JP4336400B2 - 酵素誘導剤及びそれを用いる酵素製造方法 - Google Patents

酵素誘導剤及びそれを用いる酵素製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酵素の誘導剤及び酵素の製造方法に関する。より詳細には、デアミノノイラミニダーゼの誘導剤及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デアミノノイラミン酸(3-deoxy-D-glycero-D-galacto-nonulosonic acid、あるいは2-keto-3-deoxy-D-glycero-D-galacto-nononic acid;以下、KDNともいう)は、複合糖質の構成成分として生物界に広く存在し、多様な存在様式をもつことが知られており、またKDNを含有する糖質中のKDNケトシド結合を切断する酵素(デアミノノイラミニダーゼ;以下、KDNaseともいう)も知られている。KDNaseは、KDNの構造・機能の解析や、KDNの検出に有用な試薬として期待されている。
【0003】
WO96/00781号公報には、KDNase、その製造方法及びKDNase生産菌(スフィンゴバクテリウム mOL12−4s(FERM BP−5116))が開示されている。また当該公報中には、KDNオリゴ糖アルコール(KDNα2→3Galβ1→3GalNAcα1→3[KDNα2→(8KDNα2→)n→6]GalNAcol)を含有する培地でスフィンゴバクテリウム mOL12−4s(FERM BP−5116)を培養することにより、KDNaseが誘導できることが記載されている。
【0004】
しかし、KDNグリコシドを有効成分とするKDNaseの誘導剤、及びこれを用いるKDNaseの製造方法については開示されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
KDNオリゴ糖アルコールをさらに上回るKDNase誘導作用を有する誘導剤、及びこれを用いるKDNaseの製造方法が提供できれば、KDNase生産菌を用いて極めて効率的かつ大量にKDNaseが製造でき、KDNaseをより安価に提供することができる。
【0006】
そこで、本発明が解決すべき課題は、新規なKDNaseの誘導剤、及びこれを用いるKDNaseの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のKDNグリコシドが、上記KDNオリゴ糖アルコールを上回る顕著なKDNase誘導作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、下記一般式(1)で示されるKDN誘導体を有効成分として含有する、KDNaseの誘導剤(以下、本発明誘導剤という)を提供する。
【0009】
【化2】
Figure 0004336400
(Rは炭素数1〜10のアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す。)本発明誘導剤において、Rは、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は置換基を有していてもよいフェニル基もしくはウンベリフェリル基であり、これらの中でも炭素数1〜4のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基もしくはウンベリフェリル基が好ましい。さらに好ましくは、Rは、炭素数1〜2のアルキル基、ニトロフェニル基又はメチルウンベリフェリル基である。
【0010】
本発明誘導剤は、好ましくは、さらにグルコースを有効成分として含有する。
【0011】
また、本発明は、本発明誘導剤を含む培地において、KDNase生産能を有する微生物をKDNaseの生産条件下において培養する工程、および、培養により得られた培養物からKDNaseを採取する工程を少なくとも含む、KDNaseの製造方法(以下、本発明製造方法という)を提供する。
【0012】
本発明製造方法は、好ましくは、下記の工程を少なくとも含む。
(工程1)本発明誘導剤を、KDNase生産能を有する微生物を含有する培養物に添加する。
(工程2)工程1で得られた培養物をKDNaseの生産条件下において培養する。
(工程3)工程2で得られた培養物からKDNaseを採取する。
【0013】
本発明製造方法において、KDNase生産能を有する微生物は、好ましくは、スフィンゴバクテリウム属に属する細菌である。スフィンゴバクテリウム属に属する細菌は、好ましくは、スフィンゴバクテリウム mOL12−4s(FERM BP−5116)である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
<1>本発明誘導剤
本発明誘導剤は、下記一般式(1)で示されるKDN誘導体を有効成分として含有する、KDNaseの誘導剤である。
