JPH0529322B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

発明の分野 本発明は、皮膚細胞機能を活性化し皮膚の保護
および美化に顕著な効果を発揮する、有効成分の
皮膚浸透性に優れたべたつきの少ない化粧料に関
する。 発明の背景 従来より、ランジウムドメスチカムジヤツクバ
ーデユークまたはランジウムドメスチカムジヤツ
クバーランサの果皮より得られた抽出物およびそ
の特定の成分が5α−リダクターゼの活性を阻害
し、男性ホルモンが関与する男性型脱毛症、尋常
性座瘡、脂漏、フケ症等の疾患の予防および治療
に効果のあることが知られている（特開昭60−
243020号参照）。 このような効果は、5α−リダクターゼ活性の
阻害により皮膚細胞のエネルギー産生が増大し細
胞が活性化することによつて生じるものである。
したがつて、該抽出物等を基剤として配合すれ
ば、男性ホルモンが関与する種々の皮膚疾患を予
防および治療することにより生き生きした肌を再
生、維持するのに効果のある化粧料が得られるも
のと期待される。 しかしながら、該抽出物等を基剤として配合し
た化粧料を肌に塗布した場合、非常にべたつき易
く、さつぱり感が要求される化粧料に用いるには
不適当であり、また、該抽出物等の皮膚浸透性が
不充分であつて満足のいく効果を発揮するものが
得られていない。そこで、皮膚塗布時のべたつき
感を緩和し、かつ、該抽出物等の皮膚浸透性を高
めるような処方が要望されている。 本発明者らは、以上の欠点を改良し、塗布時の
べたつき感がなく、かつ、有効成分の皮膚浸透性
を高めた皮膚の保護および美化に優れた効果を発
揮する化粧料を得るべく鋭意検討を行なつた結
果、前記の粗抽出物および／またはその特定の成
分をある種の化合物と併用することにより、良好
な特性を有する化粧料が得られることを見出だ
し、本発明を完成するに至つた。 発明の開示 本発明は、(a)ランジウムドメスチカムジヤツク
バーデユーク（以下、デユークと称する）または
ランジウムドメスチカムジヤツクバーランサ（以
下、ランサと称する）の果皮より得られた粗抽出
物およびその成分であるランジツク酸、ランジオ
サイドおよびそれらの誘導体からなる群より選ば
れる１種または２種以上および(b)ピロリドンカル
ボン酸およびその塩、乳酸、ヒアルロン酸および
その塩ならびに分子内に水酸基を２個以上有する
水溶性ポリオール類からなる群より選ばれる１種
または２種以上を配合したことを特徴とする化粧
料を提供するものである。 本発明の化粧料の(b)成分として配合するデユー
クまたはランサの果皮より得られる粗抽出物、ラ
ンジツク酸およびランジオサイドの抽出、分離お
よび精製法ならびにその構造に関しては公知であ
り（例えば、特開昭60−243020号参照）、商業的
に入手することができる。誘導体としては、ラン
ジツク酸の塩（例えば、ナトリウム塩、二ナトリ
ウム塩など）、エステル（例えば、炭素数２〜12
のモノアルキルエステル、炭素数２〜12のジアル
キルエステルなど）、ランジオサイドの塩（例え
ば、ナトリウム塩、カリウム塩など）、エステル
（例えば、炭素数２〜12のモノアルキルエステル
など）などが挙げられ、常法により製造すること
ができる。前記の粗抽出物、ランジツク酸、ラン
ジオサイドおよびそれらの誘導体は、ランジツク
酸として化粧料全量に対して0.01〜３重量％、好
ましくは、0.05〜１重量％配合される。配合量が
0.01重量％より少ないと充分な薬効が得られず、
また、３重量％より多いと基剤への溶解が困難に
なる場合がある。 本発明の化粧料の(b)成分として配合するピロリ
ドンカルボン酸およびヒアルロン酸の塩としては
ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられ、分子
内に水酸基を２個以上有する水溶性ポリオール類
としては、プロピレングリコール、グリセリン、
１，３−ブチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジ
グリセリン、テトラグリセリンなどが挙げられ
る。(b)成分の好ましい配合量は、化粧料全量に対
して0.01〜20重量％、好ましくは、0.05〜10重量
％である。配合量が0.01重量％以下であると充分
な効果が得られず、また、20重量％以上であると
逆にべたつき感が増強されて好ましくない。 さらに、本発明の化粧料には、必要に応じて適
当な界面活性剤、油性成分、増粘剤、防腐剤、殺
菌剤、抗酸化剤、香料、色素等をその特性を損な
わない範囲で添加してよい。 本発明の化粧料は常法に従つて製造することが
でき、溶液系、乳化系、粉末分散系にて化粧水、
乳液、クリーム、パツク、フアンデーシヨン等の
皮膚用化粧料およびシヤンプー、ヘアートニツ
ク、ヘアーリキツド、ヘアートリートメント、ヘ
アースプレー等の頭髪化粧用等の通常の剤形とす
ることができる。 実施例 つぎに実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに詳しく説明する。 実施例 １ ヘアートニツク 成分 重量％ 20％デユーク果皮粗抽出物（エタノール溶液）
1.0 ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5 エチルアルコール 72.0 ｌ−メントール 0.2 香料 0.2 精製水 適量 以上の処方により、常法に従つてヘアートニツ
クを製造した。 実施例 ２ ヘアートニツク 成分 重量％ 20％デユーク果皮粗抽出物（エタノール溶液）
1.0 ピロリドンカルボン酸ナトリウム 3.0 エチルアルコール 72.0 ｌ−メントール 0.2 香料 0.2 精製水 適量 以上の処方により、常法に従つてへアートニツ
クを製造した。 実施例 ３ シヤンプー 成分 重量％ ランジツク酸 1.0 プロピレングリコール 5.0 アルキル硫酸トリエタノールアミン 10.0 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5.0 水添レシチン 3.0 ジステアリン酸エチレングリコール 2.0 尿素 0.5 防腐剤および香料 微量 イオン交換水 適量 以上の成分を約70℃にて均一に攪拌溶解した後
冷却してシヤンプーを製造した。 実施例 ４ リンス 成分 重量％ Ａデユーク抽出物 3.0 流動パラフイン 3.0 モノオレフイン酸ソルビタン 2.0 塩化セチルトリメチルアンモニウム 1.5 セタノール 1.0 ラノリン 0.5 ラノリン 0.5 モノオレフイン酸ポリオキシエチレン（20E.O.）ソルビ
タン 0.2 シリコン 0.1 香料 0.8 Ｂジグリセリン 3.0 ポリビニルピロリドン 1.0 防腐剤 微量 イオン交換水 適量 成分Ａおよび成分Ｂをそれぞれ約75℃にて均一
に溶解した。ついで、攪拌しながら成分Ａを成分
Ｂに加えた後冷却してリンスを製造した。 実施例 ５ 洗顔クリーム 成分 重量％ Ａデユーク抽出物 1.0 ステアリン酸 20.0 ミリスチン酸 10.0 ラウリン酸 5.0 ポリオキシエチレンラウリルエーテル 1.0 ホスフアチジルイノシトール 0.2 香料 0.5 防腐剤 微量 Ｂ１，３−ブチレングリコール 4.0 水酸化カリウム 5.5 イオン交換水 適量 約75℃に成分Ａを混合溶解した。ついで、攪拌
下、約75℃に加熱した成分Ｂを加えた後冷却して
洗顔クリームを製造した。 実施例 ６

