JPH05276973A - 活性シアル酸の製造方法 - Google Patents

活性シアル酸の製造方法

Info

Publication number
JPH05276973A
JPH05276973A JP4189647A JP18964792A JPH05276973A JP H05276973 A JPH05276973 A JP H05276973A JP 4189647 A JP4189647 A JP 4189647A JP 18964792 A JP18964792 A JP 18964792A JP H05276973 A JPH05276973 A JP H05276973A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
neu5ac
cmp
acid
purification step
cell extract
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4189647A
Other languages
English (en)
Inventor
Matthias Kittelmann
キッテルマン マッティアス
Oreste Ghisalba
ギサルバ オレステ
Teresa Klein
クライン テレサ
Udo Kragl
クラグル ウード
Christian Wandrey
バンドレイ クリスチャン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Novartis AG
Forschungszentrum Juelich GmbH
Original Assignee
Ciba Geigy AG
Forschungszentrum Juelich GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ciba Geigy AG, Forschungszentrum Juelich GmbH filed Critical Ciba Geigy AG
Publication of JPH05276973A publication Critical patent/JPH05276973A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/26Preparation of nitrogen-containing carbohydrates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/26Preparation of nitrogen-containing carbohydrates
    • C12P19/28N-glycosides
    • C12P19/30Nucleotides
    • C12P19/305Pyrimidine nucleotides

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はシチジン5′−モノホスホシアル酸
の製造方法に関する。 【構成】 前記方法は、シチジン5′−モノホスホ−N
−アセチルノイラミン酸シンセターゼ活性を有する天然
微生物の細胞抽出物の存在下で、シアル酸とシチジン
5′−三リン酸とを反応させることを含んで成り、ここ
で前記抽出物は場合により一精製段階にかけられている
ことがある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物細胞抽出物を使
った、活性シアル酸、特にCMP-活性シアル酸の新規製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シアル酸は、配糖体、例えば糖タンパク
質や糖脂質の必須成分として、多数の生物学的過程にお
いて重要な役割を果たしている。例えば、細胞表面に存
在するシアリルオリゴ糖は、ウイルス、マイコプラズ
マ、植物および動物レクチン、細菌毒素、インターフェ
ロン並びに或る種の腫瘍特異的および血液型特異的抗体
に対するレセプター決定基である。更に、末端シアリル
基は、しばしばそれらが末端にあるグリカン基のマスキ
ング機能を果たすので、末端シアリル基の存在または不
在は配糖体の生物学的半減期に対して決定的な影響を与
え得る。例えば、組換え酵母タンパク質〔例えばS.セ
レビシェー(S. cerevisiae)由来の組換えt-PA〕の高
マンノース型N−グリカン鎖を酵素で分解し、上記のよ
うな方法で保護されたタンパク質に末端ガラクトシル−
シアル酸基を付けることにより、かなり長い生物学的半
減期を達成することができる。
【0003】約30種の異なる天然シアル酸が知られてお
り、N−アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)が最も重要であ
る。詳細な研究により示されるように、シアリル化配糖
体の生合成はヌクレオチドリン酸で活性化されたシアル
酸、特にシジチン5′−一リン酸(CMP) −活性シアル酸
を使って行われ、該活性シアル酸は特定のシアリルトラ
ンスフェラーゼの存在下で伸長する炭化水素鎖に取りつ
けられる。ヌクレオチドリン酸−活性シアル酸、例えば
特にCMP-Neu5Acの多数の合成方法が文献から既知であ
る。例えばVannら〔J. Biol. Chem. (1987) 262, 17556
-17562〕およびWarrenら〔同文献 (1962) 237, 3527-35
34〕は、数回の精製段階にかけられており対応する細菌
のCMP-Neu5Acシンセターゼを含有するE.コリ(E. co
li)およびN.メニンギチジス(N. meningitidis)か
らの酵素調製物をそれぞれ使って、シチジン三リン酸(C
TP) とNeu5AcからCMP-Neu5Acを製造している。一方、最
近になってIchikawaら〔J. Am. Chem. Soc. (1991) 11
3, 4698-4700 〕およびShamesら〔Glycobiology (1991)
第1巻,第2号,187-191 〕は、組換え遺伝子操作法
により調製しそして抗体アフィニティークロマトグラフ
ィーまたは色素リガンドアフィニティークロマトグラフ
ィーにより精製したE.コリ CMP-Neu5Ac シンセターゼ
を使っている。より慣例的方法では、CTP とNeu5Acを反
応させてCMP-Neu5Acを形成せしめるのに動物起源(例え
ばブタ、ウマ、子ウシ、ウシ、カエル)の酵素調製物が
使われている。例えばHigaら〔J. Biol. Chem. (1985)
260, 8838-8849〕、Thiem ら〔Liebigs Ann. Chem. (19
90), 1101-1105〕、Gross ら〔Eur.J. Biochem. (1987)
168, 595-602〕、ドイツ国特許出願公開第3 626 915
号を参照のこと。文献から既知である他の方法では、あ
る場合には反応体であるCTPおよび/またはNeu5Acをそ
の場で調製し、そしてCMP-Neu5Acシンセターゼの存在下
で更に反応させてCMP-Neu5Acを得ている。例えば、CMP
をCTP に変換することができる酵母細胞またはホスホエ
ノールピルビン酸、CMP およびATP からCTP を調製し
〔Simon ら、J. Am. Chem. Soc. (1988) 110, 7159-716
3 ; Simon ら、Methods Enzym. (1989) 179, 275-287 ;
Auge ら、Tetrahedron Lett. (1988) 29,789-790 ;特
開平 2 177 891号を参照のこと〕、そしてN−アセチル
グルコサミンまたはN−アセチルマンノサミンとピルビ
ン酸塩からNeu5Acを調製している〔Simon ら (1988, 19
89) 前掲〕。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】既知の方法は、まず第
一に、動物酵素調製物を製造するのに複雑で且つ費用の
かかる精製方法を使わなければならず、しかも動物組織
の細胞ホモジネート中に極少量しかCMP-Neu5Acシンセタ
ーゼが存在しないので、調製目的に要求される量の酵素
を得るために大量のバイオマスを処理しなければならな
いという欠点を有する。第二に、酵素源として動物組織
を使う場合、その源が常に多量で且ついつも高品質で入
手できるかまたは使用に問題を与えるウイルスに汚染さ
れていないだろうという保証は全くない。従って、いつ
も高品質で所望の量において、特に動物源から酵素を得
る時に付随する欠点や危険を伴わずに酵素を得ることが
できる、CMP-Neu5Acシンセターゼの新規調製方法に対す
る要望がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】全く驚くべきことに、シ
チジン5′−モノホスホ−N−アセチルノイラミン酸シ
ンセターゼ(CMP-Neu5Acシンセターゼ)活性を有する天
然の微生物から、更なる精製を伴わずに、または唯一の
予備精製段階の後に、対応するCMP-活性ノイラミン酸を
形成するCTP とノイラミン酸との反応を触媒する粗細胞
抽出物を得ることができることを発見した。本発明の細
胞抽出物は、標準化された条件下での醗酵により単純な
方法で、常に高い酵素活性の大量のバイオマスを得るこ
とができるので、任意の所望の量で入手することができ
る。
【0006】従って、本発明は、シチジン5′−モノホ
スホシアル酸の製造方法であって、シチジン5′−モノ
ホスホ−N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ活性を
有する天然微生物の細胞抽出物の存在下でシアル酸をシ
チジン5′−三リン酸と反応させることを含んで成り、
ここで前記抽出物は場合により一精製段階にかけられる
ことがある、シチジン5′−モノホスホシアル酸の製造
方法に関する。
【0007】本発明に係る適当なシアル酸は、例えば、
Reuterら〔Proceeding of the Japanese-German Sympos
ium on Sialic Acids (1988), 98-100〕において言及さ
れたものである。下記のシアル酸が特に適当である:N
−アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)、N−アセチル−4−
O−アセチルノイラミン酸(Neu4,5Ac2) 、N−アセチル
−9−O−アセチルノイラミン酸(Neu5,9Ac2) 、N−ア
セチル−7,9−ジ−O−アセチルノイラミン酸(Neu5,
7,9Ac3) 、N−アセチル−8,9−ジ−O−アセチルノ
イラミン酸(Neu5,8,9Ac3) 、N−アセチル−9−O−ラ
クトイルノイラミン酸(Neu4Ac9Lt) 、N−アセチル−4
−O−アセチル−9−O−ラクトイルノイラミン酸(Neu
4,5Ac29Lt)、N−アセチルノイラミン酸9−リン酸(Neu
5Ac9P)、N−グリコロイルノイラミン酸(Neu5Gc)、N−
グリコロイル−9−O−アセチルノイラミン酸(Neu9Ac5
Gc) 、N−グリコロイル−9−O−ラクトイルノイラミ
ン酸(Neu5Gc9Lt) 、N−グリコロイルノイラミン酸8−
硫酸(Neu5Gc8S)、5−アジドノイラミン酸、N−アセチ
ル−9−アジド−9−デオキシノイラミン酸およびN−
アセチル−9−アセトアミド−9−デオキシノイラミン
酸。Neu4,5Ac2 、Neu5,9Ac2 、Neu5Gc、Neu9Ac5Gc 、N
−アセチル−9−アセトアミド−9−デオキシノイラミ
ン酸、N−アセチル−9−アジド−9−デオキシノイラ
ミン酸、5−アジドノイラミン酸および特にNeu5Acが注
目される。
【0008】上述のシアル酸化合物はそれ自体で反応に
使うことができ、または反応混合物中で適当な前駆体か
らその場で製造することもできる。例えば、Neu5Acは、
N−アセチルマンノサミン(Man2Ac)とピルビン酸塩から
その場で製造することができ、この場合反応混合物に更
にNeu5Acアルドラーゼを添加することが必要である。更
に、反応にNeu5Acを使う代わりに、例えばN−アセチル
グルコサミンを使い、N−アセチルグルコサミンエピメ
ラーゼと前記アルドラーゼの存在下でピルビン酸塩を使