【0015】
【化3】
Figure 0004336400
(Rは炭素数1〜10のアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す。)
なお上記一般式(1)におけるRは、炭素数1〜10のアルキル基(具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル、オクチル基、ノニル基又はデシル基)、アラルキル基又はアリール基である限りにおいて特に限定されないが、以下に好ましいRを例示する。
【0016】
上記一般式(1)におけるRが炭素数1〜10のアルキル基であるもののなかでも、Rが炭素数1〜4のアルキル基(具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基)であるものが好ましく、Rが炭素数1〜2のアルキル基(具体的にはメチル基又はエチル基)であるものがより好ましく、Rがエチル基であるものが特に好ましい。
【0017】
上記一般式(1)におけるRがアラルキル基であるもののなかでも、Rがベンジル基であるものが好ましい。
【0018】
上記一般式(1)におけるRがアリール基であるもののなかでも、Rが置換基を有していてもよいフェニル基もしくはウンベリフェリル基であるものが好ましい。置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、ニトロ基などが挙げられ、置換基は複数であってもよく、複数の場合は互いに同一でも相違してもよい。Rがニトロフェニル基又はメチルウンベリフェリル基であるものがより好ましい。
【0019】
上記一般式(1)におけるRがニトロフェニル基であるもののなかでも、Rがp−ニトロフェニル基であるものがより好ましい。
【0020】
上記一般式(1)におけるRがメチルウンベリフェリル基であるもののなかでも、Rが4−メチルウンベリフェリル基であるものがより好ましい。
【0021】
なお、上記KDN誘導体には、一般式(1)中のカルボン酸基が塩になっているものも包含される。
【0022】
これらのKDN誘導体は、KDNと前記の「R」に該当する基とを、常法によりグリコシド結合させることにより製造することができる。具体的なKDN誘導体の製造法については、後述の実施例において詳述する。
【0023】
本発明誘導剤は、上記一般式(1)で示されるKDN誘導体を有効成分として含有するが、さらにグルコースを有効成分として含有することが好ましい。すなわち本発明誘導剤は、上記一般式(1)で示されるKDN誘導体及びグルコースを有効成分として含有することが好ましい。
【0024】
ここで、上記一般式(1)で示されるKDN誘導体及びグルコースを有効成分として含有する本発明誘導剤の提供形態は、必ずしも当該KDN誘導体とグルコースとの混合物である必要はなく、例えば下記のような提供形態が例示される。
【0025】
(A)上記一般式(1)で示されるKDN誘導体とグルコースとの混合物を調製し、これを本発明誘導剤として提供する形態。
【0026】
(B)上記一般式(1)で示されるKDN誘導体とグルコースとを別々の容器に封入し、これらをセットで本発明誘導剤として提供する形態。
【0027】
(C)上記一般式(1)で示されるKDN誘導体又はグルコースのみを、その使用の際にグルコース又は上記一般式(1)で示されるKDN誘導体を添加せしめる旨の表示をして、本発明誘導剤として提供する形態。
【0028】
なお、上記一般式(1)で示されるKDN誘導体とグルコースとの混合物として本発明誘導剤を提供する場合の混合比は特に限定されないが、KDN誘導体:グルコース=1:1程度が好ましい。
【0029】
本発明誘導剤は、上記KDN誘導体及びグルコースの他、培養において許容可能な担体や添加剤を含んでいてもよい。
【0030】
なお、KDNase誘導の際に用いる本発明誘導剤の使用量については、後述の「<2>本発明製造方法」において詳述する。
【0031】
<2>本発明製造方法
本発明製造方法は、上記の本発明誘導剤を含有する培地で、KDNase生産能を有する微生物をKDNaseの生産条件下において培養する工程、及び、培養により得られた培養物からKDNaseを採取する工程を少なくとも含む、KDNaseの製造方法である。
【0032】
KDNase生産能を有する微生物のKDNase生産条件下での培養は、この微生物を本発明誘導剤を含まない培地で培養後、培養物に本発明誘導剤を添加して行ってもよいし、培養物を本発明誘導剤を含む培地に接種して行ってもよい。
【0033】
本発明製造方法は、下記の工程を少なくとも含むことが好ましい。
(工程1)本発明誘導剤を、KDNase生産能を有する微生物を含有する培養物に添加する。
(工程2)工程1で得られた培養物をKDNaseの生産条件下において培養する。
(工程3)工程2で得られた培養物からKDNaseを採取する。
