JPH05287033A - ゴム変性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性熱可塑性樹脂組成物

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JPH05287033A
JPH05287033A JP10913992A JP10913992A JPH05287033A JP H05287033 A JPH05287033 A JP H05287033A JP 10913992 A JP10913992 A JP 10913992A JP 10913992 A JP10913992 A JP 10913992A JP H05287033 A JPH05287033 A JP H05287033A
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Japan
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butadiene
weight
rubber
resin composition
based copolymer
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JP10913992A
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Takami Hirao
孝見 平尾
Iwakazu Hattori
岩和 服部
Tadao Sato
忠生 佐藤
Kenya Makino
健哉 牧野
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性、表面光沢等を含めて優れた物性バ
ランスを有するゴム変性熱可塑性樹脂組成物を製造す
る。 【構成】 ゴム変性ビニル芳香族化合物系熱可塑性樹脂
組成物において、 全スチレン含量が5〜30重量%で且つブロックス
チレン含量が全スチレン含量の30重量%以上、 ブタジエン部分のビニル結合含量が18重量%未
満、 多官能性ハロゲン化錫化合物によるカップリング率
が30〜90重量%、並びに 分子量分布に2つのピーク部分を有し、そのうちの
低分子量ピーク部分の重量平均分子量が80,000〜
300,000 からなる要件を満たすブタジエン系共重合体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム状重合体として特
定の分岐構造を有するブタジエン系共重合体を使用する
グラフト重合法またはグラフトブレンド法により得られ
る衝撃強度、表面光沢等に優れたゴム変性熱可塑性樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴム状重合体で補強されたポリス
チレン、スチレンーアクリロニトリル共重合体等に代表
されるゴム変性熱可塑性樹脂組成物は、優れた耐衝撃性
を有するとともに、引張強度、加工性等も良好であり、
物性上のバランスの良いプラスチックとして、多くの分
野で利用されている。これらの耐衝撃性樹脂において強
靱化剤として使用されるゴム状重合体には、乳化重合、
溶液重合等により製造されるポリブタジエンゴム、スチ
レンーブタジエンゴム等種々のものがあるが、特に溶液
重合により得られるポリブタジエンゴムは、常温および
低温における耐衝撃性を改善することができるため、従
来から広く用いられてきた。しかしながら、溶液重合ポ
リブタジエンゴムを強靱化剤としたポリスチレンあるい
はスチレンーアクリロニトリル共重合体は、射出成形品
にした場合に、着色性、表面光沢等の外観が劣り、また
ウエルドラインが目立ちやすく、さらにシート成形品で
は、抗張力、腰の強さがやや低いという欠点があった。
また、これらの耐衝撃性ポリスチレンあるいは耐衝撃性
スチレンーアクリロニトリル共重合体を工業的に製造す
るための重合操作としては、塊状重合、懸濁重合、塊状
ー懸濁重合、乳化重合、溶液重合など種々の方法が採用
されているが、これらのうち、塊状重合法、懸濁重合法
あるいは塊状ー懸濁重合法で重合する場合、溶液重合ポ
リブタジエンゴムのスチレン溶液、あるいはスチレン−
アクリロニトリル溶液の溶液粘度が大きく、取扱がやや
困難であるなどの問題があった。また、スチレンーブタ
ジエンランダム共重合体を強靱化剤として用いた場合
は、抗張力や腰の強さ、押出加工性のほか、着色性、表
面光沢などの成形品外観も改善されるが、耐衝撃性をあ
る程度犠牲にせざるを得なかった。しかも、射出成形品
では、ウエルドラインが残り、外観上問題があった。一
方、有機リチウム化合物を開始剤とする重合によって得
られるポリブタジエン、ブタジエンとスチレンとのラン
ダム共重合体等を多官能性ハロゲン化錫等のカップリン
