JPH05286361A - 車両用サンバイザ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 支軸の横軸体の軸方向にサンバイザ本体を引
出し及び押込み可能に構成することで、最適な状態で遮
光するとともに、サンバイザ本体の引出し及び押込み操
作を軽快に行う。 【構成】 サンバイザ本体８に内装される軸受部材１２
には、延長筒１９が設けられる一方、横軸体５は延長筒
９の筒内に挿入される位置まで延出されることで、横軸
体５の軸方向にサンバイザ本体８が引出し及び押込み可
能に構成される。軸受部材１２に形成された収納室２３
には一対の揺動子２９が揺動可能に枢着される。両揺動
子２９の上端部には、横軸体５の外周面に圧接するよう
にして平帯条のばね板よりなる係止部材３１の両端部が
係止されるとともに、両揺動子２９と係止部材３１とに
より四節の平行リンク機構が構成される。両揺動子２９
は所定値以上の荷重で同方向へ揺動されるように弾性手
段３２によって直立状態に保持されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は車両用サンバイザに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、車両用サンバイザは、そのサンバ
イザ本体に支軸の横軸部が回動可能に嵌挿される軸受部
材が内装される。軸受部材には、サンバイザ本体が格納
位置に配置されたときに横軸体の外周に面取り形成され
た係合面に係合して、サンバイザ本体を車室天井面に沿
う格納位置に係止保持する係止部材が組付けられる。さ
らに、軸受部材と横軸体との相互には、横軸体の軸方向
に対するサンバイザ本体の移動を阻止して同サンバイザ
本体の抜止めをなす抜止め手段が設けられる。そして、
格納位置にあるサンバイザ本体が、支軸の横軸体の係合
面と係止部材との係合力に抗して横軸部回りに回動され
ることで、フロントガラスに沿うフロント遮光位置に配
置される。さらに、前記フロント遮光位置にあるサンバ
イザ本体が支軸とともに、その支軸の縦軸体の軸線回り
にい回動されることでサイドガラスに沿うサイド遮光位
置に配置されるようになっているのが一般的であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来のものにおいては、支軸の横軸体の軸方向にサンバイ
ザ本体を移動することができない。このため、車両のサ
イドガラスから入射する光を最適な状態において遮光す
ることができない場合がある。

【０００４】この発明の目的は、前記従来の問題点に鑑
み、支軸の横軸体の軸方向にサンバイザ本体を引出し及
び押込み可能に構成することで、最適な状態で遮光する
ことができるとともに、そのサンバイザ本体の引出し及
び押込み操作を軽快に行うことができる車両用サンバイ
ザを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は、Ｌ字状の支軸がその縦軸体において取
付部材によって車体に装着され、前記支軸の横軸体にサ
ンバイザ本体が、該本体の上部に内装された軸受部材に
おいて嵌装され、前記軸受部材には前記横軸体の軸回り
に対しサンバイザ本体を車室天井面に沿う格納位置に回
動したときに同横軸体の外周に設けられた係合面と係合
する係止部材が組付けられた車両用サンバイザであっ
て、前記軸受部材には、前記サンバイザ本体の長手方向
に延びる中空の延長筒が設けられる一方、前記横軸体は
前記延長筒の筒内に挿入される位置まで延出されること
で、前記横軸体の軸方向に前記サンバイザ本体が引出し
及び押込み可能に構成され、前記係止部材は平帯状のば
ね板より形成される一方、前記軸受部材には前記係止部
材に対する収納室が同軸受部材の軸受孔に連通して形成
され、前記収納室には前記係止部材の両端に対応する位
置に一対の揺動子が揺動可能に枢着され、これら一対の
揺動子の上端部には、前記横軸体の外周面に圧接するよ
うにして前記係止部材の両端部が係止されるとともに、
前記一対の揺動子と前記係止部材とにより四節の平行リ
ンク機構が構成され、前記一対の揺動子は所定値以上の
荷重で同方向へ揺動されるように弾性手段によって直立
状態に保持されている。

