JPH06115980A - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents

合わせガラス用中間膜

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JPH06115980A
JPH06115980A JP4267148A JP26714892A JPH06115980A JP H06115980 A JPH06115980 A JP H06115980A JP 4267148 A JP4267148 A JP 4267148A JP 26714892 A JP26714892 A JP 26714892A JP H06115980 A JPH06115980 A JP H06115980A
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Japan
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resin
ethylene groups
group
mol
polyvinyl acetal
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JP4267148A
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Naoki Ueda
直樹 植田
Kenichi Asahina
研一 朝比奈
Hiroko Minamino
裕子 南野
Hirobumi Omura
博文 尾村
Jiro Miyai
二郎 宮井
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
    • B32B17/06Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
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    • B32B17/10761Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer containing vinyl acetal
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B32B2307/10Properties of the layers or laminate having particular acoustical properties
    • B32B2307/102Insulating

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  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アセタール基が結合しているエチレン基とア
セチル基が結合しているエチレン基との和の全エチレン
基に対するモル分率が70〜94モル%であり、アセチ
ル基が結合しているエチレン基の全エチレン基に対する
モル分率が4モル%以下である可塑化ポリビニルアセタ
ール樹脂(A) の層(A) と、アセタール基が結合している
エチレン基とアセチル基が結合しているエチレン基との
和の全エチレン基に対するモル分率が樹脂(A) の対応す
る値より5モル%以上低く、アセチル基が結合している
エチレン基の全エチレン基に対するモル分率が4モル%
以下である可塑化ポリビニルアセタール樹脂(B) の層
(B) とより成る合わせガラス用中間膜である。 【効果】 音エネルギーが効果的に熱エネルギーに変換
吸収され、優れた遮音性能が発揮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広い温度範囲で優れた
遮音性を発揮する合わせガラス用中間膜に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、一対のガラス板間に樹脂膜をサ
ンドイッチしてなる合わせガラスは、破損時に破片が飛
散しなくて安全性に優れているため、たとえば、自動車
等の交通車両の窓ガラスや建築物の窓ガラス等に広く用
いられている。
【0003】こうした合わせガラス用の中間膜のうち、
可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール
の樹脂膜は、ガラスとの優れた接着性、強靭な引っ張り
強度、高い透明性等を兼ね備えており、この膜を用いて
構成した合わせガラスは特に車両用窓ガラスとして好適
である。
【0004】一般に、遮音性能は、周波数の変化に応じ
た透過損失量として示され、その透過損失量は、JIS
A4708では、図1中に実線で示するように、50
0Hz以上において遮音等級に応じてそれぞれ一定値で
規定されている。ところで、ガラス板の遮音性は、図1
中に破線で示すように、2000Hzを中心とする周波
数領域ではコインシデンス効果により著しく低下する
(図1中の破線の谷部がコインシデンス効果による遮音
性能の低下に相当し、所定の遮音性能を保持しないこと
を示す)。ここでコインシデンス効果とは、ガラス板に
音波が入射したとき、ガラス板の剛性と慣性によって、
ガラス面上を横波が伝導して横波と入射音とが共鳴し、
その結果音の透過が起こる現象をいう。
【0005】従来の合わせガラスは、破片の飛散防止の