ってMan2Acを経てNeu5Acに変換することが可能である。
【0009】同様に、シチジン5′−三リン酸(CTP) を
それ自体で反応に使うことができ、またはCTP に変換す
ることのできる化合物の形で使うこともできる。適当な
前駆体は、例えば、シチジン5′−二リン酸(CDP) また
は特にシチジン5′−一リン酸(CMP) であり、これらは
適当な酵素の存在下でATP またはホスホエノールピルビ
ン酸によりCTP に変換される。CMP またはCDP からCTP
への変換に必要な酵素は本発明に従って使われる粗微生
物抽出物中に既に含まれているので、外因性酵素の添加
は不要である〔文献中に記載された方法、例えばThiem
ら、Augeら、Simon ら(1988,1998,前掲)では、CTP も
その場で製造される場合があるが、市販の酵素が使われ
る〕。
【0010】本発明に従って使うことができるCMP-Neu5
Acシンセターゼ活性を有する天然微生物の細胞抽出物
は、特にエシェリキア・コリ(Escherichia coli)血清
型K1、ストレプトコッカス(Streptococcus )血清型B
またはCの種、ナイセリア・メニンギチジス(Neisseri
a meningitidis)、パスツレラ・ヘモリチカ(Pasteure
lla haemolytica )、パスツレラ・マルトサイダ(Past
eurella multocida)、モラクセラ・ノンリクェファシ
エンス(Moraxella nonliquefaciens)、シトロバクタ
ー・フロインディ(Citrobacter freundii)、サルモネ
ラ(Salmonella)種、例えばS.ダーレム(S. dahle
m)、S.ジャカルタ(S. djakarta)またはS.トロ
ウカ(S. trouca)、アクチノマイセス・ビスコーサス
Actinomyces viscosus)およびコリネバクテリウム・
パルブム(Corynebacterium parvum)の細胞抽出物であ
る。理論上、CMP-Neu5Acシンセターゼ活性を有する全て
の微生物の細胞抽出物を使うことができる。血清型K1の
E.コリ株、特にE.コリK-235 (ATCC 13027)が好まし
い。
【0011】そのようなCMP-Neu5Acシンセターゼ活性を
有する天然微生物は、突然変異によりそれ自体既知の方
法で、例えば一般に既知の変異原、例えば紫外線もしく
はX線、または変異原性化学物質を使って、改善された
性質、例えば低栄養培地要求、高い増殖速度および特に
高いCMP-Neu5Acシンセターゼ活性によってその親から区
別される変異体に変換することができる。そのような変
異体は自然に生じることもある。そのような変異体の同
定および単離はそれ自体既知の方法で行うことができ
る。例えば、細胞の破壊後、細胞残渣のアリコート部分
に特定量のCTP とNeu5Acを添加し、そしてクロマトグラ
フィーにより、特にHPLCにより、形成されたCMP-Neu5Ac
を定性的にまたは定量的に測定することにより、そのよ
うな変異体のコロニーのCMP-Neu5Acシンセターゼ活性を
評価する。特に好ましい変異体は増加されたCMP-Neu5Ac
シンセターゼ活性および/または減少された粘液形成を
有するE.コリ K-235の変異体である。E.コリ K-235
/CS1と命名された自然発生変異体は、大きな領域で増殖
する粘液性E.コリ K-235コロニーのサテライトコロニ
ーとして単離された。この新規変異体は次の点で親の微
生物とは異なる:1)コロニーの形態、2)醗酵中の高
い増殖速度、および3)振盪培養中および醗酵中の高い
比活性。しかし、細胞形態(顕微鏡下での像)および利
用可能な炭素源のスペクトルは同じである。この新規
E.コリ K-235/CS1も本発明の一部を構成する。
【0012】微生物細胞抽出物の存在下でのシアル酸例
えばNeu5AcとCTP との反応は、好ましくは約10〜50mM、
特に約20〜40mM Mg2+ 、例えば対応するハロゲン化物も
しくは硫酸塩、例えばMgCl2 もしくはMgSO4 の形、の存
在下で行われ、または約5 〜30mM、特に約10〜15mM Mn
2+ 、例えば対応するハロゲン化物もしくは硫酸塩、例
えばMnCl2 もしくはMnSO4 の形、の存在下で行われる。
反応混合物のpH値は、Mgイオンの存在下では約 8〜11、
好ましくは 8〜10に調整され、そしてMnイオンの存在下
では約 6〜8 、好ましくは7.5 に調整され、そして該pH
値の安定化のために、反応はそれ自体既知の方法で緩衝
液中でまたはpHスタットを使って行われる。反応温度は
約20〜35℃、好ましくは約25〜30℃である。反応体は好
ましくは等モル量で使われる。
【0013】CTP のその場生成の場合、手順は上記に記
載のものと同様であるが、ただしCTP の代わりに等モル
量のCMP(またはCDP)とATP またはホスホノエノールピル
ベート(PEP) が使われ、ここでATP とPEP は所望により
過剰量で、例えば2倍〜3倍過剰量で使うこともでき
る。
【0014】N−アセチルマンノサミン(Man2Ac)とピル
ビン酸塩からのNeu5Acのその場生成は、Neu5Acアルドラ
ーゼの存在下で行われる。該アルドラーゼの最適pH値は
中性域にあるので、反応はpH 6〜8 、好ましくはpH 7〜
7.5 において行われる。このため、生成したNeu5Acのそ
の後の活性化ではMn2+塩を使用することが好ましい。同
様に、N−アセチルグルコサミンとピルビン酸塩からの
Neu5Acのその場生成の場合、添加されるN−アセチルグ
ルコサミンエピメラーゼ(N−アセチルグルコサミンか
らN−アセチルマンノサミンへの変換を触媒する)と上
述のNeu5Acアルドラーゼは両方とも中性域に最適活性を
有するため、反応は同じく中性域で、例えばpH 6〜8 、
好ましくはpH 7〜7.5 において行われる。結論として、
最後の場合も同様に、生成したNeu5Acのその後の活性化
に最適条件を提供するためにMn2+塩の存在下で反応を行
うことが好ましい。
【0015】本発明に従った微生物酵素の助力下でのCT
P によるシアル酸例えばNeu5Acの活性化は、所望の主生
成物(CMP-活性シアル酸)の他に生成する反応副生成物
(ピロホスフェート)を2当量のホスフェートに加水分
解することにより反応平衡から除去するピロホスファタ
ーゼの存在下で行われる。こうして、反応の平衡点を生
成物の方に一層シフトさせることができ、これはNeu5Ac
アルドラーゼとCMP-Neu5Acシンセターゼ、またはN−ア
セチルグルコサミンエピメラーゼと前記アルドラーゼか
ら成る共役酵素系を使う時に特に有利である。
【0016】本発明の方法は、バッチ法としてまたは酵
素膜リアクター(EMR) 中で連続的に行うことができる。
後者の場合、反応混合物中に含まれる酵素が保持される
一方で低分子量生成物(CMP-活性シアル酸、例えばCMP-
Neu5Ac)と未反応の反応体が膜を通過して流出液から生
成物を単離することができるように、酵素膜リアクター
に好ましくは約30,000未満の分離限界を有する限外濾過
膜が取り付けられる。該リアクターは、好ましくは抗菌
性物質の添加を省くことができるように、使用前に滅菌
される。反応は上述したのと同様に行われ、そして例え
ばNeu5Acを出発物質として使用する場合には、与えられ
た理由で、最適pH値を同時に考慮しながらMn2+またはMg
2+塩のいずれか一方を使用することができ、一方対応す
るpH値でのN−アセチルマンノサミンまたはN−アセチ
ルグルコサミンからのNeu5Acのその場生成の場合には、
Mn2+の使用が好ましい。EMR 中でのCMP-活性シアル酸の
連続製造の場合には、出口にpHモニター(pHプローブ)
を取りつけ、そして生成するピロリン酸塩を中和するpH
調節器(pHスタット)(NaOHの添加)を入口に取りつけ
ることが有利である。他の点で、酵素膜リアクター中で
の反応のパラメーターは、ドイツ国特許出願公開(Offen
legungsschrift) 第3 937 891 号に従って、EMR 中での
Neu5Acについて記載されたように決定され選択される。
【0017】本発明の方法は、適当なpH値に調整されて
いる反応体CTP とシアル酸を含む溶液を、粗微生物抽出
物中に含まれるCMP-Neu5Acシンセターゼが固定化されて
いる固体担体上にプレコーティングすることにより行う
こともできる(例えば、CNBr−活性セファロース、eupe
rgite 等上への粗微生物抽出物のプレコーティングによ
り、母材に結合した酵素調製物が得られる)。
【0018】反応混合物の後処理および本発明に従って
調製されたCMP-活性シアル酸の精製は、技術の現状から
既知である常法により行われる。例えば、反応混合物を
濾過によりまたは好ましくは遠心により清澄化すること
ができ、次いで限外濾過(≦30,000ダルトンの分離限界
を有する膜)により酵素を分離することができ、そして
生成物を滞留物から透析により洗浄することができる。
次いで、例えばクロマトグラフィー法、例えばゲルクロ
マトグラフィー(特にセファデックスG-25)、イオン交
換クロマトグラフィー、例えばアニオン交換クロマトグ
ラフィー、薄層クロマトグラフィー、HPLC等により、事
実上の精製が行われる。反応が終わった時にまだ反応混
合物中に残っているシチジンヌクレオチド(CMP, CDPお
よびCTP)を、アルカリホスファターゼを使って脱リン
酸すると、精製方法を相当単純化することができる。
【0019】上記方法に従って使用される細胞抽出物を
得るために、シチジン5′−モノホスホ−N−アセチル
ノイラミン酸シンセターゼ活性を有する天然微生物、特
に上述したものの1つを、同化可能な炭素源および窒素
源並びに無機塩を含有する水性栄養培地中で、約 6〜9
、好ましくは約6.5 〜7 のpH値において、そして約33
〜40℃、特に約37℃において培養し、バイオマスを除去
し、そして細胞抽出物を得る。上記微生物の培養は好気
的に(例えば振盪フラスコ中で)行われ、ただしコリネ
バクテリウム・パルブム(Corynebacterium parvum)の
場合には、嫌気的にまたは非常に低い酸素分圧において
のみ繁殖することができ、例えば空気を排除しながら且
つ攪拌することなく厚層中でのインキュベーションによ
り培養が行われる。醗酵時間は、CMP-Neu5Acシンセター
ゼ活性に関する最適力価が達成されるように選択され
る。
【0020】適当な微生物の好結果培養のために、良好
な通気(C.パルブムの場合を除く、前記参照)、更に
は栄養素の段階的添加(「供給バッチ」)が重要であ
る。適当な炭素源は特に単純有機酸、例えば酢酸、リン
ゴ酸、乳酸またはコハク酸、および糖、例えば特にグル
コースまたはソルビトールである。適当な窒素源は対応
する無機塩、特に無機酸のアンモニウム塩、例えば塩化
アンモニウムまたは硫酸アンモニウム(例えばE.コリ
とサルモネラ種の場合)、および複合窒素含有混合物、
例えば、単独でまたは組み合わせて、肉エキス、酵母エ
キス、カゼイン水解物、コーン浸漬液、ブレインハート
インフュージョン、トリプティカーゼソイブロス等であ
る。栄養培地は、好ましくは複合形態で(例えば上記の
複合窒素含有混合物中に含まれる)、増殖促進物質、例
えばビタミン、プリン、ピリミジン、アミノ酸および微
量元素も含む。本発明に従って使用される幾つかの微生
物、例えばE.コリの場合には、有機炭素源、例えば上
述したものの1つを有する無機塩培地を使用することも
可能である(場合により限定された増殖促進物質の添加
を伴う)。良好な増殖のために、或る病原微生物、例え
ばモラクセラ(Moraxella )またはパスツレラ(Pasteu
rella )種は、更にヘミンまたは他の因子(これは血液
の形で提供することができる)の存在を要求する。それ
自体既知の方法での実験により、使用する特定微生物に
対する最適培養パラメーターを確かめることが有利であ
る。
【0021】細胞密度が適切な値に達したら、培養を中
断する。既知の方法により、例えば遠心により培養ブロ
スを分離し、そして沈澱した細胞を常法により、例えば
微小ガラスビーズとの振盪により、超音波処理により、
またはフレンチプレスを使って破壊する。不溶性細胞成
分と、使用した場合にはガラスビーズを、例えば遠心に
より除去し、そして残渣を酵素源(粗抽出物)として使
