JP3102136B2 - 加熱装置 - Google Patents

加熱装置

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JP3102136B2
JP3102136B2 JP04118393A JP11839392A JP3102136B2 JP 3102136 B2 JP3102136 B2 JP 3102136B2 JP 04118393 A JP04118393 A JP 04118393A JP 11839392 A JP11839392 A JP 11839392A JP 3102136 B2 JP3102136 B2 JP 3102136B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱体に耐熱性フィル
ムを接触摺動させ、該フィルムの加熱体とは反対側の面
に被加熱材を密着させて該フィルムと共に加熱体位置を
通過させて加熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱
エネルギーを付与する、フィルム加熱方式の加熱装置に
関する。
【0002】また、加熱体と、該加熱体の温度を検知す
る温度検知部材を有し、温度検知部材の検知温度が所定
温度に一定に維持されるように加熱体へ通電する加熱装
置に関する。
【0003】
【従来の技術】上記のようなフィルム加熱方式の加熱装
置は本出願人の先の提案に係る特開昭63-313182号公報
・特開平2-157878号公報等で知られており、電子写真複
写機・プリンタ・ファックス等の画像形成装置における
画像加熱定着装置、すなわち電子写真・静電記録・磁気
記録等の画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂
等より成る顕画剤(トナー)を用いて記録材(エレクト
ロファックスシート・静電記録シート・転写材シート・
印刷紙など)の面に直接方式もしくは間接(転写)方式
で形成した、目的の画像情報に対応した未定着顕画剤像
を該画像を担持している記録材に固着画像として加熱定
着処理する画像加熱定着装置として活用できる。
【0004】また、例えば、画像を担持した記録材を加
熱してつや等の表面性を改質する装置や仮定着処理する
装置等として使用できる。
【0005】より具体的には、薄肉の耐熱性フィルム
(シート)と、該フィルムの移動駆動手段と、該フィル
ムを中にしてその一方面側に固定支持して配置された加
熱体(ヒータ)と、他方面側に該加熱体に対向して配置
され該加熱体に対して該フィルムを介して画像定着する
べき記録材の顕画剤像担持面を密着させる加圧部材を有
し、該フィルムは少なくとも画像定着実行時は該フィル
ムと加圧部材との間に搬送導入される画像定着すべき記
録材と順方向に同一速度で走行移動させて該走行移動フ
ィルムを挟んで加熱体と加圧部材との圧接で形成される
定着部としての定着ニップ部を通過させることにより該
記録材の顕画剤像担持面を該フィルムを介して該加熱体
で加熱して未定着顕画剤像(未定着トナー像)に熱エネ
ルギーを付与して軟化・溶融せしめ、次いで定着部通過
後のフィルムと記録材を分離点で離間させることを基本
とするフィルム加熱方式の画像加熱定着装置である。
【0006】図31にその具体的一例の概略構成を示し
た。図32は加熱体の途中省略・一部切り欠き平面模型
図と通電制御系のブロック図である。
【0007】1はエンドレスベルト状の耐熱性フィルム
(定着フィルム)であり、互いに略並行に配設した駆動
ローラ11と、テンションローラを兼ねる従動ローラ1
2と、加熱体(ヒータ)2の3部材間に懸回張設させて
ある。
【0008】フィルム1は、熱容量を小さくしてクイッ
クスタート性を向上させるために、フィルムの膜厚は総
厚100μm以下、好ましくは40μm以下20μm以
上の耐熱性・離型性・強度・耐久性等のあるPTFE,
PFA,PPS等の単層フィルム、あるいはポリイミ
ド,ポリアミドイミド,PEEK,PES等のフィルム
の表面にPTFE,PFA,FEP等を離型層としてコ
ーティングした複合層フィルム等である。
【0009】13は加熱体2を断熱支持させたヒータホ
ルダ、10は加熱体2との間にフィルム1を挟んでフィ
ルムを加熱体2の面に総圧4〜15kgで圧接するシリ
コンゴム等の離型性のよいゴム弾性層を有する加圧ロー
ラである。
【0010】フィルム1は駆動ローラ11の回転によ
り、少なくとも画像定着実行時は矢示の時計方向に加熱
体2面に密着して該加熱体面を摺動しながら所定の周速
度、即ち不図示の画像形成部(A)側から搬送されてく
る未定着トナー画像Tを担持した記録材Pの搬送速度と
略同じ周速度でシワなく回転駆動される。
【0011】加熱体2は後述するように電力供給により
発熱する発熱源としての通電発熱体(抵抗発熱体)4を
含み、該通電発熱体4の発熱により昇温する。
【0012】通電発熱体4に対する電力供給により加熱
体2が加熱され、またフィルム1が回転駆動されている
状態において、加熱体2と加圧ローラ10との圧接部N
(定着ニップ部)の、フィルム1と加圧ローラ10との
間に記録材Pが導入されることで、該記録材Pがフィル
ム1に密着してフィルムと一緒の重なり状態で定着ニッ
プ部Nを通過していく。
【0013】この記録材Pの定着ニップ部通過過程で加
熱体2からフィルム1を介して記録材Pに熱エネルギー
が付与されて記録材P上の未定着トナー画像Tが加熱溶
融定着される。記録材Pは定着ニップ部通過後フィルム
1から分離して排出されていく。
【0014】本例の加熱体2は、 a.フィルム1の移動方向に略直交する方向を長手とす
る、Al23 (アルミナ),AlN,SiC等の電気
絶縁性・耐熱性・低熱容量の細長のセラミック基板3
と、 b.この基板3の一方面側(表面側)の基板幅方向中央
部に基板長手に沿って、線状あるいは帯状に形成した、
発熱源としての銀パラジウム(Ag/Pd),RuO
2 ,Ta2 N等の通電発熱体4と、 c.この通電発熱体4の両端部にそれぞれ導通させて基
板面に形成した給電電極5・6と、 d.基板3の通電発熱体形成面を被覆させた表面保護層
としてのガラス等の電気絶縁性オーバーコート層7と、 e.基板3の他方面側(背面側)にそれぞれ接触させて
設けたサーミスタ等の温度検知部材8、及び安全対策用
温度検知素子(サーマルプロテクタ)としての温度ヒュ
ーズ9等よりなる。
【0015】加熱体2のオーバーコート層7側がフィル
ム接触摺動面側であり、この面側を外部露呈させて加熱
体2を断熱性のヒーターホルダ13を介して不図示の支
持部に固定支持させてある。
【0016】加熱体2は通電発熱体4の両端給電電極5
・6間に交流電源20より電圧が印加され、該通電発熱
体4が発熱することで昇温する。
【0017】加熱体2の温度は基板背面の温度検知部材
8で検出されてその検出情報が通電制御回路15へフィ
ードバックされて交流電源20から通電発熱体4への通
電が制御されることで定着実行時に温度検知部材8で検
出される加熱体2の温度が所定の温度(定着温度)にな
るように温調制御される。
【0018】加熱体2の温調制御は通電発熱体4に対す
る印加電圧または電流をコントロールするか、通電時間
をコントロールする方法が採られている。通電時間をコ
ントロールする方法には、電源波形の半波ごとに、通電
する、通電しない、を制御するゼロクロス波数制御、電
源波形の半波ごとに通電する位相角を制御する位相制御
がある。
【0019】即ち、温度検知部材8の出力をA/D交換
しCPUに取り込み、その情報をもとにトライアックに
より通電発熱体4に通電するAC電圧を位相制御あるい
は波数制御等のパルス幅変調をかけ温度検知部材8によ
る加熱体の検知温度が一定となるように通電発熱体4へ
の通電を制御している。
【0020】温度検知部材は被加熱材としての記録材に
ついて大小どのようなサイズの記録材が通紙されても、
加熱体の通紙部は一定温度となるように、常に通紙領域
にあたる位置に配置されている。
【0021】温度ヒューズ9は通電発熱体4に対する通
電路に直列に接続して加熱体2の基板3の背面に接触さ
せて配設してあり、通電発熱体4の通電制御が不能の事
態を生じて加熱体2が異常昇温(加熱体の暴走)する
と、該温度ヒューズ9が作動して通電発熱体4への通電
回路が解放され通電発熱体に対する通電がオフされる。
【0022】上記のようなフィルム加熱方式の装置は、
加熱体2として体熱容量のものを用いることができるた
め、従来の熱ローラ方式等の加熱装置に比べウエイトタ
イム短縮化(クイックスタート性)が可能となり、また
クイックスタートが可能となるため、使用していない時
の予熱が必要なくなり、総合的な意味での省電力化もは
かれる。その他、他の加熱方式の装置の種々の欠点を解
決できる等の利点を有し、効果的なものである。
【0023】図33は他のフィルム加熱方式の画像加熱
定着装置である。この装置は半円弧状のフィルムガイド
部材(スティ)14の外面中央部に形成した加熱体収容
凹部に加熱体2を嵌め入れて取付け、このフィルムガイ
ド部材14に円筒状の耐熱性フィルム1を外嵌し、加熱
体2との間にフィルム1を挟ませて加圧ローラ10を加
熱体2に圧接させてある。
【0024】エンドレスのフィルム1の内周長と加熱体
2を含むフィルムガイド部材14の外周長はフィルム1
の方を例えば3mm程大きくしてあり、従ってフィルム
1は加熱体2を含むフィルムガイド部材14に対して周
長が余裕をもってルーズに外嵌している。
【0025】加圧ローラ10を駆動ローラとして矢示の
反時計方向に回転駆動することで該ローラとの摩擦力で
円筒状フイルム1が加熱体2面に密着して摺動しながら
回転駆動される。
【0026】この装置の場合も加熱体2と加圧ローラ1
0との定着ニップ部Nのフィルム1と加圧ローラ10と
の間に記録材Pを導入し通過させることにより加熱体2
からフィルム1を介して記録材Pに熱エネルギーが付与
されて記録材P上の未定着トナー画像Tが加熱溶融定着
される。加熱体2の構成、通電制御は図31・図32の
ものと同様である。
【0027】フィルム1はロール巻の長尺フィルムに
し、これを繰り出させて加熱体2面に密着走行させる構
成することもできる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】上記例のような加熱装
置においては下記のような問題点がある。
【0029】(A)前記したように加熱体2の温度検知
部材8は被加熱材としての記録材(紙)について大小ど
のようなサイズの記録材が通紙されても、常に通紙領域
にあたる位置に配設して常に加熱体の検知温度を一定に
制御するように加熱体2の通電発熱体4に通電している
ため、B5紙・封筒・ハガキのような小サイズの紙を連
続通紙すると通紙領域と非通紙領域において温度差が8
0deg以上になる(加熱体の非通紙領域過昇温現
象)。
【0030】このため加圧部材としての加圧ローラ10
の通紙領域部と非通紙領域部とでの熱膨張による外径差
は数百μmにもなり、続いてそれ等小サイズ紙より大サ
イズである例えばA4サイズ紙を通紙すると紙シワが発
