JPH05289070A - 液晶素子および液晶素子の製造方法 - Google Patents

液晶素子および液晶素子の製造方法

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JPH05289070A
JPH05289070A JP4092510A JP9251092A JPH05289070A JP H05289070 A JPH05289070 A JP H05289070A JP 4092510 A JP4092510 A JP 4092510A JP 9251092 A JP9251092 A JP 9251092A JP H05289070 A JPH05289070 A JP H05289070A
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liquid crystal
electrode
ferroelectric
layer
crystal element
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JP4092510A
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Takehiro Niitsu
岳洋 新津
Kazuhiro Hayashi
和廣 林
Shigeru Yamamoto
滋 山本
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大面積の表示が可能なアクティブ型液晶素子
を低価格の製造方法で得る。 【構成】 液晶層Dを挟持する下側板Bのアクティブデ
バイスを構成する強誘電体層3を30mol%以下のP
bTiO3 を含むBaTiO3 を用いてMOD法で形成
する。また、下側板Bの電極2,4および上側板Cの電
極6もMOD法で形成する。 【効果】 ペロブスカイト型強誘電体の成膜が容易で、
低電圧駆動可能な大面積の液晶素子が容易に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクティブマトリクス
型液晶素子に係り、特にそのアクティブデバイスを構成
する強誘電体層を金属有機物の厚膜プロセスを用いて,
所謂MOD(Metallo-Organic-Deposition) 法により形
成した液晶素子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、アクティブマトリクス型液晶素子
に用いられる代表的な2端子素子として金属電極層間に
絶縁体層を間挿したMIM(metal-insulator-metal )
型素子が知られている。強誘電体の非線形性を利用し、
これを2端子素子として液晶をアクテイブ駆動する液晶
素子駆動用アクティブデバイスをフォトリソエッチング
処理方法で製造する場合、3端子素子の代表であるTF
T(thin-film-transistor)型素子の製造に比べて、そ
の製造精度は粗くて良く、しかも当該フォトリソエッチ
ング処理における露光工程で用いる露光マスクの精度も
大幅に低減できるため製造工程が簡略化でき、上記液晶
デバイス等の大型化に有利で、かつ製品の欠陥が少な
い。
【0003】上記のMIM素子を構成する絶縁体からな
るアクティブ層に誘電体の非線形性を利用してメモリ機
能を向上させたものが、ゴードン アンド ブリーチ
サイエンス パブリッシャーズ発行,モレキュラークリ
スタルズ アンド リキッドクリスタルズ(Gordon and
Breach Science Publishers Ltd."Molecular Crystals
and Liquid Crystals" )1971 Vol.15,pp.95-104 に開
示されている。
【0004】また、強誘電体膜をアクティブ層に使用す
ることにより、強誘電体の自発分極による電界保持効果
を利用して、リーク電流による画質劣化といった問題を
解決した従来技術として、例えば特開平1−4721号
公報等を挙げることができる。図11は強誘電体のヒス
テリシス特性と自発分極の動きを示す説明図であって、
(a)は強誘電体のヒステリシス特性図、(b)(c)
(d)は分極配向の模式図である。
【0005】同図(a)において、Pr は残留分極、E
c は抗電界を表す。強誘電体に電界を下から上に印加す
ると、強誘電体は電界を印加した方向に自発分極して同
図(b)に示したような配向となる。そうすると、この
