JPH05288263A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JPH05288263A
JPH05288263A JP8414592A JP8414592A JPH05288263A JP H05288263 A JPH05288263 A JP H05288263A JP 8414592 A JP8414592 A JP 8414592A JP 8414592 A JP8414592 A JP 8414592A JP H05288263 A JPH05288263 A JP H05288263A
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JP
Japan
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engine
fuel supply
automatic transmission
supply amount
output shaft
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JP8414592A
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English (en)
Inventor
Satoru Takizawa
哲 瀧澤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動変速機において、摩擦要素の作動油圧を
決定するためのパラメータとしてエンジンの単位時間当
りの燃料供給量を用いることにより、リーン燃焼エンジ
ンにおいて良好な変速品質を実現する。 【構成】 自動変速機2に設けたコントロールバルブ3
の、ライン圧ソレノイド4をデューティ制御するため、
コントローラ7を設ける。コントローラ7は、点火装置
8、センサ9、10、エンジンコントローラ11から入力さ
れた各種信号に基づき所定の制御プログラムを実行し
て、(エンジン燃料供給量/変速機出力軸回転数)に基
づきライン圧を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリーン燃焼エンジン等に
おいて、油圧作動する摩擦要素の作動油圧を適正値に制
御する、自動変速機の油圧制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動変速機の油圧制御装置の従来例とし
ては、例えば日産自動車(株)が昭和62年3月に発行し
た「RE4RO1A型 オートマチックトランスミッシ
ョン整備要領書」(A261C07)のI‐22〜24ペー
ジに記載されたものがある。この従来例は、自動変速機
の各種摩擦要素(クラッチやブレーキ等)を選択的油圧
作動させて対応変速段を選択し、油圧作動する摩擦要素
を変更することにより他の変速段への変速をなす際に、
当該摩擦要素の作動油圧(通常ライン圧を用いる)を以
下のように制御している。すなわち、変速時ライン圧制
御では、変速時のエンジン駆動力をスロットル開度(ア
クセル開度)で代表させて、変速状態に応じて一時的に
最適ライン圧特性を選択することにより、当該スロット
ル開度に見合った(言い換えればその変速に最も適し
た)ライン圧特性を設定し、それにより変速フィーリン
グの向上を図っている。なお、非変速時ライン圧制御に
おいても、エンジン駆動力を代表するスロットル開度
(アクセル開度)に基づきライン圧を設定しており、こ
れによりライン圧を、各クラッチの締結には十分にな
り、かつオイルポンプ負荷がなるべく少なくなるように
制御している。
【0003】上記従来例においては、エンジン駆動力を
スロットル開度により代表してこれによって一義的に変
速時ライン圧(および非変速時ライン圧)を決定してい
るため、そのライン圧に応じて当該変速に関与する摩擦
要素の締結力が決定されることになる。その場合、実際
のエンジン駆動力は、同一スロットル開度であってもエ
ンジン高回転時低くなり、低回転時高くなるよう変化
し、また高地走行時のように走行環境(大気圧の状態)
の変化が生じる場合や、変速点が変化する場合や、ター
ボ機構付エンジンにおいてターボチャージャのタイムラ
グ(過給効果が生じるまでの遅れ時間)が生じる場合等
にも実際のエンジン駆動力は変化することから、変速品
質にバラツキが生じ、変速ショックの要因となるトルク
の飛び出しや引き込みが生じて変速品質が劣化する惧れ
がある。また、上記従来例においては、クラッチの焼損
を招く要因となるクラッチの滑りを防止するため、ライ
ン圧を必要以上に高く設定せざるを得ず、結果的に燃費
の悪化を招いてしまう。
【0004】この対策として、本願出願人は先に、特開
