JPH05294681A - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents

合わせガラス用中間膜

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JPH05294681A
JPH05294681A JP4104588A JP10458892A JPH05294681A JP H05294681 A JPH05294681 A JP H05294681A JP 4104588 A JP4104588 A JP 4104588A JP 10458892 A JP10458892 A JP 10458892A JP H05294681 A JPH05294681 A JP H05294681A
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JP
Japan
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polyvinyl acetal
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laminated glass
resin
mol
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JP4104588A
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English (en)
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Naoki Ueda
直樹 植田
Hiroko Minamino
裕子 南野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合わせガラス用中間膜として使用した場合、
必要な基本性能を損なうことなく、コインシデンス効果
の緩和によってTL値を高めることにより広い温度領域
で優れた遮音性能を発揮し、しかも光学歪が小さい中間
膜を提供する。 【構成】 アセタール基の炭素数が4〜6であり、か
つ、アセタール化度が80モル%以上であるポリビニル
アセタール樹脂と可塑剤とからなり、該ポリビニルアセ
タール樹脂は、アセタール基が結合しているエチレン基
とアセチル基が結合しているエチレン基との、主鎖の全
エチレン基に対するモル%の合計が94モル%以下で、
かつ、アセチル基が結合しているエチレン基の、主鎖の
全エチレン基に対するモル%が4モル%以下のものであ
ることを特徴とする合わせガラス用中間膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、遮音性に優れた合わ
せガラス用中間膜に関し、より詳細には、遮音性に優
れ、かつ、光学歪が小さい合わせガラス用中間膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、一対のガラス板間に樹脂膜をサ
ンドイッチしてなる合わせガラスは、破損時に破片が飛
散しなくて安全性に優れているため、たとえば、自動車
等の交通車両の窓ガラスや建築物の窓ガラス等に広く用
いられている。
【0003】こうした合わせガラス用の中間膜のうち、
可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール
の樹脂膜は、ガラスとの優れた接着性、強靭な引っ張り
強度、高い透明性等を兼ね備えており、この膜を用いて
構成した合わせガラスは特に車両用窓ガラスとして好適
である。
【0004】一般に、遮音性能は、周波数の変化に応じ
た透過損失量として示され、その透過損失量は、JIS
A4708では、図1中に実線で示するように、50
0Hz以上において遮音等級に応じてそれぞれ一定値で
規定されている。ところで、ガラス板の遮音性は、図1
中に破線で示すように、2000Hzを中心とする周波
数領域ではコインシデンス効果により著しく低下する
(図1中の破線の谷部がコインシデンス効果による遮音
性能の低下に相当し、所定の遮音性能を保持しないこと
を示す)。ここでコインシデンス効果とは、ガラス板に
音波が入射したとき、ガラス板の剛性と慣性によって、
ガラス面上を横波が伝導して横波と入射音とが共鳴し、
その結果音の透過が起こる現象をいう。
【0005】従来の合わせガラスは、破片の飛散防止の
面では優れているものの、遮音性の面では2000Hz
を中心とする周波数領域において、やはりコインシデン
ス効果による遮音性の低下が避けられず、この点の改善
が求められている。
【0006】一方、人間の聴覚は、等ラウドネス曲線か
ら1000〜6000Hzの範囲では他の周波数領域に
比べ非常に高い感度を示すことが知られており、コイン
シデンス効果による遮音性能の落ち込みを解消すること
