JPH05294891A - ビフェニルジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ビフェニルジカルボン酸の製造方法

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JPH05294891A
JPH05294891A JP10283292A JP10283292A JPH05294891A JP H05294891 A JPH05294891 A JP H05294891A JP 10283292 A JP10283292 A JP 10283292A JP 10283292 A JP10283292 A JP 10283292A JP H05294891 A JPH05294891 A JP H05294891A
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biphenyldicarboxylic acid
acid
crude
biphenyldicarboxylic
solvent
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JP10283292A
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Hiroshi Iwane
寛 岩根
Takahiro Sugawara
貴博 菅原
Yoshikazu Shirasaki
美和 白崎
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジアルキルビフェニル等の酸化反応によって
得られた、不純物及び着色成分を含む粗ビフェニルジカ
ルボン酸を、大量のアルカリや酸および水を使用するこ
となく、簡便に精製し、高純度でかつ色相の良好なビフ
ェニルジカルボン酸を、回収率よく効率的に製造する。 【構成】 ジ置換ビフェニル類を酸化して得られた粗ビ
フェニルジカルボン酸を、アミン類とアルコール類との
混合溶媒に溶解して晶析し、分離した晶析物をアルキル
アミン類の沸点以上に加熱することにより、純度99%
以上で色相の良好なビフェニルジカルボン酸を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の利用分野】本発明は、ビフェニルジカルボン酸
の製造方法に関するものである。ビフェニルジカルボン
酸は、全芳香族系ポリエステルなどの高機能性樹脂の原
料等として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】ビフェニルジカルボン酸は、例えば、ジ
メチルビフェニルやジイソプロピルビフェニル等のジア
ルキル置換ビフェニルを、コバルト、マンガン及び臭素
の存在下に、分子状酸素によって酸化することによって
製造するのが一般的である。この方法で得られる粗ビフ
ェニルジカルボン酸は、酸化反応中間体であるモノアル
キルビフェニルカルボン酸等の不純物や着色物質を含む
ために、精製工程が必要である。
【0003】従来、ビフェニルジカルボン酸の精製方法
としては、粗ビフェニルジカルボン酸を、アルカリ水溶
液に溶解し、活性炭による脱色等の処理を行なった後、
酸性にすることによって高純度のビフェニルジカルボン
酸を得る方法が知られている(特開昭58−85841
号、特開平2−76837号公報)。しかしながら、こ
の方法は、大量のアルカリ及び酸を使用するため、大量
の無機塩及び排水が発生するという問題があった。
【0004】また、p−ブロモ安息香酸のカップリング
反応によって得られた粗ビフェニルジカルボン酸を、
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、メ
タノールなどの貧溶媒を加えて析出させる方法(特開平
2−235843号公報)や、粗ビフェニルジカルボン
酸をジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒として再
結晶または再沈澱させて精製する方法(特開昭57−1
49244号公報)も開示されている。しかしながら、
これらの方法では、DMFやDMSOに対するビフェニ
ルジカルボン酸の溶解度が低いため、大量の溶媒を使用
しなければならず、更に、DMFは、沸点が高く溶媒の
回収が困難であり、また、毒性が高いなどの問題もあっ
た。
【0005】一方、特開平3−279347号公報に
は、粗4,4’−ビフェニルジカルボン酸をモノエタノ
ールアミンと溶液状またはスラリー状で反応させて、該
カルボン酸のモノエタノールアミン塩を生成させ、析出
した塩を分離して水で分解した後、酸析により、4,
4’−ビフェニルジカルボン酸を遊離させて回収する方
法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高純
度で、且つ色相の良好なビフェニルジカルボン酸を、簡
易に、かつ、高回収率で製造する方法を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジ置換ビフェ
ニル類を酸化して得られた粗ビフェニルジカルボン酸