平3ー186647号公報、特開平3ー189452号公報および特開平
3ー209048号公報に記載の自動変速機の作動油圧制御装置
を提案しており、それらによれば、エンジン駆動力をエ
ンジン吸入空気量および自動変速機の出力軸回転数によ
って推定し、そのエンジン駆動力推定値からライン圧を
決定するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記各公
報記載の装置においては、エンジン駆動力を求めるパラ
メータとしてエンジン吸入空気量を用いているため、一
般的なガソリンエンジンのような空燃比(A/F)をほ
ぼ一定値(理論空燃比近傍)に維持する方式のエンジン
に適用した場合は良好な変速品質が期待できるが、今後
燃費向上を実現するため増加が予想される、リーン燃焼
エンジンやディーゼルエンジン等のようなエンジン駆動
力が燃料供給量に依存する方式のエンジンに適用した場
合、良好な変速品質が得られなくなる。
【0006】本発明は、作動油圧を決定するための、エ
ンジン駆動力を求めるパラメータの1つとしてエンジン
の単位時間当りの燃料供給量を用いることにより、上述
した問題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
の自動変速機の油圧制御装置は、図1に概念を示す如
く、選択的油圧作動により対応変速段を選択して変速を
なす各種摩擦要素の、作動油圧を制御し得るようにし
た、自動変速機の油圧制御装置において、エンジンの単
位時間当りの燃料供給量を検出する燃料供給量検出手段
と、自動変速機の出力軸回転数を検出する出力軸回転数
検出手段と、検出した燃料供給量および出力軸回転数に
基づき前記作動油圧を制御する、油圧制御手段とを具え
て成ることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】自動変速機が各種摩擦要素を選択的に油圧作動
させることにより所定変速段を選択し、油圧作動する摩
擦要素の変更により他の変速段への変速を行う際に、燃
料供給量検出手段は、例えばエンジンの実効燃料噴射量
およびエンジン回転数に基づきエンジンの単位時間当り
の燃料供給量を検出し、出力軸回転数検出手段は自動変
速機の出力軸回転数を検出し、油圧制御手段は検出した
燃料供給量および出力軸回転数に基づき前記作動油圧を
制御する。これにより、当該変速制御において摩擦要素
の作動油圧は実際のエンジン駆動力を反映したものにな
り、リーン燃焼エンジンやディーゼルエンジン等のよう
なエンジン駆動力が燃料供給量に依存する方式のエンジ
ンに上記作動油圧制御を適用した場合に、一般的なガソ
リンエンジンに前記特開平3ー186647号公報、特開平3ー18
9452号公報および特開平3ー209048号公報に記載の技術を
適用した場合と同等の、良好な変速品質が得られる。
【0009】また、前記油圧制御手段が前記作動油圧を
制御する際に、出力軸回転数の代わりに、出力軸回転数
および変速前ギヤ比より求めたタービン回転数を用いる
ようにすることにより、各ギヤ比(各変速段)における
自動変速機の出力軸回転数の相違を吸収して各ギヤ比
(各変速段)における油圧制御の分解能をほぼ一定にす
ることができる。
【0010】さらに、前記エンジンの単位時間当りの燃
料供給量に対し、エンジン損失トルク相当量を補正する
損失トルク相当量補正手段を追加することにより、エン
ジン駆動力をより一層正確に把握することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図2は本発明の自動変速機の油圧制御装置の
第1実施例の構成を示す図であり、図中1はエンジン、
2は自動変速機を示す。エンジン1としては、エンジン
駆動力が燃料供給量に依存する方式のエンジンであるリ
ーン燃焼エンジンを用いる。自動変速機2は、トルクコ
ンバータ、歯車変速機構(ギヤトレーン)および各種摩
擦要素(クラッチやブレーキ)等を具え、さらに、油圧
制御に用いるコントロールバルブ3を具えて成る。コン
トロールバルブ3は、前記文献(RE4RO1A型 オ
ートマチックトランスミッション 整備要領書)に記載
したような変速制御油圧回路を形成するものであり、ラ
イン圧ソレノイド4、第1シフトソレノイド5およびび
第2シフトソレノイド6を具えて成る。
【0012】これらソレノイド4〜6の作動を制御する
ため、コントローラ7を設ける。コントローラ7は、入
力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D 変
換回路と、演算処理回路と、該演算処理回路で実行され
る変速制御や後述のライン圧制御用の制御プログラム等
を格納する記憶回路と、ライン圧をデューティ制御する