グ剤で処理した分岐状ゴム状重合体の存在下で、ビニル
芳香族化合物またはビニル芳香族化合物とこれと共重合
可能なビニル単量体との混合物をグラフト重合すること
により、ゴム変性熱可塑性樹脂組成物を製造する方法
も、特公平3−57926号公報あるいは特開昭60−
181112号公報に提案されているが、これらの方法
も、樹脂組成物の耐衝撃性、表面光沢等を含めた総合特
性の面では未だ改良の余地があるものである。上記のよ
うにゴム状重合体を強靱化剤として用いたゴム変性熱可
塑性樹脂組成物の性状を決定する因子は数多く存在する
が、中でも樹脂マトリックス中でのゴム状重合体の分散
状態、即ちゴム粒径およびその架橋度が重要な因子とな
る。しかしながら、ゴム粒径および架橋度自体も多くの
因子に影響され、またそれぞれの因子が複雑に関連し合
っているため、各因子の影響を的確に予測し、あるいは
数多くの因子の中から適切なものを選定し組み合わせる
ことは、依然として極めて困難な状況にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、耐衝撃性、表面光沢等を含めて優れた物性バランス
を有するゴム変性熱可塑性樹脂組成物を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、特にゴム状重合体の物性、構造面等に着
目して鋭意検討した結果、特定の分岐状ゴム状共重合体
を使用することにより、耐衝撃性、成形品の外観特に表
面光沢等に優れたゴム変性熱可塑性樹脂組成物が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明は、ブタジエン系共重合体およびビニル芳香族化合
物またはビニル芳香族化合物とこれと共重合可能なビニ
ル単量体との混合物から得られる樹脂を含有するゴム変
性熱可塑性樹脂組成物において、前記ブタジエン系共重
合体として、 全スチレン含量が5〜30重量%で且つブロックス
チレン含量が全スチレン含量の30重量%以上、 ブタジエン部分のビニル結合含量が18重量%未
満、 多官能性ハロゲン化錫化合物によるカップリング率
が30〜90重量%、並びに 分子量分布に2つのピーク部分を有し、そのうちの
低分子量ピーク部分の重量平均分子 量が80,000
〜300,000 からなる要件を満たすブタジエン系共重合体を用いるこ
とを特徴とするゴム変性熱可塑性樹脂組成物に係わるも
のである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて用いられるブタジエン系共重合体は、ブタジエン
と少割合のスチレンとを、有機リチウム化合物を開始剤
として炭化水素溶媒中で共重合することによって得られ
る、結合スチレン中にブロックスチレン部分を有する共
重合体を、多官能性ハロゲン化錫化合物と反応させるこ
とにより製造される分岐状ブタジエン系共重合体であ
る。
【0006】前記ブタジエン系共重合体における全スチ
レン含量は5〜30重量%およびブロックスチレン含量
は全スチレン含量の30重量%以上でなければならな
い。全スチレン含量が5重量%未満では、成形品の表面
光沢が不十分であり、また30重量%を超えると、耐衝
撃性が低くなる。一方、ブロックスチレン含量が全スチ
レン含量の30重量%未満では、表面光沢が低下し成形
品の外観が悪くなる。前記全スチレン含量は5〜25重
量%が好ましく、また前記ブロックスチレン含量は40
重量%以上が好ましい。
【0007】また、前記ブタジエン系共重合体中のブタ
ジエン部分のビニル結合含量は18重量%未満でなけれ
ばならない。前記ビニル結合含量が18重量%以上であ
ると、耐衝撃性が低下する。好ましいビニル結合含量は
17重量%以下であり、さらに好ましくは16重量%以
下である。
【0008】次に、本発明におけるブタジエン系共重合
体は、有機リチウム化合物を開始剤として得られる、活
性リチウム末端を有するブタジエンとスチレンとの共重
合体を、多官能性ハロゲン化錫化合物によりカップリン
グすることによって形成される分岐状ブタジエン系共重
合体を含有するものであるが、そのカップリング率、即
ち分岐状ブタジエン系共重合体の含有率、は30〜90
重量%でなければならない。前記カップリング率が30
重量%未満では、成形品の表面光沢が不十分となり、ま
た90重量%を超えると、カップリング剤である多官能
性ハロゲン化錫化合物が必要以上に多くなって分岐効率
が低下し、経済性、作業能率等の面で不利となる。前記
カップリング率の好ましい範囲は40〜70重量%であ
る。またカップリング剤に多官能性ケイ素系化合物やジ
ビニルベンゼン等を使用し、分岐結合に錫−炭素結合以
外の結合が存在すると、表面光沢が低下し成形品の外観
が悪くなる。
【0009】前記多官能性ハロゲン化錫化合物として
は、メチルトリクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、オクチ
