JP2682177B2 - 自動変速機の作動油圧制御装置 - Google Patents
自動変速機の作動油圧制御装置Info
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- JP2682177B2 JP2682177B2 JP2001566A JP156690A JP2682177B2 JP 2682177 B2 JP2682177 B2 JP 2682177B2 JP 2001566 A JP2001566 A JP 2001566A JP 156690 A JP156690 A JP 156690A JP 2682177 B2 JP2682177 B2 JP 2682177B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は自動変速機の作動油圧制御装置、特にエンジ
ンの吸入空気量を用いて作動油圧を制御する装置に関す
るものである。
ンの吸入空気量を用いて作動油圧を制御する装置に関す
るものである。
(従来の技術) 自動変速機は、例えば昭和63年3月、日産自動車
(株)発行「RE4RO3A型オートマチックトランスミッシ
ョン整備要領書」(A261C10)に記載の如く、各種摩擦
要素(クラッチやブレーキ等)の選択的油圧作動により
対応変速段を選択し、油圧作動する摩擦要素の変更によ
り他の変速段へ自動変速するよう構成する。そして自動
変速機搭載車は、エンジン動力を選択変速段でのギヤ比
で駆動車輪に伝え、この車輪を駆動して車両の走行を可
能ならしめる。
(株)発行「RE4RO3A型オートマチックトランスミッシ
ョン整備要領書」(A261C10)に記載の如く、各種摩擦
要素(クラッチやブレーキ等)の選択的油圧作動により
対応変速段を選択し、油圧作動する摩擦要素の変更によ
り他の変速段へ自動変速するよう構成する。そして自動
変速機搭載車は、エンジン動力を選択変速段でのギヤ比
で駆動車輪に伝え、この車輪を駆動して車両の走行を可
能ならしめる。
ところで上記摩擦要素の作動油圧(通常ライン圧)は
上記文献中第I-29〜31頁に記載されているような作動油
圧制御により、アクセル開度(スロットル開度)をエン
ジン負荷として検出し、これにマッチするよう調圧する
ことで、摩擦要素の締結容量を該要素が激しく滑ったり
変速ショックが大きくなることのないよう適切なものに
するようにしている。具体的には、例えば、変速時ライ
ン圧制御では、変速時のエンジン駆動力をスロットル開
度で代表させてこれに見合った、その変速に最も適した
ライン圧特性を設定し、変速状態に応じて一時的に最適
ライン圧特性を選択することにより変速フィーリングの
向上を図っている。
上記文献中第I-29〜31頁に記載されているような作動油
圧制御により、アクセル開度(スロットル開度)をエン
ジン負荷として検出し、これにマッチするよう調圧する
ことで、摩擦要素の締結容量を該要素が激しく滑ったり
変速ショックが大きくなることのないよう適切なものに
するようにしている。具体的には、例えば、変速時ライ
ン圧制御では、変速時のエンジン駆動力をスロットル開
度で代表させてこれに見合った、その変速に最も適した
ライン圧特性を設定し、変速状態に応じて一時的に最適
ライン圧特性を選択することにより変速フィーリングの
向上を図っている。
(発明が解決しようとする課題) しかして、これにより、上述の変速時ライン圧制御は
高価なブーストセンサを用いることもなく変速ショック
の低減を可能にするものではあるが、エンジン駆動力を
スロットル開度により代表してこれで一義的に変速時ラ
イン圧、従ってそのライン圧に応じて定まる摩擦要素の
締結力たる変速クラッチ締結力を決定すると、同一スロ
ットル開度でも駆動力が変化した場合(例えば、変速点
が異なったり、大気圧などの環境変化)には、変速ショ
ックがこれによって影響を受け、マッチング状態のとき
より飛び出し、あるいは引き込み傾向に変化し、又その
程度も上記駆動力変化により左右される。従って、これ
らに対する補正機能までは有してはいない。
高価なブーストセンサを用いることもなく変速ショック
の低減を可能にするものではあるが、エンジン駆動力を
スロットル開度により代表してこれで一義的に変速時ラ
イン圧、従ってそのライン圧に応じて定まる摩擦要素の
締結力たる変速クラッチ締結力を決定すると、同一スロ
ットル開度でも駆動力が変化した場合(例えば、変速点
が異なったり、大気圧などの環境変化)には、変速ショ
ックがこれによって影響を受け、マッチング状態のとき
より飛び出し、あるいは引き込み傾向に変化し、又その
程度も上記駆動力変化により左右される。従って、これ
らに対する補正機能までは有してはいない。
又、定常時ライン圧制御の場合にも、スロットル開度
を基に定常時ライン圧を設定しているが、変速時ではな
い通常走行時においてさえ同一スロットル開度でも駆動
力が変化する場合(例えば高地走行か低地走行かによる
大気圧の相違等)があり、そのときには駆動力に対して
必要以上の過大な定常時ライン圧が設定される場合が生
じてしまい、やはりそれらを補正し得るような対応性は
有さない。
を基に定常時ライン圧を設定しているが、変速時ではな
い通常走行時においてさえ同一スロットル開度でも駆動
力が変化する場合(例えば高地走行か低地走行かによる
大気圧の相違等)があり、そのときには駆動力に対して
必要以上の過大な定常時ライン圧が設定される場合が生
じてしまい、やはりそれらを補正し得るような対応性は
有さない。
そこで、上述の対策として、本出願人は、エンジンの
出力に相当する吸入空気量と自動変速機の出力軸回転数
により駆動力をリニアに表わす制御パラメータを求め、
その値によりライン圧を決定する方法を開発し、かかる
手法によるライン圧制御装置について提案している。こ
れによれば、前記文献のものに比しライン油圧を適切に
設定して一層の対応性の向上を図ることが可能である
が、次のような点を考慮するときは十分とはいえない場
合がある。
出力に相当する吸入空気量と自動変速機の出力軸回転数
により駆動力をリニアに表わす制御パラメータを求め、
その値によりライン圧を決定する方法を開発し、かかる
手法によるライン圧制御装置について提案している。こ
れによれば、前記文献のものに比しライン油圧を適切に
設定して一層の対応性の向上を図ることが可能である
が、次のような点を考慮するときは十分とはいえない場
合がある。
即ち、自動変速機へのエンジン動力をみると、実際に
は、エンジンの暖機過程や、補機の駆動などのため、エ
ンジン出力の一部は自動変速機の入力までに損失してし
まう。又、ノッキング抑制のための点火時期遅角制御や
自動変速機の変速と同期したトルク制御など、エンジン
側でのトルク制御を採用する場合も増加しており、これ
らは基本的にトルクを低減するものが多い。従って、上
述のような実際の自動変速機への入力に影響を及ぼす変
動分があることに着目すると、検出された吸入空気量そ
のままを適用するだけでは有効なエンジン出力、即ち自
動変速機への入力を十分に表わしきれない場合もあり、
より厳密なライン圧制御が要請されるときは上記の変動
分は問題となる。
は、エンジンの暖機過程や、補機の駆動などのため、エ
ンジン出力の一部は自動変速機の入力までに損失してし
まう。又、ノッキング抑制のための点火時期遅角制御や
自動変速機の変速と同期したトルク制御など、エンジン
側でのトルク制御を採用する場合も増加しており、これ
らは基本的にトルクを低減するものが多い。従って、上
述のような実際の自動変速機への入力に影響を及ぼす変
動分があることに着目すると、検出された吸入空気量そ
のままを適用するだけでは有効なエンジン出力、即ち自
動変速機への入力を十分に表わしきれない場合もあり、
より厳密なライン圧制御が要請されるときは上記の変動
分は問題となる。
本発明は、自動変速機の摩擦要素の作動油圧をエンジ
ンの吸入空気量を用いて決定する場合に上述の如き変動
分を容易に修正し得、より厳密に摩擦要素の作動油圧を
制御することのできる自動変速機の作動油圧制御装置を
提供することを目的とする。
ンの吸入空気量を用いて決定する場合に上述の如き変動
分を容易に修正し得、より厳密に摩擦要素の作動油圧を
制御することのできる自動変速機の作動油圧制御装置を
提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この目的のため本発明作動油圧制御装置は第1図に概
念を示す如く、各種摩擦要素の選択的油圧作動により対
応変速段を選択し、油圧作動する摩擦要素の変更により
他の変速段への変速を行い、かつ摩擦要素の作動油圧を
制御可能な自動変速機において、 エンジンの吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段
と、 この検出手段により検出される吸入空気量と、前記自
動変速機の出力軸回転数または該出力軸回転数と比例関
係を有する回転数を検出する回転数情報検出手段により
検出される回転数情報から、その吸入空気量値を回転数
情報値で除して得られる吸入空気量と回転数情報との比
である 吸入空気量/回転数情報 を求め、その比の値に基づき決定される制御量に応じて
変速時の前記摩擦要素の作動油圧を設定する作動油圧設
定手段と、 前記吸入空気量検出手段により検出される吸入空気量
について補正すべく、その検出された吸入空気量に対
し、エンジンのフリクションに応じ吸入空気量を補正す
るエンジンフリクション分補正、ポンピング損失分に応
じ吸入空気量を補正するポンピング損失分補正、補機駆
動時に補機負荷に応じて吸入空気量を補正する補機負荷
分補正、エンジントルク制御を実行するエンジンコント
ローラにより行われる、当該制御実行時のトルク低減制
御に対応させて吸入空気量を補正するトルク低減分補正
のうちの少なくとも一つの吸入空気量補正をし、斯く補
正して得られる補正後の吸入空気量値を、前記比を求め
る場合の吸入空気量値として適用させる吸入空気量補正
手段であって、補正の際には、各条件下において、トル
ク低減分に相当する空気量を求め、補正をする吸入空気
量補正手段とを具備してなるものである。
念を示す如く、各種摩擦要素の選択的油圧作動により対
応変速段を選択し、油圧作動する摩擦要素の変更により
他の変速段への変速を行い、かつ摩擦要素の作動油圧を
制御可能な自動変速機において、 エンジンの吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段
と、 この検出手段により検出される吸入空気量と、前記自
動変速機の出力軸回転数または該出力軸回転数と比例関
係を有する回転数を検出する回転数情報検出手段により
検出される回転数情報から、その吸入空気量値を回転数
情報値で除して得られる吸入空気量と回転数情報との比
である 吸入空気量/回転数情報 を求め、その比の値に基づき決定される制御量に応じて
変速時の前記摩擦要素の作動油圧を設定する作動油圧設
定手段と、 前記吸入空気量検出手段により検出される吸入空気量
について補正すべく、その検出された吸入空気量に対
し、エンジンのフリクションに応じ吸入空気量を補正す
るエンジンフリクション分補正、ポンピング損失分に応
じ吸入空気量を補正するポンピング損失分補正、補機駆
動時に補機負荷に応じて吸入空気量を補正する補機負荷
分補正、エンジントルク制御を実行するエンジンコント
ローラにより行われる、当該制御実行時のトルク低減制
御に対応させて吸入空気量を補正するトルク低減分補正
のうちの少なくとも一つの吸入空気量補正をし、斯く補
正して得られる補正後の吸入空気量値を、前記比を求め
る場合の吸入空気量値として適用させる吸入空気量補正
手段であって、補正の際には、各条件下において、トル
ク低減分に相当する空気量を求め、補正をする吸入空気
量補正手段とを具備してなるものである。
また、上記において、前記制御量として、伝達トルク相
当の制御量としての第1の制御量を求めると共に、前記
回転数情報により決定されるイナーシャ相当分の制御量
としての第2の制御量を求め、これらにより変速時の摩
擦要素の作動油圧を設定するようにしたものである。
当の制御量としての第1の制御量を求めると共に、前記
回転数情報により決定されるイナーシャ相当分の制御量
としての第2の制御量を求め、これらにより変速時の摩
擦要素の作動油圧を設定するようにしたものである。
(作用) 摩擦要素を選択的に油圧作動させることにより自動変
速機は所定変速段を選択し、油圧作動する摩擦要素の変
更により他の変速段への変速を自動変速機は行う。かか
る変速時、吸入空気量検出手段及び回転数情報検出手段
が夫々検出したエンジンの吸入空気量及び自動変速機の
出力軸回転数又はこれと比例する回転数に応じ作動油圧
設定手段は、吸入空気量と回転数情報から、その吸入空
気量値を回転数情報値で除して得られる吸入空気量と回
転数情報との比である 吸入空気量/回転数情報 を求め、その比の値に基づき決定される制御量を決定し
これに応じて変速時の摩擦要素の作動油圧を設定する一
方、吸入空気量補正手段は吸入空気量検出手段により検
出される吸入空気量について補正すべく、その検出され
た吸入空気量に対し、エンジンのフリクションに応じ吸
入空気量を補正するエンジンフリクション分補正、ポン
ピング損失分に応じ吸入空気量を補正するポンピング損
失分補正、補機駆動時に補機負荷に応じて吸入空気量を
補正する補機負荷分補正、エンジントルク制御を実行す
るエンジンコントローラにより行われる、当該制御実行
時のトルク低減制御に対応させて吸入空気量を補正する
トルク低減分補正のうちの少なくとも一つの吸入空気量
補正をし、斯く補正して得られる補正後の吸入空気量値
を、前記比を求める場合の吸入空気量値として適用させ
る。
速機は所定変速段を選択し、油圧作動する摩擦要素の変
更により他の変速段への変速を自動変速機は行う。かか
る変速時、吸入空気量検出手段及び回転数情報検出手段
が夫々検出したエンジンの吸入空気量及び自動変速機の
出力軸回転数又はこれと比例する回転数に応じ作動油圧
設定手段は、吸入空気量と回転数情報から、その吸入空
気量値を回転数情報値で除して得られる吸入空気量と回
転数情報との比である 吸入空気量/回転数情報 を求め、その比の値に基づき決定される制御量を決定し
これに応じて変速時の摩擦要素の作動油圧を設定する一
方、吸入空気量補正手段は吸入空気量検出手段により検
出される吸入空気量について補正すべく、その検出され
た吸入空気量に対し、エンジンのフリクションに応じ吸
入空気量を補正するエンジンフリクション分補正、ポン
ピング損失分に応じ吸入空気量を補正するポンピング損
失分補正、補機駆動時に補機負荷に応じて吸入空気量を
補正する補機負荷分補正、エンジントルク制御を実行す
るエンジンコントローラにより行われる、当該制御実行
時のトルク低減制御に対応させて吸入空気量を補正する
トルク低減分補正のうちの少なくとも一つの吸入空気量
補正をし、斯く補正して得られる補正後の吸入空気量値
を、前記比を求める場合の吸入空気量値として適用させ
る。
これにより、変速前トルクと変速中トルクの比率を一
定に保つようにその作動油圧の自己補正をさせ得て、斯
く設定される変速時の作動油圧はエンジン出力の変化に
対して自己補正可能であり、この自己補正機能は変速シ
ョックの変化を防止し、変速品質のバラツキを少くする
ことができると共に、かかる吸入空気量/回転数情報の
比の値を用いることで、変速中も逐次これを求めつつそ
の変速時の摩擦要素の作動油圧が設定できることから、
自己補正の機能を、当該変速の実際の場面でその変速中
でも発揮させられ、従って、変速に際して、常に、変速
ショック変化防止対策としてのその必要な自己補正の効
果を得ることができる。
定に保つようにその作動油圧の自己補正をさせ得て、斯
く設定される変速時の作動油圧はエンジン出力の変化に
対して自己補正可能であり、この自己補正機能は変速シ
ョックの変化を防止し、変速品質のバラツキを少くする
ことができると共に、かかる吸入空気量/回転数情報の
比の値を用いることで、変速中も逐次これを求めつつそ
の変速時の摩擦要素の作動油圧が設定できることから、
自己補正の機能を、当該変速の実際の場面でその変速中
でも発揮させられ、従って、変速に際して、常に、変速
ショック変化防止対策としてのその必要な自己補正の効
果を得ることができる。
また、その場合に、変速時の作動油圧をスロットル開
度に専ら依存して決定するような手法に対する改善が図
られるのはもとより、作動油圧の決定に、燃料噴射量や
吸入負圧を利用する場合であったなら生ずるであろう、
変速終期での飛び出すようなショックをも回避しつつ、
変速時の作動油圧制御を効果的に行わせることができ
る。
度に専ら依存して決定するような手法に対する改善が図
られるのはもとより、作動油圧の決定に、燃料噴射量や
吸入負圧を利用する場合であったなら生ずるであろう、
変速終期での飛び出すようなショックをも回避しつつ、
変速時の作動油圧制御を効果的に行わせることができ
る。
しかも、これらに加えるに、エンジンのフリクション
やポンピング損失、更には、該当するときの補機の駆
