JPH05275412A - 基板の洗浄・乾燥処理方法並びにその処理装置 - Google Patents

基板の洗浄・乾燥処理方法並びにその処理装置

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JPH05275412A
JPH05275412A JP4324899A JP32489992A JPH05275412A JP H05275412 A JPH05275412 A JP H05275412A JP 4324899 A JP4324899 A JP 4324899A JP 32489992 A JP32489992 A JP 32489992A JP H05275412 A JPH05275412 A JP H05275412A
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pure water
cleaning
hot pure
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Eiichiro Hayashi
栄一郎 林
Kazunori Fujikawa
和憲 藤川
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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    • B08CLEANING
    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板を温純水で洗浄した後その基板表面を乾
燥させる処理において、基板表面へのパーティクルの付
着を少なくし、基板表面の乾燥を効率良く行なえるよう
にする。 【構成】 温純水を洗浄槽12内へその底部から供給しそ
の上部から溢れ出させて、洗浄槽内部に温純水の上昇水
流を形成し、その温純水の上昇水流中に基板を浸漬させ
て洗浄する。洗浄後、基板を温純水中から引き上げ、洗
浄槽内から温純水を排出するとともに、密閉チャンバ16
内を真空排気して、基板を減圧乾燥する。少なくとも温
純水中からの基板の引上げ工程において、加熱されかつ
イオン化された窒素ガスを基板の周囲へ供給するように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体デバイス製造
プロセス、液晶ディスプレイ製造プロセス、電子部品関
連製造プロセスなどにおいて、シリコンウエハ、ガラス
基板、電子部品等の各種基板を温純水で洗浄した後その
基板表面を乾燥させる基板の洗浄・乾燥処理方法並びに
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンウエハ等の各種基板を、温水を
使用して洗浄し、その洗浄後に基板表面を乾燥させる方
法としては、従来、例えば特開平3−30330号公報
に開示されているような方法が知られている。同号公報
には、基板をチャンバ内に収容し、そのチャンバ内に温
水を注入して基板を温水に浸した後、チャンバ内を温水
の蒸気圧以下に減圧して温水を沸騰させ、この温水の減
圧沸騰により基板を洗浄し、その洗浄後にチャンバ内に
純水を注入し、純水によって基板をすすいで清浄にした
後、チャンバ内の水を排出させるとともに、チャンバ内
を真空引きして、洗浄された基板を乾燥させるようにす
る基板の洗浄・乾燥処理方法が開示されている。また、
同号公報には、チャンバ内の水を排出させる際に、その
排水と同時に窒素ガスをチャンバ内に供給することによ
り、基板に塵埃が付着するのを窒素ガスによって有効に
防止するようにする技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した特開平3−3
0330号公報に開示された方法では、温水により基板
を洗浄し純水で基板をすすいだ後、基板を静止させたま
まチャンバ内から排水するようにしている。このよう
に、基板を静止させた状態で排水し、チャンバ内の液面
を下げていって基板の周囲から水を排除するようにして