【０００６】

【作用】前記したように構成される車両用サンバイザに
おいて、サンバイザ本体が車室天井面に沿う格納位置に
配置された状態においては、横軸体の係合面と係止部材
の係合力によってサンバイザ本体が格納位置に保持され
る。前記格納位置にあるサンバイザ本体が前記係合面と
係止部材との係合力に抗して横軸体の軸回りに回動され
ることで、同サンバイザ本体がフロントガラスに沿うフ
ロント遮光位置に配置される。前記フロント遮光位置に
あるサンバイザ本体が、支軸とともに、その支軸の縦軸
の軸線回りに回動されることで、同サンバイザ本体がサ
イドガラスに沿うサイド遮光位置に配置される。

【０００７】前記サンバイザ本体がサイド遮光位置に配
置された状態において、横軸体の軸方向へサンバイザ本
体が適宜に引出されることでサイドガラスから入射する
光が最適な状態で遮光される。また、横軸体に対しサン
バイザ本体が押込まれることで、元の押込み位置に配置
される。

【０００８】横軸体に対するサンバイザ本体の引出及び
押込み動作にともない、横軸体の外周面と係止部材との
相互間にはすべり摩擦力が生じる。すると、係止部材は
一対の揺動子を同方向へ揺同させながら横軸体の外周面
と離反する方向へ移動されるため、前記横軸部と係止部
材との間に過大なすべり摩擦力が生じない。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図面にしたがっ
て説明する。車両用サンバイザを一部破断して正面から
表わした図６において、車室内のフロントガラス上方の
車体の一部に取付けられる取付部材１には、後述するサ
ンバイザ本体８を支持するＬ字状の支軸３が、その縦軸
体４において回動可能に嵌挿され、止め金具２によって
止着されている。

【００１０】前記支軸３の横軸体５はサンバイザ本体８
の長手方向に延びかつ後述する軸受部材１２の軸受本体
１３を通して延長筒１９の筒内挿入される位置まで延出
されている。横軸体５の外周面片側には図４に示すよう
に、平坦な係合面６が面取り状に形成され、さらに図６
に示すように横軸体５の先端寄り外周面には係合凹部７
が形成されている。

【００１１】前記横軸体４の軸回りに回動可能でかつ横
軸体４の軸方向へ引出し及び押込み可能に装着されるサ
ンバイザ本体８は、上部の中央部を除く周囲に骨枠９が
内装されたクッション材１０と、該クッション材１０を
被覆する外装皮１１とを主体として構成されている。

【００１２】サンバイザ本体８の上部には、前記骨枠９
に固定された状態で軸受部材１２が内装されている。軸
受部材１２は、軸受本体１３と延長筒１９と固定体２０
を主体として構成されている。軸受本体１３は、合成樹
脂よりなりかつ図１と図２に示すように筒部１４と脚部
１５とを上下部に一体に備えている。そして下部の脚部
１５の下端部において、骨枠９の一端部９ａに固定され
ている。

【００１３】軸受本体１３の筒部１４の中心には横軸体
５が回動及び軸方向へ相対移動可能に嵌挿される軸受孔
１７と、該軸受孔１７の一端に連続する大径の連結孔１
８とが連通して同一中心線上に貫設されている。軸受本
体１３の連結孔１８にはサンバイザ本体８の長手方向に
延びかつ中空の金属製パイプよりなる延長筒１９がその
基端部において圧入によって結合されている。

【００１４】前記延長筒１９の先端には合成樹脂よりな
る固定体２０が結合されている。固定体２０は、図６に
示すように骨枠１９の他端に固定される脚部２２と延長
部１９の端部に嵌挿される軸部２２とを一体に備えてい
る。そして、固定体２０の軸部２２と延長筒１９との嵌
合部において、同延長筒１９の外周面の一部が図に示す
ようにかしめられることでこれら両者が結合される。こ
れによって延長筒１９の延長端が固定体２０を介して骨
枠９の他端部９ｂに固定されるようになっている。