生するという問題があった。
【0031】また、このような状態を長時間続けると、
加圧ローラ10やフィルム1が熱劣化を起こし、部品の
寿命を短くしたり、最悪のケースでは装置が破損すると
いう問題があった。
【0032】この問題の解決方法として加熱体の発熱パ
ターン(通電発熱体パターン)を複数個設け、通紙され
る記録材サイズに合わせてその領域だけ通電する方法等
が考えられるが、装置や制御方法が複雑になり、コスト
アップにつながるという欠点がある。
【0033】また、連続的に通紙される記録材と記録材
との間(紙間)に一定時間(一般的には2〜3sec)
の加熱体非通電状態をつくることで加熱体の非通紙領域
の温度を下げ、上記問題を解決する方法も考えられる。
【0034】しかし、この種の加熱装置の加熱体2は非
常に熱容量が小さいため、加圧ローラ10等の接触部品
が冷えていると加熱体2からすぐ熱が逃げてゆく。逆に
あたたまっていると加熱体2からの熱の逃げは少なくな
るため、これら2者では加熱体2の表面温度の下降スピ
ードが極端に違い、一定時間非通電にする方式では例え
ば装置が冷えているときに合わせて0.5secぐらい
の紙間(紙間3sec)の非通電時間を決定すると、加
熱体の非通紙領域の温度を下げる効果が少なくなるとい
う欠点がある。逆に装置があたたまっているときに合わ
せて2.5secの紙間の非通電時間を決定すると、連
続通紙時の2枚目、3枚目では定着に必要な温度まで上
昇してこないため、定着不良画像になるという欠点があ
る。
【0035】本発明は上述の問題、即ち小サイズの被加
熱材の連続通紙時における加熱体の非通紙領域の過昇温
現象を抑えると共に、加熱装置としての画像加熱定着装
置が冷えている状態でも良好な画像定着性を確保するこ
とを目的とする。
【0036】(B)図34はプリント時の加熱体温度、
フィルム温度、加圧ローラ表面温度の時間変化を示す模
式図である。
【0037】加熱体21はプリント開始と共に200℃
に一定温調される。一方、加圧ローラ10は熱容量が大
きいため、徐々に表面温度が上昇してゆく。このときフ
ィルム温度も加熱体温度と加圧ローラ表面温度の中間値
をとりながら徐々に上昇しその変化量は、加圧ローラそ
の他の部品に熱をうばわれる通紙1枚目と、これらがあ
たたまってきた通紙8枚目付近とでは50〜60deg
もの差になる。
【0038】このフィルム温度がβ℃以下になると定着
不良となり、α℃以上になると高温オフセットを発生す
る。
【0039】このようなフィルムの温度差があるとフィ
ルム温度で定着不良と高温オフセット(現像剤のフィル
ムへの転移)を両立できるαとβ(一般的には、約30
deg)の間に全ての通紙モード(例えば低温環境下で
の通紙1枚目と、連続で通紙したときの50枚目)で入
れることはむずかしい。そこで紙間等で加熱体に強制的
に非通電によるタイミングあるいは一定電力を供給する
タイミングを設け、この温度変化に基づき加熱体表面の
温調温度を変更し、どのようなモードでもフィルム温度
を一定に制御する方法を用いて定着不良と高温オフセッ
トを両立している。
【0040】しかしながら加熱体の非通電時間と、次の
加熱体温調温度を決定するための加熱体温度下降時間を
同一にしているため、何らかの都合で加熱体の非通電時
間の方が短くなってしまった場合、例えば0.5sec
後の下降速度を見る場合、加熱体表面上の温度は熱容量
が小さいため短い時間でも温度上昇は大きく図35のよ
うな動きを示し、加熱体下降速度はおそいと判断して加
熱体表面の温調温度を下げてしまい、定着不良画像が発
生するおそれがある。
【0041】また紙間において温調モード(紙間低温温
調)を設け、その温度に決められた時間(0.5se
c)に下降するかどうかで次の温度を決定するような場
合でも図36のように0.5secまでにこの紙間低温
温調に入っているにもかかわらず加熱体上に温度リップ
ルが生じるため0.5sec後のとき温調温度よりも高
い温度にあり装置全体があたたまっていると判断し加熱
体温調温度を下げてしまい、前記と同様定着不良画像を
出す可能性がある。
【0042】また加圧ローラ10が冷えていると図37
のように加熱体の温度が下がりすぎて次の紙に対して充
分上昇できないことがある。
【0043】定着不良を防止するためにフィルム温度を
通紙1枚目でβ℃(図34)以上となる様に加熱体温度
を設定すると、装置が暖まってきて通紙7枚目以降で高
温オフセットを発生し、逆に通紙7枚目以降の高温オフ
セットを防止するために加熱体温度を下げると装置の冷
えている通紙1枚目で定着不良を起こしてしまう。
【0044】この問題に対して従来より、連続プリント
時にプリント枚数に応じて、加熱体温度を下げるなどの
考案がなされているが、この場合でも、装置がどの程度
暖まっているかによってフィルム温度を一定とするため
の通紙1枚目の加熱体温度や加熱体温度を下げる枚数の
適正値が異なるため各場合に応じて操作を変更する必要
があり、制御が複雑になっている。
【0045】例えば2分間隔で連続10枚通紙した場
合、あるいは3分間隔、10分間隔で通紙された時、さ
らには連続5枚、50枚とその場合の組み合わせは無限
にあり、すべての場合を考えて加熱体温度の操作を行う
事は不可能に近い。
【0046】本発明は上述の問題、即ち加熱体の温度変
更に対しての制御の誤検知をなくして、どのようなモー
ドで装置を使用してもフィルムの温度を一定にでき、加
熱装置としての画像加熱定着装置の定着不良や高温オフ
セットを防止することを目的とする。
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする加熱装置である。
【0062】(1)加熱体と、加熱体と摺動する耐熱性
フィルムと、加熱体への通電を制御する通電制御手段
と、を有し、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加
熱材を密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過さ
せて加熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネル
ギーを付与し、複数枚の被加熱材を連続して加熱する際
は被加熱材間で加熱体の発熱を停止あるいは減少させる
時間を設ける加熱装置において、搬送される被加熱材の
枚数をカウントするカウンタを有し、被加熱材を連続し
て搬送する際、上記通電制御手段は、カウンタのカウン
ト値に応じて被加熱材間での加熱体の発熱を停止あるい
は減少させる時間を設定することを特徴とする加熱装
置。
【0063】
【0064】
【0065】 (2)加熱体と、加熱体と摺動する耐熱
性フィルムと、加熱体への通電を制御する通電制御手段
と、を有し、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加
熱材を密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過さ
せて加熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネル
ギーを付与し、複数枚の被加熱材を連続して加熱する際
は被加熱材間で加熱体の発熱を停止あるいは減少させる
時間を設ける加熱装置において、被加熱材を連続して搬
送する際、上記通電制御手段は、被加熱材間での加熱体
の温度降下速度に応じて次の被加熱材間での加熱体の発
熱を停止あるいは減少させる時間を設定することを特徴
とする加熱装置。
【0066】(3)加熱体と、加熱体と摺動する耐熱性
フィルムと、加熱体への通電を制御する通電制御手段
と、を有し、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加
熱材を密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過さ
せて加熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネル
ギーを付与し、複数枚の被加熱材を連続して加熱する際
は被加熱材間で加熱体の発熱を停止あるいは減少させる
時間を設ける加熱装置において、加熱体を所定の温度に
維持するための電力を検知する手段を有し、上記通電制
御手段は、少なくとも1つの基準電力よりも検知電力が
高い場合と低い場合で加熱体の発熱を停止あるいは減少
させる時間を設定することを特徴とする加熱装置。
【0067】(4)加熱体と、加熱体と摺動する耐熱性
フィルムと、加熱体への通電を制御する通電制御手段
と、を有し、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加
熱材を密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過さ
せて加熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネル
ギーを付与し、複数枚の被加熱材を連続して加熱する際
は被加熱材間で加熱体の発熱を停止あるいは減少させる
時間を設ける加熱装置において、上記通電制御手段は、
加熱体位置に被加熱体が存在しない場合に加熱体の発熱
量を一時的に増加させ、その間の加熱体の温度上昇量に
基づいてその後の発熱停止あるいは減少させる時間を設
定することを特徴とする加熱装置。
【0068】(5)加熱体と、加熱体と摺動する耐熱性
フィルムと、加熱体への通電を制御する通電制御手段
と、を有し、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加
熱材を密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過さ
せて加熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネル
ギーを付与し、複数枚の被加熱材を連続して加熱する際
は被加熱材間で加熱体の発熱を停止あるいは減少させる
時間を設ける加熱装置において、 上記通電制御手段は、
加熱体の発熱を停止あるいは減少させた後に再度加熱す
る際の温度上昇速度に応じてその次の被加熱体間の加熱
体の発熱停止あるいは減少させる時間を設定することを
特徴とする加熱装置。
【0069】(6)加熱体の発熱を停止あるいは減少さ
せる時間を設ける制御は、被加熱材のサイズが所定サイ
ズより小さいときに行われることを特徴とする(1)乃
至(5)の何れかに記載の加熱装置。
【0070】(7)加熱装置が、未定着画像を担持させ
た記録材を加熱して像定着する画像加熱定着装置である
ことを特徴とする(1)乃至(5)の何れかに記載の加
熱装置。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】(8)加熱体に耐熱性フィルムを接触摺動
させ、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材を
密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加
熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを
付与する加熱装置において、加熱体の温度検知手段と、
該温度検知手段の検知温度が一定の温度T1に維持され
るよう加熱体へ通電する手段を持ち、上記被加熱材が加
熱体位置に存在しないときに前記温度T1より低い温度
T´に加熱体を制御すると共に、温度T1から温度T´
へ制御を切り換えたときから所定の時間内に温度T´に
達した場合に次の被加熱体に対する加熱体の制御温度は
1とし、所定の時間内に達しない場合には次の被加熱
体に対する加熱体の制御温度を温度T1より低い温度T2
とすることを特徴とする加熱装置。
【0075】(9)加熱体に耐熱性フィルムを接触摺動
させ、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材を
密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加
熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを
付与する加熱装置において、加熱体の温度検知手段と、
該温度検知手段の検知温度が一定の温度T1に維持され
るよう加熱体へ通電する手段を持ち、上記被加熱材が加
熱体位置に存在しないときに前記温度T1より低い温度
T´に加熱体を制御すると共に制御温度T´に達したと
きから予め定められた必ず制御温度に達しているときま
での時間tを計測し、該時間tが所定の時間より長い場
合に次の被加熱材に対する加熱体の制御温度を温度T1
より低い温度T2とし、時間tが所定の時間以下の場合
には次の被加熱材に対する加熱体の制御温度をT1に制
御することを特徴とする加熱装置。
【0076】(10)加熱装置が、未定着画像を担持さ
せた記録材を加熱して像定着する画像加熱定着装置であ
ることを特徴とする(8)又は(9)に記載の加熱装
置。
【0077】(11)加熱体に耐熱性フィルムを接触摺
動させ、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材
を密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて
加熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギー
を付与する加熱装置において、被加熱体が加熱装置の加
熱領域を通過していないときに加熱体への電力供給をH
ighとLowの2値で制御し、このときの加熱体の温
度リップルを基に次に加熱領域に入る被加熱材に対する
加熱体の制御温度を決定することを特徴とする加熱装
置。
【0078】(12)加熱体に耐熱性フィルムを接触摺
動させ、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材
を密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて
加熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギー
を付与する加熱装置において、被加熱体が加熱装置の加
熱領域を通過していないときに加熱体への電力供給をH
ighとLowの2値で制御し、このHigh時又はL
ow時の温度変化率を基に次に加熱領域に入る被加熱材
に対する加熱体の制御温度を決定することを特徴とする
加熱装置。
【0079】(13)加熱体に耐熱性フィルムを接触摺
動させ、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材
を密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて
加熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギー
を付与する加熱装置において、被加熱体が加熱装置の加
熱領域を通過していないときに加熱体への電力供給をH
ighとLowの2値で制御し、この時の加熱体の温度
リップルのピークまたはボトムを基に次に加熱領域に入
る被加熱材に対する加熱体の制御温度を決定することを
特徴とする加熱装置。
【0080】(14)加熱装置が、未定着画像を担持さ
せた記録材を加熱して像定着する画像加熱定着装置であ
ることを特徴とする(11)又は(13)に記載の加熱
装置。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【作用】 .加熱体への通電状態を制御する手段を有する加熱装
置において、被加熱体の連続通紙の紙間のような非通紙
時に加熱体への通電をストップする非通電状態をつく
り、この非通電時間を連続通紙時間や、温調温度を維持
するために必要な入力電力や、加熱体への通電をストッ
プにした後の加熱体の降温スピードや被加熱体サイズの
信号等の情報に応じて変化させることにより、小サイズ
紙の連続通紙時における加熱体の非通紙領域の温度上昇
をおさえると共に、画像加熱定着装置にあっては装置が
冷えている状態でのトナー像の定着性を確保でき、これ
によって安価で高性能の定着システムを構成できる。
【0085】.加熱体への通電を強制的にストップし
加熱体表面の下降速度をみて、あるいは一定電力を供給
しその上昇速度をみて、次の被加熱材がくるときの加熱
体表面の温調温度を決定する温度制御方法において、加
熱体の通電をストップするあるいは一定電力を供給する
時間の方が加熱体表面の下降速度あるいは上昇速度を検
知する時間よりも長くすることにより、制御の誤検知を
なくし、どのようなモードで装置を使用してもフィルム
の温度を一定にでき、画像加熱定着装置にあっては定着
不良・高温オフセットを防止することができる。
【0086】.紙間における加熱体の制御温度を被加
熱材が加熱領域を通過中に制御する温度より低くし、紙
間の制御温度まで所定の時間以内に下った場合には制御
シーケンスにおいてFlagを立てて、このFlagが
立っている場合はフィルム等装置全体が冷えているため
次の紙に対する制御温度は前の紙と同じにし、Flag
が立っていない場合には加熱体の制御温度を下げること
で、画像加熱定着装置にあってはオフセットと定着不良
の発生を防止することができる。
【0087】.加熱体に通電時に検知された温度変
化、または被通電時に検知された温度変化に基づき、加
熱体の温度を変更する事により、どの様なタイミングで
装置を使用しようともフィルム温度を一定とし、画像加
熱定着装置にあっては定着不良・高温オフセットを防止
することができる。
【0088】
【0089】
【実施例】〈実施例1〉(図1〜図4) 本実施例は前記特許請求の範囲の請求項1乃至同7に記
載の構成を特徴とする加熱装置についての実施例であ
り、小サイズの被加熱材の連続通紙時における加熱体の
非通紙領域の過昇温を抑えると共に、装置が冷えている
状態でも良好な画像定着性を確保したものである。
【0090】(1)例 1 図1は本例の加熱装置の加熱体の途中省略・一部切り欠
き平面図と加熱体表面温度を制御するためのブロック図
である。本加熱装置は前述図31と同様のフィルム加熱
方式の画像加熱定着装置であり、レーザービームプリン
タの定着装置である。
【0091】加熱体2の構成も前述図32と同様であ
り、基板3は厚さ1mmの良熱伝導性のセラミックであ
り、通電発熱体4の抵抗値は34Ωである。温度検知部
材8はサーミスタであり、常に通紙領域となる位置に設
けてある。
【0092】サーミスタ8の出力信号はA/Dコンバー
タ31を介してCPU32に入力される。CPU32は
この入力信号に基づき、ACドライバ33を介して電源
20から通電発熱体4への通電電力制御する。通紙中は
加熱体2の表面を180℃になるように温調制御してい
る。
【0093】本例ではA4サイズ毎分4枚の出力が可能
なようにプロセススピードを24mm/secとし、連
続通紙時の紙間は57mm、約2.4secとした。こ
のとき紙間の加熱体2への非通電時間の割合を変化させ
る方法として本例では連続通紙の枚数つまり通紙時間を
CPU32で記憶させることにより行なった。
【0094】具体的には図2のように最初の通紙5枚目
までは加熱体への通電を、0.5secはオフし、その
後1.9secで180℃に立ち上げた。このとき、加
熱体2へ与える電力は通紙1枚前の後端部で180℃に
温調するのに必要な電力を計測しておき、その電力を加
えて再度180℃になるようにした。
【0095】これはこの状態の時に180℃を維持する
のに最適電力を入力しないと、これ以上の電力ではオー
バーシュートが大きくなり、高温オフセットが生じる。
またこれ以下では180℃まで立ち上がらないため定着
不良画像になるためである。次の通紙5〜10枚は通電
を1.2secはオフし、1.2secで180℃にた
ち上げた。このときも加熱体へ与える電力は通紙1枚前
の後端部で180℃に温調するのに必要な電力を計測し
ておき、その電力で加熱して180℃になるようにし
た。通紙10枚目以降は通電を2.0sec間オフし、
0.4secで180℃に立ち上げた。
【0096】このような制御方法を用いて従来制御と比
較しながら封筒サイズの紙を連続して通紙してみた。従
来のように紙間も180℃に温調しているものでは加熱
体の非通紙領域の表面温度は時間とともに図3の様に変
わってゆき通紙40枚目には250℃にもなり、この状
態でA4紙を通紙すると、加熱体の通紙領域と非通紙領
域の境目に対応する加圧ローラ部分に熱膨張差による段
差が生じていることが原因で紙シワが発生した。
【0097】加圧ローラ10としては耐熱性にすぐれた
シリコーンゴムローラを使用しているが、連続使用温度
として可能なのは230℃以下であり、長時間この状態
をつづけているとシリコーンゴムは熱劣化をおこし破損
した。
【0098】本例の制御方法では加熱体2の非通紙領域
温度は図4(通紙時の温度をプロット)のようになり、
通紙7枚目でも加熱体表面温度は210℃でおさまっ
た。これは先にのべたように非通電状態を設け、加圧ロ
ーラ等の部品があたたまってくると、この非通電時間を
長くしてできるだけ紙間で加熱体を冷やしたためであ
る。
【0099】つまり本例のように通紙10枚目以降2s
ecの非通電状態を設けると、加熱体の非通紙領域の温
度はこの間に表面で約20〜30degの温度降下があ
り、通紙時と非通紙時で温度上昇と下降を繰り返すこと
になり、結果として加熱体の非通紙領域の温度上昇をお
さえる効果が生じることになる。
【0100】このようにすることで従来発生していた紙
シワや加圧ローラの熱劣化はなくなり、耐久性にすぐれ
た新しい定着システムを構成することができた。
【0101】本例では記録材の間て加熱体への通電をO
N/OFFしていたが、例えば記録材のトナー画像域の
後端で通電をOFFしても良く、また加熱体の昇温が速
いならば記録材の先端から画像領域迄の間で加熱しても
良いことは言うまでもない。
【0102】また加熱体の昇温速度が低く、かつ放熱が