用する。残渣は、CMP-Neu5Acシンセターゼ含有粗抽出物
として、本発明の方法に直接使用することができる。し
かしながら、核酸(粘稠溶液)を除去するために、粗抽
出物をポリカチオン剤、例えばポリエチレンイミン、ポ
リアミン、例えばスペルミジン、硫酸ストレプトマイシ
ン、またはリボヌクレアーゼもしくはMn2+塩で処理し、
沈澱した核酸を遠心により除去することが有利である。
【0022】細胞ホモジネートからの細胞破片の分離
は、水性二相系を使って行うこともできる。そのために
は、塩、例えばクエン酸ナトリウムもしくはカリウム、
またはリン酸ナトリウムもしくはカリウム、およびエシ
ェリキア・コリ(Escherichiacoli)K-235 の破壊細胞
ホモジネートを、ポリマー、例えば400 〜20,000の分子
量(MW)を有するポリエチレングリコール(PEG) 、または
デキストラン、特に400〜4000のMWを有するPEG に添加
する。3つの成分を下記に与える量で混合しそして/ま
たは振盪する。遠心後、二相は、酵素の大部分が存在す
るPEG に富む上相と、細胞破片、核酸、付随のタンパク
質および他の固体成分が濃縮されている塩に富む下相を
与える。本発明に従って使用される好ましい二相系は下
記のように構成される。
【0023】 ─16〜20 w/vの量のPEG (MW 1550〜4000) 。 ─9 〜12 w/vの量の塩、例えばクエン酸ナトリウムまた
はリン酸カリウム。 ─約7.0 〜8.0 の抽出用pH値。 ─約10〜20℃の抽出温度。 ─所望であれば、第二の二相系を使って再抽出を行うこ
とができる(細胞ホモジネートとしてE.コリ K-235を
使う場合には不要)。これは第一の二相系のPEG相から
塩相中へのシンセターゼの回収に役立つ。
【0024】水性二相系を使ったその他の細胞成分から
のシンセターゼの遊離は、前のシンセターゼ精製法では
顕著な妨害を時折引き起こし得るホスファターゼとCTP
アーゼとヌクレオチダーゼの同時除去をもたらす。ホス
ファターゼ活性は試験により確認することができる。こ
の試験のために基質としてp−ニトロフェニルホスフェ
ート(PNPP)を酵素試料に添加し、次いで30℃でインキュ
ベートする。ホスファターゼが存在すれば、それらはニ
トロ化合物のリン酸基を開裂して黄色いp−ニトロベン
ゼンを生成する。黄色い着色の増加を405 nmにおいて光
度的にモニタリングする。該増加は試料中に存在するホ
スファターゼの量に比例する。
【0025】好ましくは、粗細胞抽出物は、該抽出物か
ら妨害成分、例えばCTP-およびCMP-Neu5Ac加水分解酵素
(水性二相系を使った場合にはない、上記参照)並びに
ノイラミン酸アルドラーゼを除去するために、一精製段
階にかけられる。驚くべきことに、本発明の方法に非常
に適当である細胞抽出物を得るのに常用の精製段階で充
分であることが発見された。
【0026】例えば、シアル酸例えばNeu5AcとCTP との
反応に適当なCMP-Neu5Acシンセターゼ調製物は、該調製
物をポリエチレングリコール(PEG) で沈澱させることに
より得ることができ、PEG は好ましくは約200 〜20,00
0、特に400 〜6000の分子量を有し、そして約10〜50%
(w/v) 、特に15〜40%(w/v) の濃度で使用される。バッ
チ法における別の精製段階は、例えば、アニオン交換ク
ロマトグラフィー(低塩濃度の場合に回分式吸着、そし
て高塩濃度例えば200 〜300mM NaClの場合に脱着)、例
えばDEAE−セファセル、DEAE−セファロース、Q−セフ
ァロース、QAE-セファデックス、Mono-QおよびDEAE−バ
イオゲル、並びに例えばフェニル、オクチルまたはブチ
ルセファロース、更にはブチル、ヘキシルまたはオクチ
ルアガロース、更にはアルキルスーパーローズ、および
ブチルフラクトゲル等の上での疎水的相互作用クロマト
グラフィー(HIC ;高塩濃度、例えば30%硫酸アンモニ
ウムの場合にはバッチ法での吸着、低塩濃度の場合には
脱着)である。特に、アニオン交換体または疎水性ゲル
上でのバッチ吸着により精製された粗抽出物は、本発明
に従ったCMP-活性シアル酸の調製の間のCTP のその場生
成に使用することができる。ここでCMP からCTP への二
重リン酸化のためにATP とホスホエノールピルベートが
リン酸基供与体として使用される。粗細胞抽出物の一段
階精製に適する更なる分離媒体は、例えばヒドロキシア
パタイト、例えばセファクリル(Sephacryl) 、スーパー
デックス(Superdex)またはバイオゲル(Bio-Gel) 上での
ゲル濾過、例えばキレート用セファロースまたはキレー
ト用スーパーローズ(Superose)上での金属キレートアフ
ィニティークロマトグラフィー、および等電点クロマト
グラフィーである。
【0027】次の組合せがCMP-Neu5Acシンセターゼ精製
の特に好ましい方法である。 ─水性二相系を使った細胞ホモジネートからの細胞破片
の除去、および ─HIC による精製。 この組合せシンセターゼ精製法は実施が簡単である。水
性二相系とHIC は、品質を維持したままでスケールの増
加の問題をなくすことが可能である。精製された低ホス
ファターゼ酵素は酵素膜リアクター(EMR) に直接使うこ
とができる。
【0028】場合により一精製段階にかけられた、CMP-
Neu5Acシンセターゼ活性を有する粗細胞抽出物は、所望
であれば、溶液の量を減らす目的で濃縮段階にかけるこ
とができる。そのような濃縮段階としては、例えば限外
濾過、並びに、後で適当な緩衝液中への取り込みを伴う
凍結乾燥および硫酸アンモニウム沈澱が挙げられる。
【0029】本発明に従って使用される出発材料、例え
ばCMP 、CTP 、シアル酸および場合により使用される酵
素(Neu5AcアルドラーゼおよびN−アセチルグルコサミ
ンエピメラーゼ)は、商業的に入手可能であるかまたは
文献中に記載された方法に従ってそれ自体既知のように
して調製することができる。
【0030】本発明に従って得られるCMP-活性シアル酸
は、それ自体既知のやり方で、配糖体(例えば糖タンパ
ク質または糖脂質)の構成単位として利用することがで
きる。そのような配糖体は特に製薬および農業化学の分
野において、並びにいわゆる「ターゲティング療法」に
重要である。この場合、CMP-活性シアル酸、例えばCMP-
Neu5Acは、サッカリン酸を適当な受容体に、例えばエン
ドグリコシダーゼHで処理され酵素的にガラクトシル化
されたインベルターゼに、酵素的にガラクトシル化され
たrec-tPA に、オボアルブミンに、または化学修飾され
たウシ血清アルブミン(BSA) に転移することができるシ
アリルトランスフェラーゼの基質として働く。従って、
末端のガラクトース−Neu5Ac基は、例えば複合型のヒト
配糖体のN−グリカン酸の模倣物として役立つ。rec-tP
A およびBSA の対応シアル化誘導体は、対応する出発タ
ンパク質(組換え方法により形質転換された酵母から得
られるタンパク質)に比較して、長い血漿中半減期を有
する。或る種のCMP-活性シアル酸、例えばCMP-Neu5Acは
薬理活性も有する。例えばCMP-Neu5Acは神経細胞の再生
を促進する。
【0031】
【実施例】下記の実施例は本発明を説明するために提供
され、本発明を限定するつもりではない。 実施例1:栄養溶液の最適化 a)炭素源の変動 エシェリキア・コリ(Escherichia coli)を使って「コ
ロミン酸」を生産するためのUchidaら〔Agr. Biol. Che
m. (1973) 37, 2105-2110 〕により開発された下記組成
の栄養溶液を、エシェリキア・コリ(Escherichia col
i)K-235 (ATCC13027)からのCMP-Neu5Acシンセターゼの
生産用の栄養培地の最適化のための基準として使用す
る。
【0032】 ソルビトール 20 g/l 酵母エキス 0.5 g/l K2HPO4 14 g/l (NH4)2SO4 5 g/l MgSO4 ・7 H2O 0.5 g/l pH値 7.8
【0033】各々10 g/lの3種の炭素源を10個の異なる
バッチのソルビトリンを含まないこの栄養溶液に添加す
る。更に、20 ml の対応する培地の入った100 mlのアー
レンマイヤーフラスコを121 ℃で20分間オートクレーブ
処理することにより滅菌し、それに適当な固形培地上で
培養したエシェリキア・コリ(Escherichia coli)K-23
5 細胞を接種する。培養物を振盪器中で好気的に37℃で
220revs/分において培養する。15〜16時間後、振盪フラ
スコの内容物を遠心し(冷却遠心機中で8000×g で20分
間)、沈澱した細胞を、50mMトリス/HCl, 1mM ジチオト
レイトールおよび20mM MgCl2から成るpH 9の緩衝液中に
懸濁する。
【0034】微小ガラスビーズと共に振盪することによ
り前記懸濁液中の微生物を破壊する。エッペンドルフ反
応容器中で、1.2 g のガラスビーズ(直径0.1 〜0.3 m
m)を0.6 mlの懸濁液に添加し、次いで特殊インサート
を使って、Retsch(Haan, FRG)により製造された振動ミ
ル中で最高速度で10分間振盪する。不溶性細胞成分とガ
ラスビーズを遠心(13,000 revs/分, Biofuge A, Messr
s Hereus, Osterode, FRG)により除去し、そして残渣を
酵素源(粗抽出物)として使用する。
【0035】活性測定用バッチは下記のものを含む: 1.5M トリス/HCl緩衝液, pH 9 25μl 0.4M MgCl2 25μl 0.01M ジチオトレイトール 25μl 0.1M Neu5Ac 25μl 脱イオン水 100μl 酵素溶液 25μl
【0036】25μl の0.1M CTP溶液の添加により酵素反
応を開始させる。定性分析用には、30℃にて約175 分間
のインキュベーション後、4 μl 試料を各バッチから取
り、シリカゲルプレート(60 F-254 型, Merck, Darmsta
dt, FRG)上での薄層クロマトグラフィーにより分離す
る。使用する移動相は95%エタノールと1M酢酸アンモニ
ウムの7:3 の比の混合物である。検出は254 nmでの紫外
光中で行う。3時間のインキュベーション後、250 μl
の冷アセトンの添加により酵素反応を停止させる。バッ
チを氷浴中で10分間冷却し、次いでBiofuge A 中で13,0
00 revs/分において10分間遠心することによりタンパク
質と塩の沈澱物を除去する。
【0037】反応生成物 CMP-Neu5Ac の定量測定は、固
定相としてアミノ−ヌクレオシルカラム(250 ×4 mm,
粒径10μm, Innovativ Bischoff AG, Wallisellen )を
使ったHPLCにより行われる。注入量は7 μl である。溶
出はリン酸カリウム濃度(pH7)が3 mMから250 mMまで増
加しそしてアセトニトリル濃度が50%から0 %まで減少
する勾配を使って8分間に渡り行う。CMP-Neu5Ac濃度の
計算は、外部標準(0.25mM CMP-Neu5Ac ナトリウム塩 ;
Sigma, Buchs, Switzerland)を使ってピーク下の面積
の積分により行う。
【0038】酵素活性は、1単位(U) が1分間あたり形
成されるCMP-Neu5Ac 1μモルの量に相当する国際単位で
与えられる。1mU/mg の比活性は、タンパク質1mgあた
り1分間あたり1ナノモルの転化率(Biorad-Protein-t
est, Biorad-Laboratories,Glattbrugg)を示す。表1
に示されるように、使用したE.コリ株はソルビトール
上で増殖させた時に最高のシンセターゼ活性を有するの
で、その糖アルコールは炭素源として該酵素の製造に使
用される。
【0039】 〔表1〕 表1:エシェリキア・コリ(Escherichia coli)K-235 からのCMP-Neu5Acシンセ ターゼの生産のための炭素源の変動 ────────────────────────────────── C源 増殖 比活性 収量/容量 (10 g/l) (mU/mg) (U/l) ────────────────────────────────── ソルビトール +++ 8.27 1.22 スクシネート + 1.71 0.04 マレエート + 2.04 0.06 ──────────────────────────────────
