JPH0527434A - 光重合性組成物および記録媒体 - Google Patents

光重合性組成物および記録媒体

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JPH0527434A
JPH0527434A JP16106391A JP16106391A JPH0527434A JP H0527434 A JPH0527434 A JP H0527434A JP 16106391 A JP16106391 A JP 16106391A JP 16106391 A JP16106391 A JP 16106391A JP H0527434 A JPH0527434 A JP H0527434A
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Application number
JP16106391A
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English (en)
Inventor
Kenichi Hasegawa
兼一 長谷川
Hiroharu Oohayashi
弘晴 大林
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高経時安定性で高感度な光重合性組成物、お
よびその光重合性組成物からなる転写記録媒体を得るに
当たり、融点が130℃を越え200℃以下のウレタン
(メタ)アクリレート系反応性モノマーを使用する。 【効果】 融点が130℃を越え200℃以下のウレタ
ン(メタ)アクリレート系反応性モノマーを使用する本
発明の光重合性組成物は、室温下においては二重結合同
志の反応がほとんど起こらず、極めて高い経時安定性を
実現できる。また、従来使用されている光重合性組成物
に比べ、極めて高感度の光重合性組成物を提供すること
ができる。更に、本発明の光重合性組成物からなる転写
記録媒体は極めて高速に記録画を形成可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光重合反応を利用する
UVインク、UV接着剤、感光性平板印刷板などに好適
な光重合性組成物に関し、また、プリンター、複写機、
ファクシミリ等の記録装置に用いられる転写記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】加熱溶融状態で光重合性を有する光重合
性組成物、並びにこの組成物と着色材とからなる画像形
成素体を転写記録層中に含有する転写記録媒体は従来公
知である(例えば特開昭62−174195号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記組成物を用いた従
来の転写記録媒体は、多色の高品位な画像が得られる点
で優れたものであるが、近年更に感度を向上させる要求
が強い。
【0004】本発明はこの要求に対応する更に高感度な
光重合性組成物および転写記録媒体を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、一般式 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2はイソシア
ネート化合物からNCO基を除いた残基、nは1〜6の
整数、mは1〜3の整数を表す。]で示され、融点が1
30℃を越え200℃以下の反応性モノマー、光重合
開始剤および必要によりアミン系重合促進剤からな
り、加熱溶融状態で光重合性を有することを特徴とする
光重合性組成物を用いることにより達成することができ
る。
【0006】本発明における反応性モノマーは、下記
一般式 で示されるヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート
化合物mモルと、下記一般式 R2−(N=C=O)m (3) で示されるイソシアネート化合物1モルとのウレタン化
物であり、(2)と(3)の種類を変えることにより、
様々な特性の反応性モノマーを得ることが可能であ
る。
【0007】反応性モノマーは融点が通常130℃を
越え、200℃以下であり、室温下では固体状である。
従って、本発明の光重合性組成物は、室温下においては
二重結合同志の反応がほとんど起こらず、極めて高い経
時安定性を実現できる。この光重合性組成物を反応せし
める場合においては、熱エネルギーを付与して光重合性
