JPH0594016A - 光重合性組成物および記録媒体 - Google Patents

光重合性組成物および記録媒体

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JPH0594016A
JPH0594016A JP28227391A JP28227391A JPH0594016A JP H0594016 A JPH0594016 A JP H0594016A JP 28227391 A JP28227391 A JP 28227391A JP 28227391 A JP28227391 A JP 28227391A JP H0594016 A JPH0594016 A JP H0594016A
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JP28227391A
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English (en)
Inventor
Hiroharu Oohayashi
弘晴 大林
Kenichi Hasegawa
兼一 長谷川
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化
合物、ジアリ−ルヨ−ドニウム塩系光重合開始剤および
p−ジアルキルアミノベンジリデンアセトフェノン残基
を持つビニル系ポリマ−からなる光重合性組成物。 【効果】 本発明の光重合性組成物は、従来のものよ
り、極めて高感度であり、このものを用いた転写記録媒
体は極めて高速に記録画像を形成することが可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光重合反応を利用する
UVインク、UV接着剤、感光性平板印刷板などに好適
な光重合性組成物に関し、また、プリンター、複写機、
ファクシミリ等の記録装置に用いられる転写記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性組成物と着色剤とからなる画像
形成素体を転写記録層中に含有する転写記録媒体は従来
公知である(例えば特開昭62−174195号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記組成物を用いた従
来の転写記録媒体は、多色の高品位な画像が得られる点
で優れたものであるが、近年更に感度を向上させる要求
が強い。
【0004】本発明はこの要求に対応する更に高感度な
光重合性組成物および転写記録媒体を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エチレン性
不飽和二重結合を有する重合性化合物(イ)、ジアリ−
ルヨ−ドニウム塩系光重合開始剤(ロ)および下記ビニ
ル系ポリマ−(ハ)からなることを特徴とする光重合性
組成物;並びに支持体上に転写記録層を有する転写記録
媒体において、この転写記録層中に画像形成素体を含有
し、且つこの画像形成素体が上記組成体と着色剤(ニ)
からなることを特徴とする転写記録媒体を用いることに
より達成することができる。
【0006】ビニル系ポリマ−(ハ):下記一般式
(1)
【0007】
【化2】
【0008】[式中、R1は水素原子またはメチル基、
2、R3はアルキル基、Xは2価の有機残基を表す。]
で示される構成単位を少なくとも1つ有するビニル系ポ
リマ−。
【0009】本発明において、エチレン性不飽和二重結
合を有する重合性化合物(イ)としては、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリロニトリル、アクリルアミドなどのビニル基
を1つ有するモノマ−;アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、コロトン酸、イソコロトン酸、マレイン酸な
どの不飽和カルボン酸とエチレングリコ−ル、トリエチ
レングリコ−ル、テトラエチレングリコ−ル、トリメチ
ロ−ルプロパン、1,3−ブタンジオ−ル、ペンタエリ
スリト−ル、ジペンタエリスリト−ルなどの多価アルコ
−ルとのエステル;ポリイソシアネ−トと2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレ−トなどの不飽和二重結合を含むアル
コ−ル類との重付加反応により合成されるウレタン結合
を有するウレタン(メタ)アクリレ−ト類;およびエポ
キシ樹脂とアクリル酸またはメタクリル酸との付加反応
により合成されるエポキシ(メタ)アクリレ−ト類、ま
たはポリエステル(メタ)アクリレ−ト類、ポリエ−テ
ル(メタ)アクリレ−ト類などが挙げられるが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0010】本発明において、ジアリ−ルヨ−ドニウム