【0040】b)窒素源の変動 各々5 g/l の量で様々な実験用複合栄養素および市販の
栄養素を、酵母エキスを含まない「コロミン酸」生産培
地(実施例1a参照)中の窒素源として使用する。更
に、5 g/l の酵母エキスを含み且つ硫酸アンモニウムを
含まない該培地に8種の純粋な窒素含有物質が補足さ
れ、該窒素含有物質は5 g/l の硫酸アンモニウムに相当
する窒素含量に関するモル濃度において使用される。そ
の他の手順は実施例1aの通りである。
【0041】表2が示すように、様々な複合および合成
窒素源、例えば酵母エキス、ペプトンまたはコーン浸漬
液、硫酸アンモニウム、グルタミン酸塩およびアスパラ
ギンを使って、高い酵素生産を達成することができる。
下記のなかで、高い比活性のため市販品の酵母エキス、
および高い収量/容量のため硫酸アンモニウムをシンセ
ターゼの生産に使用する。
【0042】 〔表2〕 表2:「コロミン酸」生産培地中の窒素源の変動 ─────────────────────────────────── N源 増殖 比活性 収量/容量(5g/l) (OD660) (mU/mg) (U/l) ─────────────────────────────────── a)試験1:実験用および市販の栄養素,24時間培養 酵母エキス(Fluka) +++ 12.9 1.84 肉エキス +++ n.d. 1.69 Lab Lamco 粉末 ++ 5.14 0.89 ペプトントリプトン消化物 +++ 11.1 1.67 フィッシュペプトンFPH-30 +++ 2.76 0.37 フィッシュペプトンH-0100 +++ 10.0 1.56 b)試験2:市販の複合栄養素,16時間培養 なし 0.55 0.0 0.0 酵母エキス(Fluka) 3.90 12.21 4.51 酵母エキス、市販 6.28 15.4 4.77 カザミノ酸 4.13 14.0 4.77 カゼイン水解物 5.30 11.5 4.03 コーン浸漬液 7.15 14.9 4.77 ピーナッツ粉 5.7 10.6 3.17 フィッシュペプトンH-0230 5.45 8.22 3.30 フィッシュペプトンH-0430 5.88 12.3 4.77 フィッシュペプトンP-100 5.33 12.3 5.13 ホエイ粉末、スイート 2.05 7.22 1.10 ペプトンC 6.35 14.9 4.77 大豆粉、全脂 n.d. 2.62 1.10 大豆粉、脱脂 5.95 8.423 2.57 c)試験3:合成N源,16時間培養 (NH4)2SO4 n.d. 16.8 6.20 NH4Cl n.d. 14.0 3.79 酢酸NH4 n.d. 12.4 5.17 L−アスパラギン酸塩 n.d. 10.0 3.10 L−アスパラギン n.d. 19.5 5.79 L−グルタミン酸塩 n.d. 15.3 4.76 L−リジン n.d. 11.0 2.66 L−プロリン n.d. 17.8 4.83 ─────────────────────────────────── n.d. : 測定せず
【0043】c)ソルビトール濃度の変動 5 g/l の酵母エキスを含む「コロミン酸」生産培地を使
った振盪培養において、ソルビトール濃度を次の段階:
0, 0.5, 1.25, 2.5, 5, 7.5, 10.0 および20.0g/lにお
いて変化させる。実施例5aに記載された通りに試験を
行う。2.5 g/l より高いソルビトール濃度で酵素生産が
良好であり、5 〜10 g/lにおいて生産が最適である。
【0044】d)酵母エキス濃度の変動 10 g/lのソルビトールを含む「コロミン酸」生産培地を
使った実施例1a)に記載の振盪培養試験を次の酵母エ
キス濃度:0, 0.5, 1.0, 2.5, 5.0, 7.5および10.0 g/l
で開始する。1 〜10 g/lの酵母エキス濃度で、粗抽出物
中に高い酵素含量が測定される。最高値は1および2.5
g/l で得られる。
【0045】e)出発pH値の変動 a)に記載の方法により、5.5 単位から0.5 単位刻みに
おいて10単位までの範囲の出発pH値を有する「コロミン
酸」生産培地を使った振盪培養において、増殖とCMP-Ne
u5Acシンセターゼ生産を調べる。5.5 と8.5 の間の出発
pHにおいて最大収量/容量(U /l 醗酵ブロス)の50%
以上が得られる。収量/容量の最適値(6.0 U/l) と比活
性の最適値(20mU/mg) はpH 6.5にある。
【0046】実施例2:バイオマスの醗酵生産 a)後でソルビトールと酵母エキスの添加を伴う醗酵 予備培養物を培養するために、実施例1で最適化された
下記の組成を有する100 mlの栄養溶液が各々入った2つ
の500 mlアーレンマイヤーフラスコを120 ℃で20分間オ
ートクレーブ処理することにより滅菌し、これに適当な
固形栄養培地上で培養したエシェリキア・コリ(Escher
ichia coli)K-235 (ATCC 13027)細胞を接種する。
【0047】栄養溶液は次の組成を有する。 ソルビトール 10 g/l 酵母エキス 2.5 g/l K2HPO4 11 g/l (NH4)2SO4 2.5 g/l MgSO4 ・7 H2O 1 g/l pH値 6.5
【0048】培養物を37℃にて220revs/分において15〜
16時間振盪する。上記と同様であるが6 g/l のソルビト
ールを含む培地 10 l を、15 lの合計容量のバイオリア
クター中で121 ℃にて30分間加熱することにより滅菌す
る。発泡の抑制並びに溶解酸素の濃度およびpH値の調節
は、系の制御装置により自動的に行われる。pH値は5N H
3PO4および5N NaOH の添加により調節され、そして溶解
酸素の濃度は攪拌器の回転数により調節される。作業パ
ラメーターは次のとおりである。
【0049】 温度 37℃ pH値 6.5 溶解酸素濃度 50%飽和 攪拌器の最大回転数 1200 revs/分 最大通気速度 20 Nl/分=2.0 vvm (vvm : 体積(空気)/容量(醗酵槽量)/分)
【0050】バイオリアクターに150 mlの予備培養物を
接種し、そして無菌条件下で取り出した培養ブロスの試
料において30分毎に一定時間に渡り660 nmでの光学濃度
を測定することによりバイオマスをモニタリングし、そ
して粗抽出物中のCMP-Neu5Acシンセターゼ活性を測定す
ることにより酵素含量をモニタリングする(実施例1参
照)。3.8, 10.5 および16.8の光学濃度のところで、15
0 g/l のソルビトールと62.5 g/lの酵母エキスを含む無
菌溶液400 mlを無菌条件下で添加する。最大細胞密度に
達した後、連続流型遠心機中での沈降によりバイオマス
を取り出し、−20℃で凍結保存する。
【0051】660 nmで得られた最大ODは20.8であり、こ
れは45 g/lの湿潤塊含量に相当し、そして最大酵素収量
は、核酸沈澱(実施例3参照)を行わない抽出物におい
て17mU/mgタンパク質の比活性において、28 U/l醗酵培
地である。
【0052】b)後でソルビトール、酵母エキス、MgSO
4 およびアンモニアの添加を伴う醗酵 実施例2a)と比較して次の変更が行われる。 ─MgSO4 をその他の培地成分とは別に100 倍濃縮溶液と
してオートクレーブ処理する。 ─30 g/lのCaCl2 を培地に添加する。 ─5N NaOH の代わりに12.5%アンモニア溶液を使ってpH
調節を行う。 ─醗酵の間に、酵母エキスとソルビトールを上述の量で
10回供給する。 ─OD660 =50の細胞密度のところで、70 ml の無菌MgSO
4 溶液(100 g/l) を添加する。 70.3の最大OD660 、195 g/l の細菌湿潤塊含量、および
67 U/l醗酵ブロスの酵素収量/容量が達成される。
【0053】実施例3:粗抽出物の製造 200 g の細菌塊(実施例2に従って得られたもの)を、
50mMトリス/HCl, 1mMジチオトレイトールおよび20mM Mg
Cl2から成るpH 9の緩衝液 300 ml に再懸濁する。溶液
中のタンパク質濃度の増加が全く観察されなくなるま
で、氷浴中で冷却しながら超音波装置中で細胞を破壊す
る。6 ×105 〜1 ×106 の平均分子量を有するポリエチ
レンイミンの10%溶液(pH 9) 20.8 mlを細胞ホモジネー
トに添加し、全体を時折攪拌しながら氷浴中で15分間イ
ンキュベートし、次いで沈澱した核酸と大部分の細胞破
片を、冷却遠心機中で23,000×g および4℃において60
分間沈降せしめることにより除去する。懸濁物質の更な
る除去のために、粗抽出物を40,000×g および4℃での
30分間の第二の遠心段階にかける。生成物溶液(全量37
0 ml)は0.18 U/ml の活性/容量および9 mU/mg タンパ
ク質の比活性を有する。実施例2との比較により、ガラ
スビーズを使った細胞の破壊は超音波処理による崩壊よ
りも高いシンセターゼ収量を与えることは明らかであ
る。ポリエチレンイミン沈澱の前後に測定した反応速度
により証明されるように、CMP-Neu5Acシンセターゼ活性
の損失を伴わずにこの段階によって核酸を分離すること
ができる。
【0054】実施例4:200 l スケールにおけるE.コ
リ K-235のCMP-Neu5Acシンセターゼ含有粗抽出物の醗酵
製造 下記の変更を除いて、手順は実施例2bの通りであり、
そしてそうでないと指摘しない限り、スケールが20倍増
加される。 ─130 l の培地を300 l の醗酵槽中で滅菌し、それに10
00 ml の予備培養物を接種する。 ─通気速度は醗酵中要求通りに手動で調整される(0.5〜
1 vvm)。溶解酸素の微量調整は回転数の自動変更によっ
て行われる。 ─4.3 のOD660 に達した後、予めオートクレーブ滅菌し
た濃縮ソルビトール/酵母エキス溶液(159 g/l のソル
ビトールと66 g/lの酵母エキス)を無菌条件下で14時間
に渡り連続的に添加する。この間、攪拌器の回転数と酸
素消費量が正確に最大になるようにポンプ速度を手動で
調整する。
【0055】26時間後、最大細胞密度が達成され、OD
660 は40.3である。醗酵内容物をブライン含有冷却剤で
4℃に冷却し、流動型遠心機中で細胞を沈降せしめ、そ
して高圧ホモジナイザーを2回通過させることにより細
胞を破壊する。細胞破壊後、粗抽出物中の酵素収量は1
2.2 mU/mgの比活性で8300 Uである。
【0056】実施例5:増加されたCMP-Neu5Acシンセタ
ーゼ活性を有する酵素調製物の製造 a)ポリエチレングリコールによるCMP-Neu5Acシンセタ
ーゼの沈澱 6000の分子量を有するポリエチレングリコールの50%溶
液(w/w, 濃度=1.08 kg/l) 185 ml を370 mlの粗抽出物
(実施例3参照)に添加し、該バッチを氷浴中で一晩イ
ンキュベートする。沈澱したタンパク質を4℃,40,000
×g で1時間遠心することにより沈降せしめ、ペレット
を100 mlの酵素緩衝液(=50 mM トリス/HCl, 1mM ジチ
オトレイトール, pH 7.5)に溶解する。こうして得られ
た酵素調製物は40 mU/mgの比活性と0.52 U/ml の活性/
容量を有し、CTP アーゼを実質的に全く含まない。
【0057】b)ブチル−フラクトゲルTSK 上でのバッ
チ吸着によるCMP-Neu5Acシンセターゼ調製物の製造 450 mlの氷冷粗抽出物を、194 mlの飽和硫酸アンモニウ
ム溶液(=100 %)、およびG3焼結ガラス濾過器上で酵
素緩衝液〔実施例5a)参照〕中の30%硫酸アンモニウ
ム溶液 1.8 1により予め洗浄されている600 mlのブチル
−フラクトゲルTSK (Merck, Darmstadt, FRG) と混合す
る。穏やかに攪拌しながら4℃で15分間インキュベーシ
ョン後、ガラス濾過器上でゲルを吸引濾過し、氷冷酵素
緩衝液中の30%硫酸アンモニウム溶液 1.2 lと15%同溶
液 1.8 lで洗浄する。硫酸アンモニウムを含まない氷冷
酵素緩衝液 1.8 lを使って溶出を行う。30,000ダルトン
の分離限界を有するH1P30-43中空繊維膜モジュールを通
した接線流DC-2型システム(ともにGrace, Division Am
icon, Lausanne)を使った4℃における限外濾過によ