ルトリクロロ錫、メチルトリブロモ錫、テトラクロロ
錫、テトラブロモ錫等が用いられる。これらの多官能性
ハロゲン化錫化合物は、単独でまたは2種以上を混合し
て使用される。
【0010】本発明において、カップリング剤として多
官能性ハロゲン化錫化合物を用いることにより表面光沢
に優れた樹脂組成物が得られる理由の1つとしては、図
1に示すように、分岐状ブタジエン系共重合体は高温領
域で分岐結合の切断が起こるものであるため、グラフト
重合の前半に分岐結合の切断が発生する結果、重合系の
粘度が下がり、樹脂組成物中のゴム粒子の径が適度に小
さくなることが考えられる。
【0011】さらに、前記ブタジエン系共重合体は分子
量分布に2つのピーク部分を有するものであるが、その
低分子量ピーク部分、即ち未分岐部分、の重量平均分子
量は80,000〜300,000でなければならな
い。低分子量ピーク部分の重量平均分子量が80,00
0未満ではブタジエン系共重合体のムーニー粘度が低過
ぎ、また300,000を超えると前記ムーニー粘度が
高過ぎて、いずれの場合にも、良好なゴム変性熱可塑性
樹脂組成物を製造することが困難となる。ブタジエン系
共重合体の低分子量ピーク部分の好ましい重量平均分子
量は90,000〜250,000である。なお、ブタ
ジエン系共重合体の高分子量ピーク部分、即ち分岐状ブ
タジエン系共重合体、の重量平均分子量は、使用される
多官能性ハロゲン化錫化合物中のハロゲン−錫結合の平
均数に応じて、低分子ピーク部分の重量平均分子量の2
〜4倍の範囲内で変動する。
【0012】本発明におけるブタジエン系共重合体を構
成するブタジエンとスチレンとの共重合に使用される有
機リチウム化合物には、プロピルリチウム、n−ブチル
リチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチル
ム、アミルリチウム等がある。これらの有機リチウム化
合物を開始剤とする共重合は、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン等の炭化水素溶媒中で行なわれる。また、
この共重合に際しては、少量のルイス塩基を添加するこ
ともできるが、その場合には、ブロックスチレン含量が
全スチレン含量の30重量%以上およびブタジエン部分
のビニル結合含量が18重量%未満となるように、ルイ
ス塩基の種類、使用量等を調節しなければならない。
【0013】本発明におけるゴム変性熱可塑性樹脂組成
物は、(イ)前記ブタジエン系共重合体の存在下でビニ
ル芳香族化合物またはビニル芳香族化合物とこれと共重
合可能なビニル単量体との混合物をグラフト重合する
か、あるいは(ロ)このようなグラフト重合生成物を、
ビニル芳香族化合物またはビニル芳香族化合物とこれと
共重合可能なビニル単量体との混合物を別途重合するこ
とによって得られる樹脂とブレンドする、いわゆるグラ
フトブレンド法によって製造される。前記ビニル芳香族
化合物としては、例えばスチレン、p−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が使用さ
れ、またこれらのビニル芳香族化合物と共重合可能なビ
ニル単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニル化合物、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート等のアクリル系エステ
ル、アクリルアミドまたはその誘導体などが挙げられ
る。これらのビニル芳香族化合物およびこれと共重合可
能なビニル単量体は、それぞれ単独でまたは2種以上を
組合せて使用される。
【0014】本発明においては、前記ビニル芳香族化合
物およびこれと共重合可能なビニル単量体を適切に組み
合わせて、ブタジエン系共重合体成分と樹脂成分との屈
折率をほぼ等しくすることにより、良好な透明性を有す
るゴム変性熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。特
に本発明により製造されるゴム変性熱可塑性樹脂組成物
は表面光沢に優れているので、成形品表面での乱反射が
非常に低く、透明性んに優れたゴム変性熱可塑性樹脂組
成物は、その特性を充分生かすことができ商品価値が高
くなる。
【0015】本発明において、グラフト重合に使用する
単量体として特に好ましいのは、スチレンまたはスチレ
ンとアクリロニトリルとの混合物である。後者の場合、
スチレンとアクリロニトリルとの重量比は、60/40
以上が好ましい。
【0016】本発明において、ゴム変性熱可塑性樹脂組
成物をグラフト重合のみにより製造する際におけるブタ
ジエン系共重合体の含有率は、通常、全樹脂組成物の2
〜40重量%である。この場合におけるブタジエン系共
