JPH05281865A - 加熱装置 - Google Patents

加熱装置

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JPH05281865A
JPH05281865A JP10863692A JP10863692A JPH05281865A JP H05281865 A JPH05281865 A JP H05281865A JP 10863692 A JP10863692 A JP 10863692A JP 10863692 A JP10863692 A JP 10863692A JP H05281865 A JPH05281865 A JP H05281865A
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heated
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Akira Hayakawa
亮 早川
Yasumasa Otsuka
康正 大塚
Yoji Tomoyuki
洋二 友行
Daizo Fukuzawa
大三 福沢
Koichi Okuda
幸一 奥田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 波数制御により加熱体に対する電力供給を行
なうフィルム加熱方式の加熱装置について、装置立ち上
げ時には加熱体温度のオーバーシュートを低減し、瞬間
最大電力を低くおさえ、また被加熱体の導入加熱処理時
(通紙時)には温度リップルを小さくできるようにし
て、像加熱装置にあってはベタ画像の定着処理において
も光沢ムラ等が発生せず、良好で均一な定着画像を得る
こと。 【構成】 通電により発熱し、供給電力の制御により温
度制御される加熱体2に耐熱性フィルムを介して被加熱
材を密着させて加熱体の熱エネルギーをフィルムを介し
て被加熱材に付与するフィルム加熱方式の加熱装置にお
いて、加熱体2に対する供給電力の制御を、単位時間内
に電力の出力と非出力を行いその比率に供給電力の制御
をし、かつ前記単位時間を可変とすること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通電により発熱し、供
給電力の制御により温度制御される加熱体に耐熱性フィ
ルムを介して被加熱材を密着させて加熱体の熱エネルギ
ーをフィルムを介して被加熱材に付与するフィルム加熱
方式の加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなフィルム加熱方式の加熱装
置は特開昭63−313182号公報・特開平2−15
7878号公報等で提案されており、電子写真装置・静
電記録像等の画像形成装置において記録材上に形成担持
させた未定着画像を加熱して定着する像加熱装置(画像
加熱定着装置)や、画像を担持した記録材を加熱してつ
や等の表面性を改質する装置、仮定着処理する装置等と
して活用できる。
【0003】図7にフィルム加熱方式の像加熱装置の一
例の概略構成を示した。図8は加熱体の一部切り欠き平
面模型図と、通電制御系のブロック図である。
【0004】1はエンドレスベルト状のポリイミド等の
耐熱性定着フィルムであり、互いに略並行に配設した駆
動ローラ11と、テンションローラを兼ねる従動ローラ
12と、加熱体(ヒータ)2の3部材間に懸回張設させ
てある。
【0005】13は加熱体2を断熱支持させたヒータホ
ルダ、10は加熱体2との間にフィルム1を挟んでフィ
ルムを加熱体2の面に圧接する加圧ローラである。
【0006】フィルム1は駆動ローラ11の回転によ
り、少なくとも画像定着実行時は矢示の時計方向に加熱
体2面に密着して該加熱体面を摺動しながら所定の周速
度、即ち不図示の画像形成部(A)側から搬送されてく
る未定着トナー画像Tを担持した記録材Pの搬送速度と
略同じ周速度で回転駆動される。
【0007】加熱体2は後述するように電力供給により
発熱する発熱源4を含み、該発熱源4の発熱により昇温
する。
【0008】加熱体2が発熱源4に対する電力供給によ
り加熱され、またフィルム1が回転駆動されている状態
において、加熱体2と加圧ローラ10との圧接部N(定
着ニップ部)の、フィルム1と加圧ローラ10との間に
記録材Pが導入されることで、該記録材Pがフィルム1