自発分極の方向とは逆の、上から下の方向に内部電界が
発生する。また、十分大きな電界を逆方向に印加すると
同図(c)に示したように自発分極が反転し、下から上
の方向に内部電界が発生する。このときに印加する電界
が抗電界Ec であると、同図(d)に示したように自発
分極がランダムな配向状態となる。
【0006】同図(b)(c)に示したように、自発分
極の向きが揃っている場合には、残留分極Pr に相当す
る電界が生じ、強誘電体に直列あるいは並列に結線され
た液晶などに対して電界を印加することができる。図1
2は上記の強誘電体を有するアクティブデバイスの構成
例の説明図であって、(a)はアクティブデバイスの上
面図、(b)は(a)のA−A線で切断した断面図であ
る。
【0007】同図において、01は絶縁基板であるガラ
ス基板絶縁基板、02は第1の電極である下部電極、0
3は強誘電体、04は第2の電極である上部電極であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記図12における従
来の強誘電体層03としてはチタン酸バリウム(BaT
iO3 )が用いられている。このBaTiO3 薄膜の成
膜は、一般的にはスパッタ法,CVD法,真空蒸着法な
どの薄膜成長法で製造される。このような薄膜成長法で
製造されたBaTiO3 薄膜は、化学組織の制御が困難
である上に、大面積にわたり膜厚,膜質を均一に保つこ
とが困難であるところから、所望の誘電特性を確保する
ことができない。
【0009】このことはBaTiO3 以外のチタン酸鉛
(PbTiO3 ),酸化タングステン(WO3 )などの
ペロブスカイト型強誘電体についても同様である。上記
の問題を解決する方法として、特開平1−55537号
公報に開示されているような方法がある。すなわち、ポ
リイミドのような有機材料中にBaTiO 3 を分散させ
ることによってスピンコート法で強誘電体層を作製する
方法である。
【0010】この場合、ポリイミド中でBaTiO3
持つ強誘電性を利用するためには、BaTiO3 がペロ
ブスカイト構造を有する形態で存在する必要があり、す
なわち、BaTiO3 を微粉末状態でポリイミド中に分
散させる必要がある。図12に示すようなアクティブデ
バイスを構成するためには、粉末の粒径は少なくとも
0.1μm以下に均一に制御し、かつポリイミド中に均
一に分散させる必要があるが、これは極めて困難であ
る。
【0011】また、特開平1−59323号公報に示さ
れたようなフッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの
共重合体の高分子強誘電体を強誘電体層として用いる方
法があるが、高分子強誘電体は一般に残留分極Pr が小
さく抗電界が大きいため、液晶を駆動するためには高い
電圧を必要とする。また、高分子強誘電体はペロブスカ
イト型強誘電体に比べスイッチングスピードが遅く、ペ
ロブスカイト型強誘電体に比べると駆動の点で不利であ
る。
【0012】液晶を駆動するためにはBaTiO3 など
のペロブスカイト型強誘電体が最適であるが、その強誘
電体層を成膜するには高価な真空装置を必要とする上
に、化学組成の制御が困難、大面積にわたり膜厚,膜質
を均一に保つことが困難などの問題点があった。本発明
の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、鮮明で高コ
ントラストの画像を提供する液晶素子と、この液晶素子
を安価で歩留りの高い製造方法で得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段を図1を用いて説明する。本発明は、絶縁基板1
上に形成された第1の電極2と、前記第1の電極2を覆
って積層された強誘電体膜3と、前記第1の電極2に前
記強誘電体膜3を介して対向するごとく形成された第2
の電極4とを備えてアクティブデバイスを構成する下側
板Aと、透明絶縁基板5上に形成された第3の電極6を
備えた上側板Cと、前記下側板Bと上側板Cとの間に液
晶層Dを間挿してなり、前記アクティブデバイスの強誘
電体層3を介して前記液晶層Dに電界を印加することに
より前記液晶層Dを駆動する液晶素子において、前記強
誘電体膜3がPbTiO3 とBaTiO3 を含み、前記
BaTiO3 の含有率が30mol %以下としたことを特
徴とする。
【0014】また、本発明は、絶縁基板上1に形成され