速い場合には加熱体の発熱を止めると温度低下が大きす
ぎて次の記録材が定着ニップ部Nに到達するまでの定着
温度まで加熱できない場合が考えられる。そのような場
合には加熱体への通電を完全にOFFするのでなく、通
電電圧を下げるかまたはパルス通電のデューティーを下
げて発熱量を減少させる方法を用いることが可能であ
る。
【0103】(2)例 2 上記(1)の例では紙間の非通電時間を変化させる情報
として通紙枚数をカウントし、その枚数毎に切り換えを
行なったが、本例では記録紙が定着ニップ部Nを通過し
た直後に加熱体への通電をストップし、その加熱体表面
の温度の降下速度を検出し、その速度に応じて次に加熱
体へ通電を開始する時間を決定したものである。
【0104】つまり、下降速度の速いものは装置、例え
ば加圧ローラ等がまだ冷えており他に熱がうばわれやす
いため、この状態では速めに加熱体への通電を再開す
る。逆に下降速度の遅いものは、熱が他の部材へにげに
くくなっており装置がすでにあたたまっているため、こ
の状態では非通電時間はできるだけ長くし、非通紙領域
の温度上昇を防ぐようにしたものである。
【0105】具体的な方法として本例では温調温度が1
80℃から175℃なるまでの下降時間を検出し、この
時間が100msec以下は非通電時間を0.4se
c、100〜300msecは非通電時間を1.2se
c、300msec以上は非通電時間2secと3つに
分けた。次に180℃まて立ち上げる方法は前記(1)
の例と同様である。
【0106】このようにすることで前記(1)の例と同
様に加熱体の非通紙領域の温度上昇は図4のように押え
ることができた。また前記(1)の例は、一意的に通紙
枚数で切り換えたが、本例では装置の暖まり具合を反映
して切り換えているため、より環境適応性の高い制御と
なった。
【0107】以上では記録材が定着ニップ部Nを抜けた
直後に加熱体2への電力供給を減らして装置の暖まり具
合を測定するようにした。しかし逆に一定時間、例えば
0.3sec程度加熱を行なって昇温速度を計測しても
装置の暖まり具合を計測することができる。あるいは前
回の紙間で非通電時間からの昇温速度をもとに装置の暖
まり具合を判断して、紙間での非通電時間を変化させて
も良い。
【0108】さらには連続プリントの初期では熱量的に
は不足するので紙間で加熱しながら昇温速度で紙間を決
定し、途中から紙間で非通電ないし低電力状態で冷却し
ながら降温速度で紙間を決めるように組み合わせること
も可能である。
【0109】(3)例 3 本例は非通紙時の非通電時間を変化させていく情報とし
て加熱体を180℃に維持するのに必要な電力を検知し
て行なった。
【0110】これは前記(1)や(2)の例と同様に加
熱体の温度を180℃に維持するのに加圧ローラ材等が
冷えているとこれらに奪われる熱が大きいため約200
Wぐらいの電力が必要となる。しかし連続通紙を行ない
加圧ローラ等があたたまってくると、これらに奪われる
熱量が少なくなり180℃に加熱体温度を維持するため
には約100Wぐらいの電力でよくなる。
【0111】本例ではこのことに着目し、通紙中に18
0℃に加熱体温度を維持するのに必要な電力を検知する
手段を設け、通紙時の入力電力に応じて次の非通紙時で
ある紙間の非通電時間を決定した。
【0112】具体的には加熱体温度を180℃に維持す
るのに、180W以上必要な場合は非通電時間を0.4
sec、180〜130Wのときは非通電時間を1.2
sec、130W以下のときには2secとした。次に
180℃まで立ち上げる方法は前記(1)の例と同様で
ある。
【0113】このようにすることで、加熱体の温度上昇
は前記(1)や(2)の例と同様に封筒を連続7枚通紙
しても約210℃に押えることができた。
【0114】(4)例 4 前記(1)〜(3)の例は紙サイズによらず、非通紙時
の非通電時間を変化させたが、これを小サイズ紙に限っ
て行なってもよい。例えば本実施例の説明に用いたレー
ザービームプリンタでは、最大通紙サイズはLTRサイ
ズであるため、このサイズよりも小さいもの、例えばB
5紙や封筒等に限って前記(1)〜(3)の例を適用さ
せる。紙サイズを検知する方法としては カセット給紙である場合、カセットからの紙サイズ信
号を検知して行なう 給紙部分にセンサーを設け、このセンサーにより紙の
長さを検知しこの情報に基づき紙サイズを予測する 等が挙げられるが、紙サイズがわかればどのような方法
を用いてもよい。
【0115】このように小サイズ紙を連続で通紙すると
判断された場合は例えば紙間をレターサイズより2se
c長くし、、レターサイズの紙間2〜4secに対して
小サイズ紙の紙間を4.4secとし、その中で非通電
時間を変化させるということが可能となる。これによっ
て小サイズ紙の紙間での冷却時間を長くとることが可能
となり、さらに非通紙昇温を減らすことができる。
【0116】こうすることにより、最大通紙サイズを通
紙する時はスループットを落とさずに小サイズ紙を通紙
するときだけ若干スループットは落ちるが非通紙部分の
温度上昇をより防ぐということができる。
【0117】本例では先に述べたように記録材が小サイ
ズであることを給紙のところに設けたセンサーで検知
し、小サイズ紙が通紙されるときは紙間と約106m
m、4.4secとして非通電時間の時間を変化させ
た。具体的には通紙1〜5枚までは1.0sec通電を
オフし、残り3.4secで180℃に立ち上げた。通
紙5〜10枚は1.7secオフ、1.7オン、通紙1
0枚以降は3.8secオフ、0.6secオンで通電
制御を行なった。
【0118】こうするとさらに非通紙部の温度上昇は押
えられ70枚通紙後は前記(1)〜(3)の例よりもさ
らに10deg加熱体表面の温度は下がり、より安定し
た紙搬送が可能となった。
【0119】紙間の非通電時間を変化させる情報として
は前記(2)・(3)の例のように通電オフ時の下降速
度や180℃を維持するための電力を検知して行なって
も同様の効果が得られる。
【0120】以上の(1)〜(4)の例のように、B5
紙や封筒等の小サイズ紙を連続で通紙する場合、紙間に
おいて加熱体非通電状態をつくり、その非通電時間を装
置の状態により変化させることにより小サイズ紙通紙の
ときの加熱体の非通紙領域についての温度上昇をおさえ
ることができ、加熱体の非通紙領域過昇温による弊害を
除去できる。
【0121】〈参考例〉(図5〜図14)本参考例は 前記(B)の問題点、即ち加熱体の温度変更
に対しての制御の誤検知をなくして、どのようなモード
で装置を使用してもフィルムの温度を一定にでき、加熱
装置としての画像加熱定着装置の定着不良や高温オフセ
ットを防止したものである。
【0122】(1)例 1 加熱装置としての画像加熱定着装置の構成、加熱体の構
成は前述図31・図1と同様である。
【0123】本例装置においては、まず加熱体立ち上げ
時、加熱体は500W定電力によって立ち上げられる。
これは不図示のAC電圧検知回路・通電発熱体抵抗検知
手段等の情報をもとに、位相制御、波数制御等のパルス
幅変調による電力制御手段により一定電力となるよう通
電されるためである。
【0124】本例ではf〜50Hz、Vac〜100Vで
波数制御の基本波数を20波とし、14波−ON、6波
−OFFの条件で加熱体を立ち上げた。この時、装置全
体が冷えていれば加熱体2の上昇速度はゆるやかにな
り、逆に加圧ローラ10やスティ14等の装置全体が暖
まっていれば上昇速度は速くなる。よってこの速度を検
知することで装置の状態が推定でき、これらに応じて通
紙1枚目の加熱体設定温度を決めることで、通紙1枚目
のフィルムの温度を定着不良と高温オフセットのない領
域に設定できる。
【0125】次に、連続で記録紙をおくる場合について
説明する。これは図5に示すようなアルゴリズムにより
加熱体温度を設定する。即ち、 .加熱体2は記録材Pが定着ニップ部Nを出ると同時
に0.6sec間強制的にオフにする .次に加熱体2がオフされている中で0〜0.5se
c間でどれだけ加熱体温度が下がるかを計測する .この計測から次の通紙のときの加熱体2の温調温度
を表1に従って決定する .次の記録材Pのための加熱体2の温調を開始する。
【0126】これは、加熱体オフ時間の中で下降速度を
検知しており従来のように両者を同じにしておくと誤検
知し、図6のようにまだ加熱体温度としては210°C
必要なのが200°Cに切りかわってしまい、定着不良
画像を排出することがあったものが、図7のように誤検
知することなしに確実に表1にならって加熱体表面の温
度を設定するようになる。
【0127】こうすることで加熱体の温度下降速度を確
実に検知することができ、これらの情報により加圧ロー
ラ等の装置全体の状態が推定できるため、加熱体設定温
度を変えてゆくことでフィルム温度を図8のように一定
とすることができ、定着不良と高温オフセットを防止す
ことができる。
【0128】(2)例 2 上記(1)の例では加熱体2の下降速度を検出したが、
本例のように一定時間後の加熱体2の到達温度により加
熱体温調温度を変化させても同様の効果が得られる。
【0129】具体的には図9に示すアルゴリズムによっ
て加熱体温度を設定する。
【0130】.加熱体2は記録材が定着ニップ部Nを
出ると同時に1.7sec間オフする .次に1.5sec後に加熱体2が到達した温度を測
定する .この値から次の通紙する時の加熱体温調温度を表2
に従って決定する .次の記録材Pに対する加熱体2の温調を開始する。
【0131】このようにすることで、前記(1)の例と
同様に誤検知なしに加熱体温度を制御することができ、
結果としてフィルムの温度は一定になり、高温オフセッ
トと定着不良を防止することができる。
【0132】(3)例 3 前記(1)の例では加熱体2への通電をストップすると
同時に下降速度を検知しはじめたが、本例では、この下
降速度検知開始点も確実に加熱体2の通電をストップし
た後に行なうものである。すなわち図10のようなアル
ゴリズムで次の加熱体の温調温度を決定する。
【0133】.加熱体2は記録材Pが定着ニップ部N
をぬけると0.7sec間強制的にオフする .次に加熱体2がオフされている間の0.1〜0.6
sec間でどれだけ加熱体温度が下がるかを計測する .この計測値から次の通紙のときの加熱体表面の温調
温度を表3に従って決定する .加熱体2の温調を開始する。
【0134】これは加熱体下降速度を見る上での図11
のような測定開始時の後検知をなくしたものである。
【0135】こうすることで図12のようにより加熱体
下降速度が記録材Pの搬送速度にばらつきが有って後端
が定着ニップ部Nをぬけるタイミングがばらついても正
確に測定でき、これらの情報により次の加熱体設定温度
を変えるゆくことで良好な定着画像を得ることができ
る。
【0136】(4)例 4 本例では紙間で温調モードを設け、その温度に決められ
た0.5sec時間に下降する場合についての方法につ
いて述べる。
【0137】これは、先にのべたように0.5secま
でに紙間の温調モードに入っているにもかかわらず温度
だけを検知して判断をしているため加熱体上の温度リッ
