JPH023931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、車両用サンバイザにおける軸受支
持部の構造に関し、詳しくは、サンバイザに内装
される軸受部材の軸受筒部には、支軸の一部が露
出される切欠き状の開口部が形成され、この開口
部には、前記支軸の一部が嵌挿される係止筒部を
弾性拡開可能に備えた係止部材が配設され、前記
支軸の外周面に形成された係止面と、前記係止筒
部に形成された係合面との係合によつて、前記サ
ンバイザを車室天井面に沿う格納位置に係止保持
するようになした車両用サンバイザの軸受支持部
の構造の改良に関するものである。

（従来の技術） 従来、この種形式の軸受支持部の構造には、例
えば、同一出願人によつてすでに考案がなされた
実公昭58−1057号公報のものがある。

また、サンバイザに内装される軸受部材は、金
属板が２つ折りされて形成され、この軸受部材の
軸筒部に対し金属製の支軸が嵌挿されることで、
前記支軸回りに対しサンバイザが回動可能に支持
される構造となつているのが一般的であつた。

このため、従来では、サンバイザの軸受部材と
支軸との嵌合部分において、錆付きが発生した
り、あるいは支軸回りに対しサンバイザを回動操
作するときに、金属接触による異音が発生する等
の不具合があつた。

考案が解決しようとする問題点） そこで、軸受部材を合成樹脂材より形成して、
上記した錆付きや異音の発生を防止することが考
えられる。

しかしながら、軸受部材を合成樹脂材より形成
した場合にも、係止部材の係止筒部と支軸との嵌
合部分において、錆付きや異音が発生する問題点
があつた。

（問題点を解決するための手段） 上記した問題点を解決するために、この考案で
は、サンバイザに内装される軸受部材を合成樹脂
材より形成し、その軸受筒部に形成された切欠き
状の開口部は、係止部材の係止筒部のうち、その
係合面が形成される側の略半分程度に相当する部
分のみが開口され、残る略半円弧状の部分を軸受
片とし、該軸受片の外円弧面が前記係止筒部の内
周面と接し、同軸受片の内円弧面が前記支軸の外
周面と接する構成にしたものである。

（作用） 上記構成によれば、合成樹脂材よりなる軸受部
材の軸受片によつて、支軸外周面に対する係止部
材の係止筒部内周面との直接的な接解がほぼ断た
れ、係止筒部の係合面のみの接触部分となるた
め、前記支軸と係止部材との嵌合部分に生じる錆
付きや異音発生が可及的に軽減される。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

車両用サンバイザ１を一部破断して表わした第
４図において、車室内のフロントガラス上方に位
置する車体（ルーフパネル）の所定位置に取付け
られる略Ｌ字状の支軸２の水平軸部２ａには、サ
ンバイザ１が、該サンバイザ１に内装される軸受
部材３において嵌装されている。そして、支軸２
の水平軸部２ａ回りに対し、サンバイザ１が、車
室天井面に沿う格納位置からフロントガラス面に
沿う遮光位置までの範囲において回動される。

上記サンバイザ１は、発泡剛性樹脂、ゴム等
（例えば、発泡ウレタン）よりなるパツト材４の
表面が外装皮５によつて被覆されて構成されてい
る。前記パツト材４の周縁部には合成を有する環
状の骨枠６が内設され、この骨枠６の上部筒部に
軸受部材３が固定されて、該軸受部材３がサンバ
イザ１に内装されている。

上記軸受部材３は、第１図に示すように、支軸
２の水平軸部が嵌挿される軸受筒部３ａと、該筒
部３ａの外周面下端部に沿つて形成された支持脚
３ｂとを備えかつ合成樹脂材によつて一体成形さ
れている。そして、軸受部材３は、その支持脚３
ｂにおいて、前記骨枠６の両端部６ａ，６ｂが第
２図に示すようにそれぞれ嵌挿されて、該骨枠６
に固定されている。

上記軸受部材３の軸受筒部３ａの軸方向略中央
部には支軸２の水平軸部２ａの一部が露出される
開口部７が形成されている。この開口部７には、
前記水平軸部２ａの一部が嵌挿される係止筒部８
ａを弾性拡開可能に備えたばね板材よりなる係止
部材８が、ばねクリツプ９によつて取付けられて
いる。すなわち、係止部材８の係止筒部８ａは、
下端開口する略Ｃ字状に曲折形成され、その開口
部両端には、一対の脚片８ｂが、軸受部材３の支
持脚３ｂの外側面に沿つて下向きに延出されてい
る。そして、両脚片８ｂの外側面下部が断面略Ｕ
字状のばねクリツプ９によつて拘束されるととも
に、両脚片８ｂの下部には、前記ばねクリツプ９
の両側面に形成された角孔状の係止孔１０とそれ
ぞれ係着する上向き傾斜状の抜止爪１１が形成さ
れている。さらに、係止部材８の係止筒部８ａの
内周面片側には、水平軸部２ａの外周面片側に形
成された係止面１２に対し係脱可能に係合する係
合面１３が形成されている。さらに、水平軸部２
ａ回りに対しサンバイザ１を車室天井面に沿う格
納位置まで回動したときに、前記係止面１２に対
し係合面１３が係合するように、該係合面１３の
配設位置が設定されている。