り、溶出液を200 mlに濃縮する。
【0058】残留物中のCMP-Neu5Acシンセターゼの濃度
は0.12 U/ml であり、11 mU/mgの比活性を有する。限外
濾過による濃縮は酵素活性の低下を伴わずに進む。43.5
% w/vのグリセロールが添加された酵素調製物は、活性
の低下なしに−20℃で数カ月保存することができる。
【0059】c)QAE-セファデックス上でのバッチ吸着
によるCMP-Neu5Acシンセターゼ調製物の製造 5 mlのQAE-セファデックス A50ゲルを、多孔度1のフィ
ルター試験管中で20 ml の氷冷50 mM リン酸カリウム緩
衝液, pH 7.5で洗浄し、そして2.9 mlの粗抽出物(実施
例3参照)と共に穏やかに攪拌しながら0℃にて15分間
インキュベートしてタンパク質を吸着させる。タンパク
質溶液を吸引濾過した後、ゲルを各回5mlの上記リン酸
塩緩衝液で5回洗浄する。前記リン酸塩緩衝液中の増加
する濃度(0.1, 0.13, 0.17, 0.2, 0.3 および1 M)の塩
化ナトリウム溶液を使って、タンパク質の脱着を行う。
このために、各回12.5 ml の対応する氷冷NaCl溶液をゲ
ルと混合し、4℃で5分間インキュベートし、次いで吸
引濾過し、そして溶出液 3ml を10 ml のゲル濾過カラ
ム(Econ-Pac 10DG, BioRad, Glattbrugg) 上で脱塩す
る。タンパク質濃度と酵素含有量の測定は、0.2 〜0.3M
NaCl の場合に該シンセターゼが33%の収率と21 mU/mg
の平均比活性でQAE-セファデックスから脱着されること
を示した。
【0060】d)ヒドロキシアパタイト上でのバッチ吸
着によるCMP-Neu5Acシンセターゼ調製物の製造 実施例3に従って得られた粗抽出物2 ml を、時折攪拌
しながら、ガラス濾過器上で30 ml の酵素緩衝液により
予め洗浄された10 ml のヒドロキシアパタイト(Biorad-
Laboratories, Glattbrugg) と共に4℃で15分間インキ
ュベートする。試料溶液を吸引濾過後、ゲルを30 ml の
100 mMリン酸カリウム溶液(pH 7.5)で洗浄する。2×15
ml の氷冷0.2 モルリン酸カリウム緩衝液, pH 7.5と、
1×15 ml の0.4 モル同緩衝液を使って脱着を行う。こ
のために、各回対応する氷冷緩衝液を吸引濾過ゲルと混
合し、4℃で10分間インキュベートした後、全体を再び
ガラス濾過器上で吸引濾過する。合わせた溶出液を、限
外濾過セルCEC1型を使って30,000ダルトンの分離限界を
有するYM 30 膜(ともにGrace, Division Amicon,Lausa
nne)を通して2 mlに濃縮する。Econ-Pac 10DG ゲル濾
過カラム上で脱塩された残留物(最終容量4ml)中の活
性とタンパク質の測定は、0.062 U/mlの活性/容量と26
mU/mgの比活性を示す。
【0061】実施例6:実施例5に従って得られたエシ
ェリキア・コリ K-235の酵素調製物を使ったCMP-Neu5Ac
の合成 下記の組成のバッチにおいてCTP とNeu5Acの濃度(表3
参照)を変える。 トリス/HCl 緩衝液, pH 9 0.15 M ジチオトレイトール 1.0 mM CTP およびNeu5Ac (共にFluka,Buchs) 各 5-50 mM MgCl2 40-65 mM CMP-Neu5Acシンセターゼ 20-200 mU/ml 合計容量 250 μl
【0062】反応中に、ピロリン酸塩を使ってピロリン
酸マグネシウムの形でMg2+を沈澱させ、反応体濃度が30
および50 mM の場合、MgCl2 を15mMで反応体に関して過
剰で使用する。CMP-Neu5Acシンセターゼの供給源は、実
施例5a)に従ってポリエチレングリコールでの沈澱に
より調製した0.71 U/ml の活性/容量と34 mU/mgの比活
性を有する酵素調製物である。反応体1ミリモルを変換
するのに4.7 U のシンセターゼを使う。30℃で24時間の
インキュベーション後、実施例1に記載された通りにバ
ッチを後処理する。HPLCカラムへの注入前に、試料を2
mMの反応体出発濃度に希釈する。
【0063】表3に示されるように、各々20 mM の反応
体濃度において最大のCMP-Neu5Ac濃度が達成される。反
応体濃度を増加させるとモル収率は減少する。反応工程
中に生成物濃度を測定することにより、最大収率を評価
しそして正確な時点で反応を停止させることが可能であ
る。
【0064】 〔表3〕 表3:反応体CTP およびNeu5Acの濃度の関数としてのCMP-Neu5Acの合成 ─────────────────────────────────── CTP/Neu5Ac 酵素濃度 MgCl2 CMP-Neu5Ac モル収率 (mM) (mU/ml) (mM) (mM) (%) ─────────────────────────────────── 5 24 40 4.8 96 10 47 40 9.1 91 15 71 40 12.9 86 20 94 40 16.3 81 30 141 45 13.6 45 50 235 65 0.8 1.6 ───────────────────────────────────
【0065】b)CMP とATP からのCTP のその場生成 CMP とATP からのCTP の生成を含むCMP-Neu5Acの合成
は、実施例5に従って得られた2つの酵素調製物(表4
参照)を使って研究する。反応体の各々を10 mMの濃度
で使用し、それ以外の手順は実施例6a)に記載された
通りである。平行して、CTP とNeu5Acを使って対照バッ
チを調製する。表4からわかるように、実施例5b)と
5c)に従って得られた酵素溶液を使ったCMP とATP か
らのCTP のその場生成を含むCMP-Neu5Acの調製は、CTP
を使って達成された収量の約50%で可能である。
【0066】 〔表4〕 表4:ATP, CMPおよびNeu5Ac(各10mM)からのCMP-Neu5Acの合成 ─────────────────────────────────── 酵素調製物/ 酵素濃度 pH値 CMP-Neu5Ac (mM) 実施例 (mU/ml) ATP + CMP から CTP から ─────────────────────────────────── ブチル−フラクトゲル/ 28 7.5 3.03 5.66 5b) ブチル−フラクトゲル/ 28 9 3.17 6.27 5b) QAE-セファデックス/ 20 9 3.98 7.83 5c) ───────────────────────────────────
【0067】c)ホスホエノールピルベートとCMP から
のCTP のその場生成 実施例6a)に記載の方法に従って25mMホスホエノール
ピルベート、10mM CMPおよび10mM Neu5Ac を含む合成バ
ッチを調製する。使用するシンセターゼ調製物は表5に
示される。50%より高い収率でのホスホエノールピルベ
ート、CMP およびNeu5AcからCTPを経たCMP-Neu5Acの合
成は、ブチル−フラクトゲル上でのバッチ吸着の生成物
と粗抽出物の両方において可能である。
【0068】 〔表5〕 表5:ホスホエノールピルベート、CMP およびNeu5Ac (10 mM)からのCMP-Neu5Ac の合成 ─────────────────────────────────── 酵素調製物/ 酵素濃度 pH値 CMP-Neu5Ac (mM) 実施例 (mU/ml) PEP*)+ CMP から CTP から ─────────────────────────────────── 粗抽出物/ 35 7.5 4.19 6.7 3) 粗抽出物/ 35 9 3.87 6.89 3) ブチル−フラクトゲル/ 28 7.5 5.21 9.73 5b) ブチル−フラクトゲル/ 28 9 7.84 9.89 5b) ─────────────────────────────────── *) PEP : ホスホエノールピルベート
【0069】d)Man2Acとピルビン酸塩からのNeu5Acの
その場生成 ノイラミン酸アルドラーゼをCMP-Neu5Acシンセターゼ反
応と結び付けることによるMan2Ac、ピルビン酸塩および
CTP からのCMP-Neu5Acの合成を、反応体の濃度の関数と
して調べる。アルドラーゼの最適pHは中性域にあるの
で、シンセターゼを活性化するための反応はMnCl2 の存
在下でpH 7.5において行う。基質Man2AcとCTP を等モル
比で使用し、ピルビン酸塩は2倍モル量でそして5mM Mn
Cl2 はMan2AcとCTP に関して過剰量で使用する。使用す
る酵素は、Neu5Acアルドラーゼ調製物(東洋紡)およ
び、実施例5a)に従ってポリエチレングリコールでの
沈澱により製造されたシンセターゼ活性を有する酵素溶
液である。各々反応させるMan2AcまたはCTP 1ミリモル
あたり、アルドラーゼの濃度(比活性 8 U/mg )は0.5m
gでありそしてシンセターゼの濃度は4.7 U である。試
験は実施例6a)に記載された通りに行う。表6に示さ
れるように、生成物濃度とモル収率は、反応体濃度と共
に18.4 mMまたは37%の最大値まで増加する。
【0070】 〔表6〕 表6:Neu5AcアルドラーゼとCMP-Neu5Acシンセターゼにより触媒されるMan2Ac、 ピルビン酸塩およびCTP からのCMP-Neu5Acの合成 ─────────────────────────────────── Man2Ac/CTP ピルビン酸塩 MgCl2 CMP-Neu5Ac モル収率*) (mM) (mM) (mM) (mM) (%) ─────────────────────────────────── 5 10 10 0.52 10 10 20 15 2.3 23 15 30 20 5.06 34 20 40 25 6.62 30 30 60 35 11.1 37 50 100 55 18.4 37 ─────────────────────────────────── *) : Man2AcとCTP を基にしたモル収率
【0071】e)N−アセチルグルコサミンとピルビン
酸塩からのNeu5Acのその場合成 N−アセチルグルコサミン、ピルビン酸塩およびCTP か
らのCMP-Neu5Acの合成において、N−アセチルグルコサ
ミンエピメラーゼを使ってN−アセチルグルコサミンを
Man2Acに異性化する。実施例6d)において使ったNeu5
Acアルドラーゼにより触媒され、Man2Acがピルビン酸塩
と縮合してNeu5Acを形成する。
【0072】250 μlの合計容量を有する反応バッチは
下記のものを含む: トリス/HCl 緩衝液 150 mM MnCl2 55 mM ジチオトレイトール 1 mM CTP 50 mM ピルビン酸ナトリウム 100 mM N−アセチルグルコサミン 200 mM N−アセチルグルコサミンエピメラーゼ 300 mU/ml (東洋紡) Neu5Acアルドラーゼ 200 mU/ml CMP-Neu5Acシンセターゼ 235 mU/ml pH値 7.1
【0073】ポリエチレングリコールでの沈澱により得
られた酵素調製物(実施例5a参照)をシンセターゼ源
として使用する。その他の手順は実施例6a)に従う。
30℃にて20時間インキュベートした後、CTP に基づくと
約10%の転化率に相当する5.3 mMのCMP-Neu5Ac濃度がHP
LCにより測定される。
【0074】f)純粋物質としてのCMP-Neu5Acの準備合
下記組成のバッチを穏やかに攪拌しながら水浴中30℃に
おいて20時間インキュベートする。 トリス/HCl, pH 9 150 mM MgCl2 40 mM ジチオトレイトール 1 mM Neu5Ac 15 mM CTP 15 mM 実施例5a)に記載の 7.04 % v/v CMP-Neu5Acシンセターゼ調製物 (0.05U/mlの最終濃度に相当) pH値 9 (希NaOHで調整) 合計容量 150 ml
【0075】CMP-Neu5Acを後処理するための全段階は0
〜4℃にて行う。25,000×g で20分間の遠心により沈澱
物を除去し、150 mlの10ミリモルNH3 溶液中に再懸濁
し、そして再度遠心により除去する。この洗浄段階を繰
り返した後、合わせた残渣から、同製造業者により製造
されたCEC1流動型濃縮器中でのYM 30 膜(分離限界 30,