プルの関係上、0.5sec後に温調温度よりも高い温
度にあると装置があたたまっていると判断し加熱体の温
調温度を下げてしまう。
【0138】本例ではこのような誤検知をなくすため
に、図13のようなアルゴリズムにより加熱体の温調温
度を決定する。 .記録材Pが定着ニップ部Nをぬけると強制的に加熱
体2を1.7secオフする .加熱体オフしてから1.5sec後の到達温度を測
定する .この測定値により次の温調温度を表4に従って決定
する .紙間が長い時はこの温調温度よりも15deg低い
ところに紙間温調モードを設ける.記録材Pが定着ニ
ップ部Nのところにくると通紙時の温調モードへ移る。
【0139】このようにすることで、加熱体表面の温度
は図14のようになり、紙間に第2の温調モードを設け
ても、誤検知することなく加熱体の表面温調温度を変え
てゆくことができる。
【0140】(5)例 5 前記(1)〜(4)の例では紙間において加熱体を強制
的にオフしその下降温度変化を見たが、逆に紙間に一定
の電力を強制的にオンし、この中でオンした時間よりも
短い時間で上昇温度変化をみることによっても装置の状
態はわかり確実に加熱体2の次の通紙時における温調温
度が決定できる。
【0141】以上の(1)〜(5)の例のように、加熱
体2に一定電力を供給する、あるいは通電を強制的にス
トップする時間の方が加熱体2の温度変化をみる時間よ
りも長くすることにより加熱体2の温度を変更に対して
の誤検知をなくすることができるという効果がある。
【0142】〈実施例2〉(図15〜図18) 本実施例は前記特許請求の範囲の請求項8乃至同10
記載の構成を特徴とする加熱装置についての実施例であ
り、前記参考例と同じく前記(B)の問題点、即ち加熱
体の温度変更に対しての制御の誤検知をなくして、どの
ようなモードで装置を使用してもフィルムの温度を一定
にでき、加熱装置としての画像加熱定着装置の定着不良
や高温オフセットを防止したものである。
【0143】(1)例 1 加熱装置としての画像加熱定着装置の構成、加熱体の構
成は前述図31・図1と同様である。
【0144】前記実施例2の(1)の例と同様に、加熱
体2は500W定電力によって立ち上げられる。本例で
はf〜50Hz、Vac〜100Vで波数制御の基本波数
を20波とし、14波−ON、6波−OFFの条件で加
熱体2を立ち上げた。
【0145】この時、装置全体が冷えていれば加熱体の
上昇速度はゆるやかになり、逆に加圧ローラ10やステ
ィ14等の装置全体が暖まっていれば、上昇速度は速く
なる。よってこの速度を検知することで装置の状態が推
定でき、これらに応じて通紙1枚目の加熱体設定温度を
決めることで通紙1枚目フィルムの温度を定着不良と高
温オフセットのない領域に設定できることは前記実施例
2と同様である。
【0146】次に、連続で記録材Pをおくる場合につい
て説明する。これは図15に示すようなアルゴリズムに
より加熱体温度を設定する。
【0147】で加熱体2は記録材Pが定着ニップ部N
を出ると同時に制御温度T1 よりT′へ切り換える。
でタイマーをスタートさせる。で加熱体2の温度Tが
T′より高い場合はNOでへ行く。でタイマーがサ
ンプリング時間に達していなければへもどる。でY
ESの場合にはでFlagを立てる。そしてで紙間
の温調を始めT′に制御する。でタイマーがサンプリ
ング時間を超えればFlagを立てずにに行き加熱体
をT′で制御する。そして次の記録材に対してはでF
lagが立っていればへ行き前の記録材と同じ温度T
1 で加熱体を制御する。でFlagが立っていない場
合はで制御温度をT2 に変えて次の記録材の定着を行
なう。このようにして制御した場合の加熱体2の温度変
化を図16に示す。
【0148】このようにFlagを目安に立っている場
合は装置が冷えていると判断し通紙中の制御温度を変え
ず、Flagがない場合には制御温度を下げることによ
ってフィルムの温度を定着不良も高温オフセットも発生
しない温度域内に制御できる。
【0149】(実験例)下記表5のように通紙中の加熱
体2の制御温度を順次に切り換えた。即ち、Flagが
立たない場合に180℃→170℃、170℃→163
℃、163℃→155と通紙中の加熱体の制御温度を変
えた。サンプリングタイムはt0=0.3secとした。
【0150】 この結果、図17の示すようにフィルムの温度を高温オ
フセットと定着不良どちらも発生しない範囲に制御する
ことができた。
【0151】(2)例 2 前記(1)の例はフラッグを目安に次の制御温度を決定
した。本例は紙間温調に入るタイミングが早いか否かを
判断する。すなわち紙間の制御温度に達してから所定の
時間t0 ′(この時間は紙間の制御をスタートしてから
の一定時間で良い)までの時間tを計測する。
【0152】この時間tはフィルム、加圧ローラ等が暖
まっている場合は短く冷えている場合は長くなる。
【0153】従ってこの時間tが図18の(a)に示す
ようにt1 のごとく短い場合には次の記録材に対しての
制御温度はT2 に下げる。一方(b)のようにtがt2
のごとく長い場合には次の記録材の制御温度はT1 を保
つ。
【0154】通紙中および紙間の制御温度は実施例と同
じにし、t0 ′を0.3secとした時にt≦0.2s
ecでは次の場合に次の記録材の制御温度は前の記録材
と同じにし、0.3≧t>0.2secの場合に次の記
録材の制御温度は1段階下げる(すなわち前の記録材に
対して180℃で制御した場合に次の記録材には170
℃に下げる)ようにすることで前述図17と同様の結果
が得られた。
【0155】以上の(1)や(2)の例のように、高温
オフセットも定着不良も発生しないようなクイックスタ
ートの加熱装置を得ることが可能となった。〈実施例3〉 (図19〜図22) 本実施例は前記特許請求の範囲の請求項11乃至同14
に記載の構成を特徴とする加熱装置についての実施例で
あり、前記参考例と同じく前記(B)の問題点、即ち加
熱体の温度変更に対しての制御の誤検知をなくして、ど
のようなモードで装置を使用してもフィルムの温度を一
定にでき、加熱装置としての画像加熱定着装置の定着不
良や高温オフセットを防止したものである。
【0156】(1)例 1 加熱装置としての画像加熱定着装置の構成、加熱体2の
構成は前述図33・図1と同様である。
【0157】図19は本例における、連続プリント時の
加熱体温度、フィルム温度、加圧ローラ温度の時間変化
図である。
【0158】まず、加熱体立ち上げ時において図20の
アルゴリズムと表6により加熱体温度を設定する。
【0159】 加熱体2は700W定電力通電により立ち上げられる。
加熱体温度が165°Cになったら通電電力を500W
にかえる。
【0160】すなわちAC電源電圧検知・加熱体抵抗検
知手段などの情報をもとに、位相制御・波数制御等のパ
ルス幅変調による電力制御手段により一定電力となるよ
うに通電される。本例ではf〜50Hz、Vac〜100
VのAC電圧100%通電時700Wの加熱体でAC電
圧を100msec−ON、40msec−OFFをく
り返し500Wの定電力通電を行った。
【0161】この時、装置全体が冷えていれば加熱体2
の上昇度はゆるやかになり、逆に装置全体が暖まってい
れば上昇速度は速くなる。よって加熱体2の上昇速度を
みれば加圧ローラやステーの温度が推定でき、それらに
応じて通紙1枚目の加熱体設定温度を変えてやる事によ
り装置全体がそれまでどのような使われ方をしていたと
しても簡単な操作でフィルム温度を一定とし、定着不良
も高温オフセットも防止することができる。
【0162】そして通紙状態においては例えば200°
Cに制御するのであれば必要とされる電力の少し多目と
少し少な目の電力を交互に切り換えることで温度リップ
ルを少なくするように制御する。
【0163】例えば200°Cを保つために必要な電力
が180WであるならHigh190WとLow170
Wを適宜切り換える制御を行う。
【0164】これは、位相制御・波数制御共に必要電力
に正確に合わせることが困難なことと、装置の熱容量の
バラツキや暖まり方に対してこのようにHighとLo
wの2つのレベルで切り換えて制御した方が良いからで
ある。そして紙間においてはHighレベルは190W
とし、Lowレベルを大きく減らした値、例えば0Wと
する。
【0165】すると図21に示すように大きな温度リッ
プルが発生する。この温度リップルは装置の冷えている
状態では加圧ローラ10やフィルム1に加熱体2から急
激に熱がうばわれるため(a)のように大きなものとな
る。一方で通紙50枚程度連続してプリントした後のリ
ップルは装置が暖まっているので(b)のように小さく
なる。
【0166】従ってこのリップルの大きさTp −Tb
測定することで、加圧ローラ10とフィルム1の暖まり
具合を判断することができるので、このTp −Tb をも
とに通紙時の制御温度の切り換えを行なえばオフセット
も定着不良もなくプリントを続けることが可能である。
【0167】前記図19は表7に従って、リップルの大
きさに従って制御温度の切り換えを行なったものであ
る。
【0168】 このように加熱体温度を装置の暖まり具合に基づいて制
御して、連続プリント時に除々に下げることで、定着不
良とオフセットを防止できた。
【0169】なおこの紙間でのHighとLowの制御
は紙間全域でなく一部において行なっても良く、次の記
録材Pが定着ニップ部Nに入る前に適正な制御温度に到
達可能なタイミングで記録材が有る場合の制御に切り換
われば良い。
【0170】(2)例 2 前記(1)の例ではTp −Tb を基に制御したが、Tb
またはTp を基に制御しても良い。
【0171】Tb での制御として表8、Tp での制御と
して表9を用いたところ、いずれにおいてもオフセット
も定着不良の発生なく連続プリントを続けることが可能
であった。
【0172】 (3)例 3 前記(1)や(2)の例では紙間も通紙中と同一温度で
加熱体を制御していたが、本例では紙間の制御温度も通
紙中より15deg以上下げるものである。
【0173】これによって連続プリント中の装置の昇温
を抑制し、小サイズ紙を連続プリントする際の加熱体2
の非通紙領域の昇温を減少させ、さらには不要な電力消
費を防止することができる。
【0174】またリップル等を大きくすることが可能で
これによって検知精度を向上させることも可能である。
このリップルの比較を図22に示す。(a)が前記
(2)の例の場合であり、(B)が本例の場合である。
Tは通紙中の制御温度、T′は紙間の制御温度である。
【0175】以上(1)〜(3)の例のように、紙間に
おいて加熱体2の通電電力をHighレベルと大きく減
少させたLowとで制御することで温度リップルを生じ
させ、このリップルの大きさで次の記録材Pに対する制
御温度を切り換えてオフセットと定着不良を発生させる
ことなく連続プリントを行なうことが可能となった。
〈参考例〉(図23〜図30)フィルム加熱方式の加熱
装置は加熱体2の熱容量が小さいため、通電発熱体4へ
の通電の単純なON/OFFで加熱体の温度制御を行な
うと、加熱体の温度リップルが大きくなり好ましくな
