JP2001192243A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

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JP2001192243A
JP2001192243A JP2000000448A JP2000000448A JP2001192243A JP 2001192243 A JP2001192243 A JP 2001192243A JP 2000000448 A JP2000000448 A JP 2000000448A JP 2000000448 A JP2000000448 A JP 2000000448A JP 2001192243 A JP2001192243 A JP 2001192243A
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plasticizer
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glass
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Kiyobumi Toyama
清文 遠山
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐候性、衝撃エネルギー吸収性、ガ
ラスとの接着性等の合わせガラスに必要な基本性能に優
れ、合わせガラス用中間膜としての成形性及び取扱性を
損なうことなく、コインシデンス効果によるTL値の低
下を防ぎ、且つ広い温度領域において優れた遮音性能を
長期安定的に発揮できる合わせガラス用中間膜及び合わ
せガラスを提供することを目的とする。 【解決手段】 ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを
含有する可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜よりなる合
わせガラス用中間膜であって、ポリビニルアセタール樹
脂100重量部に対する、合わせガラス用中間膜の厚さ
方向の中心部における可塑剤の含有量をA重量部とし、
また、上記合わせガラス用中間膜をガラス板の間に狭着
させて合わせガラスを作製した後の、合わせガラス用中
間膜の厚さ方向の中心部における可塑剤の含有量をB重
量部としたとき、B−A≧5となることを特徴とする合
わせガラス用中間膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた遮音性能を
有する合わせガラス用中間膜及びその中間膜を用いた合
わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一対のガラス板間に、可塑剤
により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂膜のよう
な合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させて得ら
れる合わせガラスは、破損時に破片が飛散せず安全性に
優れているとともに、遮音性にも優れているため、例え
ば自動車用等の交通車両の窓ガラスや建築物の窓ガラス
に広く用いられている。
【0003】一般に、遮音性能は、周波数の変化に応じ
た透過損失量として示され、その透過損失量は、JIS
A 4708では、図1に実線で示すように、500
Hz以上において遮音等級に応じてそれぞれ一定値で規
定されている。しかし、ガラス板の遮音性は、図1に波
線で示すように、2000Hzを中心とする周波数領域
ではコインシデンス効果により著しく低下する(図1の
波線の谷部が、コインシデンス効果による遮音性能の低
下に相当し、所定の遮音性能を保持しないことを示
す)。ここで、コインシデンス効果とは、ガラス板に音
波が入射したとき、ガラス板の剛性と慣性によって、ガ
ラス面上を横波が伝播してこの横波と入射音とが共鳴
し、その結果、音の透過が起こる現象をいう。上述した
従来の合わせガラスでは、2000Hzを中心とする周
波数領域において、かかるコインシデンス効果による遮
音性能の低下が避けられず、この点の改善が求められて
いる。
【0004】一方、人間の聴覚は、等ラウドネス曲線か
ら、1000〜6000Hzの範囲では他の周波数領域
に比べ非常に高い感度を示すことが知られており、コイ