【表】 〓防腐剤 微量
Ｂ乳酸 1.0 尿素 5.0 防腐剤 微量 イオン交換水 適量 約75℃にて成分Ａを混合溶解した。ついで、攪
拌下、約75℃に加熱した成分Ｂを加えた後冷却し
てコールドクリームを製造した。 実施例 ７

【表】 〓防腐剤 微量
Ｂテトラグリセリン 3.0 防腐剤 微量 イオン交換水 適量 成分Ａおよび成分Ｂをそれぞれ約70℃にて均一
に溶解した。ついで、攪拌しながら成分Ａを成分
Ｂに加えた後冷却してモイスチヤーパツクを製造
した。 実施例 ８ モイスチヤークリーム 成分 重量％ Ａランジツク酸 0.5 パルミチン酸イソプロピル 4.0 ステアリン酸 4.0 スクワラン 3.0 メチルポリシロキサン 2.0 セタノール 2.0 親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0 ミリスチン酸ミリスチル 1.0 香料 0.3 Ｂピロリドンカンボン酸ナトリウム 3.0 プロピレングリコール 1.0 防腐剤 微量 イオン交換水 適量 成分Ａおよび成分Ｂをそれぞれ約75℃にて均一
に溶解した。ついで、攪拌しながら成分Ａを成分
Ｂに加えた後冷却してモイスチヤークリームを製
造した。 実施例 ９ ヘアートリートメント 成分 重量％ Ａランジツク酸 1.4 流動パラフイン 8.0 ラノリン 3.0 ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0 ステアリン酸 2.0 セタノール 0.5 香料 0.5 Ｂグリセリン 3.0 トリエタノールアミン 1.0 防腐剤 微量 精製水 適量 成分Ａおよび成分Ｂをそれぞれ約75℃にて均一
に溶解した。ついで、攪拌しながら成分Ｂを成分
Ａに加えた後冷却してヘアートリートメントを製
造した。 実施例 10 ポマード 成分 重量％ ランジツク酸 0.5 ソルビトール 0.2 硬化ヒマシ油 50.0 木ロウ 19.3 流動パラフイン 15.0 ワセリン 10.0 オリーブ油 5.0 以上の成分を75℃にて溶解し、ついで、攪拌し
ながら冷却してポマードを製造した。 実施例 11 ヘアークリーム 成分 重量％ Ａデユーク抽出物 0.5 流動パラフイン 15.0 ワセリン 15.0 ラノリン 5.0 ステアリルアルコール 3.0 ポリオキシエチレンオレイルエーテル 2.5 Ｂピロリドンカンボン酸 1.0 乳酸 1.0 防腐剤 微量 精製水 適量 成分Ａおよび成分Ｂをそれぞれ約80℃にて均一
に溶解した。ついで、攪拌しながら成分Ａを成分
Ｂに加えた後冷却してヘアークリームを製造し
た。 実施例 12 液状整髪料 成分 重量％ 20％デユーク果皮粗抽出物（エタノール溶液）
5.0 グリセリン 2.0 ヒアルロン酸 0.01 エタノール 50.0 ポリオキシプロピレンブチルエーテル 10.0 香料 0.3 精製水 適量 以上の成分により、常法に従つて液状整髪料を
製造した。 実施例 13 化粧料 成分 重量％ ランジツク酸ナトリウム 0.1 グリセリン 3.0 ペンタエリスリトール 2.0 乳酸 0.3 エチルアルコール 20.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5 サリチル酸 0.1 香料 0.1 防腐剤 微量 精製水 適量 以上の成分により、常法に従つて化粧料を製造
した。 実施例 14 乳酸 成分 重量％ Ａスクワラン 4.0 ステアリン酸 2.0 ワセリン 1.0 イソプロピルミリステート 1.0 香料 0.2 Ｂプロピレングリコール 5.0 カーボポール940 0.3 トリエタノールアミン 1.0 防腐剤 微量 精製水 適量 Ｃ 30％デユーク果皮粗抽出物（エタノール溶