上記軸受部材３の開口部７は、係止部材８の係
止筒部８ｂのうち、その係合面１３が形成される
側の略半分程度に相当する部分のみが開口され、
残る略半円弧状の部分を軸受片としている。そし
て、第３図に示すように、軸受片１４の外円弧面
１４ａが係止筒部８ａの内周面と接し、内円弧面
１４ｂが水平軸部２ａ外周面と接している。

なお、支軸２は金属棒より形成され、係止部材
８は金属製ばね板材より形成される。

この実施例は上述したように構成されるもので
あり、したがつて、支軸２の水平軸部２ａ回りに
対し、サンバイザ１を車室天井面に沿う格納位置
まで回動したときには、水平軸部２ａの係止面１
２と係止筒部８ａの係合面１３との係合力によつ
て前記サンバイザ１が格納位置に係止保持され
る。

また、サンバイザ１の日除けとして使用する場
合、前記係止面１２と係合面１３との係合力に抗
して水平軸部２ａ回りに対しサンバイザ１を回動
すると、係止筒部８ａの係合面１３が、水平軸部
２ａの外周面に押圧されながら弾性拡開される。
そして、水平軸部２ａの係止面１２に対し係止筒
部８ａの係合面１３の係合が外れた後は、サンバ
イザ１を所定のトルクでフロントガラス面に沿う
遮光位置まで回動することができる。

上記水平軸部２ａ回りに対するサンバイザ１の
回動時において、合成樹脂材より形成される軸受
部材３における軸受片１４によつて、水平軸部２
ａ外周面に対する係止部材８の係止筒部８ａ内周
面との直接的な接触が断たれ、同係止筒部８ａの
係合面１３のみが、水平軸部２ａ外周面と接触す
る。このため、金属接触による異音発生が可及的
に軽減され、かつ、水平軸部２ａと係止筒部８ａ
との嵌合部分に錆付きが発生することも可及的に
軽減される。

（考案の効果） 以上述べたように、この考案によれば、軸受部
材を合成樹脂材より形成することで、支軸と軸受
部材との嵌合部分に生じる錆付きや異音発生を防
止することができ、しかも、軸受部材の軸受片に
よつて、支軸外周面に対する係止部材の係止筒部
内周面との直接的な接触がほぼ断たれ、係止筒部
の係合面のみの接触部分となるため、前記支軸と
係止部材との嵌合部分に生じる錆付きや異音発生
を可及的に軽減することができる。この結果、支
軸回りに対してサンバイザを長期間にわたつて円
滑に回動操作することができるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は要部を分解して示す斜視図、第２図は同じく
正面図、第３図は第２図の−線断面図、第４
図は車両用サンバイザを一部破断して示す正面図
である。 １……サンバイザ、２……支軸、３……軸受部
材、３ａ……軸受筒部、７……開口部、８……係
止部材、８ａ……係止筒部、１２……係止面、１
３……係合面、１４……軸受片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サンバイザに内装される軸受部材の軸受筒部に
   は、支軸の一部が露出される切欠き状の開口部が
   形成され、この開口部には、前記支軸の一部が嵌
   挿される係止筒部を弾性拡開可能に備えた係止部
   材が配設され、前記支軸の外周面に形成された係
   止面と、前記係止筒部に形成された係合面との係
   合によつて、前記サンバイザを車室天井面に沿う
   格納位置に係止保持するようになした車両用サン
   バイザの軸受支持部において、前記軸受部材は合
   成樹脂材より形成され、その軸受筒部に形成され
   た切欠き状の開口部は、前記係止部材の係止筒部
   のうち、その係合面が形成される側の略半分程度
   に相当する部分のみが開口され、残る略半円弧状
   の部分を軸受片とし、該軸受片の外円弧面が前記
   係止筒部の内周面と接し、同軸受片の内円弧面が
   前記支軸の外周面と接する構成にしたことを特徴
   とする車両用サンバイザにおける軸受支持部の構
   造。