に密着してフィルムと一緒の重なり状態で圧接部Nを通
過していく。
【0009】この圧接部通過過程で加熱体2からフィル
ム1を介して記録材Pに熱エネルギーが付与されて記録
材P上の未定着トナー画像Tが加熱溶融定着される。記
録材Pは圧接部N通過後フィルム1から分離して排出さ
れていく。
【0010】本例の加熱体2は、 a.フィルム1の移動方向に略直交する方向を長手とす
る、Al23 (アルミナ),AlN,SiC等の電気
絶縁性・耐熱性・低熱容量の細長のセラミック基板3
と、 b.この基板3の一方面側(表面側)の基板幅方向中央
部に基板長手に沿って直線細帯状に形成した発熱源とし
てのAg/Pd,RuO2,Ta2 N等の通電発熱抵抗体
4と、 c.この通電発熱抵抗体4の両端部にそれぞれ導通させ
て基板面に形成した電極端子(給電パターン)5・6
と、 d.基板3の通電発熱抵抗体形成面を被覆させてヒータ
ー表面保護層としてのガラス等の電気絶縁性オーバーコ
ート層7と、 e.基板3の他方面側(背面側)にそれぞれ接触させて
設けたサーミスタ等の温度検出素子8、及び温度ヒュー
ズ(安全ヒューズ)9 等よりなる。
【0011】加熱体2のオーバーコート層7側がフィル
ム接触摺動面側であり、この面側を外部露呈させて加熱
体2を断熱性のヒーターホルダ13を介して不図示の支
持部に固定支持させてある。
【0012】加熱体2は通電発熱抵抗体4の両端電極端
子5・6間に交流電源20より電圧が印加され、該通電
発熱抵抗体4が発熱することで昇温する。
【0013】加熱体2の温度は基板背面の温度検出素子
8で検出されてその検出情報が通電制御回路15へフィ
ードバックされて交流電源20から通電発熱抵抗体4へ
の通電が制御されることで定着実行時に温度検出素子8
で検出される加熱体2の温度が所定の温度(定着温度)
になるように温調制御される。
【0014】加熱体2の温調制御は通電発熱抵抗体4に
対する印加電圧または電流をコントロールするか、通電
時間をコントロールする方法が採られている。通電時間
をコントロールする方法には、電源波形の半波ごとに、
通電する、通電しない、を制御するゼロクロス波数制
御、電源波形の半波ごとに通電する位相角を制御する位
相制御がある。
【0015】即ち、温度検出素子(サーミスタ)8の出
力をA/D交換しCPUに取り込み、その情報をもとに
トライアックにより通電発熱抵抗体4に通電するAC電
圧を位相制御あるいは波数制御等のパルス幅変調をかけ
温度検出素子8による加熱体の検知温度が一定となるよ
うに通電発熱抵抗体4への通電を制御している。
【0016】温度ヒューズ9は通電発熱抵抗体4に対す
る通電路に直列に接続して加熱体2の基板3の背面に接
触させて配設してあり、通電発熱抵抗体4への通電制御
が不能の事態を生じて加熱体2が異常昇温(加熱体の暴
走)すると、該温度ヒューズ9が作動して通電発熱抵抗
体4への通電回路が解放され通電発熱抵抗体に対する通
電がオフされる。
【0017】加圧ローラ10を回転駆動ローラにし、該
ローラの回転摩擦力でフィルム1を加熱体2面に密着摺
動させながら回転駆動させる構成にすることもできる。
【0018】フィルム1をロール巻の長尺フィルムに
し、これを繰り出させて加熱体2面に密着走行させる構
成にすることもできる。
【0019】上記のようなフィルム加熱方式の装置は、
加熱体2として体熱容量のものを用いることができるた
め、従来の熱ローラ方式等の加熱装置に比べウエイトタ
イム短縮化(クイックスタート性)が可能となり、また
クイックスタートが可能となるため、使用していない時
の予熱が必要なくなり、総合的な意味での省電力化もは
かれる。その他、他の加熱方式の装置の種々の欠点を解
決できる等の利点を有し、効果的なものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
(A)しかしながら、上記のようなフィルム加熱方式の
加熱装置において、従来は、その加熱体の温度制御は加
熱体の熱容量が小さいために熱ローラ方式のように単純
なON・OFF制御ができない。
【0021】そのためフィルム加熱方式の加熱装置にお
いて温調を行うためには、加熱体を温調温度に保つため
に必要な電力に対し少し大きな電力と少し小さな電力を
その時々の加熱体の温度によりきりかえなければならな
い。
【0022】その方法として前記したように、印加する
交流電圧の位相制御や波数制御により行われてきた。こ