動、エンジンコントローラで実行中のトルク低減制御
は、そのいずれもが、自動変速機への入力に対し、専ら
それを低下させるものとなり、従って専らその変速前ト
ルクにつきそれをその分小さくする要因となるが、変速
時作動油圧制御において、上記の吸入空気量補正手段を
よって、更にその自己補正に用いられる吸入空気量に対
する補正をも行うことから、かかる自動変速機への入力
に影響を及ぼす低下変動分も修正し得て、その低下する
変動分に起因する分の現在の変速ショックの悪化をも避
けられ、変速時の摩擦要素の設定作動油圧をより厳密で
正確なものとし、より一層の対応性をもたらし、変速時
作動油圧制御の精度を向上させることができるのみなら
ず、上記の作用効果をも損なわずに、これを適切に実現
し得て一層確実なものにすることができる。
やポンピング損失、更には、該当するときの補機の駆
動、エンジンコントローラで実行中のトルク低減制御
は、そのいずれもが、自動変速機への入力に対し、専ら
それを低下させるものとなり、従って専らその変速前ト
ルクにつきそれをその分小さくする要因となるが、変速
時作動油圧制御において、上記の吸入空気量補正手段を
よって、更にその自己補正に用いられる吸入空気量に対
する補正をも行うことから、かかる自動変速機への入力
に影響を及ぼす低下変動分も修正し得て、その低下する
変動分に起因する分の現在の変速ショックの悪化をも避
けられ、変速時の摩擦要素の設定作動油圧をより厳密で
正確なものとし、より一層の対応性をもたらし、変速時
作動油圧制御の精度を向上させることができるのみなら
ず、上記の作用効果をも損なわずに、これを適切に実現
し得て一層確実なものにすることができる。
この場合において、好ましくは、前記吸入空気量補正
手段は、前記エンジンフリクション分補正と、ポンピン
グ損失分補正と、補機負荷分補正と、トルク低減分補正
のいずれも行う構成として、本発明は実施でき、同様に
して上記のことを実現することを可能ならしめる。この
ようにすると、斯く吸入空気量補正をし得て、その最終
的な補正後の吸入空気量値を得ることができ、その分、
より一層正確な制御が達成できる等の利点がある。
手段は、前記エンジンフリクション分補正と、ポンピン
グ損失分補正と、補機負荷分補正と、トルク低減分補正
のいずれも行う構成として、本発明は実施でき、同様に
して上記のことを実現することを可能ならしめる。この
ようにすると、斯く吸入空気量補正をし得て、その最終
的な補正後の吸入空気量値を得ることができ、その分、
より一層正確な制御が達成できる等の利点がある。
好ましくはまた、前記吸入空気量補正手段による吸入
空気量に対する補正は、少なくともエンジン回転数及び
エンジン水温に応じたエンジンフリクション相当の吸入
空気量分を吸入空気量から減算する減算補正と、エンジ
ン回転数及びスロットル開度に応じたポンピング損失相
当の吸入空気量分を吸入空気量から減算する減算補正と
の少なくとも一方を含む態様で好適に実施でき、また、
前記エンジンフリクション分補正として、エンジン無負
荷状態での消費吸入空気量についての補正を行うべく、
吸入空気量とエンジン回転数から、 補正後Qa=Qa-KO×Ne ……(i) 但し、Qaは吸入空気量、Neはエンジン回転数、KOは予め
設定した定数 により、そのエンジン回転数に比例したKO×Ne分をエン
ジンフリクション相当の吸入空気量分として当該吸入空
気量分を吸入空気量から減算する減算補正により補正後
の吸入空気量値を求める態様で好適に実施でき、同様に
して上記のことを実現することを可能ならしめる。この
場合、後者の態様では、簡便なフリクション相当分の吸
入空気量補正を実現し得て、エンジンの出力に対応する
吸入空気量の精度を向上するためにエンジン無負荷状態
での消費吸入空気量についての補正を行うことが可能
で、上式(i)に従う減算補正による補正手法で無負荷
時の吸入空気量分をエンジン回転数により補正すること
ができる結果、その分、エンジン回転数依存分を適切に
してかつ簡易に修正できる等の利点がある。
空気量に対する補正は、少なくともエンジン回転数及び
エンジン水温に応じたエンジンフリクション相当の吸入
空気量分を吸入空気量から減算する減算補正と、エンジ
ン回転数及びスロットル開度に応じたポンピング損失相
当の吸入空気量分を吸入空気量から減算する減算補正と
の少なくとも一方を含む態様で好適に実施でき、また、
前記エンジンフリクション分補正として、エンジン無負
荷状態での消費吸入空気量についての補正を行うべく、
吸入空気量とエンジン回転数から、 補正後Qa=Qa-KO×Ne ……(i) 但し、Qaは吸入空気量、Neはエンジン回転数、KOは予め
設定した定数 により、そのエンジン回転数に比例したKO×Ne分をエン
ジンフリクション相当の吸入空気量分として当該吸入空
気量分を吸入空気量から減算する減算補正により補正後
の吸入空気量値を求める態様で好適に実施でき、同様に
して上記のことを実現することを可能ならしめる。この
場合、後者の態様では、簡便なフリクション相当分の吸
入空気量補正を実現し得て、エンジンの出力に対応する
吸入空気量の精度を向上するためにエンジン無負荷状態
での消費吸入空気量についての補正を行うことが可能
で、上式(i)に従う減算補正による補正手法で無負荷
時の吸入空気量分をエンジン回転数により補正すること
ができる結果、その分、エンジン回転数依存分を適切に
してかつ簡易に修正できる等の利点がある。
また、吸入空気量補正手段による吸入空気量に対する
補正は、補機負荷情報に基づき補機負荷による出力損失
相当の吸入空気量分を吸入空気量から減算することによ
り行う態様で好適に実施でき、また、前記コントローラ
によりエンジントルクを低減せしめるトルク低減制御が
実行されている場合のそのトルク低減量又はトルク低減
率を検出し、該低減量又は低減率に基づき、次式、 補正後Qa=Qa-QTC …(ii) 但し、Qaは吸入空気量、QTCはその低減量検出の場合の
トルク低減量相当の吸入空気量 により、そのトルク低減量相当の吸入空気量分を吸入空
気量から減算する減算補正によって補正後の吸入空気量
値を求めるか、 又はその低減率検出の場合における、エンジントルク
低減の変化度合を示すKTC値を補正係数として用いて、
次式、 補正後Qa=KTC×Qa …(iii) により、そのトルク低減率を表す補正係数を吸入空気量
に乗算する乗算補正によって補正後の吸入空気量値を求
めるかの、いずれかにより行う態様で好適に実施でき、
同様にして上記のことを実現することを可能ならしめ
る。この場合、後者の態様では、吸入空気量/回転数情
報の前記比におけるその吸入空気量自体の補正をするた
めに、点火時期制御、燃料カット制御等のトルク低減制
御がエンジンコントローラ側で行われている場合に合わ
せて、そのトルク低減を、別個に、トルク低減量または
トルク低減率として求め得て、その低減量検出の場合は
上式(ii)に従う減算補正(トルク低減制御が行われて
いないときに該当するときは、上記QTC値は値0)によ
って、またその低減率検出の場合は上式(iii)に従う
乗算補正(トルク低減制御が行われていないときに該当
するときは、上記KTC値は値1)によって、いずれも、
その制御実行時のトルク低減分について適切な吸入空気
量値補正ができる等の利点がある。
補正は、補機負荷情報に基づき補機負荷による出力損失
相当の吸入空気量分を吸入空気量から減算することによ
り行う態様で好適に実施でき、また、前記コントローラ
によりエンジントルクを低減せしめるトルク低減制御が
実行されている場合のそのトルク低減量又はトルク低減
率を検出し、該低減量又は低減率に基づき、次式、 補正後Qa=Qa-QTC …(ii) 但し、Qaは吸入空気量、QTCはその低減量検出の場合の
トルク低減量相当の吸入空気量 により、そのトルク低減量相当の吸入空気量分を吸入空
気量から減算する減算補正によって補正後の吸入空気量
値を求めるか、 又はその低減率検出の場合における、エンジントルク
低減の変化度合を示すKTC値を補正係数として用いて、
次式、 補正後Qa=KTC×Qa …(iii) により、そのトルク低減率を表す補正係数を吸入空気量
に乗算する乗算補正によって補正後の吸入空気量値を求
めるかの、いずれかにより行う態様で好適に実施でき、
同様にして上記のことを実現することを可能ならしめ
る。この場合、後者の態様では、吸入空気量/回転数情
報の前記比におけるその吸入空気量自体の補正をするた
めに、点火時期制御、燃料カット制御等のトルク低減制
御がエンジンコントローラ側で行われている場合に合わ
せて、そのトルク低減を、別個に、トルク低減量または
トルク低減率として求め得て、その低減量検出の場合は
上式(ii)に従う減算補正(トルク低減制御が行われて
いないときに該当するときは、上記QTC値は値0)によ
って、またその低減率検出の場合は上式(iii)に従う
乗算補正(トルク低減制御が行われていないときに該当
するときは、上記KTC値は値1)によって、いずれも、
その制御実行時のトルク低減分について適切な吸入空気
量値補正ができる等の利点がある。
また、前記制御量として、伝達トルク相当の制御量と
しての第1の制御量を求めると共に、前記回転数情報に
より決定されるイナーシャ相当分の制御量としての第2
の制御量を求め、これらにより変速時の摩擦要素の作動
油圧を設定するよう構成し、その吸入空気量に対して同
様の補正を行うこともでき、また、スロットル開度によ
る変速時作動油圧制御をベースとして、そのスロットル
開度が決定される作動油圧に対し、スロットル開度に対
する標準吸入空気量データと実際の吸入空気量との比で
ある吸入空気量/標準吸入空気量を用いて変速時作動油
圧の補正を行う場合におけるその吸入空気量自体に対す
る補正を行うようにしてもよい。
しての第1の制御量を求めると共に、前記回転数情報に
より決定されるイナーシャ相当分の制御量としての第2
の制御量を求め、これらにより変速時の摩擦要素の作動
油圧を設定するよう構成し、その吸入空気量に対して同
様の補正を行うこともでき、また、スロットル開度によ
る変速時作動油圧制御をベースとして、そのスロットル
開度が決定される作動油圧に対し、スロットル開度に対
する標準吸入空気量データと実際の吸入空気量との比で
ある吸入空気量/標準吸入空気量を用いて変速時作動油
圧の補正を行う場合におけるその吸入空気量自体に対す
る補正を行うようにしてもよい。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
る。
第2図は本発明作動油圧制御装置の一実施例で、1は
エンジン、2は自動変速機を示す。
エンジン、2は自動変速機を示す。
自動変速機2は、トルクコンバータ、変速機構(ギヤ
トレーン)、及びクラッチ、ブレーキなどの各種摩擦要
素等から成り、又そのトルクコンバータは、エンジン出
力軸により駆動され、オイルポンプの駆動にも用いられ
るポンプインペラ、該ポンプインペラにより流体駆動さ
れて動力を伝達するタービンランナ、及びステータ等か
ら構成されるものとし、かかる自動変速機の構成につい
ては前記文献に記載の既知のものであるので説明は省略
する。
トレーン)、及びクラッチ、ブレーキなどの各種摩擦要
素等から成り、又そのトルクコンバータは、エンジン出
力軸により駆動され、オイルポンプの駆動にも用いられ
るポンプインペラ、該ポンプインペラにより流体駆動さ
れて動力を伝達するタービンランナ、及びステータ等か
ら構成されるものとし、かかる自動変速機の構成につい
ては前記文献に記載の既知のものであるので説明は省略
する。
更に、自動変速機2はコントロールバルブ3を具え、
このコントロールバルブには前記文献に記載されたよう
な変速制御油圧回路を形成すると共に、ライン圧ソレノ
イド4、第1シフトソレノイド5及び第2シフトソレノ
イド6を設ける。これらソレノイド4〜6は夫々コント
ローラ7により電子制御し、このコントローラにはエン
ジン1のスロットル開度TH(エンジン負荷)を検出する
スロットルセンサ8からの信号、車速Vを検出する車速
センサ9からの信号の他、エンジン1に吸入される空気
量Qaを検出するエアフローメータ10からの信号、自動変
速機2の出力軸回転数Noを検出する回転センサ11からの
信号、自動変速機の作動油温度(ATF温度)を検出する
油温センサ12からの信号、及び点火装置13からのエンジ
ン回転数を算出するための点火信号(Ig)を夫々入力す
る。又、コントローラ7にはエンジンコントロールユニ
ットであるコントローラ14からエンジンの水温(Tw)情
報、エアコン等の補機負荷情報及びエンジントルク制御
情報が入力される。上述のエンジン回転数、エンジン水
温Tw、スロットル開度TH、補機負荷情報、トルク制御情
報のうちの一つ、又は複数は、ライン圧を吸入空気量を
用いて決定する場合においてエアフローメータ10で得ら
れる吸入空気量Qaを補正するのに使用することができ
る。
このコントロールバルブには前記文献に記載されたよう
な変速制御油圧回路を形成すると共に、ライン圧ソレノ
イド4、第1シフトソレノイド5及び第2シフトソレノ
イド6を設ける。これらソレノイド4〜6は夫々コント
ローラ7により電子制御し、このコントローラにはエン
ジン1のスロットル開度TH(エンジン負荷)を検出する
スロットルセンサ8からの信号、車速Vを検出する車速
センサ9からの信号の他、エンジン1に吸入される空気
量Qaを検出するエアフローメータ10からの信号、自動変
速機2の出力軸回転数Noを検出する回転センサ11からの
信号、自動変速機の作動油温度(ATF温度)を検出する
油温センサ12からの信号、及び点火装置13からのエンジ
ン回転数を算出するための点火信号(Ig)を夫々入力す
る。又、コントローラ7にはエンジンコントロールユニ
ットであるコントローラ14からエンジンの水温(Tw)情
報、エアコン等の補機負荷情報及びエンジントルク制御
情報が入力される。上述のエンジン回転数、エンジン水
温Tw、スロットル開度TH、補機負荷情報、トルク制御情
報のうちの一つ、又は複数は、ライン圧を吸入空気量を
用いて決定する場合においてエアフローメータ10で得ら
れる吸入空気量Qaを補正するのに使用することができ
る。
ここに、エアフローメータ10は、例えば、ホットワイ
ヤーフィルム式の質量流量計で構成されたものを使用す
るものとし、これにより吸入空気量の検出を行い、その
検出値を自動変速機用(A/T用)コントロールユニット
であるコントローラ7に供給する。
ヤーフィルム式の質量流量計で構成されたものを使用す
るものとし、これにより吸入空気量の検出を行い、その
検出値を自動変速機用(A/T用)コントロールユニット
であるコントローラ7に供給する。
上記コントローラ7は、入力アナログ信号をデジタル
信号に変換(A/D変換)するなどの機能を有する入力検
出回路と、演算処理回路と、該演算処理回路で実行され
る変速制御や後述のライン圧制御用の演算プログラム等
を格納した記憶回路と、前記各シフトソレノイド5,6、
及びライン圧をデューティ制御するデューティソレノイ
ドとしての前記ライン圧ソレノイド4に駆動信号を供給
する駆動回路等とで構成され(いずれも図示せず)、前
記各入力情報に基づき変速制御や、ライン圧制御を行
う。
信号に変換(A/D変換)するなどの機能を有する入力検
出回路と、演算処理回路と、該演算処理回路で実行され
る変速制御や後述のライン圧制御用の演算プログラム等
を格納した記憶回路と、前記各シフトソレノイド5,6、
及びライン圧をデューティ制御するデューティソレノイ
ドとしての前記ライン圧ソレノイド4に駆動信号を供給
する駆動回路等とで構成され(いずれも図示せず)、前
記各入力情報に基づき変速制御や、ライン圧制御を行
う。
即ち、コントローラ7は一方で後述の如くに決定する
デューティDに応じライン圧ソレノイド4を駆動して自
動変速機のライン圧を調圧し、他方でスロットル開度TH
及び車速Vから現在の運転状態に最適な自動変速機の変
速段を判断してこの変速段が得られるようシフトソレノ
イド5,6のON,OFFの組み合わせを指令する。これらシフ
トソレノイド5,6のON,OFFに応じコントロールバルブ3
は、ソレノイド4により調圧されたライン圧を自動変速
機2内の選択された摩擦要素に作動油圧(締結圧)とし
て供給し、これら摩擦要素の作動(締結)により上記の
最適変速段を自動変速機に選択させる。
デューティDに応じライン圧ソレノイド4を駆動して自
動変速機のライン圧を調圧し、他方でスロットル開度TH
及び車速Vから現在の運転状態に最適な自動変速機の変
速段を判断してこの変速段が得られるようシフトソレノ
イド5,6のON,OFFの組み合わせを指令する。これらシフ
トソレノイド5,6のON,OFFに応じコントロールバルブ3
は、ソレノイド4により調圧されたライン圧を自動変速
機2内の選択された摩擦要素に作動油圧(締結圧)とし
て供給し、これら摩擦要素の作動(締結)により上記の
最適変速段を自動変速機に選択させる。
自動変速機2は、センサ8で検出するスロットル開度
THにより決定されたエンジン1の出力を、上記選択変速
段に応じたギヤ比でディファレンシャルギヤに入力し、
