまうことが防がれているもの
である。

阻血カフ１への送気は、基板５に設けられてい
る貫通孔１８を通じてなされる。基板５とカバー
４とで構成される器体３の内部は、接続口１９に
ゴムホース２０を介して接続されるポンプ２１か
らの空気のアキユムレータとして作用する密閉さ
れたものであつても、また貫通孔１８と接続口１
９とが器体３内で別途管により接続され、そして
第５図及び第６図に示すように、コロトコフ音セ
ンサー２２のみならず、圧力センサー２３、制御
回路２４、血圧値表示器２５等が組み込まれたも
のであつてもよい。

しかして、この阻血装置においては、阻血カフ
１に空気を送つておらない状態では、阻血カフ１
がボス７の開口面よりボス７の内部にあり、阻血
カフ１に空気を送り込むと、阻血カフ１が膨張す
るのであるが、この時、阻血カフ１の周囲を外形
状規制手段であるところのボス７が取り囲んでい
るために、阻血カフ１の膨張はボス７の開口方向
に向かつてのみなされるものであり、従つて、手
首の動脈９が直下に位置している部分の皮膚にボ
ス７を押し当てた状態で阻血カフ１を膨張させた
ならば、ボス７が阻血装置の皮膚への接触状態を
安定させることもあつて、阻血カフ１は確実に動
脈９を圧迫して阻血を行なうものである。

［発明の効果］ 以上のように本発明においては、基板と、基板
の前面側に背部の開口部周縁が取り付けられる略
ドーム状をした内部圧力の上昇で膨張する阻血カ
フと、基板の前面側に略ドーム状の阻血カフの開
口部周縁を介して固着具により固着され且つ阻血
カフの側周部を囲んで阻血カフの側方への膨張を
規制するための略リング状をした外形状規制手段
とから成り、阻血カフの開口部周縁には肉厚部が
設けられ、この阻血カフ周縁の肉厚部が基板と外
形規制手段との間で挟持されたものであるから、
被測定部位を全体的に加圧するという手法をとら
ずとも、被測定部位のポイントのみに阻血カフの
膨張によるところの圧力を加えることができるも
のであり、このためにコンパクトに構成すること
ができることはもちろん、手首の橈骨動脈、浅側
頭動脈、頚動脈等の皮膚面から比較的浅いところ
に位置している動脈であれば、どのような部位に
おいても動脈の阻血を行なえるものであつて、血
圧測定の摘要範囲が広く、更に、阻血カフ自体の
大きさが小さくて、膨張面における膨張が一様で
あること、外形状規制手段は、阻血カフを被測定
部位に当てる際の安定化を図り得る部材となるこ
となどから、正確な血圧測定ができ、また基板と
略リング状をした外形状規制手段との挟持により
略ドーム状をした阻血カフの開口部の周縁を固着
するので、組み立てが簡単にでき、更に、このよ
うに挟持により阻血カフの開口部周縁を固着する
に当たり、開口部周縁を肉厚にしてあるので、基
板と阻血カフが形成する空間の密閉度を高くする
ことができるとともに空間の圧力が高くなつた時
に阻血カフの開口部が緩まないようにできるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る阻血装置の断面図、第２
図は同上の斜視図、第３図は本発明一実施例を示
す断面図、第４図ａ，ｂ，ｃはいずれも外形状規
制手段としてのボスの形状例を示す断面図、第５
図は他の実施例の斜視図、第６図は同上のブロツ
ク構成図、第７図は従来例の斜視図、第８図は同
上の横断面図であつて、１は阻血カフ、２は外形
状規制手段、５は基板、７は外形状規制手段とし
てのボス、１６は厚肉部を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基板と、基板の前面側に背部の開口部周縁が
   取り付けられる略ドーム状をした内部圧力の上昇
   で膨張する阻血カフと、基板の前面側に略ドーム
   状の阻血カフの開口部周縁を介して固着具により
   固着され且つ阻血カフの側周部を囲んで阻血カフ
   の側方への膨張を規制するための略リング状をし
   た外形状規制手段とから成り、阻血カフの開口部
   周縁には肉厚部が設けられ、この阻血カフ周縁の
   肉厚部が基板と外形規制手段との間で挟持された
   ものであることを特徴とする血圧測定用阻血装
   置。 ２ 阻血カフの膨張面が、略リング状をした外形
   規制手段の開口面から出没自在とされていること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の血圧測
   定用阻血装置。