JPH05271411A - イミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

イミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物およびその製造方法

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JPH05271411A
JPH05271411A JP4068692A JP6869292A JPH05271411A JP H05271411 A JPH05271411 A JP H05271411A JP 4068692 A JP4068692 A JP 4068692A JP 6869292 A JP6869292 A JP 6869292A JP H05271411 A JPH05271411 A JP H05271411A
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general formula
resin composition
resistant resin
type heat
imide oligomer
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JP4068692A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Ogawa
信之 小川
Atsushi Fujioka
厚 藤岡
Shigeo Sase
茂雄 佐瀬
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶媒に対する溶解性が高く、強靱性に優れ誘
電率が低いイミドオリゴマ型樹脂組成物を提供するこ
と。 【構成】 a)一般式〔1〕 【化1】 (式中、R1 〜R6 は水素原子又は炭素数1〜4のアル
キル基を示し、R1 〜R6 のうち少なくとも一つは炭素
数1〜4のアルキル基であり、互いに同じであっても異
なっていてもよい。nは1〜3の整数を示す。)で表さ
れるアルキレン結合型芳香族ジアミンと b)一般式〔2〕 【化2】 (式中、X1 、X2 は、−O−、−CO−、−SO
2 −、−C(CH3 2 −から選ばれる二価基あるいは
芳香環同士の直接結合を示し、互いに同じであっても異
なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)で表さ
れるテトラカルボン酸二無水物と c)反応性炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ持つカ
ルボン酸モノ無水物とを、それぞれa:b:c=1.
1:0.1〜0.9:0.3〜2.7のモル比で反応さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形材料、電子機器用
フィルム、複合材料用樹脂、半導体用絶縁材料、半導体
封止材料用樹脂、プリント配線板用樹脂、耐熱性接着剤
などに用いられる耐熱性樹脂に関し、それらの用途に好
適でかつ従来よりも強靱性があって、溶媒に対する溶解
性も高く、また誘電率が低いイミドオリゴマ型樹脂組成
物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリイミドは耐熱性が優れている
ため、成形材料、電子機器用フィルム、複合材料用樹
脂、半導体用絶縁材料、半導体封止材料用樹脂、プリン
ト配線板用樹脂、耐熱性接着剤などに広く用いられてい
る。封止材料用樹脂やプリント配線板用樹脂では成形中
に低分子の縮合物を発生しない、いわゆる付加硬化型の
ビスマレイミド系樹脂が用いられているが、例えばN,
N′−ビスマレイミドジフェニルメタンなどは硬化物が
非常に脆く、強度が低いという問題があった。ビスマレ
イミド系樹脂の脆さを改善し硬化物に強靱性を付与する
ため、ビスマレイミドをオリゴマ化することが一般に行
われている。特公昭46−23250号公報に示されて
いるように、ビスマレイミドとジアミン化合物を反応さ
せてアミノオリゴマ化する方法がある。また特公昭61
−36859号公報や特開昭61−271286号公報
に示されているように、ジアミン化合物とテトラカルボ
ン酸無水物および無水マレイン酸を反応させて、両末端
マレイミドオリゴマを製造する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特公昭46−2325
0号公報に示されている方法は、オリゴマ中に反応した
ジアミンが二級アミンとして残っていて、マレイミド基
とさらに反応するので、最終的に硬化した場合の時の架
橋密度が高くなり強靱性が十分でなく、またオリゴマを
溶液にした場合の保存性が悪いという問題があった。さ
らにエレクトロニクス用途に用いる場合では、二級アミ
ンが残っているため誘電率が高いという欠点があった。
特公昭61−36859号公報や特開昭61−2712
86号公報に示されているような両末端マレイミドオリ
ゴマは、強靱性が図れるが分子量がある程度高くなると
溶媒に対する溶解性が悪くなり、低濃度の溶液しか得ら
れなくなる。その場合、例えば絶縁皮膜や接着剤として
用いる場合、低濃度では下地の凹凸に追従して平坦化す
ることができず、また必要な膜厚を形成するのに塗布お
よび乾燥を数回繰り返さねばならないという問題があっ
た。さらにガラス布などの基材に含浸する場合にも低濃
度のワニスでは、必要な樹脂量を付着させるには含浸工
程を繰り返す必要があったり、また大量の溶媒を乾燥し
なければならないなどの欠点があった。本発明は、かか
るじょうきょうにかかる状況に鑑みなされたもので、強
靱性でかつ溶媒に対する溶解性も高く、また誘電率が低
いイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物を提供することを
目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意検討した結果、特定のジアミン化