い。そこで従来より、加熱体への通電を位相制御、波数
制御等で細かく行ない、加熱体を所定温度に維持するの
にほぼ最適な電力を常に与え続ける制御が実施されてい
る。ここで波数制御とは、加熱体に印加する交流電圧を
ある特定の波数ごと(以降、基本波数と呼ぶ)でくぎ
り、その内の何波かをON(通電)し、残りをOFF
(非通電)することで供給電力量を細かく制御する方法
である。この制御では、基本波数内でON/OFFの小
さな温度リップル(波数リップルという)ができる。こ
の波数リップルをより小さくするためONの波を基本波
数中でほぼ均等に分散させる方法もあるが、これを行な
うとON/OFFの回数が増えるため、電源側への負荷
変動が頻繁になり、近くで使われているCRTの画像シ
ュリンクや蛍光灯のちらつき等が発生してしまう。この
ため、通常は基本波数内でONの波とOFFの波を各々
まとめる方法が用いられている。また、加熱体を所定温
度に立ち上げる際にその温度上昇速度を検出し、その速
度に応じて立ち上がった後の各種制御値(例えば、温調
温度や供給電力等)を決定する制御方法も考案されてい
る。これらの制御方法を組み合わせて行なうことは、加
熱体の温度をより細かく正確に制御することができるた
め、大変有効なものである。しかしながら、波数制御で
電力量を制御しながら所定温度まで加熱体温度を立ち上
げる系で、その昇温速度を検知した場合、短い時間で速
度の検出を行なうと、加熱体の昇温速度を正確に検出で
きないという問題があった。図38はそれを示す加熱体
の温度上昇カーブである。これはf〜50Hz、Vac
115VのAC電圧で波数制御の基本波数を20波とし
た時、10波−ON、10波−OFFの条件で加熱体の
温度を立ち上げ、加熱体温度が140℃に達してから5
0msecの間でその昇温速度を計測する2通りの場合
について示したものである。波数制御を用いると、加熱
体の温度が立ち上がる際にも図38に示すような波数リ
ップルができる。このため、同じ条件で速度を計測し、
当然同じ速度が検出されなくてはならない場合でも、検
出したポイントによって速度が著しく違ってきてしま
う。例えば、図38の(a)において、昇温速度の検出
は通電時のみを計測するため、150deg/secと
なるのに対し、(b)では計測時間のほとんどが非通電
時であるため、昇温速度は5deg/secとなる。こ
のように、同じタイミング、同じ検出時間で速度を検知
してもその検出値に上記のようなばらつきがあると、そ
の後の制御値の決定も正確に行なえず、加熱体を目的と
する温度にうまく温調できなくなってしまう。本参考例
は、波数制御により制御された電力量で加熱体を所定温
度に立ち上げる際に、その昇温速度を検知し、その速度
に応じてその後の各種制御値を決定する加熱装置におい
て、速度の検出の際の誤差を減らし、立ち上り後の制御
をより正確に行なうことができるようにしたものであ
る。即ち、加熱体と、該加熱体の温度を検知する温度検
知部材を有し、温度検知部材の検知温度が所定温度に一
定に維持されるように加熱体へ通電する加熱装置におい
て、前記加熱体への通電開始から上記所定温度に達する
迄の間に検知された昇温速度に基づきその後の各種制御
値を決定し、前記加熱体に供給される電力量は単位時間
内の加熱体への通電・非通電の比率により制御され、そ
の比率を可変とする手段を有し、前記昇温速度の検出時
間は前記加熱体への電力制御の単位時間以上にしたこと
を特徴とする加熱装置、である。また、上記の加熱装置
において、昇温速度の検出時間が前記加熱体への電力制
御の単位時間の整数倍であることを特徴とする。更に
は、上記の加熱装置において、顕画像を支持した記録材
と共に移動するフィルムを有し、顕画像はフィルムを介
して加熱体からの熱で加熱されることを特徴とする。而
して、波数制御により制御された電力量で加熱体を所定
温度に立ち上げる際に、その昇温速度を検知し、その速
度に応じてその後の各種制御値を決定する加熱装置にお
いて、昇温速度の検出時間を、波数制御の基本波数の一
周期に要する時間と等しくすることで、速度の検出の際
の誤差を減らし、立ち上がり後の制御をより正確に行な
うことができる。
【0176】(1)例 1 本例の加熱装置としての画像加熱定着装置の構成、加熱
体の構成は前述図31・図1と同様である。
【0177】ただし該画像加熱定着装置を装着したレー
ザービームプリンタは記録材送りスピード(プロセスス
ピード)56mm/secで、A4サイズ紙を毎分6枚
出力するプリンタである。
【0178】加熱体は500W定電力によって立ち上げ
られる。この時、何ボルトの入力電圧があっても加熱体
への供給電力が500Wになるように、不図示のAC電
圧検知回路・ヒータ抵抗検知手段等の情報を基に加熱体
への通電に波数制御をかけている。
【0179】本例では、f〜50Hz、Vac〜115V
のAC電圧で波数制御の基本波数を20波とし、10波
−ON、10波−OFFの条件で加熱体を立ち上げた。
【0180】したがって、基本波数が一周期を繰り返す
のに要する時間tW は tW =1.0(sec )×[20(波)÷{50(Hz)×2}] =0.2(sec )=200(msec) である。
【0181】ここで、50(Hz)×2となるのは、本
例の波数制御をではACの半波を一波と数えているため
である。すなわち、1秒間に波は100個あるのであ
る。
【0182】さて波数制御により、微小な温度リップル
を描きながら加熱体温度は上昇を続け、サーミスタ検知
温度が120°Cに達したら、CPU32(図1)はそ
の時点からある一定時間tbase間の昇温速度を検知す
る。
【0183】より具体的には、120°Cに達した時点
でCPU32がタイマをスタートさせ、一定時間tbase
後に温度が何deg上昇しているかを計測することにな
る。
【0184】すなわち、ここでいう昇温速度とはtbase
間での平均昇温速度であり、tbaseの間に温度がTde
g上昇した場合、昇温速度vは v=dT/d(tbase) となる。
【0185】この時、装置全体が冷えていれば加熱体2
の昇温速度はゆるやかになり、逆に暖まっていれば速く
なる。よって、昇温速度vをみれば加圧ローラ10やス
ティ14の温度が推定でき、それらに応じて通紙一枚目
の温調温度、及び供給電力等の制御値を決定する。本例
では表10に示す制御テーブルにより温調温度を決定す
る。
【0186】 本例の条件では、加熱体温度100°C〜160°Cの
間で加熱体の昇温速度は基本波数中でON時、約150
deg/sec であることを本発明者等は確認した。なお、こ
れはこの本例装置での加熱体昇温速度の最速値である。
【0187】図23は本例装置の加熱体2の温度上昇時
の波数リップルである。加熱体2の基本波数単位の平均
昇温速度は線Qの傾きξで表される。
【0188】この速度は、500W入力で波数制御を用
いず、フル通電で本例の加熱体2を立ち上げた際に検出
される昇温速度と一致する。
【0189】すなわち、波数制御を用い定電力制御を行
なうのには、昇温温度がξとなる条件では、常にξの平
均上昇速度を得ようとする意味もある。
【0190】したがって昇温速度検知を行なった時に検
出される出力値は傾きξの線を描くもの、もしくはそれ
に高いものでなくてはならない。
【0191】本例においては上記の昇温速度計測時間t
baseを200nsecとし基本波数の一周期に要する時
間tW と等しくする。すなわち、 tbase=tw とする。
【0192】図24は本参考例を適用し場合の昇温速度
検知のタイミングについて示したものである。基本波数
の一周期tw で加熱体が上昇する温度は、基本波数中の
どのタイミングから数えても常に一定である。
【0193】したがって、昇温速度の計測時間tbase
基本波数の一周期tw と等しくすれば計測開始時(12
0°C)から数えて、常に基本波数の一周期が完結した
段階で温度の計測が行なわれるため、tbase中の昇温速
度v=dT/d(tbase)は当然前記図23の傾きξと
同じ値を持つことになる。
【0194】すなわち、基本波数中のいかなる位置で計
測が開始されても従来問題となっていたような誤差(計
測値のばらつき)は一切発生しなくなる。
【0195】なお、本例では基本波数が20波の場合を
書いたが、基本波数を変えれば時間tbaseの値が変更さ
れるのはいうまでもなく、例えば10波−波数制御では
100msec、15波−波数制御では150msec
となる。
【0196】また、基本波数中で加熱体をONする波数
も10波にとどまらず、20波制御なら0波から20波
まで変えることができる。
【0197】もちろん、定電力制御値は装置により可変
であり、本例の500Wに限定されるものではない。
【0198】これらは次の(2)乃至(5)の例につい
ても同様である。
【0199】以上のように、昇温速度の計測時間を基本
波数の一周期に要する時間と等しくすることで、昇温速
度の計測が基本波数中のいかなる位置で開始されても正
確に昇温速度を検知できる。
【0200】(2)例 2 前記(1)の例においては、昇温速度の計測時間tbase
を基本波数の一周期tw と同じ時間に設定したが、計測
時間tbaseは基本波数周期tw の整数倍でもよい。すな
わち、 tbase=ntw (n=1,2,3‥‥) でもよい。
【0201】基本波数周期での上昇温度はどのタイミン
グからみても変わらないということ前に述べた通りであ
る。これは基本波数が何度繰り返し出力されても同じで
ある。従って、基本波数周期の整数倍単位の時間で上昇
温度を計測しても前記(1)の例と同様に、ばらつきな
く上昇温度を検知できる。すなわち正確な昇温速度を得
ることができる。
【0202】例えば20波制御の場合、等倍は200m
sec、2倍は400msec、3倍は600msec
‥‥となる。
【0203】図25はそれを示すものであり、整数倍で
あれば昇温直線はみな同じ傾きとなることがわかる。
【0204】したがって、前記(1)の例で示したよう
に基本波数周期の等倍で検知速度のばらつきはゼロであ
るから、計測時間が基本波数周期の整数倍であれば同じ
ようにばらつきはゼロである。
【0205】このように、2倍、3倍と計測時間を長く
とると、CPU32(図1)が計測する際のごく微小な
タイミングのずれなども計測時間内で吸収できるため、
等倍で計測するものと比べ、更に正確に昇温速度を検出
できる。
【0206】また、サーミスタ8の出力をA/D変換す
るA/Dコンバータ31にbit数の低いものを用いた
場合、CPU32が検出できる温度の分解能は低くな
り、完全に正確な温度を検知することはできなくなる
が、計測時間をより長く取ることでA/Dコンバータ3
1の分解能の低さを吸収することもできる。
【0207】(3)例 3 前記(2)の例においては、昇温速度の計測時間を基本
波数周期の整数倍の tbase=ntw (n=1,2,3‥‥) と規定したが、tbaseはtw の整数倍の近傍でも良い。
【0208】図26は2種類の計測のタイミングについ
て、2つの温度上昇カーブを一つのグラフ上に示したも
のである。
【0209】通常、時間をくぎって昇温速度の計測を行