た第1の電極2と、前記第1の電極2を覆って積層され
た強誘電体膜3と、前記第1の電極2に前記強誘電体膜
3を介して対向するごとく形成された第2の電極4とを
備えたアクティブデバイスを構成する下側板Bと、透明
絶縁基板5上に形成された第3の電極6を備えた上側板
Cと、前記下側板Bと上側板Cとの間に液晶層Dを間挿
してなり、前記アクティブデバイスの強誘電体層3を介
して前記液晶層Dに電界を印加することにより前記液晶
層Dを駆動する液晶素子の製造方法において、前記強誘
電体層3の形成プロセスが、鉛の有機配位子錯体とバリ
ウムの有機配位子錯体の均一混合溶液を前記第1の電極
2を含む前記絶縁基板1上に塗布し、これを焼成するMe
tallo Organic Deposition法(MOD法)を用いる工程
を含むことを特徴とする。
【0015】本発明で用いる耐熱性の絶縁基板1は、P
bTiO3 の結晶化温度以上、好ましくは420℃以上
に加熱しても変形や相変化のない基板であれば特に制限
はなく、例えばホウケイ酸ガラス基板,石英ガラス基
板,アルミナ基板などが、その目的に応じて使用され
る。本発明に係る鉛,バリウム並びにチタンの有機配位
子錯体の溶液は、有機配位子錯体を含有するものであれ
ば特に限定されないが、具体的な有機配位子としては、
図6,図7,図8,図9に示すような2−エチルヘキサ
ン酸、安息香酸、ナフテン酸などのカルボン酸、ビスア
セチルアセトナト鉛などのβ−ジケトン等を使用するこ
とができ、特に、図6に示した2−エチルヘキサン酸塩
を用いるのが好ましい。
【0016】本発明で用いる鉛,バリウム並びにチタン
の有機配位子錯体の均一混合溶液はそのまま絶縁基板上
に塗布しても構わないが、望ましくはその塗布法に応じ
て増粘剤または希釈剤を添加して粘度調整することが好
ましい。この増粘剤としては例えば、レジン,セルロー
ス,スキージメジウムなどを使用することができ、希釈
剤としてはターピネオールなどを使用することができ
る。
【0017】この溶液の粘度は、スピンコート法を用い
る場合は1000cps以下、スクリーン印刷法を用い
る場合は2000〜30000cpsの範囲で選択する
ことが好ましい。粘度調整されたペーストは、上記スク
リーン印刷法やスピンコート法などにより、耐熱性の絶
縁基板上に塗布され、420℃以上の温度で焼成する。
焼成温度が420℃を下回ると、薄膜形成が困難とな
る。
【0018】図10は鉛の有機配位子錯体とバリウムの
有機配位子錯体およびチタンの有機配位子錯体の均一混
合溶液ペーストの熱量分析結果の説明図であって、この
ペーストの熱重量分析結果より明らかなように、420
℃以上で重量が一定となるところから、増粘剤または希
釈剤が蒸発または燃焼し、当該ペーストの有機配位子の
熱分解反応ガ終了することが推測される。そのため、上
記塗布膜の焼成温度は420℃以上に設定する必要があ
る。
【0019】なお、焼成のための加熱方法は、耐熱性絶
縁基板を所定の温度に加熱できるものであれば特に限定
されない。具体的にはベルト式焼成炉などを使用するこ
とができる。また、焼成時間はピーク保持時間で5〜6
0分の範囲が好ましい。
【0020】
【作用】上記したごとき本発明を構成したことにより、
強誘電体層の自発分極により液晶に印加される電界を保
持するので、リーク電流による画像情報の消失のない鮮
明で高コントラストの画像を表示する。また、第1の電
極と第2の電極の形成時にフォトリソエッチング工程を
用いるのみであることから、高い生産性と低い製造コス
ト、かつ歩留まりを向上させる。
【0021】強誘電体層の原料として鉛の有機配位子錯
体とバリウムの有機配位子錯体およびチタンの有機配位
子錯体の均一混合溶液を用いることで、組成の制御が容
易となる。そして、強誘電体層はスクリーン印刷法等の
厚膜法で形成するため、大面積にわたり膜厚,膜質を均
一に保つことが可能であると共に、製造プロセスの連続
化が可能となり、生産性に優れた製造方法となる。さら
にスパッタ法,CVD法,真空蒸着法などのような高価
な真空装置を使用しないので製造コストが大幅に低減す
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て詳細に説明する。図1は強誘電体を用いた本発明によ
る液晶素子の1実施例の説明図であって、(a)は一部
破断した上面図、(b)は(a)のA−A線で切断した
断面図である。
【0023】同図において、1は絶縁基板であるガラス