このギヤを介し左右後輪が駆動されることで車両を走行
させることができる。
THにより決定されたエンジン1の出力を、上記選択変速
段に応じたギヤ比でディファレンシャルギヤに入力し、
このギヤを介し左右後輪が駆動されることで車両を走行
させることができる。
次にコントローラ7が行う第3図のライン圧制御プロ
グラムを説明する。この処理は図示せざるオペレーティ
ングシステムで一定時間毎の定時割り込みで遂行され
る。
グラムを説明する。この処理は図示せざるオペレーティ
ングシステムで一定時間毎の定時割り込みで遂行され
る。
なお、本プログラムは、本発明に従う吸入空気量に対
する補正処理を含むライン圧制御を第1速から第2速へ
の変速の場合を対象として適用した例を示し、又ライン
圧をエンジンの吸入空気量を用いて決定する場合の態様
としては吸入空気量と自動変速機の出力回転数との比に
応じて決定する場合のものを示す。
する補正処理を含むライン圧制御を第1速から第2速へ
の変速の場合を対象として適用した例を示し、又ライン
圧をエンジンの吸入空気量を用いて決定する場合の態様
としては吸入空気量と自動変速機の出力回転数との比に
応じて決定する場合のものを示す。
先ず、ステップ31では、センサ12からの信号に基づき
前記ATF温度を読み込み、次のステップ32で所定温度
(例えば60℃)と比較してこのATF温度が低温かどうか
を判定する。そして、所定温度より低い場合には、ステ
ップ33において、対応する状態のライン圧制御、即ちこ
の場合には低温時のライン圧制御のための処理を行い、
その処理で求められたライン圧値に対応するデューティ
Dに基づく駆動信号をステップ38でライン圧ソレノイド
4に出力する。
前記ATF温度を読み込み、次のステップ32で所定温度
(例えば60℃)と比較してこのATF温度が低温かどうか
を判定する。そして、所定温度より低い場合には、ステ
ップ33において、対応する状態のライン圧制御、即ちこ
の場合には低温時のライン圧制御のための処理を行い、
その処理で求められたライン圧値に対応するデューティ
Dに基づく駆動信号をステップ38でライン圧ソレノイド
4に出力する。
本実施例では、ライン圧ソレノイド4は、第4図に示
す如く50Hz(20ms周期)で駆動されるもので、そのON,O
FFの1サイクルにおけるOFF時間の比率(OFFデューティ
比)を制御することにより、かかるデューティD値が大
なるほど、ライン圧を高く調圧するようになす。上述の
低温時制御については、前記文献に記載の通りのもので
あるので説明は省略する。
す如く50Hz(20ms周期)で駆動されるもので、そのON,O
FFの1サイクルにおけるOFF時間の比率(OFFデューティ
比)を制御することにより、かかるデューティD値が大
なるほど、ライン圧を高く調圧するようになす。上述の
低温時制御については、前記文献に記載の通りのもので
あるので説明は省略する。
一方、ATF温度が前記所定温度以上であると判断され
た場合には、ステップ34以下へ進み、変速中であるかど
うかについてチェックする。即ち、ステップ34では、定
常ライン圧特性を使用すべき状態か、変速時のライン圧
特性を使用すべき状態かを通常の手法に従って判断し、
その結果、前者の場合にはステップ33,38を実行し、定
常ライン圧制御を行う。これに対し、後者の場合、即ち
変速時の場合には、次のステップ35において、変速の種
類を判断する。
た場合には、ステップ34以下へ進み、変速中であるかど
うかについてチェックする。即ち、ステップ34では、定
常ライン圧特性を使用すべき状態か、変速時のライン圧
特性を使用すべき状態かを通常の手法に従って判断し、
その結果、前者の場合にはステップ33,38を実行し、定
常ライン圧制御を行う。これに対し、後者の場合、即ち
変速時の場合には、次のステップ35において、変速の種
類を判断する。
本例では、第1速から第2速への変速かを判別してお
り、当該変速以外の変速の場合には、ステップ33,38を
実行して従来通りの変速時ライン圧制御を行うものとす
る。即ち、基本的に、スロットル開度に従ったライン圧
データにより設定すべきライン圧値を決定し、制御を実
行する。
り、当該変速以外の変速の場合には、ステップ33,38を
実行して従来通りの変速時ライン圧制御を行うものとす
る。即ち、基本的に、スロットル開度に従ったライン圧
データにより設定すべきライン圧値を決定し、制御を実
行する。
しかるに、第1速から第2速への変速の場合には、ス
テップ36で、エンジン1の吸入空気量Qa,自動変速機2
の出力軸回転数Noにより決定される制御量の関数として
予め所要のライン圧Plprs値を設定したライン圧テーブ
ルから、該当するライン圧値Plprsをルックアップす
る。第5図はステップ36で使用される変速時ライン圧テ
ーブルの一例を示し、ライン圧Plprsは、後述する制御
変数Tq(SEN)算出用のプログラムにより得られるTq(S
EN)値に従って、そのTq(SEN)値の増大につれて同図
に示す如くに大なる値となるように設定されている。
テップ36で、エンジン1の吸入空気量Qa,自動変速機2
の出力軸回転数Noにより決定される制御量の関数として
予め所要のライン圧Plprs値を設定したライン圧テーブ
ルから、該当するライン圧値Plprsをルックアップす
る。第5図はステップ36で使用される変速時ライン圧テ
ーブルの一例を示し、ライン圧Plprsは、後述する制御
変数Tq(SEN)算出用のプログラムにより得られるTq(S
EN)値に従って、そのTq(SEN)値の増大につれて同図
に示す如くに大なる値となるように設定されている。
なお、図中PlOFSは自動変速機2のクラッチ系のリタ
ーンスプリング相当のオフセット等を示しており、図示
のテーブル例ではこれを考慮してテーブルデータを設定
してある。
ーンスプリング相当のオフセット等を示しており、図示
のテーブル例ではこれを考慮してテーブルデータを設定
してある。
第6図は、上記Tq(SEN)演算ルーチンの一例を示
す。吸入空気量Qaに対する補正処理は、本サブルーチン
においてなされる。本サブルーチンは前記第3図のライ
ン圧決定ルーチンに先立って実行されるものであり、又
一定時間毎に周期的に実行される。
す。吸入空気量Qaに対する補正処理は、本サブルーチン
においてなされる。本サブルーチンは前記第3図のライ
ン圧決定ルーチンに先立って実行されるものであり、又
一定時間毎に周期的に実行される。
先ず、ステップ61では、エアフローメータ10により検
出されたエンジン1の吸入空気量信号のA/D変換値の読
み込みを行う。吸入空気量Qaに関する情報として本ステ
ップ61で読み込まれるA/D変換値については、所定周期
(例えば5ms周期)毎の割り込みで実行される第7図に
示すようなプログラムによって、エアフローメータの検
出信号であるアナログQa信号からのA/D変換処理(ステ
ップ701)が行われており、かかる処理で得られたA/D値
をステップ61で読み込むものとする。
出されたエンジン1の吸入空気量信号のA/D変換値の読
み込みを行う。吸入空気量Qaに関する情報として本ステ
ップ61で読み込まれるA/D変換値については、所定周期
(例えば5ms周期)毎の割り込みで実行される第7図に
示すようなプログラムによって、エアフローメータの検
出信号であるアナログQa信号からのA/D変換処理(ステ
ップ701)が行われており、かかる処理で得られたA/D値
をステップ61で読み込むものとする。
続くステップ62,63では、吸入空気量信号の異常チェ
ック(フェイルチェック)を行い、もし、異常であれば
ステップ64で異常時の処理を行い、演算を終了する。そ
の異常時処理(フェイル処理)としては、例えば、異常
フラグをセットし、又後述する制御パラメータであるQa
/Noの演算値としては、これを所定の最大値に設定す
る。斯く設定することにより、異常時には、Qaに対する
補正も行われず、設定すべきライン圧値Plprsは、変速
機のクラッチが滑らないよう余裕をもった値のものとし
て(即ち、クラッチ締結力の不足という事態は確実に回
避し得るようにして)、前記第5図のテーブルでの検
索、決定が行われることとなり、当該値に基づき後述の
如きデューティ値への変換、ソレノイド4への指令が実
行される結果(第3図のステップ37,38参照)フェイル
セーフがなされる。
ック(フェイルチェック)を行い、もし、異常であれば
ステップ64で異常時の処理を行い、演算を終了する。そ
の異常時処理(フェイル処理)としては、例えば、異常
フラグをセットし、又後述する制御パラメータであるQa
/Noの演算値としては、これを所定の最大値に設定す
る。斯く設定することにより、異常時には、Qaに対する
補正も行われず、設定すべきライン圧値Plprsは、変速
機のクラッチが滑らないよう余裕をもった値のものとし
て(即ち、クラッチ締結力の不足という事態は確実に回
避し得るようにして)、前記第5図のテーブルでの検
索、決定が行われることとなり、当該値に基づき後述の
如きデューティ値への変換、ソレノイド4への指令が実
行される結果(第3図のステップ37,38参照)フェイル
セーフがなされる。
後述するように、本変速時ライン圧制御では、本来的
には、変速時ライン圧を、たとえ同一スロットル開度の
条件でも、エンジンの吸入空気量と変速機の出力軸回転
数の状態に対応させて可変とし、又吸入空気量はこれを
エンジンの必要な各種情報により補正して適用するもの
であるところ、上述の如き異常時には、かかる制御の基
礎となるデータ値自体が正常でないが故に誤った変更制
御が行われる。そこで、これを避けるべく、その場合に
は、エアフローメータ、更には回転センサの各検出値の
如何にかかわらず、強制的に所定の代替値(フェイルセ
ーフ値)に固定することとしている。一定値に固定する
ことから、この異常時処理のケースでは、エンジン出力
の変化に対しても変速時ライン圧を適切に設定し自己補
正するという機能、及び吸入空気量補正機能は失われる
が、しかし、変速時ライン圧、従って変速クラッチ締結
力を高める方向に制御すべき運転状態であるのに、これ
とは逆の方向へ制御されるといった誤制御のおそれはな
くなる。このため、変速時クラッチが激しく滑ったり、
あるいは過度に変速時間が長くなるなどの事態は確実に
防止され、フェイルセーフ制御が実現される。
には、変速時ライン圧を、たとえ同一スロットル開度の
条件でも、エンジンの吸入空気量と変速機の出力軸回転
数の状態に対応させて可変とし、又吸入空気量はこれを
エンジンの必要な各種情報により補正して適用するもの
であるところ、上述の如き異常時には、かかる制御の基
礎となるデータ値自体が正常でないが故に誤った変更制
御が行われる。そこで、これを避けるべく、その場合に
は、エアフローメータ、更には回転センサの各検出値の
如何にかかわらず、強制的に所定の代替値(フェイルセ
ーフ値)に固定することとしている。一定値に固定する
ことから、この異常時処理のケースでは、エンジン出力
の変化に対しても変速時ライン圧を適切に設定し自己補
正するという機能、及び吸入空気量補正機能は失われる
が、しかし、変速時ライン圧、従って変速クラッチ締結
力を高める方向に制御すべき運転状態であるのに、これ
とは逆の方向へ制御されるといった誤制御のおそれはな
くなる。このため、変速時クラッチが激しく滑ったり、
あるいは過度に変速時間が長くなるなどの事態は確実に
防止され、フェイルセーフ制御が実現される。
なお、一時的な異常に対しては、その異常解消後に前
記自己補正機能及び吸入空気量補正機能は回復する。
記自己補正機能及び吸入空気量補正機能は回復する。
一方、前記判別ステップ63で異常でなければ、即ち吸
入空気量信号に異常はなく、従ってエンジン1の出力を
表わす吸入空気量を正常に示す状態にある場合は、検出
吸入空気量と自動変速機の出力軸回転数とからそれらを
適正に反映したTq(SEN)値を得ることができる状態に
あるとみて、ステップ65以下の処理においてQa補正処理
を含むTq(SEN)値の算出処理を実行する。
入空気量信号に異常はなく、従ってエンジン1の出力を
表わす吸入空気量を正常に示す状態にある場合は、検出
吸入空気量と自動変速機の出力軸回転数とからそれらを
適正に反映したTq(SEN)値を得ることができる状態に
あるとみて、ステップ65以下の処理においてQa補正処理
を含むTq(SEN)値の算出処理を実行する。
先ず、ステップ65で、吸入空気量のA/D値、即ち前記
ステップ61での読込み値を、エアフローメータ10の例え
ば第8図に示す如きリニアライズ特性に従って変換し、
該変換により得られる値を後述のステップ67での補正に
適用されるQa値とする(線形化)。
ステップ61での読込み値を、エアフローメータ10の例え
ば第8図に示す如きリニアライズ特性に従って変換し、
該変換により得られる値を後述のステップ67での補正に
適用されるQa値とする(線形化)。
上記Qa値に関する線形化、即ちリニアライズ処理のた
めのQa演算は、使用エアフローメータに合わせてコント
ローラ中の記憶回路に予め記憶させた第8図の特性で表
わされるようなテーブルデータに基づき、対応する値Qa
を求めることにより実行することができる。
めのQa演算は、使用エアフローメータに合わせてコント
ローラ中の記憶回路に予め記憶させた第8図の特性で表
わされるようなテーブルデータに基づき、対応する値Qa
を求めることにより実行することができる。
次に、ステップ66,67において、吸入空気量値Qaの補
正に必要な情報を読み込み、これによりQa値を補正して
後述のステップ69でのTq(SEN)演算に適用される補正
後のQa値を求める。即ち、本制御が狙いとする吸入空気
量に対する補正処理を実行するのであり、本実施例で
は、ステップ66においてエンジン回転数Ne、スロットル
開度TH、エンジン水温Tw、補機負荷情報、エンジントル
ク制御情報の各種情報の読み込みを行う。
正に必要な情報を読み込み、これによりQa値を補正して
後述のステップ69でのTq(SEN)演算に適用される補正
後のQa値を求める。即ち、本制御が狙いとする吸入空気
量に対する補正処理を実行するのであり、本実施例で
は、ステップ66においてエンジン回転数Ne、スロットル
開度TH、エンジン水温Tw、補機負荷情報、エンジントル
ク制御情報の各種情報の読み込みを行う。
上記各情報の検出等については下記のようにすること
ができ、その一部はエンジンコントローラ14で行われ
る。
ができ、その一部はエンジンコントローラ14で行われ
る。
エンジン回転数Neは、例えば、点火信号Igの割り込み
で実行される第9図に示すようなフリーランカウンタの
読み込み、周期計測のための前回読み込み値との差演
算、Ne演算処理(901〜903)から成るプログラムにより
点火信号の間隔(周期)を計測して算出する。又、スロ
ットル開示THについては、所定周期(例えば5ms周期)
毎の割り込みで実行される第10図のプログラムによって
アナログTH信号からのA/D変換処理(ステップ1001)が
行われている。更に、エンジン水温Twに関しては、所定
周期(例えば5ms周期)毎の割り込みで実行される第11
図に示すようなプログラムにより、図示しないエンジン
冷却水温センサからのアナログTw信号のA/D変換処理
(ステップ1101)、更に当該センサの特性データに基づ
く変換処理(ステップ1102)が行われている。
で実行される第9図に示すようなフリーランカウンタの
読み込み、周期計測のための前回読み込み値との差演
算、Ne演算処理(901〜903)から成るプログラムにより
点火信号の間隔(周期)を計測して算出する。又、スロ
ットル開示THについては、所定周期(例えば5ms周期)
毎の割り込みで実行される第10図のプログラムによって
アナログTH信号からのA/D変換処理(ステップ1001)が
行われている。更に、エンジン水温Twに関しては、所定
周期(例えば5ms周期)毎の割り込みで実行される第11
図に示すようなプログラムにより、図示しないエンジン
冷却水温センサからのアナログTw信号のA/D変換処理
(ステップ1101)、更に当該センサの特性データに基づ
く変換処理(ステップ1102)が行われている。
又、補機負荷情報については、例えば第12図に示すプ
ログラムにより算出する。本プログラムはエンジンコン
トローラ14内で実行されるもので、ステップ1201で補機
負荷LDE値を値0に初期化した後、ステップ1202でエア
コンからの情報(例えばコンプレッサのオン/オフ信号
等)に基づきエアコンのオン、オフを判断する。その結
果、オフのときはステップ1203をスキップしステップ12
04以下へ進む一方、オンの場合にはステップ1203におい
てエアコン負荷相当値LDE(AC)を加算してLDE値を再設
定する。ステップ1204,1205及びステップ1206,1207も夫
々上記処理に準じたものであり、パワーステアリングSW
のオン/オフ信号等からその作動、非作動を判断すると
共に、消費電流など電気負荷より算出可能なオルタネー
タ負荷についてチェックし、夫々該当する場合にはパラ
ーステアリング負荷相当値LDE(PS)、オルタネータ負