が防音にとって極めて重要であることが判る。
【0007】合わせガラスの遮音性能を向上するには、
上記の如きコインシデンス効果を緩和して、コインシデ
ンス効果によって生ずる透過損失量の極小部(以下、こ
の極小部の透過損失量をTL値という、図1参照)の低
下を防ぐ必要がある。
【0008】従来、TL値の低下を防ぐ手段として、合
わせガラスの質量の増大、ガラスの複層化、ガラス面積
の細分化、ガラス板支持手段の改善等、種々の方策が提
案されている。しかし、これらはいずれも充分に満足で
きる効果をもたらさない上に、コスト的にも実用的に採
用するに妥当な価格になっていない。
【0009】遮音性能に対する要求は最近増々高まり、
たとえば建築用窓ガラスとしては、季節ごとの外気温度
の変化に影響されないで常時優れた遮音性能を発揮する
ものが要求されるようになってきている。
【0010】合わせガラスの遮音性能の向上を企図した
中間膜の先行技術としては、たとえば次のものがある。
【0011】特公昭46−5830号公報には、通常の
中間膜の流動度より約3倍高い流動度を有する樹脂、た
とえばポリビニルブチラールからなる中間膜が記載され
ている。
【0012】特開昭60−27630号公報には、初期
での遮音性を上げる方策として、ポリ塩化ビニル樹脂に
可塑剤を含有させた中間膜が提案されている。
【0013】また、特開平2−229742号公報に
は、ガラス転移温度が15℃以下である樹脂層と可塑化
ポリビニルアセタール膜とを積層してなり、コインシデ
ンス効果に起因する遮音性能の低下を防止する中間膜が
提案されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】これら先行技術の遮音
性合わせガラス用中間膜のうち、特公昭46−5830
号記載の遮音性中間膜は、合わせガラスの遮音性の絶対
値が低いという大きな問題を有する。
【0015】特開昭60−27630号記載の遮音性中
間膜は、遮音性はよいものの、合わせ加工において、そ
の加工条件をポリビニルブチラール系中間膜の条件と変
更する必要があった。ポリビニルブチラール系中間膜
は、現在依然として、合わせガラス中間膜用素材の主流
をなし、合わせ加工工程の予備接着条件は、ポリビニル
ブチラール系中間膜の条件に設定されているのが現状で
ある。
【0016】また、特開平2−229742号公報記載
の中間膜を用いることにより、確かに遮音性能の改善が
認められる。しかし、中間膜を構成する各層が互いに異
種材料からなる場合、各層の屈折率が異なるため合わせ
ガラスが光学歪を来たし、ガラス板と中間膜の接着強度
が弱く、樹脂層界面での物質移動が生じて遮音性が低下
する等、長期間の耐久性に問題があった。
【0017】この発明の目的は、上記の点に鑑み、合わ
せガラス用中間膜として使用した場合、透明性、耐候
性、衝撃エネルギー吸収性、樹脂層界面での接着性、ガ
ラス板との接触性等の合わせガラスに必要な基本性能を
損なうことなく、コインシデンス効果の緩和によってT
L値を高め、これにより広い温度領域で優れた遮音性能
を発揮し、しかも光学歪が小さい中間膜を提供するにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的に
適う中間膜を得るべく工夫されたものであり、従来、製
造が実質的に難しかった高アセタール化度のポリビニル
アセタール樹脂を得、これを可塑化した樹脂を用いて構
成された合わせガラス用中間膜である。
【0019】すなわち、この発明による合わせガラス用
中間膜は、アセタール基の炭素数が4〜6であり、か
つ、アセタール化度が80モル%以上であるポリビニル
アセタール樹脂と可塑剤とからなり、該ポリビニルアセ
タール樹脂は、アセタール基が結合しているエチレン基
とアセチル基が結合しているエチレン基との、主鎖の全
エチレン基に対するモル%の合計が94モル%以下で、
かつ、アセチル基が結合しているエチレン基の、主鎖の
全エチレン基に対するモル%が4モル%以下のものであ
ることを特徴とするものである。この発明の中間膜の一
方の材料である、高いアセタール化度を有するポリビニ
ルアセタール樹脂は、アセタール基が結合しているエチ
レン基とアセチル基が結合しているエチレン基との、主
鎖の全エチレン基に対するモル%の合計を94モル%以
下とし、かつ、アセチル基が結合しているエチレン基
の、主鎖の全エチレン基に対するモル%を4モル%以下
とすることにより、規定される。
【0020】上記ポリビニルアセタール樹脂において、
アセタール基が結合しているエチレン基とアセチル基が
結合しているエチレン基との、主鎖の全エチレン基に対
するモル%の合計が94モル%以下に限定される理由
は、このモル%合計が94モル%以上では合わせガラス
用の中間膜に求められているガラスとの接着性および力
学的強度が十分に得られないからである。
【0021】また、上記ポリビニルアセタール樹脂にお
いて、アセチル基が結合しているエチレン基の、主鎖の
