JPH0527740B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野） 本発明は床衝撃音を低減し、かつ歩行感の良い
複合床材を提供するものである。 （従来の技術） 近年マンシヨン等の集合住宅に木床を施工する
場合が増加しているが、木床のみをコンクリート
床面に施工すると、床衝撃音が大きく、居住の快
適性が著しく失われていた。この問題を解決する
ために木床裏面に床衝撃音を低減する目的で単に
高倍率の発泡体を設けたが、この場合は床材上を
歩行すると発泡体が圧縮されて足元が急に沈んで
歩行感が悪いという欠点が生じた。一方、木床裏
面に低倍率の発泡体を設けた場合は歩行感は向上
するが床衝撃音は吸収されないという問題点があ
る。 （発明が解決しようとする問題点） 本発明の目的は上記問題点を解消し、快適な歩
行感を有すると同時に優れた防音性を有する複合
床材を提供することにある。 （問題点を解決するための手段） 本発明は(a)硬質表面材と該表面材と床下地間に
位置する下部波状形状の低倍率の発泡層からな
り、かつ(b)発泡層内部及び発泡層と床下地間又
は、(c)発泡層と硬質表面材間及び発泡層と床下地
間に空〓を有することを特徴とする複合床材に係
る。 本発明において、空〓部は(b)発泡層内部及び発
泡層と床下地間又は、(c)発泡層と硬質表面材間及
び発泡層と床下地間に存在する。本発明において
は上記発泡層の床下地に接する側の表面は波状で
あるので該発泡層と床下地間に空〓部が生じる。
以下図面に基づいて説明する。 第１図は本発明複合床材の断面図である。１は
硬質表面材である。硬質表面材は４〜15mmの木質
板、パーテイークルボード、ハードボード等が適
している。この表面材上には化粧板（つき板）や
印刷模様や保護層が設けられてもよい。 硬質表面材と床下地Ｇ間には、ゴム、ポリ塩化
ビニル（PVC）、ポリウレタン等の軟質発泡層が
形成される。この発泡層は床下地からの高さが３
〜７mmで低発泡で弾性率の高い方が望ましい。発
泡層は上部発泡層（以下上部層という）２及び下
部発泡層（以下下部層という）４が一体的に成型
されている。 第１図においては上部層２と下部層４に囲まれ
た発泡層内部および下部層４と床下地間に空〓部
を生じる。上部層２と下部層４が一体成形され、
上部層２と下部層４間に空〓部３が形成される。
空〓部３は下部層４において上下方向に形成され
た仕切り壁Ａによつて水平方向に多数の空間に分
割されて遮蔽される。仕切り壁Ａの外側にも溝
（即ち空〓部）５が下部層４と床下地Ｇとの間に
形成される。 本発明における発泡層の形成方法としては、オ
ープンメツシユに軟質PVC、ゴム、ポリウレタ
ン樹脂を垂れさせた状態で発泡させるとよい。こ
のようにして得られた発泡層は輪郭の突出した山
腹状側を床下地側にして、上記硬質表面材の下に
積層される。 第２図は本発明の他の実施態様の断面図であ
る。前述の硬質表面材１の裏面に中間シート６を
積層する。中間シート６としては薄いプラスチツ
クシート軽量不織布またはメツシユが好適であ
る。中間シート６の裏側の中間シートと床下地間
には高さが３〜７mmとなるように発泡層からなる
裏打ち材９が形成される。この裏打ち材は前記と
同様の発泡体より得られ、上部層７及び下部層８
から構成され、上部層７と下部層８は凹状部と凸
状部を有する波状の一体化された発泡層で中間シ
ートから床下地に向かつて多数の凸状部が突出さ
れるように積層される。裏打ち材９は弾性が高い
方が望ましい。上記構成に複合床材においては、
表面材１及び上部層７との間に空〓部１０が、ま
た下部層８と床下地Ｇとの間に空〓部１０′が形
成される。 上部層７及び下部層８を形成する方法として、
前述のようにオープンメツシユコンベアーベルト
開口部に発泡性樹脂を垂らして発泡するか、波状
のキヤビテイーの金型に発泡性樹脂を注入して、