合物を用いてテトラカルボン酸二無水物およびカルボン
酸モノ無水物と反応させたイミドオリゴマ型耐熱性樹脂
組成物が強靱性があり、かつ溶媒に対する溶解性も高
く、また誘電率が低いことを見い出し本発明に至った。
【0005】すなわち、本発明はジアミン化合物と、テ
トラカルボン酸二無水物および反応性炭素−炭素二重結
合を少なくとも一つ持つカルボン酸モノ無水物を反応さ
せて得られるイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物におい
て、ジアミン化合物の全部または一部に、一般式〔1〕
【0006】
【化5】 (式中、R1 〜R6 は水素原子又は炭素数1〜4のアル
キル基を示し、R1 〜R6 のうち少なくとも一つは炭素
数1〜4のアルキル基であり、互いに同じであっても異
なっていてもよい。nは1〜3の整数を示す。)で表さ
れるアルキレン結合型芳香族ジアミンを単独あるいは複
数以上用い、テトラカルボン酸二無水物の全部または一
部に、一般式〔2〕
【0007】
【化6】 (式中、X1 、X2 は−O−、−CO−、−SO2 −、
−C(CH3 2 −から選ばれる二価基あるいは芳香環
同士の直接結合を示し、互いに同じであっても異なって
いてもよい。nは0〜3の整数を示す。)で表されるテ
トラカルボン酸二無水物の単独あるいは混合物を用いる
ことを特徴とするイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物お
よびその製造方法に関する。
【0008】本発明についてさらに詳しく説明する。本
発明のイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物の特徴の1つ
は、有機溶媒に高溶解性のジアミンを用いたことであ
る。すなわち一般式〔1〕で表せるジアミンは、アルキ
レン基により芳香族環を結合した物であり、そのため分
子の自由度が増大し、溶解性が高いものである。さらに
芳香族環の水素原子をかさ高いアルキル基で置換するこ
とにより、さらに溶媒溶解性が高くなる。一般式〔1〕
で表せるアルキレン結合型芳香族ジアミンとして具体的
には、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テト
ラエチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,
3′,5,5′−テトライソプロピル−4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4,4′−アミ
ノフェニル)プロパン、α,α′−ビス(4−アミノフ
ェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビ
ス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼ
ン、α,α′−ビス(3,5−ジメチル−4−アミノフ
ェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられ、
単独あるいは複数以上用いてもよい。
【0009】また、本発明のイミドオリゴマ型耐熱性樹
脂組成物は、その溶解性を損なわない範囲で、その他の
芳香族ジアミンと併用しても構わない。その併用できる
芳香族ジアミン化合物としては、フェニレンジアミン、
ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテ
ル、ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス{4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、ビス
{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホンな
とが挙げられる。
【0010】本発明のイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成
物のもう1つの特徴は、有機溶媒に高溶解性の無水テト
ラカルボン酸を用いたことである。すなわち一般式
〔2〕で表せる無水テトラカルボン酸は芳香族環同士を
屈曲性のある基で結合させた化合物であり、そのため、
その屈曲性により分子間相互作用がなく溶媒溶解性に優
れている。もしくは芳香族環同士を直接結合した場合
で、しかも2個の場合、すなわちビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物の場合、分子の対称性かなく、そのため
分子間の相互作用が低く、溶解性の高いものである。一
般式〔2〕で表せる酸無水物として具体的には、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、オキシジフタル酸二無水物、3,3′,4,4′−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,
4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)
ベンゼン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカ
ルボキシフェノキシ)フェニル〕イソプロピリデン二無
水物等が挙げられ、これらを単独あるいは複数以上用い
てもよい。
【0011】上記ジアミン化合物とテトラカルボン酸二
無水物と共に反応させる反応性二重結合を有する酸無水
物は、オリゴマの末端に結合させ、オリゴマに硬化性を
付与させるものであり、具体的には、無水マレイン酸、
無水ナジック酸、スチレン−3,4−ジカルボン酸無水
物等がある。
【0012】次に、本発明のイミドオリゴマ型耐熱性樹
脂組成物の製造方法につき説明する。
【0013】その1つの方法としては、一般式〔1〕で
示したジアミン1モルに対し、一般式〔2〕で示したテ
トラカルボン酸二無水物0.1〜0.9モル、及び反応
性二重結合を有する酸無水物0.3〜2.7モルを有機