荷相当値LDE(ALT)を加算して補機負荷値LDEを再設定
する。このようにして補機負荷を算出し、ステップ1208
で出力する。
ログラムにより算出する。本プログラムはエンジンコン
トローラ14内で実行されるもので、ステップ1201で補機
負荷LDE値を値0に初期化した後、ステップ1202でエア
コンからの情報(例えばコンプレッサのオン/オフ信号
等)に基づきエアコンのオン、オフを判断する。その結
果、オフのときはステップ1203をスキップしステップ12
04以下へ進む一方、オンの場合にはステップ1203におい
てエアコン負荷相当値LDE(AC)を加算してLDE値を再設
定する。ステップ1204,1205及びステップ1206,1207も夫
々上記処理に準じたものであり、パワーステアリングSW
のオン/オフ信号等からその作動、非作動を判断すると
共に、消費電流など電気負荷より算出可能なオルタネー
タ負荷についてチェックし、夫々該当する場合にはパラ
ーステアリング負荷相当値LDE(PS)、オルタネータ負
荷相当値LDE(ALT)を加算して補機負荷値LDEを再設定
する。このようにして補機負荷を算出し、ステップ1208
で出力する。
又、エンジントルク制御情報は、同様にエンジンコン
トローラ14内で実行される例えば第13図に示すようなプ
ログラムによって算出、出力される。即ち、ステップ13
01〜1303において、例えば通常点火時期算出、点火時期
遅角量算出及び燃料カット気筒数算出処理を実行し、ス
テップ1304で通常点火時期に対する遅角量等に基づき、
エンジンコントローラ側でトルク制御が行われている場
合のそのトルク制御量、本例の場合はトルク低減量を算
出し、ステップ1305でかかる情報を出力する。トルク制
御量は、これを絶対値で検出可能な場合は上述の如く低
減量として、又比率で検出可能な場合はトルクの低減率
として算出し、出力することができる。
トローラ14内で実行される例えば第13図に示すようなプ
ログラムによって算出、出力される。即ち、ステップ13
01〜1303において、例えば通常点火時期算出、点火時期
遅角量算出及び燃料カット気筒数算出処理を実行し、ス
テップ1304で通常点火時期に対する遅角量等に基づき、
エンジンコントローラ側でトルク制御が行われている場
合のそのトルク制御量、本例の場合はトルク低減量を算
出し、ステップ1305でかかる情報を出力する。トルク制
御量は、これを絶対値で検出可能な場合は上述の如く低
減量として、又比率で検出可能な場合はトルクの低減率
として算出し、出力することができる。
第6図に戻り、前記ステップ66では当該時点でえられ
ている上記第9図〜第13図のプログラムによる情報を読
み込むものとし、次のステップ67で吸入空気量Qa値の補
正を実行する。第14図はQa値補正の一例を示すプログラ
ムである。先ず、ステップ1401ではエンジントルク制御
情報により補正を行う。即ち、低減量検出の場合には、
次式で減算補正して補正後の吸入空気量値Qaを得るよう
にする。
ている上記第9図〜第13図のプログラムによる情報を読
み込むものとし、次のステップ67で吸入空気量Qa値の補
正を実行する。第14図はQa値補正の一例を示すプログラ
ムである。先ず、ステップ1401ではエンジントルク制御
情報により補正を行う。即ち、低減量検出の場合には、
次式で減算補正して補正後の吸入空気量値Qaを得るよう
にする。
Qa=Qa-QTC ……(1) ここに、QTCは前記第13図のプログラムで得られるト
ルク低減量(即ち、エンジントルク変化量であってトル
ク制御量)担当の吸入空気量を示し、これを減算してQa
値を再設定する。又、低減分ではなく低減率検出の場合
には、エンジントルクの変化の度合を示すKTC値を乗算
補正係数として用い、次式に従ってQa値の補正を行うこ
とができる。
ルク低減量(即ち、エンジントルク変化量であってトル
ク制御量)担当の吸入空気量を示し、これを減算してQa
値を再設定する。又、低減分ではなく低減率検出の場合
には、エンジントルクの変化の度合を示すKTC値を乗算
補正係数として用い、次式に従ってQa値の補正を行うこ
とができる。
Qa=Qa×KTC ……(2) 続くステップ1402,1403では、エンジンフリクション
分とポンピング損失分についての補正を実行する。かか
る補正は、前記第9図〜第11図で得られているエンジン
回転数Ne、エンジン水温Tw、スロットル開度THに基いて
行うものであり、以下のようにすることができる。
分とポンピング損失分についての補正を実行する。かか
る補正は、前記第9図〜第11図で得られているエンジン
回転数Ne、エンジン水温Tw、スロットル開度THに基いて
行うものであり、以下のようにすることができる。
エンジン水温Tw、エンジン回転数Ne及びスロットル開
度THよりエンジンフリクション担当の吸入空気量を算出
し、前記式(1)又は(2)式で得たQa値を更に次式に
従って補正する。
度THよりエンジンフリクション担当の吸入空気量を算出
し、前記式(1)又は(2)式で得たQa値を更に次式に
従って補正する。
Qa=Qa-f(Ne,Tw,TH) ……(3) ここに、右辺第2項がフリクション相当値(テーブル
値)であり、これを減算して得た値を吸入空気量Qa値と
して再設定する。ここで、パラメータとしてエンジン水
温Twを含むときは、これが変わればエンジンのフリクシ
ョンも変わることから、より適切な補正を行わせること
ができる。又、フリクション分補正は、エンジン水温Tw
とエンジン回転数Neの2つに基づき、f(Ne,Tw)をフ
リクション相当値(テーブル値)として次式により補正
をするようにしてもよい。
値)であり、これを減算して得た値を吸入空気量Qa値と
して再設定する。ここで、パラメータとしてエンジン水
温Twを含むときは、これが変わればエンジンのフリクシ
ョンも変わることから、より適切な補正を行わせること
ができる。又、フリクション分補正は、エンジン水温Tw
とエンジン回転数Neの2つに基づき、f(Ne,Tw)をフ
リクション相当値(テーブル値)として次式により補正
をするようにしてもよい。
Qa=Qa-f(Ne,Tw) ……(4) 又、ポンピング損失分補正を行うときは、スロットル
開度THとエンジン回転数Neよりポンピング損失分を算出
し、次式に伴う減算補正をなす。
開度THとエンジン回転数Neよりポンピング損失分を算出
し、次式に伴う減算補正をなす。
Qa=Qa-f(Ne,TH) ……(5) ここに、f(Ne,TH)もテーブル値である。
エンジンフリクション分及びポンピング損失分の両者
の補正を行う場合は、例えば上記(4)式及び(5)式
による補正方法を組み合わせ、次式に基いて補正するよ
うにしてもよい。
の補正を行う場合は、例えば上記(4)式及び(5)式
による補正方法を組み合わせ、次式に基いて補正するよ
うにしてもよい。
Qa=Qa-f1(Ne,Tw)‐f2(Ne,TH) ……(6) ステップ1404では、前記第12図のプログラムで得られ
る補機負荷情報より出力損失相当の吸入空気量を算出
し、次式により更にQa値を補正する。
る補機負荷情報より出力損失相当の吸入空気量を算出
し、次式により更にQa値を補正する。
Qa=Qa-QLDE ……(7) ここに、QLEDが出力損失相当値であり、これを前記ス
テップ1403までの補正がなされたQa値から減算すること
により最終的な補正後の吸入空気量Qa値を得る。かくし
て第14図のプログラム、従って第6図のステップ67での
処理を終了する。
テップ1403までの補正がなされたQa値から減算すること
により最終的な補正後の吸入空気量Qa値を得る。かくし
て第14図のプログラム、従って第6図のステップ67での
処理を終了する。
ステップ67で得られたQa値が後述のTq(SEN)値演算
に適用されることになる結果、ライン圧を吸入空気量を
用いて決定する場合において、エンジンに対応する吸入
空気量の精度を向上するために、エンジン水温Twとエン
ジン回転数Ne(あるいはこれら及びスロットル開度TH)
情報からのフリクション相当分、エンジンのトルク制御
情報によりエンジン本体の出力変化分を補正すると共
に、自動変速機の入力までに損失してしまう出力分をエ
ンジンの各情報より補正することができ、より正確な制
御が実行される。
に適用されることになる結果、ライン圧を吸入空気量を
用いて決定する場合において、エンジンに対応する吸入
空気量の精度を向上するために、エンジン水温Twとエン
ジン回転数Ne(あるいはこれら及びスロットル開度TH)
情報からのフリクション相当分、エンジンのトルク制御
情報によりエンジン本体の出力変化分を補正すると共
に、自動変速機の入力までに損失してしまう出力分をエ
ンジンの各情報より補正することができ、より正確な制
御が実行される。
上記では、補正情報として複数の情報を用いると共
に、前記ステップ1401〜1404で所要の補正をなしている
が、これは例えば次のようにしてもよい。即ち、第6図
のステップ66ではエンジン回転数Neだけを補正情報とし
て読み込み、ステップ67においてQa値とかかるNe値から
次式により補正後のQa値を求める。
に、前記ステップ1401〜1404で所要の補正をなしている
が、これは例えば次のようにしてもよい。即ち、第6図
のステップ66ではエンジン回転数Neだけを補正情報とし
て読み込み、ステップ67においてQa値とかかるNe値から
次式により補正後のQa値を求める。
Qa=Qa-kO×Ne ……(8) ここに、kOは予め設定した定数であり、上記(8)式
により補正の場合は、右辺第2項の減算値はエンジン回
転数Neに比例したものとして扱うことができる。これ
は、吸入空気量をエンジン回転数により補正しようとい
うものであり、具体的には、簡便にフリクション相当分
をエンジン回転数Neで表わさんとするものである。
により補正の場合は、右辺第2項の減算値はエンジン回
転数Neに比例したものとして扱うことができる。これ
は、吸入空気量をエンジン回転数により補正しようとい
うものであり、具体的には、簡便にフリクション相当分
をエンジン回転数Neで表わさんとするものである。
エンジン出力を吸入空気量で把握する場合に、実際に
は、エンジンを単に回転するためにも吸入空気量は消費
されている。第15図は無負荷時のエンジン回転数と吸入
空気量の関係を示す。図において、縦軸の吸入空気量
(Qf)はエンジン回転数Neとリニアに対応するが、これ
は無負荷状態での吸入空気量であることから、丁度それ
はエンジンの回転だけのために使われる吸入空気量、即
ちフリクションに打ち勝つための吸入空気量を意味して
おり、従って、図はエンジン回転数に依存するフリクシ
ョン特性を示している。
は、エンジンを単に回転するためにも吸入空気量は消費
されている。第15図は無負荷時のエンジン回転数と吸入
空気量の関係を示す。図において、縦軸の吸入空気量
(Qf)はエンジン回転数Neとリニアに対応するが、これ
は無負荷状態での吸入空気量であることから、丁度それ
はエンジンの回転だけのために使われる吸入空気量、即
ちフリクションに打ち勝つための吸入空気量を意味して
おり、従って、図はエンジン回転数に依存するフリクシ
ョン特性を示している。
このようにして吸入空気量が消費されているため、検
出吸入空気量を直接Tq(SEN)値の算出に適用すると、
この点で多少エンジン回転数の影響(特に変速時ライン
圧制御の場合の変速点の影響)を受けてしまい、より精
密な制御を望むときは、最終的なライン圧テーブルで調
整するなどの必要性が生ずる。
出吸入空気量を直接Tq(SEN)値の算出に適用すると、
この点で多少エンジン回転数の影響(特に変速時ライン
圧制御の場合の変速点の影響)を受けてしまい、より精
密な制御を望むときは、最終的なライン圧テーブルで調
整するなどの必要性が生ずる。
そこで、前記(8)式による補正手法の場合には、エ
ンジンの出力に対応する吸入空気量の精度を向上するた
めに、エンジン無負荷状態での消費吸入空気量について
の補正を行うこととするものである。無負荷時の吸入空
気量分をエンジン回転数により補正することができる結
果、ライン圧制御装置のエンジン回転数依存分を適切に
してかつ簡易に修正し得、又最終的なライン圧テーブル
での調整を不要とすることもできる。
ンジンの出力に対応する吸入空気量の精度を向上するた
めに、エンジン無負荷状態での消費吸入空気量について
の補正を行うこととするものである。無負荷時の吸入空
気量分をエンジン回転数により補正することができる結
果、ライン圧制御装置のエンジン回転数依存分を適切に
してかつ簡易に修正し得、又最終的なライン圧テーブル
での調整を不要とすることもできる。
さて、上述のようにしてQa補正処理がなされたなら
ば、第6図のステップ68で次のようにして自動変速機2
の出力軸回転数Noの読み込みを行う。
ば、第6図のステップ68で次のようにして自動変速機2
の出力軸回転数Noの読み込みを行う。
即ち、回転センサ11からのパルス信号発生毎に割り込
みで実行される第16図(a)に示すようなプログラムに
おいて、アップカウンタから成るカウンタのカウント値
Cを値1ずつ加算(インクリメント)する(ステップ16
01)一方、一定時間(例えば100ms)周期毎の定時割り
込みで実行される同図(b)のプログラムにおいて、か
かるプログラム実行毎に、前記カウンタの値を監視し当
該時点でのカウント値Cから出力軸回転数Noを算出する
(ステップ1611)と共に、かように回転センサ11からの
パルス信号を一定時間計数して算出したならば、カウン
ト値Cを値0にリセット(即ち、カウンタをリセット)
する(ステップ1612)。
みで実行される第16図(a)に示すようなプログラムに
おいて、アップカウンタから成るカウンタのカウント値
Cを値1ずつ加算(インクリメント)する(ステップ16
01)一方、一定時間(例えば100ms)周期毎の定時割り
込みで実行される同図(b)のプログラムにおいて、か
かるプログラム実行毎に、前記カウンタの値を監視し当
該時点でのカウント値Cから出力軸回転数Noを算出する
(ステップ1611)と共に、かように回転センサ11からの
パルス信号を一定時間計数して算出したならば、カウン
ト値Cを値0にリセット(即ち、カウンタをリセット)
する(ステップ1612)。
上述のようにして出力軸回転数Noについての計測が行
われており、前記ステップ68ではかかるNo値が読み込ま
れることになる。
われており、前記ステップ68ではかかるNo値が読み込ま
れることになる。
次いで、ステップ69では、前記の補正したQa値及びNo
値を用い次式に従って、制御変数Tq(SEN)を算出し、
更に、本例では後述の平均化処理を施すものとする。
値を用い次式に従って、制御変数Tq(SEN)を算出し、
更に、本例では後述の平均化処理を施すものとする。
Tq(SEN)=Kc×(Qa/No) ……(9) なお、上式中Kcは予め設定した定数である。
ここで、上記で演算されるTq(SEN)値は、変速時ラ
イン圧テーブル(第5図)を使用して設定ライン圧Pl
prs値を検索する場合に用いるデータであるが、本例で
は、これを上記(9)式のようにQa/No値に応じて決定
する。
イン圧テーブル(第5図)を使用して設定ライン圧Pl
prs値を検索する場合に用いるデータであるが、本例で
は、これを上記(9)式のようにQa/No値に応じて決定
する。
エンジンの出力(パワー)に着目すると、基本的に、
吸入空気量はこれを表わしているとみること、即ち空気
量に相当したパワーがエンジンに発生しているものとみ
ることができる。従って、前記エアフローメータ10の検
出値に基づくQa値をパラメータとして含むとき、たとえ
スロットル開度が同じ条件の場合でも運転状態に応じて
当該時点でのエンジン出力状態を把握することが可能で
あり、後述でも触れるように、変速中にエンジン回転数
が下がるような場合においてそれに伴いその分吸入空気
量も減少するときは、Qa値の低下に応じてTq(SEN)値
も変化する。
吸入空気量はこれを表わしているとみること、即ち空気
量に相当したパワーがエンジンに発生しているものとみ
ることができる。従って、前記エアフローメータ10の検
出値に基づくQa値をパラメータとして含むとき、たとえ
スロットル開度が同じ条件の場合でも運転状態に応じて
当該時点でのエンジン出力状態を把握することが可能で
あり、後述でも触れるように、変速中にエンジン回転数
が下がるような場合においてそれに伴いその分吸入空気
量も減少するときは、Qa値の低下に応じてTq(SEN)値
も変化する。
加えて、Tq(SEN)値の他のパラメータとして含まれ
るNo値は、自動変速機の出力軸回転数であって、本質的
には急激な変化はないものであり、前述のように吸入空
気量がエンジン出力に相当するものであれば、これをか
かる出力軸回転数で除したもの、即ちQa/No値は、その
出力でのトルクに対応したものとして扱うことができ
る。従って、前記(9)式でQa値及びNo値に応じて算出
される制御変数たるTq(SEN)値は、エアフローメータ
及び回転センサの検出値を用いて演算したトルク値を意
味しているといえる。