全エチレン基に対するモル%が4モル%以下に限定され
る理由は、アセチル基量が4モル%以上では、耐熱性、
耐候性が十分に得られないからである。
【0022】ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニル
アルコールをアルデヒドでアセタール化することにより
得られ、通常、主鎖のエチレン基にアセタール基とアセ
チル基と水酸基を有する。
【0023】ポリビニルアセタール樹脂の製造原料であ
るポリビニルアルコールの平均重合度は、好ましくは5
00〜3000である。この重合度が500未満である
と、合わせガラスの耐貫通性が劣り、3000を超える
と強度が大き過ぎて安全ガラスとして通常は用いられな
いからである。より好ましい重合度は1000〜250
0である。
【0024】アセタール基の炭素数が4〜6であるポリ
ビニルアセタール樹脂を得るのに用いられる炭素数4〜
6のアルデヒドとしては、n−ブチルアルデヒド、イソ
ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘキシルア
ルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド等が単独あるい
は適宜組み合わせて用いられる。炭素数が6を超えたア
ルデヒドによってアセタール化されたポリビニルアセタ
ール樹脂は、水酸基によるガラスとの接着強度が不十分
となり、合わせガラス用の中間膜としては好ましくな
い。アルデヒドの炭素数が4未満の場合は充分な遮音性
能を得ることができない。より好ましいアルデヒドとし
ては、n−ブチルアルデヒドおよびイソブチルアルデヒ
ドが単独あるいは組み合わせて使用される。n−ブチル
アルデヒドおよびイソブチルアルデヒドは、そのアセタ
ール化の反応性が他のアルデヒドより良く、そのため好
適に用いられる。
【0025】このように高いアセタール化度のポリビニ
ルアセタール樹脂を得る方法としては、例えば、ポリビ
ニルアルコールを酸触媒の存在下にアルデヒドでアセタ
ール化するに当たり、全反応段階の少なくとも、アセタ
ール化度が50モル%を超えた段階で、反応溶剤とし
て、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、キ
レシン、四塩化炭素のうちの少なくとも1つを全溶剤量
の30重量%以上含む混合溶剤を使用し、反応温度を5
5℃以上としてアセタール化反応を進行させ、その後、
反応混合液を所定温度で恒温保持した後、中和、水洗、
乾燥の諸工程を経て樹脂粉末を得る方法がある。
【0026】通常、ポリビニルブチラール樹脂から膜を
成形する際には、その成形性および柔軟性の向上のため
に、樹脂に多量の可塑剤を配合している。しかし、低分
子量の可塑剤を多量に添加することは、構成された合わ
せガラスにおいて可塑剤がガラス板と膜との界面でブリ
ードアウトしたり、また中間膜をプラスチック板でサン
ドイッチする場合には可塑剤がプラスチック板へ移行す
る等、長期耐久性の点でしばしば問題を生じることがあ
った。
【0027】これに対し、高いアセタール化度を有する
ポリビニルアセタール樹脂では、従来のポリビニルブチ
ラール樹脂に比較して少量の可塑剤でも良好な成形性お
よび柔軟性が得られる。
【0028】具体的には、可塑剤の添加量は、ポリビニ
ルアセタール樹脂100重量部に対して好ましくは15
〜50重量部である。可塑剤の添加量が15重量部より
少ないると成形性、耐貫通性が低下し、逆に50重量部
を超えると合わせガラスの透明性やガラス板等との接着
性が損なわれるからである。可塑剤のより好ましい添加
量は、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して
25〜40重量部である。
【0029】ポリビニルアセタール樹脂に配合される可
塑剤としては、一塩基酸エステル、多塩基酸エステル等
の有機系可塑剤や、有機リン酸系、有機亜リン酸系等の
リン酸系可塑剤が用いられる。
【0030】一塩基酸エステルの中では、トリエチレン
グリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチ
ル酪酸、ヘプタン酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキ
シル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の
有機酸との反応によって得られたグリコール系エステル
が好ましい。その他、テトラエチレングリコール、トリ
プロピレングリコールと上記の如き有機酸とのエステル
も用いられる。
【0031】多塩基酸エステルとしては、アジピン酸、
セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸と炭素数4〜8の