重合体の使用量が2重量%未満では、ゴム変性熱可塑性
樹脂組成物の耐衝撃性が充分改善されず、また40重量
%を超えると、ブタジエン系共重合体の単量体溶液の粘
度が極めて高くなり、重合操作が実質的に困難となる。
【0017】また、本発明におけるゴム変性熱可塑性樹
脂組成物をグラフトブレンド法により製造する際には、
前記グラフト重合段階でのブタジエン系共重合体の使用
量を多めに設定し、このグラフト重合物を、ビニル芳香
族化合物またはビニル芳香族化合物とこれと共重合可能
なビニル単量体との混合物から得られる樹脂とブレンド
することにより、全樹脂組成物中のブタジエン系共重合
体の含有率を、通常2〜40重量%に調節する。
【0018】本発明におけるブタジエン系共重合体の存
在下でのグラフト重合は、特に制約されるものではな
く、塊状重合、懸濁重合、塊状ー懸濁重合、乳化重合、
あるいはこれらの組合せ等の適宜の方法により、回分式
または連続的に実施することができる。
【0019】
【実施例】以下実施例および比較例を挙げて、本発明の
具体的態様および効果をさらに詳細に説明する。 〔ゴム状重合体の製造〕実施例および比較例で使用する
ゴム状重合体は、次のようにして製造した。各ゴム状重
合体の物性値を表1に示す。表1において、%は重量に
基づく。重合体A 容量10リットルの攪拌機付き反応器に、シクロヘキサ
ン2,500g、1回目の仕込み単量体として1,3−
ブタジエン400g、およびテトラヒドロフラン0.2
gを仕込み、反応器内の温度を50°Cに調節したの
ち、n−ブチルリチウム0.5gを仕込んで重合を開始
した。反応器内の温度が最高温度に達してから5分後
に、2回目の仕込み単量体として1,3−ブタジエン5
0gとスチレン50gとの混合物を供給し、その後30
分間重合したのち、テトラクロロ錫0.3gを加えて1
0分間カップリング反応を行なった。次いで、反応溶液
に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール2.5gを
添加したのち、スチームストリッピングにより溶媒を除
去し、110°Cの熱ロールで乾燥して、分岐構造を有
するブタジエン系共重合体を製造した。これを重合体A
とする。
【0020】重合体B 1回目の仕込み単量体として1,3−ブタジエン430
g、2回目の仕込み単量体として1,3−ブタジエン2
0gとスチレン50gとの混合物を用い、n−ブチルリ
チウムの仕込み量を0.3gに変更した以外は重合体A
の場合と同様にして処理して、分岐構造を有するブタジ
エン系共重合体を製造した。これを重合体Bとする。
【0021】重合体C 1回目の仕込み単量体として1,3−ブタジエン300
g、2回目の仕込み単量体として1,3−ブタジエン1
00gとスチレン100gとの混合物を用いた以外は重
合体Aの場合と同様にして処理して、分岐構造を有する
ブタジエン系共重合体を製造した。これを重合体Cとす
る。
【0022】重合体D 1回目の仕込み単量体として1,3−ブタジエン400
g、2回目の仕込み単量体として1,3−ブタジエン1
00gのみを用いた以外は重合体Aの場合と同様にして
処理して、分岐構造を有するゴム状重合体を製造した。
これを重合体Dとする。
【0023】重合体E 1回目の仕込み単量体として1,3−ブタジエン225
g、2回目の仕込み単量体として1,3−ブタジエン5
0gとスチレン225gとの混合物を用いた以外は重合
体Aの場合と同様にして処理して、分岐構造を有するブ
タジエン系共重合体を製造した。これを重合体Eとす
る。
【0024】重合体F テトラヒドロフランの仕込み量を0.5gに変更した以
外は重合体Aの場合と同様にして処理して、分岐構造を
有するブタジエン系共重合体を製造した。これを重合体
Fとする。
【0025】重合体G テトラクロロ錫の添加量を0.1gに変更した以外は重
合体Aの場合と同様にして処理して、分岐構造を有する
ブタジエン系共重合体を製造した。これを重合体Gとす
る。
【0026】重合体H テトラクロロ錫0.3gの代わりに、テトラクロロケイ
素を0.2g用いた以外は重合体Aの場合と同様にして
処理して、分岐構造を有するブタジエン系共重合体を製
造した。これを重合体Hとする。
【0027】重合体I 1回目の仕込み単量体として1,3−ブタジエン300
g、2回目の仕込み単量体として1,3−ブタジエン1
50gとスチレン50gとの混合物を用いた以外は重合
体Aの場合と同様にして処理して、分岐構造を有するブ
タジエン系共重合体を製造した。これを重合体Iとす
る。
【0028】〔データ測定〕実施例および比較例中の各
種データは、次のようにして測定した。ムーニー粘度(ML 1+4、100°C) JIS−K6383に準じて測定。ブロックスチレン含量1 −NMRにより、Rubb.Chem.Tec