塩系光重合開始剤(ロ)としては、例えば、一般式 [Ar1−I−Ar2+- (2) [式中、Ar1、Ar2はアリ−ル基、X-は陰イオンを
表す。]で示される化合物が挙げられ、その製造方法に
ついてはジャ−ナル・アメリカン・ケミカル・ソサイエ
ティ(J.Am.Chem.SOC.)(75)270
5または同(81)342などに記載されている。式
中、Ar1、Ar2で示されるアリ−ル基としてはフェニ
ル基、ナフチル基、置換フェニル基、置換ナフチル基な
どが挙げられ、これらのうちフェニル基、置換フェニル
基が好ましい。置換フェニル基、置換ナフチル基の各置
換基としてはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原
子、ニトロ基などが挙げられ、特に有機溶剤に対する溶
解性を向上させるために、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基などのアルキル基およびメトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基が好まし
い。また、X-で示される陰イオンとしては、Cl-、B
-、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、HS
4 -、B(Ph)4 -、B(Ph)3-などが挙げられる
[但し、ここでPhは置換または未置換のフェニル基、
Rはアルキル基を示す]。(2)の好ましい具体例とし
ては、下記化3〜化8の一般式で示される各化合物[但
し、各式中、X-は Cl-、Br-、BF6 -、PF6 -、A
sF6 -、SbF6 -、HSO4 -、B(Ph)4 -またはB
(Ph)3-を表す。]が挙げられる。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】ジアリ−ルヨ−ドニウム塩系光重合開始剤
(ロ)は、重量基準で重合性化合物(イ)に対し、約1
%〜20%の範囲で用いることが可能であり、好ましく
は約1%〜10%である。
【0018】一般式(1)において、R2、R3として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基などの炭素数1から10までのアル
キル基が挙げられる。一般式(1)で示される構成単位
を少なくとも1つ有するビニル系ポリマ−(ハ)の具体
例としては、下記、化9〜化13に示す構成単位を少な
くとも1つ有するビニル系ポリマ−が挙げられる。
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】該ビニル系ポリマ−(ハ)を合成する方法
の一つとしては、あらかじめ下記化14〜化16などの
ビニル系モノマ−を合成し、これらを単独重合させた
り、または、これらに他のビニル系モノマ−を共重合さ
せる方法がある。
【0025】
【化14】
【0026】
【化15】
【0027】
【化16】
【0028】共重合させるビニル系モノマ−としては、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、N、N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピ
ロリドン、スチレンなどが挙げられる。これらのビニル
系モノマ−を単独または複数用いることができる。
【0029】該ビニル系ポリマ−(ハ)を合成する第二
の方法としては、活性なハロゲン原子を有するビニル系
ポリマ−に、下記化17の一般式の化合物のアルカリ金
属塩またはアンモニウム塩を反応させる方法がある。
【0030】
【化17】
【0031】[式中、R1、R2はアルキル基を表す。]
【0032】この反応に用いられる活性なハロゲン原子
を有するビニル系ポリマ−としては、クロロメチルスチ
レン、クロロ酢酸ビニルの単独重合体または共重合体な
どが挙げられる。これらの共重合体を与えるために必要
な共重合させるビニル系モノマ−としては、上述したも
のと同様なものが挙げられる。
【0033】該ビニル系ポリマ−(ハ)は、重量基準で
重合性化合物(イ)に対し、約1%〜2倍、さらに好ま
しくは、約1%〜100%である。
【0034】さらに感度を向上させるために、必要によ
り、通常用いられる他の光重合開始剤またはアミン系重
合促進剤を併用することができる。
【0035】併用可能な他の光重合開始剤としては、一
般に公知の光によってラジカルを発生する化合物は全て
使用可能である。例えば、カルボニル化合物、ハロゲン
化合物、アゾ化合物、有機イオウ化合物などで、例え
ば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、クマリン、キサ