面では優れているものの、遮音性の面では2000Hz
を中心とする周波数領域において、やはりコインシデン
ス効果による遮音性の低下が避けられず、この点の改善
が求められている。
【0006】一方、人間の聴覚は、等ラウドネス曲線か
ら1000〜6000Hzの範囲では他の周波数領域に
比べ非常に高い感度を示すことが知られており、コイン
シデンス効果による遮音性能の落ち込みを解消すること
が防音にとって極めて重要であることが判る。
【0007】合わせガラスの遮音性能を向上するには、
上記の如きコインシデンス効果を緩和して、コインシデ
ンス効果によって生ずる透過損失量の極小部(以下、こ
の極小部の透過損失量をTL値という、図1参照)の低
下を防ぐ必要がある。
【0008】従来、TL値の低下を防ぐ手段として、合
わせガラスの質量の増大、ガラス面積の細分化等、種々
の方策が提案されている。しかし、これらはいずれも充
分に満足できる効果をもたらさない上に、コスト的にも
実用的に採用するに妥当な価格になっていない。
【0009】遮音性能に対する要求は最近増々高まり、
たとえば建築用窓ガラスとしては、季節ごとの外気温度
の変化に影響されないで常時優れた遮音性能を発揮する
ものが要求されるようになってきている。
【0010】合わせガラスの遮音性能の向上を企図した
中間膜の先行技術としては、たとえば次のものがある。
【0011】特公昭46−5830号公報には、通常の
中間膜の流動度より約3倍高い流動度を有する樹脂、た
とえばポリビニルブチラールからなる中間膜が記載され
ている。
【0012】特開昭60−27630号公報には、初期
での遮音性を上げる方策として、ポリ塩化ビニル樹脂に
可塑剤を含有させた中間膜が提案されている。
【0013】また、特開昭51−106190号公報に
は、ガラス転移温度の異なる2種以上の樹脂を積層する
ことによって、広い温度領域で制振性を有する構成体を
得ることが提案されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】これら先行技術の遮音
性合わせガラス用中間膜のうち、特公昭46−5830
号記載の遮音性中間膜は、合わせガラスの遮音性の絶対
値が低いという大きな問題を有する。
【0015】特開昭60−27630号記載の遮音性中
間膜は、遮音性はよいものの、合わせ加工において、そ
の加工条件をポリビニルブチラール系中間膜の条件と変
更する必要があった。ポリビニルブチラール系中間膜
は、現在依然として、合わせガラス中間膜用素材の主流
をなし、合わせ加工工程の予備接着条件は、ポリビニル
ブチラール系中間膜の条件に設定されているのが現状で
ある。
【0016】また、特開昭51−106190号記載の
構成体については、ガラス転移温度の異なる2種以上の
樹脂層を積層することにより、広い温度領域で制振性が
改善されることは認められる。しかし、安全ガラスとし
て必要な高い衝撃エネルギー吸収性、ガラス破損時の飛
散防止性等の要件はまだ満足なものではなかった。
【0017】また、この構成体では、両樹脂層の界面で
の物質移動が生じて遮音性が低下する恐れがあるなど、
長期間の耐久性に問題があり、さらに両樹脂層の界面で
の接着強度が異種材料のため良好ではなかった。
【0018】本発明の目的は、上記の点に鑑み、合わせ
ガラス用中間膜として使用した場合、透明性、耐候性、
衝撃エネルギー吸収性、樹脂層界面での接着性、ガラス
との接触性等の合わせガラスに必要な基本性能を損なう
ことなく、コインシデンス効果の緩和によってTL値を
高め、かつ、広い温度領域で優れた遮音性能を有する中
間膜を提供するにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、合わせガ
ラス用中間膜としてすでに用いられている、ポリビニル
ブチラールと可塑剤とからなる樹脂膜が、透明性、耐候
性、衝撃エネルギー吸収性、ガラスとの接着性等のバラ
ンスのとれた特性を備えている点に着目し、この良好な
特性を損なうことなく遮音性を向上させるべく、上記組
成の中間膜の改良を鋭意検討した。その結果、特定のア
セタール基量およびアセチル基量を有するポリビニルア
セタール樹脂と可塑剤とからなる2種の樹脂層をそれぞ
れ少なくとも1枚積層し、この積層体を2枚のガラス板
でサンドイッチすることにより、コインシデンス効果の
緩和によってTL値を高め、かつ、広い温度領域で優れ
た遮音性能を有する中間膜が得られることを知見し、本
発明を完成した。
【0020】すなわち、本発明による合わせガラス用中
間膜は、アセタール基の炭素数が4〜6であり、かつ、
アセタール基が結合しているエチレン基とアセチル基が
結合しているエチレン基との和の、主鎖の全エチレン基
に対するモル分率が70〜94モル%であると共に、ア
セチル基が結合しているエチレン基の、主鎖の全エチレ
ン基に対するモル分率が4モル%以下であるポリビニル
アセタール樹脂(A) と可塑剤とからなる少なくとも1つ
の層(A) と、アセタール基の炭素数が4〜6であり、か
つ、アセタール基が結合しているエチレン基とアセチル
基が結合しているエチレン基との和の、主鎖の全エチレ
ン基に対するモル分率が樹脂(A) の対応する値より5モ
ル%以上低く、アセチル基が結合しているエチレン基
の、主鎖の全エチレン基に対するモル分率が4モル%以
下であるポリビニルアセタール樹脂(B) と可塑剤とから
なる少なくとも1つの層(B) とで構成されている、遮音
性中間膜である。