るNo値は、自動変速機の出力軸回転数であって、本質的
には急激な変化はないものであり、前述のように吸入空
気量がエンジン出力に相当するものであれば、これをか
かる出力軸回転数で除したもの、即ちQa/No値は、その
出力でのトルクに対応したものとして扱うことができ
る。従って、前記(9)式でQa値及びNo値に応じて算出
される制御変数たるTq(SEN)値は、エアフローメータ
及び回転センサの検出値を用いて演算したトルク値を意
味しているといえる。
又、既述したように、検出された吸入空気量そのまま
を適用するだけでは有効なエンジン出力を十分表わしき
れない場合もあるところ、前記Qa値についての補正を行
うことにより出力損失分など自動変速機への入力の変動
分について修正される結果、より適切なトルク値を得る
ことができる。
を適用するだけでは有効なエンジン出力を十分表わしき
れない場合もあるところ、前記Qa値についての補正を行
うことにより出力損失分など自動変速機への入力の変動
分について修正される結果、より適切なトルク値を得る
ことができる。
第17図に示すものは、エンジンの吸入空気量と自動変
速機の出力軸回転数との比(Qa/No)と駆動力との関係
について測定した実験結果である。図によれば、各測定
点に基づいて図中に表わした特性線で示されるように、
Qa/Noは駆動力に略比例することが分かる。よって、上
記実験データ結果からみて、前記(9)式での演算処理
を実行すれば、エンジン1の出力に対応する吸入空気量
と出力軸回転数とから、駆動力とリニア(ほぼ1対1)
に対応する演算トルク値としての値を求めることができ
ることとなる。
速機の出力軸回転数との比(Qa/No)と駆動力との関係
について測定した実験結果である。図によれば、各測定
点に基づいて図中に表わした特性線で示されるように、
Qa/Noは駆動力に略比例することが分かる。よって、上
記実験データ結果からみて、前記(9)式での演算処理
を実行すれば、エンジン1の出力に対応する吸入空気量
と出力軸回転数とから、駆動力とリニア(ほぼ1対1)
に対応する演算トルク値としての値を求めることができ
ることとなる。
Qa値及びNo値をパラメータとして含むTq(SEN)値は
又、変速時、これを制御変数としてライン圧を決定し制
御する過程において、次のような対策上からも有効であ
る。即ち、変速時ライン圧制御にあたり、エンジンに供
給する燃料量に着目しその燃料噴射量相当のものを利用
してライン圧制御を行うことも考えられる。この手法に
あっては、変速中にエンジン回転が落ち、上記燃料噴射
量相当値は変速が進行すると共に大きくなり、よって変
速が進めば進むほどライン圧、即ちクラッチ締結力は大
なるものとなる。これがため、最後には飛び出すような
ショックを招くことが予想され、良好なチューニングは
期待できない。又、ブーストセンサによる吸入負圧を利
用する場合にも上記と同様の挙動を示す。
又、変速時、これを制御変数としてライン圧を決定し制
御する過程において、次のような対策上からも有効であ
る。即ち、変速時ライン圧制御にあたり、エンジンに供
給する燃料量に着目しその燃料噴射量相当のものを利用
してライン圧制御を行うことも考えられる。この手法に
あっては、変速中にエンジン回転が落ち、上記燃料噴射
量相当値は変速が進行すると共に大きくなり、よって変
速が進めば進むほどライン圧、即ちクラッチ締結力は大
なるものとなる。これがため、最後には飛び出すような
ショックを招くことが予想され、良好なチューニングは
期待できない。又、ブーストセンサによる吸入負圧を利
用する場合にも上記と同様の挙動を示す。
これに対し、ライン圧をQa,Noにより決定する場合
は、自動変速機の出力回転は本質的に急激な変化はほと
んどないし、吸入空気量は変速の進行と共に減少してく
る(エンジン回転が落ちる分、吸入される空気量は少な
くなる)ことから、不所望な正帰還がかかることはな
い。
は、自動変速機の出力回転は本質的に急激な変化はほと
んどないし、吸入空気量は変速の進行と共に減少してく
る(エンジン回転が落ちる分、吸入される空気量は少な
くなる)ことから、不所望な正帰還がかかることはな
い。
前記手法のもののように変速過程でその進行と共にク
ラッチ締結力が徐々に上がっていってしまうような不具
合はなく、クラッチが締結して変速を開始していると判
断されれば、変速中の吸入空気量の減少に伴う減少分だ
け徐々に下がってくるような方向で制御することも可能
となる(第19図〜21図参照)。
ラッチ締結力が徐々に上がっていってしまうような不具
合はなく、クラッチが締結して変速を開始していると判
断されれば、変速中の吸入空気量の減少に伴う減少分だ
け徐々に下がってくるような方向で制御することも可能
となる(第19図〜21図参照)。
しかして、前記ステップ69では、既述の(9)式に基
づきTq(SEN)値の算出を行うことにしている。
づきTq(SEN)値の算出を行うことにしている。
続くステップ70においては、平均化処理、即ちソフト
的なフィルタリング処理を実行する。これは、吸入空気
量及び変速機出力軸回転数を検出する場合において、吸
入空気量の変動や、あるいは前記第16図のような回転数
計測処理での計測の粗さ等が原因で、Qa/No値の変動が
大きいときは、結果として変速時ライン圧、従ってトル
ク(変速中トルク)に変動が現われてしまうので、かか
る変動分を除去するためなされる。ここでは、フィルタ
リング処理は、次式に基づく加重平均によって行う。
的なフィルタリング処理を実行する。これは、吸入空気
量及び変速機出力軸回転数を検出する場合において、吸
入空気量の変動や、あるいは前記第16図のような回転数
計測処理での計測の粗さ等が原因で、Qa/No値の変動が
大きいときは、結果として変速時ライン圧、従ってトル
ク(変速中トルク)に変動が現われてしまうので、かか
る変動分を除去するためなされる。ここでは、フィルタ
リング処理は、次式に基づく加重平均によって行う。
Tq(SEN)n=(1/4)×Tq(SEN)+(3/4)×Tq(SEN)n ……(10) ここに、右辺第2項中のTq(SEN)nは、Tq(SEN)値に
ついての前回値(記憶値)であり、第1項における前記
ステップ69で得られた今回算出値Tq(SEN)と、前回値T
q(SEN)nとの割合を、適宜の値(本例では1/4対3/4)に
設定することにより、制御変数として変動に大きく左右
されない適切な値のものを得ることができる。なお、フ
ィルタリング処理としては加重平均の他、過去数回の算
出値Tq(SEN)を記憶しておいて平均処理する移動平均
を用いるようにしてもよく、その場合でも、同様にし
て、ライン圧を決定するパラメータであるQa/No値がた
とえ前述のような原因で変動が大きい場合であっても、
フィルタリング処理によってその変動を小さくし、従っ
てライン圧(トルク)への変動の影響を低減することが
できる。
ついての前回値(記憶値)であり、第1項における前記
ステップ69で得られた今回算出値Tq(SEN)と、前回値T
q(SEN)nとの割合を、適宜の値(本例では1/4対3/4)に
設定することにより、制御変数として変動に大きく左右
されない適切な値のものを得ることができる。なお、フ
ィルタリング処理としては加重平均の他、過去数回の算
出値Tq(SEN)を記憶しておいて平均処理する移動平均
を用いるようにしてもよく、その場合でも、同様にし
て、ライン圧を決定するパラメータであるQa/No値がた
とえ前述のような原因で変動が大きい場合であっても、
フィルタリング処理によってその変動を小さくし、従っ
てライン圧(トルク)への変動の影響を低減することが
できる。
上記(10)式により得られる値は、これを今回実行時
の最終的なTq(SEN)値として再設定しコントローラ中
の記憶回路内のRAMに記憶して、Tq(SEN)値についての
本演算プログラムを終了する。制御変数Tq(SEN)は、
このようにして、逐次更新され、上記フィルタリング処
理のための前回値として適用される一方、前述の変速ラ
イン圧テーブル検索が必要な場合に適宜読み出される。
の最終的なTq(SEN)値として再設定しコントローラ中
の記憶回路内のRAMに記憶して、Tq(SEN)値についての
本演算プログラムを終了する。制御変数Tq(SEN)は、
このようにして、逐次更新され、上記フィルタリング処
理のための前回値として適用される一方、前述の変速ラ
イン圧テーブル検索が必要な場合に適宜読み出される。
即ち、第3図に戻り、前記ステップ36では、演算トル
ク値としての制御変数Tq(SEN)を読み出し、予め設定
した第5図のライン圧テーブルによりライン圧Plprs値
を決定する。
ク値としての制御変数Tq(SEN)を読み出し、予め設定
した第5図のライン圧テーブルによりライン圧Plprs値
を決定する。
変速ライン圧テーブルでは、前記PlOFS値を下限値と
して、ライン圧Plprsが制御変数Tq(SEN)に比例するよ
うに、テーブルデータが設定されているため、演算トル
ク値が大きければそれに応じて設定ライン圧も高くなる
ように、また、演算トルク値が小さければそれに応じて
設定ライン圧が低くなるように、ライン圧決定が行われ
ることになる。しかしてステップ37では、上述のように
して決定したPlprs値により、第18図に示す如きデュー
ティ変換テーブルに従ってライン圧ソレノイド制御のた
めのデューティ値D(Pl)に変換して出力すべきOFFデ
ューティ値を求め、これをステップ38でライン圧ソレノ
イド4に出力し、ソレノイド4を駆動する。
して、ライン圧Plprsが制御変数Tq(SEN)に比例するよ
うに、テーブルデータが設定されているため、演算トル
ク値が大きければそれに応じて設定ライン圧も高くなる
ように、また、演算トルク値が小さければそれに応じて
設定ライン圧が低くなるように、ライン圧決定が行われ
ることになる。しかしてステップ37では、上述のように
して決定したPlprs値により、第18図に示す如きデュー
ティ変換テーブルに従ってライン圧ソレノイド制御のた
めのデューティ値D(Pl)に変換して出力すべきOFFデ
ューティ値を求め、これをステップ38でライン圧ソレノ
イド4に出力し、ソレノイド4を駆動する。
ライン圧ソレノイド4の駆動、従ってライン圧の調圧
は、変速時には前記制御変数Tq(SEN)に応じて行われ
るものであることから、Qa/No値に対応させて変速時ラ
イン圧を変更制御することができる。即ち、吸入空気量
と変速機出力軸回転数から駆動力にリニアに対応するQa
/No値を求め、この値によって変速時ライン圧(従っ
て、変速時のクラッチ締結力)を決定することができ、
これにより変速前トルクに応じて変化する適切なクラッ
チ締結力が得られる。
は、変速時には前記制御変数Tq(SEN)に応じて行われ
るものであることから、Qa/No値に対応させて変速時ラ
イン圧を変更制御することができる。即ち、吸入空気量
と変速機出力軸回転数から駆動力にリニアに対応するQa
/No値を求め、この値によって変速時ライン圧(従っ
て、変速時のクラッチ締結力)を決定することができ、
これにより変速前トルクに応じて変化する適切なクラッ
チ締結力が得られる。
既述したように、変速時ライン圧(クラッチ締結力)
をスロットル開度で一律に決定するときは、変速点の変
化に対して対応性に欠け、トルク飛び出し割合が変化し
て変速品質に影響を与えるのに対し、上述のQa/No値に
よるライン圧制御の場合は、変速クラッチの締結力につ
き、これが変速前トルクに比例するように変速時ライン
圧制御が実行されることとなり、たとえ変速点が変化す
るようなケースでも、その各々の場合について、変速前
トルクに比例した変速クラッチ締結力が実現される。換
言すれば、変速クラッチの締結力がQa/Noに比例するよ
うに、即ちTBSを変速クラッチ締結力として次式、 TBS=k×(Qa/No) ……(11) (但し、kは比例定数) の関係が成立するように変速時ラインを制御することに
より、変速点が異なることによって変速前トルクの大き
さが変化し、又その変化の程度が異なる場合であって
も、これに対応し得、変速ショックの変化を少なくする
ことができ、変速品質のバラツキの低減が図れる。
をスロットル開度で一律に決定するときは、変速点の変
化に対して対応性に欠け、トルク飛び出し割合が変化し
て変速品質に影響を与えるのに対し、上述のQa/No値に
よるライン圧制御の場合は、変速クラッチの締結力につ
き、これが変速前トルクに比例するように変速時ライン
圧制御が実行されることとなり、たとえ変速点が変化す
るようなケースでも、その各々の場合について、変速前
トルクに比例した変速クラッチ締結力が実現される。換
言すれば、変速クラッチの締結力がQa/Noに比例するよ
うに、即ちTBSを変速クラッチ締結力として次式、 TBS=k×(Qa/No) ……(11) (但し、kは比例定数) の関係が成立するように変速時ラインを制御することに
より、変速点が異なることによって変速前トルクの大き
さが変化し、又その変化の程度が異なる場合であって
も、これに対応し得、変速ショックの変化を少なくする
ことができ、変速品質のバラツキの低減が図れる。
更に吸入空気量に対する補正処理の結果、フリクショ
ン相当分、エンジン本体の出力変化分、損失出力分も修
正され、有効な駆動力とリニアに対応するTq(SEN)値
により適切にライン圧が決定され、それら修正の対象と
なる変動分に起因する変速ショックの悪化等をも避ける
ことができる。
ン相当分、エンジン本体の出力変化分、損失出力分も修
正され、有効な駆動力とリニアに対応するTq(SEN)値
により適切にライン圧が決定され、それら修正の対象と
なる変動分に起因する変速ショックの悪化等をも避ける
ことができる。
以下図を参照して更に具体的に説明すると、第24図は
変速点が異なることによる変速品質への影響を示す自動
変速機のトルク波形図の一例である。同図(a),
(b),(c)はいずれもスロットル開度一定の条件下
での変速の場合を示す。ここに、同図(b)が通常変速
点での変速時の状態であって、マッチングはかかる状態
において行われている。
変速点が異なることによる変速品質への影響を示す自動
変速機のトルク波形図の一例である。同図(a),
(b),(c)はいずれもスロットル開度一定の条件下
での変速の場合を示す。ここに、同図(b)が通常変速
点での変速時の状態であって、マッチングはかかる状態
において行われている。
一般に、変速の際の過程では、図に示すような一度ト
ルク引き込み点(これは、例えば第1速から第2速への
変速であれば、基本的には、次段の第2速でのトルク
(ベーストルク分)とほゞ同じ値を呈する第2速トルク
相当点である)まで低下するトルクフェーズ、及び回転
変化に伴う変速時間tにわたるイナーシャフェーズの部
分があり、変速開始前、変速進行中及び変速終了後に至
るトルクは図示の波形の如くに推移する。ここで、上記
マッチング点である通常変速点での変速の際には、ライ
ン圧、従ってクラッチ油圧については、クラッチ締結力
が弱過ぎもせずかつ強過ぎもしない適切な状態で変速が
実現できるよう、即ち同図(b)のような変速前トルク
TqBに対する変速中トルクTqMのトルク波形が得られるよ
うに、最適値への調圧がなされて変速が行われていく。
ルク引き込み点(これは、例えば第1速から第2速への
変速であれば、基本的には、次段の第2速でのトルク
(ベーストルク分)とほゞ同じ値を呈する第2速トルク
相当点である)まで低下するトルクフェーズ、及び回転
変化に伴う変速時間tにわたるイナーシャフェーズの部
分があり、変速開始前、変速進行中及び変速終了後に至
るトルクは図示の波形の如くに推移する。ここで、上記
マッチング点である通常変速点での変速の際には、ライ
ン圧、従ってクラッチ油圧については、クラッチ締結力
が弱過ぎもせずかつ強過ぎもしない適切な状態で変速が
実現できるよう、即ち同図(b)のような変速前トルク
TqBに対する変速中トルクTqMのトルク波形が得られるよ
うに、最適値への調圧がなされて変速が行われていく。
これに対し、レンジ切換レバーの切換操作によるマニ
ュアル変速のように、マッチングが行われている通常の
変速点の車速と異なる車速での変速(Dレンジ以外)が
なされた場合を考えると、例えば低車速側で変速が行わ
れた場合は同図(a)、又高車速側の場合には同図
(c)のようなトルク波形となる。即ち、変速前トルク
TqBは、低車速側では低車速のため大きくなり、又高車
速側では高車速のため小さくなるのに対し、変速中のト
ルクについては概ね油圧で決まり、その油圧はスロット
ル開度が同一ならば同じであることから、変速点がいず
れの側に変化しても、変速中トルクTqMは通常変速点の
ものと変わらず、変化はしない、その結果、低車速側で
は引き気味、高車速側では飛び出し気味のトルク波形と
なり、変速ショックの変化を招く。
ュアル変速のように、マッチングが行われている通常の
変速点の車速と異なる車速での変速(Dレンジ以外)が
なされた場合を考えると、例えば低車速側で変速が行わ
れた場合は同図(a)、又高車速側の場合には同図
(c)のようなトルク波形となる。即ち、変速前トルク