h.,54,685(1981)に従って測定。ビニル結合含量 赤外線吸収スペクトル法(ハンプトン法)により測定。カップリング率 下記ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法
により、高分子量ピーク部分の面積比から測定。低分子量ピーク部分の重量平均分子量 東ソー製HLC−802A型GPC計を用い、下記測定
条件で、標準ポリスチレン換算して測定。 カラム:GMHXL×2本、移動相:テトラヒドロフラ
ン、 試料濃度:0.1重量%、測定温度:40°C、検知
器:示差屈折計。
【0029】実施例1〜5、比較例1〜6 攪拌機付きステンレス製反応器に、表2または表3に示
す単量体および溶媒としてトルエン(実施例4のみ)を
仕込んだのち、重合体A〜Iの各ゴム状重合体を添加し
て溶解した。この溶液に、重合開始剤としてジクミルパ
ーオキシド0.05gおよび分子量調節剤としてt−ド
デシルメルカプタン0.1gを添加したのち、100°
Cで3時間重合し、次いで温度を130°Cに上げて重
合を続けた。重合転化率が約60%に達した時点で重合
を停止し、残留単量体を減圧下で除去した。その後、生
成樹脂組成物を押出機で造粒したのち、射出成形機で試
験片に成形して、物性を測定した。測定結果を表2(実
施例1〜5)および表3(比較例1〜6)に示す。
【0030】表2および表3に示す測定データから明ら
かなように、本発明により製造されるゴム変性熱可塑性
樹脂組成物は、常温および低温における耐衝撃性並びに
表面光沢がともに優れているとともに、引張強さも良好
である。これに対して、特にブタジエン系共重合体の全
スチレン含量が高く且つブロックスチレン含量が高い場
合(比較例2)およびブタジエン部分のビニル結合含量
が高い場合(比較例3)には、耐衝撃性と表面光沢との
両者が著しく低下する。また、ゴム状重合体がスチレン
を含有しない場合(比較例1)、カップリング率が低い
場合(比較例4)、カップリング剤がテトラクロロケイ
素の場合(比較例5)およびブロックスチレン含量が低
い場合(比較例6)は、いずれも表面光沢が著しく低下
する。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明においては、ブタジエン系共重合
体について、全スチレン含量とブロックスチレン含
量、ブタジエン部分のビニル結合含量、多官能性ハ
ロゲン化錫化合物によるカップリング率並びに低分子
量ピーク部分の重量平均分子量の各因子が適切に選定、
組み合わされたものであるため、耐衝撃性および表面光
沢を含めて優れた物性バランスを有するゴム変性熱可塑
性樹脂組成物を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブタジエン系共重合体のテトラクロロ錫による
分岐結合の切断の様子を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブタジエン系共重合体のテトラクロロ錫によ
る分岐結合の切断の様子を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 健哉 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブタジエン系共重合体およびビニル芳香
    族化合物またはビニル芳香族化合物とこれと共重合可能
    なビニル単量体との混合物から得られる樹脂を含有する
    ゴム変性熱可塑性樹脂組成物において、前記ブタジエン
    系共重合体として、 全スチレン含量が5〜30重量%で且つブロックス
    チレン含量が全スチレン含量の30重量%以上、 ブタジエン部分のビニル結合含量が18重量%未
    満、 多官能性ハロゲン化錫化合物によるカップリング率
    が30〜90重量%、並びに 分子量分布に2つのピーク部分を有し、そのうちの
    低分子量ピーク部分の重量平均分子量が80,000〜
    300,000 からなる要件を満たすブタジエン系共重合体を用いるこ
    とを特徴とするゴム変性熱可塑性樹脂組成物。
JP10913992A 1992-04-03 1992-04-03 ゴム変性熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH05287033A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6066708A (en) * 1997-08-29 2000-05-23 Phillips Petroleum Company Copolymer production, product thereof and diluent removal therefrom
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