いるが、チャンバからの排水過程では、洗浄によって基
板表面から除去されて液中に拡散したパーティクルが液
面付近に集中する。このため、静止した基板の表面上を
液面が下降していく際に、基板の表面にパーティクルが
再付着し易い、といった問題点がある。
【0004】また、チャンバは、耐食性材料で形成され
ており、絶縁体構造となっており、さらに純水は、その
電気抵抗値が大きく電気絶縁物であり、従ってその流動
中にチャンバ内に静電気が多く発生し、チャンバ内の基
板、例えばシリコンウエハの表面へのパーティクルの付
着が多い、といった問題点がある。さらに、上記公報に
記載された装置では、チャンバの周囲に輻射加熱器を配
置し、排水の後減圧状態下で基板を乾燥させる前に、基
板の乾燥を促進させるため、輻射加熱器によって基板を
補助加熱するようにしているが、乾燥工程では基板に対
して熱が供給されず、乾燥効率がそれほど良くない。ま
た、チャンバ外から輻射伝熱によって基板を加熱するも
のであるため、チャンバの材質が制限されことになる。
【0005】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、シリコンウエハ等の基板を洗浄した
後その基板表面を乾燥させる場合に、基板表面へのパー
ティクルの付着を少なくすることができるとともに、基
板表面の乾燥速度も可及的に大きくすることができるよ
うな基板の洗浄・乾燥処理方法を提供すること、並び
に、その方法を好適に実施することができる装置を提供
することを技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る基板の洗
浄・乾燥処理方法は、洗浄槽内へその底部から温純水を
連続して供給し、洗浄槽の上部からその温純水を溢れ出
させて、洗浄槽内部において温純水の上昇水流を形成す
る工程と、基板を下降させて前記洗浄槽内の温純水中に
浸漬させ、温純水の上昇水流によって基板を洗浄する工
程と、基板を上昇させて前記洗浄槽内の温純水中から引
き上げる工程と、前記洗浄槽内の温純水を洗浄槽から排
出する工程と、基板の周囲を減圧し、基板を乾燥させる
工程と、基板の周囲を減圧下から大気圧下へ戻す工程と
から構成されている。そして、少なくとも上記した温純
水中からの基板の引上げ工程において、加熱されかつイ
オン化された不活性ガス等のガスを基板の周囲へ供給す
るようにする。
【0007】上記した方法では、基板は、洗浄槽内部に
形成される温純水の上昇水流中に置かれることによって
洗浄され、その表面からパーティクルが除去される。そ
して、基板表面から除去されて温純水中へ拡散していっ
たパーティクルは、洗浄槽の上部から溢れ出る温純水と
共に洗浄槽から排出され、また、基板を静止させたまま
排水して基板の周囲から水を排除する方法ではなく、基
板を上昇させて洗浄槽内の温純水中から引き上げるよう
にしているので、温純水中のパーティクルが基板の表面
に再付着するといったことが起こらない。また、基板
は、洗浄槽からの排水後に基板の周囲を減圧することに
よって乾燥させられるが、少なくとも温純水中からの基
板の引上げ工程において、加熱されたガスが基板の周囲
へ供給され、温純水によって加熱された基板がさらに加
熱ガスによって補助加熱されるため、基板表面の乾燥が
速やかに行なわれる。そして、少なくとも温純水中から
の基板の引上げ工程において基板の周囲へ供給される加
熱ガスがイオン化されているため、密閉チャンバ内に静
電気が多量に発生しても、その静電気は、イオン化され
たガスにより電気的に中和されて消失するので、基板の
表面へのパーティクルの付着が起こらない。
【0008】上記した方法において、洗浄槽の上方空間
を閉鎖的に包囲する密閉チャンバの壁面を、少なくとも
洗浄槽内への温純水の供給開始時から基板の周囲への、
加熱されかつイオン化されたガスの供給開始時までの期
間、加熱するようにしてもよい。このようにしたとき
は、温純水による基板の洗浄中や温純水中からの基板の
引上げ過程において、密閉チャンバの内壁面などに水蒸
気が結露することが防止される。このため、温純水中か
らの基板の引上げ工程において、加熱されたイオン化ガ