なった場合、検出値のばらつき(検出可能最大値と検出
可能最小値の差)は計測時間が整数倍の位置Kで最小=
ゼロになり、そこから時間を増すにつれ再び増えはじ
め、上昇カーブaの基本波数中でON/OFFが切り替
わる位置Jで最大となる。
【0210】理想的には、前記(1)や(2)の例のよ
うに位置Kで計測を行なうのが最も正確であるが、位置
Kの近傍であっても、計測値のばらつきは実用上問題の
ない範囲内に収まる。
【0211】より具体的には、前記表10の制御テーブ
ルの時、計測時間は基本波数周期の整数倍プラス基本波
数周期の10%、マイナス基本波数周期の10%の範囲
までとることが可能である。
【0212】この場合、計測値のばらつきにより制御値
がテーブル上で一つ上下にシフトしてしまうことがある
が、実際には以前にも触れたA/Dコンバータ31の性
能などにより、理想的な位置で計測を行なってもばらつ
きは起こる可能性があり、また、この場合のような一つ
程度のシフトは実用上は問題にはならない。
【0213】したがって、制御値がテーブル上で二つ以
上上下にずれないように計測時間、および制御テーブル
を決めてやり、かつその制御テーブルで実用上問題がな
いなら、計測時間は基本波数の整数倍でなくその近傍で
もよい。
【0214】(4)例 4 計測時間は、長ければ長いほど計測値のばらつきを吸収
できるということは以前に述べたが、これは計測時間が
基本波数周期の整数倍の時だけではなく、むしろ非整数
倍の時の方がその効果は大きい。
【0215】よって、ある程度計測時間を長くとった時
には前記(3)の例の計測時間設定可能範囲(すなわ
ち、(3)の例と同じく制御値のシフトがテーブル上で
一つだけとなる範囲)はより広くとることができる。
【0216】図27は図26の2種類の計測のタイミン
グに前記表10のテーブルを用いたとき許容範囲となる
計測時間の設定可能範囲を示したものである。図27に
おいて、斜線部は設定不可能領域である。
【0217】すなわち、平均昇温速度70deg/sec の直
線Qに対し、図中の直線Oは60deg/sec を示すもので
あり、図中でこの直線Oと2種類の加熱体温度上昇カー
ブの交点から時間軸に対して直角に引いた直線と、加熱
体温度上昇カーブに囲まれた部分は検出値のばらつきが
10deg/sec 以上になる範囲であり、計測時間をこの範
囲に設定することは不適当である。
【0218】したがって、この斜線部以外ならば、計測
時間はどのように設定されてもよい。すなわち、この範
囲で計測時間を設定すれば、平均昇温速度がテーブル上
で1レベルずれることが有っても2レベル以上ずれず制
御温度としても4deg以内のずれに制限することがで
きる。
【0219】また、図28は計測時間による検出速度の
ばらつきについて示したものであるが、計測時間が長く
なるほど、ばらつき最大位置Jでの検知速度は平均昇温
速度ξに近付いていくことがわかる。計測時間を長くと
るほど設定可能範囲が広がるのはそのためである。
【0220】また、以上のことからの当然の帰結である
が、図27において前記の交点がもうこれ以上存在しな
い計測時間以上ならば、計測時間tbaseは基本波数周期
にこだわらずいかなる値をとってもよい。
【0221】前記表10のテーブルであれば図27の位
置Pから上記の条件を満たすこととなる。上記のことか
らわかるように、本例では計測時間の設定可能範囲はテ
ーブルにより決まる。
【0222】すなわち、制御がある程度大雑把で良く、
テーブル切り替えの段階が少ない場合、計測時間は短く
てもよくなる。
【0223】さらに具体的には、表10のテーブルでは
検出値のばらつきを10deg/sec までしか許さないが、
表11のごときテーブルにおいては20deg/sec のずれ
までが許容範囲となり設定可能範囲は広くなる。
【0224】また制御値のシフトに対して、温調温度到
達前、もしくは到達後であっても被加熱材の加熱装置導
入前に、制御値の補正機構を設ければ、前記計測時間の
設定可能範囲をより広くとることも可能である。
【0225】 (5)例 5 前記(1)乃至(4)の例においては、昇温速度の計測
のタイミングを単純に計測時間によって規定したが、計
測を行なう温度範囲によっても規定できる。この場合、
計測を行なう温度範囲での加熱体昇温時の通過所要短時
間が、計測値のばらつきが許容範囲内に収まる計測時間
以上となるように前記温度範囲を設定すれば良い。
【0226】すなわち、最大昇温速度が大きい装置では
温度範囲は広くとり、最大昇温速度が小さい系では計測
温度範囲は狭くてもよい。
【0227】この時、この温度範囲をTbase、そのT
base間の通過所要時間をtとすると、昇温速度vは v=d(Tbase)/dt で表せる。
【0228】本例では前記(1)乃至(4)の例と全く
同様の基本構成を持つ加熱定着装置、および制御テーブ
ルを用い、計測温度範囲を100°C〜160°Cとす
る。図29は本例の計測のタイミングを示すものであ
る。
【0229】加熱体に通電が開始され加熱体温度が上昇
すると、サーミスタ検知温度が100°C〜160°C
の間で、その昇温速度が検知される。
【0230】より具体的には、サーミスタ検出温度が1
00°Cに達した時点から160°Cを検出するまでの
間の時間が計測される。
【0231】なお、ここでの条件は前記(4)の例と同
じであるが計測のタイミングを計測時間で規定する場合
と違い、温度範囲で規定する場合は計測のための必要最
小時間は僅かに長くなる。図30はそれを示したものあ
る。
【0232】図30に示す通り温度範囲で計測のタイミ
ングを規定した場合、計測時間は、最後に計測開始温度
を検知した時より、最初に計測終了温度を検知するまで
の時間により決まる。この時、基本波数中での加熱体O
FF時が計測終了ポイントとなることがないのは明白で
ある。
【0233】したがって前記(4)の例では、必要最小
時間は加熱体OFF時を認め、716msecであった
が、本例のように温度範囲で計測を行なう場合には、2
0波制御で10波−ON、10波−OFFにて716m
secを超える基本波数周期の整数倍である800ms
ecが必要最小時間となる。
【0234】本例では、100°C〜160°C間での
通過所要時間は830msecとなり、基本波数は4個
入ることになる。すなわち、この通過所要時間は計測時
間の必要最小時間800msecを上回り、計測値のば
らつきは許容範囲内に収まることになる。
【0235】以上、いかなる時も必要最小限の計測時間
が得られるように計測温度範囲を設定することでも、ば
らつきを許容範囲内に抑えることができた。
【0236】以上の(1)乃至(5)の例のように、波
数制御により制御された電力量で加熱体を所定温度に立
ち上げる際に、その昇温速度を検知し、その速度に応じ
てその後の各種制御値を決定する加熱装置において、昇
温速度の検出時間を、少なくとも波数制御をの基本波数
の一周期に要する時間に等しく設定することで、速度の
検出の際の誤差を減らし、立ち上がり後の制御をより正
確に行なうことができるようになった。
【0237】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、フィルム
加熱方式の加熱装置について、小サイズの被加熱材の連
続通紙時における加熱体の非通紙領域の過昇温現象をお
さえることができ、また加熱体の温度変更に対しての制
御の誤検知をなくしてどのようなモードで装置を使用し
てもフィルムの温度を一定にでき、加熱装置が画像加熱
定着装置であるときの、定着不良や高温オフセットを防
止して良好な画像定着性を確保できる。
【0238】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の加熱装置(画像加熱定着装置)の
加熱体の途中省略・一部切欠き平面模型図と、通電制御
系のブロック図
【図2】 加熱体への通電方式の模式グラフ
【図3】 従来制御方式による通紙時の、加熱体の通紙
部と非通紙部の温度変化グラフ
【図4】 本発明に従う制御方式による、通紙時の加熱
体の通紙部と非通紙部の温度変化グラフ
【図5】 参考例の加熱装置の加熱体制御アルゴリズム
【図6】 従来制御方式の誤検知を示した加熱体温度変
化グラフ
【図7】 参考例に従う制御方式のときの加熱体温度変
化グラフ
【図8】 加熱体とフィルムの温度変化を通紙枚数毎に
示したグラフ
【図9】 加熱体制御アルゴリズム
【図10】 加熱体制御アルゴリズム
【図11】 従来制御方式の誤検知を示した加熱体温度
変化グラフ
【図12】 参考例に従う制御方式のときの加熱体温度
変化グラフ
【図13】 加熱体制御アルゴリズム
【図14】 加熱体温度変化グラフ
【図15】 実施例2の加熱装置の加熱体制御フローチ
ャート
【図16】 加熱体温度変化図
【図17】 加熱体とフィルムの温度変化図
【図18】 加熱体温度変化図
【図19】 実施例3の加熱装置の加熱体・フィルム・
加圧ローラの温度変化図
【図20】 加熱体制御アルゴリズム
【図21】 紙間リップルを示す図
【図22】 紙間リップルを示す図
【図23】 参考例の加熱装置の波数制御時の加熱体温
度変化図
【図24】 検知タイミングを説明する図
【図25】 基本波数毎の昇温速度を示す図
【図26】 基本波数内の測定誤差を示す図
【図27】 検知不可能時間を示すグラフ
【図28】 測定誤差が時間と共に減少することを示す
【図29】 昇温速度の測定を説明する図
【図30】 昇温速度の測定を説明する図
【図31】 フィルム加熱方式の加熱装置の一例(画像
加熱定着装置)の概略構成図
【図32】 加熱体の途中省略・一部切欠き平面模型図
【図33】 フィルム加熱方式の加熱装置の他の例の概
略構成図
【図34】 プリント時の加熱体温度・フィルム温度・
加圧ローラ表面温度の時間変化(通紙枚数毎)を示す模
式図
【図35】 誤検知した時の温調温度変化グラフ
【図36】 誤検知した時の温調温度変化グラフ
【図37】 加熱体の温度変化図
【図38】 加熱体の温度変化図
【符号の説明】
1 耐熱性フィルム 2 加熱体 3 ヒータ基板 4 通電発熱体 5・6 給電電極 7 表面保護層 8 温度検知部材(サーミスタ) 9 温度ヒューズ 10 加圧ローラ 11 駆動ローラ 12 従動ローラ T トナー画像 P 記録材 20・31〜33 通電制御系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 善本 敏生 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 英信 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 南部 朋子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 福沢 大三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−161484(JP,A) 特開 平3−166578(JP,A) 特開 平3−163464(JP,A) 特開 平3−12685(JP,A) 特開 平2−163787(JP,A) 特開 昭57−70575(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱体と、加熱体と摺動する耐熱性フィ