直鎖状または分枝状アルコールとのエステルが好まし
い。
【0032】また、リン酸系可塑剤としては、トリブト
キシエチルフォスフェート、イソデシルフェニルホスフ
ェート、トリイソプロピルホスファイト等が好ましい。
【0033】より好適な例としては、一塩基酸エステル
では、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレ
ート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソ
エート、トリエチレングリコール−ジカプロネート、ト
リエチレングリコール−ジn−オクトエート等が挙げら
れ、二塩基酸エステルとしては、ジブチルセバケート、
ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペー
ト等が挙げられる。
【0034】なお、樹脂膜とガラス板との接着力を調整
するのに通常用いられる添加剤や、ポリビニルブチラー
ルの劣化を防止するための安定剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤等が、ポリビニルアセタールと可塑剤との混合
時、またはポリビニルアセタールの製造過程において、
必要に応じて適宜使用できる。
【0035】添加剤としては、カルボン酸の金属塩、た
とえば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等
のカリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩、カルシウ
ム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、亜鉛、コバ
ルト塩等が用いられる。
【0036】安定剤としては、界面活性剤、たとえばラ
ウリル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸等
が用いられる。
【0037】酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノール(BHT)、ブチル化ヒド
ロキシアニゾール(BHA)、ペンタエリスリチル−テ
トラキス(3−(3,5−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート)、2,6−ジ−t−ブチル−4
−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピネート、
チバガイキー社製の「イルガノックス1010」等が用
いられる。
【0038】紫外線吸収剤の例としては、ベンゾトリア
ゾール系、ヒンダードアミン系のもの等が挙げられる。
【0039】ベンゾトリアゾール系では、例えば、ベン
ゾトリアゾール環内の4〜7位の水素のうち少なくとも
1個が塩素で置換されているベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤として、2−(3−t−ブチル−5−メチル−
2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシ
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が例示さ
れ、また、ベンゾトリアゾール環の4〜7位に置換基を
有しないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、
2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス
(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベン
ゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,
5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール、メチル−3−(3−t−ブチル−5−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート−ポリエチレングリコー
ル縮合物等が例示される。
【0040】ヒンダードアミン系では、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレー
ト、Sanol LS−770、Sanol LS−7
65、Sanol LS−2626、Chimasso
b944LD、Thinuvin−662、Thinu
vin−622LD、Mark LA−57、Mark
LA−77、Mark LA−62、Mark LA
−67、Mark LA−63、Mark LA−6
8、Mark LA−82、Mark LA−87、G
oodrite UV−3404等が例示される。
【0041】尚、膜とガラス板との接着性を調整するた