組成物を溶解せしめた後に光照射を行えば、光重合性組
成物は極めて高感度になる。これらの特性は、本発明の
記録媒体に最適である。
【0008】このような反応性モノマーの具体例とし
ては、極めて多数存在しその全てを記述することは困難
である。一部具体例としては、下記化1〜化10の各化
合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】本発明に用いられる光重合開始剤として
はカルボニル化合物、ハロゲン化合物、アゾ化合物、有
機イオウ化合物などで、例えば、アセトフェノン、ベン
ゾフェノン、クマリン、キサントン、チオキサントン、
カルコン、スチリルスチリルケトンなどの芳香族ケトン
類およびその誘導体、ベンジル、アセナフテンキノン、
カンファーキノンなどのジケトン類およびその誘導体、
アントラキノンスルホニルクロライド、キノリンスルホ
ニルクロライド、2,4,6−トリス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物などが挙げ
られる。
【0020】上記光重合開始剤は、重量基準で反応性
モノマーに対し、約1%〜20%の範囲で用いること
が可能であり、好ましくは約1%〜10%である。また
重合反応の促進剤としてアミン類を併用することが望ま
しい。
【0021】必要により本発明に用いられるアミン系重
合促進剤としては、例えば芳香族モノアミン[エチル
−p−ジメチルアミノベンゾエート、メチル−p−ジメ
チルアミノベンゾエート、イソアミル−p−ジメチルア
ミノベンゾエート、フェニル−p−ジメチルアミノベン
ゾエート、エチル−p−ジエチルアミノベンゾエート、
フェニル−p−ジエチルアミノベンゾエート、N,N−
ジメチルベンジルアミン、N−ベンジル−N−メチルア
ニリン、N,N−ジベンジルアニリン、トリフェニルア
ミン、N−フェニルグリシンなど];脂肪族モノアミン
[トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピル
アミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエタノー
ルアミンなど];並びに、ポリアミン[メチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサン
ジアミン、フェニレンジアミンなど]が挙げられる。
【0022】上記アミン系重合促進剤は1種類でも、
また2種類以上を混合して用いてもよい。アミン系重合
促進剤を用いる場合は重量基準で光重合開始剤に対
し、通常約10%〜10倍、好ましくは約20%〜5倍
の範囲で用いられる。
【0023】本発明の記録媒体において着色剤は、光
学的に認識できる画像を形成するために含有させる成分
であり、としては各種顔料、染料が挙げられる。着色
剤は重量基準では、光重合性組成物(1)に対し約5
%〜50%、好ましくは10%〜20%の範囲で用いら
れる。このような顔料、染料の例としては、カーボンブ
ラックや黄鉛、モリブデン赤、ベンガラ等の無機顔料、
ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ブリリアントカ
ーミン6B、レークレッドC、パーマネントレッドF5
R、フタロシアニンブルー、ビクトリアブルーレーク、
ファストスカイブルー等の有機顔料、ロイコ染料、フタ
ロシアニン染料等の着色剤などが挙げられる。
【0024】更に本発明の記録媒体において、該画像形
成素体には、公知のバインダー、UV吸収剤、可塑剤、
熱重合防止剤などの添加剤を必要に応じて適量含有させ
ることができる。
【0025】バインダーとしては、ポリメチルアクリレ
ート、ポリエチルアクリレート等のポリアクリル酸アル
キルエステル類、ポリメチルメタクリレート、ポリエチ
ルメタクリレート等のポリメタクリル酸アルキルエステ
ル類、またはメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合
体、マレイン酸共重合体、または塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリ
ルまたはこれらの共重合体、更にポリビニルアルキルエ
ーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン
ポリアミド、ポリウレタン、塩素化ゴム、セルロース誘