TqBは、低車速側では低車速のため大きくなり、又高車
速側では高車速のため小さくなるのに対し、変速中のト
ルクについては概ね油圧で決まり、その油圧はスロット
ル開度が同一ならば同じであることから、変速点がいず
れの側に変化しても、変速中トルクTqMは通常変速点の
ものと変わらず、変化はしない、その結果、低車速側で
は引き気味、高車速側では飛び出し気味のトルク波形と
なり、変速ショックの変化を招く。
よって、変速時ライン圧をスロットル開度で決定する
手法にあっては、或る一定条件下でマッチングしても、
同じスロットル開度において駆動力が変化するような要
因、即ち第24図(a),(c)に示した如き変速前トル
クの変動を来たすような要因に対しては、これを吸収あ
るいは補正するといったような対応性までは有してはい
ない。従って、この意味で変速品質のバラツキが発生す
る。
手法にあっては、或る一定条件下でマッチングしても、
同じスロットル開度において駆動力が変化するような要
因、即ち第24図(a),(c)に示した如き変速前トル
クの変動を来たすような要因に対しては、これを吸収あ
るいは補正するといったような対応性までは有してはい
ない。従って、この意味で変速品質のバラツキが発生す
る。
これに対し、第19図は、第24図のトルク波形図と対比
して示すための本ライン圧制御による変速点変化に伴う
トルク波形変化の説明図であり、変速点が異なる状態と
なったときでも、その変速は、第24図の場合のもののよ
うには、マッチング点での変速に対し引き気味の変速と
なったり、飛び出し気味の変速となったりはしない様子
が示されている。
して示すための本ライン圧制御による変速点変化に伴う
トルク波形変化の説明図であり、変速点が異なる状態と
なったときでも、その変速は、第24図の場合のもののよ
うには、マッチング点での変速に対し引き気味の変速と
なったり、飛び出し気味の変速となったりはしない様子
が示されている。
第19図において、マッチングは通常変速点での状態を
示す同図(b)のような変速前トルクTqBと変速中トル
クTqMとの所定の比率関係をもってなされている。しか
して、この通常変速点と異なる車速で変速が行われたと
した場合、変速前トルクTqBは、同図(a),(c)
(なお、第19図もスロットル開度一定の条件である)に
示すように低車速側では大きくなり、高車速側では小さ
くなるが、このとき夫々変速時ライン圧を決定するのに
用いるQa/No値も同様に変化するため、変速前トルクTqB
と変速中トルクTqMの比率は、通常変速点での比率と同
じで変化しない。即ち、同図(a),(c)に示す如
く、いずれも、変速中トルクTqMについては、変速前ト
ルクTqBが大となれば大きくなるよう、又小となれば小
さくなるよう、夫々自己補正されることとなり、比率は
一定に保たれる。その結果、前記第24図(a),(c)
の場合と比較して、低車速側で引き気味のトルク波形に
変化したり、高車速側で飛び出し気味のトルク波形に変
化したりすることはなく、変速ショックの変化は抑制さ
れるのである。
示す同図(b)のような変速前トルクTqBと変速中トル
クTqMとの所定の比率関係をもってなされている。しか
して、この通常変速点と異なる車速で変速が行われたと
した場合、変速前トルクTqBは、同図(a),(c)
(なお、第19図もスロットル開度一定の条件である)に
示すように低車速側では大きくなり、高車速側では小さ
くなるが、このとき夫々変速時ライン圧を決定するのに
用いるQa/No値も同様に変化するため、変速前トルクTqB
と変速中トルクTqMの比率は、通常変速点での比率と同
じで変化しない。即ち、同図(a),(c)に示す如
く、いずれも、変速中トルクTqMについては、変速前ト
ルクTqBが大となれば大きくなるよう、又小となれば小
さくなるよう、夫々自己補正されることとなり、比率は
一定に保たれる。その結果、前記第24図(a),(c)
の場合と比較して、低車速側で引き気味のトルク波形に
変化したり、高車速側で飛び出し気味のトルク波形に変
化したりすることはなく、変速ショックの変化は抑制さ
れるのである。
しかも、本実施例では、かかる場合に、Qa値に対する
補正をも行っているため、エンジン出力の一部が自動変
速機の入力までに損失してしまうエンジン暖機過程や補
機駆動中の状況などであったとしても、上記比率は略一
定に保つことができ、この点でも変速ショックの悪化を
低減できる。この点について、例えば、暖機完了後で比
較的損失が少なく、かつエアコン等の補機が非作動でそ
れによる損失も少ない状態と、エンジン暖機過程中で比
較的損失が多く、かつエアコン等も稼働中でそれよる損
失も多い状態とを想定し、第19図(c)の如く高車速側
で変速が行われた場合を例に説明する(なお、説明を簡
単にするため、このケースでは、エンジントルク制御は
行われておらず、従って前記(1)式のQTC値が0、又
は(2)式のKTC値が1.0であるとする)。
補正をも行っているため、エンジン出力の一部が自動変
速機の入力までに損失してしまうエンジン暖機過程や補
機駆動中の状況などであったとしても、上記比率は略一
定に保つことができ、この点でも変速ショックの悪化を
低減できる。この点について、例えば、暖機完了後で比
較的損失が少なく、かつエアコン等の補機が非作動でそ
れによる損失も少ない状態と、エンジン暖機過程中で比
較的損失が多く、かつエアコン等も稼働中でそれよる損
失も多い状態とを想定し、第19図(c)の如く高車速側
で変速が行われた場合を例に説明する(なお、説明を簡
単にするため、このケースでは、エンジントルク制御は
行われておらず、従って前記(1)式のQTC値が0、又
は(2)式のKTC値が1.0であるとする)。
今、前者のケース、即ち暖機後等の状態を通常の状態
とし、これを基準にライン圧テーブル等のマッチングが
なされているとすると、後者のケース、即ち暖機過程等
損失の多い状態で変速が高車速側で行われた場合には、
自動変速機の入力までに損失してしまう出力分が多くな
る分だけ第19図(c)の変速前トルクTqBは小さくな
る。しかるに、この場合に、Qa値をエンジン暖機過程や
補機負荷による出力損失に応じて補正しないときは、前
記の自己補正機能によって決定される変速時ライン圧、
従って変速中トルクTqBは、暖機完了後等の前者のケー
スで変速点が変った場合と同様のものとなり、変速前ト
ルクTqBの方だけが出力損失分に応じて低下する方向に
変動することになる。よって、これが原因で第19図
(c)のような比率関係を維持し得ず、変速ショックが
変化する。
とし、これを基準にライン圧テーブル等のマッチングが
なされているとすると、後者のケース、即ち暖機過程等
損失の多い状態で変速が高車速側で行われた場合には、
自動変速機の入力までに損失してしまう出力分が多くな
る分だけ第19図(c)の変速前トルクTqBは小さくな
る。しかるに、この場合に、Qa値をエンジン暖機過程や
補機負荷による出力損失に応じて補正しないときは、前
記の自己補正機能によって決定される変速時ライン圧、
従って変速中トルクTqBは、暖機完了後等の前者のケー
スで変速点が変った場合と同様のものとなり、変速前ト
ルクTqBの方だけが出力損失分に応じて低下する方向に
変動することになる。よって、これが原因で第19図
(c)のような比率関係を維持し得ず、変速ショックが
変化する。
これに対し、前述のQa補正処理による場合には、出力
損失分だけ変速前トルクTqBが低下するのに伴いQa値も
減算補正される結果、変速中トルクTqBもその低下分に
対応して低下し、従って出力損失の変動にかかわらず良
好な比率関係を確保でき、過不足のない補正が実現でき
る。エンジントルク制御によるエンジン本体の出力変化
分などに対してもQa値補正によって上述と同様の補正機
能が発揮される。
損失分だけ変速前トルクTqBが低下するのに伴いQa値も
減算補正される結果、変速中トルクTqBもその低下分に
対応して低下し、従って出力損失の変動にかかわらず良
好な比率関係を確保でき、過不足のない補正が実現でき
る。エンジントルク制御によるエンジン本体の出力変化
分などに対してもQa値補正によって上述と同様の補正機
能が発揮される。
又、上述のようなエンジン暖機過程などが要因の変速
ショックの悪化を回避するのに、例えば、最終的なライ
ン圧テーブルを複数持つなどの工夫も考えられるが、そ
の場合には、テーブルの数が増加するのは勿論、各テー
ブルともマッチングが要求され、必要工数が大きくなる
のに対し、本実施例ではかかる不都合も生じない。
ショックの悪化を回避するのに、例えば、最終的なライ
ン圧テーブルを複数持つなどの工夫も考えられるが、そ
の場合には、テーブルの数が増加するのは勿論、各テー
ブルともマッチングが要求され、必要工数が大きくなる
のに対し、本実施例ではかかる不都合も生じない。
このようにして、本実施例のQa値補正を伴う変速時ラ
イン圧制御によれば、有効な駆動力にリニアに対応する
Qa/No値を求めて適切な変速時ライン圧を決定すること
が可能であり、エンジン暖機過程や、補機負荷による出
力損失の変動等によるQaの変動を吸収し、精度を向上す
るべくエンジン内部情報、補機負荷情報等により出力損
失相当の吸入空気量等を補正することにより、ライン圧
制御にあたり、エンジン暖機過程や補機負荷による変動
分等も修正でき、より厳密で正確な制御を行え、最終的
なライン圧テーブルを複数用意し、夫々についてマッチ
ングを行うなどの工夫、手間をかけないでも済む。
イン圧制御によれば、有効な駆動力にリニアに対応する
Qa/No値を求めて適切な変速時ライン圧を決定すること
が可能であり、エンジン暖機過程や、補機負荷による出
力損失の変動等によるQaの変動を吸収し、精度を向上す
るべくエンジン内部情報、補機負荷情報等により出力損
失相当の吸入空気量等を補正することにより、ライン圧
制御にあたり、エンジン暖機過程や補機負荷による変動
分等も修正でき、より厳密で正確な制御を行え、最終的
なライン圧テーブルを複数用意し、夫々についてマッチ
ングを行うなどの工夫、手間をかけないでも済む。
更に第19図には、先に触れた変速中の吸入空気量の減
少に伴う減少分部分の特性が符号rによって示されてお
り、変速の進行と共にトルク波形は変速終期部分で破線
の場合に比べて減少傾向を呈する。変速終期部分におい
て、これとは逆の挙動を呈する場合には、即ち破線の場
合に対し漸増するような傾向を示す場合は、変速終了時
のトルク段付きはより強いものとなるのに対し、本実施
例に従う変速ライン圧制御によれば、変速終了時のトル
ク段付きが強くなるのを回避できるのは勿論、図の如く
破線の特性の場合に比してもトルク段付きが減少し、良
好なチューニングが実現され、又Qa補正を行った場合に
もこれは失われることはない。
少に伴う減少分部分の特性が符号rによって示されてお
り、変速の進行と共にトルク波形は変速終期部分で破線
の場合に比べて減少傾向を呈する。変速終期部分におい
て、これとは逆の挙動を呈する場合には、即ち破線の場
合に対し漸増するような傾向を示す場合は、変速終了時
のトルク段付きはより強いものとなるのに対し、本実施
例に従う変速ライン圧制御によれば、変速終了時のトル
ク段付きが強くなるのを回避できるのは勿論、図の如く
破線の特性の場合に比してもトルク段付きが減少し、良
好なチューニングが実現され、又Qa補正を行った場合に
もこれは失われることはない。
上記では、変速点変化に対する自己補正の場合につい
て述べたが、本実施例はこれに限らず、大気圧の変化や
環境温度の変化等の環境変化、更にはターボチャージャ
搭載車でのターボのタイムラグなどによる影響等に対し
ても同様の補正が可能である。
て述べたが、本実施例はこれに限らず、大気圧の変化や
環境温度の変化等の環境変化、更にはターボチャージャ
搭載車でのターボのタイムラグなどによる影響等に対し
ても同様の補正が可能である。
以下、第20図乃至第23図を参照して、大気圧や環境温
度の影響並びにそれらに対する自己補正の場合について
説明する。
度の影響並びにそれらに対する自己補正の場合について
説明する。
先ず、第22図のトルク波形図は、スロットル開度によ
るライン圧制御において大気圧が変化した場合のトルク
波形の変化を比較例として示すものである。通常の市街
地走行の如き低地(大気圧が1気圧の状態)の場合の同
図(a)と、それより大気圧が低い高地走行の場合の同
図(b)とは、共に同一のスロットル開度での変速過程
のトルク波形であって、マッチングは基本的に前者の低
地での条件下で行われている。今、かかるマッチング状
態で高地のように大気圧が低下した状況下で走行した場
合において変速がなされるとき、大気圧の低い条件では
エンジントルクが低下するため、同一変速条件でも同図
(b)に示すように変速前トルクTqBが低くなるのに対
し、変速中トルクTqMは概ね油圧で決まるため大気圧が
変化しても変わらない。
るライン圧制御において大気圧が変化した場合のトルク
波形の変化を比較例として示すものである。通常の市街
地走行の如き低地(大気圧が1気圧の状態)の場合の同
図(a)と、それより大気圧が低い高地走行の場合の同
図(b)とは、共に同一のスロットル開度での変速過程
のトルク波形であって、マッチングは基本的に前者の低
地での条件下で行われている。今、かかるマッチング状
態で高地のように大気圧が低下した状況下で走行した場
合において変速がなされるとき、大気圧の低い条件では
エンジントルクが低下するため、同一変速条件でも同図
(b)に示すように変速前トルクTqBが低くなるのに対
し、変速中トルクTqMは概ね油圧で決まるため大気圧が
変化しても変わらない。
その結果として、低地でマッチングしていても、高地
では同図(b)に示すように飛び出し気味のトルク波形
に変化し、従って大気圧が異なることが原因で同一スロ
ットル開度でもかかる環境変化が変速品質のバラツキと
して現われてしまう。
では同図(b)に示すように飛び出し気味のトルク波形
に変化し、従って大気圧が異なることが原因で同一スロ
ットル開度でもかかる環境変化が変速品質のバラツキと
して現われてしまう。
又、同じく比較例として示す第23図のように、環境温
度が変化した場合にもトルク波形がマッチング点のもの
から変化する。即ち、常温を基準としてマッチングを行
っていても(同図(b))、環境温度が高温又は低温に
変化した場合(例えば、季節が春、秋から夏又は冬に変
わった場合)、エンジン吸気温度の変化によりエンジン
の発生トルクが変わり、これにより変速前トルクTqBは
夏季のような温度の高い場合には小さく、又冬季のよう
な温度の低い場合は大きくなる。一方、変速中トルクTq
Mは概ね油圧で決まるため、吸気温度が変化しても変わ
らず、結果として同図(a),(c)に示す如く、低温
では引き気味、高温では飛び出し気味のトルク波形に変
化してしまう。
度が変化した場合にもトルク波形がマッチング点のもの
から変化する。即ち、常温を基準としてマッチングを行
っていても(同図(b))、環境温度が高温又は低温に
変化した場合(例えば、季節が春、秋から夏又は冬に変
わった場合)、エンジン吸気温度の変化によりエンジン
の発生トルクが変わり、これにより変速前トルクTqBは
夏季のような温度の高い場合には小さく、又冬季のよう
な温度の低い場合は大きくなる。一方、変速中トルクTq
Mは概ね油圧で決まるため、吸気温度が変化しても変わ
らず、結果として同図(a),(c)に示す如く、低温
では引き気味、高温では飛び出し気味のトルク波形に変
化してしまう。
これに対し、本変速時ライン圧制御では、そのような
大気圧、温度などの環境変化によるエンジン出力の変化
に対しても変速時ライン圧が自己補正され、変速ショッ
クの悪化を防止でき、しかもQa値補正によって過不足の
ない正確な制御を容易に行うことができる。
大気圧、温度などの環境変化によるエンジン出力の変化
に対しても変速時ライン圧が自己補正され、変速ショッ
クの悪化を防止でき、しかもQa値補正によって過不足の
ない正確な制御を容易に行うことができる。
第20図はスロットル開度一定条件での大気圧変化に対
する自己補正機能の様子を示し、又第21図は環境温度、
従ってエンジン吸気温度変化の自己補正機能の様子を示
す。なお、図中特性部分rは第19図と同様である。
する自己補正機能の様子を示し、又第21図は環境温度、
従ってエンジン吸気温度変化の自己補正機能の様子を示
す。なお、図中特性部分rは第19図と同様である。
第20図において、同図(b)に示す如く、大気圧が低
い高地の場合には、大気圧が低下するにつれ空気密度が
低くなりエンジントルクが低下するため、それに応じて
同一変速条件では同図(a)のマッチング点でのものよ
り変速前のトルクTqBは小さくなる。ここで、エンジン
のエアフローメータ10は質量流量計であり、大気圧変化
に伴うかかる空気密度変化に比例してQaも小さくなり、
その結果、変速前トルクTqBの変化と同様にQa/Noも変化
し、従って前記変速時ライン圧テーブルを用いて変速時
ライン圧を決定するための演算トルク値としての変速Tq
(SEN)も変化する。かくして、前述した変速点の自己
補正の場合と同様、変速前トルクTqBが小さくなればそ