ントン、チオキサントン、カルコン、スチリルスチリル
ケトンなどの芳香族ケトン類およびその誘導体、ベンジ
ル、アセナフテンキノン、カンファーキノンなどのジケ
トン類およびその誘導体、アントラキノンスルホニルク
ロライド、キノリンスルホニルクロライド、2,4,6
−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどの
ハロゲン化合物などが挙げられる。
【0036】上記の他の光重合開始剤を用いる場合は、
重量基準で重合性化合物(イ)に対し、約1%〜20%
の範囲で用いることが可能である。
【0037】アミン系重合促進剤としては、例えば芳香
族モノアミン[エチル−p−ジメチルアミノベンゾエー
ト、メチル−p−ジメチルアミノベンゾエート、イソア
ミル−p−ジメチルアミノベンゾエート、フェニル−p
−ジメチルアミノベンゾエート、エチル−p−ジエチル
アミノベンゾエート、フェニル−p−ジエチルアミノベ
ンゾエート、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−ベ
ンジル−N−メチルアニリン、N,N−ジベンジルアニ
リン、トリフェニルアミン、N−フェニルグリシンな
ど];脂肪族モノアミン[トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルシクロヘキシ
ルアミン、トリエタノールアミンなど];並びに、ポリ
アミン[メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、
1,4−シクロヘキサンジアミン、フェニレンジアミン
など]が挙げられる。
【0038】上記アミン系重合促進剤は1種類でも、ま
た2種類以上を混合して用いてもよい。アミン系重合促
進剤を用いる場合は重量基準で光重合開始剤に対し、通
常約1%〜10倍、好ましくは約10%〜3倍の範囲で
用いられる。
【0039】本発明の記録媒体において着色剤(ニ)
は、光学的に認識できる画像を形成するために含有させ
る成分であり、着色剤(ニ)としては各種顔料、染料が
挙げられる。着色剤(ニ)は重量基準では、光重合性組
成物に対し約5%〜50%、好ましくは10%〜20%
の範囲で用いられる。このような顔料、染料の例として
は、カーボンブラックや黄鉛、モリブデン赤、ベンガラ
等の無機顔料、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、
ブリリアントカーミン6B、レークレッドC、パーマネ
ントレッドF5R、フタロシアニンブルー、ビクトリア
ブルーレーク、ファストスカイブルー等の有機顔料、ロ
イコ染料、フタロシアニン染料等の着色剤などが挙げら
れる。
【0040】更に本発明の記録媒体において、該画像形
成素体には、公知のバインダー、UV吸収剤、可塑剤、
熱重合防止剤などの添加剤を必要に応じて適量含有させ
ることができる。
【0041】バインダーとしては、ポリメチルアクリレ
ート、ポリエチルアクリレート等のポリアクリル酸アル
キルエステル類、ポリメチルメタクリレート、ポリエチ
ルメタクリレート等のポリメタクリル酸アルキルエステ
ル類、またはメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合
体、マレイン酸共重合体、または塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリ
ルまたはこれらの共重合体、更にポリビニルアルキルエ
ーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン
ポリアミド、ポリウレタン、塩素化ゴム、セルロース誘
導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等
が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0042】これらのバインダーは単一で用いても、適
当な比で2種以上混合して用いてもよい。またバインダ
ーとして相溶、非相溶に限らずワックス類を用いても構
わない。これらのバインダーは記録媒体の画像形成素体
中に任意な量を混和させることができる。
【0043】UV吸収剤としては、ベンゾフェノン系、
サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、蓚酸アニリド
系の化合物が挙げられる。
【0044】可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジ
エチルフタレート等のフタル酸エステル類、ジメチルグ
リコールフタレート、メチルフタルエチルグリコレート
等のグリコールエステル類、トリフェニルホスフェート