000 ダルトン;Grace, Division Amicon, Lausanne)を
通した限外濾過によりタンパク質を分離する。15 ml の
残留物容量の場合、これを15 ml のNH3 溶液(1 mM)で希
釈し、再度15 ml に濃縮する。この透析段階を2回繰り
返す。
【0076】濾液(480 ml)を、2カラム容積の1mM NH3
で予め洗浄された5 ×25 cm のダウエックス 1X8カラム
(200-400 メッシュ、炭酸水素塩型)に25 ml/時の流速
で適用する。次いでカラムを1 L のNH3 溶液(1 mM)で洗
浄する。0.01〜1 M 炭酸水素トリエチルアンモニウム,
pH 8.4の直線勾配(2 ×5 L )を使って上記流速におい
て溶出を行う。薄層クロマトグラフィー(実施例1参
照)を使ってCMP-Neu5Ac含有画分を同定し、一緒にし、
凍結乾燥する。
【0077】CMP による汚染の除去は、セファデックス
G-25 (Pharmacia) 上でのゲル濾過クロマトグラフィー
により行う。このために、0.29 gの上記凍結乾燥物を16
mlの1mM NH3 溶液に溶解し、この試料溶液を70 ml/時
の流速において、予め4.5 lのNH3 溶液(1 mM)で平衡化
されているカラム(5×80 cm)に通過させる。アニオン交
換クロマトグラフィーの全生成物を処理するために、こ
のゲル濾過段階を3回行う。薄層クロマトグラフィー分
析によればCMP-Neu5Acのみを含む画分を合わせ、凍結乾
燥する。CMP-Neu5Acのアンモニウム塩 0.79 g が得られ
る。
【0078】実施例7:水性二相系を使った細胞破片の
除去 予備実験において7.50のpHおよび10℃の温度が最適値と
して確立される。細胞ホモジネートをマイクロ波により
解凍させるが、10℃の温度を越えてはならない。細胞ホ
モジネートと遠心により除去された水相系は常に氷浴中
に維持する。
【0079】1550の分子量を有するポリマーPEG (PEG-1
550)を16.87 〜17.61 % w/wの様々な最終濃度におい
て、9.69〜9.84% w/wの最終濃度のクエン酸三ナトリウ
ム六水和物およびE.コリ K-235からの細胞ホモジネー
ト(CH)(47.65〜46.04 % w/wの最終濃度) と共に混合す
る。クエン酸三ナトリウム六水和物は40%(w/v) 溶液の
形で使用し、そのpH値は予め40%(w/v) クエン酸溶液に
より7.50に調整されている。脱イオン水により合計重量
100 %(=10〜600 g )にし、手動でまたは振盪器を使
って5分間振盪する。次いで冷却遠心機中で4℃におい
て8000 revs/分で20分間遠心することにより相系を分離
する。
【0080】下記の組成がシンセターゼ抽出に最適であ
る。 組成1:16.87 % w/w PEG-1550 +9.69% w/wクエン酸
三ナトリウム六水和物+47.65 % w/w CH 。 組成2:17.61 % w/w PEG-1550 +9.84% w/wクエン酸
三ナトリウム六水和物+46.04 % w/w CH 。
【0081】組成1の10 g相系の上相(5.4 ml, 1.75 m
g タンパク質/ml )中に96%の収率で2.7 U のシンセタ
ーゼが抽出され、そして組成2の10 g相系の上相(5.3
ml,1.71 mg タンパク質/ml )中に90%の収率に相当す
る2.32 Uのシンセターゼが抽出される。
【0082】得られた二相を分離し、PEG に富む上相を
下相から手際よくデカンテーションする。CMP-Neu5Acシ
ンセターゼとPEG-1550を含む上相を、疎水的相互作用ク
ロマトグラフィー(HIC) による更なる精製に使用する。
ホスファターゼ活性を測定するために下記の原液を調製
する。試薬=pH 8.0の10mM4−ニトロフェニルホスフェ
ート(PNPP, Serva) 、100mM トリス-HCl, pH 8.0中の7m
M MgCl2 、および100mM トリス-HCl, pH 8.0。
【0083】ホスファターゼ活性を測定するために、調
べようとする10μl の試料に100 μl のPNPP、10μl の
MgCl2 および880 μl のトリス-HCl緩衝液を添加する。
その直後と30℃での20分間のインキュベーション後に、
401 nmにおいて吸光度を測定する。4−ニトロフェノー
ルの標準液を使って遊離した4−ニトロフェノールの濃
度を決定する。下記のホスファターゼ活性が測定される
(1 U =1分間あたりに4−ニトロフェノール1μモル
が形成される)。
【0084】 ───────────────────────── 試料 ホスファターゼ活性(U/ml) ───────────────────────── 細胞ホモジネート 0.347-0.353 上相 0.04-0.09 下相 0.142-0.162 HIC 画分/循環流 0.0013 (実施例8参照) HIC 画分/シンセターゼ 0.003 (実施例8参照) ─────────────────────────
【0085】実施例8:疎水的相互作用クロマトグラフ
ィー a)疎水的相互作用クロマトグラフィー(HIC) によるシ
ンセターゼの精製(A) 試料:シンセターゼを含む実施例7からの上相 3ml。母
材:フェニル−セファロース CL-4B, Pharmacia 。容
量:15〜20 mg HSA (ヒト血清アルブミン)/mlゲル。
カラム:直径26 mm ×高さ4 cm=約50 ml のゲル床。流
速:1.53 ml/分。緩衝液A:50mM Na2HPO4+1.8M (NH4)
2SO4, pH 7.0。緩衝液B:50mM Na2HPO4,pH 7.0。勾
配:2.5 時間に渡る0 〜100 %Bの直線勾配。検出:U
V, 280 nm。
【0086】カラムを少なくとも3ベッド容積の3M尿素
溶液により精製し、次いで水ですすぎ、緩衝液Aで平衡
化した後、シンセターゼ含有上相 200 ml をフェニル−
セファロースCL-4B カラムに適用する。未結合タンパク
質が全てカラムから洗い落とされるまで緩衝液AでHIC
カラムを洗浄する。次いで250 mlのAと250 mlのBを使
って0%Bから100 %Bまでの直線勾配において溶離を
行う。このうちにイオン強度がかなり低下する。勾配
後、カラムからシンセターゼを脱着させるために溶離液
Bを使って30分間、次に水で洗浄を行う。溶離はPharma
cia UVモニターにより280 nmにおいて追跡する。13.58
mg/ml のタンパク質濃度を有する20 ml の上相から14 U
のシンセターゼが98.87 %の回収率で精製される。
【0087】b)(HIC) によるシンセターゼの精製
(B) 試料:シンセターゼを含むPEG-1550含有上相。母材:フ
ェニル−セファロースCL-4B。容量:15〜20 mg HSA /m
lゲル。カラム:直径26 mm ×高さ4 cm=約50ml のゲル
床。流速:1.53 ml/分。緩衝液A:50mM Na2HPO4+1.8M
(NH4)2SO4,pH 7.0。緩衝液B:50mM Na2HPO4, pH 7.
0。勾配:2.5 時間に渡る0 〜100 %Bの段階勾配。検
出:UV, 280 nm。この場合の溶離が段階勾配を使って行
われること以外は、この試験に実施例8a)の条件を使
った。
【0088】c)(HIC) によるシンセターゼの精製
(C) 試料:シンセターゼを含むPEG-1550含有上相。母材:フ
ェニル−セファロースCL-4B。容量:15〜20 mg HSA /m
lゲル。カラム:直径26 mm ×高さ4 cm=約50ml のゲル
床。流速:1.53 ml/分。緩衝液A:50mM Na2HPO4+1.8M
(NH4)2SO4,pH 7.0。緩衝液B:50mM Na2HPO4, pH 7.
0。溶離剤:10% v/vエチレングリコール/水。勾配:
2.5 時間に渡る0 〜100 %Bの段階勾配。検出:UV, 28
0 nm。この場合の手順は実施例8aの通りである。ただ
し、ここでは水ではなく水/エチレングリコール混合物
を使って疎水性カラムからシンセターゼを脱着させる。
収率は実施例8aのものに匹敵する。従って、後の作業
のために、シンセターゼを水のみで溶出させる方が好ま
しい。
【0089】d)疎水的相互作用クロマトグラフィーの
スケールアップ 試験:HIC によるシンセターゼの精製。試料:シンセタ
ーゼを含むPEG-1550含有上相。母材:フェニル−セファ
ロース CL-4B。容量:15〜20 mg HSA /mlゲル。カラ
ム:直径113 mm×高さ16 cm =約1.521 リットルのゲル
床。流速:7.72 ml/分。緩衝液A:50mM Na2HPO4+1.5M
(NH4)2SO4, pH 7.0。緩衝液B:50mM Na2HPO4, pH 7.
0。勾配:8時間に渡る0 〜100 %Bの段階勾配。検
出:280 nmでのUV吸収。手順は実施例8aと同様である
が、流速が高い。15.58 mg/ml のタンパク質濃度を有す
る200 mlの上相から140 U のシンセターゼが95%の回収
率で精製される。この場合のカラムの充填性質を試験す
ると2817 N/m(平方メートルあたりの理論段)である。
【0090】実施例9:酵素膜リアクター中でのCTP と
Neu5AcからのCMP-Neu5Acの連続合成 CTP とNeu5AcからのCMP-Neu5Acの合成は、30,000ダルト
ン以下の分離限界を有する限外濾過膜を有する酵素膜リ
アクター(EMR) 中で連続的に行うことができ、CMP-Neu5
Acシンセターゼを含むEMR に反応体CTP とNeu5Acを供給
し、その流出液からCMP-Neu5Acを単離し、そして精製す
る。酵素は限外濾過膜により引きとめられ、一方低分子
量生成物と未反応の反応体は妨害されずに膜を通過する
ので、EMR において酵素を可溶性形態で使用することが
できる。抗菌性物質の添加を省くことができるように、
作業の開始前に該リアクターを滅菌する。反応体含有溶
液はミクロフィルターを通してリアクター中に滅菌濾過
する。
【0091】供給材料は下記の組成のものである。 トリス/HCl 緩衝液, pH 8 100 mM MgCl2 15 mM Neu5Ac 10 mM CTP 10 mM 希水酸化ナトリウム溶液を使って8のpH値を確立する。
供給溶液は氷浴中で冷却保存する。HIC により精製され
たシンセターゼ調製物(実施例8参照)を触媒として1
Uシンセターゼ/mlリアクター容量の最終濃度において
使用する。
【0092】24時間の試験の最中次の作業条件が観測さ
れる。 温度 25 ℃ リアクター容量 10 ml 滞留時間 1時間 リアクター流出液中に6 mMのCMP-Neu5Ac濃度が測定され
る。形成されたCMP-Neu5Acを実施例6fに記載の通りに
透析、アニオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過
クロマトグラフィーにより精製する。
【0093】実施例10:pH制御下での酵素膜リアクタ
ー中でのCTP とNeu5AcからのCMP-Neu5Acの連続合成 下記の変更以外、手順は実施例9に記載された通りであ
る。市販のpHスタットを使ってリアクター中のpH値を制
御する。リアクターの限外濾過膜のすぐ後ろ側の直流電
極を使って流出液中の実測pHを測定する。補正溶液(1N
NaOH) を滅菌フィルターの手前で直接入口に供給する。
装置を組み立てる時、滅菌フィルターとリアクターとの
間およびリアクターと直流pH電極との間の死空間をでき
るだけ小さくしなければならない。
【0094】リアクター流出液中に7.52mMのCMP-Neu5Ac
濃度が測定され、これは75%の転化率および 111 g/l
リアクター容積/日の空間−時間収量に相当する。形成
されたCMP-Neu5Acを実施例6fに記載の通りに透析、ア
ニオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過クロマト
グラフィーにより精製する。
【0095】実施例11:増加された活性を有するE.
コリ K-235の変異体(CS-1)の選択および特徴付け a)変異体CS1 の製造 E.コリ K-235 (ATCC 13027) のバイオマスを、7 g/l
の寒天が補足された市販のプレートカウントアガー(1.