【0021】ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニル
アルコールをアルデヒドでアセタール化することにより
得られ、通常、主鎖のエチレン基にアセタール基とアセ
チル基と水酸基を有する。
【0022】ポリビニルアセタール樹脂の製造原料であ
るポリビニルアルコールの平均重合度は、好ましくは5
00〜3000である。この重合度が500未満である
と、合わせガラスの耐貫通性が劣り、3000を超える
と強度が大き過ぎて安全ガラスとして通常は用いられな
いからである。より好ましい重合度は1000〜250
0である。
【0023】アセタール基の炭素数が4〜6であるポリ
ビニルアセタール樹脂を得るのに用いられる炭素数4〜
6のアルデヒドとしては、n−ブチルアルデヒド、イソ
ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘキシルア
ルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド等が単独あるい
は適宜組み合わせて用いられる。アルデヒドの炭素数が
4未満の場合は十分な遮音性能を得ることができない。
炭素数が6を超えたアルデヒドはアセタール化の反応性
に著しく乏しく、しかも得られた中間膜は室温付近での
遮音性能を十分に発揮しない。
【0024】より好ましいアルデヒドとしては、n−ブ
チルアルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘキシルアル
デヒド等が用いられる。特にn−ブチルアルデヒドを用
いることが好ましい。n−ブチルアルデヒドの使用によ
り、積層膜を構成する各層間の接着強度がより強くなさ
れ、かつ、従来のブチラール樹脂の合成方法と同様にし
てポリビニルアセタール樹脂を得ることができる。n−
ブチルアルデヒドを用いる場合、これ以外のアルデヒ
ド、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エ
チルブチルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−
ノニルアルデヒド、n−ドデシルアルデヒド等の単独あ
るいは混合物を、全ブチラール部分に対し10重量%以
内でn−ブチルアルデヒドと併用することもできる。
【0025】ポリビニルアセタール樹脂(A) および(B)
として、それぞれ、ポリビニルアルコールを上記アルデ
ヒドでアセタール化して得られた2種以上のポリビニル
アセタール樹脂の混合物を用いても、また、全アセター
ル部分に対して、30重量%を超えない範囲で上記アル
デヒド以外のアルデヒドを併用してアセタール化を行っ
て得られたポリビニルアセタール樹脂を用いても、本発
明の範囲を逸脱するものではない。
【0026】ポリビニルアセタール樹脂(A) において、
アセタール基が結合しているエチレン基とアセチル基が
結合しているエチレン基との和の、主鎖の全エチレン基
に対するモル分率は、70〜94モル%に限定される。
その理由は、この値が70モル%以下であると、室温付
近において良好な遮音性能が発揮されず、94モル%以
上では、合わせガラス用中間膜に必要なガラスとの接着
性、力学的強度等が低下するからである。ポリビニルア
セタール樹脂(A) において、アセタール基が結合してい
るエチレン基とアセチル基が結合しているエチレン基と
の和の、主鎖の全エチレン基に対するモル分率の特に好
ましい値は、73〜90モル%である。
【0027】他方、ポリビニルアセタール樹脂(B) にお
いて、アセタール基が結合しているエチレン基とアセチ
ル基が結合しているエチレン基との和の、主鎖の全エチ
レン基に対するモル分率は、樹脂(A) の対応する値より
5モル%以上低い値に限定される。その理由は、この値
が樹脂(A) の対応する値より5モル%以上低くないと、
ポリビニルアセタール樹脂(A) と樹脂(B) の各動的粘弾
性的特性が近似しているため、広い温度領域において良
好な遮音性能を得ることができないからである。ポリビ
ニルアセタール樹脂(B) において、アセタール基が結合
しているエチレン基とアセチル基が結合しているエチレ
ン基との和の、主鎖の全エチレン基に対するモル分率の
特に好ましい値は60モル%以上であり、かつ、樹脂
(A) の対応する値より7モル%低い値である。
【0028】ポリビニルアセタール樹脂(A) および樹脂
(B) において、アセチル基が結合しているエチレン基
の、主鎖の全エチレン基に対するモル分率は4モル%以
下に限定される。その理由は、この量が4モル%以上で
は耐熱性、耐候性等が十分に発揮されないからである。
ポリビニルアセタール樹脂において、アセチル基が結合
しているエチレン基の、主鎖の全エチレン基に対するモ
ル分率の特に好ましい値は、0〜2モル%である。
【0029】この発明において、ポリビニルアセタール
樹脂(A) および樹脂(B) を製造する方法としては、例え
ば、ポリビニルアルコールを熱水に溶解し、得られたポ
リビニルアルコール水溶液を所定温度に保持したのち、
これにアルデヒドと触媒を加え、アセタール化反応を進
行させ、その後、反応液を所定温度で高温保持した後に
中和、水洗、乾燥の諸工程を経て、アセタール化度約8
0モル%以下のポリビニルアセタール樹脂粉末を得る方
法がある。
【0030】また、アセタール化度約80モル%以上の
高アセタール化ポリビニルアセタール樹脂を得る方法と
