JPH0529183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車両のステアリング支持構造、特に
運転席前方に設けられた車幅方向に延びるステア
リング支持部材によりステアリングシヤフトを支
持するステアリング支持構造に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来、ステアリングシヤフト部の支持構造とし
ては、車室前面部に位置するダツシユパネルに車
室内に向けて延びるブラケツトを設け、このブラ
ケツトによりステアリングシヤフトを支持するよ
うにした支持構造が採用されている。しかしなが
ら、このような支持構造では、ステアリングシヤ
フトの支持剛性、特に高速走行時における支持剛
性に限界があり、また車両衝突時においては衝突
によりダツシユパネルが後退するとこれに伴つて
ブラケツトと共にステアリングシヤフトも後方に
突き出され、乗員に衝撃を与えることとなる。

このため、特開昭57−4466号に開示されている
ように、運転席前方に車幅方向に延びるステアリ
ング支持部材を設け、このステアリング支持部材
の両端部を左右フロントドア開口前縁部から前方
に延びる１対のカウルサイドパネルに固定すると
ともに、該ステアリング支持部材の中央部に該ス
テアリング支持部材とフロアとを連結する補強部
材を固定することにより、ステアリングシヤフト
の支持剛性の向上を図るとともに車両衝突時にお
いてダツシユパネルが後退してもこれとは無関係
にステアリングシヤフトを支持することができる
ように構成した支持構造が提案されている。

一方、運転席前方にはメータセツトが設けられ
るが、このメータセツトはインストルメントパネ
ルにボルト締め等により固定されるのが一般的で
ある。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、インストルメントパネルは通常
樹脂等の比較的剛性の低い材質から形成されてい
るので、メータセツトをインストルメントパネル
に取り付けても十分な取付強度が得られず、車両
振動等に伴いメータセツトが振動して異音を発生
するといつた不具合も生じている。

本考案は、このような事情に鑑みなされたもの
であつて、メータセツトの取付強度を向上させる
ことのできる車両のステアリング支持構造を提供
しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案による車両のステアリング支持構造は、
車幅方向に延びるステアリング支持部材を利用し
てメータセツトの取付強度向上を図るようにした
ものである。すなわち、運転席前方に車幅方向に
延びるステアリング支持部材を設け、該ステアリ
ング支持部材によりステアリングシヤフトを支持
するようにしてなる車両のステアリング支持構造
であつて、前記ステアリング支持部材と車室前面
ぶに位置するダツシユアツパパネルとを連結する
ブラケツトが設けられ、該ブラケツトの中間部位
にメータセツトが連結されていることを特徴とす
るものである。

上記「車体パネル」は、ダツシユアツパパネル
等車幅方向に延びるパネルであつてもよいことは
勿論であるが、車室前面部に位置するものであれ
ば特定の車体パネルに限定されるものではない。

上記「ブラケツト」は、単数、複数いずれであ
つてもよく、その形状、配置等は任意である。ま
た、上記「ブラケツト」のみによりメータセツト
を支持するようにしてもよいし、あるいはすでに
インストルメントパネルに固定されたメータセツ
トの取付強度を向上させるべくこれに加えてブラ
ケツトをメータセツトに連結するようにしてもよ
い。

（作用） 上記構成により、メータセツトはステアリング
支持部材とダツシユアツパパネルとを連結するブ
ラケツトの中間部位に連結されることとなるの
で、メータセツトはインストルメントパネルより
も剛性の高い部材により支持されることが可能と
なり、これによりメータセツトの取付強度を向上
させることができる。

（考案の効果） したがつて、本考案によれば、従来のようにメ
ータセツトが剛性の低いインストルメントパネル
にのみ固定されていることにより生ずる車両振動
に伴うメータセツトの振動を大幅に低減させるこ
とができ、異音の発生といつた不具合を解消する
ことができる。

（実施例） 以下添付図面を参照しながら本考案の一実施例
について詳述する。

第１図は、本実施例による車両のステアリング
支持構造を示す斜視図である。

運転席前方には、ステアリングシヤフト１の上
部をブラケツト２及び３を介して支持するステア
リング支持部材４が車幅方向に延設されていて、
該ステアリング支持部材４の両端部は、左右のフ
ロントドア開口前縁部５から前方に延びるカウル
サイドパネル６のピラー７下方部分に位置して該
カウルサイドパネル６に固定された左右１対の取
付ブラケツト８に、固定部材９により固定されて
支持されるようになつている。また、ステアリン
グ支持部材４の中央部には、下方に延びる１対の
補強部材１０が固定されていて、両補強部材１０
はフロアパネル１１から上方に隆起して形成され
たトンネル部１２の左右両側面においてボルト１
３により係止されている。

ステアリング支持部材４の両端部近傍には、前
後方向に延びる金属製の１対のサイドブラケツト
１４ａ，１４ｂの一端が溶接により固定されてい
る。これらサイドブラケツト１４ａ，１４ｂは、
所定以上の前後方向の荷重に対して折曲自在に形
成されていて、その他端がダツシユアツパパネル
１５に溶接により固定されたＬ形ブラケツト１６
にボルト締めにより固定されている。これらサイ
ドブラケツト１４ａ，１４ｂをステアリング支持
部材４とダツシユアツパパネル１５とに橋渡しし
て設けることにより、ステアリング支持部材４の
振動を抑制することができる。また、サイドブラ
ケツト１４ａ，１４ｂは、平常時においては十分
な剛性を有する一方、車両衝突時等の衝撃荷重に
対しては容易に折れ曲がつてステアリング支持部
材４に衝撃力が伝達されないようになつている。

第２図に示すように、上記１対のサイドブラケ
ツト１４ａ，１４ｂのうち運転席側に設けられて
いるサイドブラケツト１４ａには、ステアリング
支持部材４の略上方に位置するメータセツト１７
が金属製のブラケツト１８を介して連結されてい
る。すなわち、ブラケツト１８の一端をサイドブ
ラケツト１４ａの上面にボルト締めにより固定
し、他端をメータセツト１７の車体側面部側の壁
面にボルト締めにより固定することによつて連結
がなされている。メータセツト１７の車体中央部
側の壁面および上下の壁面は、インストルメント
パネル１９に固定されている。

このように本実施例による車両のステアリング
支持構造は、メータセツト１７の取付けを、一箇
所インストルメントパネル１９に固定するのに替
えて、ステアリング支持部材４およびダツシユア
ツパパネル１５に両端部が連結された前後方向に
延びるより剛性の高いサイドブラケツト１４ａに
ブラケツト１８を介して連結することにより行つ
ているので、メータセツトの取付強度を大幅に向
上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による車両のステアリング支持
構造の一例を示す斜視図、第２図は第１図の−
線断面図である。 １……ステアリングシヤフト、４……ステアリ
ング支持部材、１４ａ……サイドブラケツト、１
５……ダツシユアツパパネル、１７……メータセ
ツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 運転席前方に車幅方向に延びるステアリング支
   持部材を設け、該ステアリング支持部材によりス
   テアリングシヤフトを支持するようにしてなる車
   両のステアリング支持構造であつて、 前記ステアリング支持部材と車室前面部に位置
   するダツシユアツパパネルとを連結するブラケツ
   トが設けられ、該ブラケツトの中間部位にメータ
   セツトが連結されていることを特徴とする車両の
   ステアリング支持構造。