の2つの制御方式の内、波数制御は位相制御に比べノイ
ズの発生が少ないという利点を有している。波数制御は
ある特定の波数(以後、基本波数と記す)の内の何波か
をON、残りをOffする方法によりきめ細かな制御を
行う方法である。
【0023】ONする波を基本波数中に分散することに
より温度リップルを小さくすることができるが、ON−
Offの回数が増えてしまい、電源側への負荷変動が頻
繁になり、近くで使われているCRTの画像シュリンク
や蛍光灯のちらつき等が発生してしまうため、基本波数
内でONする波とOffする波を各々まとめてしまう方
法が用いられた。
【0024】波数制御において基本波数を多くすること
は電力をそれだけ多くの段階に分ける事ができる反面、
一回の基本波数の時間が長くなってしまうので応答遅れ
がでるという問題もある。
【0025】逆に基本波数を小さくすると応答時間は早
くなる反面、電力を大まかにしか制御できないという問
題がある。
【0026】従来は加熱装置の種々の条件、例えば、プ
ロセススピード、加熱体の熱容量、フィルムの厚み等に
より基本波数が設定されてきたが、本発明者等の実験で
は加熱装置立ち上げ時はオーバーシュートの低減、瞬間
最大電力の低減のためには基本波数を多くとれば良い事
がわかった。しかし基本波数を多くしベタ画像等の記録
材を通紙すると、基本波数が多いための応答遅れが大き
な温度リップルを作り、基本波数周期での定着画像に光
沢ムラができるという問題が発生した。
【0027】逆に通紙中の光沢ムラがでない様な波数ま
で基本波数を小さくすると(小さくし過ぎても光沢ムラ
が出る)、装置たち上げ時にはオーバーシュートが大き
くなり、瞬間最大電力も大きくなってしまった。
【0028】本発明はこの問題を解消すること、即ち、
波数制御により加熱体に対する電力供給を行なうフィル
ム加熱方式の加熱装置について、装置立ち上げ時には加
熱体温度のオーバーシュートを低減し、瞬間最大電力を
低くおさえ、また被加熱体の導入加熱処理時(通紙時)
には温度リップルを小さくできるようにして、像加熱装
置にあってはベタ画像の定着処理においても光沢ムラ等
が発生せず、良好で均一な加熱定着画像を得ることがで
きるようにしたものを提供することを目的とする。
【0029】(B)フィルム加熱方式の加熱装置におい
て、加熱体の温度を一定電力で立ち上げると、速度が大
きい場合は温度オーバーシュートが大きくなって、像加
熱装置にあってはホットオフセット(高温オフセット)
が生じてしまう。逆に遅い場合には像定着に必要な温度
に達する時間が長くなって、定着性が悪くなったり、あ
るいは1枚プリントの所要時間が長くなる。
【0030】また制御温度への立ち上げ時には、一定温
度間(例えば120〜140℃)の昇温速度をもとに加
熱体の通電電力を決定し、それ以後(140℃以上)で
は、その出力を保つように制御していた。
【0031】そこで本発明は、フィルム加熱方式の加熱
装置について、加熱体温度のオーバーシュートを減少せ
しめ、かつ制御温度へ素早く到達させて、像加熱装置に
あっては定着不良の発生を防止するようにしたものを提
供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
(1)通電により発熱し、供給電力の制御により温度制
御される加熱体に耐熱性フィルムを介して被加熱材を密
着させて加熱体の熱エネルギーをフィルムを介して被加
熱材に付与するフィルム加熱方式の加熱装置において、
加熱体に対する供給電力の制御を、単位時間内に電力の
出力と非出力を行いその比率で供給電力の制御をし、か
つ前記単位時間を可変とすることを特徴とする加熱装
置。
【0033】(2)制御単位時間が装置立ち上げ時と、
装置に対する被加熱材通紙時では異なることを特徴とす
る(1)に記載の加熱装置。
【0034】(3)制御単位時間を装置立ち上げ時に、
装置に対する被加熱材通紙時よりも多くしたことを特徴
とする(1)に記載の加熱装置。
【0035】(4)通電により発熱し、供給電力の制御
により温度制御される加熱体に耐熱性フィルムを介して
被加熱材を密着させて加熱体の熱エネルギーをフィルム
を介して被加熱材に付与するフィルム加熱方式の加熱装
置において、加熱体の昇温速度と、制御温度とその時点
の加熱体温度との差分を基に加熱体の発熱量を制御する
ことを特徴とする加熱装置。
【0036】(5)加熱体の昇温速度に基づいて制御温