スが基板の周囲へ供給された際に、そのガスの熱エネル
ギーが結露した水滴によって吸収され基板の乾燥に要す
る時間が長くなってしまう、といったことがなく、基板
の乾燥速度の向上が図られる。さらに、密閉チャンバの
内部を、少なくとも洗浄槽内への温純水の供給開始時か
ら温純水中からの基板の引上げ開始時までの期間、排気
するようにしてもよい。このようにしたときは、密閉チ
ャンバ内部の湿度の上昇が防止されるため、密閉チャン
バの壁面を加熱するだけの場合に比べ、壁面の加熱温度
をそれほど高くしなくても、密閉チャンバの内壁面など
における結露の発生を防止することが可能になる。
【0009】一方、上記方法を実施する基板の洗浄・乾
燥処理装置を、洗浄・乾燥処理部と、この洗浄・乾燥処
理部へ温純水を供給する温純水供給手段、並びに、洗浄
・乾燥処理部から温純水を排出する排水手段と、洗浄・
乾燥処理部において基板を昇降移動させる基板昇降手段
と、洗浄・乾燥処理部を減圧する真空排気手段と、洗浄
・乾燥処理部へ加熱されかつイオン化されたガスを供給
するガス供給手段とを備えて構成した。洗浄・乾燥処理
部は、洗浄槽、溢流水受け部及び密閉チャンバから構成
されており、洗浄槽には、その底部に温純水を供給する
ための温純水供給口が形成され、上部に温純水を越流さ
せるための越流部が形成されていて、この洗浄槽内部に
温純水を収容してその温純水中に基板が浸漬されるよう
になっており、また、その洗浄槽の越流部より溢れ出た
温純水が溢流水受け部へ流れ込むようになっている。そ
して、密閉チャンバにより、それら洗浄槽及び溢流水受
け部の上方空間が閉鎖的に包囲され、この密閉チャンバ
内において基板昇降手段により基板が洗浄槽の上方位置
と洗浄槽内部位置との間を昇降移動させられるようにな
っており、また、密閉チャンバには、加熱されかつイオ
ン化されたガスを供給するためのガス供給口が形成され
ている。さらに、洗浄槽の温純水供給口に接続された温
純水供給管路及び溢流水受け部に接続した排水管路に
は、それぞれ開閉弁が介設されている。
【0010】上記した装置において、密閉チャンバを加
熱するヒータを配設するとともに、前記密閉チャンバの
内壁面の温度を検出する温度センサと、この温度センサ
の検出信号に基づいて、前記密閉チャンバの内壁面の温
度が温純水の温度以上に所望期間保持されるように前記
ヒータを制御する制御器とを設けるようにしてもよい。
さらに、密閉チャンバにその内部を排気するための排気
口を形設し、その排気口を排気ブロワに連通接続すると
ともに、前記排気ブロワを所望期間だけ駆動させるよう
に制御する制御器を設ける構成としてもよい。
【0011】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例について図面
を参照しながら説明する。
【0012】図1は、この発明に係る基板の洗浄・乾燥
処理方法を実施する装置の全体構成の1例を示す概略図
であり、図2は、その装置の洗浄・乾燥処理部の構成を
示す側面断面図である。
【0013】まず、洗浄・乾燥処理部10の構成について
説明する。洗浄・乾燥処理部10は、洗浄槽12、溢流水受
け部14及び密閉チャンバ16から構成されている。洗浄槽
12には、その底部に温純水供給口18が形成され、一方、
その上部に越流部20が形成されていて、越流部20を越え
て洗浄槽12から溢れ出た温純水が溢流水受け部14内へ流
れ込むように、洗浄槽12と溢流水受け部14とで二重槽構
造となっている。また、洗浄槽12は、その内部に収容さ
れた温純水中に基板、例えばシリコンウエハを複数枚収
容したカセットCが完全に浸漬され得るような内容積を
有している。そして、洗浄槽12及び溢流水受け部14の上
方空間は、密閉チャンバ16によって閉鎖的に包囲されて
いる。密閉チャンバ16の前面側には、複数枚のウエハを
収容したカセットCを出し入れするための開口22が形成
されており、その開口22を開閉自在に気密に閉塞するこ
とができる密閉蓋24が設けられている。また、密閉チャ
ンバ16の側壁面には、ガス供給口26が形成されている。