しては、例えば、上記の如くポリビニルアルコールを触
媒の存在下アルデヒドとアセタール化反応させ、アセタ
ール化度が50モル%を越えた段階で、反応溶媒とし
て、DMSO、トルエン、キシレン、四塩化炭素のうち
の少なくとも1つを30重量%以上含む溶媒を使用し、
反応温度55℃以上で反応を進行させ、その後、反応液
を所定温度で高温保持した後に中和、水洗、乾燥の諸工
程を経て、ポリビニルアセタール樹脂粉末を得る方法が
ある。
【0031】ポリビニルアセタール樹脂(A) および樹脂
(B) に添加される可塑剤としては、一塩基酸エステル、
多塩基酸エステル等の有機系可塑剤や、有機リン酸系、
有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤が用いられる。
【0032】一塩基酸エステルの中では、トリエチレン
グリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチ
ル酪酸、ヘプタン酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキ
シル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の
有機酸との反応によって得られたグリコール系エステル
が好ましい。その他、テトラエチレングリコール、トリ
プロピレングリコールと上記の如き有機酸とのエステル
も用いられる。
【0033】多塩基酸エステルとしては、アジピン酸、
セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸と炭素数4〜8の
直鎖状または分枝状アルコールとのエステルが好まし
い。
【0034】また、リン酸系可塑剤としては、トリブト
キシエチルフォスフェート、イソデシルフェニルホスフ
ェート、トリイソプロピルホスファイト等が好ましい。
【0035】特に好適な例としては、一塩基酸エステル
では、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレ
ート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソ
エート、トリエチレングリコール−ジカプロネート、ト
リエチレングリコール−ジn−オクトエート等が挙げら
れ、二塩基酸エステルとしては、ジブチルセバケート、
ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペー
ト等が挙げられる。
【0036】層(A) の可塑剤の添加量は、ポリビニルア
セタール樹脂(A) 100重量部に対して30〜70重量
部であることが好ましい。可塑剤の添加量が30重量部
未満であると遮音性能が十分に得られず、また70重量
部を超えると可塑剤がブリードアウトして合わせガラス
の透明性や中間膜とガラス板との接着性を損なうことが
ある。特に好ましい添加量は、35〜65重量部であ
る。
【0037】層(B) の可塑剤の添加量は、ポリビニルア
セタール樹脂(B) 100重量部に対して25〜55重量
部であることが好ましい。可塑剤の添加量が25重量部
未満であると耐貫通性が低下し、逆に55重量部を超え
ると可塑剤がブリードアウトして合わせガラスの透明性
や中間膜とガラス板との接着性を損なうことがある。特
に好ましい添加量は、30〜45重量部である。
【0038】この発明による中間膜では、各ポリビニル
アセタール樹脂層の耐候性を向上させるために通常使用
される紫外線吸収剤(i) 、樹脂膜とガラス板との接着力
を調整するのに通常用いられる添加剤(ii)、ポリビニル
アセタールの劣化を防止するための安定剤(iii) 、紫外
線に対する樹脂層の安定性向上のための紫外線安定剤(i
v)、樹脂層の熱安定性向上のための酸化防止剤(v) 等
が、ポリビニルアセタールと可塑剤との混合時、または
ポリビニルアセタールの製造過程において、必要に応じ
て適宜添加される。
【0039】(i) 紫外線吸収剤としては、有効紫外線吸
収波長が300〜340nmである紫外線吸収剤が好ま
しい。紫外線吸収剤はベンゾトリアゾール系、ベンゾフ
ェノン系、シアノアクリレート系等に分類される。
【0040】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、2−(2' −ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−5' −
t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'
−ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−t−ブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3'−
t−ブチル−5' −メチルフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' ,5'
−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−t
−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2' −
ヒドロキシ−3' −(3'',4'',5'',6''−テトラ
ヒドロフタルイミドメチル)−5' −メチルフェニル]
ベンゾトリアゾール等が例示される。