を、アルキルアミン類とアルコール類との混合溶媒に溶
解して、冷却によって晶析し、分離した晶析物をアルキ
ルアミン類の沸点以上に加熱することを特徴とするビフ
ェニルジカルボン酸の製造方法である。
【0008】(ジ置換ビフェニル類)本発明の方法に用
いられるジ置換ビフェニル類は、アルキル基、アシル
基、ホルミル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロペルオ
キシアルキル基などの、酸化反応によりカルボキシル基
に変換可能な置換基を2個有する、ジ置換ビフェニル類
である。2個の置換基の位置は、特に制限はないが、例
えば、2,3−位、2,4−位、2,5−位、2,6−
位、3,4−位、2,2’−位、2,3’−位、2,
4’−位、3,3’−位、3,4’−位、4,4’−位
等が挙げられる。このうち、3,3’−位、4,4’−
位が特に好ましい。
【0009】(粗ビフェニルジカルボン酸)上記のジ置
換ビフェニル類を、脂肪族低級モノカルボン酸、水等の
溶媒中で、重金属、臭素等の触媒の存在下、空気等の分
子状酸素で酸化することにより粗ビフェニルジカルボン
酸を得る。
【0010】脂肪族低級モノカルボン酸溶媒としては、
例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸及
びブロモ酢酸等が挙げられ、このうち酢酸が最も好まし
く、水や芳香族炭化水素などの他の溶媒で希釈されてい
てもよい。溶媒の使用量は特に制限はないが、原料のジ
置換ビフェニル類に対して好ましくは0.5〜10重量
倍、特に好ましくは1〜6重量倍である。
【0011】触媒として用いられる重金属としては、コ
バルト、マンガン等が挙げられる。コバルト化合物及び
マンガン化合物としては、例えばコバルト及びマンガン
のギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸な
どの脂肪族カルボン酸塩、ナフテン酸などの脂環式カル
ボン酸塩、安息香酸、テレフタル酸、ナフトエ酸、ナフ
タレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸塩の他、水
酸化物、酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物などの無機化合
物類を挙げることができる。このうち、特に酢酸塩及び
臭化物が好ましい。
【0012】コバルト化合物及びマンガン化合物は一般
に混合物として使用されるが、その混合割合は、コバル
ト:マンガン(原子比)で99:1〜1:99、好まし
くは95:5〜5:95の範囲である。コバルト及びマ
ンガンの使用量は、脂肪族カルボン酸溶媒に対し、コバ
ルト及びマンガン原子の合計量として、0.2〜15重
量%、好ましくは0.4〜10重量%の範囲である。
【0013】触媒成分中に含まれる臭素化合物として
は、例えば分子状臭素、臭化水素、アルカリ金属臭化
物、アルカリ土類金属臭化物、臭化水素酸塩等の無機臭
素化合物、及び臭化メチル、臭化エチル、ブロモホル
ム、臭化エチレン、ブロモ酢酸などの有機臭素化合物を
例示することができる。臭素化合物の使用量は、その臭
素原子の量が、脂肪族カルボン酸溶媒中に含まれるコバ
ルト及びマンガン原子の合計モル数に対し、0.1〜1
0モル倍、好ましくは0.2〜5モル倍の範囲である。
【0014】反応温度は、通常100〜300℃、圧力
は、気相中の酸素分圧が絶対圧で0.2〜10kg/c
2 となるような圧力が好ましい。酸化反応終了後、反
応液を室温程度まで冷却し、析出した固体を回収して、
粗ビフェニルジカルボン酸を得る。この様にして得られ
た粗ビフェニルジカルボン酸は、純度が90%以上、一
般には95〜99%であり、通常は淡黄色〜褐色をして
いるが、そのまま次の晶析工程に用いても、また、反応
溶媒等で洗浄してから晶析に供してもよい。場合によっ
ては、純度が99%以上のもの、例えば、活性炭や、D
MF等で処理した後のビフェニルジカルボン酸を晶析し
て、色相を改良することもできる。
【0015】(アルキルアミン類)本発明の方法で晶析
溶媒として使用されるアルキルアミン類としては、例え
ば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ト
リ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソ
プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチル
アミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン、第二−ブチルアミン、ジ−第二−ブチルアミン、ト
リ−第二−ブチルアミン、第三−ブチルアミン、ジ−第
三−ブチルアミン、トリ−第三−ブチルアミン、n−ヘ
キシルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘ
キシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシ
ルアミン、トリシクロヘキシルアミン、n−オクチルア
ミン、ジ−n−オクチルアミン、トリ−n−オクチルア
ミン、エチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミ
ン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジ
メチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエ
チレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエ
チレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−
ジアミノプロパン、N−メチル−1,2−ジアミノプロ
パン、N−メチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N
−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N−ジメ
チル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’−トリ
メチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N,N’−ト
リメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,
N’−テトラメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,
N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロ
パン等が挙げられる。これらのアミン類は単独でも、二
種類以上を任意の割合で混合したものでもどちらでも使
用することができる。
【0016】(アルコール類)本発明の方法で晶析溶媒
として使用されるアルコール類としては、例えば、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イ
ソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、t−
アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘキシル
アルコール、ペンチルアルコール、オクチルアルコー
ル、ノニルアルコール、デシルアルコール等の脂肪族鎖
式モノアルコール;シクロペンチルアルコール、シクロ
ヘキシルアルコール等の脂環式モノアルコール;エチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3
−プロピレングリコール等の脂肪族鎖式ジオール類;
1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペン
タンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,
3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサン
ジオール等の脂環式ジオール類;グリセリン、ペンタエ
リスリトール等の脂肪族ポリオール類;などが挙げられ
る。これらのアルコール類は単独でも、二種類以上を任
意の割合で混合したものでもどちらでも使用することが
できる。
【0017】(混合溶媒)本発明の方法では、上記のア
ルキルアミン類とアルコール類との混合溶媒に粗ビフェ
ニルジカルボン酸を溶解して晶析する。アルキルアミン
類とアルコール類との混合割合は、重量比で1:99〜
90:10、好ましくは5:95〜80:20の範囲で
ある。
【0018】アルキルアミン類とアルコール類との混合
溶媒の使用量は、溶解操作を行う温度で粗ビフェニルジ
カルボン酸を溶解するのに十分な量であればよく、アル
キルアミン類とアルコール類との混合割合や、溶解する
際の温度によって異なるので、一概には規定できない
が、通常は、粗ビフェニルジカルボン酸に対し、1〜1
00重量倍、好ましくは2〜50重量倍の範囲である。
ただし、アルキルアミン類の使用量は、粗ビフェニルジ
カルボン酸中のジフェニルカルボン酸に対し、アルキル
アミン類が有するアミノ基として、1.0〜20モル
倍、好ましくは1.5〜15モル倍、特に好ましくは
2.0〜10モル倍の範囲である。混合溶媒の量が上記
の範囲未満では、十分な晶析効果が得られず、また上記
の範囲より多く使用してもその晶析効果に変わりはな
く、使用する溶媒量が増えるためかえって不経済であ
る。
【0019】(晶析操作)本発明の晶析操作は、次のよ
うな手順で行なわれる。即ち、粗ビフェニルジカルボン
酸を所定量の混合溶媒に溶解し、不溶物がある場合には
不溶物を濾過によって除去する。この際に、必要があれ
ば活性炭等で処理してもよい。活性炭で処理する場合に
は、所定量の活性炭を粗ビフェニルジカルボン酸を溶解
した混合溶媒中に加えて加熱攪拌した後、濾別する回分
処理でも、活性炭を充填したカラムに粗ビフェニルジカ
ルボン酸を溶解した混合溶媒を通液する方法でも、どち
らでもよい。