等の燐酸エステル類、ジオクチルアジペート、ジオクチ
ルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エ
ステル類などが挙げられる。
【0045】熱重合防止剤としては、p−メトキシフェ
ノール、ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、塩化
第一銅、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、フ
ェノチアジンなどがある。
【0046】本発明の転写記録媒体を用いて画像を記録
させる方法を例示すると次のとおりである。
【0047】本発明の転写記録媒体において、該転写記
録層は軟化温度Tsを有し、Ts以上の温度に加熱した
部分ではその粘度が急激に減少する。該転写記録層に含
有する光重合開始剤の吸収波長に対応した光を一様に照
射し、同時にサーマルヘッド等の加熱手段を用いて転写
記録層をTs以上の温度に記録情報に応じて部分的に加
熱すると、Ts以上に加熱された部分は、粘度が急激に
低下し、転写記録層中の重合性化合物(イ)およびジア
リ−ルヨ−ドニウム塩系光重合開始剤(ロ)、他の光重
合開始剤の拡散速度が増加し、重合反応が急激に進む。
一方、非加熱部においては、転写記録層の粘度が低下し
ないため、重合性化合物(イ)およびジアリ−ルヨ−ド
ニウム塩系光重合開始剤(ロ)、他の光重合開始剤の拡
散が充分でなく、重合反応は部分的に生ずるのみとな
る。こうして転写像を形成した記録媒体を非転写媒体と
圧接し、転写に必要な所定の温度、例えば、Ts以上の
温度で加熱すれば、サーマルヘッドの非加熱部、即ち重
合反応が部分的にしか生じていない部分は、被転写媒体
に転写され、サーマルヘッドの加熱部は重合が充分に進
んでいるため被転写媒体との接着性が小さく、転写され
ない。このように光エネルギーと熱エネルギーにより画
像が形成される。
【0048】また、転写記録層の転写特性および重合反
応量を支配する物性値として、転写記録層の軟化温度T
sで説明したが、この他にも転写記録層のガラス転移
点、溶融温度等を利用しても構わない。
【0049】本発明において、転写記録層は支持体上に
塗布された連続層である画像形成素体であってもよい
し、また粒子状の素体を塗布した画像形成素体でもよ
い。更に、光と熱エネルギーが付与されて転写特性の変
化する組成物をマイクロカプセル化した画像形成素体で
構成されていてもよい。
【0050】また、本発明において多色画像形成を行う
には、異なる数種の色調を呈する着色剤(ニ)を含有す
る粒子状画像形成素体、またはそれをマイクロカプセル
化した画像形成素体で転写記録層を形成し、これらに含
有される光重合開始剤の感光波長域を変えることにより
行うことが可能である。つまり、記録信号に従って変調
された熱エネルギーを、転写特性を支配する物性を変化
させたい画像形成素体の色調により選択された波長の光
エネルギーと共に付与するものである。
【0051】上記「変調」とは画信号に応じてエネルギ
ーを付与する位置を変更することをいい、「共に」とは
光エネルギーと熱エネルギーを同時に付与する場合でも
よいし、光エネルギーと熱エネルギーを別々に付与する
場合でもよい。
【0052】次に、本発明の効果を最も発現できる多色
画像形成方法について説明する。図1〜図3は本発明の
転写記録媒体とサーマルヘッドとの関係を示した部分図
である。
【0053】図1〜図3において本発明の転写記録媒体
1は、支持体1b上に転写記録層1aを設けて構成され
る。転写記録層1aは、微少な画像形成素体3の分布層
となっていて、各画像形成素体3は異なる色調を呈する
着色剤を含んでいる。例えば、図1〜図3に示した例で
は、各画像形成素体3にはシアン(C),マゼンタ
(M)およびイエロー(Y)の何れかの着色剤が含有さ
れている。画像形成素体3中のC、M、Yの各記号は各
着色剤が含まれていることを示す。しかし、各画像形成
素体3に含有される着色剤は、C、M、Yに限るもので
はなく、用途に応じてどのような色の着色剤を用いても
構わない。各画像形成素体3には、着色剤の他に光およ
び熱のエネルギーが付与されたときに、転写特性を支配
する物性が急激に変化する感応成分を含有する。
【0054】各画像形成素体3の感応成分は、含有する
着色剤によって波長依存性を有する。即ち、Yの着色剤
を含有した画像形成素体3は、熱と波長λ(Y)(イエ
ロー色の波長を示す)の光が加えられたとき、架橋が急
激に進み硬化する。同様に、Mの着色剤を含有する画像
形成素体3は、熱と波長λ(M)の光、Cの着色剤を含
有する画像形成素体3は熱と波長λ(C)の光がそれぞ
れ加えられたとき、架橋が進み硬化する。硬化した画像
形成素体3は、次の転写工程で加熱されても粘度が低下