【0041】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデ
シルオキシベンゾフェノン、2,2' −ジヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2,2' −ジヒドロキシ
−4,4' −ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等が例示
される。
【0042】シアノアクリレート系紫外線吸収剤として
は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3' −ジフ
ェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3' −
ジフェニルアクリレート等が例示される。
【0043】紫外線吸収剤の添加量はポリビニルアセタ
ール樹脂100重量部に対し0.01〜5重量部である
ことが好ましい。この添加量が0.01重量部未満であ
ると十分な耐候性を得ることができない場合があり、ま
た5重量部以上であると中間膜の強度の低下、合わせガ
ラスの全光線透過率の低下等が生じるため、合わせガラ
ス用の中間膜として基本的な機能が損なわれる場合があ
る。
【0044】(ii)添加剤としては、カルボン酸の金属
塩、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻
酸等のカリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩、カル
シウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、亜鉛、
コバルト塩等が用いられる。
【0045】(iii) 安定剤としては、界面活性剤、例え
ばラウリル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン
酸等が用いられる。
【0046】(iv)紫外線安定剤としては、ヒンダードア
ミン系や金属錯塩系の紫外線安定剤が好適に用いられ
る。
【0047】ヒンダードアミン系では、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレー
ト、Sanol LS−770、Sanol LS−7
65、Sanol LS−2626、Chimasso
b944LD、Thinuvin−662、Thinu
vin−622LD、Mark LA−57、Mark
LA−77、Mark LA−62、Mark LA
−67、Mark LA−63、Mark LA−6
8、Mark LA−82、Mark LA−87、G
oodrite UV−3404等が例示される。
【0048】金属錯塩系の紫外線安定剤としてはニッケ
ル[2,2′−チオビス(4−t−オクチル)フェノレ
ート]−n−ブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカ
ルバメート、ニッケルビス[o−エチル−3,5−(ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)]ホスフェー
ト、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェート、
[1−フェニル−3−メチル−4−デカノニル−ピラゾ
レート(5)2 ]ニッケル等が例示される。
【0049】紫外線安定剤の添加量は0.01〜3重量
部用いることが好ましい。この添加量が0.01重量部
以下であると十分な安定効果が得られず、3重量部以上
では合わせガラスの全光線透過率の低下、中間膜の物性
の低下等が生じる場合がある。紫外線安定剤の特に好ま
し位添加量は0.1〜1.5重量部である。
【0050】(v) 酸化防止剤としては、フェノール系、
硫黄系、リン系等が挙げられる。特に2.6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロキ
シアニゾール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−4
−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−ブ
チルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオ
ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4′−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチ
ル−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テ
トラキス[メチレン−3−(3′,5′−ブチル−4′
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,
1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
t−ブチルフェノール)ブタン、1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,3′−ビ
ス−(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェノー
ル)ブチリックアシッド)グリコールエステル等が好適
に用いられる。
【0051】酸化防止剤は0.05〜3重量部添加する
ことが好ましい。酸化防止剤の添加量が0.05重量部
未満であると十分な酸化防止能力が得られず、3重量部
以上では全光線透過率や中間膜の物性の低下を来たすこ
とがある。酸化防止剤の特に好ましい添加量は0.2〜
1.5重量部である。
【0052】層の積層構成例として次のものがある: (1) 層(A) /層(B) の2層積層構成、 (2) 層(A) /層(B) /層(A) 、層(B) /層(A) /層
(B) 等の3層積層構成、 (3) 層(B) /層(A) /層(B) /層(A) 等の4層積層構
成。
【0053】上記3層以上の多層構成においては、積層
構成は/層(A) /層(B) /層(B) のごとき非対称構成で
あってもよい。
【0054】また、この発明による中間膜は、可塑剤の
移行により合わせガラス用中間膜としての特性が損なわ
れることがない層(C) 、例えば、無装飾のもしくは装飾
印刷を施したポリエチレンテレフタレートフィルムを積
層したものであってもよい。こうした中間膜の積層構成
の例としては、次のものがある: (4) 層(A) /層(C) /層(B) 等の3層積層構成、 (5) 層(B) /層(C) /層(B) /層(A) 、層(B) /層
(A) /層(C) /層(A) 等の4層積層構成。
【0055】層(A) の厚み(複数枚の場合合計の厚み)
は0.05mm以上であることが好ましくい。0.05
mm未満では遮音性能を発揮するのに十分ではない。
【0056】層(B) の厚み(複数枚の場合合計の厚み)
は、遮音性の発現には大きな影響を与えるものではない
が、合わせガラスとして必要な耐貫通性の点を考慮して
0.2mm以上であることが好ましい。
【0057】中間膜全体の厚みは、通常の合わせガラス
用中間膜としての厚みである0.3〜1.6mmが好ま
しい。中間膜全体の厚みは、大きい方がより遮音性に優
れるが、合わせガラスとして必要な耐貫通性の点を考慮
して上記範囲で適宜決定される。
【0058】製膜方法としては、例えば、各層をそれぞ
れ別々に成形したのちこれらをガラス板の間に積層させ
る方法、各層を多層成形機を用いて一体成形させる方法
等、多様な成形方法が適用できる。
【0059】中間膜をガラス板間にサンドイッチして合
わせガラスを製造するには、通常の合わせガラスの製造
に用いられる方法が採用される。例えば、膜をその両側
からガラス板で挾み込み、熱圧プレスにより合わせガラ
スを製造する方法が行われる。
【0060】さらに、ガラス以外の透明体、例えばポリ
カーボネート樹脂のように、本ポリビニルアセタール可
塑化物より剛性の高い透明体で本発明の中間膜をサンド
イッチしてもよい。また、通常の合わせガラスは2枚の
ガラス板で中間膜をサンドイッチしたものであるが、耐
貫通性および耐衝撃性の更なる向上を企図して、3枚以
上のガラス板を用いて、たとえば、ガラス板/中間膜/
ガラス板/中間膜/ガラス板等の積層構成を有する合わ
せガラスを得る場合もある。
【0061】
【実施例】以下、本発明の実施例およびこれと比較すべ
き比較例をいつくか挙げ、さらに得られた合わせガラス
の性能を示す。
【0062】ポリビニルブチラール樹脂のアセタール化
度の測定方法は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(NM
R)により、次の手法で行った。すなわち、ベンゼン・
ジメチルスルホキシド(9:1)中の2重量%ポリビニ
ルブチラール樹脂溶液を調製し、少量のテトラメチルシ
ラン[(CH3 4 Si]を標準物質として添加し、温
度70℃でスペクトル測定を行った。
【0063】また、ポリビニルアセタール樹脂のアセチ
ル基量(アセチル基が結合しているエチレン基の、主鎖
の全エチレン基に対するモル%)は、JIS「ポリビニ
ルアセタール試験方法」(K−6728−1977)に
おける組成分析の項の「ビニルアセタール」の試験方法
に準拠して測定した。
【0064】遮音性の測定は次のように行った。すなわ
ち、実施例および比較例の各合わせガラスについて、通
常の片持ち梁法により損失係数と、曲げ剛性を測定し、
これら測定値から透過損失を算出した(測定温度:10
℃、20℃、30℃、40℃)。この結果に基づき、周
波数2000Hz近辺における極小の透過損失量をもっ
てTL値とした。
【0065】実施例1 <樹脂(A) の調製>純水2900gに、重合度170
0、鹸化度99.2モル%のポリビニルアルコール19
2gを加えて加温溶解した。反応系を12℃に温度調節
し、35重量%塩酸201gとn−ブチルアルデヒド1
39gを加えて、ポリビニルアセタールを析出させた。
その後、反応系を温度50℃で5時間保持し、反応を完
了させた。過剰の水での洗浄により、未反応アルデヒド
を洗い流し、塩酸触媒を中和し、塩を除去した後、乾燥
を経て、ポリビニルアセタール樹脂(A) の白色粉末を得
た。
【0066】このポリビニルアセタール樹脂(A) のアセ
タール化度は、73.1モル%であり、アセチル基量は
0.8モル%であった。
【0067】<膜(A) の調製>上記ポリビニルアセター
ル(A) を50g採取し、これに可塑剤としてトリエチレ
ングリコール−ジ−2−エチルブチレート20g(40
重量部)を加え、この配合物をミキシングロールで十分
に混練し、混練物の所定量をプレス成形機で150℃で
30分間保持した。こうして厚み0.30mmの膜(A)
