JPH0528837A - 絶縁電線 - Google Patents
絶縁電線Info
- Publication number
- JPH0528837A JPH0528837A JP20250991A JP20250991A JPH0528837A JP H0528837 A JPH0528837 A JP H0528837A JP 20250991 A JP20250991 A JP 20250991A JP 20250991 A JP20250991 A JP 20250991A JP H0528837 A JPH0528837 A JP H0528837A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ethylene
- conductor
- polyethylene
- copolymer
- electric wire
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電線の導体を被覆する架橋ポリエチレンとエ
ポキシ系接着剤との接着性を高める。 【構成】 ポリエチレンと、エチレン酢酸ビニル共重合
体及び酸化防止剤とを混練してポリエチレン混合物を調
製し、40mm押出機を用いて導体上に上記ポリエチレ
ン混合物を押出被覆後電子線を照射して架橋し、次いで
紫外線を照射して絶縁電線を得る。
ポキシ系接着剤との接着性を高める。 【構成】 ポリエチレンと、エチレン酢酸ビニル共重合
体及び酸化防止剤とを混練してポリエチレン混合物を調
製し、40mm押出機を用いて導体上に上記ポリエチレ
ン混合物を押出被覆後電子線を照射して架橋し、次いで
紫外線を照射して絶縁電線を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は架橋ポリエチレン混合物
被膜で導体を被覆した絶縁電線に関する。
被膜で導体を被覆した絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリエチレンはビニル樹脂等と比較
して、耐熱性、耐油性、耐薬品性及び電気特性に優れて
おり、このため電線の絶縁材料として広く用いられてい
る。例えば、JASO D−608−87の「自動車用
耐熱低圧電線」規格に示されるAEXがこれに当る。
して、耐熱性、耐油性、耐薬品性及び電気特性に優れて
おり、このため電線の絶縁材料として広く用いられてい
る。例えば、JASO D−608−87の「自動車用
耐熱低圧電線」規格に示されるAEXがこれに当る。
【0003】ところで、自動車は雨、雪或いは洗車等に
よって常に水に晒される。このため使用される電線の接
続部の防水を図る必要があり、従来から電線端末を接続
箱に集合し、接続処理を行なった後に接続箱を閉じ、接
続箱の隙間(電線の貫通部)にエポキシ系接着剤を流し
込む方法で防水処理を行なっている。
よって常に水に晒される。このため使用される電線の接
続部の防水を図る必要があり、従来から電線端末を接続
箱に集合し、接続処理を行なった後に接続箱を閉じ、接
続箱の隙間(電線の貫通部)にエポキシ系接着剤を流し
込む方法で防水処理を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような防水処
理を行なった場合、架橋ポリエチレン混合物からなる電
線の絶縁被膜とエポキシ系接着剤とを接着することとな
るが、エポキシ系接着剤と架橋ポリエチレンとはなじみ
が悪く、エポキシ系接着剤が硬化した後に電線の絶縁被
膜との間に剥離を生じやすい。
理を行なった場合、架橋ポリエチレン混合物からなる電
線の絶縁被膜とエポキシ系接着剤とを接着することとな
るが、エポキシ系接着剤と架橋ポリエチレンとはなじみ
が悪く、エポキシ系接着剤が硬化した後に電線の絶縁被
膜との間に剥離を生じやすい。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本
発明に係る絶縁電線は、酢酸ビニル等のカルボニル基含
有モノマの全ポリマに対する含有割合を1〜15wt%
としたエチレンとカルボニル基含有モノマとの共重合体
若しくはこれとポリエチレンとの混合物を導体上に被覆
し、架橋処理せしめた後に100〜10,000mJ/
cm2の範囲で紫外線を照射することで導体を被覆する
絶縁被膜を形成した。
発明に係る絶縁電線は、酢酸ビニル等のカルボニル基含
有モノマの全ポリマに対する含有割合を1〜15wt%
としたエチレンとカルボニル基含有モノマとの共重合体
若しくはこれとポリエチレンとの混合物を導体上に被覆
し、架橋処理せしめた後に100〜10,000mJ/
cm2の範囲で紫外線を照射することで導体を被覆する
絶縁被膜を形成した。
【0006】ここでエチレンとカルボニル基含有モノマ
との共重合体としては、エチレン酢酸ビニルの他に、エ