基板、2は第1の電極である下部電極、3は強誘電体
層、4は第2の電極、5は透明絶縁電極である上部ガラ
ス基板、6はITO(インジウム・スズ−オキサイド)
透明電極(第3の電極)、Bは前記図12に示したもの
と同様の下側板、Cは上側板、Dは液晶層である。上側
板Cは上部ガラス基板5にITO透明電極6を有してお
り、このITO透明電極6も前記下側板の下部電極2,
4と同様のMOD金ペーストのスクリーン印刷と焼成、
およびフォトリソエッチング処理で形成される。
【0024】この下側板Bと上側板Cとの間に液晶を挟
み、上下側板B,Cの間に液晶層を保持して液晶素子を
構成する。図2は図1に示した本発明による液晶素子の
等価回路であって、7は液晶層Dの等価表示(以下、等
価液晶層という)、8は強誘電体3の等価表示(以下、
等価強誘電体層という)である。
【0025】同図において、上側板Cの透明電極6と下
側板Bの下部電極2の間に等価液晶層7と等価強誘電体
層8が直列に接続配置されている。同図(a)は液晶素
子に電圧VDDを印加しとときの様子を示し、Cf ,C1c
はそれぞれ等価強誘電体層8と等価液晶層7の静電容
量、V1 ,V2 は静電容量Cf ,C1cによって分配され
た等価強誘電体層8と等価液晶層7のそれぞれにかかる
電圧を表している。
【0026】また、同図(b)は液晶素子に印加してい
た電圧VDDをとり去って接地したときの様子を表し、S
f は下部電極2と4が等価強誘電体層8を挟んで交差し
ている部分の面積、Pr は等価強誘電体層8の残留分
極、Sf ・Pr は残留分極によって保持される電荷量、
1cは残留分極によって等価液晶層に印加される電圧を
表している。
【0027】図3は図2に示した液晶素子の動作を説明
するためのタイミングチャートであって、この液晶素子
に電圧VDDを印加したときの残留分極によって等価液晶
層に印加される電圧V1cの変化する様子を示している。
同図に示したように、例えばビデオ信号の1フィールド
ごとに、このフィールドパルスを電圧VDDとして液晶素
子に印加したとき、残留分極によって等価液晶層に印加
される電圧V1cは各フィールドパルスごとに極性が反転
することがわかる。
【0028】液晶素子に電圧VDDを印加したときに等価
強誘電体層8にかかる電圧V1 は、V1 =VDD/(Cf
+C1c)である。また、液晶素子に印加していた電圧を
とりさって接地したときに残留分極によって液晶に印加
される電圧はV1c=Sf ・P r /(Cf +C1c)とな
る。強誘電体の自発分極を反転させるためにはV1 >E
0 である必要があり、液晶を回転させるためにはV1c
2〜4Vでなければならない。したがって駆動電圧を大
きくしないためにはC1cとCf の比を大きし、残留分極
r が十分大きな材料を用いる必要がある。
【0029】残留分極Pr が大きい材料としては、一般
的にチタン酸鉛(PbTiO3 )が知られているが、こ
れは自発歪みが大きいために抗電界Ec (図11参照)
が大きく、分極しにくいという欠点がある。さらに、P
bは膜中から抜け易くリークの原因ともなる。そのた
め、本発明では強誘電体膜がPbTiO3 とBaTiO
3 を含み、BaTiO3 の含有率が30mol %以下とな
るようにすることでこれらの問題を解決したものであ
る。
【0030】PbTiO3 だけの強誘電体膜の抵抗率は
4×107 Ω・cmと低いが、PbTiO3 とBaTi
3 を含み、BaTiO3 の含有率が30m01%以下
とすることによって3×1015〜1×1016Ω・cmと
いう高い抵抗率を得ることができる。このときの誘電率
f は60〜110μFと小さいので液晶を駆動するう
えでも有利である。
【0031】BaTiO3 の含有率を30mol %以上に
すると、BaTiO3 の誘電率が大きくて残留分極が小
さいので、PbTiO3 とBaTiO3 の複合膜自体の
誘電率が急上昇するとともに残留分極が小さくなるので
好ましくない。また、この強誘電体膜の製造方法である
MOD法は組成制御が容易であり、常圧操作であること
から製造プロセスの連続化が可能で生産性に優れてい
る。さらに、スパッタ法,CVD法,真空蒸着法等に必
要とする高価な真空装置を使用しないので、製造コスト
を低減できる。
【0032】図4は本発明による液晶素子をマトリクス
配列したマトリクス型液晶パネルの構成図であり、図中
の符号は前記図1と同一部分に対応させている。図示さ
れたように、本発明による液晶素子を2次元に多数配列