ためライン圧ソレノイド4にデューティDを表わす信号
を出力するとともにシフトソレノイド5,6に駆動信号
(ON、OFF 信号)を出力する駆動回路(何れも図示せ
ず)等とを具えて成る。
【0013】コントローラ7には、点火装置8からエン
ジン回転数Neの検出に用いる点火信号Igを入力し、油温
センサ9から自動変速機の作動油温を表わす信号Tatfを
入力するとともに、回転センサ10から自動変速機の出力
軸回転数を表わす信号Noを入力する他、エンジンコント
ローラ11からエンジンの燃料基本噴射量を表わす信号T
p、リーン率を表わす信号L、エンジン水温を表わす信
号Tw、補機負荷情報信号およびトルク低減制御情報信号
(これらの信号については後に詳述する)を夫々入力す
る。
【0014】コントローラ7は、前記各入力信号に基づ
き図3〜12の制御プログラムを実行することにより、ラ
イン圧ソレノイド4をデューティDにより駆動して自動
変速機のライン圧を調圧する、本発明のライン圧制御を
行う。なお、コントローラ7は、スロットル開度THおよ
び車速Vに基づき図示しない制御プログラムを実行する
ことにより、現在の運転状態に最適な自動変速機の変速
段を判断してこの変速段が得られるようシフトソレノイ
ド5,6のON,OFF 指令を行う、変速制御をも実施す
る。
【0015】すなわち、所定周期毎の定時割込により繰
返し実行される図3の制御プログラムにおいて、まずス
テップ101 でエンジンの実効燃料噴射量Teを検出する。
この実効燃料噴射量Teの検出は、エンジンコントローラ
11から入力されたエンジンの燃料基本噴射量Tpおよびリ
ーン率Lを用いて、Te=L×Tpの演算により行う。な
お、上式中Tpはエンジンの吸入空気量およびエンジン回
転数に依存する変数、Lは運転状態に依存する変数であ
る。次のステップ102 では、エンジン回転数Neを検出す
る。このエンジン回転数Neの検出は、点火信号割込によ
り実行される図7の制御プログラムにおいて、ステップ
111 で、点火装置8から入力される点火信号Igの時間間
隔(周期)を計測するフリーランカウンタの計数値CF
を読み込み、ステップ112 で今回読込値CFと前回読込
値CF(OLD) との差ΔCFを求め、ステップ113 でこの
ΔCFよりエンジン回転数Neを算出することにより行
う。
【0016】次のステップ103 では、エンジンの単位時
間当りの燃料供給量Qfを検出する。この燃料供給量Qfの
検出は、上記TeおよびNeを用いて、Qf=Te×Neの演算に
より行う。ステップ104 では、燃料供給量Qfに対しエン
ジン損失トルク相当量の補正を行う。このエンジン損失
トルク相当量の補正は、後述する図8〜図11の制御プロ
グラムの実行により求めた、エンジン損失トルク相当量
TfをQfから減算して補正後燃料供給量Qfaを算出するこ
とにより行う。
【0017】次のステップ105 では、回転センサ10から
自動変速機の出力軸回転数Noを読み込む。この出力軸回
転数Noの読み込みは、所定時間(例えば100msec )割込
により実行される図8の制御プログラムにおいて、ステ
ップ121 、122 で、回転センサ10から入力されたパルス
信号を上記所定時間(100msec )相当分計数し、ステッ
プ123 でその計数値Cより出力軸回転数Noを算出するこ
とにより行う。なお、計数値Cは、ステップ123 の出力
軸回転数Noの算出完了後、ステップ124 でリセットして
おくものとする。次のステップ106 では、上記Qfaおよ
びNoを用いて、エンジンの駆動軸トルク相当値Tq(SEN)
を、Tq(SEN) =K1×(Qfa/No)の演算により求める。
なお、上式中K1は定数とする。
【0018】上記ステップ106 の実行後、制御は図4〜
図6の制御プログラムに進むことになるが、それらプロ
グラムを説明する前に、エンジン損失トルク相当量の補
正に用いる図9〜図12について説明する(なお、コント
ローラ7は、図9〜図12において損失トルク相当量補正
手段として機能する)。図9〜図12の制御プログラム
は、前述した特開平3ー209048号公報の第11〜14図と同一
であるため、概要のみ説明する。図9においては、エン
ジン水温信号TwをA/D変換した後、図示しないエンジ
ン水温センサの特性データに基づいて変換処理を加えて
おく。図10においては、エンジン損失トルク相当量を補
正する対象として選択した補機である、エアコン、パワ
ーステアリング、オルタネータの負荷相当値LDE(AC)、
DE(PS)、LDE(ALT) をそれらの作動状態に応じて求
め、それらを加算して補機によるエンジン損失トルク相
当量LDEを求める。図11においては、エンジン駆動トル
ク低減制御の実施の有無およびその程度に応じてトルク