【００１５】軸受本体１３の内部には、図１と図３に示
すように軸受孔１７の下部に連通して収納室２３が形成
されている。さらに軸受本体１３の長手方向中央部に
は、前記収納室２３の底部から筒部１４の上部にわたる
大きさの角孔状の開口窓２４が形成されている。軸受本
体１３の収納室２３には、一対の揺動子２９が組付けら
れる支持部材２５が取付けられている。前記支持部材２
５は、図１，図３，図４及び図５に示すように収納室２
３の底面に沿って平板状に形成され、その中央部の幅方
向両側縁から延出された取付片２６が軸受本体１３の開
口窓２４の下部を通して脚部１５の両側面に折返えされ
ることで軸受本体１３の収納室２３に支持部材２５が取
付けられるようになっている。

【００１６】支持部材２５の両端部の幅方向両側には各
一対をなす支持片２７が上方に向けてそれぞれ直角状に
折返されており、これら対向する支持片２７の間には図
１，図３及び図５に示すように一対の揺動子２９がピン
２８を中心として揺動可能に組付けられている。一対の
揺動子２９の上端面にはＶ溝状の係止溝３０がそれぞれ
凹設されており、これら係止溝３０に跨って係止部材３
１が架設されている。さらに、支持部材２５の長手方向
両端部には各揺動子２９の一側面に当接してこれら揺動
子２９を直立状態に保持する弾性手段としてのばね片３
２がそれぞれ上方向けて折曲形成されている。

【００１７】また、前記係止部材３１は平帯状のばね板
より形成され、その両端部には、一対の揺動子２９の各
係止溝３０に向けて折曲された係止片３３が形成されて
いる。そして、前記係止部材３１と一対の揺動子２９と
は四節の平行リンク機構を構成している。さらに、係止
部材３１は収納室２３の上部に露出している横軸体５の
外周面下部に向けて湾曲されており、その中央部は横軸
体５の外周面に圧接する係止部３４とされている。そし
て、サンバイザ本体８が横軸体５の軸回りに回動されて
車室天井面に沿う格納位置に配置されたときに前記係止
部３４が横軸体５の係合面６と係合することで、前記サ
ンバイザ本体８が格納位置に保持されるようになってい
る。

【００１８】図１及び図４に示すように前記軸受本体１
３の開口窓２４の上縁を構成している筒部１４の上部１
４ａには、抜止め部材３５が取付けられている。この抜
止め部材３５は、開口窓２４の上縁に沿って板状をなし
その両側部から延出された取付片３６が前記筒部１４の
上部１４ａの外面に沿って折曲されることで、軸受本体
１３に抜止め部材３５が取付けらる。前記抜止め部材３
５の先端には、横軸体５の外周面上部に向けて抜止片３
７が延出されており、図７に示すように横軸体４に対し
サンバイザ本体８が所定の引出し端位置まで引出された
ときに、前記抜止片３７が横軸体５の係合凹部７と係合
することで、サンバイザ本体８の離脱が防止されるよう
になっている。

【００１９】また、横軸体５が嵌挿される側の軸受体１
３の軸受孔１７の開口部には、横軸体５が回動及び軸方
向へ移動可能に嵌挿されるエンドキャップ３８が固定さ
れている。

【００２０】この実施例は上述したように構成される。
したがってサンバイザ本体８が車室天井面に沿う移動位
置に配置された状態においては、横軸体５の係合面６と
係止部材３１の係止部３４とが係止し、これら係合面６
と係止部３４の係合力によってサンバイザ本体８が格納
位置に保持される。

【００２１】前記格納位置にあるサンバイザ本体８が前
記係合面６と係止部３４との係合力に抗して横軸体５の
軸回りに回動されることで、同サンバイザ本体８がフロ
ントガラスに沿うフロント遮光位置に配置される。この
状態においてフロントガラスから入射される光が前記サ
ンバイザ本体８によって遮光される。

【００２２】前記フロント遮光位置にあるサンバイザ本
体８が、支軸３とともに、その支軸３の縦軸体４の軸線
回りに回動されることで、同サンバイザ本体８がサイド
ガラスに沿うサイド遮光位置に配置される。この状態に
おいて、サイドガラスから入射される光が前記サンバイ
ザ本体８によって遮光される。