0 g/l グルコース、5.0 g/l トリプトン、2.5g/l 酵母
エキス、pH値約 7)上に、細胞を分離するために接種用
ループを使って塗抹する。プレートを最初に37℃にて24
時間次いで室温で2〜4週間インキュベートする。この
時間後、コロニーが広い面積で増殖し粘液性になり始め
る。粘液性コロニーの縁に側面的に抜け出る非粘液性細
胞材料を取り出し、塗抹を使った細胞分離による常用の
純粋培養を行う。
【0096】いわゆるCS1 株のコロニー形態は次の点で
出発生物K-235 のものと異なる: ─37℃の次に28℃で各々24時間増殖した後、新規細胞系
のコロニーは透過光下でわずかに透明に見え、不規則に
ギザギザした縁を有する。他方、元の培養物のコロニー
は不透明であり、わずかに密集しており、より黄色味を
帯び、滑らかな縁を有する。 ─より長期の、例えば28℃で約一週間以上のインキュベ
ーションでは、新規培養物は粘液性のコロニーを全く形
成しない。
【0097】b)複合培地および無機塩培地中での株CS
1 およびE.コリK-235 を使ったCMP-Neu5Acシンセター
ゼの生産 新規CS1 株の更なる特徴付けのため、振盪培養において
増殖とCMP-Neu5Acシンセターゼ活性を原株と比較しなが
ら測定する。培養は、10 g/lのソルビトールを含む酵母
エキス/ソルビトール培地(実施例2a参照)中、およ
び下記の無機塩培地中で行う。
【0098】 ソルビトール 10.0 g/l KH2PO4 7.81 g/l (NH4)2HPO4 2.33 g/l CaCl2・2 H2O 0.03 g/l MgSO4・7 H2O 溶液 (392 g/l) 10.0 ml/l チアミン塩酸溶液 (2.67 g/l) 1.0 ml/l 微量元素溶液 10.0 ml/l クエン酸FeIII 溶液 (0.75 g/l) 50.0 ml/l pH値 6.5
【0099】微量元素溶液の組成は次のようである。 CoCl2・6 H2O 0.267 g/l MnCl2・4 H2O 1.6 g/l CuCl2・2 H2O 0.151 g/l H3BO3 0.333 g/l Na2MoO4・2 H2O 0.267 g/l ZnSO4・7 H2O 1.093 g/l
【0100】ソルビトール、KH2PO4、(NH4)2HPO4および
CaCl2・2 H2O を最終容量の93%で混合する。塩含有溶
液をオートクレーブ滅菌した後、それらを無菌条件下で
混合する。チアミン溶液を滅菌濾過添加する。残りの手
順は実施例1aに記載の通りである。表7に示されるよ
うに、両方の生物が無機塩培地上と複合培地上で各々同
じ細胞密度で増殖する。両培地におけるCS1 株の酵素活
性はE.コリ K-235のものより明らかに高い。
【0101】 〔表7〕 表7:複合培地中および無機塩培地中での変異体CS1 とE.コリK-235 との増殖 および酵素生産の比較 ─────────────────────────────────── 培地 微生物 E.コリK-235 CS1 株 細胞密度 比活性 収量/容量 細胞密度 比活性 収量/容量 (OD660) (mU/mg) (U/l) (OD660) (mU/mg) (U/l) ─────────────────────────────────── ソルヒ゛トール/ 5.45 17.3 9.48 5.51 26.7 13.1 酵母エキス ソルヒ゛トール/ 3.58 16.9 7.21 3.56 32.9 12.9 無機塩 ───────────────────────────────────
【0102】b)E.コリ CS1株およびK-235 株の増殖
並びにCMP-Neu5Acシンセターゼの生産に対する様々な炭
素源の影響 増殖およびCMP-Neu5Acシンセターゼ活性に対する10 g/l
濃度の種々の炭素源の影響を実施例1に記載の通りに試
験する。使用する基礎培地は、醗酵のために実施例2a
に従って使用した栄養培地である(実施例1aとの主な
相違:0.5 g/l酵母エキスの代わりに2.5 g/l 、7.8 の
代わりにpH 6.5)。表8からわかるように、株CS1 とK-
235 は炭素源の利用に関して同じスペクトルを有する。
特にソルビトールと酢酸ナトリウムの場合に高い酵素収
量が得られる。
【0103】 〔表8〕 表8:様々な炭素源の存在下での CS1株とE.コリ K-235株との増殖および酵素 生産の比較 ─────────────────────────────────── C源 微生物 E.コリK-235 CS1 株 細胞密度 比活性 収量/容量 細胞密度 比活性 収量/容量 (OD660) (mU/mg) (U/l) (OD660) (mU/mg) (U/l) ─────────────────────────────────── キシロース 5.72 7.0 2.92 6.14 14.8 8.61 ソルヒ゛トール 5.74 17.7 7.93 5.65 27.2 13.5 コハク 酸Na 2.28 5.6 1.82 2.5 8.0 2.96 サッカロース 1.36 1.5 0.34 1.34 3.6 0.87 酢酸Na 3.27 23.7 9.50 3.59 43.8 16.8 リンコ゛酸 2.7 10.7 3.17 2.6 23.0 7.67 乳酸 3.7 28.0 10.6 3.6 38.7 15.8 ─────────────────────────────────── n.d.: 測定せず
【0104】実施例12:細胞変異体CS1 のバイオマス
の醗酵生産 株CS1 のバイオマスの醗酵生産手順は本質的に実施例2
b)に従うが、下記の変更を有する。 ─ 7 lを含む19 lのバイオリアクターを使う。 ─ソルビトールと酵母エキスは各々140 mlの21部分にわ
けて順次供給する。最初の13部分の組成は300 g/l のソ
ルビトール、125 g/l の酵母エキス、11 g/lのK2HPO4
2.5 g/l の(NH4)2SO4 、30 mg/l のCaCl2 である。残り
の添加については、ソルビトールと酵母エキスを上記濃
度において脱イオン水に溶解する。 ─OD660 =88の細胞密度のところで、醗酵ブロスにK2HP
O4を1.5 g/l の最終濃度に添加する。
【0105】最大OD660(=94.0) の時点で、314 g/l の
湿潤バイオマス含量(乾燥質量=50.9 g/l)および28.0
mU/mgの比活性を有する醗酵ブロスの191 U/l の酵素収
量/容量が達成される。CMP-Neu5Acシンセターゼ活性を
有する細胞抽出物の製造のためにE.コリ K-235/CS1株
をE.コリK-235 株の代わりに利用することができ、こ
れを次いで本発明に従って上記実施例と同様にしてCMP-
活性シアル酸の製造に用いることができる。
【0106】微生物の寄託 E.コリ K-235/CS1株は、1992年6 月18日に寄託番号DS
M 7114のもとにDSM (Deutsche Sammlung von Mikroorga
nismen, Mascheroder Weg 1b, D-3300 Braunschweig)に
寄託された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (71)出願人 592163251 フォルシュングスツェントルム ユーリッ ヒ ゲゼルシャフト ミット ベシュレン クテル ハフツング ドイツ連邦共和国,ユーリッヒ,ポストフ ァッハ 1913,ビルヘルム−ヨーネン−シ ュトラーセ (72)発明者 マッティアス キッテルマン ドイツ連邦共和国,7800 フライブルク, カルトオイセルシュトラーセ 88 (72)発明者 オレステ ギサルバ スイス国,4153 ライナッハ,エシェンベ ク 3 (72)発明者 テレサ クライン ドイツ連邦共和国,5170 ユーリッヒ,マ リエンガルテンシュトラーセ 6 (72)発明者 ウード クラグル 兵庫県宝塚市高司3−6−32 仁川グリー ンハイツ105 (72)発明者 クリスチャン バンドレイ ドイツ連邦共和国,5170 ユーリッヒ,ボ ルフシオフェナー シュトラーセ 139

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シチジン5′−モノホスホ−N−アセチ
    ルノイラミン酸シンセターゼ活性を有する天然微生物の
    細胞抽出物の存在下でシアル酸をシチジン5′−三リン
    酸と反応させることを含んで成り、ここで前記抽出物が
    場合により一精製段階にかけられることがある、シチジ
    ン5′−モノホスホシアル酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記シアル酸が、N−アセチルノイラミ
    ン酸(Neu5Ac)、N−アセチル−4−O−アセチルノイラ
    ミン酸(Neu4,5Ac2) 、N−アセチル−9−O−アセチル
    ノイラミン酸(Neu5,9Ac2) 、N−アセチル−7,9−ジ
    −O−アセチルノイラミン酸(Neu5,7,9Ac3) 、N−アセ
    チル−8,9−ジ−O−アセチルノイラミン酸(Neu5,8,
    9Ac3) 、N−アセチル−9−O−ラクトイルノイラミン
    酸(Neu4Ac9Lt) 、N−アセチル−4−O−アセチル−9
    −O−ラクトイルノイラミン酸(Neu4,5Ac29Lt)、N−ア
    セチルノイラミン酸9−リン酸(Neu5Ac9P)、N−グリコ
    ロイルノイラミン酸(Neu5Gc)、N−グリコロイル−9−
    O−アセチルノイラミン酸(Neu9Ac5Gc) 、N−グリコロ
    イル−9−O−ラクトイルノイラミン酸(Neu5Gc9Lt) 、
    N−グリコロイルノイラミン酸8−硫酸(Neu5Gc8S)、5
    −アジドノイラミン酸、N−アセチル−9−アジド−9
    −デオキシノイラミン酸およびN−アセチル−9−アセ
    トアミド−9−デオキシノイラミン酸から成る群から選
    択される、請求項1に記載のシチジン5′−モノホスホ
    (CMP) −シアル酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記シアル酸がNeu4,5Ac2 、Neu5,9Ac
    2 、Neu5Gc、Neu9Ac5Gc 、N−アセチル−9−アセトア
    ミド−9−デオキシノイラミン酸、N−アセチル−9−
    アジド−9−デオキシノイラミン酸、5−アジドノイラ
    ミン酸およびNeu5Acから成る群から選択される、請求項
    1に記載のシチジン5′−モノホスホ(CMP) −シアル酸
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のCMP-Neu5Acの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記シアル酸が反応混合物中で適当な前
    駆体からその場で調製される、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 Neu5Acが反応混合物中でその場で調製さ
    れる、請求項5に記載のCMP-Neu5Acの製造方法。
  7. 【請求項7】 Neu5AcがN−アセチルマンノサミン(Man
    2Ac)とピルビン酸塩からその場で調製され、反応混合物
    がNeu5Acアルドラーゼも含有する、請求項6に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 Neu5AcがN−アセチルグルコサミンエピ
    メラーゼとNeu5Acアルドラーゼの存在下でN−アセチル
    グルコサミンとピルビン酸塩からその場で調製される、
    請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 シチジン5′−三リン酸(CTP) が反応混
    合物中で適当な前駆体からその場で調製される、請求項
    1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 CTP が、反応混合物中でATP またはホ
    スホエノールピルベート(PEP) との反応により、シチジ
    ン5′−二リン酸(CDP) またはシチジン5′−一リン酸
    (CMP) からその場で調製される、請求項9に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 エシェリキア・コリ(Escherichia co
    li)血清型K1、ストレプトコッカス(Streptococcus
    血清型BまたはCの種、ナイセリア・メニンギチジス
    Neisseria meningitidis)、パスツレラ・ヘモリチカ
    Pasteurellahaemolytica )、パスツレラ・マルトサ
    イダ(Pasteurella multocida)、モラクセラ・ノンリ
    クェファシエンス(Moraxella nonliquefaciens)、シ
    トロバクター・フロインディ(Citrobacter freundi
    i)、サルモネラ(Salmonella)種、例えばS.ダーレ
    ム(S. dahlem)、S.ジャカルタ(S. djakarta)ま
    たはS.トロウカ(S. trouca)、アクチノマイセス・
    ビスコーサス(Actinomyces viscosus)およびコリネバ
    クテリウム・パルブム(Corynebacterium parvum)から
    成る群から選択された天然微生物の細胞抽出物が使用さ
    れる、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 血清型K1のE.コリ株の細胞抽出物が
    使われる、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 E.コリK-235 (ATCC 13027)の細胞抽
    出物が使われる、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 E.コリK-235/CS1 (DSM 7114)の細胞
    抽出物が使われる、請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記細胞抽出物が、CMP-Neu5Acシンセ
    ターゼ活性を有する微生物を含有する培養ブロスを遠心
    し、それ自体既知の方法で細胞を破壊し、そして細胞ホ
    モジネートの遠心からの残渣を前記方法において使うこ
    とにより得られる、請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記細胞抽出物が、CMP-Neu5Acシンセ
    ターゼ活性を有する微生物を含有する培養ブロスを遠心
    し、それ自体既知の方法で細胞を破壊し、そして水性二
    相系を使って細胞破片を除去することにより得られる、
    請求項1に記載の方法。
  17. 【請求項17】 核酸を除去するために細胞の破壊から
    の残渣にポリカチオン剤またはリボヌクレアーゼが添加
    される、請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記細胞抽出物が、ポリエチレングリ
    コール沈澱、アニオン交換クロマトグラフィー、疎水的
    相互作用クロマトグラフィー、ゲル濾過、アフィニティ
    ークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト上でのク
    ロマトグラフィーまたは等電点クロマトグラフィーから
    選択された精製段階にかけられる、請求項15〜17の
    いずれか一項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記細胞抽出物が疎水的相互作用クロ
    マトグラフィーにより精製される、請求項18に記載の
    方法。
  20. 【請求項20】 前記細胞抽出物が、CMP-Neu5Acシンセ
    ターゼ活性を有する微生物を含有する培養ブロスを遠心
    し、それ自体既知の方法で細胞を破壊し、水性二相系を
    使って細胞破片を除去し、そして残渣を疎水的相互作用
    クロマトグラフィーにより精製することにより得られ
    る、請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記反応混合物にピロホスファターゼ
    が添加される、請求項1に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記反応がバッチ法において行われ