さらに、密閉チャンバ16の外壁面には、それを被覆する
ようにラバーヒータ25が配設されており、また、密閉蓋
24には、密閉チャンバ16の内壁面の温度を検出するため
の温度計27が、密閉蓋24の壁面を貫通して取り付けられ
ている。
【0014】また、密閉チャンバ16内には、ウエハを収
容したカセットCを保持する保持部材28が配設されてお
り、この保持部材28を上下方向に往復移動させて、保持
部材28に保持されたカセットCを、二点鎖線で示した洗
浄槽上方位置と実線で示した洗浄槽内部位置との間で昇
降移動させる昇降駆動機構が密閉チャンバ16に併設され
ている。昇降駆動機構は、上端部が保持部材28に連接さ
れた駆動ロッド30、この駆動ロッド30を摺動自在に支持
する軸受装置32、駆動プーリ34及び従動プーリ36、両プ
ーリ34、36間に掛け渡され、駆動ロッド30の下端部が固
着されたベルト38、並びに、駆動プーリ34を回転駆動す
る駆動用モータ40から構成されている。尚、上記保持部
材28により複数のウエハを直接保持させることにより、
カセットCを省略する構成とすることも可能である。
【0015】洗浄槽12の温純水供給口18には、温純水供
給源に連通接続された温純水供給管路42が管路44、46を
介して連通接続されており、温純水供給管路42には、エ
アー開閉弁48、フィルター装置50及びボール弁52が介設
されている。また、温純水供給管路42の途中に温純水リ
ターン管路54が分岐接続されており、温純水リターン管
路54にはエアー開閉弁56が介設されている。洗浄槽12の
温純水供給口18は、温純水供給管路42とは別に、管路44
から分岐した温純水排出管路58に連通接続されており、
温純水排出管路58は、管路60を介してドレンに接続して
いる。一方、溢流水受け部14には排水口62が形成され、
その排水口62に管路64を介して排水管路66が連通接続さ
れており、排水管路66は、温純水排出管路58と合流して
管路60を介しドレンに接続している。温純水排出管路58
及び排水管路66には、それぞれエアー開閉弁68、70が介
設されている。
【0016】さらに、洗浄槽12の温純水供給口18は、管
路46から分岐した真空排気管路72に連通接続されてお
り、一方、溢流水受け部14の排水口62は、管路64から分
岐した真空排気管路74に連通接続されている。各真空排
気管路72、74には、エアー開閉弁76、78がそれぞれ介設
されており、両真空排気管路72、74は合流し、真空排気
管路80を介して水封式真空ポンプ82に連通接続してい
る。図中の84は、真空排気管路80に介設されたボール弁
である。
【0017】また、密閉チャンバ16のガス供給口26に
は、不活性ガス、例えば窒素(N2)ガスの供給源に連
通接続された窒素ガス供給管路86が連通接続されてお
り、窒素ガス供給管路86には、エアー開閉弁88、ヒータ
90、イオナイザー92及びフィルター94が介設されてい
る。そして、窒素ガス供給源から送られる窒素ガスが、
ヒータ90によって加熱され、イオナイザー92によってイ
オン化され、フィルター94によって清浄化され、加熱さ
れかつイオン化された清浄な窒素ガスがガス供給口26を
通して密閉チャンバ16内へ供給される構成となってい
る。
【0018】さらに、この装置には、温度計27の検出信
号に基づいてラバーヒータ25を制御することにより、密
閉チャンバ16の内壁面の温度を所定温度、例えば温純水
の温度以上に所望期間保持させるための制御器96が設け
られている。
【0019】次に、上記した構成の基板の洗浄・乾燥処
理装置を使用し、基板、例えばシリコンウエハの洗浄及
び乾燥処理を行なう方法の1例について説明する。
【0020】まず、エアー開閉弁48、70を開き、それ以
外のエアー開閉弁56、68、76、78、88を閉じた状態で、
温純水供給源から温純水供給管路42及び管路46、44を通
して温純水を送り、洗浄槽12内へその底部の温純水供給
口18から温純水を連続して供給することにより、洗浄槽
12の内部に温純水の上昇水流を形成する。このとき、洗
浄槽12内部を満たした温純水は、その上部の越流部20か