【0020】溶解の際の温度は高いほどよいが、通常
は、0〜350℃で行なわれる。この際の圧力に特に制
限はない。次いで、必要があれば蒸留等の操作で必要量
の混合溶媒を回収して、溶液を濃縮してもよい。その
後、粗ビフェニルジカルボン酸を溶解した混合溶媒を冷
却し、ビフェニルジカルボン酸アミン塩を晶析し、濾過
等によって分離する。冷却温度は、溶解温度から30℃
以上低い温度であり、−30〜100℃、好ましくは、
−20〜80℃の範囲である。
【0021】分離した晶析物を、アルキルアミン類の沸
点以上に加熱し、ビフェニルジカルボン酸と塩を形成し
ているアルキルアミン類を回収することにより、精製ビ
フェニルジカルボン酸が得られる。加熱の際の圧力は、
常圧でも減圧でもよく、窒素やアルゴンなどの不活性ガ
スを導入しながら加熱・回収を行ってもよい。
【0022】加熱温度は、晶析に用いたアルキルアミン
類の、加熱操作時の圧力における沸点以上、ビフェニル
ジカルボン酸の分解温度(約320℃)未満である。ア
ミンの沸点が約300℃より高い場合は、減圧により沸
点を下げて加熱する。また、分離した晶析物を加熱する
際に、加熱操作時の圧力における沸点が加熱温度以上で
ある、アミン以外の溶剤中に分散させて加熱することも
できる。
【0023】この溶剤としては、加熱温度以上の沸点を
有し、アルキルアミン類やビフェニルジカルボン酸に不
活性なものであればよく、例としては、流動パラフィン
等の脂肪族炭化水素、アルキルベンゼン、アルキルナフ
タレン、アルキルビフェニル等の芳香族炭化水素、ビフ
ェニルエーテル等のエーテル類、エステル類などが挙げ
られる。
【0024】ビフェニルジカルボン酸は、殆どの溶媒に
溶解せず、上記溶剤中では固体であるので、加熱により
アルキルアミンを回収した後、濾過等により精製ビフェ
ニルジカルボン酸を得ることができる。析出したビフェ
ニルジカルボン酸アルキルアミン塩を濾過した後の混合
溶媒の母液は、不純物や着色物質を含んでいるが、通常
は何ら特別な処理をすることなく、または、必要により
精製して、繰り返し晶析に用いることができる。
【0025】
【作用】ビフェニルジカルボン酸類は、DMF、DMS
O、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ピリ
ジン類、及び、エタノールアミン類にはある程度溶解す
るが、その他の有機溶媒や水には殆ど溶解しない。従っ
て、アミン類やアルコール類にも、各々単独では殆ど溶
解せず(比較例)、アミン類と塩を作ることもない。し
かしながら、アミン類とアルコール類との混合溶媒を用
いた場合には、驚くべきことに、ビフェニルジカルボン
酸類の溶解度が飛躍的に向上し、かつ、その溶解度の温
度依存性が極めて大きくなることにより、粗ビフェニル
ジカルボン酸の晶析精製が非常に容易に行われる。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法を用いれば、ジ置換ビフェ
ニルの酸化反応によって得られた、不純物及び着色成分
を含む粗ビフェニルジカルボン酸から、高純度でかつ色
相の良好なビフェニルジカルボン酸を、一回の固液分離
で回収率よく製造することができる。また、操作中に水
を使用しないので、操作に用いた有機溶媒を容易に分離
精製することができ、工業的に非常に有利である。
【0027】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を詳
細に説明する。なお、ビフェニルジカルボン酸の純度
は、高速液体クロマトグラフィーによって測定した。ま
た、色相は、試料1gを25%メチルアミン水溶液10
mlに溶解し、10mmの石英セルを用いて500nmの波
長の吸光度(以下ODと略記する)を測定した値によっ
て評価した。
【0028】<実施例1> (1) 還流冷却器、ガス導入管、原料送液ポンプ、背
圧調整器及び誘導撹拌機を有する500mlチタン製オ
ートクレーブに、酢酸200g、酢酸コバルト・四水塩
9.35g(37.5ミリモル)、酢酸マンガン・四水
塩9.20g(37.5ミリモル)、臭化カリウム2.
23g(18.8ミリモル)、及びピリジン5.93g
(75.0ミリモル)を仕込み、窒素で反応系内を置換
し、背圧調整器で系内の圧力が30kg/cm2 GPとなる
ようにした。内温が200℃になるまで加熱し、空気を
5Nl/minで内圧が30kg/cm2 GPに保たれるよ
うに供給した。系内が安定したところで4,4’−ジイ
ソプロピルビフェニル89.4g(375ミリモル)を
2時間かけて連続供給した。4,4’−ジイソプロピル
ビフェニルの供給終了後、系内を200℃、30kg/cm
2 GPに保ったまま1時間空気の供給を続けた。
【0029】反応終了後、オートクレーブを室温まで冷
却し、析出した固形物を濾過し回収し、酢酸40gで洗
浄した。固形物を乾燥したところ淡褐色の固体83.2
gを得た。この粗4,4’−ビフェニルジカルボン酸の
収率は89%であり、純度は97.2%であった。ま
た、ODは0.305であった。
【0030】(2) 200mlフラスコに、上記の粗
4,4’−ビフェニルジカルボン酸13.5g(54.