度を決めるとともに、その制御温度とその時点の加熱体
温度との差分と、昇温速度とに基づいて加熱体の発熱量
を制御することを特徴とする(4)に記載の加熱装置。
【0037】
【作用】
(a)波数制御を行うフィルム加熱方式の加熱装置にお
いて、その基本波数を装置立ち上げ時と被加熱材通紙時
において変える事により、立ち上げ時には加熱体温度の
オーバーシュートを低減し、瞬間最大電力を低くおさ
え、また通紙時には温度リップルを小さくできる事によ
り、像加熱装置にあってはベタ画像の定着においても光
沢ムラ等が発生せず、良好で均一な定着処理画像を得る
ことができる。
【0038】(b)加熱体の昇温速度と制御温度の差分
をもとに加熱体の出力を制御することで、加熱体温度の
オーバーシュートを減少せしめ、かつ制御温度へ素早く
到達させることができる。
【0039】
【実施例】
〈実施例1〉(図1) 本実施例は、前述図7の像加熱装置を、プロセススピー
ド(記録材送りスピード)24mm/secで、A4サ
イズ記録材を毎分4枚出力するレーザー・ビーム・プリ
ンター(不図示)に装着して使用し、該像加熱装置の加
熱体2を本発明に従って通電制御したものである。
【0040】図1はその像加熱装置の加熱体2の拡大横
断面模型図と、通電制御系16のブロック図である。加
熱体2の基板3は厚さ1mmの良熱伝導性のセラミック
である。発熱源としての通電発熱抵抗体4の抵抗値は3
4Ωである。温度検出素子8はサーミスタである。サー
ミスタ8の出力信号はA/Dコンバータ21を介してC
PU22に入力される。CPU22はこの入力信号に基
づき、ACドライバ23を介して通電発熱抵抗体4への
通電電力を制御し、加熱体2の表面温度を180℃にな
るよう温調している。
【0041】また、入力電圧が一般的には±10%の割
合で変動し、100V系と115V系を共用をしようと
すると、その入力電圧が約35〜40V変動する事が考
えられるため、入力電力検知回路24を設けて入力電圧
検知を行った。
【0042】上記のような像加熱装置においては装置の
種々の条件によりその装置特有の立ち上げ時の最適な電
力がある。この最適電力は実験により得られるが、本実
施例の像加熱装置においては180Wが最適である事が
わかった。電力が180Wより小さくなると立ち上りに
時間がかかりすぎ、またそれより大きくなるとオーバー
シュートが大きくなりすぎるという問題がある。
【0043】入力電圧検知回路24により検知した電圧
により出力が180Wになるような基本波数中の出力波
数を求め加熱体2の通電発熱抵抗体4に通電する、この
時基本波数が少ないと制御段階が荒くなり180Wに近
い値がうまく出ない場合がでてくる。本発明者等の実験
によると、60Hzの交流電圧印加の場合は、その半周
期分の波を1波と考え基本波数を20波以上にすると良
好な結果が得られ、それ以下では電力が180Wから大
きくずれてしまう場合があり、オーバーシュートが大き
くなってしまったり、1波あたりの電力が大きいために
瞬間的に必要以上のムダな電力を消費してしまう事があ
る。
【0044】また基本波数を40波以上にすると、その
1回の基本波数による制御時間が長くなり過ぎてしま
い、基本波数内での電力のムラが温度に現れスムーズな
温度の立ち上げができなくなる。
【0045】次に通紙中は本発明者等の実験によると、
加熱体2の温度を180℃に保つためには120〜13
0Wの電力が必要であることがわかった。電圧検知回路
24により検知した電圧で出力波数を求め120〜13
0Wに制御を行なうが、立ち上げ時と同じ20波を基本
波数として制御した場合、文字パターン等では容易に認
識できないが、ベタ画像等を通紙した場合、基本波数が
多いため、温度制御の応答遅れが出てしまい、温度リッ
プルが大きくなり、加熱定着後のベタ画像に加熱温度が
異なるために基本波数周期の光沢ムラが発生した。
【0046】本発明者等の実験によれば、やはり通紙中
の温度リップルを小さくするための基本波数をも多すぎ
れば応答遅れ、少なすぎれば電力段階が荒くなりすぎる
ということから、各々の像加熱装置が種々の条件により
特有で最適な基本波数があるという事がわかった。
【0047】本実施例の像加熱装置では基本波数が14
波の時温度リップルは最小となり、ベタ画像においても
光沢ムラはみられたなかった。
【0048】本発明者等の実験によれば、ベタ画像加熱