液） 2.0 成分Ａおよび成分Ｂをそれぞれ約70℃にて均一
に溶解した。ついで、攪拌しながら成分Ａを成分
Ｂに加えた後冷却し、成分Ｃを加えて乳液を製造
した。 実施例 15 制汗剤 成分 重量％ Ａランジツク酸 3.0 テトラグリセリン 3.0 エタノール 5.0 イソプロピルパルミテート 1.0 タルク 1.0 Ｂ フロンガス 87.0 成分Ａを均一に分散し、耐圧缶に入れた後密閉
し、成分Ｂを充填して制汗剤を製造した。 実施例 16 アフターシエーブローシヨン 成分 重量％ 20％デユーク果皮粗抽出物（エタノール溶液）
1.5 １，３−ブチレングリコール 1.0 ヒアルロン酸ナトリウム 0.05 エタノール 40.0 ポリオキシエチレンセチルエーテル 0.6 ポリオキシエチレンシリコン誘導体 0.1 香料 0.3 精製水 適量 以上の成分により、常法に従つてアフターシエ
ーブローシヨンを製造した。 実施例 17 日焼け止め化粧料 成分 重量％ Ａランジツク酸 0.5 流動パラフイン 5.0 ポリオキシエチレンオレイルエーテル 2.5 セタノール 2.0 イソプロピルミリステート 2.0 ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.0 ゲイロウ 1.0 エスカロール507 0.5 Ｂピロリドンカルボン酸ナトリウム 4.0 防腐剤 微量 精製水 適量 成分Ａおよび成分Ｂをそれぞれ約75℃にて均一
に溶解した。ついで、攪拌しながら成分Ａを成分
Ｂに加えた後冷却して日焼け止め化粧料を製造し
た。 実施例 18 養毛料 成分 重量％ ランジツク酸 0.2 ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1.0 エタノール 50.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0 ヒノキチオール 0.1 塩酸ピリドキシン 0.1 酢酸dl−α−トコフエロール 0.01 香料 0.3 精製水 適量 以上の成分を均一に攪拌溶解して養毛料を製造
した。 比較例 １ フアートニツク 成分 重量％ 20％デユーク果皮粗抽出物（エタノール溶液）
1.0 エチルアルコール 72.0 ｌ−メントール 0.2 香料 0.2 精製水 適量 以上の処方により、常法に従つてヘアートニツ
クを製造した。 つぎに、前記実施例１および２ならびに比較例
１のヘアートニツクを30日間、１日に２回頭皮に
塗布し、マツサージさせ、使用感およびフケの発
生を各10名のフケ症男性パネル員に評価させた。
結果を第１表に示す。表中の数値は、該当する評
価をしたパネル員の人数である。

【表】 第１表に示したように、ピロリドンカルボン酸
ナトリウムを併用することにより、デユーク果皮
粗抽出物配合に起因するべたつき感の緩和および
デユーク果皮粗抽出物の皮膚浸透性増加による毛
母細胞および頭皮細胞の活性化に起因する毛髪の
しつとり感の付与およびフケ症状の改善に著しい
効果が認められた。

【特許請求の範囲】

１ 平均分子量700〜2000のポリエチレンワツク
スと、低粘性脂肪酸トリグリセリド又は低粘性脂
肪酸ジグリセリドと、式(1) （式中、Ｒは合計11〜23個の炭素原子を含有し、
カルボキシル結合位から主鎖の中心までに、少な
くとも１つのアルキル置換基を有する飽和脂肪族
炭化水素基である。） で表わされる分岐脂肪酸コレステリルエステルと
を含有することを特徴とする固型化粧料。