ンシデンス効果による遮音性能の落ち込みを解消するこ
とが、防音性にとって極めて重要であることが判る。
【0005】このように、合わせガラスの遮音性能を向
上するには、上述したコインシデンス効果を緩和して、
コインシデンス効果によって生じる透過損失量の極小部
(以下、この極小部の透過損失量をTL値という、図1
参照)の低下を防ぐ必要がある。従来から、TL値の低
下を防ぐ手段として、合わせガラスの質量の増大、ガラ
スの複層化、ガラス面積の細分化、合わせガラス板の支
持手段の改善等、種々の方策が提案されている。しか
し、これらはいずれも十分に満足できる効果をもたらさ
ず、コスト面でも実用的に妥当な価格になっていない。
【0006】最近、遮音性能に対する要求はますます高
まり、例えば、建築用窓ガラスでは、常温付近で優れた
遮音性が要求される。すなわち、遮音性能が最も優れて
いる温度(遮音性能最大温度=TLmax温度)が常温
付近であり、且つ遮音性能の最大値(遮音性能最大値=
TLmax値)自体が大きいことが要求されている。同
様なことは、自動車用窓ガラスにおいても観られ、高速
走行時の風切り音やエンジン部からの振動等、遮音性が
要求されつつある箇所は多くなってきている。また、実
用上は、これら合わせガラスは低温域から高温域までの
幅広い環境温度の変化にさらされるため、室温付近のみ
ならず広い温度範囲での良好な遮音性能が要求されるこ
ととなる。
【0007】しかし、例えば、従来の可塑化ポリビニル
ブチラール樹脂膜を用いた合わせガラスは、遮音性能最
大温度が室温より高く、常温付近では遮音性能が良くな
いという問題点を有する。
【0008】上記問題点に対応するため、例えば、特開
平2−229742号公報には、ガラス転移温度15℃
以下の高分子膜、例えば塩化ビニル−エチレン−グリシ
ジルメタクリレート共重合体膜と可塑化ポリビニルアセ
タール膜との積層体からなる遮音性合わせガラスが開示
されている。しかし、このような合わせガラスは、JI
S A 4706による遮音等級で、Ts−35等級を
超える遮音性を示さず、また遮音性を示す温度範囲が限
定されており、広い温度範囲での良好な遮音性能を発揮
できない。
【0009】さらに、特開昭51−106190号公報
には、ガラス転移温度の異なる2種以上の樹脂を積層す
ることによって、広い温度領域で制振性を有する構成体
を得ることが提案されている。このような構成体は、広
い温度領域で制振性が改善されることは認められるが、
合わせガラスとして必要な遮音性、透明性などに関する
記述はなく、また、この構成体は安全ガラスとして必要
な高い衝撃エネルギー吸収性、ガラス破損時の飛散防止
性等の要件を満たすものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、透明性、耐候性、衝撃エネルギ
ー吸収性、ガラスとの接着性等の合わせガラスに必要な
基本性能に優れ、合わせガラス用中間膜としての成形性
及び取扱性を損なうことなく、コインシデンス効果によ
るTL値の低下を防ぎ、且つ広い温度領域において優れ
た遮音性能を長期安定的に発揮できる合わせガラス用中
間膜及び合わせガラスを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、発明1という)による合わせガラス用中間膜は、ポ
リビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含有する可塑化ポ
リビニルアセタール樹脂膜よりなる合わせガラス用中間
膜であって、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に
対する、合わせガラス用中間膜の厚さ方向の中心部にお
ける可塑剤の含有量をA重量部とし、また、上記合わせ
ガラス用中間膜をガラス板の間に狭着させて合わせガラ
スを作製した後の、合わせガラス用中間膜の厚さ方向の
中心部における可塑剤の含有量をB重量部としたとき、
B−A≧5となることを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明(以下、発明2とい
う)による合わせガラス用中間膜は、上記発明1による
合わせガラス用中間膜において、ポリビニルアセタール
樹脂がポリビニルブチラール樹脂であり、且つ、可塑剤
がトリエチレングリコールジ2−エチルブチレート、ト
リエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート及び