することで、当該液晶素子を1画素とする画像表示用液
晶パネルが得られる。図5は上記図4に示した液晶パネ
ルの等価回路であり、上側板Cの電極6−1,6−2,
6−3,・・・・6−nと下側板Bの電極2−1,2−
2,2−3,・・・・2−mの間に等価液晶層7と等価
強誘電体層8が直列に配置された構成とされている。
【0033】上記したような構成の液晶パネルは、その
電極膜や強誘電体膜の形成をMOD法により行うため
に、製造が簡単でコストが係らず、かつ大面積のパネル
を得ることが容易である。次に、本発明による液晶素子
の製造方法について説明する。前記図1において説明し
たように、本発明による液晶素子は、ガラス基板1上に
第1電極2が設けられており、ガラス基板1及び第1電
極2上に強誘電体層3が設けられており、第1電極2及
び強誘電体層3上に第2の電極4が設けられている下側
基板Dと、ガラス基板5上に透明電極6で形成される上
側基板Eの間に液晶Fを保持した液晶素子である。
【0034】まず、ガラス基板1上に金(Au)から成
る第1の電極2を形成する。この第1の電極2を形成す
るAu電極は、MOD金ペースト(メタロオーガニック
Auペースト)をスクリーン印刷法で塗布後、700°
Cで1時間焼成して金の薄膜を得、感光性レジストを塗
布し所定の電極パターンに対応した開口パターンを有す
る露光マスクを介して露光するフォトリソエッチングに
よるパターニングでることにより得られる。
【0035】次に、第1の電極2上にPbTiO3 とB
aTiO3 からなる強誘電体層3を形成する。この強誘
電体層3は以下の手順で形成する。すなわち、2−エチ
ルヘキサン酸鉛、2−エチルヘキサン酸バリウムおよび
2−エチルヘキサン酸チタンをBaTiO3 の含有率が
5mol %となるように混合し、成膜性を良くするために
ロジンを5〜30wt%添加して良く攪拌して強誘電体
ペーストとする。ロジンの添加量は、原料である2−エ
チルヘキサン酸塩の溶液の濃度に応じて調整する。
【0036】上記攪拌後、オーブンの中で50〜100
°Cで20分間〜2時間乾燥して溶剤を蒸発させ、粘度
が約1000cpsのレジネートとなるようにする。そ
して、Auからなる第1の電極2上に、上記レジネート
をスクリーン印刷法で塗布し、70°Cで20分間オー
ブン中で乾燥後、ベルト式赤外炉に入れて700°Cで
20分間焼成する。
【0037】上記の強誘電体ペーストの塗布,乾燥,焼
成の一連の処理を3回繰り返すことにより膜厚0.4μ
mの5mol %BaTiO3 を含むPbTiO3 の強誘電
体層を形成する。このようにして得られる強誘電体層の
残留分極Prは、6μC/cm2 で、誘電率は105で
ある。上記の第1の電極2と強誘電体層3の上に、IT
Oからなる第2の電極4を形成する。このITOはスパ
ッタ法,CVD法などの薄膜成長法で成膜しても、また
MOD法で形成してもよい。
【0038】以上の手順により、下側板Bを制作する。
一方、透明ガラス基板5上に第3の電極(透明電極)6
を上記と同様の方法で形成し、上側板Cを制作する。こ
のようにして制作した下側板Bと上側板Cとを、その第
2の電極4と第3の電極6とが5μmの間隔で対面する
ように合わせ、両者の間に液晶を注入する。
【0039】以上の方法で製造した液晶素子における強
誘電体層3の残留分極Prを6μC/cm2 、誘電率が
105、膜厚が0.4μm、第1の電極2と第2の電極
4が強誘電体層3を挟んで交叉する部分の面積Sfを4
μm2 とし、液晶の誘電率を5、液晶層の厚み(第2の
電極4と第3の電極6の間の間隔)を5μm、第2の電
極4の面積を140×120μm2 とすると、VDD=2
4Vで液晶素子を駆動した場合のV1Cが5Vであった。
【0040】このように、MOD法を用いて強誘電体層
3を形成することにより、従来成膜が困難であったPb
TiO3 ,BaTiO3 のようなペロブスカイト型強誘
電体の成膜が容易にあると共に、低電圧駆動が可能な液
晶素子を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、 (1)強誘電体層の自発分極により液晶に印加される電
界を保持するので、リーク電流による画像情報の消失が
なく、鮮明で高コントラストの画像を得ることができ
る。 (2)フォトリソエッチング工程が、第1の電極と第2
の電極の形成時に2回のみであるので、生産性が高く低
コストで歩留まりがよい。 (3)強誘電体層は、その原料として鉛の有機配位子錯