【0034】
ここで、KDNase生産能を有する微生物は特に限定されないが、スフィンゴバクテリウム属に属する細菌であることが好ましく、スフィンゴバクテリウムmOL12−4s(FERM BP−5116)であることがより好ましい。
【0035】
このスフィンゴバクテリウム mOL12−4s(FERM BP−5116)は、下記の酵素学的性質を有するKDNaseを生産する。
▲1▼作用:
KDNを含有する複合糖質もしくは糖質に作用し、KDNケトシド結合を加水分解して、KDNを含有しない複合糖質もしくは糖質又はKDNが部分的に除去された複合糖質もしくは糖質と、遊離のKDNとを生成する。
▲2▼基質特異性:
KDNを含有する複合糖質もしくは糖質には作用するが、N−アセチルノイラミン酸又はN−グリコリルノイラミン酸を含有する複合糖質もしくは糖質における、N−アセチルノイラミン酸又はN−グリコリルノイラミン酸のケトシド結合には作用しない。
【0036】
このKDNaseは、さらに下記の性質を有する。
(i)至適反応pH:
pH6付近
(ii)安定pH範囲
25℃においてpH4〜9で安定
(iii)至適反応温度
25℃付近
(iv)熱安定性
25℃で少なくとも48時間失活しない。
(v)阻害及び安定化
遊離のKDNによって阻害される。ウシ血清アルブミン存在下で安定化される。
【0037】
従って、本発明製造方法によって製造されるKDNaseは、上記の酵素学的性質を有するものであることが好ましい。
【0038】
KDNase生産条件とは、KDNase生産能を有する微生物がKDNaseを生産する条件を意味し、使用する微生物によって適宜選択されるが、通常には、この微生物が資化可能な炭素源(グルコースなど)、窒素源(酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー、大豆粕、カゼインの加水分解物(casamino acids)などの有機窒素源、塩酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿素、硝酸アンモニウムなどの無機窒素源、無機塩(カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどの硫酸塩、リン酸塩、塩酸塩など)などを含む培地中で、好気的な培養法(振盪培養、通気攪拌培養など)によって生育に適した温度で数時間〜数日間培養するという条件が挙げられる。
【0039】
KDNase生産条件下での培養における本発明誘導剤の使用量は、本発明誘導剤を使用しないときに比べ、産生されるKDNaseの量が増大するのに十分な量であればよく、通常には、培地中のKDN誘導体の濃度として0.01〜1%(w/v)、好ましくは0.01〜0.3%(w/v)である。
【0040】
KDNase生産条件下での培養における培地中のグルコースの量は、KDNaseの誘導を増大させるのに十分な量であればよく、通常には、培地中の濃度で0.01〜1%(w/v)、好ましくは0.01〜0.3%(w/v)である。従って、本発明誘導剤に任意成分として含まれるグルコースは、培地中に十分量のグルコースが存在する場合には、なくてもよい。
【0041】
その他、KDNase生産条件下での培養における、KDNase誘導のための、初期細胞密度、培養時間等の条件は、後記実施例2に示すように、通常に行われる実験手順によって設定することができる。
【0042】
培養により得られた培養物からのKDNaseの採取は、WO96/00781号公報に記載されたKDNaseの取得法に従って行うことができる。例えば、培養物から遠心分離などで収集した菌体から、超音波処理などによる破砕、あるいは浸透圧ショック等の適当な方法によって放出された酵素を含む画分を得、次いで、例えば、硫酸アンモニウム(硫安)、硫酸ナトリウム等による塩析、透析、限外濾過法、吸着クロマトグラフィー、陰イオン及び陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過法、電気泳動法などの公知の酵素精製法、さらにはKDN含有糖タンパク質(KDN-gp)を結合させたアガロースゲル等を用いたアフィニティクロマトグラフィーによって目的とする精製度の酵素標品を得ることができる。
【0043】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。しかしながら、これらにより本発明の技術的範囲が限定されるべきものではない。
【0044】
【調製例1】
KDN誘導体等の調製