れに見合うように変速中トルクTqMも小さくなるように
ライン圧制御が行われ、両者の比率は一定に保たれる。
い高地の場合には、大気圧が低下するにつれ空気密度が
低くなりエンジントルクが低下するため、それに応じて
同一変速条件では同図(a)のマッチング点でのものよ
り変速前のトルクTqBは小さくなる。ここで、エンジン
のエアフローメータ10は質量流量計であり、大気圧変化
に伴うかかる空気密度変化に比例してQaも小さくなり、
その結果、変速前トルクTqBの変化と同様にQa/Noも変化
し、従って前記変速時ライン圧テーブルを用いて変速時
ライン圧を決定するための演算トルク値としての変速Tq
(SEN)も変化する。かくして、前述した変速点の自己
補正の場合と同様、変速前トルクTqBが小さくなればそ
れに見合うように変速中トルクTqMも小さくなるように
ライン圧制御が行われ、両者の比率は一定に保たれる。
又、第21図に示す環境温度の変化に対する自己補正に
関しても、上記気圧の影響による場合に準じた作用であ
る。即ち、環境温度、従ってエンジン吸気温度により空
気密度が変化しエンジンの発生トルクが変化して同一変
速条件でも同図(a),(c)に示すように変速前トル
クTqBが変化するような場合、具体的には、低温時には
空気密度が高くてトルクが大きくなるように、又高温時
には空気密度が低くてトルクが小さくなるように変化す
る場合に、質量流量計であるエアフローメータ10に基づ
いて得られるQaの値も変化する。従って、変速前トルク
TqBの変化と同様にQa/No値も変化することとなり、この
ため同図(b)に示すマッチング点での温度より低温あ
るいは高温になっても、変速前トルクTqBと変速中トル
クTqMの比率は一定に保たれるのであり、前記第23図の
場合のようには変速品質のバラツキが生ずることはな
い。
関しても、上記気圧の影響による場合に準じた作用であ
る。即ち、環境温度、従ってエンジン吸気温度により空
気密度が変化しエンジンの発生トルクが変化して同一変
速条件でも同図(a),(c)に示すように変速前トル
クTqBが変化するような場合、具体的には、低温時には
空気密度が高くてトルクが大きくなるように、又高温時
には空気密度が低くてトルクが小さくなるように変化す
る場合に、質量流量計であるエアフローメータ10に基づ
いて得られるQaの値も変化する。従って、変速前トルク
TqBの変化と同様にQa/No値も変化することとなり、この
ため同図(b)に示すマッチング点での温度より低温あ
るいは高温になっても、変速前トルクTqBと変速中トル
クTqMの比率は一定に保たれるのであり、前記第23図の
場合のようには変速品質のバラツキが生ずることはな
い。
しかも、第20図、第21図のいずれの場合も、エンジン
暖機過程や補機負荷による出力損失の変動、あるいはト
ルク制御によるエンジン本体の出力変化があったとき
は、それに伴って変速前トルクTqMが変化するのに合わ
せてQa値が補正される結果、変速中トルクTqMも変化
し、両者の比率を良好な状態に維持することができる。
従って、第19図の場合と同様に、たとえ上記の変化、変
動がある場合であっても、これを要因とする変速ショッ
クの変化を避けることができる。
暖機過程や補機負荷による出力損失の変動、あるいはト
ルク制御によるエンジン本体の出力変化があったとき
は、それに伴って変速前トルクTqMが変化するのに合わ
せてQa値が補正される結果、変速中トルクTqMも変化
し、両者の比率を良好な状態に維持することができる。
従って、第19図の場合と同様に、たとえ上記の変化、変
動がある場合であっても、これを要因とする変速ショッ
クの変化を避けることができる。
なお、本実施例では、変速時ライン圧を決定するため
に自動変速機2の出力軸回転数Noを用いたが、車速Vも
この出力軸回転数Noに比例するものであるため、出力軸
回転数Noの代わりに車速Vを用いるようにしてもよい。
に自動変速機2の出力軸回転数Noを用いたが、車速Vも
この出力軸回転数Noに比例するものであるため、出力軸
回転数Noの代わりに車速Vを用いるようにしてもよい。
又、第2図に破線で示す如くコントローラ7での変速
時ライン圧制御のための情報として更に変速前ギヤ位置
情報(これはコントローラ内で各シフトソレノイドのO
N,OFFの組み合わせとして得られる内部情報である)を
使用し、制御変数Tq(SEN)算出時の回転数情報として
変速前のタービン回転数あるいは相当値を用いるように
してもよい。
時ライン圧制御のための情報として更に変速前ギヤ位置
情報(これはコントローラ内で各シフトソレノイドのO
N,OFFの組み合わせとして得られる内部情報である)を
使用し、制御変数Tq(SEN)算出時の回転数情報として
変速前のタービン回転数あるいは相当値を用いるように
してもよい。
即ち、前記実施例の出力軸回転数Noの代わりに、出力
軸回転数Noと変速前のギヤのギヤ比よりタービン回転数
を求めてこの値を用いるようにしてもよい。
軸回転数Noと変速前のギヤのギヤ比よりタービン回転数
を求めてこの値を用いるようにしてもよい。
以上、本発明を特定の実施例、変形例について説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではない。
たが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、前記実施例では、変速時ライン圧制御に適用
したが、定常時ライン圧を例えばQa/No値に基いて決定
するライン圧制御においてそのQa値に対して同様の補正
を行うようにしてもよい。
したが、定常時ライン圧を例えばQa/No値に基いて決定
するライン圧制御においてそのQa値に対して同様の補正
を行うようにしてもよい。
又、変速時のクラッチ締結力をトルク伝達分(ベース
トルク分)によるものと、イナーシャ分によるものとに
分離して考え、変速時ライン圧を制御する制御量とし
て、Qa及びNoにより決定される伝達トルク相当のQa/No
値の比例値としての第1の制御量を求めると共に、No値
により決定されるイナーシャ相当分のNo値の比例値を第
2の制御量として求め、これらにより変速時ライン圧を
決定するライン圧制御において、そのQa値に対して同様
の補正を行うようにしてもよい。
トルク分)によるものと、イナーシャ分によるものとに
分離して考え、変速時ライン圧を制御する制御量とし
て、Qa及びNoにより決定される伝達トルク相当のQa/No
値の比例値としての第1の制御量を求めると共に、No値
により決定されるイナーシャ相当分のNo値の比例値を第
2の制御量として求め、これらにより変速時ライン圧を
決定するライン圧制御において、そのQa値に対して同様
の補正を行うようにしてもよい。
更に、前記文献記載のスロットル開度による変速時、
定常時の各ライン圧制御をベースとして、スロットル開
度で決定されるライン圧に対し、例えばスロットル開度
に対する標準吸入空気量データQa(S)と実際の吸入空
気量Qa(実Qa)との比Qa/Qa(S)を用いて補正を行う
ようにしたライン圧制御において、そのQa値(実Qa値)
に対して同様の補正を行うようにしてもよい。即ち、本
発明に従うQa値の補正処理は、ライン圧をエンジンの吸
入空気量を用いて決定する場合の制御のみならず、上記
のようにスロットル開度をQa値で補正することによりラ
イン圧を決定する場合における当該Qa値自体に対する補
正としても適用可能である。
定常時の各ライン圧制御をベースとして、スロットル開
度で決定されるライン圧に対し、例えばスロットル開度
に対する標準吸入空気量データQa(S)と実際の吸入空
気量Qa(実Qa)との比Qa/Qa(S)を用いて補正を行う
ようにしたライン圧制御において、そのQa値(実Qa値)
に対して同様の補正を行うようにしてもよい。即ち、本
発明に従うQa値の補正処理は、ライン圧をエンジンの吸
入空気量を用いて決定する場合の制御のみならず、上記
のようにスロットル開度をQa値で補正することによりラ
イン圧を決定する場合における当該Qa値自体に対する補
正としても適用可能である。
(発明の効果) かくして本発明作動油圧制御装置は上述の如く、変速
時の摩擦要素の作動油圧を、吸入空気量と回転数情報か
ら、その吸入空気量値を回転数情報値で除して得られる
吸入空気量と回転数情報との比である 吸入空気量/回転数情報 を求め、その比の値に基づき決定される制御量に応じて
設定する一方で、吸入空気量検出手段により検出される
吸入空気量について補正すべく、その検出された吸入空
気量に対し、エンジンのフリクションに応じ吸入空気量
を補正するエンジンフリクション分補正、ポンピング損
失分に応じ吸入空気量を補正するポンピング損失分補
正、補機駆動時に補機負荷に応じて吸入空気量を補正す
る補機負荷分補正、エンジントルク制御を実行するエン
ジンコントローラにより行われる、当該制御実行時のト
ルク低減制御に対応させて吸入空気量を補正するトルク
低減分補正のうちの少なくとも一つの吸入空気量補正を
し、斯く補正して得られる補正後の吸入空気量値を、前
記比を求める場合の吸入空気量値として適用される吸入
空気量補正手段を具備する構成としたから、変速前トル
クと変速中トルクの比率を一定に保つようにその作動油
圧の自己補正をさせ得て、変速ショックの変化を招くよ
うな要因によるエンジン出力の変化に対しても対応可能
で前記変速時の作動油圧を自己補正することができ、変
速ショックの変化を防止して変速品質のバラツキの低減
を図ることができると共に、かかる吸入空気量/回転数
情報の比の値を用いることで、変速中も逐次これを求め
つつその変速時の摩擦要素の作動油圧が設定できること
から、自己補正の機能を、当該変速の実際の場面でその
変速中でも発揮させられ、従って、変速に際して、常
に、変速ショック変化防止対策としてのその必要な自己
補正の効果を得ることができる。
時の摩擦要素の作動油圧を、吸入空気量と回転数情報か
ら、その吸入空気量値を回転数情報値で除して得られる
吸入空気量と回転数情報との比である 吸入空気量/回転数情報 を求め、その比の値に基づき決定される制御量に応じて
設定する一方で、吸入空気量検出手段により検出される
吸入空気量について補正すべく、その検出された吸入空
気量に対し、エンジンのフリクションに応じ吸入空気量
を補正するエンジンフリクション分補正、ポンピング損
失分に応じ吸入空気量を補正するポンピング損失分補
正、補機駆動時に補機負荷に応じて吸入空気量を補正す
る補機負荷分補正、エンジントルク制御を実行するエン
ジンコントローラにより行われる、当該制御実行時のト
ルク低減制御に対応させて吸入空気量を補正するトルク
低減分補正のうちの少なくとも一つの吸入空気量補正を
し、斯く補正して得られる補正後の吸入空気量値を、前
記比を求める場合の吸入空気量値として適用される吸入
空気量補正手段を具備する構成としたから、変速前トル
クと変速中トルクの比率を一定に保つようにその作動油
圧の自己補正をさせ得て、変速ショックの変化を招くよ
うな要因によるエンジン出力の変化に対しても対応可能
で前記変速時の作動油圧を自己補正することができ、変
速ショックの変化を防止して変速品質のバラツキの低減
を図ることができると共に、かかる吸入空気量/回転数
情報の比の値を用いることで、変速中も逐次これを求め
つつその変速時の摩擦要素の作動油圧が設定できること
から、自己補正の機能を、当該変速の実際の場面でその
変速中でも発揮させられ、従って、変速に際して、常
に、変速ショック変化防止対策としてのその必要な自己
補正の効果を得ることができる。
また、その場合に、変速時の作動油圧をスロットル開
度に専ら依存して決定するような手法に対する改善が図
られるのはもとより、作動油圧の決定に、燃料噴射量や
吸入負圧を利用する場合であったなら生ずるであろう、
変速終期での飛び出すようなショックをも回避しつつ、
変速時の作動油圧制御を効果的に行わせることができ、
しかも、これらに加えるに、エンジンのフリクションや
ポンピング損失、更には、該当するときの補機の駆動、
エンジンコントローラで実行中のトルク低減制御は、そ
のいずれもが、自動変速機への入力に対し、専らそれを
低下させるものとなり、従って専らその変速前トルクに
つきそれをその分小さくする要因となるが、変速時作動
油圧制御において、上記の吸入空気量補正手段をよっ
て、更にその自己補正に用いられる吸入空気量に対する
補正をも行うことから、かかる自動変速機への入力に影
響を及ぼす低下変動分も修正し得て、その低下する変動
分に起因する分の現在の変速ショックの悪化をも避けら
れ、変速時の摩擦要素の設定作動油圧をより厳密で正確
なものとし、より一層の対応性をもたらし、変速時作動
油圧制御の精度を向上させることができるのみならず、
上記の作用効果をも損なわずに、これを適切に実現し得
て一層確実なものにすることができる。
度に専ら依存して決定するような手法に対する改善が図
られるのはもとより、作動油圧の決定に、燃料噴射量や
吸入負圧を利用する場合であったなら生ずるであろう、
変速終期での飛び出すようなショックをも回避しつつ、
変速時の作動油圧制御を効果的に行わせることができ、
しかも、これらに加えるに、エンジンのフリクションや
ポンピング損失、更には、該当するときの補機の駆動、
エンジンコントローラで実行中のトルク低減制御は、そ
のいずれもが、自動変速機への入力に対し、専らそれを
低下させるものとなり、従って専らその変速前トルクに
つきそれをその分小さくする要因となるが、変速時作動
油圧制御において、上記の吸入空気量補正手段をよっ
て、更にその自己補正に用いられる吸入空気量に対する
補正をも行うことから、かかる自動変速機への入力に影
響を及ぼす低下変動分も修正し得て、その低下する変動
分に起因する分の現在の変速ショックの悪化をも避けら
れ、変速時の摩擦要素の設定作動油圧をより厳密で正確
なものとし、より一層の対応性をもたらし、変速時作動
油圧制御の精度を向上させることができるのみならず、
上記の作用効果をも損なわずに、これを適切に実現し得
て一層確実なものにすることができる。
この場合において、好ましくは、前記吸入空気量補正
手段は、前記エンジンフリクション分補正と、ポンピン
グ損失分補正と、補機負荷分補正と、トルク低減分補正
のいずれも行う構成として、本発明は実施でき、同様に
上記を実現することができる。このようにすると、斯く
吸入空気量補正をし得て、その最終的な補正後の吸入空
気量値を得ることができ、その分、より一層正確な制御
が達成できる等の点で効果的である。
手段は、前記エンジンフリクション分補正と、ポンピン
グ損失分補正と、補機負荷分補正と、トルク低減分補正
のいずれも行う構成として、本発明は実施でき、同様に
上記を実現することができる。このようにすると、斯く
吸入空気量補正をし得て、その最終的な補正後の吸入空
気量値を得ることができ、その分、より一層正確な制御
が達成できる等の点で効果的である。
好ましくはまた、前記吸入空気量補正手段による吸入
空気量に対する補正は、少なくともエンジン回転数及び
エンジン水温に応じたエンジンフリクション相当の吸入
空気量分を吸入空気量から減算する減算補正と、エンジ
ン回転数及びスロットル開度に応じたポンピング損失相
当の吸入空気量分を吸入空気量から減算する減算補正と
の少なくとも一方を含む態様で好適に実施でき、また、
前記エンジンフリクション分補正として、エンジン無負
荷状態での消費吸入空気量についての補正を行うべく、
吸入空気量とエンジン回転数から、 補正後Qa=Qa-KO×Ne …(i) 但し、Qaは吸入空気量、Neはエンジン回転数、KOは予め
設定した定数 により、そのエンジン回転数に比例したKO×Ne分をエン
ジンフリクション相当の吸入空気量分として当該吸入空
気量分を吸入空気量から減算する減算補正により補正後
の吸入空気量値を求める態様で好適に実施でき、同様に
上記を実現することができる。この場合、後者の態様で
は、簡便なフリクション相当分の吸入空気量補正を実現
し得て、エンジンの出力に対応する吸入空気量の精度を
向上するためにエンジン無負荷状態での消費吸入空気量
についての補正を行うことが可能で、上式(i)に従う
減算補正による補正手法で無負荷時の吸入空気量分をエ
ンジン回転数により補正することができる結果、その
分、エンジン回転数依存分を適切にしてかつ簡易に修正
できる等の点で効果的である。
空気量に対する補正は、少なくともエンジン回転数及び
エンジン水温に応じたエンジンフリクション相当の吸入
空気量分を吸入空気量から減算する減算補正と、エンジ
ン回転数及びスロットル開度に応じたポンピング損失相
当の吸入空気量分を吸入空気量から減算する減算補正と
の少なくとも一方を含む態様で好適に実施でき、また、
前記エンジンフリクション分補正として、エンジン無負
荷状態での消費吸入空気量についての補正を行うべく、
吸入空気量とエンジン回転数から、 補正後Qa=Qa-KO×Ne …(i) 但し、Qaは吸入空気量、Neはエンジン回転数、KOは予め
設定した定数 により、そのエンジン回転数に比例したKO×Ne分をエン