チレンエチルアクリレート、エチレンメタクリル酸メチ
ル、エチレンアクリル酸メチル、エチレンアクリル酸エ
チル等が挙げられる。
との共重合体としては、エチレン酢酸ビニルの他に、エ
チレンエチルアクリレート、エチレンメタクリル酸メチ
ル、エチレンアクリル酸メチル、エチレンアクリル酸エ
チル等が挙げられる。
【0007】酢酸ビニル等のカルボニル基含有モノマの
含有割合を1〜15wt%としたのは、1wt%未満で
あると十分な接着力を発揮できず、15wt%を超える
と機械的強度及び耐摩耗性が大きく低下することによ
る。
含有割合を1〜15wt%としたのは、1wt%未満で
あると十分な接着力を発揮できず、15wt%を超える
と機械的強度及び耐摩耗性が大きく低下することによ
る。
【0008】電線に用いるポリエチレンとしてはメルト
インデックスが0.1〜5g/minで密度が0.90
5〜0.955の範囲のものが好ましく、エチレン酢酸
ビニル共重合体としてはメルトインデックスが0.1〜
20g/minで酢酸ビニルの含有割合が5〜30wt
%の範囲のものが好ましいが、これに限定されるもので
はない。
インデックスが0.1〜5g/minで密度が0.90
5〜0.955の範囲のものが好ましく、エチレン酢酸
ビニル共重合体としてはメルトインデックスが0.1〜
20g/minで酢酸ビニルの含有割合が5〜30wt
%の範囲のものが好ましいが、これに限定されるもので
はない。
【0009】また前記エチレンとカルボニル基含有モノ
マとの共重合体あるいはこの共重合体とポリエチレンと
の混合物に、難燃剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、架
橋剤、滑剤及び多官能モノマ等を添加してもよい。
マとの共重合体あるいはこの共重合体とポリエチレンと
の混合物に、難燃剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、架
橋剤、滑剤及び多官能モノマ等を添加してもよい。
【0010】更に、上記の材料を導体上で架橋せしめる
のは公知の方法によるが、架橋後に行なう紫外線の照射
量は100〜10,000mJ/cm2とする。これは
100mJ/cm2未満では接着力が不十分となり、1
0,000mJ/cm2を超えると、表面の変色や劣化
を生じることによる。そして、好ましい紫外線の照射範
囲は500〜4,000mJ/cm2である。
のは公知の方法によるが、架橋後に行なう紫外線の照射
量は100〜10,000mJ/cm2とする。これは
100mJ/cm2未満では接着力が不十分となり、1
0,000mJ/cm2を超えると、表面の変色や劣化
を生じることによる。そして、好ましい紫外線の照射範
囲は500〜4,000mJ/cm2である。
【0011】
【作用】エポキシ系接着剤と架橋ポリエチレンは一般に
は接着しにくいが、架橋ポリエチレンを特定の組成範囲
にし、且つ特定の範囲で紫外線を照射することで接着強
度が大巾に改善される。
は接着しにくいが、架橋ポリエチレンを特定の組成範囲
にし、且つ特定の範囲で紫外線を照射することで接着強
度が大巾に改善される。
【0012】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例1〜10及び
比較例1〜9を挙げ、(表1)及び(表2)に試験結果
を示す。
比較例1〜9を挙げ、(表1)及び(表2)に試験結果
を示す。
【0013】(実施例1)ポリエチレン(三井・デュポ
ンポリケミカル社 ミラソン3530 d=0.92
4,MI=0.3g/min)70wt%と、エチレン
酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル社
P−1905,d=0.94,MI=2.5g/mi
n,VA=19wt%)30wt%及び酸化防止剤(チ
バガイギー社イルガノックス1010)0.2重量部を
150℃のバンバリミキサで混練してポリエチレン混合
物を調製した。次いで40mm押出機を用いて外径0.
32mmのスズメッキ銅線7本撚りの導体上に上記ポリ
エチレン混合物を絶縁厚さ0.5mmとなるように押出
被覆し、電子線を25Mrad照射し、次いで紫外線
(アルカリハライドランプ使用 波長250〜400n
m)を2,000mJ/cm2照射して絶縁電線を得
た。
ンポリケミカル社 ミラソン3530 d=0.92
4,MI=0.3g/min)70wt%と、エチレン
酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル社
P−1905,d=0.94,MI=2.5g/mi
n,VA=19wt%)30wt%及び酸化防止剤(チ
バガイギー社イルガノックス1010)0.2重量部を
150℃のバンバリミキサで混練してポリエチレン混合
物を調製した。次いで40mm押出機を用いて外径0.