    ルムと、加熱体への通電を制御する通電制御手段と、を
    有し、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材を
    密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加
    熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを
    付与し、複数枚の被加熱材を連続して加熱する際は被加
    熱材間で加熱体の発熱を停止あるいは減少させる時間を
    設ける加熱装置において、搬送される被加熱材の枚数をカウントするカウンタを有
    し、被加熱材を連続して搬送する際、上記通電制御手段
    は、カウンタのカウント値に応じて被加熱材間での加熱
    体の発熱を停止あるいは減少させる時間を設定する こと
    を特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 加熱体と、加熱体と摺動する耐熱性フィ
    ルムと、加熱体への通電を制御する通電制御手段と、を
    有し、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材を
    密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加
    熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを
    付与し、複数枚の被加熱材を連続して加熱する際は被加
    熱材間で加熱体の発熱を停止あるいは減少させる時間を
    設ける加熱装置において、 被加熱材を連続して搬送する際、上記通電制御手段は、
    被加熱材間での加熱体の温度降下速度に応じて次の被加
    熱材間での加熱体の発熱を停止あるいは減少させる時間
    を設定することを特徴とする 加熱装置。
  3. 【請求項3】 加熱体と、加熱体と摺動する耐熱性フィ
    ルムと、加熱体への通電を制御する通電制御手段と、を
    有し、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材を
    密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加
    熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを
    付与し、複数枚の被加熱材を連続して加熱する際は被加
    熱材間で加熱体の発熱を停止あるいは減少させる時間を
    設ける加熱装置において、 加熱体を所定の温度に維持するための電力を検知する手
    段を有し、上記通電制御手段は、少なくとも1つの基準
    電力よりも検知電力が高い場合と低い場合で加熱体の発
    熱を停止あるいは減少させる時間を設定することを特徴
    とす る加熱装置。
  4. 【請求項4】 加熱体と、加熱体と摺動する耐熱性フィ
    ルムと、加熱体への通電を制御する通電制御手段と、を
    有し、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材を
    密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加
    熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを
    付与し、複数枚の被加熱材を連続して加熱する際は被加
    熱材間で加熱体の発熱を停止あるいは減少させる時間を
    設ける加熱装置において、 上記通電制御手段は、加熱体位置に被加熱体が存在しな
    い場合に加熱体の発熱量を一時的に増加させ、その間の
    加熱体の温度上昇量に基づいてその後の発熱停止あるい
    は減少させる時間を設定することを特徴とする 加熱装
    置。
  5. 【請求項5】 加熱体と、加熱体と摺動する耐熱性フィ
    ルムと、加熱体への通電を制御する通電制御手段と、を
    有し、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材を
    密着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加
    熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを
    付与し、複数枚の被加熱材を連続して加熱する際は被加
    熱材間で加熱体の発熱を停止あるいは減少させる時間を
    設ける加熱装置において、 上記通電制御手段は、加熱体の発熱を停止あるいは減少
    させた後に再度加熱する際の温度上昇速度に応じてその
    次の被加熱体間の加熱体の発熱停止あるいは減少させる
    時間を設定することを特徴とする 加熱装置。
  6. 【請求項6】 加熱体の発熱を停止あるいは減少させる
    時間を設ける制御は、被加熱材のサイズが所定サイズよ
    り小さいときに行われることを特徴とする請求項1乃至
    5の何れか に記載の加熱装置。
  7. 【請求項7】 加熱装置が、未定着画像を担持させた記
    録材を加熱して像定着する画像加熱定着装置であること
    を特徴とする請求項1乃至同5の何れかに記載の加熱装
    置。
  8. 【請求項8】 加熱体に耐熱性フィルムを接触摺動さ
    せ、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材を密
    着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加熱
    体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを付
    与する加熱装置において、 加熱体の温度検知手段と、該温度検知手段の検知温度が
    一定の温度T1に維持されるよう加熱体へ通電する手段
    を持ち、上記被加熱材が加熱体位置に存在しないときに
    前記温度T1より低い温度T´に加熱体を制御すると共
    に、温度T1から温度T´へ制御を切り換えたときから
    所定の時間内に温度T´に達した場合に次の被加熱体に
    対する加熱体の制御温度はT1とし、所定の時間内に達
    しない場合には次の被加熱体に対する加熱体の制御温度
    を温度T1より低い温度T2とすることを特徴とする加熱
    装置。
  9. 【請求項9】 加熱体に耐熱性フィルムを接触摺動さ
    せ、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材を密
    着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加熱
    体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを付
    与する加熱装置において、 加熱体の温度検知手段と、該温度検知手段の検知温度が
    一定の温度T1 に維持されるよう加熱体へ通電する手段
    を持ち、上記被加熱材が加熱体位置に存在しないときに
    前記温度T1より低い温度T´に加熱体を制御すると共
    に制御温度T´に達したときから予め定められた必ず制
    御温度に達しているときまでの時間tを計測し、該時間
    tが所定の時間より長い場合に次の被加熱材に対する加
    熱体の制御温度を温度T1より低い温度T2 とし、時間
    tが所定の時間以下の場合には次の被加熱材に対する加
    熱体の制御温度をT1に制御することを特徴とする加熱
    装置。
  10. 【請求項10】 加熱装置が、未定着画像を担持させた
    記録材を加熱して像定着する画像加熱定着装置であるこ
    とを特徴とする請求項8又は同9に記載の加熱装置。
  11. 【請求項11】 加熱体に耐熱性フィルムを接触摺動さ
    せ、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材を密
    着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加熱
    体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを付
    与する加熱装置において、 被加熱体が加熱装置の加熱領域を通過していないときに
    加熱体への電力供給をHighとLowの2値で制御
    し、このときの加熱体の温度リップルを基に次に加熱領
    域に入る被加熱材に対する加熱体の制御温度を決定する
    ことを特徴とする加熱装置。
  12. 【請求項12】 加熱体に耐熱性フィルムを接触摺動さ
    せ、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材を密
    着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加熱
    体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを付
    与する加熱装置において、 被加熱体が加熱装置の加熱領域を通過していないときに
    加熱体への電力供給をHighとLowの2値で制御
    し、このHigh時又はLow時の温度変化率を基に次
    に加熱領域に入る被加熱材に対する加熱体の制御温度を
    決定することを特徴とする加熱装置。
  13. 【請求項13】 加熱体に耐熱性フィルムを接触摺動さ
    せ、該フィルムの加熱体とは反対側の面に被加熱材を密
    着させて該フィルムと共に加熱体位置を通過させて加熱
    体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを付
    与する加熱装置において、 被加熱体が加熱装置の加熱領域を通過していないときに
    加熱体への電力供給をHighとLowの2値で制御
    し、この時の加熱体の温度リップルのピークまたはボト
    ムを基に次に加熱領域に入る被加熱材に対する加熱体の
    制御温度を決定することを特徴とする加熱装置。
  14. 【請求項14】 加熱装置が、未定着画像を担持させた
    記録材を加熱して像定着する画像加熱定着装置であるこ
    とを特徴とする請求項11又は同13に記載の加熱装
    置。
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