JPH0528646B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は合成樹脂の成形に用いる射出成形機の
うち、ランナーレス成形に用いて好適な射出成形
機に関する。

（従来の技術） 一般に射出成形機においてランナーレス成形を
行う場合には、金型内にホツトランナーブロツク
を組込んで、この金型を射出成形機に取付けて成
形を行つている。ホツトランナーブロツクとは、
射出装置から金型キヤビテイに至るまでの樹脂路
の周囲にヒータを配設したものをいい、これによ
り射出された樹脂を溶融状態のまま保持するよう
にして、いわゆるコールドランナーが形成される
のを防止している。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら上記従来の射出成形機にあつても
次のような問題点がある。

すなわち、各成形金型ごとにホツトランナーブ
ロツクを組込むのでは、ホツトランナー装置が高
価であるために金型コストが嵩むばかりでなく、
金型構造も複雑化してメンテナンスが困難となる
問題があつた。

１つのホツトランナーブロツクで複雑の成形金
型に対処するためには、形成機側の型取付ブロツ
クにホツトランナーブロツクを内設し、このホツ
トランナーブロツクを種々の成形金型に兼用する
ことが考えられるが、この場合には各成形金型の
ゲート位置およびゲート数が決められてしまうた
め形状等の異なる種々の形成金型に対応すること
ができない。またゲートのいくつかを閉塞して成
形を行う場合は、該閉塞されたホツトランナー内
の部位で樹脂が停滞し、樹脂が劣化したり分解す
る不具合が生じ、材料替え等も困難になる問題点
がある。さらにはこの場合にあつてもホツトラン
ナーブロツクが型取付ブロツク内に組込まれる構
造となるのでホツトランナーブロツクのメンテナ
ンスはやはり容易に行えない。

本発明は上記種々の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、１つのホツト
ランナーブロツクを、ゲート位置、ゲート数が同
じである成形金型に兼用して使用でき、またゲー
ト位置、ゲート数の異なる成形金型への対応も容
易で、さらにはホツトランナー部のメンテナンス
も容易に行える射出成形機を提供するにある。

（発明の概要） 上記目的は、下記に示す本発明によつて達成す
ることができる。

すなわち、本発明は、成形金型のキヤビテイ内
にホツトランナーブロツクのホツトランナーを介
して射出装置から溶融樹脂を射出注入する射出成
形機において、前記成形金型の固定型を着脱自在
に固定する固定盤の背後に前記射出装置を進退自
在に設け、前記固定盤に複数のノズル貫挿孔を設
け、前記固定盤と射出装置との間に保持板を型開
閉方向に進退自在に設け、該保持板の固定盤対向
面に前記射出装置が前進してノズルタツチした際
に、射出装置に接続する樹脂路を有するホツトラ
ンナーブロツクを取り付け、該ホツトランナーブ
ロツクに、ホツトランナーブロツクの樹脂路に接
続する樹脂路を有すると共に、ホツトランナーブ
ロツクが前記保持板の前進動により前記固定盤の
背面に押圧固定された際、前記ノズル貫挿孔に進
入するホツトノズルを型開閉方向に進退自在に摺
合し、前記保持板において、前記のようにホツト
ランナーブロツクが固定盤背面に押圧固定された
際、前記ホツトノズルの各々を個々に独立して押
圧し、各ホツトノズルを前記キヤビテイに接続す
る押圧手段を、前記ノズル貫挿孔の各々に対応す
る位置に設けたことを特徴とするものである。

（作用） 射出装置を前進させることによりホツトランナ
ーブロツクを押圧してホツトランナーブロツクを
固定盤背面に押圧固定する。ホツトノズルはノズ
ル貫挿孔内に進入する。ここで、ノズル貫挿孔の
各々に対応して保持板に設けられた押圧手段たる
各ノズルタツチピストンを独立に駆動し、各ホツ
トノズルを個々に押圧することによつて、射出装
置からホツトランナーブロツクの樹脂路（ホツト
ランナー）、およびホツトノズルの樹脂路を経由
してキヤビテイに至る樹脂路が形成され、これに
よりランナーレス成形が行われる。