導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等
が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0026】これらのバインダーは単一で用いても、適
当な比で2種以上混合して用いてもよい。またバインダ
ーとして相溶、非相溶に限らずワックス類を用いても構
わない。これらのバインダーは記録媒体の画像形成素体
中に任意な量を混和させることができる。
【0027】UV吸収剤としては、ベンゾフェノン系、
サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、蓚酸アニリド
系の化合物が挙げられる。
【0028】可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジ
エチルフタレート等のフタル酸エステル類、ジメチルグ
リコールフタレート、メチルフタルエチルクリコレート
等のグリコールエステル類、トリフェニルホスフェート
等の燐酸エステル類、ジオクチルアジペート、ジオクチ
ルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エ
ステル類などが挙げられる。
【0029】熱重合防止剤としては、p−メトキシフェ
ノール、ハイドロキノン、t−ブチルカテコール塩化第
一銅、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、有機
酸銅などがある。
【0030】本発明の記録媒体を用いて画像を記録させ
る方法を例示すると次のとおりである。
【0031】本発明の転写記録媒体において、該転写記
録層は軟化温度Tsを有し、Ts以上の温度に加熱した
部分ではその粘度が急激に減少する。該転写記録層に含
有する光重合開始剤の吸収波長に対応した光を一様に
照射し、同時にサーマルヘッド等の加熱手段を用いて転
写記録層をTs以上の温度に記録情報に応じて部分的に
加熱すると、Ts以上に加熱された部分は、粘度が急激
に低下し、転写記録層中の光重合開始剤および反応性
モノマーの拡散速度が増加し、重合反応が急激に進
む。一方、非加熱部においては、転写記録層の粘度が低
下しないため、光重合開始剤および反応性モノマー
の拡散が充分でなく、重合反応は部分的に生ずるのみと
なる。こうして転写像を形成した記録媒体を非転写媒体
と圧接し、転写に必要な所定の温度、例えば、Ts以上
の温度で加熱すれば、サーマルヘッドの非加熱部、即ち
重合反応が部分的にしか生じていない部分は、被転写媒
体に転写され、サーマルヘッドの加熱部は重合が充分に
進んでいるため被転写媒体との接着性が小さく、転写さ
れない。このように光エネルギーと熱エネルギーにより
画像が形成される。
【0032】また、転写記録層の転写特性および重合反
応量を支配する物性値として、転写記録層の軟化温度T
sで説明したが、この他にも転写記録層のガラス転移
点、溶融温度等を利用しても構わない。
【0033】本発明において、転写記録層は支持体上に
塗布された連続層である画像形成素体であってもよい
し、また粒子状の素体を塗布した画像形成素体でもよ
い。更に、光と熱エネルギーが付与されて転写特性の変
化する組成物をマイクロカプセル化した画像形成素体で
構成されていてもよい。
【0034】また、本発明において多色画像形成を行う
には、異なる数種の色調を呈する着色剤を含有する粒
子状画像形成素体、またはそれをマイクロカプセル化し
た画像形成素体で転写記録層を形成し、これらに含有さ
れる光重合開始剤の感光波長域を変えることにより行
うことが可能である。つまり、記録信号に従って変調さ
れた熱エネルギーを、転写特性を支配する物性を変化さ
せたい画像形成素体の色調により選択された波長の光エ
ネルギーと共に付与するものである。
【0035】上記「変調」とは画信号に応じてエネルギ
ーを付与する位置を変更することをいい、「共に」とは
光エネルギーと熱エネルギーを同時に付与する場合でも
よいし、光エネルギーと熱エネルギーを別々に付与する
場合でもよい。
【0036】次に、本発明の効果を最も発現できる多色
画像形成方法について説明する。図1〜図3は本発明の
転写記録媒体とサーマルヘッドとの関係を示した部分図
である。
【0037】図1〜図3において本発明の転写記録媒体
1は、支持体1b上に転写記録層1aを設けて構成され
る。転写記録層1aは、微少な画像形成素体3の分布層