溶媒中で0〜80℃、好ましくは0〜50℃の温度で同
時に反応させてアミド酸中間体とする。もしくは一般式
〔1〕で示したジアミン1モルにたいし、一般式〔2〕
で示したテトラカルボン酸二無水物0.1〜0.9モル
を反応させて末端ジアミンのアミド酸中間体にした後、
さらに反応性二重結合を有する酸無水物0.3〜2.7
モルを添加してアミド酸中間体を合成し、その後脱水イ
ミド化反応せしめてイミドオリゴマとする方法である。
脱水イミド化反応として、100〜300℃で30分〜
8時間加熱脱水する方法、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の水と共沸組成物を形成する有機溶媒を投入し、さ
らに必要に応じてトリエチルアミン等のアミン触媒を加
えて共沸脱水する方法、又は無水酢酸、無水プロピオン
酸等を脱水化剤として用いる方法を用いることができ
る。また脱水化剤を用いる場合は、触媒として酢酸ニッ
ケル、酢酸コバルト、酢酸カリウム等の金属塩やトリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、ピリジンを単独もし
くは併用することができる。
【0014】また2つ目の方法として、第一段階として
一般式〔1〕で示したジアミン1.0モルに対し、一般
式〔2〕で示したテトラカルボン酸二無水物0.1〜
0.9モルを有機溶媒中で0〜80℃、好ましくは0〜
50℃の温度で反応させ、アミド酸中間体とし、一端脱
水イミド化反応をして末端ジアミンイミドオリゴマとす
る。脱水イミド化反応として、100〜300℃で30
分〜8時間加熱脱水する方法、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の水と共沸組成物を形成する有機溶媒を投入
し、さらに必要に応じてトリエチルアミン等のアミン触
媒を加えて共沸脱水する方法、又は無水酢酸、無水プロ
ピオン酸等を脱水化剤として用いる方法を用いることが
できる。また脱水化剤を用いる場合は、触媒として酢酸
ニッケル、酢酸コバルト、酢酸カリウム等の金属塩やト
リエチルアミン、トリプロピルアミン、ピリジンを単独
もしくは併用することができる。
【0015】次に第二段階として、反応性二重結合を有
する酸無水物0.3〜2.7モルを有機溶媒中で0〜8
0℃、好ましくは0〜50℃の温度で反応させ、アミド
酸中間体とし、脱水イミド化反応させてイミドオリゴマ
とする方法である。脱水イミド化反応として、100〜
300℃で30分〜8時間加熱脱水する方法、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の水と共沸組成物を形成する
有機溶媒を投入し、さらに必要に応じてトリエチルアミ
ン等のアミン触媒を加えて共沸脱水する方法、又は無水
酢酸、無水プロピオン酸等を脱水化剤として用いる方法
を用いることができる。また脱水化剤を用いる場合は、
触媒として酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸カリウム
等の金属塩やトリエチルアミン、トリプロピルアミン、
ピリジンを単独もしくは併用することができる。
【0016】本発明で得られた組成物は、アニオン重合
開始剤や有機過酸化物等の硬化触媒の存在下あるいは不
存在下で、100〜300℃に加熱することにより架橋
反応をし不溶性ポリマーとなる。アニオン重合開始剤と
しては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メ
チルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミ
ダゾール類、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアミ
ン等のアミン類、ジシアンジアミド、トリフェニルホス
フィン、及び有機金属化合物などがあり、樹脂組成物に
対し好ましくは0.1〜10重量%添加する。有機過酸
化物としては、例えばベンゾイルパーオキシド、ジクミ
ルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシドなど
があり、樹脂組成物に対し好ましくは0.1〜10重量
%添加する。
【0017】
【作用】本発明のイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物
は、芳香族環同士をアルキル基、エーテル基のような屈
曲性を有しているもので結合した構造のため、分子の自
由度が大きく、また、かさ高いアルキル基を構造上有し
ているため、有機溶媒との親和性が大きく、溶媒への溶
解性が良好である。また末端に重合性基を有しているた
め、加熱により三次元硬化した硬化物となり、得られた
硬化物は可とう性に優れ、かつ極性基を有していないた
め、低誘電率材となる。以下、本発明を実施例にて、さ
らに具体的に説明する。
【0018】
【実施例】
実施例1 温度計、冷却管、窒素導入管、攪拌棒を備えた1lの3
つ口フラスコに、α,α′−ビス(4−アミノフェニ
ル)−m−ジイソプロピルベンゼン68.8gとN−メ
チル−2−ピロリドン300mlを加え、窒素気流下攪拌
し溶解させた後、4,4′−オキシジフタル酸二無水物
(ODPA)18.6gを添加し、4時間反応させた。
次にトルエン100mlとトリエチルアミン1gを添加
し、ディーン−スタークトラップを用いて170℃、8
時間脱水反応を行った後、トルエンを減圧下、100℃
で除去した。これに無水マレイン酸41.2gをN−メ
チル−2−ピロリドン100mlに溶解した溶液を20℃
以下に保ちながら滴下ロートから添加し、6時間反応さ
せた。次にトリエチルアミン42.2g、酢酸ニッケル
1.75g、無水酢酸42.8gを添加し、8時間攪拌
して茶色透明のマレンミドオリゴマ溶液を得た。この溶
液を攪拌している3lの水中に滴下し、沈澱した固体を
ろ過した後、十分水洗し、60℃で6時間減圧乾燥し
た。さらにこの粉末固体をテトラヒドロフラン200ml