しないか、粘着性を有さないため、被転写媒体に転写し
ない。熱と光は記録情報に応じて付与する。
【0055】次に本発明の記録媒体を用いた画像形成方
法の具体例を示す。まず、転写記録媒体1をサーマルヘ
ッド2に重ね、サーマルヘッド2の発熱部全域をカバー
するように光を照射する。照射する光は画像形成素体3
が反応する波長のものを順次照射する。例えば、画像形
成素体3が、C、M、Yの何れかに着色されている場
合、波長λ(C),λ(M)およびλ(Y)の光を順次
照射する。
【0056】つまり、まず転写記録媒体1の転写記録層
1a側から波長λ(Y)の光を照射するとともに、例え
ばサーマルヘッド2の発熱体2b,2d,2eおよび2
fを発熱させる。すると、Yの着色剤を含有する画像形
成素体3のうち、熱と波長λ(Y)の光の両方が加えら
れた画像形成素体(図1でハッチングの施された部分。
以下硬化した画像形成素体をハッチングで示す。)が硬
化する。
【0057】次に、図2に示すように転写記録層1aに
波長λ(M)の光を照射するとともに、発熱抵抗体2
a,2eおよび2fを発熱させると、Mの着色剤を含有
する画像形成素体3のうち、熱と波長λ(M)の光が加
えられた画像形成素体が硬化する。更に、図3に示すよ
うに、波長λ(C)の光を照射するとともに、所望の発
熱抵抗体を加熱させると、光と熱の加えられた画像形成
素体が硬化し、最終的に硬化しなかった画像形成素体に
より転写記録層1aに転写像(図3のハッチングの施さ
れていない部分)が形成される。
【0058】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれに限定されない。
【0059】合成例1 (本発明に用いられている下記化18のビニル系ポリマ
−の合成)
【0060】
【化18】
【0061】温度計、冷却管、攪拌装置を備えた500
mlの4ツ口フラスコに、反応溶媒としてトルエン25
0ml、重合モノマ−としてメタクリル酸メチル15g
および下記化19の化合物5gを入れ、窒素置換しなが
ら75℃に加熱した。
【0062】
【化19】
【0063】この反応液に2,2’−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)0.3gを加え、同温度で
6時間攪拌を続けた。反応後、反応液をメタノ−ルに加
えポリマ−を沈澱させた。得られたポリマ−をろ過乾燥
し、14gの固体を得た。またこのポリマ−のGPCに
よる重量平均分子量は11.0万であった。
【0064】合成例2 (本発明に用いられている下記化20のビニル系ポリマ
−の合成)
【0065】
【化20】
【0066】温度計、冷却管、攪拌装置を備えた500
mlの4ツ口フラスコに、メタクリル酸メチルとクロロ
メチルスチレンとの3:1共重合体30gと、溶媒とし
てN,N−ジメチルアセトアミド250mlを加え、溶
解し、これに化21のフェノ−ル化合物のカリウム塩3
5gを加えて80℃で8時間反応させた。反応後、反応
液をメタノ−ルに加えポリマ−を沈澱させた。得られた
ポリマ−をろ過乾燥し、48gの固体を得た。またこの
ポリマ−のGPCによる重量平均分子量は5.3万であ
った。
【0067】
【化21】
【0068】実施例1 表1に示す成分20gを100mlのジクロロメタンに
溶解し、スピナ−を用いてアルミニウム板上に塗布、こ
れを60℃、10分間乾燥させて、厚さ約5μmの感光
層とした。次に、前記感光層の上に酸素防止層としてポ
リビニルアルコ−ル(PVA)を約3μmの厚さで塗布
し試料とした。
【0069】この試料の上にステップタブレット(イ−
ストマンコダック社製、No.1、段数11)を置き、
450WのXeランプで20秒間露光した。その後、P
VAを水洗除去し、更に感光層を1,1,1,−トリク
ロロエタン/クロロベンゼン(1:1)混合液で30秒
間処理した。以上の処理により現出した画像の対応する
ステップタブレットの最高段数を試料の感度として表し
た。即ち、段数の高いものほど高感度であることを示
す。結果を表2に示す。
【0070】
【表1】
【0071】実施例2、実施例3、比較例1、比較例2 表1のビニル系ポリマ−(ハ)とジアリ−ルヨ−ドニウ
ム塩を表2及び表3に示す化合物に代え、実施例1と同
様にして、試料を作製し、感度評価を行った。結果を表
2、表3に示す。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】表2、表3より本発明による光重合性組成
物が極めて高感度であることがわかる。
【0075】実施例4 次に本発明の記録媒体を用いた画像形成について実施例
を挙げて説明する。
【0076】まず、表4に示す成分30gを100ml
のジクロロメタンに溶解し、厚さ6μmのポリエチレン
テレフタレ−ト(PET)フィルム上にソルベントコ−