めに添加剤、カルボン酸の金属塩、例えばオクチル酸、
ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカリウム、ナトリウ
ム、カルシウム、マグネシウム塩等をポリビニルアセタ
ール樹脂と可塑剤との混合時、またはポリビニルアセタ
ールの製造工程において、必要に応じて適宜添加され
る。
【0042】膜の厚みは、通常の合わせガラス用中間膜
としての厚みである0.3〜1.6mmが好ましい。こ
の厚みは大きい方がより遮音性に優れることになるが、
合わせガラスとして必要な耐貫通性の点を考慮して決め
るのが好ましく、実用上は前記の厚み範囲が好適であ
る。
【0043】製膜方法としては、例えば、押し出し成形
法、カレンダー成形法、キャスティング法等が適用でき
る。
【0044】本発明による中間膜をガラス板間にサンド
イッチして合わせガラスを製造するには、通常の合わせ
ガラスの製造に用いられる方法が採用される。たとえ
ば、膜をその両側からガラス板で挾み込み、熱圧プレス
により合わせガラスを製造する方法が行われる。
【0045】さらに、この中間膜をガラス以外の剛性
体、たとえば、金属、無機材料との積層体とし、遮音性
能を有する積層剛性体として使用することは、本発明の
趣旨に合致しており、優れた遮音性を発揮できる。ま
た、この中間膜をポリカーボネート樹脂等のように剛性
の高い透明剛体でサンドイッチすることも本発明の範囲
を逸脱しない。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例およびこれと比較すべ
き比較例をいつくか挙げ、さらに得られた合わせガラス
の性能を示す。
【0047】ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化
度の測定方法は、下記のNMR法と滴定法によって行っ
た。
【0048】 NMR法 生成物のプロトン核磁気共鳴スペクトルは、次の手法で
測定した。
【0049】ポリビニルアセタール樹脂の2重量%重水
素化クロロホルム溶液を調製し、少量のテトラメチルシ
ラン[(CH3 4 Si]を標準物質として添加し、温
度23℃でスペクトル測定を行った。
【0050】 滴定法 JIS「ポリビニルアセタール試験方法」(K−672
8−1977)における組成分析の項の「ビニルアセタ
ール」の試験方法に準拠して、塩酸ヒドロキシルアミン
法によってアセタール化度の測定を行った。
【0051】また、ポリビニルアセタール樹脂のアセチ
ル基量(アセチル基が結合しているエチレン基の、主鎖
の全エチレン基に対するモル%)は、上記JIS「ポリ
ビニルアセタール試験方法」(K−6728−197
7)における組成分析の項の「ビニルアセタール」の試
験方法に準拠して測定した。
【0052】実施例1 <樹脂の調製> 工程i) 純水2900gに、重合度1740、鹸化度
99.2モル%のポリビニルアルコール198gを加え
て加温溶解した。反応系を9℃に温度調節し、35重量
%塩酸196g(全系対比1.99重量%)とブチルア
ルデヒド152g(ポリビニルアルコール対比97.2
モル%)を加えて、ポリビニルアセタールを析出させ
た。その後、反応系を温度50℃で3時間保持し、反応
を完了させた。過剰の水での洗浄により、未反応アルデ
ヒドを洗い流し、塩酸触媒を中和し、塩を除去した後、
乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得
た。
【0053】このポリビニルアセタール樹脂のアセター
ル化度は、プロトンNMR法により測定し、74.8モ
ル%であった。
【0054】工程ii) 次に、このポリビニルアセター
ル樹脂60g(全系対比3重量%)を、968gのDM
SOと800gのキシレンからなる混合溶剤に、25℃
で溶解させた。その後、35重量%塩酸溶液115g
(全系対比1.97重量%)、n−ブチルアルデヒド9
4.8g(ポリビニルアルコール対比200モル%)
を、次のように添加した。まずn−ブチルアルデヒドを
溶液に一括投入した後、約5分間の攪拌により十分に混
合し、ついで塩酸を約15分間かけて滴下ロートにより
添加し混合した。これらを混合してから、約30分後、
全系を0.5〜0.6℃/分の速度で60℃まで約60
分間で昇温した。その後、この反応系を60℃で3時間
恒温保持し、反応を完了させた。
【0055】工程iii) 反応完了後、反応混合物に大過
剰の水を添加し、触媒、DMSOを分離させた。その
後、水10重量%(樹脂固形分に対する重量比)を加
え、さらに重曹を6重量%(樹脂固形分に対する重量
比)添加した後65℃で4時間で液を中和し、これを分
液ロートに移し、大過剰の水を加え、塩を取り除いた。
この反応完了後の後処理操作を繰り返した。
【0056】最後に、残留したキシレンを揮発させ、乾
燥を経て、表1に示す高アセタール化度のポリビニルア