2ミリモル)、メタノール15.0g、及びトリエチル
アミン11.5g(113.8ミリモル)を仕込み、8
0℃の油浴中で加熱溶解した。次に、予め活性炭4gを
充填したジャケット付きのカラムを70℃に保温し、前
述の混合溶液をLHSV=1.0hr-1で通液し、更に
メタノール3gを通液した。回収した溶液41.2gを
室温まで冷却し、析出した結晶を濾過した。この際、回
収された濾液は20.3gであった。分離した結晶2
0.7gをフラスコにいれ、窒素を流しながら120℃
で2時間加熱攪拌したところ、11.3gの精製4,
4’−ビフェニルジカルボン酸が得られた。回収率は8
5.6%、純度は99.5%、ODは0.015であっ
た。
【0031】<実施例2>200mlフラスコに、実施
例1(1)で得られた粗4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸13.5(54.2ミリモル)、メタノール17.
0g、及びトリエチルアミン11.5g(113.8ミ
リモル)を仕込み、80℃の油浴中で加熱溶解した。次
に、予め活性炭4gを充填したジャケット付きのカラム
を70℃に保温し、前述の混合溶液をLHSV=1.0
hr-1で通液し、更にメタノール3gを通液した。回収
した溶液41.5gを室温まで冷却し、析出した結晶を
濾過した。この際、回収された濾液は20.9gであっ
た。分離した結晶20.5gをフラスコにいれ、圧力2
2mmHgの減圧下、120℃で2時間加熱攪拌したと
ころ、11.2gの精製4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸が得られた。回収率は85.3%、純度は99.7
%、ODは0.012であった。
【0032】<実施例3>200mlフラスコに、実施
例1(1)で得られた粗4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸13.5(54.2ミリモル)、メタノール17.
0g、及びトリエチルアミン11.5g(113.8ミ
リモル)を仕込み、80℃の油浴中で加熱溶解した。次
に、予め活性炭4gを充填したジャケット付きのカラム
を70℃に保温し、前述の混合溶液をLHSV=1.0
hr-1で通液し、更にメタノール3gを通液した。回収
した溶液40.9gを室温まで冷却し、析出した結晶を
濾過した。この際、回収された濾液は20.1gであっ
た。分離した結晶20.6gと流動パラフィン30gを
フラスコにいれ、圧力23mmHgの減圧下、120℃
で2時間加熱攪拌した。混合物を室温まで冷却後、結晶
を濾過して分離し、更にヘキサンでリンスして乾燥した
ところ、11.0gの精製4,4’−ビフェニルジカル
ボン酸が得られた。回収率は83.6%、純度は99.
8%、ODは0.010であった。
【0033】<比較例1>200mlフラスコに、実施
例1(1)で得られた粗4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸1.00g及びメタノール60.0gを仕込み、8
0℃で4時間加熱還流したが、粗4,4’−ビフェニル
ジカルボン酸は殆ど溶解せず、晶析操作を行うことがで
きなかった。
【0034】<比較例2>200mlフラスコに、実施
例1(1)で得られた粗4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸1.00g及びトリエチルアミン60.0gを仕込
み、80℃で4時間加熱還流したが、粗4,4’−ビフ
ェニルジカルボン酸は殆ど溶解せず、晶析操作を行うこ
とができなかった。
【0035】<比較例3>200mlフラスコに、実施
例1(1)で得られた粗4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸6.0g及びトリエタノールアミン60.0gを仕
込み、100℃で30分間加熱溶解した。この溶液を室
温まで冷却したが、結晶は全く析出せず、晶析操作を行
うことができなかった。
【0036】<比較例4>200mlフラスコに、実施
例1(1)で得られた粗4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸6.0g及び20%トリエチルアミン水溶液60.
0gを仕込み、100℃で30分間加熱溶解した。この
混合溶液を室温まで冷却したが、結晶は全く析出せず、
晶析操作を行うことができなかった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジ置換ビフェニル類を酸化して得られた
    粗ビフェニルジカルボン酸を、アルキルアミン類とアル
    コール類との混合溶媒に溶解して、冷却によって晶析
    し、分離した晶析物をアルキルアミン類の沸点以上に加
    熱することを特徴とするビフェニルジカルボン酸の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、加熱温度以上の沸点
    を有するアミン以外の溶剤中で加熱することを特徴とす
    るビフェニルジカルボン酸の製造方法。
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