体とバリウムの有機配位子錯体およびチタンの有機配位
子錯体の均一混合溶液を用いるので、組成の制御が容易
である。 (4)強誘電体層はスクリーン印刷法等の厚膜法で得ら
れるため、大面積にわたり膜厚,膜質を均一に保つこと
が可能であると共に、製造プロセスの連続化が可能で生
産性に優れ、さらにスパッタ法,CVD法,真空蒸着法
などのような高価な真空装置を使用しないので製造コス
トを大幅に低減できる。
【0042】等、従来技術の欠点を解消して、優れた機
能の液晶素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 強誘電体を用いた本発明による液晶素子の1
実施例の説明図であって、(a)は一部破断した上面
図、(b)は(a)のA−A線で切断した断面図であ
る。
【図2】 本発明による液晶素子の等価回路である。
【図3】 本発明による液晶素子の動作を説明するため
のタイミングチャートである。
【図4】 本発明による液晶素子をマトリクス配列した
マトリクス型液晶パネルの構成図である。
【図5】 本発明による液晶素子をマトリクス配列した
マトリクス型液晶パネルの等価回路である。
【図6】 本発明による液晶素子の製造に用いる2−エ
チルヘキサン酸の構造式の説明図である。
【図7】 本発明による液晶素子の製造に用いる安息香
酸の構造式の説明図である。
【図8】 本発明による液晶素子の製造に用いるナフテ
ン酸の構造式の説明図である
【図9】 本発明による液晶素子の製造に用いるビスア
セチルアセトナト鉛の構造式の説明図である
【図10】 鉛の有機配位子錯体とバリウムの有機配位
子錯体およびチタンの有機配位子錯体の均一混合溶液ペ
ーストの熱量分析結果の説明図である。
【図11】 強誘電体のヒステリシス特性と自発分極の
動きを示す説明図であって、(a)は強誘電体のヒステ
リシス特性図、(b)(c)(d)は分極配向の模式図
である。
【図12】 強誘電体を有するアクティブデバイスの構
成例の説明図であって、(a)はアクティブデバイスの
上面図、(b)は(a)のA−A線で切断した断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・・絶縁基板であるガラス基板、2・・・・第1
の電極である下部電極、3・・・・強誘電体層、4・・
・・第2の電極、5・・・・透明絶縁電極である上部ガ
ラス基板、6・・・・ITO(インジウム・スズ−オキ
サイド)透明電極(第3の電極)、B・・・・下側板、
C・・・・上側板、D・・・・液晶層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に形成された第1の電極と、
    前記第1の電極を覆って積層された強誘電体層と、前記
    第1の電極に前記強誘電体層を介して対向するごとく形
    成された第2の電極とを備えたアクティブデバイスを構
    成する下側板と、透明絶縁基板上に形成された第3の電
    極を備えた上側板と、前記下側板と上側板との間に液晶
    層を間挿してなり、前記アクティブデバイスの強誘電体
    層を介して前記液晶層に電界を印加することにより前記
    液晶層を駆動する液晶素子において、 前記強誘電体膜がPbTiO3 とBaTiO3 を含み、
    前記BaTiO3 の含有率が30mol %以下であること
    を特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 絶縁基板上に形成された第1の電極と、
    前記第1の電極を覆って積層された強誘電体層と、前記
    第1の電極に前記強誘電体層を介して対向するごとく形
    成された第2の電極とを備えたアクティブデバイスを構
    成する下側板と、透明絶縁基板上に形成された第3の電
    極を備えた上側板と、前記下側板と上側板との間に液晶
    層を間挿してなり、前記アクティブデバイスの強誘電体
    層を介して前記液晶層に電界を印加することにより前記
    液晶層を駆動する液晶素子の製造方法において、 前記強誘電体層の形成プロセスが、鉛の有機配位子錯体
    とバリウムの有機配位子錯体の均一混合溶液を前記第1
    の電極を含む前記絶縁基板上に塗布し、これを焼成する
    工程を含むことを特徴とする液晶素子の製造方法。
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