【００２３】前記サイドガラスから入射される光の向き
が横方向、斜め後方等であり、前記サイド遮光位置にあ
るサンバイザ本体８によって適切に遮光されない場合に
は、横軸体５に対しサンバイザ本体８が後方へ適宜に引
出されることで前記光が最適な状態で遮光される。

【００２４】前記サンバイザ本体８が所定の引出し端位
置まで引出されると、図７に示すように横軸体５の係合
凹部７に抜止め部材３５の抜止片３７が係合し、これ以
上のサンバイザ本体８の引出しが阻止されることから横
軸体５に対しサンバイザ本体８が離脱される不具合が防
止される。また、横軸体５に対しサンバイザ本体８が押
込まれることで、元の押込み位置に配置される。

【００２５】横軸体５に対するサンバイザ本体８の引出
及び押込み動作にともない横軸体５の外周面と係止部材
２５との相互間にはすべり摩擦力が生じる。すると、係
止部材２５は一対の揺動子２９を同方向へ揺動させるた
め、前記横軸体５と係止部材３１との間に過大なすべり
摩擦力が生じない。このため、横軸体５の軸方向へサン
バイザ本体８が軽快に引出し及び押込み操作される。

【００２６】

【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
サンバイザ本体がサイド遮光位置に配置された状態にお
いて、横軸体の軸方向へサンバイザ本体が適宜に引出さ
れることで、サイドガラスから入射する光を最適な状態
で遮光することができる。横軸体に対するサンバイザ本
体の引出し及び押込み動作にともない、横軸体の外周面
と係止部材との相互間に生じるすべり摩擦力に基づいて
係止部材が一対の揺動子を同方向へ移動させながら横軸
体の外周面と離反する方向へ移動されることで、横軸体
と係止部材との間に過大なすべり摩擦力が生じることを
防止できる。この結果、横軸体の軸方向へサンバイザ本
体を軽快に引出し及び押込み操作することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の車両用サンバイザの要部
を示す正断面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線断面図である。

【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図である。

【図４】図１のＩＶ−ＩＶ線断面図である。

【図５】一対の揺動子と係止部材とを示す斜視図であ
る。

【図６】車両用サンバイザを一部破断して示す正面図で
ある。

【図７】横軸体に対しサンバイザ本体を引出し端位置ま
で引出した状態を一部破断して示す正面図である。

【符号の説明】

３ 支軸 ４ 縦軸体 ５ 横軸体 ７ 係合凹部 ８ サンバイザ本体 １２ 軸受部材 １３ 軸受本体 １９ 延長筒 ２３ 収納室 ２９ 揺動子 ３１ 係止部材 ３２ ばね片（弾性手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｌ字状の支軸がその縦軸体において取付
   部材によって車体に装着され、前記支軸の横軸体にサン
   バイザ本体が、該本体の上部に内装された軸受部材にお
   いて嵌装され、前記軸受部材には前記横軸体の軸回りに
   対しサンバイザ本体を車室天井面に沿う格納位置に回動
   したときに同横軸体の外周に設けられた係合面と係合す
   る係止部材が組付けられた車両用サンバイザであって、 前記軸受部材には、前記サンバイザ本体の長手方向に延
   びる中空の延長筒が設けられる一方、前記横軸体は前記
   延長筒の筒内に挿入される位置まで延出されることで、
   前記横軸体の軸方向に前記サンバイザ本体が引出し及び
   押込み可能に構成され、 前記係止部材は平帯状のばね板より形成される一方、前
   記軸受部材には前記係止部材に対する収納室が同軸受部
   材の軸受孔に連通して形成され、 前記収納室には前記係止部材の両端に対応する位置に一
   対の揺動子が揺動可能に枢着され、これら一対の揺動子
   の上端部には、前記横軸体の外周面に圧接するようにし
   て前記係止部材の両端部が係止されるとともに、前記一
   対の揺動子と前記係止部材とにより四節の平行リンク機
   構が構成され、 前記一対の揺動子は所定値以上の荷重で同方向へ揺動さ
   れるように弾性手段によって直立状態に保持されている
   ことを特徴とする車両用サンバイザ。