KDNオリゴ糖アルジトール画分(KDN−OS)は、ニジマス卵巣液から、既報(J. Biol. Chem. 271, 2909-2913(1996))の方法に従って調製した。KDN、p−α−ニトロフェニルKDN(KDNα2pNP)及びα−4−メチルウンベリフェリルKDN(KDNα2MeUmb)は、既報(Chem. Pharm. Bull. 37, 821-823(1989); Chem. Ber. 101, 1089-1094(1968); Chem. Pharm. Bull. 43, 1844-1848(1995))の方法に従って合成した。α−メチルKDN(KDNα2Me)、α−エチルKDN(KDNα2Et)及びα−ベンジルKDN(KDNα2Bn)は、以下の様にして調製した(図1)。メチル 4,5,7,8,9-ペンタ-O-アセチル-2-クロロ-2,3-ジデオキシ-D-glycero-β-D-galacto-2-ノヌロピラノソネート(2, 1.0 g, 1.96 mmol) を、メタノール、エタノール及びベンジルアルコール(30 ml)にそれぞれ溶解し、攪拌しながら安息香酸ナトリウム(0.34 g, 2.36 mmol) を加えた。得られた懸濁液を室温で0.5〜3時間攪拌し、反応液をセライト(Celite)で濾過し、濾液をエバポレーターにより減圧乾固した。残渣を酢酸エチル(30 ml)に溶解し、この溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した後、エバポレーターにより減圧乾固した。残渣を、n−ヘキサン/酢酸エチル(2:1, v/v)を用いてシリカゲル(Merck, Kieselgel 60, 70-230 mesh, ASTM, 80 g)カラムのクロマトグラフィーに付し、無色のアモルファス粉末として、3, 4及び5の化合物を得た。各生成物を、nーヘキサン/酢酸エチルから結晶化した。脱保護のために、各結晶をメタノール(10 ml)に溶解し、1N水酸化ナトリウム(10 ml)を加えた。得られた溶液を室温で4時間攪拌し、次いで水で希釈し、Dowex 50W-X8(H+)樹脂を用いて0℃で脱イオンした。濾液を凍結乾燥し、6, 7及び8の化合物を無色の粉末として得た。
【0045】
得られた化合物の性質を以下の通り確認した。
【0046】
メチル 2-デオキシ-D-glycero-α-D-galacto-2-ノヌロピラノシドン酸(6, KDNα2Me): 収率 98%. [α]D 25 -29.2° (c = 1.0, CH3OH).元素分析 C10H18O9の計算値: C, 42.55; H, 6.43.測定値: 42.44; H, 6.48. IRデータ, νmax film cm-1: 1720 (C=O). 1H-NMR (300 MHz, D2O) data:δ= 1.57 (1H, t, J = 12.0 Hz, 3-Hax), 2.64 (1H, dd, J = 5.0, 12.0 Hz, 3-Heq), 3.31 (3H, s, 2-OCH3), 3.49 (1H, dd, J = 9.0, 9.5 Hz, 5-H), 3.57 (1H, ddd, J = 5.0, 9.0, 12.0 Hz, 4-H), 3.65 (1H, dd, J = 2.0, 9.5 Hz, 6-H), 3.66 (1H, dd, J = 6.5, 12.5 Hz, 9-H), 3.85 (1H, dd, J = 2.0, 8.5 Hz, 7-H), 3.88 (1H, ddd, J = 2.5, 6.5, 8.5 Hz, 8-H), 3.88 (1H, dd, J = 2.5, 12.5 Hz, 9'-H).
エチル 2-デオキシ-D-glycero-α-D-galacto-2-ノヌロピラノシドン酸(7, KDNα2Et): 収率 98%. [α]D 25 -34.2°(c = 1.0, CH3OH).元素分析 C11H20O9の計算値: C, 44.59; H, 6.80.測定値: 44.64; H, 6.58. IRデータ, νmax film cm-1: 1720 (C=O). 1H-NMR (300 MHz, D2O): δ= 1.14 (3H, t, J = 7.0 Hz, -CH2CH3), 1.57 (1H, dd, J = 11.5, 12.0 Hz, 3-Hax), 2.66 (1H, dd, J = 4.5, 12.0 Hz, 3-Heq), 3.46 (1H, dq, J = 9.0, 7.0 Hz, 2-OCHCH3), 3.48 (1H, t, J = 9.0 Hz, 5-H), 3.56 (1H, ddd, J = 4.5, 9.0, 11.5 Hz, 4-H), 3.65 (1H, dd, J = 2.0, 9.0 Hz, 6-H), 3.66 (1H, dd, J = 3.0, 13.0 Hz, 9-H), 3.76 (1H, dq, J = 9.0, 7.0 Hz, 2-OCHCH3), 3.83 (1H, ddd, J = 1.5, 3.0, 9.0 Hz, 8-H), 3.85 (1H, dd, J = 2.0, 9.0 Hz, 7-H), 3.88 (1H, dd, J = 1.5, 13.0 Hz, 9'-H).
