JPH05272480A - 圧縮機のオイルピックアップチューブ - Google Patents

圧縮機のオイルピックアップチューブ

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JPH05272480A JP5022638A JP2263893A JPH05272480A JP H05272480 A JPH05272480 A JP H05272480A JP 5022638 A JP5022638 A JP 5022638A JP 2263893 A JP2263893 A JP 2263893A JP H05272480 A JPH05272480 A JP H05272480A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑油を飛散させながら泡の発生を抑えると
ともに、潤滑油の気泡及び浮遊異物を排出させ、これに
よりノイズを減少させた圧縮機のオイルピックアップチ
ューブを提供する。 【構成】 チューブ１と、前記チューブ１の表面に沿っ
て上昇する潤滑油を飛散させながら泡の発生を抑えるよ
うチューブ１の外周面に固着された抑制手段２とからな
り、前記チューブ１の内部へ上昇する潤滑油の気泡及び
浮遊異物を排出させるためチューブに空気排出口３を形
成してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮機のオイルピック
アップチューブに関し、特に、円筒状チューブに環状突
起を形成しノイズを減少できるようにした圧縮機のオイ
ルピックアップチューブに関するものである。
【０００２】現在、世界で生産されている家庭用冷蔵庫
用の圧縮機は、大部分ＣＦＣ−１２を冷媒として用いて
おり、ＣＦＣ−１２を使用できる圧縮機は、技術の進歩
により、ノイズ、性能などにおいて満足するほどの水準
で生産されている。ところが、現在に至って、ＣＦＣ−
１２などが地球のオゾン層を破壊するという問題が明ら
かにされるに伴ってＣＦＣ−１２冷媒の使用を規制しよ
うとする動きがあり、これにつれて新たな冷媒を適用で
きる圧縮機の開発に全力を注いでおり、ＨＦＣ−１３４
ａ冷媒が新しい冷媒として脚光をあびている。しかし、
ＨＦＣ−１３４ａ冷媒はその特性上圧縮機内の潤滑油も
ともに取り替えなければならないため、潤滑油の開発も
同じく世界的な問題として取り上げられるようになって
きた。
【０００３】
【従来の技術】従来のオイルピックアップチューブは、
図５乃至図７に示すごとく、クランク軸１４の下部中央
には斜めにチューブ１２，１２ａ，１２ｂ，１２ｃが固
設されており、このうち上記チューブ１２には長手方向
にスロット１０が形成されており、また、チューブ１２
の任意の個所には上記スロット１０を横切って覆うよう
に突出羽根１５が一体に形成されている。
【０００４】一方、スロット１０の形成されていない上
記チューブ１２ａ，１２ｂ，１２ｃの場合は、空気排出
口１１や突出羽根１３，１７などがそれぞれのモデルに
よって若干異なるが、これらはいずれも突出した羽根状
に形成されている。このさい、チューブ１２がクランク
軸１４の回転に伴って図６及び図７の矢印方向に回転す
ると、チューブ１２に接していた潤滑油はチューブ１２
に沿って上昇し、また潤滑油が遠心力及び粘性によりチ
ューブ１２の外側表面に沿って上昇した場合、突出羽根
１５が潤滑油を飛散させ、また潤滑油から生ずる泡の発
生を遮断する役割を演じる。
【０００５】しかし、クランク軸１４の回転に伴って矢
印方向へチューブ１２が回転するときには、Ａ部位の圧
力がＢ部位の圧力よりも高くなるため、この圧力差によ
りノイズが生ずるとともに、潤滑油を飛散させるとき潤
滑油から生じる泡を遮断できないという問題点があっ
た。
【０００６】さらに、従来の技術として特公昭６３−１
６５８８号公報に記載されたものがある。同公報の密閉
形圧縮機は、図８に示すように、副軸受部１８の下面開
口部を閉塞する遮蔽板２３をクランク軸９の下部に離間
対向状態で設け、この遮蔽板２３の中央に潤滑油１９導
入用の通孔２４を形成するとともに、ポンプケース２１
に形成された吸込口体２２を遮蔽板２３の通孔２４に向
けて突設させるように構成されている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のごと
き密閉形圧縮機は、副軸受部１８の内部空間を遮蔽板２
３によって上下に仕切り、この副軸受部１８内における
遮蔽板２３の上側空間内に流入されている潤滑油１９が
クランク軸９とともに回転するポンプケース２１の回転
に伴って回転しても、上記遮蔽板２３の上側空間内の潤
滑油１９の回転が副軸受部１８内における遮蔽板２３の
下側空間内に流入している潤滑油１９側に伝達されるこ
とを遮断するようになっているため、潤滑油１９の油面
が一旦上記ポンプケース２１より低下して再び回復して
もポンプケース２１の外側部２１ａの遠心力により吸込
口体２２に渦流現象が生じることがない。従って、ポン
プケース２１の吸込口を負圧状態にすることがなく、吸
入口から潤滑油１９を吸い込んでクランク軸９や偏心孔
２０ｂに給油できるため、軸受部の焼付を防止するよう
になっている。
【０００８】しかしながら、これによって振動及びノイ
ズが発生するばかりでなく、潤滑油から生じる泡が吸込
口体２２及び通孔２４を通して吸い込まれるのを遮断で
きないという問題点があった。
【０００９】従って、本発明はこの問題点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、潤滑油を飛散
させながら泡が生じるのを防止するとともに、潤滑油の
気泡及び浮遊異物を排出し、これによりノイズを減少さ
せた圧縮機のオイルピックアップチューブを提供するこ
とにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に基づく圧縮機のオイルピックアップチュー