ら溢れ出て、溢流水受け部14内へ流入し、溢流水受け部
14から排水口62を通り、排水管路66及び管路60を通って
ドレンに排出される。また、同時に、ラバーヒータ25に
より密閉チャンバ16の壁面を加熱する。この加熱は、密
閉蓋24の壁面に取り付けられた温度計27の検出信号に基
づき、制御器96によってラバーヒータ25を制御し、密閉
チャンバ16の内壁面の温度が所定温度、例えば温純水の
温度(1例として60°)以上に保持されるように行な
われる。このように密閉チャンバ16の内壁面を加熱して
おくことにより、後述するウエハの洗浄中や温純水中か
らのウエハの引上げ過程において、密閉チャンバ16の内
壁面などへの水蒸気の結露が起こらず、加熱されたイオ
ン化ガスがウエハの周囲へ供給された際に、そのガスの
熱エネルギーが結露した水滴で奪われる、といったこと
が防止されて、ウエハの乾燥効率が向上することにな
る。そして、カセットCに収容された複数枚のウエハが
開口22を通して密閉チャンバ16内へ搬入され、密閉蓋24
が気密に閉塞される。
【0021】次に、昇降駆動機構を作動させ、保持部材
28に保持されたカセットCを図2の実線位置まで下降さ
せて、洗浄槽12内の温純水中にウエハを浸漬させ、温純
水の上昇水流中にウエハを所定時間置くことによりウエ
ハを洗浄する。これにより、ウエハの表面からパーティ
クルが除去される。そして、ウエハ表面から除去されて
温純水中へ拡散していったパーティクルは、洗浄槽12の
上部の越流部20から溢れ出る温純水と共に洗浄槽12から
排出される。
【0022】ウエハの洗浄が終了すると、昇降駆動機構
を作動させて、保持部材28に保持されたカセットCを図
2の二点鎖線で示した位置まで上昇させ、ウエハを洗浄
槽12内の温純水中から引き上げる。このようにウエハを
上昇させて温純水中から引き上げるようにしているの
で、温純水中に拡散していったパーティクルがウエハの
表面に再付着するといったことは起こらない。そして、
温純水中からウエハを引上げ始めるのと同時に、エアー
開閉弁88を開いて、窒素供給源から窒素供給管路86を通
して窒素ガスを送り、密閉チャンバ16内へガス供給口26
から加熱されイオン化された清浄な窒素ガスを供給す
る。この窒素ガスの供給は、一連の処理工程が終わるま
で継続する。このようにウエハの周囲へ加熱された窒素
ガスが供給されることにより、水切りされ温純水によっ
て加熱されたウエハがさらに補助加熱される。また、こ
のとき密閉チャンバ16内へ供給される窒素ガスはイオン
化されているため、密閉チャンバ16が耐食性材料で形成
されて絶縁体構造となっていることにより密閉チャンバ
16内に静電気が多量に発生(2〜10kV)しても、そ
の静電気は、イオン化された窒素ガスによって電気的に
中和されて消失する。このため、静電気が原因となって
ウエハの表面にパーティクルが付着するといったことが
有効に防止される。このウエハの周囲へのイオン化加熱
ガスの供給開始時点で、ラバーヒータ25による密閉チャ
ンバ16の壁面の加熱操作を終了する。勿論、引き続き、
ウエハの乾燥が終了するまで密閉チャンバ16の壁面を加
熱するようにしても差し支えない。
【0023】温純水中からのウエハの引上げが終了する
と、エアー開閉弁48を閉じるとともにエアー開閉弁56を
開いて、洗浄槽12への温純水の供給を停止させ、同時
に、エアー開閉弁68を開いて、洗浄槽12内の温純水を温
純水排出管路58及び管路60を通してドレンへ排出し、洗
浄槽12からの温純水の排出が終わると、エアー開閉弁6
8、70を閉じる。また、洗浄槽12から温純水を排出し始
めるのと同時に、エアー開閉弁76、78を開いて、水封式
真空ポンプ82を作動させ、各真空排気管路72、74及び真
空排気管路80を通して密閉チャンバ16内を真空排気し、
密閉チャンバ16内を減圧状態にすることにより、ウエハ
を乾燥させる。このとき、ウエハは、上記したように加
熱された窒素ガスによって補助加熱されているため、ウ
エハ表面の乾燥は比較的速やかに行なわれる。
【0024】ウエハの乾燥が終了すると、真空ポンプ82
を停止させて、密閉チャンバ16内を減圧下から大気圧下