を作製した。
【0068】<樹脂(B) の調製>純水2910gに、重
合度1700、鹸化度99.2モル%のポリビニルアル
コール190gを加えて加温溶解した。反応系を12℃
に温度調節し、35重量%塩酸201gとn−ブチルア
ルデヒド124gを加えて、ポリビニルアセタールを析
出させた。その後、反応系を温度50℃で4時間保持
し、反応を完了させた。過剰の水での洗浄により、未反
応アルデヒドを洗い流し、塩酸触媒を中和し、塩を除去
した後、乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂(B) の
白色粉末を得た。
【0069】このポリビニルアセタール樹脂(B) のアセ
タール化度は66.3モル%であり、アセチル基量は
0.8モル%であった。
【0070】<膜(B) の調製>上記ポリビニルアセター
ル樹脂(B) を50g採取し、これに可塑剤としてトリエ
チレングリコール−ジ−2−エチルブチレート20g
(40重量部)を加え、この配合物をミキシングロール
で十分に混練し、混練物の所定量をプレス成形機で15
0℃で30分間保持した。こうして厚み0.25mmの
膜2枚を作製した。
【0071】<合わせガラスの作製>ポリビニルアセタ
ール樹脂(A) から得られた1枚の膜と、ポリビニルアセ
タール樹脂(B) から得られた2枚の膜とを、積層構成が
層(B) /層(A) /層(B) になるように、重ね合わせて、
3層の積層中間膜を得た。この中間膜をそれぞれ1辺3
0cmの正方形の厚み3mmの2枚のフロートガラスで両
側からサンドイッチし、この未圧着サンドイッチ体をゴ
ムバッグへ入れ、20torrの真空度で20分間脱気した
後、脱気状態のまま90℃のオーブンに移し、この温度
を30分間保持した。こうして真空プレスにより仮接着
したサンドイッチ体を、ついでオートクレーブ中で圧力
12kg/cm2 、温度135℃で熱圧着処理し、透明な合
わせガラスを作製した。
【0072】実施例2〜5 表1に示すように、この発明の範囲内において、アセタ
ール化度およびアセチル基量の異なるポリビニルアセタ
ール樹脂(A) およびポリビニルアセタール樹脂(B) を調
製し、可塑剤の添加量を変えて中間膜を調製し、さらに
層厚および積層構成を変えて合わせガラスを作製した。
【0073】実施例6 <樹脂(A) の調製> 工程i) 純水2900gに、重合度1740、鹸化度
98.3モル%のポリビニルアルコール200gを加え
て加温溶解した。反応系を9℃に温度調節し、35重量
%塩酸196g(全系対比1.98重量%)とn−ヘキ
シルアルデヒド216g(ポリビニルアルコールと等モ
ル%)を加えて、ポリビニルアセタールを析出させた。
その後、反応系を温度50℃で5時間保持し、反応を完
了させた。過剰の水での洗浄により未反応アルデヒドを
洗い流し、塩酸触媒を中和し、塩を除去した後、乾燥を
経て、ポリビニルアセタール樹脂(A) の白色粉末を得
た。
【0074】このポリビニルアセタール樹脂(A) のアセ
タール化度は、71.2モル%であった。
【0075】工程ii) 次に、このポリビニルブチラー
ル樹脂60g(全系対比3重量%)を、1000gのD
MSOと800gのキシレンからなる混合溶剤に、25
℃で溶解させた。その後、35重量%塩酸溶液115g
(全系対比1.94重量%)、n−ヘキシルアルデヒド
130g(ポリビニルアルコールの2倍モル%)を、次
のように添加した。まずn−ヘキシルアルデヒドを溶液
に一括投入した後、約5分間の攪拌により十分に混合
し、ついで塩酸を約15分間かけて滴下ロートにより添
加し混合した。これらを混合してから、約30分後、全
系を0.5〜0.6℃/分の速度で60℃まで約60分
間で昇温した。その後、この反応系を60℃で5時間恒
温保持し、反応を完了させた。
【0076】反応完了後、反応混合物に大過剰の水を添
加し、触媒とDMSOを分離させた。その後、水10重
量%(樹脂固形分に対する重量比)を加え、さらに重曹
を6重量%(樹脂固形分に対する重量比)添加した後6
5℃で4時間で液を中和し、これを分液ロートに移し、
大過剰の水を加え、塩を取り除いた。この反応完了後の
後処理操作を繰り返した。
【0077】最後に、残留したキシレンを揮発させ、乾
燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂(A) の白色粉末を
得た。
【0078】このポリビニルアセタール樹脂(A) のアセ
タール化度は、83.4モル%であり、アセチル基量は
1.7モル%であった。
【0079】<膜(A) の調製>上記ポリビニルアセター
ル(A) を50g採取し、これに可塑剤としてトリエチレ
ングリコール−ジ−2−エチルブチレート17.5g
(35重量部)を加え、この配合物をミキシングロール
で十分に混練し、混練物の所定量をプレス成形機で15
0℃で30分間保持した。こうして厚み0.1mmの膜
(A) を作製した。
【0080】<樹脂(B) の調製>実施例1の樹脂(B) の
調製と同じ操作を行って、アセタール化度72.3モル
%でアセチル基量2.3モル%のポリビニルアセタール
樹脂(B) を得た。
【0081】<膜(B) の調製>実施例1の膜(B) の調製
と同じ操作を行って、厚み0.3mmと0.4mmの膜
を得た。
【0082】<合わせガラスの作製>実施例1の合わせ
ガラスの作製と同じ操作を行った。
【0083】実施例7 <樹脂(A) の調製> 工程i) 純水2900gに、重合度1740、鹸化度