ベンジル 2-デオキシ-D-glycero-α-D-galacto-2-ノヌロピラノシドン酸(8, KDNα2Bn): 収率 98%. [α]D 25 -32.0°(c = 1.0, CH3OH).元素分析 C16H22O9の計算値: C, 53.63; H, 6.19.測定値: C, 53.64; H, 6.38. IRデータ, νmax film cm-1: 1720 (C=O), 1600 (フェニル).1H-NMR (300 MHz, D2O): δ= 1.64 (1H, t, J = 12.0 Hz, 3-Hax), 2.70 (1H, dd, J = 4.5, 12.0 Hz, 3-Heq), 3.56 (1H, dd, J = 9.0, 9.5 Hz, 5-H), 3.61 (1H, ddd, J = 4.5, 9.0, 12.0 Hz, 4-H), 3.69 (1H, dd, J = 6.5, 11.5 Hz, 9-H), 3.70 ( 1H, dd, J = 2.0, 9.5 Hz, 6-H), 3.80 (1H, dd, J = 2.0, 9.0 Hz, 7-H), 3.84 (1H, ddd, J = 2.0, 6.5, 9.0 Hz, 8-H), 3.88 (1H, dd, J = 2.0, 11.5 Hz, 9'-H), 4.49 (1H, d, J = 11.0 Hz, C6H5CH-), 4.73 (1H, d, J = 11.0 Hz, C6H5CH'-), 7.34-7.45 (5H, C6H5-).
【0047】
【実施例1】
KDN誘導体によるKDNaseの誘導
スフィンゴバクテリウム mOL12−4sの細菌細胞を、1%(w/v)のカゼイン加水分解物(casamino acids、ギブコ製)及び1%(w/v)のグルコース(Glc)を含むM9液体培地中で25℃で培養した。増殖期の菌体(細胞)を集め、M9液体培地で2回洗浄した。表1に示す添加物質をそれぞれ0.1%(w/v)の濃度で含む、それぞれ2.0mlのM9液体培地に1×109個の細胞を接種し、25℃で12時間インキュベートし、細胞内KDNase活性を測定した。細胞内KDNase活性は、培養液を13,000rpm(14,000×g)で10分間遠心することにより集めた細胞を、0.1M NaClを含む0.1Mトリス−酢酸緩衝液(pH 6.0)の0.25mlに懸濁し、超音波破砕した(20ワット、30秒間)。これを13,000rpm(14,000×g)で10分間遠心した後に得られた上清のKDNase活性を測定し、2mlの培養液当たりのユニットとして算出した。なお、KDNase活性は、基質として1.4nmolのKDNα2MeUmbを、20μlの上清に加えて、25℃で30分間反応させ、反応後、2.5mlの85mMグリシン炭酸塩緩衝液(pH 9.3)と混合して、蛍光強度を測定した。1分間に1nmolのKDNα2MeUmbを加水分解する酵素量を1ユニットと定義した。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
表1 各種物質添加時のKDNase活性
────────────────────────────────
添加物質 KDNase活性(ユニット/2 ml培養液)
────────────────────────────────
KDNα2Me+Glc 7.3
KDNα2Et+Glc 11.0
KDNα2Bn+Glc 5.1
KDNα2pNP+Glc 9.0
KDNα2MeUmb+Glc 9.4
KDN−OS+Glc 2.1
KDN+Glc 0.3
Glc 0.7
KDNα2Bn 0.2
KDN−OS 4.5
KDN 0.1
────────────────────────────────
注)KDNα2Me、KDNα2Et、KDNα2pNP及びKDNα2MeUmbの単独の添加時の活性は、0.3〜1.8であり、KDNα2Bnとほぼ同じであった。
【0049】
表1から、グルコースが存在するときに、一般式(1)で示されるKDN誘導体は、顕著なKDNase誘導活性を示すことが明らかである。また、グルコースは0.1%(w/v)の量が存在するだけで一般式(1)で示されるKDN誘導体のKDNase誘導活性が発揮されるので、一般の培養条件で炭素源として加えられるレベルのグルコースが存在する条件では、一般式(1)で示されるKDN誘導体のみをKDNase誘導剤として加えることで十分なことが分かる。さらに、このような条件では、KDN−OSに比べ一般式(1)で示されるKDN誘導体のKDNase誘導活性が顕著に高いことが分かる。