へ戻し、最後に、エアー開閉弁88を閉じて、密閉チャン
バ16への窒素ガスの供給を停止した後、密閉蓋24を開放
し、洗浄・乾燥処理が終了したウエハを収容したカセッ
トCが開口22を通して密閉チャンバ16外へ取り出され
る。
【0025】以上の一連のウエハ洗浄・乾燥処理工程に
おけるタイムチャートを図3に示す。
【0026】次に、この発明の方法を実際に適用して基
板の洗浄・乾燥処理を行なった実験例について説明す
る。一連の処理は、上記説明並びに図3に示したタイム
チャートに従って行なった。実験の条件としては、温純
水の温度を59℃、温純水の供給流量を12.7l/m
in、密閉チャンバへの供給時における窒素ガスの温度
を45℃、窒素ガスの供給流量を30l/min、温純
水による洗浄処理時間を5分間とし、また、真空排気に
よる密閉チャンバ内の真空圧を700mmHg、減圧乾
燥時間を10分間とした。
【0027】実験の結果、6インチのシリコンウエハ
(ベアウエハ)に付着する0.16μm以上の大きさの
パーティクルの個数を0〜8個とすることができた。
【0028】図4は、基板の洗浄・乾燥処理装置の別の
構成例を示す概略図であり、図5は、その装置の洗浄・
乾燥処理部の構成を示す側面断面図である。この装置で
は、密閉チャンバ16の底部の、溢流水受け部14の近傍に
排気口98が形設されており、その排気口98は、エアー開
閉弁104が介設された排気管路100を介して排気ブロワ10
2に連通接続されている。また、密閉チャンバ16の天井
部には、その壁面及びラバーヒータ25を貫通して多数の
ガス流入孔106が穿設されており、ガス流入孔106は、ガ
ス導入部108を経て窒素ガス供給管路86に流路接続され
ている。また、密閉蓋24には、密閉チャンバ16の内部の
湿度を検出するための湿度計110が、密閉蓋24の壁面を
貫通して取り付けられている。さらに、この装置では、
制御器96により排気ブロワ102を制御して、排気ブロワ1
02を所望期間だけ駆動させ、また、湿度計110の検出信
号に基づいて排気ブロワ102による排気量を調節するこ
とができる構成となっている。これら以外の構成は、図
1及び図2に示した装置と同様であり、その説明は省略
する。
【0029】次に、図4及び図5に示した構成の装置を
使用してシリコンウエハ等の洗浄及び乾燥処理を行なう
動作について、図1及び図2に示した装置における場合
と異なる点について説明する。
【0030】図4及び図5に示した装置では、排気管路
100に介設されたエアー開閉弁104を開いた状態で、制御
器96によって排気ブロワ102を駆動制御することによ
り、排気口98を通して密閉チャンバ16の内部を、洗浄槽
12内への温純水の供給開始時から温純水中からのウエハ
の引上げ開始時までの期間、排気するようにする。ま
た、この排気の際には、エアー開閉弁88を開き、窒素ガ
ス供給源から窒素ガス供給管路86を通して窒素ガスを密
閉チャンバ16のガス導入部108へ送り、密閉チャンバ16
の天井部の多数のガス流入孔106から下向きに窒素ガス
を吹き出させて、窒素ガスを密閉チャンバ16内へ供給す
るようにする。このように、窒素ガスは、密閉チャンバ
16の上方位置の多数のガス流入孔106から下向きに吹き
出され、密閉チャンバ16の下方位置に設けられた排気口
98を通して排気されるため、密閉チャンバ16内には窒素
ガスによるダウンフローが形成される。このため、カセ
ットC内において縦方向に配置された複数枚のウエハに
対し、その表面に沿って窒素ガスが流れることになり、
ウエハ表面に対するパーティクルの影響をより少なくす
ることができる。このとき、密閉チャンバ16内へ供給さ
れる窒素ガスは、イオン化されている必要は無いが、ウ
エハの乾燥促進のためには加熱されていることが好まし
い。
【0031】密閉チャンバ16の内部の排気は、少なくと
も温純水中からのウエハの引上げ開始時までは行なう必
要があるが、ウエハ引上げ時に密閉チャンバ16内を排気
しても温純水の水面が安定しているのであれば、ウエハ
の乾燥のために密閉チャンバ16内部の減圧操作を開始す