トリエチレングリコールジn−ヘプタノエートからなる
群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とす
る。
【0013】請求項3記載の発明(以下、発明3とい
う)による合わせガラスは、少なくとも一対のガラス間
に、上記発明1又は2による合わせガラス用中間膜を介
在させ、一体化させてなることを特徴とする。以下、本
発明を詳しく説明する。
【0014】本発明者らは、合わせガラスの遮音性能が
合わせガラス用中間膜(以下、単に中間膜という)の動
的粘弾性特性により左右され、特に貯蔵弾性率と損失弾
性率との比である損失正接に最も影響されることを見出
し、このことから、中間膜の損失正接を制御すること
で、合わせガラスの遮音性能を広い温度範囲で良好に維
持できるよう、鋭意検討を行った。中間膜の損失正接
は、中間膜のガラス転移温度(以下、Tgという)に影
響され、特に損失正接の最大値を示す温度域は、中間膜
のTg近傍に相当する。従って、例えば室温よりも低温
域の遮音性能を向上させるためには、中間膜のTgは室
温付近に位置することが望ましく、具体的には、中間膜
中の可塑剤の含有量を増加させる手法がよく用いられ
る。しかし、この場合、中間膜は非常に軟らかくなり、
中間膜としての力学特性、取扱性及び成形性が損なわれ
る。
【0015】そこで、さらに鋭意検討を続けた結果、中
間膜としての力学特性、取扱性及び成形性が損なわれる
ことなく、合わせガラスを作製した後に、中間膜のTg
が室温付近または、それ以下に位置し、室温付近また
は、それ以下での遮音性能が向上する中間膜を見出し、
本発明を完成するに至ったのである。
【0016】本発明の可塑化ポリビニルアセタール樹脂
膜(以下、単に樹脂膜という)に用いられるポリビニル
アセタール樹脂の製造方法としては、特に限定されず、
例えば、ポリビニルアルコール(以下、PVAという)
を熱水に溶解し、得られた水溶液を所定温度に保持しな
がら、これにアルデヒドと触媒とを加え、アセタール化
反応を完結させた後、中和、水洗及び乾燥を行ってポリ
ビニルアセタール樹脂の粉末を得る方法がある。
【0017】上記ポビニルアセタール樹脂の製造方法お
いて、PVAとしては、特に限定されないが、平均重合
度500〜5000のものが好ましく、平均重合度10
00〜3000のものがより好ましい。PVAの平均重
合度が500未満であると、合わせガラスとしての耐貫
通強度や衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがあ
り、逆にPVAの平均重合度が5000を超えると、樹
脂膜の成形が困難となることがあり、しかも樹脂膜及び
中間膜の強度が強くなりすぎて、得られる合わせガラス
の耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不十分となること
がある。
【0018】上記ポリビニルアセタール樹脂を得るのに
用いられるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−
ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアル
デヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルア
ルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等が
挙げられ、これらは単独で用いられてもよいし、2種類
以上が併用されてもよい。
【0019】こうして得られる各種ポリビニルアセター
ル樹脂としては、特に限定されないが、n−ブチルアル
デヒドでアセタール化して得られるポリビニルブチラー
ル樹脂(以下、PVBという)が、樹脂層及び中間膜の
透明性、耐候性、ガラスに対する接着性等がより優れた
ものとなるため好ましい。
【0020】本発明において用いられる樹脂膜は、可塑
剤により可塑化されたものであるが、上記可塑剤として
は、特に限定されず、例えば、一塩基酸エステル系、多
塩基酸エステル系等の有機エステル系可塑剤や、有機リ
ン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤が挙げら
れ、これらは単独で用いられてもよいし、2種類以上が
併用されてもよい。
【0021】具体的には、一塩基酸エステル系可塑剤と
しては、例えば、トリエチレングリコール、トリプロピ
レングリコール、テトラエチレングリコール等のグリコ