加熱発泡し、凹状部と凸状部を有する波状シート
を形成する方法が例示される。第３図は第２図の
複合床材の一部を切欠いた斜視図である。１は硬
質表面材、６は中間シート、７は上部層、８は下
部層、１０は上部層と表面材間の空〓部、１０′
は下側に突出した下部層８外側同士間の谷間に生
じた空〓部である。中間シート６は上部層７を補
強して伸びを防止し、寸法安定性を向上させる。
第４図は第１図の床材に荷重がかかつた図、第５
図は第２図の床材に荷重がかかつつた図である。
矢印方向の荷重Ｗがかかると第４図における下部
層が変形して空〓部が非常に小さくなり、下部層
は１４のような状態になり、同様に第５図におい
て下部層は変形して１５になり、空〓部は非常に
小さくなり、次いで第４図の上部層２、第５図の
上部層７が序々に圧縮される。なお本発明におい
て、圧縮変形した発泡層は荷重を取り除けば元の
状態に直ちに回復する。 本発明においては、床材には上部層と下部層と
からなる発泡層裏打ち材があり、歩行等の荷重を
加えると、波形発泡層の先端部分が直ちに圧縮さ
れてその後上部層が緩やかに圧縮されるので、床
及び歩行者に与える衝撃が緩和されるのである。
このようにして床衝撃音が小さく、かつ快適な歩
行感の床材が始めて得られるのである。本発明に
おいては発泡層と硬質表面材を施工時に貼合わせ
てもよい。 （発明の効果） １ 硬質表面材であるにも拘わらず良好な歩行感
が得られる。 ２ 床衝撃音が抑制され居住性が良い。 ３ 断熱性がある。 ４ 衝撃吸収性が良く、転倒しても怪我をしな
い。 （実施例） 実施例 １ ６mmの合板の硬質表面材に極く薄い不織布の中
間層を介して、天然ゴム２倍発泡で平均２mm厚の
波形状発泡体を裏打ちして本発明複合床材を得
た。この複合床材は、表面材と発泡層間及び発泡
層と床下地間に空〓部を有し表面材と床地下間が
約５mmであつた。この床材をコンクリート床下地
に施工した。 比較例 １ ６mm合板の硬質表面材のみ床材として施工し
た。 比較例 ２ 比較例１の硬質表面材に、30倍発泡で約５mmの
ウレタンシートを空〓部を生じないように裏打ち
し複合床材を得た。これを床下地に施工した。 比較例 ３〜４ 比較例１の硬質表面材に、天然ゴム２倍発泡で
２mm厚（比較例３）及び５mm厚（比較例４）の発
泡体を空〓部を生じないように裏打ちし複合床材
を得た。これを床下地に施工した。 得られた実施例１、比較例１〜４の床材及びブ
ランク（コンクリート）のタツピングマシンによ
る床衝撃音と歩行感を試験した。結果を第１表に
示す。

【表】 ○：良い ×：悪い
比較例１では、Ｌ値は63であり、ブランクより
も良いが実施例１と比較すると床衝撃音は高かつ
た。また歩行感も硬く悪かつた。比較例２は高倍
率で厚さのある発泡層で裏打らされた床材であ
る。床衝撃音はＬ値47と相当減少したが、床材が
沈む感じで歩行感も悪かつた。比較例３及び４は
空〓がないためＬ値はそれ程低下せず、又、歩行
感も良くなかつた。 本発明は、Ｌ値が44で床衝撃音が極めて低くま
た歩行感も優れていた。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明床材断面図であり、
第３図は第２図の床材の一部を切欠いた斜視図で
あり、第４図は第１図に荷重を加えた図、第５図
は第２図に荷重を加えた図である。 １は硬質表面材、３，５，１０，１０′は空〓
部、２，７は上部発泡層、４，８は下部発泡層で
ある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ (a)硬質表面材と該表面材と床下地間に位置す
   る下部波状形状の低倍率の発泡層からなり、かつ
   (b)発泡層内部及び発泡層と床下地間又は、(c)発泡
   層と硬質表面材間及び発泡層と床下地間に空〓部
   を有することを特徴とする複合床材。