    る、請求項1に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記反応が酵素膜リアクター中で連続
    的に行われる、請求項1に記載の方法。
  24. 【請求項24】 CTP とシアル酸とを含む溶液が、粗細
    菌抽出物中に含まれるCMP-Neu5Acシンセターゼが固定化
    されている固形担体上にプレコーティングされる、請求
    項1に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記反応が、20〜35℃において約10〜
    50mM Mg2+ の存在下または約5 〜30 mM Mn2+ の存在下
    で均一水性溶液中で行われ、該反応液のpH値がMg2+イオ
    ンの存在下では約8 〜11でありそしてMn2+イオンの存在
    下では約6 〜8 である、請求項1に記載の方法。
  26. 【請求項26】 N−アセチルマンノサミン(Man2Ac)と
    ピルビン酸塩からのNeu5Acのその場生成がpH 6〜8 でNe
    u5Acアルドラーゼの存在下で且つMn2+イオンの存在下で
    行われる、請求項7に記載の方法。
  27. 【請求項27】 N−アセチルグルコサミンとピルビン
    酸塩を使ったNeu5Acのその場生成がpH 6〜8 でN−アセ
    チルグルコサミンエピメラーゼとNeu5Acアルドラーゼの
    存在下で且つMn2+イオンの存在下で行われる、請求項8
    に記載の方法。
  28. 【請求項28】 シアル酸とCTP との反応が、一精製段
    階にかけられたCMP-Neu5Acシンセターゼ活性を有する天
    然微生物の細胞抽出物の存在下で行われ、前記精製段階
    がポリエチレングリコールでのタンパク質沈澱を含んで
    成る、請求項1に記載の方法。
  29. 【請求項29】 Neu5AcとCMP との反応が、一精製段階
    にかけられたE.コリK-235 (ATCC 13027)の細胞抽出物
    の存在下で行われ、前記精製段階がポリエチレングリコ
    ールでのタンパク質沈澱を含んで成る、請求項28に記
    載のCMP-Neu5Acの製造方法。
  30. 【請求項30】 シアル酸とCMP およびATP との反応
    が、一精製段階にかけられたCMP-Neu5Acシンセターゼ活
    性を有する天然微生物の細胞抽出物の存在下で行われ、
    前記精製段階がアニオン交換クロマトグラフィーまたは
    疎水的相互作用クロマトグラフィーを含んで成る、請求
    項10に記載の方法。
  31. 【請求項31】 Neu5AcとCMP およびATP との反応が、
    一精製段階にかけられたE.コリK-235 (ATCC 13027)の
    細胞抽出物の存在下で行われ、前記精製段階がアニオン
    交換クロマトグラフィーまたは疎水的相互作用クロマト
    グラフィーを含んで成る、請求項30に記載のCMP-Neu5
    Acの製造方法。
  32. 【請求項32】 シアル酸とCMP およびPEP との反応
    が、未精製であるかまたは一精製段階にかけられたCMP-
    Neu5Acシンセターゼ活性を有する天然微生物の細胞抽出
    物の存在下で行われ、場合により行われる前記精製段階
    が疎水的相互作用クロマトグラフィーを含んで成る、請
    求項10に記載の方法。
  33. 【請求項33】 Neu5AcとCMP およびPEP との反応が、
    未精製であるかまたは一精製段階にかけられたE.コリ
    K-235 (ATCC 13027)の細胞抽出物の存在下で行われ、場
    合により行われる前記精製段階が疎水的相互作用クロマ
    トグラフィーを含んで成る、請求項32に記載のCMP-Ne
    u5Acの製造方法。
  34. 【請求項34】 Man2Acおよびピルビン酸塩とCTP との
    反応が、一精製段階にかけられたCMP-Neu5Acシンセター
    ゼ活性を有する天然微生物の細胞抽出物存在下で行わ
    れ、前記精製段階がポリエチレングリコールでのタンパ
    ク質沈澱を含んで成る、請求項26に記載のCMP-Neu5Ac
    の製造方法。
  35. 【請求項35】 前記反応が、一精製段階にかけられた
    E.コリK-235 (ATCC 13027)の細胞抽出物の存在下で行
    われ、前記精製段階がポリエチレングリコールを使った
    タンパク質沈澱を含んで成る、請求項34に記載の方
    法。
  36. 【請求項36】 N−アセチルグルコサミンおよびピル
    ビン酸塩とCTP との反応が、一精製段階にかけられたCM
    P-Neu5Acシンセターゼ活性を有する天然微生物の細胞抽
    出物の存在下で行われ、前記精製段階がポリエチレング
    リコールでのタンパク質沈澱を含んで成る、請求項27
    に記載のCMP-Neu5Acの製造方法。
  37. 【請求項37】 前記反応が、一精製段階にかけられた
    E.コリK-235 (ATCC 13027)の細胞抽出物の存在下で行
    われ、前記精製段階がポリエチレングリコールでのタン
    パク質沈澱を含んで成る、請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 Neu5AcとCTP との反応が、場合により
    一精製段階にかけられたCMP-Neu5Acシンセターゼ活性を
    有する天然微生物の細胞抽出物を含む酵素膜リアクター
    中で連続的に行われ、反応体Neu5AcとCTP が前記リアク
    ター中に供給されそして前記リアクターの流出物からCM
    P-Neu5Acが単離される、請求項23に記載のCMP-Neu5Ac
    の製造方法。
  39. 【請求項39】 CMP-Neu5Acシンセターゼ活性を有する
    微生物がE.コリK-235 (ATCC 13027)である、請求項2
    0に記載のCMP-Neu5Acの製造方法。
  40. 【請求項40】 CMP-Neu5Acシンセターゼ活性を有する
    微生物がE.コリK-235/CS1 (DSM 7114)である、請求項
    20に記載のCMP-Neu5Acの製造方法。
  41. 【請求項41】 E.コリK-235/CS1 株 (DSM 7114) 。
JP4189647A 1991-07-17 1992-07-16 活性シアル酸の製造方法 Pending JPH05276973A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CH211991 1991-07-17
CH02119/91-5 1991-07-17

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05276973A true JPH05276973A (ja) 1993-10-26

Family

ID=4226318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4189647A Pending JPH05276973A (ja) 1991-07-17 1992-07-16 活性シアル酸の製造方法

Country Status (16)

Country Link
US (1) US5334514A (ja)
EP (1) EP0524143B1 (ja)
JP (1) JPH05276973A (ja)
KR (1) KR930002516A (ja)
AT (1) ATE161051T1 (ja)
AU (1) AU664036B2 (ja)
CA (1) CA2073954A1 (ja)
DE (1) DE59209053D1 (ja)
DK (1) DK0524143T3 (ja)
ES (1) ES2110481T3 (ja)
GR (1) GR3025800T3 (ja)
IE (1) IE922318A1 (ja)
IL (1) IL102527A (ja)
MX (1) MX9204130A (ja)
SG (1) SG49879A1 (ja)
TW (1) TW287200B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005030974A1 (ja) * 2003-09-26 2007-11-15 ヤマサ醤油株式会社 Cmp−n−アセチルノイラミン酸の製造法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4431280A1 (de) * 1994-09-02 1996-03-07 Hoechst Ag Verfahren zur Isolierung und Reinigung von nukleotidaktivierten Zuckern aus biologischen Quellen
US5585211A (en) * 1995-02-06 1996-12-17 Firstein; Leon A. Fabrication and use of sub-micron dimensional standard
JPWO2004009830A1 (ja) 2002-07-18 2005-11-17 ヤマサ醤油株式会社 Cmp−n−アセチルノイラミン酸の製造法
WO2013070677A1 (en) * 2011-11-07 2013-05-16 The Regents Of The University Of California PmST3 ENZYME FOR CHEMOENZYMATIC SYNTHESIS OF ALPHA-2-3-SIALOSIDES
PL2991683T3 (pl) 2013-05-02 2020-03-31 Glykos Finland Oy Koniugaty glikoproteiny lub glikanu z toksycznym ładunkiem
EP2905341B1 (en) * 2014-02-07 2020-04-29 Jennewein Biotechnologie GmbH Methods for producing GDP-fucose using nucleotide sugar transporters and recombinant microorganism host cells used therefor

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0120328B1 (en) * 1983-03-01 1988-10-19 C.R.C. Compagnia di Ricerca Chimica S.p.A. Pharmaceutical compositions containing the cytidine monophosphate of 5-acetamido-3,5-dideoxy-d-glycero-d-galactononulosaminic acid
DE3626915A1 (de) * 1986-08-08 1988-02-11 Hoechst Ag Verfahren zur enzymatischen synthese eines n-acetylneuraminsaeure-haltigen trisaccharids
JPH02177891A (ja) * 1988-12-28 1990-07-10 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 複合酵素反応によるシチジン‐5′‐モノホスフオシアル酸の合成方法
DE3937891A1 (de) * 1989-11-15 1991-05-16 Forschungszentrum Juelich Gmbh Enzymatisches verfahren zur herstellung von n-acetylneuraminsaeure

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005030974A1 (ja) * 2003-09-26 2007-11-15 ヤマサ醤油株式会社 Cmp−n−アセチルノイラミン酸の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
EP0524143B1 (de) 1997-12-10
DE59209053D1 (de) 1998-01-22
IE922318A1 (en) 1993-01-27
IL102527A (en) 1996-08-04
SG49879A1 (en) 2001-03-20
EP0524143A1 (de) 1993-01-20
TW287200B (ja) 1996-10-01
MX9204130A (es) 1993-07-01
ES2110481T3 (es) 1998-02-16
DK0524143T3 (da) 1998-08-24
GR3025800T3 (en) 1998-03-31
CA2073954A1 (en) 1993-01-18
US5334514A (en) 1994-08-02
IL102527A0 (en) 1993-01-14
KR930002516A (ko) 1993-02-23
ATE161051T1 (de) 1997-12-15
AU664036B2 (en) 1995-11-02
AU2034892A (en) 1993-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0378115B2 (ja)
JPH05276973A (ja) 活性シアル酸の製造方法
EP0107400B1 (en) Hybrid plasmid and process for producing glutathione using said plasmid
US4670389A (en) Process for producing N-acetylneuraminate lyase
JP3117707B2 (ja) 5´―イノシン酸の製造法
JP3691875B2 (ja) 耐熱性マルトースホスホリラーゼ、その製造方法、その製造に使用する菌、および該酵素の使用方法
WO1998011247A1 (fr) Procede de production de nucleotides de sucre et d'hydrates de carbone complexes
US5296360A (en) Process for producing ganglioside GM1
US5316929A (en) Process for the preparation of MA
US5234828A (en) Process for producing novel heat-resistant β-galactosyltransferase
US5116752A (en) Process for preparing neuraminidase
EP0456986B1 (en) Heat resistant beta-galactosyltransferase, its production process and its use
JPH01144996A (ja) カルニチンヒドロリアーゼの分離方法およびl(−)−カルニチン合成への利用
US5275939A (en) Process for producing asialo GM1
EP0206595B1 (en) Thermally stable tryptophanase process for producing the same, and thermally stable tryptophanase-producing microorganism
EP0071485A2 (en) Novel microorganisms derived from microorganisms of the genus Escherichia by mutation and their use in the preparation of glutathione
JP2970932B2 (ja) 新規耐熱性β―ガラクトシル基転移酵素、その製造法及びその用途
JPH0148758B2 (ja)
JPH089972A (ja) 新規デアミノノイラミニダーゼとその製造方法
JPS6228678B2 (ja)
JP4336400B2 (ja) 酵素誘導剤及びそれを用いる酵素製造方法
KR830002916B1 (ko) 발효에 의한 세팔로스포린 제법
JPH09224691A (ja) リン酸糖の製造法
JP3757598B2 (ja) L−リボースの製造方法
JPH0582200B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040217