時においてその光沢ムラの発生を防止するためには以下
の条件を満たす事が良いとわかった。
【0049】L>l ……… l=Vp×n/2f ……… 上記の2式において、Lは加熱体2と加圧部材としての
加圧ローラ10により形成される定着ニップ部Nの被加
熱材(記録材)進行方向長さであり、Vpはプロセスス
ピード、fは交流電源周波数、nは基本波数である。
【0050】上記の式の意味するところは、基本波数の
1周期に対し温度リップルも1周期するため温度リップ
ル1周期の被加熱材(記録材)に対する長さlが定着ニ
ップ部Nの幅よりも短くなれば光沢ムラが発生しにくく
なることがわかった。
【0051】以上説明してきたように、フィルム加熱方
式の加熱装置において波数制御を行なう場合、1つの加
熱装置においても装置立ち上げ時と通紙時ではその最適
の基本波数が異なる事がわかり、本実施例では装置立ち
上げ時は基本波数を20波とし、通紙時は基本波数を1
4波とする事により、立ち上げ時はオーバーシュートを
低減し、瞬間最大電力を低くおさえ、かつ通紙時の温度
リップルを小さくする事でベタ画像でも均一で良好な定
着画像を得る事ができた。
【0052】本実施例では、交流電圧を用い、その波数
を用い制御を行なったが、単位時間を定め、その時間内
において出力・非出力の時間の比を変える事により電力
の制御を行うものであれば、その単位時間を立ち上げ時
と、通紙時とで切り換えることで、同様の効果を得るこ
とが可能である。
【0053】〈実施例2〉(図2〜図6) (1)図2は本実施例の加熱体通電制御系のブロック図
である。制御はサーミスタ8の出力をADコンバータ2
1でデジタル化し、CPU22で温度の高低として判断
してACドライバ23で通電発熱抵抗体4に対する通電
をON/OFFして発熱を制御する。具体的な制御フロ
ーは図3のようになる。
【0054】ステップ1でサーミスタ7の温度Tを制御
温度T1 と比較する。T1 以下ならYESでステップ2
へ進む。ステップ1でNOなら制御温度T1 に達してい
るならエンドになる。
【0055】ステップ2では加熱体2の昇温速度を検知
する。例えば、これは100msec毎にサーミスタ出
力を検出してこの差分をもとに算出すれば良い。
【0056】ステップ3では表1のテーブルに従って制
御温度とその時の温度の差分T1 −Tと昇温速度dT/
dtをもとに加熱体の出力を決定する。
【0057】
【表1】 このようにT1 −Tが大きい程出力を大きく、dT/d
tが大きい程小さくすることで、オーバーシュートを少
なくし、かつ装置立ち上げ速度を短くするようにでき
る。
【0058】この結果を図4に示す。本実施例(実線)
は従来例(破線)より明らかにオーバーシュートを短縮
し、かつ装置立ち上げ時間を短縮できた。
【0059】なおステップ3での制御はテーブルでなく
演算でも良く、またテーブルの値は装置によって適宜定
められる。
【0060】(2)上述(1)の実施例においては目標
とする制御温度はT1 で一定であった。しかし高温オフ
セットを防止するためには装置の暖まり具合、特に定着
フィルム1や加圧ローラ10の暖まり具合よって制御温
度を変えることが好ましい。この装置の暖まり具合は加
熱体の加熱開始時のdT/dtが大きい時は暖まってお
り、dT/dtが小さい時は冷えている。
【0061】そこでdT/dtをもとに制御温度を T1 ,T1 ′,T1 ″…(T1 >T1 ′>T1 ″…) と持ち、選択すると良い。
【0062】従って本実施例は図5のように制御する。
【0063】制御を開始すると、ステップ1で制御温度
1 と加熱体温度T1 を比較する。T≧T1 なら制御温
度に達しているので制御は終了である。T<T1 の場合
にステップ2へ進み、加熱体2の昇温速度dT/dtを
求める。
【0064】ステップ3で加熱体に対する電源ON直後
かどうかを判断し、YESならステップ4でdT/dt
をもとに表2のテーブルをたてに見て制御温度を新たに
設定し直す。
【0065】
【表2】 ステップ3でNOの場合はそのままステップ5へ行く。
そしてステップ5でステップ4の新しい制御温度T1
の差分とdT/dtを用いて加熱体の出力を決定する。
ステップ6でこの出力で制御する。
【0066】このように制御することでホットオフセッ
トと定着不良を防止し、連続プリントのみならず間欠プ
リントにも対応できる制御となった。図6はいろいろな