このように、本発明では、各押圧手段によつて
ホツトノズルの各々を個々に押圧することができ
るため、ホツトノズル毎に最適なノズルタツチ力
を付与でき、樹脂漏れやホツトノズルの変形を防
止できる。

また、金型交換の際には、ホツトノズル先端が
固定盤の型取付面より後退する位置まで保持板を
後退させて所定の成形金型に容易に交換すること
ができ、必要に応じて成形金型に対応するホツト
ノズルを有するホツトランナーブロツクの交換も
容易に行うことがでいる。

このように成形金型やホツトランナーブロツク
を交換した際には、各ホツトノズルのノズルタツ
チ力を最適とすることは至難のことであるが、本
発明においては、各ホツトノズルを独立して押圧
できる押圧手段を具備するため、成形金型等を交
換してもホツトノズル毎に最適なノズルタツチ力
を付与できる。

（実施例） 以下には本発明を具体化した好適な一実施例を
添付図面に基づいて詳細に説明する。

第１図において、１０は固定盤であり、適宜な
機台（図示せず）上に固定されている。固定盤１
０の型取付面には固定型１１がボルト１２によつ
て取り外し自在に固定されている。

１３は可動盤であり、固定盤１０と図示しない
型締シリンダとの間に横架されたタイバー１４上
を摺動し、固定型１１方向に接離自在に案内され
る。可動盤１３の型取付面には可動型１５がボル
ト１６によつて取り外し自在に固定されている。
また可動盤１３の背面には前述の型締めシリンダ
の型締ラム１７の進退によつて型開閉がなされ
る。型閉じ時には可動型１５と固定型１１との間
に成形用のキヤビテイ１８が画成される。

前記の固定型１１および固定盤１０には、後記
するホツトランナーブロツクに装着されるホツト
ノズルのノズル貫挿孔１９が８個設けられ（第６
図参照）、型閉じ時該ホツトノズルがゲートを介
してキヤビテイ１８に接続するようになつてい
る。

２０はホツトランナーブロツク２１を着脱自在
に保持する保持板であり、移動シリンダ２２、移
動ピストンロツド２３よりなる移動シリンダ装置
２４によつて固定盤１０背後に、固定盤１０方向
に接離自在に設けられている。上記の移動シリン
ダ２２は保持板２０背面に固定され、この移動シ
リンダ２２に摺合する移動ピストンロツド２３が
保持板２０を摺動自在に貫通して先端が固定盤１
０背面に固定されている。したがつて移動シリン
ダ２２の右室あるいは左室に圧油が供給さると保
持板２０は移動ピストンロツド２３にガイドされ
て移動ピストンロツド上を摺動するのである。

ホツトランナーブロツク２１は、保持板２０の
固定盤１０対向面に上方に開口するＵ形に形成さ
れたガイド部２５（第１図および第７図参照）
に、ガイド部２５内壁に設けた凹溝に凹凸係合す
ることで上方に抜き出し自在に装着されている。
またホツトランナーブロツク２１と保持板２０の
対向面間には一定の空間２６が形成されるように
設定されている。

保持板２０背後の機台上には公知のインランス
クリユー式の射出装置２７が進退自在に設けられ
ており、保持板２０に設けた貫挿２８を貫通して
ホツトランナーブロツク２１にノズルタツチす
る。またその際ホツトランナーブロツク２１は射
出装置２７に押圧されて固定盤１０背面に設けた
圧受部材２９に押圧固定される。

３０は前記したホツトノズルであり、ホツトラ
ンナーブロツク２１に、ノズル貫挿孔１９に対向
して設けた貫通孔３１に固定盤１０方向に進退自
在に摺合している。ホツトノズル３０には長手方
向に貫通して設けられた樹脂路３２と、この樹脂
路３２と直交して開口され、後述するホツトラン
ナーブロツク２１の樹脂路に接続する樹脂路口３
３が設けられている。ホツトノズル３０には図示
しないヒータが配設されて樹脂を溶融状態に維持
する。