32mmのスズメッキ銅線7本撚りの導体上に上記ポリ
エチレン混合物を絶縁厚さ0.5mmとなるように押出
被覆し、電子線を25Mrad照射し、次いで紫外線
(アルカリハライドランプ使用 波長250〜400n
m)を2,000mJ/cm2照射して絶縁電線を得
た。
【0014】(実施例2)〜(実施例10)ポリエチレ
ン、エチレン酢酸ビニル共重合体の種類及び含有割合、
酢酸ビニルの含有割合、紫外線の照射量を以下の(表
1)に示す条件とし、他の条件は(実施例1)と同一に
して絶縁電線を得た。
ン、エチレン酢酸ビニル共重合体の種類及び含有割合、
酢酸ビニルの含有割合、紫外線の照射量を以下の(表
1)に示す条件とし、他の条件は(実施例1)と同一に
して絶縁電線を得た。
【0015】(比較例1)〜(比較例9)ポリエチレ
ン、エチレン酢酸ビニル共重合体の種類及び含有割合、
酢酸ビニルの含有割合、紫外線の照射量を以下の(表
1)に示す条件とし、他の条件は(実施例1)と同一に
して絶縁電線を得た。
ン、エチレン酢酸ビニル共重合体の種類及び含有割合、
酢酸ビニルの含有割合、紫外線の照射量を以下の(表
1)に示す条件とし、他の条件は(実施例1)と同一に
して絶縁電線を得た。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】上記の(表1)及び(表2)において、エ
ポキシ系接着剤と絶縁体との剥離の有無は、得られた電
線の表面にエポキシ系接着剤(チバガイギー社 アラル
ダイト クリーンキャストSF)を薄く(約0.3mm
厚)塗布し、100℃で15分間加熱して硬化させ、次
いで室温に戻して24時間後に電線を直径15mmの円
形に曲げ、絶縁体と接着剤との剥離の有無を観察した。
また摩耗試験はJASO D608−87に規定されて
いるテープ摩耗試験に基づいて行なった。
ポキシ系接着剤と絶縁体との剥離の有無は、得られた電
線の表面にエポキシ系接着剤(チバガイギー社 アラル
ダイト クリーンキャストSF)を薄く(約0.3mm
厚)塗布し、100℃で15分間加熱して硬化させ、次
いで室温に戻して24時間後に電線を直径15mmの円
形に曲げ、絶縁体と接着剤との剥離の有無を観察した。
また摩耗試験はJASO D608−87に規定されて
いるテープ摩耗試験に基づいて行なった。
【0019】(表1)から明らかなように、エチレン酢
酸ビニル共重合体或いはこれにポリエチレンを加えた混
合物中の酢酸ビニルの含有割合を1〜15wt%とし、
更に照射する紫外線の量を100〜10,000mJ/
cm2の範囲とすることでエポキシ系接着剤との接着
性、耐摩耗性が向上し、絶縁体の表面の変色も殆んど生
じることがなく、逆に上記の範囲を逸脱すると(表2)
から明らかなように、エポキシ系接着剤との接着性、耐
摩耗性及び絶縁体の表面の変色のいずれかにおいて問題
が生じることが分る。
酸ビニル共重合体或いはこれにポリエチレンを加えた混
合物中の酢酸ビニルの含有割合を1〜15wt%とし、
更に照射する紫外線の量を100〜10,000mJ/
cm2の範囲とすることでエポキシ系接着剤との接着
性、耐摩耗性が向上し、絶縁体の表面の変色も殆んど生
じることがなく、逆に上記の範囲を逸脱すると(表2)
から明らかなように、エポキシ系接着剤との接着性、耐
摩耗性及び絶縁体の表面の変色のいずれかにおいて問題
が生じることが分る。
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように本発明に係る絶縁
電線は、導体上に形成した架橋ポリエチレンとエポキシ
系接着剤との接着性が向上するので、例えば自動車のよ
うに電線端末を接続箱に集合し、接続箱の隙間にエポキ
シ系接着剤を流し込んで防水処理する場合等の防水効果
を高め、延いては自動車の安全性をも高めることができ
る。更に、耐摩耗性及び耐変色性にも優れており、一般
電気工作物、電気機器に用いてその商品価値を増大させ
得る。
電線は、導体上に形成した架橋ポリエチレンとエポキシ
系接着剤との接着性が向上するので、例えば自動車のよ
うに電線端末を接続箱に集合し、接続箱の隙間にエポキ
シ系接着剤を流し込んで防水処理する場合等の防水効果
を高め、延いては自動車の安全性をも高めることができ
る。更に、耐摩耗性及び耐変色性にも優れており、一般
電気工作物、電気機器に用いてその商品価値を増大させ
得る。
フロントページの続き
(72)発明者 樫村 均
茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立
電線株式会社電線研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 絶縁被膜で導体を被覆した絶縁電線にお
いて、前記絶縁被膜は、カルボニル基含有モノマの含有
割合を1〜15wt%としたエチレンとカルボニル基含
有モノマとの共重合体若しくはこれとポリエチレンとの
混合物を導体上に被覆し架橋処理せしめた後に100〜
10,000mJ/cm2の範囲で紫外線を照射して形
成したものであることを特徴とする絶縁電線。 - 【請求項2】 前記エチレンとカルボニル基含有モノマ
との共重合体はエチレン酢酸ビニル共重合体である請求
項1に記載の絶縁電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20250991A JPH0528837A (ja) | 1991-07-17 | 1991-07-17 | 絶縁電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20250991A JPH0528837A (ja) | 1991-07-17 | 1991-07-17 | 絶縁電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0528837A true JPH0528837A (ja) | 1993-02-05 |
Family
ID=16458664
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20250991A Withdrawn JPH0528837A (ja) | 1991-07-17 | 1991-07-17 | 絶縁電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0528837A (ja) |
-
1991
- 1991-07-17 JP JP20250991A patent/JPH0528837A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19981008 |