るまで排気操作を継続することもできる。また、密閉チ
ャンバ16内から排気する量は、常に一定量としてもよい
し、また、湿度計110によって密閉チャンバ16の内部の
湿度を計測し、その検出信号に基づいて制御器96により
排気ブロワ102を制御して、排気量を調節するようにし
てもよい。尚、排気管路100に介設されたエアー開閉弁1
04は、排気時には開放され、減圧時には閉じられる。
【0032】図4及び図5に示した装置におけるよう
に、密閉チャンバ16の内部を排気するようにしたとき
は、密閉チャンバ16内部の湿度の上昇が防止されるた
め、密閉チャンバ16の壁面を加熱するだけの場合に比
べ、壁面の加熱温度をそれほど高くしなくても、密閉チ
ャンバ16の内壁面などにおける結露の発生を防止するこ
とが可能になる。
【0033】以上の一連のウエハ洗浄・乾燥処理工程に
おけるタイムチャートを図6に示す。
【0034】尚、密閉チャンバの壁面を加熱する手段と
しては、上記説明並びに図面に示したようなラバーヒー
タに代えて、UVランプ等を使用するようにしてもよ
い。また、密閉チャンバの壁面を加熱することができれ
ばよく、従って、ヒータは、密閉チャンバの内・外の何
れに配置してもよく、また、密閉チャンバの壁面を透明
材料で形成する必要も無い。
【0035】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
かつ作用するので、この発明に係る方法により基板の洗
浄及び乾燥処理を行なうようにしたときは、洗浄によっ
て基板の表面から一旦除去されたパーティクルが基板表
面に再付着するといったことがなく、また、絶縁体構造
のチャンバ内及び流動中の純水に静電気が多量に発生し
ても、その静電気は基板の周囲へ供給されるイオン化さ
れたガスによって電気的に中和されて消失するため、静
電気が原因となって基板の表面にパーティクルが付着す
るといったことが防止され、基板表面へのパーティクル
の付着を少なく抑えることができる。また、基板の減圧
乾燥に際し、温純水から基板を引き上げ水切りを行なう
のに加えて、加熱ガスによって基板が補助加熱されるた
め、基板表面の乾燥が速やかに行なわれ、一連の洗浄・
乾燥処理における効率を向上させることができ、また、
加熱ガスによって基板を加熱する方法であるため、チャ
ンバの材質を透明材料などにする必要も無い。
【0037】また、請求項2に記載された方法によれ
ば、基板の洗浄後における基板の乾燥速度が向上し、基
板の乾燥に要する時間が短縮化される。さらに、請求項
3に記載された方法によれば、基板の洗浄後における基
板の乾燥速度がさらに向上し、基板の乾燥に要する時間
がさらに短縮化されることになる。
【0038】一方、請求項5ないし請求項7に記載され
た装置を使用すれば、以上の基板洗浄・乾燥処理方法を
好適に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る基板の洗浄・乾燥処理方法を実
施する装置の全体構成の1例を示す概略図である。
【図2】図1に示した装置の洗浄・乾燥処理部の構成を
示す側面断面図である。
【図3】この発明の方法による一連のウエハ洗浄・乾燥
処理工程におけるタイムチャートの1例を示す図であ
る。
【図4】この発明に係る基板の洗浄・乾燥処理方法を実
施する装置の別の構成例を示す概略図である。
【図5】図4に示した装置の洗浄・乾燥処理部の構成を
示す側面断面図である。
【図6】この発明の方法による一連のウエハ洗浄・乾燥
処理工程におけるタイムチャートの別の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 洗浄・乾燥処理部 12 洗浄槽 14 溢流水受け部 16 密閉チャンバ 18 温純水供給口 20 越流部 24 密閉蓋 25 ラバーヒータ 26 ガス供給口 27 温度計 28 保持部材 30 駆動ロッド 38 ベルト 40 駆動用モータ 42 温純水供給管路 48、56、68、70、76、78、88、104 エアー開閉弁 58 温純水排出管路 62 排水口 66 排水管路 72、74、80 真空排気管路 82 水封式真空ポンプ 86 窒素ガス供給管路 90 ヒータ 92 イオナイザー 96 制御器 98 排気口 100 排気管路 102 排気ブロワ 108 ガス導入部 110 湿度計