ール類と、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪
酸、ヘプタン酸、2−エチルヘキシル酸等の有機酸類と
の反応によって得られるグリコール系エステル等が挙げ
られる。
【0022】また、多塩基酸エステル系可塑剤として
は、例えば、炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状アルコー
ル類とアジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の有機
酸類との反応によって得られるエステル等が挙げられ
る。また、リン酸系可塑剤としては、トリブトキシエチ
ルフォスフェート、イソデシルフェニルホスフェート等
が挙げられる。
【0023】上記各種可塑剤のなかでも、トリエチレン
グリコールジ2−エチルブチレート(3GH)、トリエ
チレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(3G
O)、トリエチレングリコールジn−ヘプタノエート
(3G7)、トリエチレングリコールジカプリレート、
トリエチレングリコールジn−オクトエート、テトラエ
チレングリコールジ2−エチルブチレート、テトラエチ
レングリコールジn−ヘプタノエート、ジヘキシルアジ
ペート、ジベンジルフタレート等が好適に用いられ、3
GH、3GO、及び3G7からなる群より選ばれた少な
くとも1種の可塑剤が特に好適に用いられる。
【0024】本発明の樹脂膜において、上記可塑剤の含
有量は、特に限定されるものではないが、上記ポリビニ
ルアセタール樹脂100重量部に対し、30〜70重量
部であることが好ましい。可塑剤の含有量が30重量部
未満であると、ポリビニルアセタール樹脂の可塑化が不
十分となることがあり、逆に70重量部を超えると、得
られる上記樹脂膜及び中間膜の力学物性やガラスに対す
る接着力が不十分となることがある。
【0025】本発明においては、ポリビニルアセタール
樹脂100重量部に対する、合わせガラス用中間膜の厚
さ方向の中心部における可塑剤の含有量をA重量部と
し、また、上記合わせガラス用中間膜をガラス板の間に
狭着させて合わせガラスを作製した後の、合わせガラス
用中間膜の厚さ方向の中心部における可塑剤の含有量を
B重量部としたとき、B−A≧5となることが必要であ
る。このことは、中間膜中の可塑剤が、合わせガラスを
作製する工程を経た後に、中間膜の厚さ方向の中心部に
移行することにより、中間膜の厚さ方向の中心部には可
塑剤を多量に含有する領域が形成され、その領域が室温
付近(又は、室温以下付近)の遮音性能を向上させるこ
とを意味する。上記B−Aが5重量部未満では、中間膜
の取扱性と遮音性能との両立ができない。即ち、中間膜
の取扱性を重視すると、合わせガラスの遮音性能が劣
り、逆に、合わせガラスの遮音性能を重視すると、中間
膜の取扱性が劣ることとなる。
【0026】上述したように、合わせガラス作製前後に
おいて、中間膜の厚さ方向の中心部における可塑剤含有
量に差を持たせる方法としては、上記樹脂膜を複数積層
する方法が好適に用いられる。例えば、ポリビニルアセ
タール樹脂(A)100重量部と可塑剤(A)40重量
部とからなる樹脂膜(A)と、ポリビニルアセタール樹
脂(B)と可塑剤(B)50重量部とからなる樹脂膜
(B)とを作製し、樹脂膜(A)/樹脂膜(B)/樹脂
膜(A)のように三層に積層するか、又は樹脂膜(A)
/樹脂膜(B)/樹脂膜(A)/樹脂膜(B)/樹脂膜
(A)のように五層に積層する方法がある。ここで、ポ
リビニルアセタール樹脂(A)とポリビニルアセタール
樹脂(B)は、同一であっても、異なっていてもよく、
また可塑剤(A)と可塑剤(B)も、同一であっても、
異なっていてもよい。
【0027】本発明による中間膜の全体の厚みとして
は、通常用いられる厚みである0.3〜1.6mmが好
ましい。この厚みが大きい方が、より遮音性能に優れる
が、合わせガラスとして必要な耐貫通性等を考慮して、
実用上は上述した厚みの範囲が好適である。
【0028】本発明による中間膜の製造方法としては、
例えば、上記樹脂膜からなる各層を、それぞれ別々に成
形した後、これらをガラス板の間で積層させる方法や、
これらの各層を多層成形機を用いて一体成形させる方法
等の多様な成形方法が適用できる。
【0029】次に、発明3による合わせガラスは、少な
くとも一対のガラス間に、上記発明1又は2による合わ