となっていて、各画像形成素体3は異なる色調を呈する
着色剤を含んでいる。例えば、図1〜図3に示した例で
は、各画像形成素体3にはシアン(C),マゼンタ
(M)およびイエロー(Y)の何れかの着色剤が含有さ
れている。画像形成素体3中のC、M、Yの各記号は各
着色剤が含まれていることを示す。しかし、各画像形成
素体3に含有される着色剤は、C、M、Yに限るもので
はなく、用途に応じてどのような色の着色剤を用いても
構わない。各画像形成素体3には、着色剤の他に光およ
び熱のエネルギーが付与されたときに、転写特性を支配
する物性が急激に変化する感応成分を含有する。
【0038】各画像形成素体3の感応成分は、含有する
着色剤によって波長依存性を有する。即ち、Yの着色剤
を含有した画像形成素体3は、熱と波長λ(Y)(イエ
ロー色の波長を示す)の光が加えられたとき、架橋が急
激に進み硬化する。同様に、Mの着色剤を含有する画像
形成素体3は、熱と波長λ(M)の光、Cの着色剤を含
有する画像形成素体3は熱と波長λ(C)の光がそれぞ
れ加えられたとき、架橋が進み硬化する。硬化した画像
形成素体3は、次の転写工程で加熱されても粘度が低下
しないか、粘着性を有さないため、被転写媒体に転写し
ない。熱と光は記録情報に応じて付与する。
【0039】次に本発明の記録媒体を用いた画像形成方
法の具体例を示す。まず、転写記録媒体1をサーマルヘ
ッド2に重ね、サーマルヘッド2の発熱部全域をカバー
するように光を照射する。照射する光は画像形成素体3
が反応する波長のものを順次照射する。例えば、画像形
成素体3が、C、M、Yの何れかに着色されている場
合、波長λ(C),λ(M)およびλ(Y)の光を順次
照射する。
【0040】つまり、まず転写記録媒体1の転写記録層
1a側から波長λ(Y)の光を照射するとともに、例え
ばサーマルヘッド2の発熱体2b,2d,2eおよび2
fを発熱させる。すると、Yの着色剤を含有する画像形
成素体3のうち、熱と波長λ(Y)の光の両方が加えら
れた画像形成素体(図1でハッチングの施された部分。
以下硬化した画像形成素体をハッチングで示す。)が硬
化する。
【0041】次に、図2に示すように転写記録層1aに
波長λ(M)の光を照射するとともに、発熱抵抗体2
a,2eおよび2fを発熱させると、Mの着色剤を含有
する画像形成素体3のうち、熱と波長λ(M)の光が加
えられた画像形成素体が硬化する。更に、図3に示すよ
うに、波長λ(C)の光を照射するとともに、所望の発
熱抵抗体を加熱させると、光と熱の加えられた画像形成
素体が硬化し、最終的に硬化しなかった画像形成素体に
より転写記録層1aに転写像(図3のハッチングの施さ
れていない部分)が形成される。
【0042】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。本発明において使用する反応性モノマーは、例えば
下記に示す方法により合成した。
【0043】製造例1 反応性モノマーの製造 温度計、冷却管、攪拌装置を備えた300mlの4ツ口
フラスコに、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネー
ト8.3g(0.05モル)、4−ヒドロキシブチルア
クリレート(BASF社製)14.4g(0.1モ
ル)、ジブチルチンジラウレート2〜3滴および溶媒と
してジメチルホルムアミド100mlを加えよく攪拌し
た。反応温度60℃で約10時間反応した。反応後、反
応液を5倍量のヘキサンに排出してモノマーを回収し、
その後減圧乾燥することにより前記化3で示される反応
性モノマーを得た。
【0044】実施例1 表1に示す成分をジクロロメタン溶剤に溶解させ、厚さ
6μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ム上にソルベントコート法により厚さ10μmにて塗布
した。本試料は、窒素雰囲気下所定の温度に加熱したホ
ットプレート上に乗せ、試料と対向する距離に光量20
mW/cm2の蛍光灯からの光照射を行った。次いで、
表面平滑度が10〜30秒の範囲にある普通紙を転写記
録層に重ねて、図5のヒートロール8とピンチロール9
とで挟んで搬送した。ヒートロール8は、300Wのヒ
ーターを内部にアルミロールで表面を30〜150℃に
保つようヒーターを制御した。ピンチロール9は、JI
Sゴム硬度計の硬度50度のシリコンゴムロールで押圧
を25kg/cm2とした。