セタール樹脂の白色粉末を得た。
【0057】<膜の調製>上記ポリビニルアセタールを
50g採取し、これに可塑剤としてトリエチレングリコ
ール−ジ−2−エチルブチレートを12.5g加え、こ
の配合物をミキシングロールで充分に混練し、混練物の
所定量をプレス成形機で150℃で30分間保持した。
こうして厚み0.4mmの膜を作製した。
【0058】実施例2 <樹脂の調製>実施例1の工程i)と同様の操作によっ
てポリビニルアセタール樹脂を調製した。プロトンNM
R法により測定したポリビニルアセタール樹脂のアセタ
ール化度は、やはり74.8モル%であった。
【0059】次に、工程ii) において、このポリビニル
アセタール樹脂70g(全系対比5重量%)を、720
gのDMSOと680gのトルエンからなる混合溶液
に、25℃で溶解させた。その後、35重量%塩酸溶液
80g(全系対比2.0重量%)、n−ブチルアルデヒ
ド117g(ポリビニルアルコール対比200モル%)
を、次のように添加した。すなわち、まずn−ブチルア
ルデヒドを4等分に分割し、各部分を順次溶液に投入し
つつ、約5分間攪拌により合計20分間かけて混合し、
ついで塩酸を約15分間かけて滴下ロートにより添加し
混合した。これらを混合してから約30分後、全系を
0.5〜0.6℃/分の速度で60℃まで約60分間で
昇温した。その後、この反応系を60℃で10時間恒温
保持し、反応を完了させた。
【0060】反応終了後の操作、すなわち樹脂の中和、
洗浄、精製、乾燥は、実施例1の工程iii)と同様に実施
した。
【0061】こうして、表1に示す高アセタール化度の
ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
【0062】<膜の調製>上記ポリビニルアセタールを
50g採取し、これに可塑剤としてトリエチレングリコ
ール−ジ−2−エチルブチレートを15g加え、この配
合物をミキシングロールで充分に混練し、混練物の所定
量をプレス成形機で150℃で30分間保持した。こう
して厚み0.6mmの膜を作製した。
【0063】実施例3 <樹脂の調製>実施例1の工程i)と同様の操作によっ
てポリビニルアセタール樹脂を調製した。プロトンNM
R法により測定したポリビニルアセタール樹脂のアセタ
ール化度は、やはり74.8モル%であった。
【0064】次に、工程ii) において、このポリビニル
アセタール樹脂70g(全系対比2重量%)を、142
0gのDMSOと800gのトルエンと963gの四塩
化炭素からなる混合溶液に、25℃で溶解させた。その
後、35重量%塩酸溶液200g(全系対比2.0重量
%)、n−ブチルアルデヒド117g(ポリビニルアル
コール対比200モル%)を、、次のように添加した。
すなわち、まずn−ブチルアルデヒドを溶液に一括投入
した後、約5分間の攪拌により十分に混合し、ついで塩
酸を約15分間かけて滴下ロートにより添加し混合し
た。これらを混合してから、約30分後、全系を0.5
〜0.6℃/分の速度で60℃まで約60分間で昇温し
た。その後、この反応系を60℃で5時間恒温保持し、
反応を完了させた。
【0065】反応終了後の操作、すなわち樹脂の中和、
洗浄、精製、乾燥は、実施例1の工程iii)と同様に実施
した。こうして、表1に示す高アセタール化度のポリビ
ニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
【0066】<膜の調製>上記ポリビニルアセタールを
50g採取し、これに可塑剤としてトリエチレングリコ
ール−ジ−2−エチルブチレートを15g加え、この配
合物をミキシングロールで充分に混練し、混練物の所定
量をプレス成形機で150℃で30分間保持した。こう
して厚み1.0mmの膜を作製した。
【0067】実施例4 <樹脂の調製> 工程i) 純水2900gに、重合度1740、鹸化度
98.3モル%のポリビニルアルコール200gを加え
て加温溶解した。反応系を9℃に温度調節し、35重量
%塩酸196g(全系対比1.99重量%)とn−ヘキ
シルアルデヒド216g(ポリビニルアルコール対比1
00モル%)を加えて、ポリビニルアセタールを析出さ
せた。その後、反応系を温度50℃で5時間保持し、反
応を完了させた。過剰の水での洗浄により、未反応アル
デヒドを洗い流し、塩酸触媒を中和し、塩を除去した
後、乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末
を得た。
【0068】このポリビニルアセタール樹脂のアセター
ル化度は、プロトンNMR法により測定し、71.2モ
ル%であった。
【0069】工程ii) 次に、このポリビニルアセター
ル樹脂60g(全系対比3重量%)を、1000gのD
MSOと800gのキシレンからなる混合溶剤に、25
℃で溶解させた。その後、35重量%塩酸溶液115g
(全系対比1.94重量%)、n−ヘキシルアルデヒド