ホツトランナーブロツク２１は、射出装置２７
のノズルに接続する樹脂路部３４およびこの樹脂
路部３４から分岐して前記のように樹脂路口３３
を介してホツトノズル３０の樹脂路３２に連通す
る樹脂路部３５とから成る樹脂路が形成されてお
り、この樹脂路を囲んでヒータ（図示せず）が配
設されている。

３６はノズルタツチピストンであり、各ホツト
ノズル３０後端面に対向位置して保持板２０に設
けたシリンダ３７に進退自在に摺合し、前進位置
でホツトノズル３０を押圧してホツトノズル３０
を前進させる。

３８はノズルタツチピストン３６内に摺合され
たシヤフトオフピストンであり、先端ロツド部が
ホツトノズル３０の樹脂路３２に進退自在に摺合
して、ホツトノズル３０の樹脂路口３３を開閉す
るようになつている。

続いて動作について説明する。

射出装置２７が前進するとそのノズルがホツト
ランナーブロツク２１を押圧し（移動シリンダ装
置２４はフリー状態となつている）、ホツトラン
ナーブロツク２１は固定盤１０に押圧固定され
る。次いでノズルタツチピストン３６が前進する
ことにより各ホツトノズル３０が固定型１１に押
圧されるので、射出装置２７、ホツトランナーブ
ロツク２１、各ホツトノズル３０からキヤビテイ
１８に至る樹脂路が形成され、これにより８点ゲ
ートによるランナーレス成形が行われる。

本実施例においては、ノズル貫挿孔１９の各々
に対応する保持板２０の位置に設けられた各ノズ
ルタツチピストン３６によつて、各ホツトノズル
３０が個々に独立して押圧することができる。こ
のため、ホツトノズル３０毎に最適なノズルタツ
チ力を付与することができ、不適当なノズルタツ
チ力に起因する樹脂漏れやホツトノズルの変形を
防止できる。

そして、同一位置、同一数のゲートを有する他
の成形金型により成形を行う場合には、射出装置
２７を後退させると共に、移動シリンダ２２右室
に圧油を供給して保持板２０をホツトノズル３０
先端が固定盤１０の型取付面より後退する位置ま
で後退させる。そして金型を交換し、次いで保持
板２０と射出装置２７とを前進させて成形を行え
ばよい。これにより、同一位置に同一数のゲート
を有する金型であれば１つのホツトランナーブロ
ツク２１を兼用して成形を行うことができる。

このように成形金型を交換した際に、通常、ホ
ツトノズル３０毎に最適なノズルタツチ力を付与
することは至難のことである。

この点、本実施例では、各ノズルタツチピスト
ン３６により各ホツトノズル３０を個々に独立し
て押圧できるため、ホツトノズル３０毎に最適な
ノズルタツチ力を容易に付与できる。

なお、シヤフトオフピストン３８は射出装置２
７の計量時に前進して樹脂路口３３を塞ぎ、背圧
による樹脂洩れを防止する。もちろん射出時には
後退して樹脂路口３３を開放する。

次に、ゲート４点の金型に交換する場合につい
て説明する。

この場合は第１図に示す状態で射出装置２７、
保持板２０、ノズルタツチピストン３６、シヤツ
トオフピストン３８を第２図に示す状態まで後退
させる。

これによりホツトランナーブロツク２１はフリ
ーとなるので上方に取り外す（第３図参照）。

そこで金型を４カ所のノズル貫挿孔を有する固
定型４０及び可動型４１に交換すると共に、上記
ノズル貫挿孔に対応する４本のホツトノズル４２
及びそれに継がる樹脂路を有するホツトランナー
ブロツク４３を前記と同様に保持板２０に貫挿す
る（第４図および第８図参照）。

その後移動シリンダ２２により保持板２０を前
進させると共に射出装置２７の前進力によりホツ
トランナーブロツク２１を固定盤の圧受部材２９
に押圧固定し、さらに４本のホツトノズル４２の
各々の最適ノズルタツチ力が付与されるように、
各ノズルタツチピストン３６によりホツトノズル
４２を個々に押圧して金型内に押圧固定し、シヤ
フトオフピストン３８を前進して先端をホツトノ
ズル４２内に嵌挿する（第５図参照）。