低減量を求める。
【0019】そして、図12においては、上記補機による
エンジン損失トルク相当量LDEおよびトルク低減量の
他、エンジンフリクション損失トルク相当量およびエン
ジンのポンピング損失トルク相当量について、総合的な
エンジン損失トルク補正を行う。なお、このエンジン損
失トルク補正において、特開平3ー209048号公報で用いて
いたエンジンの吸入空気量Qaを、エンジンの単位時間当
りの燃料供給量Qfに読み換えて使用する。また、エンジ
ンフリクション損失トルク相当量は、例えばエンジン回
転数Neに予め記憶しておいた係数K2を乗じることにより
算出するが、上記エンジン水温Tw、エンジン回転数Neお
よびスロットル開度 TH によって求めてもよい。
【0020】次に、実際にライン圧制御を行う図4〜図
6の制御プログラムについて説明する。なお図4および
図5は、変速時ライン圧制御に適用するものであり、夫
々前記特開平3ー186647号公報の第3図、特開平3ー189452
号公報の第3図と同一であるため、また図6は、非変速
時ライン圧制御に適用するものであり、前記特開平3ー18
6647号公報の第19図と同一であるため、図4のみ詳しく
説明して図5、図6は概要のみ説明する。
【0021】図4の制御プログラムは1→2変速に適用
した場合を示しており、まずステップ31で、油温センサ
9から自動変速機のATF 温度(作動油温Tatf)を読み込
み、次のステップ32で所定温度 (例えば60℃) と比較し
てこのATF 温度が低温か否かを判定する。ここで所定温
度より低い場合には、ステップ33において、対応する状
態のライン圧制御(この場合低温時のライン圧制御)の
ための処理を行い、その処理で求められたライン圧に対
応するデューティDに基づく駆動信号をステップ38でラ
イン圧ソレノイド4に出力する。一方、ATF 温度が前記
所定温度以上の場合には、ステップ34以下へ進み、変速
中か否かをチェックする。すなわち、ステップ34では、
定常ライン圧特性を使用すべき状態か、変速時のライン
圧特性を使用すべき状態かを通常の手法に従って判断
し、その結果、前者の場合には上記ステップ33, 38を実
行し、定常ライン圧制御を行い、後者の場合、すなわち
変速時の場合には、次のステップ35において、変速の種
類を判定する。
【0022】本例では、上述したように1→2変速を制
御対象としているため、上記判定において当該変速以外
の変速の場合には、ステップ33, 38を実行してスロット
ル開度に基づく従来通りの変速時ライン圧制御を行う。
一方、1→2変速の場合には、ステップ36で、Tq(SEN)
の関数として予め所要のライン圧を設定したライン圧テ
ーブル(図示せず)から、該当するライン圧データをル
ックアップしてライン圧Plprs を決定する。なお、この
ライン圧テーブルは、例えば、自動変速機のクラッチ系
のリターンスプリング相当のオフセットを下限値とし
て、Tq(SEN) の増大に伴いリニアに増加するように設定
する。次のステップ37では、上述のようにして決定した
ライン圧Plprs を、図示しないデューティ変換テーブル
によってライン圧ソレノイド制御のためのデューティD
に変換し、これをステップ38でライン圧ソレノイド4に
出力し、ソレノイド4を駆動する。
【0023】図5の制御プログラムは、図4の制御プロ
グラムに対し、制御変数であるTq(SEN) によって求めた
ライン圧Plprs に、当該変速において吸収すべきイナー
シャに相当するイナーシャ分ライン圧Plprs (No)を加算
してライン圧Plprs とする変更を加えたものであり、そ
れ以外は図4と同一である。図6の非変速時ライン圧制
御の制御プログラムは、図4の制御プログラムのステッ
プ34に対応するステップ134 の変速判定において、定常
ライン圧特性を使用すべき状態と判定された場合に、図
4のステップ36と対応するステップ135 を選択する変更
を加えたものであり、それ以外は図4と同一である。こ
の変更により、定常時のライン圧Plprs は変速時と同様
にTq(SEN) によって決定されることになる。
【0024】上記制御の作用を図13〜16によって説明す
る。自動変速機が各種摩擦要素を選択的に油圧作動させ
ることにより所定変速段を選択し、油圧作動する摩擦要
素の変更により他の変速段への変速を行う際の、ライン
圧制御においては、一般に、作動油圧であるライン圧を
調圧することにより、変速中のエンジン駆動力(エンジ
ン出力軸トルク)が、図13(b) に実線で示すように、変
速前のエンジン出力軸トルク特性曲線を延長した直線上
の値を取るように管理している。このライン圧制御は、
前記従来例に示す如く、一般的なガソリンエンジンのよ
うな空燃比(A/F)をほぼ一定値(理論空燃比近傍)