ブは、チューブと、前記チューブの表面に沿って上昇す
る潤滑油を飛散させながら泡の発生を抑えるようチュー
ブの外周面に固着された抑制手段とからなり、前記チュ
ーブの内部へ上昇する潤滑油の気泡及び浮遊異物を排出
させるためにチューブに空気排出口を形成してなる。
【００１１】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付の図面に沿っ
て詳細に説明する。
【００１２】図１及び図２において、チューブ１の上側
外周面には、チューブ１の表面を伝わって上昇する潤滑
油を飛散させながら泡が生じるのを抑える抑制手段２が
固着されており、この抑制手段２は、環状の突起として
形成されている。また、上記抑制手段２の下部一側に
は、チューブ１の内部を上昇する潤滑油の気泡及び浮遊
異物を排出させる空気排出口３が穿設されている。
【００１３】図３に示されているように、クランク軸４
は駆動手段（図示せず）から駆動力の伝達をうけて駆動
される駆動軸４ａを上部に備え、この駆動軸４ａの下部
に所定偏差をもつ偏心軸４ｂが一体に形成されている。
その偏心軸４ｂの底面中央には潤滑油が上昇する際、こ
の潤滑油が偏心軸４ｂの下部を通って駆動軸４ａを通過
するべく通路（図示せず）が穿設されている。また、偏
心軸４ｂの底面中央に穿設された通路には、図１に示す
ような抑制手段２と空気排出口３を有するチューブ１が
所定の斜角をなすべく斜めに固着されている。
【００１４】次に、上記のごとく構成された本発明の作
用についてのべる。
【００１５】チューブ１を備えたクランク軸４を図３の
矢印方向に駆動させると、この駆動力によりチューブ１
には、遠心力が生ずる。この際、偏心して傾斜している
チューブ１の表面を伝わって上昇する潤滑油は抑制手段
すなわちリング状の突起に突き当って飛散するととも
に、潤滑油から生じる泡がチューブ１の周囲に発生する
のを抑える。
【００１６】このように抑制手段２はチューブ１の外周
面に固着されるとき突出した部分のないリング状の突起
に形成されているため、圧力差が生じることがなく、ノ
イズの発生は顕著に減少する。
【００１７】このことは、図４及び図９に示すノイズ特
性表を比較することによって確かめることができる。
【００１８】すなわち、図９（Ａ）は、図６に示す従来
の構造における突出羽根１５を除去した状態でのノイズ
特性表であり、図９（Ｂ）は図６に示す従来の構造にお
けるノイズ特性表であり、更に、図９（Ｃ）は図６に示
す従来の構造において突出羽根１５を少し下方に位置づ
けた状態でのノイズ特性表である。これに対し、図４は
本発明に基づく構造におけるノイズ特性を示したもので
ある。
【００１９】この測定条件は、圧力、温度を同一にし、
使用冷媒としてＨＦＣ−１３４ａを使用し、すべて同一
の潤滑油を使用した。
【００２０】これらノイズ特性表を比較すると、図９
（Ａ）〜（Ｃ）に示されているノイズ値よりも図４に示
されたノイズ値が明らかに小となっており、本発明によ
ってノイズが減少していることが容易に理解されよう。
【００２１】また、抑制手段２の下部には、チューブ１
に空気排出口３が穿設されているため、チューブ１の内
部へ上昇する潤滑油の気泡及び浮遊物などを排出するこ
とができる。
【００２２】
【発明の効果】上述のように、本発明に基づくオイルピ
ックアップチューブは、クランク軸の底面下部に対し傾
斜させて設置するチューブに抑制手段と空気排出口を形
成していることから、チューブは潤滑油を飛散させなが
ら泡の発生を抑えるとともに、潤滑油の気泡及び浮遊異
物を排出させ、これによりノイズを減少することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に基づくオイルピックアップチューブの
正面図である。
【図２】図１に示すオイルピックアップチューブの底面
図である。
【図３】本発明に基づいてクランク軸にオイルピックア
ップチューブを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図４】本発明に基づく構造におけるノイズ特性表であ
る。
【図５】図５（Ａ）〜（Ｃ）は、従来例に基づいてクラ
ンク軸にオイルピックアップチューブを取り付けた状態
を示す部分断面図である。
【図６】従来例に基づいてクランク軸にオイルピックア
ップチューブを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図７】図６に示すオイルピックアップチューブの拡大
斜視図である。
【図８】従来の密閉形圧縮機の部分断面図である。
【図９】図９（Ａ）〜（Ｃ）は従来例に基づく構造にお
けるノイズ特性表である。
【符号の説明】
１ チューブ ２ 抑制手段 ３ 空気排出口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 チューブと、前記チューブの表面に沿っ
    て上昇する潤滑油を飛散させながら泡の発生を抑えるよ
    うチューブの外周面に固着された抑制手段とからなり、
    前記チューブの内部へ上昇する潤滑油の気泡及び浮遊異
    物を排出させるためにチューブに空気排出口を形成した
    ことを特徴とする圧縮機のオイルピックアップチュー
    ブ。
  2. 【請求項２】 前記抑制手段は、環状突起として形成さ
    れたことを特徴とする請求項１に記載のオイルピックア
    ップチューブ。
JP5022638A 1992-02-13 1993-02-10 圧縮機のオイルピックアップチュ―ブ Expired - Lifetime JP2533279B2 (ja)

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KR1992-2135 1992-02-13

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