ト法により厚さ10μmにて塗布し、さらに保護膜とし
てポリビニルアルコール(PVA)を膜厚2μmで塗工
し転写記録媒体を得た。
【0077】次に上記、手法により作製した記録媒体を
ロール状に巻回して、図4に示す装置に組み込んだ。
【0078】図4においてサーマルヘッド2としては、
8ドット/mmのA4サイズのライン・タイプで発熱抵
抗体列がエッジ部に配列されているものを用い、記録媒
体1の支持体1b側が発熱抵抗体に接するように配置
し、記録媒体1のテンションにより発熱抵抗体に押圧さ
れるようにした。そして対向した部所にランプ4を配置
した。ランプ4には光重合開始剤の感光波長域に合わせ
てピーク波長390nmのランプを用いた。
【0079】次に画信号に応じてサーマルヘッド2の発
熱を制御する。本実施例においては光と熱が与えられて
軟化温度が上昇すると共に転写開始温度が上昇する転写
記録層を扱うため、ネガ記録となる。すなわち、サーマ
ルヘッド2の制御はマーク信号(シアン)の場合は通電
せず、マーク信号でない(白)の時に通電して発熱させ
る。
【0080】この発熱時の通電エネルギーは0.8W/
dot・Xmsecとし、ランプ4でサーマルヘッド2
の信号と同期してXmsec光照射を一様にしながら上
記したような要領で画信号に応じてサーマルヘッド2を
制御、駆動し、2Xmsec/lineの繰り返し周期
で同期して記録媒体をステッピングモータとドライブゴ
ムロールとで搬送した。
【0081】次いで水洗によりPVA膜を除去し、図5
に示すように表面平滑度10〜30秒の範囲にある普通
紙10を転写記録層に重ねて、ヒートロール8とピンチ
ロール9とで挟んで搬送した。ヒートロール8は、30
0Wのヒーター7を内部に持ち、表面を2mm厚のシリ
コンゴムで被覆したアルミロールで表面を50〜150
℃の範囲の任意の温度に保つようヒーター7を制御し
た。ピンチロール9はJISゴム硬度計の硬度50度の
シリコンゴムロールで押圧を25kg/cm2とした。
【0082】ヒートロール8を110〜140℃の範囲
で制御し、普通紙を転写記録層に重ねて搬送した後、支
持体1bを剥離し画像が得られる最小時間Xmsecを
求め感度とした。すなわちXの値が小さいほど感度が高
いことになる。また得られた画像は定着性のよい、高品
位な画像であった。結果を表5に示す。
【0083】
【表4】
【0084】実施例5、比較例3、4、 表5に示す化合物に代えて実施例4と同様にして感度を
測定した。結果を表5に示す。
【0085】
【表5】
【0086】以上、表5に示すように、本発明の記録媒
体は極めて高感度であることがわかる。
【0087】実施例6 (記録媒体の作製) マイクロカプセルの製造 100gの水およびイソブチレン−無水マレイン酸共重
合体(20.6%、クラレ社製)26gを混合し、ここ
にペクチン3.1gを添加して20分間攪拌した。次い
で20%硫酸溶液でpHを4.0に調整して、0.2g
のクオドロール(BASF社製)を添加した。これをホ
モミキサーで3000rpmで攪拌しながら、表6に示
す成分20gを50gのクロロホルムで分散した分散液
を10〜15秒かけて投入し、そのまま10分間乳化を
行った。
【0088】乳化液を500mlのビーカに移し、その
まま攪拌羽根1〜2時間攪拌を続け溶媒を留去した。
【0089】シェル材として、20gの尿素、15gの
レゾルシンを添加した後、pHを9.0に設定して室温
にて1時間攪拌した。更に、1%硫酸にてpHを4.0
に設定し、100gのホルマリン(30%)を添加した
後、8時間攪拌を続けた。次いで、pHを2.0として
50℃で2時間攪拌した。その後、3NのNaOH水溶
液にて中性に戻した。
【0090】このカプセルを水にて洗浄、濾過した後、
順風乾燥機にて乾燥を行い、マイクロカプセル状の画像
形成素体を得た。
【0091】同様にして、表7に示す成分についてもマ
イクロカプセル状の画像形成素体を形成した。
【0092】これらの画像形成素体は、図6に示すよう
に、各々コア1c,1c’がシェル1dで被覆されたマ
イクロカプセルで粒径7〜15μm、平均粒径が10μ
mのものであった。
【0093】次に支持体であるPETフィルム1b上に
接着層1eとしてポリエステル系接着剤[LP−01
1、日本合成化学工業(株)製]を約1μmの厚さで塗
布した。この接着層の上に前記マイクロカプセルを過剰
量振りかけ、接着剤に付着していない余分な画像形成素
体を払い落とした。
【0094】(画像形成)次にこの転写記録媒体を互い
に1kgf/cm2で圧接し、それぞれが直径40mm
のアルミローラの上に硬度70度のシリコンゴムを1m
m厚に被覆したローラ間に300mm/minの速度に
なるように通した。また、この時ローラの表面温度はそ
れぞれ80℃になるよう保持しておいた。ローラ間を通