に維持する方式のエンジンに適用した場合は良好な変速
品質が期待できるが、本来、λ=1においてマッチング
するように設定したものであることから、リーン領域に
おいては、同図に点線で示すようにエンジン出力軸トル
クの飛び出しが発生する。
【0025】ところで、エンジンにおける単位時間当り
の燃料供給量と出力軸トルクとの関係は図14に示すよう
になり、理論空燃比(A/F =14.7);λ=1よりA/F が
減少側のリッチ領域では、発生トルクは吸入空気量にほ
ぼ比例する傾向を示すが、λ=1よりA/F が増加側のリ
ーン領域では、エンジン出力軸トルクは燃料供給量にほ
ぼ比例する傾向を示す(なお、図14のデータは標準仕様
のガソリンエンジンについて計測したものであり、リー
ン燃焼エンジンの場合、リーン領域では燃焼状態が改善
されるため、上述したエンジン出力軸トルクが燃料供給
量にほぼ比例する傾向は、より顕著になる)。また、吸
入空気量を一定とした場合の、エンジンにおける単位時
間当りの燃料供給量と出力軸トルクとの関係は図15に示
すようになり、図中実線は標準仕様のガソリンエンジン
の計測値を示し、点線はリーン燃焼エンジンの場合の推
定値を示す。この図15から明らかなように、リーン領域
では上記と同様にエンジン出力軸トルクが燃料供給量に
ほぼ比例する傾向が見られる。
【0026】本例のライン圧制御においては、上述のよ
うなリーン燃焼の特徴を考慮して、図3のステップ101
〜103 の実行によりエンジンの単位時間当りの燃料供給
量Qfを求め、ステップ106 でライン圧決定のための制御
変数Tq(SEN) を算出する際に、Qfを自動変速機の出力軸
回転数Noで割って求めた(Qf/No)を用いている(実際
には、Qfにステップ104 でエンジン損失トルク相当量補
正を加えた補正後燃料供給量QfaをNoで割って求めた
(Qfa/No)を用いている)。したがって、この(Qf/
No)が図16に示すようにエンジン駆動力にリニアに対応
することから、制御変数Tq(SEN) はエンジン駆動力を正
確に把握するものとなり、図4のステップ36〜38の実行
により決定されるライン圧Plprs は、リーン燃焼エンジ
ンにおいて図13(a) に点線で示すように、良好な変速品
質を実現するものになる。
【0027】なお、上記実施例においては、ライン圧決
定のための制御変数Tq(SEN) を算出する際に、エンジン
の単位時間当りの燃料供給量Qf(実際には補正後燃料供
給量Qfa)および自動変速機の出力軸回転数Noを用いて
いるが、Noの代わりに、自動変速機の出力軸回転数Noお
よび変速前ギヤ比より求めた、タービントルクTtを用い
てもよい(その場合の具体的な制御内容は、前記特開平
3ー186647号公報の第17図の記載と同様であるため、説明
を省略する)。このように出力軸回転数Noの代わりにタ
ービン回転数Ttを用いると、変速の種類やギヤ位置(変
速段)に拘らず十分なダイナミックレンジを確保するこ
とができ、どのような変速またはギヤ位置においてもほ
ぼ同等の制御精度(分解能)が得られる。
【0028】また、上記実施例においては、間欠燃料噴
射システム(例えばL‐Jetro、D‐Jetro;何れも商
品名)を採用したエンジンの場合を示したが、K‐Jet
ro(商品名)のような単位時間当りの燃料供給量を制御
する、定量燃料噴射システムのエンジンに適用してもよ
い。その場合、当該燃料供給量をQfとする。さらに、図
3のステップ106 のTq(SEN) の演算式に用いる定数K1
を、変速前ギヤ比Grの逆数(1/Gr)に比例する値に設定
してもよく、その場合、Tq(SEN) の変化する範囲を変速
の種類に拘らずほぼ共通化することができ、コントロー
ラ7におけるメモリ利用効率が向上する。さらにまた、
上記実施例においては、エンジンの単位時間当りの燃料
供給量Qfを用いているが、この代わりに燃料噴射量とエ
ンジン回転数との積を用いてもよい。
【0029】
【発明の効果】かくして本発明の自動変速機の油圧制御
装置は上述の如く、作動油圧を決定するための、エンジ
ン駆動力を求めるパラメータの1つとしてエンジンの単
位時間当りの燃料供給量を用いるから、リーン燃焼エン
ジンやディーゼルエンジン等のようなエンジン駆動力が
燃料供給量に依存する方式のエンジンに上記作動油圧制
御を適用した場合に、一般的なガソリンエンジンに前記
特開平3ー186647号公報、特開平3ー189452号公報および特
開平3ー209048号公報に記載の技術を適用した場合と同等
の、良好な変速品質が得られる。また、前記油圧制御手
段が前記作動油圧を制御する際に、出力軸回転数の代わ
りに、出力軸回転数および変速前ギヤ比より求めたター
ビン回転数を用いるようにすることにより、各ギヤ比