130g(ポリビニルアルコール対比200モル%)
を、次のように添加した。まずn−ヘキシルアルデヒド
を溶液に一括投入した後、約5分間の攪拌により十分に
混合し、ついで塩酸を約15分間かけて滴下ロートによ
り添加し混合した。これらを混合してから、約30分
後、全系を0.5〜0.6℃/分の速度で60℃まで約
60分間で昇温した。その後、この反応系を60℃で5
時間恒温保持し、反応を完了させた。
【0070】工程iii) 反応完了後、反応混合物に大過
剰の水を添加し、触媒、DMSOを分離させた。その
後、水10重量%(樹脂固形分に対する重量比)を加
え、さらに重曹を6重量%(樹脂固形分に対する重量
比)添加した後65℃で4時間で液を中和し、これを分
液ロートに移し、大過剰の水を加え、塩を取り除いた。
この反応完了後の後処理操作を繰り返した。
【0071】最後に、残留したキシレンを揮発させ、乾
燥を経て、表1に示す高アセタール化度のポリビニルア
セタール樹脂の白色粉末を得た。
【0072】<膜の調製>上記ポリビニルアセタールを
50g採取し、これに可塑剤としてトリエチレングリコ
ール−ジ−2−エチルブチレートを17.5g加え、こ
の配合物をミキシングロールで充分に混練し、混練物の
所定量をプレス成形機で150℃で30分間保持した。
こうして厚み0.76mmの膜を作製した。
【0073】比較例1 <樹脂の調製>純水2910gに、重合度1700、鹸
化度99.5モル%のポリビニルアルコール190gを
加えて加温溶解した。反応系を12℃に温度調節し、3
5重量%塩酸201gとブチルアルデヒド124gを加
えて、ポリビニルアセタールを析出させた。その後、反
応系を温度50℃で4時間保持し、反応を完了させた。
過剰の水での洗浄により、未反応アルデヒドを洗い流
し、塩酸触媒を中和し、塩を除去した後、乾燥を経て、
表1に示すアセタール化度のポリビニルアセタール樹脂
の白色粉末を得た。
【0074】<膜の調製>上記ポリビニルアセタールを
50g採取し、これに可塑剤としてトリエチレングリコ
ール−ジ−2−エチルブチレートを20g加え、この配
合物をミキシングロールで充分に混練し、混練物の所定
量をプレス成形機で150℃で30分間保持した。こう
して厚み0.76mmの膜を作製した。
【0075】比較例2 <樹脂の調製>純水2900gに、重合度1740、鹸
化度99.2モル%のポリビニルアルコール198gを
加えて加温溶解した。反応系を9℃に温度調節し、35
重量%塩酸196g(全系対比1.99重量%)とブチ
ルアルデヒド152g(ポリビニルアルコール対比9
7.2モル%)を加えて、ポリビニルアセタールを析出
させた。その後、反応系を温度50℃で3時間保持し、
反応を完了させた。過剰の水での洗浄により、未反応ア
ルデヒドを洗い流し、塩酸触媒を中和し、塩を除去した
後、乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末
を得た。
【0076】このポリビニルアセタール樹脂のアセター
ル化度は、プロトンNMR法により測定し、74.8モ
ル%であった。
【0077】反応完了後、反応混合物に大過剰の水を添
加し、触媒、DMSOを分離させた。その後、水10重
量%(樹脂固形分に対する重量比)を加え、さらに重曹
を6重量%(樹脂固形分に対する重量比)添加した後6
5℃で4時間で液を中和し、これを分液ロートに移し、
大過剰の水を加え、塩を取り除いた。この反応完了後の
後処理操作を繰り返した。
【0078】最後に、残留したキシレンを揮発させ、乾
燥を経て、表1に示すアセタール化度のポリビニルアセ
タール樹脂の白色粉末を得た。
【0079】<膜の調製>上記ポリビニルアセタールを
50g採取し、これに可塑剤としてトリエチレングリコ
ール−ジ−2−エチルブチレートを17.5g加え、こ
の配合物をミキシングロールで充分に混練し、混練物の
所定量をプレス成形機で150℃で30分間保持した。
こうして厚み0.6mmの膜を作製した。
【0080】比較例3 塩化ビニル91重量%、メタクリル酸グリシジル2重量
%およびエチレン7重量%を共重合して得られた樹脂5
0gを採取し、これにジオクチルアジペートとジオクチ
ルフタレートとの混合可塑剤を20g加え、この配合物
をミキシングロールで充分に混練し、混練物の所定量を
プレス成形機で150℃で30分間保持した。こうして
厚み0.1mmの膜(A)を作製した。
【0081】また、純水2910gに、重合度1700
の高鹸化型ポリビニルアルコール190gを加えて加温
溶解した。反応系を12℃に温度調節し、35重量%塩
酸201gとブチルアルデヒド124gを加えて、ポリ
ビニルアセタールを析出させた。その後、反応系を温度
50℃で4時間保持し、反応を完了させた。過剰の水で
の洗浄により、未反応アルデヒドを洗い流し、塩酸触媒
を中和し、塩を除去した後、乾燥を経て、表1に示すア
セタール化度のポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を