【0045】搬送した試料を紙と基材フィルム間で剥離
し転写記録媒体の転写の有無を調べた。この時転写しな
くなる露光時間(感度と定義する)は1msecであっ
た。図6に光照射時の温度の逆数と、その時の感度の逆
数を示した。
【0046】図6に示すように、本発明による転写記録
媒体は非加熱条件下に於いての光照射に対しては低い感
度特性を有するが、加熱条件下に於いては高い感度特性
を有し、感度特性は反応性モノマーの融点で極端に変化
する。これより本転写記録媒体に於いては同一の光照射
下であっても、熱エネルギーが付与される場合とされな
い場合の転写特性は大きく異なることが明示される。
【0047】次に表1に示す成分を内容物とするマイク
ロカプセルを製造した。 マイクロカプセルの製造 100gの水およびイソブチレン−無水マレイン酸共重
合体(20.6%、クラレ社製)26gを混合し、ここ
にペクチン3.1gを添加して20分間攪拌した。次で
20%硫酸溶液でpHを4.0に調整して、0.2gの
クオドロール(BASF社製)を添加した。これをホモ
ミキサーで3000rpmで攪拌しながら、表1に示す
成分100gを投入し、そのまま10分間乳化を行っ
た。
【0048】乳化液を500mlのビーカーに移し、シ
ェル材として、20gの尿素、15gのレゾルシンを添
加した後、pHを9.0に設定して室温にて1時間攪拌
した。更に、1%硫酸にてpHを4.0に設定し、10
0gのホルマリン(30%)を添加した後、8時間攪拌
を続けた。次いで、pHを2.0として50℃で2時間
攪拌した。その後、3NのNaOH水溶液にて中性に戻
した。
【0049】このカプセル溶液を水にて3倍に希釈して
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルムにアプリケーターにて塗布し、そのままドライヤ
ーにて乾燥し、転写記録媒体を作成した。
【0050】この転写記録媒体を上記と同様に所定の温
度で加熱し光照射を行った後、転写紙と重ねて転写温度
140℃、圧力25kg/cm2のローラーに通過させ
転写の有無を調べた。この時、転写しなくなる露光時間
(感度)は3msecであった。
【0051】実施例2、3比較例1、2 実施例1における反応性モノマーを表3に示す各種反応
性モノマーに代えた以外は同様の組成物をPETフィル
ム上に塗布し、同様にしてその感度を測定した。結果を
表3に示す。更に、図6に前記組成物の光照射時の温度
の逆数と、その時の感度の逆数を示した。この場合に於
いて、良好な感度の熱依存性が示され、また作画実験に
於いても良好な画像形成が可能であった。また、反応性
モノマーを表3に示す化合物に代えて実施例1と同様に
して作成したマイクロカプセルを用いた転写記録媒体の
場合、各試料の転写しなくなる露光時間について併せて
表3に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】表2より本発明による感光性組成物が極め
て高感度であることがわかる。 実施例4 次に本発明の記録媒体を用いた画像形成について実施例
を挙げて説明する。
【0055】まず、表3に示す成分をジクロロメタンに
溶解し、厚さ6μmのPETフィルム上に厚さ10μm
にて塗布し、さらに保護膜としてポリビニルアルコール
(PVA)を膜厚2μmで塗工し転写記録媒体を得た。
【0056】次に上記手法により作製した記録媒体をロ
ール状に巻回して、図4に示す装置に組み込んだ。
【0057】図4においてサーマルヘッド2としては、
8ドット/mmのA4サイズのライン・タイプで発熱抵
抗体列がエッジ部に配列されているものを用い、記録媒
体1の支持体1b側が発熱抵抗体に接するように配置
し、記録媒体1のテンションにより発熱抵抗体に押圧さ
れるようにした。そして対向した部所にランプ4を配置
した。ランプ4には光重合開始剤の感光波長域に合わせ
てピーク波長390nmのランプを用いた。
【0058】次に画信号に応じてサーマルヘッド2の発
熱を制御する。本実施例においては光と熱が与えられて
軟化温度が上昇すると共に転写開始温度が上昇する転写
記録層を扱うため、ネガ記録となる。すなわち、サーマ
ルヘッド2の制御はマーク信号(シアン)の場合は通電
せず、マーク信号でない(白)の時に通電して発熱させ
る。
【0059】この発熱時の通電エネルギーは0.8W/
dot・Xmsecとし、ランプ4でサーマルヘッド2
の信号と同期してXmsec光照射を一様にしながら上