ケースについて本実施例を適用した結果を示すものであ
る。
【0067】以上説明したように、加熱体2の昇温速度
と制御温度までの差分をもとに加熱体の出力を制御す
る、即ち、昇温速度と制御温度とその時点の温度との差
分とを用いて差部が大きい場合には昇温速度を大きく
し、差分が小さくなれば昇温速度を小さくすることによ
って、オーバーシュートを小さくし、かつ定着不良を発
生させることないように最短時間で制御温度に達するよ
うにすることができた。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明は、フィルム加熱方
式の加熱装置において、装置立ち上げ時には加熱体温度
のオーバーシュートを低減し、瞬間最大電力を低くおさ
え、また被加熱体の導入加熱処理時(通紙時)には温度
リップルを小さくできる、また制御温度へ素早く到達さ
せることができ、像加熱装置にあってはベタ画像の定着
処理においても光沢ムラ・定着ムラ等が発生せず、良好
で均一な加熱定着処理画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の像加熱装置の加熱体の拡大横断面
模型図と、通電制御系のブロック図
【図2】 実施例2の(1)の像加熱装置についての同
上図
【図3】 制御フロー図
【図4】 本実施例と従来例との加熱体温度変化グラフ
【図5】 実施例2の(2)の像加熱装置についての制
御フロー図
【図6】 他の実施例の加熱体温度変化グラフ
【図7】 フィルム加熱方式の像加熱装置の一例の概略
構成図
【図8】 加熱体の一部切り欠き平面模型図と通電制御
系のブロック図
【符号の説明】
1 耐熱性定着フィルム 2 加熱体(ヒータ) 3 ヒータ基板 4 通電発熱抵抗体 5・6 通電用電極端子 7 表面保護層 8 温度検出素子としてのサーミスタ 9 温度ヒューズ 10 加圧ローラ 11 フィルム駆動ローラ 12 従動ローラ(テンションローラ) 15・16 通電制御回路 20 交流電源 21 A/Dコンバータ 22 CPU 23 ACドライバ 24 入力電圧検知回路 P 記録材 T トナー像
フロントページの続き (72)発明者 福沢 大三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 奥田 幸一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電により発熱し、供給電力の制御によ
    り温度制御される加熱体に耐熱性フィルムを介して被加
    熱材を密着させて加熱体の熱エネルギーをフィルムを介
    して被加熱材に付与するフィルム加熱方式の加熱装置に
    おいて、 加熱体に対する供給電力の制御を、単位時間内に電力の
    出力と非出力を行いその比率で供給電力の制御をし、か
    つ前記単位時間を可変とすることを特徴とする加熱装
    置。
  2. 【請求項2】 制御単位時間が装置立ち上げ時と、装置
    に対する被加熱材通紙時では異なることを特徴とする請
    求項1に記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】 制御単位時間を装置立ち上げ時に、装置
    に対する被加熱材通紙時よりも多くしたことを特徴とす
    る請求項1に記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 通電により発熱し、供給電力の制御によ
    り温度制御される加熱体に耐熱性フィルムを介して被加
    熱材を密着させて加熱体の熱エネルギーをフィルムを介
    して被加熱材に付与するフィルム加熱方式の加熱装置に
    おいて、 加熱体の昇温速度と、制御温度とその時点の加熱体温度
    との差分を基に加熱体の発熱量を制御することを特徴と
    する加熱装置。
  5. 【請求項5】 加熱体の昇温速度に基づいて制御温度を
    決めるとともに、その制御温度とその時点の加熱体温度
    との差分と、昇温速度とに基づいて加熱体の発熱量を制
    御することを特徴とする請求項4に記載の加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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