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄槽内へその底部から温純水を連続し
    て供給し、洗浄槽の上部からその温純水を溢れ出させ
    て、洗浄槽内部において温純水の上昇水流を形成する工
    程と、基板を下降させて前記洗浄槽内の温純水中に浸漬
    させ、温純水の上昇水流によって基板を洗浄する工程
    と、基板を上昇させて前記洗浄槽内の温純水中から引き
    上げる工程と、前記洗浄槽内の温純水を洗浄槽から排出
    する工程と、基板の周囲を減圧し、基板を乾燥させる工
    程と、基板の周囲を減圧下から大気圧下へ戻す工程とか
    らなり、少なくとも前記した温純水中からの基板の引上
    げ工程において、加熱されかつイオン化されたガスを基
    板の周囲へ供給するようにする、基板の洗浄・乾燥処理
    方法。
  2. 【請求項2】 洗浄槽の上方空間を閉鎖的に包囲する密
    閉チャンバの壁面を、少なくとも洗浄槽内への温純水の
    供給開始時から基板の周囲への、加熱されかつイオン化
    されたガスの供給開始時までの期間、加熱するようにす
    る請求項1記載の、基板の洗浄・乾燥処理方法。
  3. 【請求項3】 密閉チャンバの内部を、少なくとも洗浄
    槽内への温純水の供給開始時から温純水中からの基板の
    引上げ開始時までの期間、排気するようにする請求項2
    記載の、基板の洗浄・乾燥処理方法。
  4. 【請求項4】 加熱されかつイオン化されて基板の周囲
    へ供給されるガスが不活性ガスである請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載の、基板の洗浄・乾燥処理方
    法。
  5. 【請求項5】 温純水を供給するための温純水供給口を
    底部に有するとともに、温純水を越流させるための越流
    部を上部に有し、内部に温純水を収容してその温純水中
    に基板が浸漬されるようにする洗浄槽と、この洗浄槽内
    へ前記温純水供給口を通して温純水を供給する温純水供
    給手段と、前記洗浄槽の前記越流部より溢れ出た温純水
    が流れ込む溢流水受け部と、この溢流水受け部から温純
    水を排出する排水手段と、前記洗浄槽の温純水供給口に
    接続された温純水供給管路及び前記溢流水受け部に接続
    した排水管路にそれぞれ介設された各開閉弁と、前記洗
    浄槽の上方位置と洗浄槽内部位置との間で基板を昇降移
    動させる基板昇降手段と、前記洗浄槽及び溢流水受け部
    の上方空間を閉鎖的に包囲し、加熱されかつイオン化さ
    れたガスを供給するためのガス供給口を有する密閉チャ
    ンバと、この密閉チャンバ内を真空排気して減圧する真
    空排気手段と、前記密閉チャンバ内へ前記ガス供給口を
    通して加熱されかつイオン化されたガスを供給するガス
    供給手段とを備えてなる、基板の洗浄・乾燥処理装置。
  6. 【請求項6】 密閉チャンバを加熱するヒータが配設さ
    れるとともに、前記密閉チャンバの内壁面の温度を検出
    する温度センサと、この温度センサの検出信号に基づい
    て、前記密閉チャンバの内壁面の温度が温純水の温度以
    上に所望期間保持されるように前記ヒータを制御する制
    御器とが設けられた請求項5記載の、基板の洗浄・乾燥
    処理装置。
  7. 【請求項7】 密閉チャンバにその内部を排気するため
    の排気口が形設され、その排気口が排気ブロワに連通接
    続されるとともに、前記排気ブロワを所望期間だけ駆動
    させるように制御する制御器が設けられた請求項6記載
    の、基板の洗浄・乾燥処理装置。
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