記したような要領で画信号に応じてサーマルヘッド2を
制御、駆動し、2Xmsec/lineの繰り返し周期
で同期して記録媒体をステッピングモータとドライブゴ
ムロールとで搬送した。
【0060】次いで水洗によりPVA膜を除去し、図5
に示すように表面平滑度10〜30秒の範囲にある普通
紙10を転写記録層に重ねて、ヒートロール8とピンチ
ロール9とで挟んで搬送した。ヒートロール8は、30
0Wのヒーター7を内部に持ち、表面を2mm厚のシリ
コンゴムで被覆したアルミロールで表面を50〜150
℃の範囲の任意の温度に保つようヒーター7を制御し
た。ピンチロール9はJISゴム硬度計の硬度50度の
シリコンゴムロールで押圧を1〜1.5kg/cm2
した。
【0061】ヒートロール8を110〜140℃の範囲
で制御し、普通紙を転写記録層に重ねて搬送した後、支
持体1bを剥離し画像が得られる最小時間Xmsecを
求め感度とした。すなわちXの値が小さいほど感度が高
いことになる。また得られた画像は定着性のよい、高品
位な画像であった。結果を表4に示す。
【0062】実施例5、比較例3、4、5 実施例4における反応性モノマーを表4の化合物に代え
て同様にして感度を測定した。結果を表4に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】以上表4に示すように、本発明の記録媒体
は極めて高感度であることがわかる。 実施例6 マイクロカプセルの製造 100gの水およびイソブチレン−無水マレイン酸共重
合体(20.6%、クラレ社製)26gを混合し、ここ
にペクチン3.1gを添加して20分間攪拌した。次い
で20%硫酸溶液でpHを4.0に調整して、0.2g
のクオドロール(BASF社製)を添加した。これをホ
モミキサーで3000rpmで攪拌しながら、表5に示
す成分100gを投入し、そのまま10分間乳化を行っ
た。
【0066】乳化液を500mlのビーカに移し、シェ
ル材として、20gの尿素、15gのレゾルシンを添加
した後、pHを9.0に設定して室温にて1時間攪拌し
た。更に、1%硫酸にてpHを4.0に設定し、100
gのホルマリン(30%)を添加した後、8時間攪拌を
続けた。次いで、pHを2.0として50℃で2時間攪
拌した。その後、3NのNaOH水溶液にて中性に戻し
た。
【0067】このカプセルを水にて洗浄、濾過した後、
順風乾燥機にて乾燥を行い、マイクロカプセル状の画像
形成素体を得た。
【0068】同様にして、表6に示す成分についてもマ
イクロカプセル状の画像形成素体を形成した。
【0069】これらの画像形成素体は、図7に示すよう
に、各々コア1c,1c’がシェル1dで被覆されたマ
イクロカプセルで粒径7〜15μm、平均粒径が10μ
mのものであった。
【0070】次に支持体であるPETフィルム1b上に
接着層1eとしてポリエステル系接着剤[LP−01
1、日本合成化学工業(株)製]を約1μmの厚さで塗
布した。この接着層の上に前記マイクロカプセルを過剰
量振りかけ、接着剤に付着していない余分な画像形成素
体を払い落とした。
【0071】次にこの転写記録媒体を互いに1kgf/
cm2で圧接し、それぞれが直径40mmのアルミロー
ラの上に硬度70度のシリコンゴムを1mm厚に被覆し
たローラ間に300mm/minの速度になるように通
した。また、この時ローラの表面温度はそれぞれ80℃
になるよう保持しておいた。ローラ間を通過した後、接
着層上の画像形成素体はPETフィルムに強固に固定さ
れる。
【0072】ここで表5および表6の4,4’−ジメト
キシベンジル、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチ
ルアミノクマリン)はそれぞれ図8および図9に示す吸
光特性を有する(クロロホルム中)。
【0073】次に実施例4同様に転写記録媒体1を図4
に示す装置に組み込んだ。但し、ランプ4は表5および
表6の光重合開始剤の感光波長域に合わせてピーク波長
306nmのランプA(東芝製、F10A70E35/
33T15)とピーク波長450nmのランプB(東芝
製、F10A70B/33T15)2本を配置した。
【0074】図4における転写記録層1aは、所定の波
長の光と熱とが付与されると軟化点温度が上昇し、記録
紙に転写されなくなる性質を有しているために、図10
のタイミングチャートに示すように、マゼンタ色記録に
際してはサーマルヘッドの発熱抵抗体列のうち画信号の