ジンフリクション相当の吸入空気量分として当該吸入空
気量分を吸入空気量から減算する減算補正により補正後
の吸入空気量値を求める態様で好適に実施でき、同様に
上記を実現することができる。この場合、後者の態様で
は、簡便なフリクション相当分の吸入空気量補正を実現
し得て、エンジンの出力に対応する吸入空気量の精度を
向上するためにエンジン無負荷状態での消費吸入空気量
についての補正を行うことが可能で、上式(i)に従う
減算補正による補正手法で無負荷時の吸入空気量分をエ
ンジン回転数により補正することができる結果、その
分、エンジン回転数依存分を適切にしてかつ簡易に修正
できる等の点で効果的である。
また、吸入空気量補正手段による吸入空気量に対する
補正は、補機負荷情報に基づき補機負荷による出力損失
相当の吸入空気量分を吸入空気量から減算することによ
り行う態様で好適に実施でき、また、前記コントローラ
によりエンジントルクを低減せしめるトルク低減制御が
実行されている場合のそのトルク低減量又はトルク低減
率を検出し、該低減量又は低減率に基づき、次式、 補正後Qa=Qa-QTC …(ii) 但し、Qaは吸入空気量、QTCはその低減量検出の場合の
トルク低減量相当の吸入空気量 により、そのトルク低減量相当の吸入空気量分を吸入空
気量から減算する減算補正によって補正後の吸入空気量
値を求めるか、 又はその低減率検出の場合における、エンジントルク
低減の変化度合を示すKTC値を補正係数として用いて、
次式、 補正後Qa=KTC×Qa …(iii) により、そのトルク低減率を表す補正係数を吸入空気量
に乗算する乗算補正によって補正後の吸入空気量値を求
めるかの、いずれかにより行う態様で好適に実施でき、
同様に上記を実現することができる。この場合、後者の
態様では、吸入空気量/回転数情報の前記比におけるそ
の吸入空気量自体の補正をするために、点火時期制御、
燃料カット制御等のトルク低減制御がエンジンコントロ
ーラ側で行われている場合に合わせて、そのトルク低減
を、別個に、トルク低減量またはトルク低減率として求
め得て、その低減量検出の場合は上式(ii)に従う減算
補正(トルク低減制御が行われていないときに該当する
ときは、上記QTC値は値0)によって、またその低減率
検出の場合は上式(iii)に従う乗算補正(トルク低減
制御が行われていないときに該当するときは、上記KTC
値は値1)によって、いずれも、その制御実行時のトル
ク低減分について適切な吸入空気量値補正ができる等の
点で効果的である。
補正は、補機負荷情報に基づき補機負荷による出力損失
相当の吸入空気量分を吸入空気量から減算することによ
り行う態様で好適に実施でき、また、前記コントローラ
によりエンジントルクを低減せしめるトルク低減制御が
実行されている場合のそのトルク低減量又はトルク低減
率を検出し、該低減量又は低減率に基づき、次式、 補正後Qa=Qa-QTC …(ii) 但し、Qaは吸入空気量、QTCはその低減量検出の場合の
トルク低減量相当の吸入空気量 により、そのトルク低減量相当の吸入空気量分を吸入空
気量から減算する減算補正によって補正後の吸入空気量
値を求めるか、 又はその低減率検出の場合における、エンジントルク
低減の変化度合を示すKTC値を補正係数として用いて、
次式、 補正後Qa=KTC×Qa …(iii) により、そのトルク低減率を表す補正係数を吸入空気量
に乗算する乗算補正によって補正後の吸入空気量値を求
めるかの、いずれかにより行う態様で好適に実施でき、
同様に上記を実現することができる。この場合、後者の
態様では、吸入空気量/回転数情報の前記比におけるそ
の吸入空気量自体の補正をするために、点火時期制御、
燃料カット制御等のトルク低減制御がエンジンコントロ
ーラ側で行われている場合に合わせて、そのトルク低減
を、別個に、トルク低減量またはトルク低減率として求
め得て、その低減量検出の場合は上式(ii)に従う減算
補正(トルク低減制御が行われていないときに該当する
ときは、上記QTC値は値0)によって、またその低減率
検出の場合は上式(iii)に従う乗算補正(トルク低減
制御が行われていないときに該当するときは、上記KTC
値は値1)によって、いずれも、その制御実行時のトル
ク低減分について適切な吸入空気量値補正ができる等の
点で効果的である。
また、前記制御量として、伝達トルク相当の制御量と
しての第1の制御量を求めると共に、前記回転数情報に
より決定されるイナーシャ相当分の制御量としての第2
の制御量を求め、これらにより変速時の摩擦要素の作動
油圧を設定するよう構成し、その吸入空気量に対して同
様の補正を行うこともでき、また、スロットル開度によ
る変速時作動油圧制御をベースとして、そのスロットル
開度で決定される作動油圧に対し、スロットル開度に対
する標準吸入空気量データと実際の吸入空気量との比で
ある吸入空気量/標準吸入空気量を用いて変速時作動油
圧の補正を行う場合におけるその吸入空気量自体に対す
る補正を行うようにしてもよい。
しての第1の制御量を求めると共に、前記回転数情報に
より決定されるイナーシャ相当分の制御量としての第2
の制御量を求め、これらにより変速時の摩擦要素の作動
油圧を設定するよう構成し、その吸入空気量に対して同
様の補正を行うこともでき、また、スロットル開度によ
る変速時作動油圧制御をベースとして、そのスロットル
開度で決定される作動油圧に対し、スロットル開度に対
する標準吸入空気量データと実際の吸入空気量との比で
ある吸入空気量/標準吸入空気量を用いて変速時作動油
圧の補正を行う場合におけるその吸入空気量自体に対す
る補正を行うようにしてもよい。
第1図は本発明作動油圧制御装置の概念図、 第2図は本発明装置の一実施例を示すシステム図、 第3図は同例におけるコントローラが実行するライン圧
決定ルーチンの制御プログラムのフローチャート、 第4図はライン圧ソレノイドのデューティ制御のための
駆動信号出力の一例を示す波計図、 第5図は第3図のプログラムで適用される変速時ライン
圧テーブルの一例を示す図、 第6図は同テーブルにおける制御変速Tq(SEN)を演算
するためのサブルーチンのプログラムの一例を示すフロ
ーチャート、 第7図は吸入空気量信号のA/D変換処理プログラムを示
すフローチャート、 第8図はそのA/D変換値のリニアライズ処理に適用され
るQa信号リニアライズ特性の一例を示す図、 第9図はエンジン回転数計測用のプログラムの一例を示
すフローチャート、 第10図はスロットル開度信号のA/D変換処理プログラム
を示すフローチャート、 第11図はエンジン水温信号のA/D変換処理等のためのプ
ログラムを示すフローチャート 第12図は補機負荷算出用のプログラムの一例を示すフロ
ーチャート、 第13図はエンジントルク制御量算出用のプログラムの一
例を示すフローチャート、 第14図は吸入空気量Qa値補正用プログラムの一例を示す
フローチャート、 第15図は無負荷時のエンジン回転数と吸入空気量の関係
を示す図、 第16図は自動変速機の出力軸回転数計測用のプログラム
の一例を示すフローチャート、 第17図はQa/Noと駆動力の関係を説明するための実験結
果を示す図、 第18図はライン圧値をデューティ値に変換するデューテ
ィ変換テーブルの一例を示す図、 第19図は変速点変化に対する自己補正機能、並びに吸入
空気量補正の説明に供するトルク波形図、 第20図は大気圧変化に対する同様の説明に供するトルク
波形図、 第21図は環境温度変化に対する同様の説明に供するトル
ク波形図、 第22図はスロットル開度に基づく変速時ライン圧制御に
おける大気圧の影響を説明するため比較例として示すト
ルク波形図、 第23図は同じく環境温度の影響の説明のための比較例と
してのトルク波形図、 第24図は同じく比較例としての変速点変化に伴うトルク
波形の変化を示す図である。 1……エンジン、2……自動変速機 3……コントロールバルブ 4……ライン圧ソレノイド 5,6……シフトソレノイド 7……コントローラ、8……スロットルセンサ 9……車速センサ、10……エアフローメータ 11……回転センサ、12……油温センサ 13……点火装置 14……エンジンコントローラ
決定ルーチンの制御プログラムのフローチャート、 第4図はライン圧ソレノイドのデューティ制御のための
駆動信号出力の一例を示す波計図、 第5図は第3図のプログラムで適用される変速時ライン
圧テーブルの一例を示す図、 第6図は同テーブルにおける制御変速Tq(SEN)を演算
するためのサブルーチンのプログラムの一例を示すフロ
ーチャート、 第7図は吸入空気量信号のA/D変換処理プログラムを示
すフローチャート、 第8図はそのA/D変換値のリニアライズ処理に適用され
るQa信号リニアライズ特性の一例を示す図、 第9図はエンジン回転数計測用のプログラムの一例を示
すフローチャート、 第10図はスロットル開度信号のA/D変換処理プログラム
を示すフローチャート、 第11図はエンジン水温信号のA/D変換処理等のためのプ
ログラムを示すフローチャート 第12図は補機負荷算出用のプログラムの一例を示すフロ
ーチャート、 第13図はエンジントルク制御量算出用のプログラムの一
例を示すフローチャート、 第14図は吸入空気量Qa値補正用プログラムの一例を示す
フローチャート、 第15図は無負荷時のエンジン回転数と吸入空気量の関係
を示す図、 第16図は自動変速機の出力軸回転数計測用のプログラム
の一例を示すフローチャート、 第17図はQa/Noと駆動力の関係を説明するための実験結
果を示す図、 第18図はライン圧値をデューティ値に変換するデューテ
ィ変換テーブルの一例を示す図、 第19図は変速点変化に対する自己補正機能、並びに吸入
空気量補正の説明に供するトルク波形図、 第20図は大気圧変化に対する同様の説明に供するトルク
波形図、 第21図は環境温度変化に対する同様の説明に供するトル
ク波形図、 第22図はスロットル開度に基づく変速時ライン圧制御に
おける大気圧の影響を説明するため比較例として示すト
ルク波形図、 第23図は同じく環境温度の影響の説明のための比較例と
してのトルク波形図、 第24図は同じく比較例としての変速点変化に伴うトルク
波形の変化を示す図である。 1……エンジン、2……自動変速機 3……コントロールバルブ 4……ライン圧ソレノイド 5,6……シフトソレノイド 7……コントローラ、8……スロットルセンサ 9……車速センサ、10……エアフローメータ 11……回転センサ、12……油温センサ 13……点火装置 14……エンジンコントローラ
Claims (7)
- 【請求項1】各種摩擦要素の選択的油圧作動により対応
変速段を選択し、油圧作動する摩擦要素の変更により他
の変速段への変速を行い、かつ摩擦要素の作動油圧を制
御可能な自動変速機において、 エンジンの吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段
と、 この検出手段により検出される吸入空気量と、前記自動
変速機の出力軸回転数または該出力軸回転数と比例関係
を有する回転数を検出する回転数情報検出手段により検
出される回転数情報から、その吸入空気量値を回転数情
報値で除して得られる吸入空気量と回転数情報との比で
ある 吸入空気量/回転数情報 を求め、その比の値に基づき決定される制御量に応じて
変速時の前記摩擦要素の作動油圧を設定する作動油圧設
定手段と、 前記吸入空気量検出手段により検出される吸入空気量に
ついて補正すべく、その検出された吸入空気量に対し、
エンジンのフリクションに応じ吸入空気量を補正するエ
ンジンフリクション分補正、ポンピング損失分に応じ吸
入空気量を補正するポンピング損失分補正、補機駆動時
に補機負荷に応じて吸入空気量を補正する補機負荷分補
正、エンジントルク制御を実行するエンジンコントロー
ラにより行われる、当該制御実行時のトルク低減制御に
対応させて吸入空気量を補正するトルク低減分補正のう
ちの少なくとも一つの吸入空気量補正をし、斯く補正し
て得られる補正後の吸入空気量値を、前記比を求める場
合の吸入空気量値として適用させる吸入空気量補正手段
であって、補正の際には、各条件下において、トルク低
減分に相当する空気量を求め、補正をする吸入空気量補
正手段とを具備してなることを特徴とする自動変速機の
作動油圧制御装置。 - 【請求項2】前記吸入空気量補正手段は、前記エンジン
フリクション分補正と、ポンピング損失分補正と、補機
負荷分補正と、トルク低減分補正のいずれも行うことを
特徴とする請求項1に記載の自動変速機の作動油圧制御
装置。 - 【請求項3】前記吸入空気量補正手段による吸入空気量
に対する補正は、少なくともエンジン回転数及びエンジ
ン水温に応じたエンジンフリクション相当の吸入空気量
分を前記吸入空気量から減算する減算補正と、エンジン
回転数及びスロットル開度に応じたポンピング損失相当
の吸入空気量分を前記吸入空気量から減算する減算補正
との少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1又
は2に記載の自動変速機の作動油圧制御装置。 - 【請求項4】前記吸入空気量補正手段による吸入空気量
に対する補正は、前記エンジンフリクション分補正とし
て、エンジン無負荷状態での消費吸入空気量についての
補正を行うべく、吸入空気量とエンジン回転数から、 補正後Qa=Qa−ko×Ne …(i) 但し、Qaは吸入空気量、Neはエンジン回転数、koは予め
設定した定数 により、そのエンジン回転数に比例したko×Ne分をエン
ジンフリクション相当の吸入空気量分として当該吸入空
気量分を前記吸入空気量から減算する減算補正により補
正後の吸入空気量値を求めることを特徴とする請求項1
又は2に記載の自動変速機の作動油圧制御装置。 - 【請求項5】前記吸入空気量補正手段による吸入空気量
に対する補正は、補機負荷情報に基づき補機負荷による
出力損失相当の吸入空気量分を前記吸入空気量から減算
することにより行うことを特徴とする請求項1乃至4の
いずれかに記載の自動変速機の作動油圧制御装置。 - 【請求項6】前記吸入空気量補正手段による吸入空気量
に対する補正は、前記コントローラによりエンジントル
クを低減せしめるトルク低減制御が実行されている場合
のそのトルク低減量又はトルク低減率を検出し、該低減
量又は低減率に基づき、次式、 補正後Qa=Qa−QTC …(ii) 但し、Qaは吸入空気量、QTCはその低減量検出の場合の
トルク低減量相当の吸入空気量 により、そのトルク低減量相当の吸入空気量分を前記吸
入空気量から減算する減算補正によって補正後の吸入空
気量値を求めるか、 又はその低減率検出の場合における、エンジントルク低
減の変化度合を示すKTC値を補正係数として用いて、次
式、 補正後Qa=KTC×Qa …(iii) により、そのトルク低減率を表す補正係数を前記吸入空
気量に乗算する乗算補正によって補正後の吸入空気量値
を求めるかの、いずれかにより行うことを特徴とする請
求項1乃至5のいずれかに記載の自動変速機の作動油圧
制御装置。 - 【請求項7】前記制御量として、伝達トルク相当の制御
量としての第1の制御量を求めると共に、前記回転数情
報により決定されるイナーシャ相当分の制御量としての
第2の制御量を求め、これらにより変速時の摩擦要素の
作動油圧を設定するようにしたことを特徴とする請求項
1乃至6のいずれかに記載の自動変速機の作動油圧制御
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001566A JP2682177B2 (ja) | 1990-01-10 | 1990-01-10 | 自動変速機の作動油圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001566A JP2682177B2 (ja) | 1990-01-10 | 1990-01-10 | 自動変速機の作動油圧制御装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001566A Expired - Fee Related JP2682177B2 (ja) | 1990-01-10 | 1990-01-10 | 自動変速機の作動油圧制御装置 |
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Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS61119856A (ja) * | 1984-09-25 | 1986-06-07 | Toyota Motor Corp | 無段変速機を備えた車両の駆動力制御装置 |
US4653350A (en) * | 1985-11-29 | 1987-03-31 | General Motors Corporation | Adaptive direct pressure shift control for a motor vehicle transmission |
-
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