【0050】
【実施例2】
KDNase誘導条件の最適化
誘導剤としてKDNα2MeUmbを用いた場合の、スフィンゴバクテリウムmOL12−4sのKDNaseの誘導条件を検討した。
【0051】
(a) 初期細胞密度
1%(w/v)のカゼイン加水分解物(casamino acids、ギブコ製)及び1%(w/v)のグルコース(Glc)を含むM9液体培地中で25℃で培養した細胞を、種々の細胞密度で、0.1%(w/v)KDNα2MeUmb及び0.1%(w/v)Glcを含むM9液体培地に接種し、25℃で12時間インキュベートし、実施例1と同様の方法で細胞内KDNase活性を測定した。結果を図2の(a)に示す。誘導の至適初期細胞密度は1.0×109細胞/mlであった。
【0052】
(b) 誘導剤濃度
1%(w/v)のカゼイン加水分解物(casamino acids、ギブコ製)及び1%(w/v)のグルコース(Glc)を含むM9液体培地中で25℃で培養した細胞を、種々の濃度のKDNα2MeUmb及び0.1%(w/v)Glcを含むM9液体培地に、1.0×109細胞/mlの細胞密度で接種し、25℃で12時間インキュベートし、実施例1と同様の方法で細胞内KDNase活性を測定した。結果を図2の(b)に示す。0.01%(w/v)の濃度でKDNaseの誘導に効果的であった。
(c) 誘導時間
1%(w/v)のカゼイン加水分解物(casamino acids、ギブコ製)及び1%(w/v)のグルコース(Glc)を含むM9液体培地中で25℃で培養した細胞を、0.1%(w/v)KDNα2MeUmb及び0.1%(w/v)Glcを含むM9液体培地に、1.0×109細胞/mlの細胞密度で接種し、25℃で種々の時間インキュベートし、実施例1と同様の方法で細胞内KDNase活性を測定した。結果を図2の(c)に示す。6時間〜24時間で効果的なKDNaseの誘導が得られた。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、KDNase誘導作用の高いKDNaseの誘導剤及びそれを用いたKDNaseの製造方法が提供され、KDNaseを効率よく製造することができる。なお、本発明誘導剤の有効成分であるKDN誘導体は、調製が容易であり、安価かつ大量に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 KDN誘導体の合成スキームを示す。
【図2】 KDNase誘導条件の一例を示す。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示されるデアミノノイラミン酸誘導体及びグルコースを有効成分として含有する、スフィンゴバクテリウム属に属する細菌が産生するデアミノノイラミニダーゼを誘導するための、デアミノノイラミニダーゼの誘導剤。
    Figure 0004336400
    (Rは炭素数1〜10のアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示す。)
  2. Rが炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は置換基を有していてもよいフェニル基もしくはウンベリフェリル基である、請求項1記載の誘導剤。
  3. Rが炭素数1〜2のアルキル基、ニトロフェニル基又はメチルウンベリフェリル基である、請求項2記載の誘導剤。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の誘導を含む培地において、スフィンゴバクテリウム属に属する細菌をデアミノノイラミニダーゼの生産条件下において培養する工程、および、培養により得られた培養物からデアミノノイラミニダーゼを採取する工程を少なくとも含む、デアミノノイラミニダーゼの製造方法。
  5. 下記の工程を少なくとも含む、請求項4に記載の製造方法。
    (工程1)請求項1〜のいずれか1項に記載の誘導剤を、スフィンゴバクテリウム属に属する細菌を含有する培養物に添加する。
    (工程2)工程1で得られた培養物をデアミノノイラミニダーゼの生産条件下において培養する。
    (工程3)工程2で得られた培養物からデアミノノイラミニダーゼを採取する。
  6. 前記スフィンゴバクテリウム属に属する細菌が、スフィンゴバクテリウム mOL12−4s(FERM BP−5116)である、請求項又はに記載の製造方法。
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