得た。
【0082】上記ポリビニルアセタールを50g採取
し、これに可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−
2−エチルブチレートを20g加え、この配合物をミキ
シングロールで充分に混練し、混練物の所定量をプレス
成形機で150℃で30分間保持した。こうして厚み
0.3mmの膜(B)を作製した。
【0083】作製された1枚の膜(A)と2枚の膜
(B)とを、積層構成が層A/層B/層Aになるよう
に、重ね合わせて、3層の積層中間膜を得た。
【0084】合わせガラスの調製 実施例および比較例で得られた各中間膜をそれぞれ1辺
30cmの正方形の厚み3mmの2枚のフロートガラスで
両側からサンドイッチし、この未圧着サンドイッチ体を
ゴムバッグへ入れ、20torrの真空度で20分間脱気し
た後、脱気状態のまま90℃のオーブンに移し、この温
度を30分間保持した。こうして脱気により仮接着した
サンドイッチ体を、ついでオートクレーブ中で圧力12
kg/cm2、温度135℃で熱圧着処理し、透明な合わせ
ガラスを作製した。
【0085】遮音性および光学歪の評価 <遮音性測定>上記実施例および比較例の各合わせガラ
スについて、次の手法で遮音性を測定した。
【0086】合わせガラスをダンピング試験用の振動発
生機((株)振研社製の加振機、「G21−005
D」)により加振し、そこから得られる振動特性を、機
械インピーダンスアンプ((株)リオン社製の「XG−
81」)にて増幅し、振動スペクトルをFFTアナライ
ザー(横河ヒューレットパッカード社製の「FFTスペ
クトラムアナライザー HP 3582A」)にて解析
した。こうして得られた損失係数と、ガラスとの共振周
波数の比とから、透過損失を算出した(測定温度:20
℃)。この結果に基づき、周波数2000Hz近辺にお
ける極小の透過損失量をもってTL値とした。
【0087】<光学歪の判定>遮音性中間膜の光学歪
は、中間膜を2枚のガラスで挾み込んだ後、これに強い
直進光線を当てて、透過した光線の投影歪を肉眼観察
し、この投影歪をガラス単独での光学歪と比較すること
によって判定した。
【0088】<試験結果>上記遮音性および光学歪の測
定結果を表1に纏めて示す。
【0089】
【表1】 表1から明らかなように、本発明の実施例による合わせ
ガラスは、いずれも優れた遮音性能を有し、しかも光学
歪が小さいことが認められる。
【0090】
【発明の効果】この発明では中間膜のポリビニルアセタ
ール樹脂として高いアセタール化度を有するものを用い
るので、音エネルギーが効果的に熱エネルギーに変換吸
収され、特に2000Hz付近の中高音域におけるコイ
ンシデンス効果による遮音性能の低下が効果的に防止せ
られる。したがって、透明性、耐候性、衝撃エネルギー
吸収性、樹脂層界面での接着性、ガラス板との接触性等
の合わせガラスに必要な基本性能を損なうことなく、コ
インシデンス効果の緩和によってTL値を高めることに
より優れた遮音性能を発揮させることができる。
【0091】また、この発明による中間膜は、単層で十
分高い遮音性能を得ることができるので、異種の樹脂膜
の積層タイプの合わせガラス用中間膜に比較して、合わ
せガラスの光学歪が少なく、ガラス板と中間膜の接着強
度が強く、界面における耐久性が優れている。加えて、
中間膜の樹脂は1種類でよく、かつ、製膜工程は従来の
ポリビニルアセタールの系と同様の技術で行うことがで
きる。
【0092】さらに、従来のポリビニルアセタールに比
較して、少量の可塑剤添加でも良好な成形加工性および
柔軟性を得ることができ、より長期の耐久性の向上が可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】合わせガラスの遮音特性を、周波数に対する透
過損失量として示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセタール基の炭素数が4〜6であり、
    かつ、アセタール化度が80モル%以上であるポリビニ
    ルアセタール樹脂と可塑剤とからなり、該ポリビニルア
    セタール樹脂は、アセタール基が結合しているエチレン
    基とアセチル基が結合しているエチレン基との、主鎖の
    全エチレン基に対するモル%の合計が94モル%以下
    で、かつ、アセチル基が結合しているエチレン基の、主
    鎖の全エチレン基に対するモル%が4モル%以下のもの
    であることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016158882A1 (ja) * 2015-03-27 2016-10-06 株式会社クラレ 合わせガラス用中間膜
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