これにより射出装置から射出された樹脂は４つ
に分岐され、ホツトノズル４２を介してキヤビテ
イ１８内に充填される。

なお上記実施例中、ホツトノズル３０，４２の
押圧手段としてノズルタツチピストン３６を用い
たが、これは適宜なばねを用いて行うようにして
もよい。

また、ゲートの深さの変更は、ホツトノズル３
０，４２を長さの異なるものに変更することによ
り対応できる。

本発明においても、用いることのできる成形金
型およびホツトランナーブロツクは、固定盤にあ
らかじめ設けてあるノズル貫挿孔の数および位置
によつて制約を受けるが、固定盤のノズル貫挿孔
は固定盤の強度に影響を与えない限り多数設ける
ことが可能であるし、また成形金型とホツトラン
ナーブロツクとの標準化を図るようにすれば、１
つのホツトランナー装置を多数の成形金型に兼用
できる。また何よりもホツトランナーブロツクが
保持板から取り出せるのでその保持点検が容易に
行えるのである。

（発明の効果） 本発明によれば、ゲート装置、ゲート数の等し
い成形金型には１個のホツトランナーブロツクを
兼用して使用できるもので金型コストを節減でき
る。

また、ゲート位置の異なる金型への対応も容易
である他、保持板を後退させることによりホツト
ランナーをフリーの状態にできるもので、メンテ
ナンス、部品交換等も容易である。

【図面の簡単な説明】

図は本発明に係る射出成形機の好適な一例を示
し、第１図は型閉じ状態を示す断面図、第２図は
保持板を後退させた状態を示す断面図、第３図は
ホツトランナーブロツクを抜き出した状態を示す
断面図、第４図は別の成形金型およびホツトラン
ナーブロツクを取り付けた状態の断面図、第５図
はその型閉じ状態時の断面図、第６図は第２図の
Ａ−Ａ断面矢視図、第７図は第２図のＢ−Ｂ断面
矢視図、第８図は第４図のＣ−Ｃ断面矢視図であ
る。 １０……固定盤、１１……固定型、１２……ボ
ルト、１３……可動盤、１４……タイバー、１５
……可動型、１６……ボルト、１７……型締ラ
ム、１８……キヤビテイ、１９……ノズル貫挿
孔、２０……保持板、２１……ホツトランナーブ
ロツク、２２……移動シリンダ、２３……移動ピ
ストンロツド、２４……移動シリンダ装置、２５
……ガイド部、２６……空間、２７……射出装
置、２８……貫通孔、２９……圧受部材、３０…
…ホツトノズル、３１……貫通孔、３２……樹脂
路、３３……樹脂路口、３４……樹脂路部、３５
……樹脂路部、３６……ノズルタツチピストン、
３７……シリンダ、３８……シヤフトオフピスト
ン、４０……固定型、４１……可動型、４２……
ホツトノズル、４３……ホツトランナーブロツ
ク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 成形金型のキヤビテイ内にホツトランナーブ
   ロツクのホツトランナーを介して射出装置から溶
   融樹脂を射出注入する射出成形機において、 前記成形金型の固定型を着脱自在に固定する固
   定盤の背後に前記射出装置を進退自在に設け、 前記固定盤に複数のノズル貫挿孔を設け、 前記固定盤と射出装置との間に保持板を型開閉
   方向に進退自在に設け、 該保持板の固定盤対向面に前記射出装置が前進
   してノズルタツチした際に、射出装置に接続する
   樹脂路を有するホツトランナーブロツクを取り付
   け、 該ホツトランナーブロツクに、ホツトランナー
   ブロツクの樹脂路に接続する樹脂路を有すると共
   に、ホツトランナーブロツクが前記保持板の前進
   動により前記固定盤の背面に押圧固定された際、
   前記ノズル貫挿孔に進入するホツトノズルを型開
   閉方向に進退自在に摺合し、 前記保持体において、前記のようにホツトラン
   ナーブロツクが固定盤背面に押圧固定された際、
   前記ホツトノズルの各々を個々に独立して押圧し
   各ホツトノズルを前記キヤビテイに接続する押圧
   手段を、前記ノズル貫挿孔の各々に対応する位置
   に設けたことを特徴とする射出成形機。