99.2モル%のポリビニルアルコール198gを加え
て加温溶解した。反応系を9℃に温度調節し、35重量
%塩酸196g(全系対比1.99重量%)とn−ブチ
ルアルデヒド152g(ポリビニルアルコールに対し9
7.2モル%)を加えて、ポリビニルアセタールを析出
させた。その後、反応系を温度50℃で3時間保持し、
反応を完了させた。過剰の水での洗浄により未反応アル
デヒドを洗い流し、塩酸触媒を中和し、塩を除去した
後、乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂(A) の白色
粉末を得た。
【0084】このポリビニルアセタール樹脂(A) のアセ
タール化度は、74.8モル%であった。
【0085】工程ii) 次に、このポリビニルブチラー
ル樹脂60g(全系対比3重量%)を、968gのDM
SOと800gのキシレンからなる混合溶剤に、25℃
で溶解させた。その後、35重量%塩酸溶液115g
(全系対比1.97重量%)、n−ブチルアルデヒド9
4.8g(ポリビニルアルコールの2倍モル%)を、次
のように添加した。まずn−ブチルアルデヒドを溶液に
一括投入した後、約5分間の攪拌により十分に混合し、
ついで塩酸を約15分間かけて滴下ロートにより添加し
混合した。これらを混合してから、約30分後、全系を
0.5〜0.6℃/分の速度で60℃まで約60分間で
昇温した。その後、この反応系を60℃で3時間恒温保
持し、反応を完了させた。
【0086】反応完了後、反応混合物に大過剰の水を添
加し、触媒とDMSOを分離させた。その後、水10重
量%(樹脂固形分に対する重量比)を加え、さらに重曹
を6重量%(樹脂固形分に対する重量比)添加した後6
5℃で4時間で液を中和し、これを分液ロートに移し、
大過剰の水を加え、塩を取り除いた。この反応完了後の
後処理操作を繰り返した。
【0087】最後に、残留したキシレンを揮発させ、乾
燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂(A) の白色粉末を
得た。
【0088】このポリビニルアセタール樹脂(A) のアセ
タール化度は、92.4モル%であり、アセチル基量は
0.7モル%であった。
【0089】<膜(A) の調製>上記ポリビニルアセター
ル(A) を50g採取し、これに可塑剤としてトリエチレ
ングリコール−ジ−2−エチルブチレート17.5g
(35重量部)を加え、この配合物をミキシングロール
で十分に混練し、混練物の所定量をプレス成形機で15
0℃で30分間保持した。こうして厚み0.2mmの膜
(A) を作製した。
【0090】<樹脂(B) の調製>実施例1の樹脂(B) の
調製と同じ操作を行って、アセタール化度70.3モル
%でアセチル基量0.5モル%のポリビニルアセタール
樹脂(B) を得た。
【0091】<膜(B) の調製>実施例1の膜(B) の調製
と同じ操作を行って、厚み0.3mmの膜2枚を得た。
【0092】<合わせガラスの作製>実施例1の合わせ
ガラスの作製と同じ操作を行った。
【0093】比較例1〜3 表1に示すように、この発明の範囲に属しない中間膜を
それぞれ調製し、これらを用いて合わせガラスを作製し
た。
【0094】<遮音性の試験結果>遮音性の測定結果を
表1に纏めて示す。
【0095】
【表1】 表1から明らかなように、本発明の実施例による合わせ
ガラスは、いずれも優れた遮音性能を有することが認め
られる。
【0096】
【発明の効果】この発明による中間膜を用いた合わせガ
ラスでは、音エネルギーが効果的に熱エネルギーに変換
吸収され、特に2000Hz付近の中高音域におけるコ
インシデンス効果による遮音性能の低下が効果的に防止
せられる。したがって、透明性、耐候性、衝撃エネルギ
ー吸収性、樹脂層界面での接着性、ガラス板との接触性
等の合わせガラスに必要な基本性能を損なうことなく、
コインシデンス効果の緩和によってTL値を高め、これ
により優れた遮音性能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合わせガラスの遮音特性を、周波数に対する透
過損失量として示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセタール基の炭素数が4〜6であり、
    かつ、アセタール基が結合しているエチレン基とアセチ
    ル基が結合しているエチレン基との和の、主鎖の全エチ
    レン基に対するモル分率が70〜94モル%であると共
    に、アセチル基が結合しているエチレン基の、主鎖の全
    エチレン基に対するモル分率が4モル%以下であるポリ
    ビニルアセタール樹脂(A) と可塑剤とからなる少なくと
    も1つの層(A) と、 アセタール基の炭素数が4〜6であり、かつ、アセター
    ル基が結合しているエチレン基とアセチル基が結合して
    いるエチレン基との和の、主鎖の全エチレン基に対する
    モル分率が樹脂(A) の対応する値より5モル%以上低
    く、アセチル基が結合しているエチレン基の、主鎖の全
    エチレン基に対するモル分率が4モル%以下であるポリ
    ビニルアセタール樹脂(B) と可塑剤とからなる少なくと
    も1つの層(B) とが積層されてなる、合わせガラス用中
    間膜。
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