過した後、接着層上の画像形成素体はPETフィルムに
強固に固定される。
【0095】ここで表6および表7の4,4’−ジメト
キシベンジル、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチ
ルアミノクマリン)はそれぞれ図7および図8に示す吸
光特性を有する(クロロホルム中)。
【0096】次に実施例4同様に転写記録媒体1を図4
に示す装置に組み込んだ。但し、ランプ4は表6および
表7の光重合開始剤の感光波長域に合わせてピーク波長
306nmのランプA(東芝製、F10A70E35/
33T15)とピーク波長450nmのランプB(東芝
製、F10A70B/33T15)2本を配置した。
【0097】図4における転写記録層1aは、所定の波
長の光と熱とが付与されると軟化点温度が上昇し、記録
紙に転写されなくなる性質を有しているために、図9の
タイミングチャートに示すように、マゼンタ色記録に際
してはサーマルヘッドの発熱抵抗体列のうち画信号のマ
ゼンタに相当する発熱抵抗体に通電せず、画信号の白
(記録媒体は白とする)に相当する部分に5msecの
通電を行い、同時にランプAを一様に7msec照射す
る。
【0098】次にイエロー色記録に際しては、前記ラン
プA照射終了後8msec経過してから、即ち前記通電
開始時間より15msec後に、今度はサーマルヘッド
の発熱抵抗体のうち画信号の黄色に相当する部分に3m
secの通電を行い同時にランプBを一様に4msec
照射する。
【0099】以上の要領でマゼンタ色、イエロー色、白
色の画信号に応じてサーマルヘッドを制御し、転写記録
層にネガ像を形成し、実施例4と同様にして普通紙上に
転写することにより2色記録がワンショットで行うこと
ができた。
【0100】
【表6】
【0101】
【表7】
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光重合性
組成物は、従来使用されている光重合性組成物に比べて
感度が優れたものであり、更に、本発明の光重合性組成
物からなる転写記録媒体は極めて高速にて記録画像を形
成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録媒体を用いた転写記録の原理を示
した説明図である。
【図2】本発明の記録媒体を用いた転写記録の原理を示
した説明図である。
【図3】本発明の記録媒体を用いた転写記録の原理を示
した説明図である。
【図4】本発明の記録媒体を用いて転写記録を行う装置
を示した説明図である。
【図5】本発明の記録媒体を用いて転写記録を行う装置
を示した説明図である。
【図6】本発明の記録媒体の構成を示した説明図であ
る。
【図7】本発明の光重合性組成物に含有した光重合開始
剤の吸光特性を示すUVチャートである。
【図8】本発明の光重合性組成物に含有した光重合開始
剤の吸光特性を示すUVチャートである。
【図9】本発明の転写記録媒体に付与する、光と熱の信
号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 記録媒体 1a 転写記録層 1b 支持体 1c コア 1c’コア 1d シェル 1e 接着層 2 サーマルヘッド 3 画像形成素体 4 ランプ 5 制御回路 6 供給ロール 7 ヒーター 8 ヒートロール 9 ピンチロール 10 記録紙 11 巻取り 12 記録画像

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和二重結合を有する重合
    性化合物(イ)、ジアリ−ルヨ−ドニウム塩系光重合開
    始剤(ロ)および下記ビニル系ポリマ−(ハ)からなる
    ことを特徴とする光重合性組成物。 ビニル系ポリマ−(ハ):下記一般式(1) 【化1】 [式中、R1は水素原子またはメチル基、R2、R3はア
    ルキル基、Xは2価の有機残基を表す。]で示される構
    成単位を少なくとも1つ有するビニル系ポリマ−。
  2. 【請求項2】 支持体上に転写記録層を有する転写記録
    媒体において、この転写記録層中に画像形成素体を含有
    し、且つこの画像形成素体が請求項1記載の組成物と着
    色剤(ニ)からなることを特徴とする転写記録媒体。
  3. 【請求項3】 転写記録層中に色相および感光波長域が
    相異なる複数の画像形成素体を含有する請求項2記載の
    転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 画像形成素体がマイクロカプセル化され
    た画像形成素体である請求項2または3記載の転写記録
    媒体。
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