マゼンタに相当する発熱抵抗体に通電せず、画信号の白
(記録媒体は白とする)に相当する部分に5msecの
通電を行い、同時にランプAを一様に7msec照射す
る。
【0075】次にイエロー色記録に際しては、前記ラン
プA照射終了後8msec経過してから、即ち前記通電
開始時間より15msec後に、今度はサーマルヘッド
の発熱抵抗体のうち画信号の黄色に相当する部分に3m
secの通電を行い同時にランプBを一様に4msec
照射する。
【0076】以上の要領でマゼンタ色、イエロー色、白
色の画信号に応じてサーマルヘッドを制御し、転写記録
層にネガ像を形成し、実施例1と同様にして普通紙上に
転写することにより2色記録がワンショットで行うこと
ができた。
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、反応性モノマー
は融点が通常130℃を越え、200℃以下であり固体
状である。従って、本発明の光重合性組成物(1)は、
室温下においては二重結合同志の反応がほとんど起こら
ず、極めて高い経時安定性を実現できる。また、従来使
用されている光重合性組成物に比べて極めて高感度の光
重合性組成物を提供することができる。更に、本発明の
光重合性組成物(1)からなる転写記録媒体は極めて高
速にて記録画を形成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録媒体をもちいた転写記録の原理を
示した説明図である。
【図2】本発明の記録媒体をもちいた転写記録の原理を
示した説明図である。
【図3】本発明の記録媒体をもちいた転写記録の原理を
示した説明図である。
【図4】本発明の記録媒体を用いて転写記録を行う装置
を示した説明図である。
【図5】本発明の記録媒体を用いて転写記録を行う装置
を示した説明図である。
【図6】本発明の記録媒体の構成を示した説明図であ
る。
【図7】本発明に於ける転写記録媒体の光照射時におけ
る温度の逆数と、その時の感度の逆数との関係を示示し
た説明図である。
【図8】本発明の光重合性組成物に含有した光重合開始
剤の吸光特性を示すUVチャートである。
【図9】本発明の光重合性組成物に含有した光重合開始
剤の吸光特性を示すUVチャートである。
【図10】本発明の転写記録媒体に付与する、光と熱の
信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 記録媒体 1a 転写記録層 1b 支持体 1c コア 1c’コア 1d シェル 1e 接着層 2 サーマルヘッド 3 画像形成素体 4 ランプ 5 制御回路 6 供給ロール 7 ヒーター 8 ヒートロール 9 ピンチロール 10 記録紙 11 巻取り 12 記録画像

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2はイソシア
    ネート化合物からNCO基を除いた残基、nは1〜6の
    整数、mは1〜3の整数を表す。]で示され、融点が1
    30℃を越え200℃以下の反応性モノマー、光重合
    開始剤および必要によりアミン系重合促進剤からな
    り、加熱溶融状態で光重合性を有することを特徴とする
    光重合性組成物。
  2. 【請求項2】支持体上に転写記録層を有する転写記録媒
    体において、この転写記録層中に画像形成素体を含有
    し、且つこの画像形成素体が請求項1記載の組成物と着
    色剤からなることを特徴とする転写記録媒体。
  3. 【請求項3】転写記録層中に色相および感光波長域が相
    異なる複数の画像形成素体を含有する請求項2記載の転
    写記録媒体。
  4. 【請求項4】画像形成素体がマイクロカプセル化された
    画像形成素体である請求項2または3記載の転写記録媒
    体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008250268A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Fujifilm Corp 平版印刷版原版
US10329244B2 (en) * 2014-12-19 2019-06-25 Covestro Deutschland Ag Moisture-stable holographic media

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