(各変速段)における自動変速機の出力軸回転数の相違
を吸収して各ギヤ比(各変速段)における油圧制御の分
解能をほぼ一定にすることができる。さらに、前記エン
ジンの単位時間当りの燃料供給量に対し、エンジン損失
トルク相当量を補正する損失トルク相当量補正手段を追
加することにより、エンジン駆動力をより一層正確に把
握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念図である。
【図2】本発明の自動変速機の油圧制御装置の第1実施
例の構成を示す図である。
【図3】同例における、コントローラによるライン圧制
御において、ライン圧を決定する制御変数を演算する制
御プログラムを示すフローチャートである。
【図4】同例における、コントローラによるライン圧制
御において、ライン圧を決定する制御プログラムを示す
フローチャートである。
【図5】同例における、コントローラによるライン圧制
御において、ライン圧を決定する制御プログラムを示す
フローチャートである。
【図6】同例における、コントローラによるライン圧制
御において、ライン圧を決定する制御プログラムを示す
フローチャートである。
【図7】同例におけるコントローラによる、エンジン回
転数を求める制御プログラムを示すフローチャートであ
る。
【図8】同例におけるコントローラによる、自動変速機
の出力軸回転数を求める制御プログラムを示すフローチ
ャートである。
【図9】同例におけるコントローラによる、エンジン水
温を求める制御プログラムを示すフローチャートであ
る。
【図10】同例におけるコントローラによる、補機によ
るエンジン損失トルク相当量算出の制御プログラムを示
すフローチャートである。
【図11】同例におけるコントローラによる、トルク低
減量算出の制御プログラムを示すフローチャートであ
る。
【図12】同例におけるコントローラによる、補機によ
るエンジン損失トルク相当量、トルク低減量、エンジン
フリクション損失トルク相当量およびエンジンのポンピ
ング損失トルク相当量についての、エンジン損失トルク
補正の制御プログラムを示すフローチャートである。
【図13】(a) および(b) は、同例の作用を説明するた
めの図である。
【図14】同例の作用を説明するための図である。
【図15】同例の作用を説明するための図である。
【図16】同例の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 コントロールバルブ 4 ライン圧ソレノイド 5 第1シフトソレノイド 6 第2シフトソレノイド 7 コントローラ 8 点火装置 9 油温センサ 10 回転センサ 11 エンジンコントローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 選択的油圧作動により対応変速段を選択
    して変速をなす各種摩擦要素の、作動油圧を制御し得る
    ようにした、自動変速機の油圧制御装置において、 エンジンの単位時間当りの燃料供給量を検出する燃料供
    給量検出手段と、 自動変速機の出力軸回転数を検出する出力軸回転数検出
    手段と、 検出した燃料供給量および出力軸回転数に基づき前記作
    動油圧を制御する、油圧制御手段とを具えて成ることを
    特徴とする、自動変速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記燃料供給量検出手段は、エンジンの
    実効燃料噴射量およびエンジン回転数に基づき、エンジ
    ンの単位時間当りの燃料供給量を検出することを特徴と
    する、請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記油圧制御手段は、出力軸回転数の代
    わりに、出力軸回転数および変速前ギヤ比より求めたタ
    ービン回転数を用いて、前記作動油圧を制御することを
    特徴とする、請求項1または2記載の自動変速機の油圧
    制御装置。
  4. 【請求項4】 前記エンジンの単位時間当りの燃料供給
    量に対し、エンジン損失トルク相当量を補正する、損失
    トルク相当量補正手段を設けて成ることを特徴とする、
    請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009097445A (ja) * 2007-10-17 2009-05-07 Toyota Motor Corp 有段自動変速機の変速制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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