せガラス用中間膜を介在させ、一体化させてなることが
必要である。
【0030】上記合わせガラスの製造方法としては、通
常の合わせガラスの製造に用いられる方法が採用され、
例えば、中間膜をその両側からガラス板で挟み、熱圧プ
レスにより合わせガラスを製造する方法等が挙げられ
る。
【0031】さらに、上記ガラスとしては、通常の無機
透明ガラスのみならず、例えば、ポリカーボネート板や
ポリメチルメタクリレート板のように、上述した可塑化
ポリビニルアセタール樹脂膜よりも剛性の高い透明体を
用いることもできる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【0033】(実施例1) (1)樹脂膜(A)の作製 PVB(ブチラール化度65.9モル%、アセチル基量
0.9モル%)100重量部に対し、可塑剤として3G
Hを40重量部添加して得れらた混合物を、ミキシング
ロールで十分に混練した。次に、この混練物の所定量
を、プレス成形機を用いて、150℃で30分間保持
し、厚み0.2mmの樹脂膜(A)を作製した。
【0034】(2)樹脂膜(B)の作製 PVB(ブチラール化度60.2モル%、アセチル基量
11.9モル%)100重量部に対し、可塑剤として3
GHを60重量部添加して得られた混合物を、ミキシン
グロールで十分に混練した。次に、この混練物の所定量
を、プレス成形機を用いて、150℃で30分間保持
し、厚み0. 4mmの樹脂膜(B)を作製した。
【0035】(3)中間膜及び合わせガラスの作製 (1)及び(2)で得られた樹脂膜(A)と樹脂膜
(B)とを、積層される構成が、樹脂膜(A)/樹脂膜
(B)/樹脂膜(A)になるように積み重ね、3層中間
膜を得た。次いで、この中間膜を、1辺が300mmの
正方形で、厚み3mmのフロートガラス2枚で両側から
挟み、これをゴムバッグ内へ入れ、2.7kPaの真空
度で20分間脱気した後、脱気状態のままでオーブンに
移し、90℃で30分間保持して真空プレスした。この
ようにして予備圧着された合わせガラスを、オートクレ
ーブ内で圧力1.2MPa、温度135℃の条件で本圧
着し、透明な合わせガラスを得た。
【0036】(4)評価 (3)で得られた中間膜及び合わせガラスの性能を以下
の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであっ
た。
【0037】1)可塑剤含有量 可塑剤の含有量の測定は、特開平6−273327号公
報に記載されているように、可塑化樹脂膜の屈折率より
算出する方法を採用した。即ち、あらかじめ可塑剤含有
量が明らかな樹脂膜を複数種用意し(40、45、5
0、55、60重量部)、これら樹脂膜の屈折率を、ア
ッベ屈折計( アタゴ社製) を用いて25℃で測定し、得
られた屈折率と可塑剤含有量との関係を示す検量線を作
成した。次いで、実際の樹脂膜の屈折率を25℃で測定
し、作成した検量線より、可塑剤含有量を算出した。本
発明では、中間膜の厚さ方向の中心部における可塑剤の
含有量(A重量部)を求めるため、得られた中間膜から
約2cm角の試料を採取し、ナイフ刃でこの試料の厚さ
方向の中心部断面を切り出して屈折率を測定した。合わ
せガラスを作製した後の中間膜の厚さ方向の中心部にお
ける可塑剤の含有量(B重量部)は、得られた合わせガ
ラスを室温で4日間放置し、その後に合わせガラスの一
端部から幅3cmの短冊状片を切り出し、この短冊状合
わせガラスより、中間膜を抜き出し、中間膜の厚さ方向
の中心部断面をナイフ刃で切り出して屈折率を測定し
た。次いで、測定した屈折率の値より、検量線を用いて
可塑剤含有量を算出した。
【0038】2)中間膜の取扱性 中間膜を手で触った感触を調べ、ベタつきがなく問題な
いものと、ベタつきがあるものとに分けて、取扱性を評
価した。
【0039】3)遮音性能 所定温度において、合わせガラスをダンピング試験用の
振動発生機(振研社製加振機、「G21−005D」)
により加振し、それにより得られる振動特性を、機械イ
ンピーダンスアンプ(リオン社製、「XG−81」)に
て増幅し、振動スペクトルをFFTアナライザー(横河
ヒューレットパッカー社製、「FFTスペクトラムアナ
ライザー、HP−3582AA」)にて解析した。ここ
で得られた損失係数と、ガラスとの共振周波数の比とか
ら透過損失を算出した。この透過損失の、周波数200
0Hz近辺における極小値をTL値として評価した。ま
た、測定温度は、0〜+30℃の間、10℃間隔にて行
った。