に溶解し、この溶液をメタノール2lに滴下して再沈澱
により精製し、ろ過した後、60℃で6時間減圧乾燥し
た。得られた茶色粉末の重量は90.7g(収率75
%)であった。得られた組成物はN−メチル−2−ピロ
リドン等の溶媒に可溶であった。
【0019】この組成物の赤外線吸収スペクトルを図1
に示す。2870〜3100cm-1にアルキレン基に由来
する吸収が見られる。また、この組成物を濃度が30重
量%になるように、N−メチル−2−ピロリドンに溶解
させた溶液をキャストし、150℃で1時間、230℃
で3時間硬化を行って得たフィルムは可とう性に富み、
折り曲げても破壊しなかった。また誘電率を測定したと
ころ2.8であった。
【0020】実施例2〜7 表1に示す種類の芳香族ジアミン、テトラカルボン酸二
無水物、無水マレイン酸をそれぞれ示した使用量とした
ほかは、実施例1と同様にして各組成物、フィルムを製
造した。それらの諸特性を表1に示す。
【0021】実施例8 温度計、冷却管、窒素導入管、攪拌棒を備えた1lの3
つ口フラスコに、α,α′−ビス(4−アミノフェニ
ル)−m−ジイソプロピルベンゼン68.8gとN−メ
チル−2−ピロリドン300mlを加え、窒素気流下攪拌
し溶解させた後、4,4′−オキシジフタル酸二無水物
(ODPA)18.6gを添加し、2時間反応させた。
次に無水マレイン酸41.2gをN−メチル−2−ピロ
リドン100mlに溶解した溶液を20℃以下に保ちなが
ら滴下ロートから添加し、6時間反応させた。次にトリ
エチルアミン60.6g、酢酸ニッケル2.50g、無
水酢酸60.9gを添加し、8時間攪拌して茶色透明の
マレイミドオリゴマ溶液を得た。この溶液を攪拌してい
る3lの水中に滴下し、沈澱した固体をろ過した後、十
分水洗し、60℃で6時間減圧乾燥した。さらにこの粉
末固体をテトラヒドロフラン200mlに溶解し、この溶
液をメタノール2lに滴下して再沈澱により精製し、ろ
過した後、60℃で6時間減圧乾燥した。得られた茶色
粉末の重量は84.7g(収率70.1%)であった。
得られた組成物はN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒
に可溶であった。さらに実施例1と同様にして、フィル
ムを製造した。それらの諸特性を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】比較例1 芳香族ジアミンとして、ジアミノジフェニルエーテルを
用いた以外、実施例1と同様にして組成物を得た。得ら
れた組成物は、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒に
可溶だった。また実施例1と同様にして得たフィルムを
折り曲げると破壊した。
【0024】比較例2 芳香族ジアミンとして、ジアミノジフェニルエーテルを
用い、またテトラカルボン酸二無水物として、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
を用いた以外、実施例1と同様にして組成物を得た。得
られた組成物は、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒
に不溶だった。そのため、実施例1と同様にはフィルム
が得られなかった。
【0025】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のイミ
ドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物は、溶媒への溶解性が良
好であり、またフィルム化も可能である。また得られた
フィルムは可とう性を有し、かつ低誘電率性を示し、そ
の工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる組成物の赤外線スペクトルであ
る。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無
    水物および反応性炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ
    持つカルボン酸モノ無水物を反応させて得られるイミド
    オリゴマ型耐熱性樹脂組成物において、ジアミン化合物
    の全部または一部に、一般式〔1〕 【化1】 (式中、R1 〜R6 は水素原子又は炭素数1〜4のアル
    キル基を示し、R1 〜R6 のうち少なくとも一つは炭素
    数1〜4のアルキル基であり、互いに同じであっても異
    なっていてもよい。nは1〜3の整数を示す。)で表さ
    れるアルキレン結合型芳香族ジアミンを単独あるいは複
    数以上用いることを特徴とするイミドオリゴマ型耐熱性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 テトラカルボン酸二無水物の全部または
    一部に、一般式〔2〕 【化2】 (式中、X1 、X2 は、−O−、−CO−、−SO
    2 −、−C(CH3 2 −から選ばれる二価基あるいは
    芳香環同士の直接結合を示し、互いに同じであっても異
    なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)で表さ
    れるテトラカルボン酸二無水物の単独あるいは混合物で
    ある請求項1記載のイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 一般式〔1〕で示されるジアミン化が
    3,3′,5,5′−テトライソプロピル−4,4′−
    ジアミノジフェニルメタンである請求項1記載のイミド
    オリゴマ型耐熱性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 一般式〔1〕で示されるジアミン化合物
    がα,α′−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソ
    プロピルベンゼンである請求項1記載のイミドオリゴマ
    型耐熱性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 一般式〔1〕で示されるジアミン化合物
    がα,α′−ビス(4−アミノフェニル)−m−ジイソ
    プロピルベンゼンである請求項1記載のイミドオリゴマ
    型耐熱性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 一般式〔2〕で示されるテトラカルボン
    酸二無水物が3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカ
    ルボン酸二無水物である請求項2記載のイミドオリゴマ
    型耐熱性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 一般式〔2〕で示されるテトラカルボン
    酸二無水物がオキシジフタル酸二無水物である請求項2
    記載のイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 一般式〔2〕で示されるテトラカルボン
    酸二無水物が3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテト
    ラカルボン酸二無水物である請求項2記載のイミドオリ
    ゴマ型耐熱性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 一般式〔2〕で示されるテトラカルボン
    酸二無水物がジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無
    水物である請求項2記載のイミドオリゴマ型耐熱性樹脂
    組成物。
  10. 【請求項10】 一般式〔2〕で示されるテトラカルボ
    ン酸二無水物が1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフ
    ェノキシ)ベンゼン二無水物である請求項2記載のイミ
    ドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 一般式〔2〕で示されるテトラカルボ
    ン酸二無水物が2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボ
    キシフェノキシ)フェニル〕イソプロピリデン二無水物
    である請求項2記載のイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成
    物。
  12. 【請求項12】 反応性炭素−炭素二重結合を少なくと
    も一つ持つカルボン酸モノ無水物が無水マレイン酸であ
    る請求項1記載のイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 a)一般式〔1〕 【化3】 (式中、R1 〜R6 は水素原子又は炭素数1〜4のアル
    キル基を示し、R1 〜R6 のうち少なくとも一つは炭素
    数1〜4のアルキル基であり、互いに同じであっても異
    なっていてもよい。nは1〜3の整数を示す。)で表さ
    れるアルキレン結合型芳香族ジアミンと b)一般式〔2〕 【化4】 (式中、X1 、X2 は、−O−、−CO−、−SO
    2 −、−C(CH3 2 −から選ばれる二価基あるいは
    芳香環同士の直接結合を示し、互いに同じであっても異
    なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)で表さ
    れるテトラカルボン酸二無水物と c)反応性炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ持つカ
    ルボン酸モノ無水物とを、それぞれa:b:c=1.
    1:0.1〜0.9:0.3〜2.7のモル比で反応さ
    せることを特徴とするイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成
    物の製造方法。
  14. 【請求項14】 一般式〔1〕で表されるa)ジアミン
    化合物1.0モルと一般式〔2〕で表されるb)テトラ
    カルボン酸二無水物0.1〜0.9モルを極性溶媒中で
    反応させ末端にアミノ基を有するポリアミド酸とし、つ
    いでc)反応性炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ持
    つカルボン酸モノ無水物0.3〜2.7モルを添加し、
    必要により脱水化剤および/または触媒の存在下100
    〜300℃でイミド化を行うことを特徴とする請求項1
    3記載のイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 一般式〔1〕で表されるa)ジアミン
    化合物1.0モルと一般式〔2〕で表されるb)テトラ
    カルボン酸二無水物0.1〜0.9モルを極性溶媒中で
    反応させ末端にアミノ基を有するポリアミド酸とし、つ
    いで水と共沸する有機溶剤を添加し、必要によりアミン
    系触媒を加えて共沸脱水反応を行うことにより両末端ジ
    アミンオリゴマとなし、その後前記有機溶媒を除去した
    後、c)反応性炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ持
    つカルボン酸モノ無水物0.3〜2.7モルを添加し、
    必要により脱水化剤および/または触媒の存在下100
    〜300℃でイミド化を行うことを特徴とする請求項1
    3記載のイミドオリゴマ型耐熱性樹脂組成物の製造方
    法。
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