【0040】(実施例2)樹脂膜(A)の作製におい
て、PVBとしてブチラール化度68.9モル%、アセ
チル基量0.9モル%、可塑剤として3GOを39重量
部用い、また、樹脂膜(B)の作製において、PVBと
してブチラール化度63.6モル%、アセチル基量1
3.0モル%、可塑剤として3GOを60重量部用いた
こと以外は、実施例1と同様にして、中間膜及び合わせ
ガラスを得た。
【0041】(実施例3)樹脂膜(A)の作製におい
て、PVBとしてブチラール化度68.9モル%、アセ
チル基量0.9モル%、可塑剤として3G7を40重量
部用い、また、樹脂膜(B)の作製において、PVBと
してブチラール化度63.6モル%、アセチル基量1
3.0モル%、可塑剤として3G7を60重量部用いた
こと以外は、実施例1と同様にして、中間膜及び合わせ
ガラスを得た。
【0042】(比較例1)実施例1で用いた樹脂膜
(A)を、厚さ0.8mmの厚さにプレス成形して中間
膜を得た。これを用い実施例1と同様にして、合わせガ
ラスを得た。
【0043】(比較例2)実施例1で用いた樹脂膜
(B)を、厚さ0. 8mmの厚さにプレス成形して中間
膜を得た。これを用い実施例1と同様にして、合わせガ
ラスを得た。
【0044】(比較例3)樹脂膜(A)の作製におい
て、PVBとしてブチラール化度65.9モル%、アセ
チル基量0.9モル%、可塑剤として3GOを40重量
部用い、また、樹脂膜(B)の作製において、PVBと
してブチラール化度60.2モル%、アセチル基量1
1.9モル%、可塑剤として3GOを60重量部用いた
こと以外は、実施例1と同様にして、中間膜及び合わせ
ガラスを得た。
【0045】実施例2、3及び比較例1〜3で得られた
中間膜及び合わせガラスの性能を実施例1の場合と同様
にして評価した。その結果は表1に示すとおりであっ
た。
【0046】
【表1】
【0047】表1から明らかなように、本発明による実
施例の中間膜及び合わせガラスは、中間膜の取扱性に問
題がなく、また、TL値の低下がなく、且つ広い温度領
域において優れた遮音性能を発揮できる。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による合わせ
ガラス用中間膜及びそれを用いた合わせガラスは、合わ
せガラス用中間膜としての成形性及び取扱性を損なうこ
となく、コインシデンス効果によるTL値の低下を防
ぎ、且つ広い温度領域において優れた遮音性能を長期安
定的に発揮できる。従って、自動車等の車輌用や建築用
等の窓ガラス用等として好適に用いられる。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による遮音性能の評価において、周波数
による透過損失の変化を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを
    含有する可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜よりなる合
    わせガラス用中間膜であって、ポリビニルアセタール樹
    脂100重量部に対する、合わせガラス用中間膜の厚さ
    方向の中心部における可塑剤の含有量をA重量部とし、
    また、上記合わせガラス用中間膜をガラス板の間に狭着
    させて合わせガラスを作製した後の、合わせガラス用中
    間膜の厚さ方向の中心部における可塑剤の含有量をB重
    量部としたとき、B−A≧5となることを特徴とする合
    わせガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアセタール樹脂が、ポリビニ
    ルブチラール樹脂であり、且つ、可塑剤がトリエチレン
    グリコールジ2−エチルブチレート、トリエチレングリ
    コールジ2−エチルヘキサノエート及びトリエチレング
    リコールジn−ヘプタノエートからなる群より選ばれた
    少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の
    合わせガラス用中間膜。
  3. 【請求項3】 少なくとも一対のガラス間に、請求項1
    又は2記載の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化
    させてなることを特徴とする合わせガラス。
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